見崎「惚れ薬の作り方……?」赤沢「……!」(167)

見崎「フムフム……なるほど……」ペラ

赤沢(あの眼帯女、”いないもの”として何をしてるかと思えば、一人で教室に残ってるかと思えば何か変な雑誌を読んでるじゃない)

赤沢(それにしても惚れ薬なんて妙な単語が出てきたけど……)

見崎「……」ペラ

赤沢「」

赤沢「気になるじゃない……」

見崎「……」ペラ

赤沢「……!」

赤沢(ドアを少し開けて覗こうかしら? でももし見つかったら”いないもの”に干渉したとして災厄が)

見崎「……へえ」ペラ

赤沢「――!」


赤沢(そもそもあの女、惚れ薬なんて何につかうともり?)

赤沢(まさか恒一くんに?)

赤沢(くっ、それは早急な対策が必要じゃない)

見崎「……」ペラ

ガラ

赤沢(よーし、このくらいの隙間なら両目を使って中が見られるわ)

見崎「……」ペラ

赤沢「」

赤沢(ダメ、見崎さんが座ってる席がドアと遠すぎで本の表紙すら確認できない)

赤沢(せめて表紙くらいわかればあとで本屋にでもいって入手することは可能なのに……!)

赤沢「おのれ……、見崎……鳴」ギリ

見崎「……」ペラ

見崎「! そうだ、この本、霧果に返さなきゃいけないから今の内に別にメモをとんなきゃ」

赤沢(!?)

赤沢(霧果、あの雑誌は借り物……、ならその人から私も借りれば)

赤沢(ううん、でも私は霧果なんて人知らないからそれは無理よ)

見崎「……」イソイソ

赤沢(くっ……)

見崎「えーと、卵黄3コ……と」メモメモ

赤沢「!?」

赤沢(なんてこと! あの女わざわざ口に出しながらメモらなきゃダメな女だったなんて)

赤沢「……」

赤沢「ククッ」

見崎「――あと、惚れさせたい対象の肉体から出たものを少々と」メモメモ

見崎「……ふう完成、いい仕事した」

赤沢「……」

赤沢(見崎さん! どうやら無能と有能の差がはっきりと出たわね)

赤沢(あなたはメモらなければダメなタイプなんでしょうけど)

赤沢(私はある程度の事は記憶できるタイプなのよ!)

見崎「……」ガラ

赤沢(おっと、ここに留まっていたら見つかってしまうわね)

赤沢(ふふ、見崎さん。これからあなたは一年間一人でいないものを全うするがいいわ)

