刹那「シンデレラガールズ……?」 (99)

ティエリア「そうだ、武力介入による戦争根絶が達成され」

ティエリア「ヴェーダが新たに世界を一つにまとめるプランを打ち出した」

ロックオン「シンデレラっつー事は御伽噺のお姫様でも担ぎ上げるのか?」

ティエリア「その内容は……メディアを利用し、アイドルの力によって世界をまとめる」

ロックオン「アイドルぅ? そいつぁ歌ってダンスして……ってアレか?」

ティエリア「そうだ、アイドルを育て世界を歌とダンスで魅了しひとつに纏める……」

ティエリア「それが『シンデレラガールズ・プラン』……」


ロックオン「そういうのは俺達のやる事かぁ? もっとこう紛争地域に行ってだな……」

ティエリア「大規模な戦争行動は全て消滅し、世界は平和へと進んでいっている」

ティエリア「紛争といった小規模な戦闘行動は鎮圧されていくだろう」

ティエリア「それらの収束とともに、平和の象徴を立てる」

ティエリア「象徴は権力・財力・武力……いずれにも属さないものとして、だ」

ロックオン「はぁ……で、一体俺達は何をすればいいんだ?」

刹那「………………」

ティエリア「日本のとある事務所へ向かい、アイドルをプロデュースしていく」

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-UNION経済特区『日本』-


ティエリア「……この近くの筈だが」

ロックオン「はー……こんな任務をするハメにるたぁねぇ……」

刹那「…………」

ロックオン「もういっそ刹那をアイドルとやらにしちまおうぜ」

ティエリア「それは駄目だ、刹那にも任務を遂行してもらうプランになっている」

ロックオン「……刹那が誰かを育てるなんてできるのかねぇ」

刹那「…………あそこか」

ハロ「モクテキチ! モクテキチ!」


    『CGプロダクション』


ティエリア「ああ……間違いない」

ロックオン「そんじゃま、とっととプロデュースとやらを始めますか!」

――――――
―――――
――――

ちひろ「初めまして! 私CGプロダクションで事務員をやっています『千川ちひろ』と申します」

ちひろ「今日は新しいプロデューサーさんがこられるということで……」

ちひろ「これから宜しくお願いしますね!」

ロックオン「あーよろしく。俺はロックオン、んでこの眼鏡がティエリア、ちっこいのが刹那」

ティエリア「ティエリア・アーデだ。以後宜しくお願いする」

刹那「……刹那・F・セイエイだ。宜しく頼む」

ちひろ「ロックオンさんと刹那さんと、ティエリアさんですね……わかりました!」

ちひろ「それで……早速アイドルのプロデュースといきたいのですが……」

ちひろ「まだこの事務所は設立されたばかりなのでアイドルが一人だけなんです」

ロックオン「あん? なら俺達3人で来る必要なかったんじゃないか?」

ちひろ「いえいえ! トップアイドルになれる子はまだ世の中にたっくさん居ますよ!」

ちひろ「その中からアイドルになる子を見つけて育てていくのもプロデューサーのお仕事なんです!」

ロックオン「つまり人増やして、その中からトップに立てる奴を育てるってとこか?」

ちひろ「そうですね、3人のプロデューサーさんにはそれぞれタイプの異なる子を見つけてもらって……」

ちひろ「トップアイドルになる子を育ててくださいね!」

ちひろ「タイプは大きくわけてクール、キュート、パッションというタイプですが……」

ちひろ「3人のプロデューサーさんはそれぞれ……」


ちひろ「かっこいいイメージのクール!」

ロックオン「ん?」


ちひろ「可愛いイメージのキュート!」

刹那「…………」


ちひろ「活発元気なイメージのパッション!」

ティエリア「了承した」


ちひろ「それぞれのイメージでアイドルの原石を見つけてスカウトしてきて下さいね!」


ロックオン「んで、さっき言ってた一人のアイドルってのは?」

ちひろ「はい、クールタイプになる子で……凛ちゃん、ちょっとこっち来て下さい~」

 
  ガチャッ
  

凛「ふーん……アンタ達が私のプロデューサー? まぁ、悪くないかな」

ロックオン「は?」

ロックオン「このお嬢ちゃんがかっこいいイメージねぇ……」

凛「何よ」

ロックオン「ダメだダメだ、単に態度がわりぃだけだ。目上に対する礼儀ってもんがなっちゃいねぇ」

ロックオン「只のお子様じゃないか、そういう奴の面倒見るのは刹那だけで十分だってのに……」

凛「どういう意味よ、それ」

ロックオン「どういう意味も、そのまんまだっつの。いい女ってのはなぁもっとセクシーで大人の雰囲気を持つ奴を言うんだよ」

ロックオン「今のお前さんじゃ、ただのはねっかえりだ」

凛「何よそれ……私もアンタみたいな人チャラチャラしてて嫌、ほんとにアイドルにしてくれるの?」

ロックオン「あー……成り行きでこうなっちまったが、それが俺の任務らしいからなぁ」

凛(……任務?)

