男「歌い手育成学校?」 (14)

自室

男「はぁ……毎日暇なもんだな……」

男「……ちょっと散歩にでも出るか…」


リビング

母「…あんた、どこ行くの?」

男「……散歩だよ、ッるせえな…」

母「……そう。帰ってこなくてもいいわよ」

男「………チッ…」ガチャ


母「…はぁ……毎日毎日…視界に入ってくるだけでイライラするわ…」

母「あんな子……本当にいなくなっちゃえばいいのに」

父「…滅多なことは言うもんじゃあないぞ」

母「………」

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男「……外に出たものの…どこに行くか…」

男「…?あの人だかりは何だ…?」


「はぁーい皆さーーーーーーーーーーん!!きょーは、来てくれてーーー、」

「「ありがとぉーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! カッコイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!


男「なんだ、歌手でも来てんのか?」

男「聞くのが早いか。おい、そこの女ァ!!」

女「ヒッ!?」

男「おいテメェ…今ここでは何が起こってンだ…?」

女(おわあああああああああこいつやべえやつだぁ…目が怖いいいいい!!!)

男「チッ…何黙ってやがンだ!!」

女「あああああ、あの!ここでは、歌い手さんたちのライブが…」

男「歌い手だァ!?」

女「ヒィィィィィィ!!!そうですぅぅぅ!!主にネット上で活動してる方々ですぅぅううう!!!」

男「…お前詳しいのかァ?」

女「え、そりゃあもう!この日のために私がどれだけ頑張ってきたか…」

男「なら丁度いい…案内しろや…」

女(私の馬鹿あああああああああああああああああああ!!!)

男「……オイ、あそこで歌ってンのは誰だ?」

女「ああ、あそこに居るのは鋼兵さんですね!!」

男「ァあ゛!?」

女「なんで!!?」

男(なんて強烈なハイトーンシャウト…痺れるゼェ…!)

男「ィァァァァァァァァァァ」

女(怖ええええええ!!!何なのこの人!?苦しいの!?病院行く!?行こっか!?」

女「あ、あのぉ…」

男「……次だァ」

女「へ?」

男「早く次に案内しろォ!!」

女「は、はいィィィ!!!」

女「あ、あそこに立っておられるのが…」

男「立っておられるのとか言ってるけどよォ…そんなに尊敬すべき奴らなのかァ?ネットで歌ってるだけだろォ?」

女「なっ!あの人達をばかにするのは許しませんよ!!」

男「カラオケじゃねェかァ!結局はカラオケじゃねェかァ!!」

女「……いいでしょう。そこまで言うのなら今日中にその考えを覆させてあげます!!!」キッ

男「ほォ…いい目になったじゃねェか…」

女「あの方はGeroさんです!あの特徴的なシャウトがたまりません!!」

男「ただ叫んでるだけだろォ」

女「……なら、やってみてくださいよ」

男「ァあ゛ん゛!?いいだろォ行くぞォ!!?」スゥゥ

男「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

男「…へっどォだ……!!!?ゲホッ!!ガハッ!!」

女「あの人は正しい叫びを習得しているんです。素人には無理です」

男「ハッ!アホくせェ…」

女「お次はあの方……赤飯さんです!!」

女「あぁぁんかっこいいいいい!!!」

男「気色悪ィ声出してんじゃねェぞてめェ!!」

女「うっさい!!キャアアアアアアア赤飯さあああああああああああああああん!!!」

男「チッ……ん!?」

男(何だあの超高音……どっから声出してンだよアイツ…)

男「キ、キキキィィィイィィイイイ……」

女「ヒィィィィィィ!!!?

女「あ、あのぉ…」

男「やっと戻ってきやがったかァ…次だァ…」

女「は、はぁ…」

男「ぁぁぁああ゛…やっと終わったァ…」

女「なによその嫌々ついてきてたみたいな口調は!!」

男「途中から俺は帰るって帰るって言ってただろォがァ……」

女「ふんっ!どう?少しは歌い手様の素晴らしさがわかった!?」

男「サッパリだァ」

女「はぁぁぁぁぁああああ!!?」

男「…ハッ…まぁ、今日はありがとなァ」

女「なっ!べ、別に!!私も一人だったし!別に気にして…」

女「…いない」

女「何なのよぉおおおお!!!」

自室

男「ァあ……えっとォ……鋼兵、だっけかァ…」カタカタ

男「ほォ…ずいぶんと沢山歌ってるじゃねェか…」

男「………♪」

男「………ィェェェェェァァァァァァ…」

男「」イラァ

男「ィ、ィェェェェェァァァァァア!!」

男「ゲホッ!ゲホッ!!」

男「駄目だァ…どォやったらこんな声出るんだよォ…」

男「……んんあ?…歌い手育成学校?ンだぁそりゃァ…」

男「ほォ……はァァ……」

男「…………」ジッ

男「……よォし…決めたァ……」

リビング

父「学校に入りたい、のか?お前が?」

男「おゥよ」

父「最終学歴中退の19歳のお前がか?」

男「おゥよ」

父「大学だろう?」

男「ちげェ…専門学校だァ…」

父「高校卒業の資格は…」

男「いらねェそォだ」

父「うーむ…どーする?母さん?」

母「別に…どーでもいいわ、今更!」

父「…うむ、いいだろう!ただし、やるからには…」

男「ありがとよォ…じゃあ試験明日だから寝るわァ…」

父「明日か……明日ァ!!?」

母「ぷっ…受かるわけないでしょ!」

男「………じゃあなァ…」スタスタ

試験場

男「試験って何すンだろーなァ…」


「あーーーーーーーーーーーーー!!!アンタこの前の!!」


男「ァあ゛あ゛あ゛!!!!?」

女「そんなおっそろしい声出さないでよ!私までおかしい子みたいじゃない!!」

男「お前…また一人なのかァ…」

女「……一人が好きなの!」

男「……そォかよ…それはそうとなァ…お前何でここにいンだァ?」

女「私は有名歌い手になるために受験しに来たの!アンタは?」

男「俺も似たようなもんだァ…」

女「へぇ……ってええええええええええええ!!?何でアンタが!!」

男「楽しそうだったからなァ」

女(歌い手さんたちが…?そりゃそうでしょ!!)

女「…まぁいいわ!さっさと席につきましょ!」

男「おォ…」

男(俺の隣はァ……だれだこいつ…超陰キャラっぽいナァ…)

[ピザ]「」フヒッフヒッ

男(おまけに息をするのも苦しそォだ…何なんだこいつ…)

[ピザ]「……ななな、何をさっきから見てるんでござるか?」

男「ァあ゛!?」

[ピザ]「おおおおろろろせせせせ拙者悪気が会ったわけではっ」

男「……オラ、てめェの番号呼ばれてンぞ…」

[ピザ]「ブッブヒィっ!?ほっホントでござるぅ!かたじけないっ!!」

男「ったく……」

男「……練習でもしとくか…」

男「」プルプルプルプルプルプル


女「何あいつ唇ぷるぷる言わせてんのよ…」

今日はここまでです。

[ピザ]が禁則事項だったとは予想外。名前変えましょうかね。

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