赤沢(恒一くんを私にとられてね!)タタタタタタ

赤沢「オーホッホッホッホ! 泉美ちゃん大勝利!」タタタ・・・

ガラ

見崎「……」

見崎「……」ニヤ

赤沢「よし、見崎さんのレシプ通り後は惚れさせたい対象の肉体から出たものを少々」

赤沢「つまり恒一きゅんに私を惚れさせたいから、私の肉体から出たものを入れるという訳か」

赤沢「……」

赤沢「恒一きゅん、私を食べて……ってか」ジュンジュワー

赤沢「でも、何しようかしら?」

赤沢「……」

赤沢「恒一くんに食べてもらいたい場所……」

赤沢「髪? 爪? 血? 肉? 涙? よだれ? 垢? おしっこ? ウンチ?」

赤沢「うーむ」

赤沢「あ!」

赤沢「そうだこれがあるじゃない」パンツヌギヌギ

赤沢「パンツをしぼってと……」ビチャビチャビチャ

赤沢「よし、これだけの愛液があれば完璧ね!」

赤沢「……」

赤沢「少々って言ってたけど多いことにこしたことないわよね!」

赤沢「あとは、どうやってこれを恒一くんに食べさせるか」

赤沢「薬っていうぐらいだし食後一時間ぐらいがベストなんだと思うけど……」

赤沢「まあそれは恒一くんの弁当に混ぜておけばいいわよね!」



見崎「霧果、この本ありがとう」

霧果「どうだったこの特集。かなり面白かったでしょ? 『男向け効力一週間の精力剤』」

見崎「うん。でももっと面白かったのはこっちのページ」

霧果「? 変な子。まあこっちも使い方によっては面白くなりそうだけど」

見崎「うん。バカを躍らせるにはうってつけ」

霧果「……?」

見崎「……」

見崎(無能め……)ギリ

キーンコーンカーンコーン

ザワザワ

勅使河原「あーあ、次はハーフマラソンかー」

望月「まあサッカーとかは冬だからね。仕方ないよ」

勅使河原「いいよなぁサカキや高林は。俺も病気になりてーぜ!」

榊原「はは……」

高林「人が気にしている所を攻めるなんてフェアじゃないね。僕らのは命にまで繋がることなんだからあんまり簡単に扱わないで欲しいな」

勅使河原「お、おう済まねえ……」

赤沢「」ガタ

赤沢(よし、男子が着替えに行く隙に恒一くんのお弁当の惚れ薬を!)

綾野「泉美ー! 早く行こうよー!」

赤沢「ごめんね彩、私対策係の仕事があるから、先に行ってて」

綾野「? 対策係の仕事って? 手伝おうか? 何の仕事?」

赤沢「えっ?」

赤沢(普通なら『うん、わかったー』って一人で物分りよく行くところでしょうが!)

赤沢「そ、それは、そのー?」

綾野「えー、何ー? 教えてよー!」

杉浦「あら、対策係で何か用事があったかしら?」

赤沢「!?」

赤沢「そそそそそれは、そのクラス委員の補佐もかねた……」

桜木「?? クラス委員で何かやることありましたっけ?」

風見「いや、ゆか……桜木さん、何もないはずだけど?」

赤沢「」

中尾「何だ!? 仕事は男子の対策係である俺にまかせろー!」

赤沢「」

赤沢(何で、みんなこんなに食いついてくるのよー!!)

中尾「? あっ! 俺着替えにいかなきゃなー!」ダッ

綾野「! じゃ、じゃあ先に行ってるね」ダッ

赤沢「え、ああ、うん?」

杉浦「……っじゃあ待ってるから」ダッ

風見「僕らも行こうか桜木さん」ダッ

桜木「男子の着替えはあっちだよ……風見くん」ダッ

赤沢「」

赤沢「???」

見崎「」ゴゴゴゴゴ

赤沢「」

赤沢(私の後ろで見崎さんが何かプレッシャーを放ってるぅ!!)

赤沢「」ガタガタガタ

見崎(何で人払いにすら満足にこなせないんだよこの無能は!)

赤沢(よ、よかったけどどうしよう。見崎さんがいるんじゃ惚れ薬を入れるところを見られちゃうじゃない!)

見崎「……」スッ

赤沢「!?」

見崎(あとは一人でもできるだろ?……無能)キッ

ガラ

赤沢「……」

ポツーン

赤沢「何か良く分からなかいけど一人きりの状況になれた!」

赤沢「これも私の運の良さのおかげね!!」

赤沢「さて、さっさとお弁当に惚れ薬を仕込んでっと……」

赤沢「!」

赤沢「お、お弁当が二つある……だと」

勅使河原「お昼だー!!」

高林「学校で唯一のフェアな時間だー!」

赤沢「」ソワソワ

見崎(さて、無能は上手くやったのかしら?)

見崎(さすがに弁当に異物を混入させることなんて誰にでもできること)

見崎(……)

見崎「おなかすいた……」

恒一(見崎が屋上に……よし)