ロックオン「ただ、お前さんじゃだめだな」

ちひろ「まぁまぁ、ロックオンさんも凛ちゃんとこれから仲良くなって一緒に頑張っていけば」

ちひろ「きっと素敵なアイドルとプロデューサーになれますよ!」


ロックオン「お断りだね」
凛「私は嫌」


ロックオン「あぁん?」

凛「……フン」

ロックオン「ったく、可愛げねえなぁ……」

ちひろ「くすくす……もう息があってるじゃないですか、凛ちゃんはロックオンさんの担当で決まりですね!」

ちひろ「……それで、刹那くんとティエリアさんの担当アイドルは……スカウトをしてきてもらいます」

ティエリア「問題ない」

刹那「…………何をすれば」


ロックオン「おいおい、スカウトって要は声かけて『アイドルになりませんかー?』なんて言うんだろ?」

ロックオン「刹那にそういう事できねえだろ」

刹那「…………女を連れてくればいいんだな」

ロックオン「……いきなり面倒事はやめてくれよ……そうだな、ティエリア」

ティエリア「なんだ」

ロックオン「ハロをちょっと頼めるか?」

ティエリア「……?」


―――――
――――
―――

ティエリア「ロックオン、ハロに言われた通りヴェーダとのリンク機能をつけたぞ」

ロックオン「よし、刹那。ハロもってけ」ポン

刹那「…………」

ロックオン「そのハロ持って街を出歩いてだな、ハロが反応した奴に声をかけてここまで穏便に連れてくるんだぞ」

刹那「…………了解した」

ロックオン「いいか、ハロをなくすんじゃないぞ。しっかり持っとけ」


  ハロ! ハロ!  ぽ~ん! ぽ~ん! ころころころ……

凛「…………」

ロックオン「どうしたよお嬢ちゃん、ハロが珍しいか? なかなか可愛いだろ」

凛「ふーん……ハロって言うんだ、丸っこいね……」

凛「……リードつけられるかな? お散歩みたいに」

ロックオン「何言ってんだお前」

今日はここまで、ゆっくりやっていく予定

 
 ◇ ◇ ◇ ◇


     すたすたすた……

刹那(……ここの人々は笑顔に溢れている)

刹那(子供連れ、男女のペア、仲間同士……)

刹那(争いを知らない、明日の命を心配する必要もない)

刹那(……俺が昔いた土地は……………)


ハロ「!」

      つるっ! ぽんっ! ぽーんっ!


刹那「っ!」

刹那(しまった! ハロが!)



     ぽーんっ ぽーんっ……

刹那「待てっ!」


      たったったったった……


     …………たったったった…タタッ

刹那「ハロは……そこか!」


      ハロ!  ハロ!

「きゃあっ!? な、何これ!?」

        ハロ!  ハロ!

刹那「ハロ!」


ハロ「セツナ! セツナ!」

刹那「…………」ポン

「あ、あの……そのロボット……君の?」

刹那「……すまない」

「ううん、ちょっとびっくりしちゃっただけだから」


刹那「……………」

「えっと……君は……どこの子? もしかして……迷子?」


ハロ「ティントキタ! ティントキタ!」

刹那「!」

「わっ!? 今度は何?」


刹那(ロックオンが言っていた『反応を示す』とはこれの事か……)

刹那(ならば……!)


      がしっ ぐいっ!

「え!? ちょっと!?」

刹那「迷子になった。着いて来い」


「えええっ!? ちょっ!? 迷子なのに迷い無く走ってる!」


          ああああぁぁぁぁぁ………

――――――
―――――
――――

ロックオン「ふー……このコーヒー中々美味いな」

ティエリア「…………」カタカタ……


凛(さっきから何もしてないけど……いいの?)