赤沢「」ソワソワ

恒一「ハイ、これ今日の分」

見崎「うん。ありがと榊原くん」

恒一「早く食べよう! 今日のはちょっと自信作なんだ!」

見崎「へえ」

パカ

見崎「? どこの料理?」

恒一「今日のお弁当はロシア料理風にしてみたんだ。きのうは四川料理だったから近い所から選んで見たんだ」

見崎「これは?」

恒一「ペリメニ。ロシアの水餃子なんていわれてるものさ」

見崎「ふうん」パク

見崎「!」

見崎「おいしい」

恒一「よかった、ロリア料理はボルシチやピリシキぐらいしかチャレンジしたことなかったからちょっと不安でもあったんだ」

見崎「やっぱり凄いよ榊原くんの料理」

見崎「無免許でフグを見事にさばいた時は普通じゃないと思っていたけど」

恒一「ははっ、親父が大学教授だからいろんな方面に知り合いがいたりして、よく修行に行ったりしてたんだ」

恒一「それに国もよく出張でついていったから本場の味付けと日本人向けの味付けの差がどうなのかも気にして食べていたしね」

恒一「それじゃ僕も、いただきます」

恒一「……」パク

恒一「!」

恒一「うん。自分で言うのもなんだけどなかなかのものだよ」

見崎「うん」

見崎(薬は遅効性。つまり発現するのは食後少したってから)

見崎(くくっ、見もの)

見崎「今度はイギリス料理を食べてみたい」

恒一「イギリスかぁ、イギリスの料理は無味からなぁ、どう味付けするか……」

見崎「楽しみにしとく」

見崎(本当に楽しみ……)ククッ

久保寺「――マザーグースの”だれが殺したクック・ロビン”とはつまり君達のことで、殺した雀は災厄の事といえるでしょう。この雀はクック・ロビンを殺したことを攻められることはなく」

久保寺「つまり災厄というのは日本の国家勢力すら歪ませる恐ろしいものだという事が分かります」

恒一「ふむふむなるほど!」キリ

高林「という事は蝿は千曳さんか」

赤沢「」ソワソワ

見崎(そろそろ効き始めてもいい頃)ドクン

見崎(緊張してきた)ドクンドクン

見崎(こんなに心臓もなって……)ドクンドクンドクン

見崎(ちょっと鳴りすぎじゃない?)ドクッドクッドクッ

ドクン

見崎「なっ……」ガタ

見崎「な、なんで……?」バタッ

このスレッドは無能対策係「イズミちゃん」が
対策訓練のために立てたものです。

イズミと対策係一同とのやり取りに利用するスレッドなので、
関係者以外は書きこまないで下さい。

                         夜見山北中学校3年3組対策係

ザワッ

勅使河原(おいおい、これって助けてもいいのか)

望月(やばいよね。痙攣してるもん)

川掘(クソッ、相変わらず中尾はいいケツをしてるぜ?)

中尾「ZZZ」グーグー

恒一「くっ、見崎!」ダッ

勅使河原「!」

望月「!」

見崎「あががが、がが」

恒一「しっかりしろ! 気をしっかり持つんだ見崎! くそっ、保健室に運びたい! 誰か手を貸してくれ!」

シーン

恒一「……薄情なやつらめ」ギリ

勅使河原(すまんな、サカキ。でもこれはクラスの決め事だから……)

小椋(しょうがないよね)

赤沢「私が右を支えるから、恒一くんはそっちをお願い!」

赤沢さん優しいな

恒一「!! ああ!」

勅使河原「おい、赤沢! お前何を!」

赤沢「仕方ないでしょ! 緊急なんだから」

勅使河原「! でもよぉいないものは……」

赤沢「緊急事態として”いないもの代行”を作るわ!」

勅使河原「!?」

風見「!?」

米村「」ガタッ

赤沢「いないもの代行として男子対策係の中尾を選出します!」

川掘「!?」

中尾「ZZZ」グーグーグー

赤沢「ほら、さっさと見崎さんを運ぶわよ!?」

恒一「う、うん。そうだね」

見崎「あがががが、がが」

見崎「あがががが」

見崎(この女しくじりやがった~!)

見崎「あがががが」

見崎(普通間違えようがないだろ!)

見崎「あがががが」

見崎(弁当のサイズもXLとSだし、弁当箱のカラーもイメージカラーの赤と黒で差別化されてるし)

見崎「あがががが」

見崎(そもそも弁当の裏面に”榊原恒一”と”見崎鳴”って名前まで彫ってあるのに!?)