ちひろ「はい、凛ちゃんもココアどうぞ」

凛「あ、はい……ありがと」

ロックオン「…………」ズズッ…


ロックオン「所でよ、ティエリア。お前は外行かなくていいのか?」

ティエリア「問題ない。既に手は打ってある」

ロックオン「いつの間に……つかどんな手を打ったんだよ」

ティエリア「僕が行くまでもなく、向こうから来るように。だ」

ティエリア「それよりも、そろそろ刹那が戻ってくる筈だ」

ロックオン「あー……ハロにリンク機能つけたから分かるのか」


ロックオン「刹那の奴……本当に大丈夫かよ……」

凛「ん……そんなに心配ならついていってあげれば良かったんじゃない?」

ロックオン「それで四六時中面倒を見てやれって? はっ、冗談」

ロックオン「そんなんじゃいつまで経っても何もできやしねえよ」

ロックオン「一人で色々できるようになんねぇとな、あいつも」

凛「ふぅん……そっか」

       がちゃっ! ばたん!

ロックオン「おー早かったな刹那」

刹那「……刹那・F・セイエイ。任務完了、帰還した」


「はあっ……はぁっ……い、いきなり連れてかれて……ここ、何処?」


ロックオン「…………ぁ~……はぁ~~っ……」



       『こんの……バカヤローッ!』

ロックオン「ったく……あれだけ面倒起こすなって言ったろーが!」

ロックオン「穏便に、とも言ったぞ!」

刹那「……ああ、迷子と偽ってそのまま連行した」

ロックオン「どこが穏便だよ!? 殆ど誘拐じゃねーか!」

刹那「……気絶もさせていない」

ロックオン「たりめーだ!」


「あ、あの……何か、ごめんなさい……?」


ロックオン「あぁいやいやいや、こっちの方こそお嬢ちゃんには迷惑かけちまったな」

ロックオン「本当にすまない、帰るようならタクシー呼んでくるからさ」

「あ、いえ! 大丈夫ですよ、ですからそんなにきつく叱ってあげないで……?」

ロックオン「かぁ~……! えらい目にあったてのに相手の方を気にかけるなんてよ」

ロックオン「……ったく、おい刹那。お前もこの優しいお嬢ちゃんに謝れ」

刹那「…………すまなかった」ペコリ


「ううん、私は大丈夫だから……ところで、ここはアイドル事務所?」



ティエリア「……ヴェーダのスカウトに間違いは無い」

――――――
―――――
――――

卯月「初めまして! 島村卯月です! これから一生懸命頑張ります!」

ロックオン「……まさか連れてきた子がそのまま事務所に所属しちまうたぁなぁ……」

ロックオン「ともあれ、俺はロックオン・ストラトスってんだ。宜しくな」

刹那「……刹那・F・セイエイ、これからお前の担当をする。宜しく頼む」

ティエリア「ティエリア・アーデだ。担当は別だがサポートなら請け負う」

ロックオン「んでティエリア、話は戻るがお前のお相手は?」


ティエリア「……じきに現われる筈だ、僕のプランにミスは無い」



     こんこん がちゃっ

未央「あの~……ごめんください~……なんか書類貰っちゃってアイドルになれるって聞いたんですケドー……」

ティエリア「……ミオ・ホンダだね、ようこそ。君が来るのを待っていた」


ロックオン「え、えぇー……それだけで来るのかよ……」

凛(なんだろう……すごく苦労してるのかな……?)

短いけど今日はこれで、できるだけ日々やっていきたい

 ◇ ◇ ◇ ◇

ロックオン「ミス・チヒロ、これで3人とも揃ったワケだが……」

ロックオン「まず何をすりゃいいんだ?」

ちひろ「はい! まだ彼女たちはスカウトされたばかりでアイドルとしては未熟です」

ちひろ「これから歌にダンスに……色々覚える事はたくさんあります」

ちひろ「もちろん体力もつけないといけませんし……」

刹那「……トレーニングか」

ちひろ「はい! トレーニングルームもありますので、運動をさせることもできますよ」

ティエリア「ならまずは体力をつけさせた方が賢明だ」

ロックオン「そうだな……よし! 体力をつけるレッスンをやらせよう」

ロックオン「刹那、ティエリア。レッスンのメニューはどうする?」

刹那「俺が提案するのは……」サラサラ……


訓練メニュー
・UNION一般兵通常カテゴリ装備によるフィールドワーク10km
・ジャングルにおけるサバイバル生活1ヶ月
・射撃訓練
・ダンスレッスン

ロックオン「……突っ込み所しかねぇよ、申し訳程度のレッスン以外は全部戦闘訓練じゃねーか」

ロックオン「まぁダンスレッスンと……使えそうなのはフィールドワークを装備無しにするぐらいか」


ティエリア「僕が立てたプランはこうだ」カタカタ……ピピッ


レッスンスケジュール(短期集中コース)
・毎日05:00起床、朝食
・05:10~トレーニング
・12:00~昼食
・12:10~レッスン
・19:00~夕食、その他自由時間
・19:30~レッスン
・21:00~就寝


ロックオン「おい」

ティエリア「この生活を続ければごく短期間ですぐに活動ができるレベルまで引き上げられる」

ロックオン「これはこれで日常に支障が出るけどな……さすがにそれはやりすぎだ」

ロックオン「大体二人ともトレーニングとレッスンを平行って部分は一緒か」

ロックオン「ま、後は実際やってみるっきゃねぇか……決まりだな」

ちひろ「はい! トレーニングルームとレッスンスタジオはこの場所で……―――」

――――――
―――――
――――

-トレーニングルーム-

ロックオン「よーしお前達、これからトレーニングやるぞー」

ロックオン「まずは体力作りだ」

凛「うん」
未央「おー!」
卯月「はいっ!」

凛「それはいいんだけど……アンタもやるの? その格好……」

ロックオン「相変わらず口悪ぃな……まあ俺たちも体が鈍るといけねぇからな」

刹那「こちらも着替えてきた」

ティエリア「僕はやる必要はない」

ロックオン「じゃ、始めるか……それと一つ」

凛「ん?」

ロックオン「もしも俺か刹那がお前達より先にへばったら、後で何でも好きなモン食わしてやるぞ」

未央「おぉぉ……奢り? もしかして奢ってくれちゃうの!?」

ロックオン「あぁ、俺たちに勝てたらな。気合入れてけよ」

未央「えへへ、頑張っちゃうぞー! おー!」

卯月「もう、未央ちゃんったら張り切っちゃって……でも私も頑張っちゃいますよ!」

凛「別に……そういうのはいいよ」

ロックオン「ま、俺たちが勝つけどな?」

凛「……別に奢りなんていいけど……そのまま言われっぱなしなのはなんか癪」


ロックオン「おう、じゃあスタートだ!」

 
-しばらく後-


ロックオン「やっぱ椅子に座りっぱなしより、体動かしてる方がいいな」タッタッタッタ……

凛「……ハッ……ハッ……よ、余裕……だね……」

未央「あうぅ……これ、結構……きついね………」

卯月「はぁっ……はぁっ……」

刹那「……………………」タッタッタッタ……



ロックオン「おーどうしたー、大分息が上がってんぞー」

ロックオン「……よーし、刹那! 俺とお前はペースアップだ! いくぞっ」ダダッ!

刹那「……了解、駆け抜ける!」ダッ!

凛「……ハッ…ハッ…~~っ!」タタタッ!


ロックオン「さぁスパートだ! どっちが先にへばるか……!」



卯月「ぅぅ~……っ……も、もうだめぇ!」

未央「はぁっ……はっ……あたしももう無理ー……きゅう」

凛「…………はぁっ……ごめん……ギブアップ……」


ロックオン「よーし、おしまいだ! お前達は急に止まるなよ、ゆっくりペースを落とすんだ」


凛「はぁっ…………はぁっ……すごい、ね……そっち全然息……上がってない……はぁっ」

ロックオン「それなりに……鍛えてるんでね! 刹那の方も見てみろ」

刹那「…………」


卯月「ぅぅ、顔色全然かわってない……」

ロックオン「あいつの場合は特別だが、ちょっとくらいは着いて行けるようにならねぇとな」

ロックオン「……ふぅ、じゃあこっちもおしまいっと」

刹那「……終了する」

ロックオン「んー久々にいい運動になったな」

ティエリア「水分補給を怠るな。スポーツドリンクだ」

ロックオン「お、サンキュ」

ティエリア「これは3人の分だ」

ロックオン「あ、そう……ほれ、汗拭いてこれ飲め」


凛「うん……」

未央「ふぅ~っ……いやぁプロデューサー達凄いね! 全然敵わなかったや、あはは!」

卯月「私たちもこれから頑張らないとだね……」

ロックオン「これからはトレーニング続けて、レッスン少しづつやってビシビシ鍛えてやるからな」

未央「ぅぇ~……もうちょっとこう、お手柔らかにといいますか……ね?」

ティエリア「駄目だ、これでもまだ甘いぐらいだ」

未央「そんなぁー!」

 
卯月「……すごいね、体鍛えてたの?」

刹那「……そんな所だ」

卯月「私も負けてばっかりじゃ駄目だね……これから勝てるように頑張るよ!」

刹那「……フォローはする」


ロックオン「どうだ? 最初の感想は」

凛「体力じゃ全然敵わなかった……でもいつか見返してやるんだから」

ロックオン「おうおう、その意気で頑張れ。もしもこの先お前さんが勝てたら何でも言う事聞いてやるよ」

凛「余裕持ちすぎ……ちょっとむかつく」

ロックオン「おー威勢いいねぇ、少し休憩したらレッスンも始めるぞー」


――――――
―――――
――――

-レッスンスタジオ-

ルーキートレーナー「皆さん初めまして! これからレッスンの担当をする」

ルキトレ「ルーキートレナーです! 宜しくお願いしますっ!」

ロックオン「このお嬢ちゃんがダンスを教えてくれるのか?」

ルキトレ「むっ、私はこれでも19ですから子供じゃありませんよ!」

ロックオン「まぁこいつらに比べたら年は上だけど……あんま変わんねぇな。ま、とにかく宜しくな」

ルキトレ「何やら釈然としませんが……レッスン始めちゃいましょうか!」


ルキトレ「まずは基本的なステップから。ワン、ツー、スリーで……足でリズムをとって――」



凛「……」タン……タン……

卯月「………」タン……ヨロッ……タン……

未央「よっ……はっ……」


ロックオン「ここはさすがに俺たちの出る幕はねぇかな……」

ロックオン「ま、問題がないよう見といてやるか」

刹那「…………」スッ…

ロックオン「ん? どうした刹那」


      すたすた

ルキトレ「あら、どうかしたかな?」

刹那「少しいいか」

卯月「あ、うん?」

刹那「ダンスについては詳しくは無いが、体を動かす時はバランスを意識しろ」

刹那「軸を安定させれば次の行動に素早く移れる。基本的な事だが重要だ」

卯月「う、うん。やってみるね」


ルキトレ「じゃあもう一回。ワン、ツー、スリー……」タンタン


卯月「………」タンッ!………タンッ!……


ルキトレ「うん、少しよくなったよ! 彼の言う通り基本は大事だからね!」


ロックオン「へぇ……やるじゃねえか」

刹那「問題となる部分を指摘しただけだ」


ロックオン「で、ティエリアは何してんだ」

ティエリア「訓練メニューの作成をしている」

ティエリア「彼女達のデータを踏まえて日常生活に支障の無いプログラムを再度考案する」

ロックオン「お、いいね……と言うかできるなら最初からそうしろよ」

今日はここまで、時系列は厳密には決めてないけどどっちかって言うと一期ベースかな。ロックオン(兄)の方を使いたい為
他は基本ゆるく。

そしてアイプロがちょうどこの3人で始まる、GNリボカードを使う時がきたか……!


 ◇ ◇ ◇ ◇

ちひろ「レッスンを始めて暫く経ちましたが……皆さんどうでしょうか?」

ロックオン「おぉ、順調に覚えていってるぜ」

刹那「トレーニングも問題ない」

ティエリア「訓練メニューの消化率も多少の誤差はあるが許容範囲内だ」

ちひろ「皆さん順調なようですね……でしたら次のステップいってみませんか?」

ロックオン「訓練の次って事は……実地、つまりデビューか」

ちひろ「その通りです! 実際にライブをしなければアイドルとは言えません」

ちひろ「この業界では人気を得る為にアイドル同士でのライブバトルというものがあります」


ちひろ「早速ライブバトルに参加してみましょう!」

刹那「バトル……戦うのか?」

ロックオン「へぇ……」

ティエリア「…………」

ロックオン「聞いたな? 刹那、ティエリア。どうやら俺たちの本領なようだぜ」

ちひろ「え」

ロックオン「他のメンバーに連絡を取ってバックアップを」

ちひろ「えっ」

ティエリア「了解した、スメラギ・李・ノリエガに戦術プランの提供を依頼する」

ちひろ「えっ……あの」

刹那「ロックオン、俺たちはどうする」

ロックオン「いつでも行動できるように装備のチェックをしつつ待機だ」

ロックオン「戦術プランを受け取り次第行動を開始する」

ティエリア「チヒロ、敵対勢力についての情報を教えてもらいたい。戦術プランの立案に必要だ」


ちひろ「あの……聞いてくださーーーい!」

ロックオン「!?」

ティエリア「!」

刹那「…………」


――――――
―――――
――――


ロックオン「…………いやぁすまねぇ、すっかり勘違いしちまって」

ちひろ「時折聞こえてきた物騒な言葉は何なんですかもう……」

ティエリア「ライブバトルは実際に戦うわけではなく、どちらのアイドルが優れているかを競う」

ティエリア「そういう事か」

ちひろ「より大きい声援を得られた方の勝ちと、それに伴って人気も上がるという形なんです」

ちひろ「それがどうして血気盛んな雰囲気に……」

刹那「ロックオンが」

ロックオン「お前らも乗り気だったろ!? つか刹那が真っ先に勘違いしたろ!」

ちひろ「ああもうっ、とにかく話を進めますとレッスンをこなしてきた彼女達なら」

ちひろ「デビューを飾る事ももうできる筈です! ライブバトルをして勝利しましょう!」


ティエリア「これまでの成果を出す時という事だな」

ロックオン「ま……音を上げたりもしたが、それでも必死になってそれなりに身に付けてきたしな」

刹那「…………彼女等なら問題ない筈だ」


ティエリア「そうと決まれば早速行動だ、まずはレッスンしている彼女達と合流を」

ちひろ「はい! ……あ、ライブバトルで疲れた際にはこちらのエナジードリンクが」

刹那「必要ない」

ちひろ「……はい」

――――――
―――――
――――

やばい、短すぎるけど今日はここまでしかできなかった

凛ちゃんは開口一番初対面であの台詞なので人によってはぶち怒られるぐらいありうる
親密にならないとつっけんどんなまんま

ハロ「ティントキタ! ティントキタ!」
ヌメラ「ティントキタ! ティントキタ!」

       /ワァァァァ………\


 -楽屋内-

凛(ここまで歓声が聞こえてくる……この前に立つのかな、私……)

ロックオン「よーし、初めての舞台だ、気張っていけよ? 準備はいいな」


凛「……うん」フルフル…

ロックオン「……いつもの勢いが無いな、緊張してるのか?」

凛「だって、人がいっぱいで……」

ロックオン「こんなもん数のうちに入らないぜ、これからもっと増やしてやるんだ」

凛「でも……」

ロックオン「心配するなって、今までレッスンをを重ねてきたんだ」

ロックオン「その成果を出せばいいだけさ、それだけでいい」

凛「やって、みる……」

ロックオン「まだ顔つきがぎこちねぇな……よし、一つおまじないを教えてやろう」

凛「おまじない?」

ロックオン「おう、集中して気分を入れ替えるおまじないってトコか」

ロックオン「深呼吸してみろ。ゆっくりだ…………」

凛「うん……すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……」


ロックオン「鏡を見てみろ。そこに見えるのはお前じゃなく弱い心を映しているんだ」

凛「すぅ……はぁ……」


ロックオン「弱い部分だけを追っ払えるおまじない……鏡に指先で狙いをつけるんだ」

ロックオン「指先で狙いをすまして……その一点に狙いを絞って……狙い撃つぜってな」



    ワァァァ・・・………―――――


凛「……すぅ………はぁ…………」

ロックオン「大きく息を吸って……止める!」


凛「すぅぅっ……!」


ロックオン「指先をピクリとも動かさずに……ばんっ!」パチン

凛「……っ!」

ロックオン「……これでもうお前に弱い部分は無くなった、気分はどうだ?」



凛「……こんなおまじない効くわけないじゃん。なんてね」

凛「ちょっとだけ気分晴れた、かも」

ロックオン「……少しはいつもの調子が出たみたいだな、それでいい」

ロックオン「よし、そろそろ時間だ。行くぞ」

凛「うん……あ、やっぱりちょっと待ってまた震えが」

ロックオン「……もう一回やるか?」

 
 ◇ ◇ ◇ ◇


相手P「ハッ! 今日の相手は新人だとよ、このスペシャルエリート様のアイドルが」

相手P「ギッタギタにしてやるぜ!」

相手「にゃっふっふ……」


ロックオン「さて……おまじない5回やり直して気合十分だな?」

凛「うん、もう大丈夫。私勝つよ」

ロックオン「オッケーオッケー、凛! 行って来い!」

凛「あ……私の名前……うんっ!」



凛「……私たちは負けないよ」

相手「いっくにゃー!!」


     \ワァァァ!/\リンチャーン!/\ワァァァ!/

    『勝者 渋谷凛!』


相手P「俺達は……スペシャルで……2000回で……チュートリアルなんだよぉぉぉ!!」

ロックオン「やったな!」


凛「……プロデューサー、私勝ったよ」

ロックオン「バッチリ……と言ってやりたいが少しミスがあったな」

凛「う……」

ロックオン「もう少しレッスンしないとな……ま、でも」

ロックオン「初陣を飾るには十分な結果だ、よくやったな。凛」

凛「うん、ありがと……」

ロックオン「後でジュースでも奢ってやるよ」

凛「むっ……もうちょっといいもの奢ってくれてもよくない?」

ロックオン「次もこの調子で勝てたら、な」

凛「ちぇっ…………なんて、ふふっ」

ロックオン「ははっ、いい顔になったな」

―――――
――――
―――

刹那「次は俺達の番だ」

卯月「うん! 凛ちゃんも頑張ったし、私も頑張るよ!」

刹那「俺達なら勝てる。何も問題はない」

卯月(……まっすぐこっちを見て……何も迷いがないみたいに……)


卯月「うん……島村卯月」

刹那「目標を駆逐しろ!」
卯月「頑張ります!」

卯月「……ええっ!? なんかあぶない言葉が出てきたよ!?」



     『勝者! 島村卯月!』

相手P「また負けたぁぁ! ぢぐしょぉぉ!」


ティエリア「僕達がデビュー最後か」

未央「先越されちゃったけど私も勝っちゃうもんね!」

ティエリア「当然だ、先に勝負した二人のデータを元にシュミレートした。結果は見えている」

未央「うー……そういうのわかんないよぉ」

ティエリア「普段通りやれば勝てるということだ」

未央「普段通りかぁ、いつもはレッスン終わったら甘いもの食べたいとか考えてたけど」

ティエリア「……いつもそんな事ばかり考えていたのか」

未央「ほ、ほら! やる気出すためにはいい事ないとだめじゃない!?」

ティエリア「余裕があるならばメニューを増やすか」

未央「ぎゃぁっ! だ、大丈夫! 大丈夫だから!」

ティエリア「ならば想定通りの結果を出してくる事だ」

未央「はいぃっ! 本田未央いってまいりますっ!」ビシッ


ティエリア(ロックオンのやるように奢りというものをしてやるべきか……?)

ティエリア(……今後検討をしておくか……)



未央「よーしっ、勝負だ~!」


―――――――………・・・

    『勝者! 本田未央!』

相手P「何じゃそりゃあぁぁぁ!!」

ロックオン「これで3人とも晴れて無事にデビュー、と」

ティエリア「今後本格的に活動をする事になる」

刹那「これからどうする」

ティエリア「レッスン・ライブバトルに加え、僕達が皆に合った仕事を見つけてくる」

ロックオン「客をどんどん増やしていけって事か」

ティエリア「他にもアイドルを見つけていく事も必要だろう」

ティエリア「そこで今後の活動について……」



スメラギ「はぁい。皆元気してた?」


ロックオン「ミス・スメラギ……! よぉ久しぶりだな」

ティエリア「ミス・スメラギに連絡を取ってサポートを依頼した」

刹那「………………」

ティエリア「正確にはライブバトルの前にだが……」

ロックオン「あー……勘違いしたあの時か……」


スメラギ「皆さん初めまして。スメラギ・李・ノリエガよ」タユン

スメラギ「よろしくね」バイン


凛「…………」

卯月「うわぁ……」

未央「スタイルはちょっと自信あったけどこれは……」



凛「ねぇプロデューサー……あの人もアイドルになるの?」ボソボソ

ロックオン「ん? いや彼女は俺達のサポートをしてくれる……だがアイドルか……」

ロックオン「考えてもみなかったが……面白いかもな」チラッ


スメラギ「……?」

とりあえずここまで、一期見返しててモバマス勢と比べても相当でかい方だよなと思った

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