見崎「あがががが」

見崎(弁当の蓋だって私がそれぞれ自分の顔と榊原くんの顔をプチきゃら風のイラストに仕上げてあるのに!!)



赤沢「? 何かしらお弁当が二つ……見崎鳴? なんであの女の名前が。あっ、こっちは恒一くんの名前」

赤沢(でもあいつはいないものだから、恒一くんは関与してないだろうし)

赤沢(! 恒一くんと怜子さんのお弁当ね!!)

もう、駄目や…

赤沢(怜子さんは恒一くん情報だと家でよくビールを飲んでいると聞く)

赤沢(ビールはおなかにたまるっていうから)

赤沢(普段もきっとドカ弁なんだ。だからこんなでかい弁当を……)

赤沢「危ない危ない。危うく見た目に騙されるところだった」

赤沢「鳴って方が恒一きゅんで、恒一きゅんの名前入りのが怜子さんの」

赤沢「もう少しで怜子さんを惚れさせてしまうところだったわー」

赤沢(そ・の・ま・え・に・と)

赤沢「恒一くんがこれから使う箸をペロペロしておきましょう!!」

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ

赤沢「よし、まんべんなく舐め終えたわ。あとは元のお弁当の方に戻して、と」

赤沢「……」

赤沢「かんぺきよ!」



見崎(あんの、無能めー!!)

あんの、無能めー!!

なんか可愛い

鳴ちゃん見てるといつもちんぽ勃起勃起~
揺れるおっぱい揉みしだきたいよ鳴ちゃん~
いつもセックス~(いつもセックス)いつもオナニー(いつもオナニー)しててもきづかないよね~
夢の中なら~(夢の中なら~)2人の距離縮められるのにな~
ああ神様お願い~鳴ちゃんとのパコパコタイム下さい~
お気に入りのラブホ見つけて今夜も中出し~
パコパコタイム~パコパコタイム~パコパコタイム~パコパコタイム~パコパコタイム~

見崎「あががががが、あ、ささあさあさかきば……」

見崎(マズイ。吐かせてもらわないと本当の意味で惚れ薬になってしまう!)

恒一「しっかりするんだ見崎! もうすぐ保健室だから!」

赤沢「ええ! きっと私達がなんとかしてみせる!」キリリ

赤沢(見て恒一くん! 今私すごい輝いてるよ!)

見崎(保健室なんてどうでもいいから薬を吐かないと……体内に……)



霧果「『感情を反転させる薬』なんて扱い難しいわよ~?」

見崎「でも面白いじゃない。好きな人が嫌いな人、逆もそう。どうにも思っていない人はそのまま」

これは…まさか…

霧果「確かに人間関係が円滑にも、逆にもなりうるけど。難しいって」

見崎「っ、なんでよ?」

霧果「他人の心なんて誰にも分からないからよ。嫌いに見えて本心じゃ好きなんてよくある話。逆もそうよ」

見崎「大丈夫。私は上手く使えるから」

霧果「そういう自信が危ないのよ~?」

見崎「……」

霧果「そもそも、最後の”惚れさせたい対象の肉体から出たものを少々”なんてもろ危なげじゃない」

霧果「少々なんていってるからには入れすぎた結果どうなっても責任はあなたにありますなんて言ってるようなものよ」

見崎「……もういい!!」

見崎「私なら、きっと上手く人の心を読み取れるの!」ダッ

霧果「鳴!!」

ちょっと反抗期気味な鳴ちゃん

見崎(榊原くんは私に優しくしてくれる……)

見崎(でもそれは保護者的な意味のでの優しさ。対等な愛ではない)

見崎「それに榊原くんが好きなのは赤沢さん……。理由までは分からないけどあの女を見つめる顔があきらか」

見崎(でも私は榊原くんと愛したい。愛されたい!)

見崎(あの女の事、いずれ榊原を私の前から奪っていく)

見崎(なら、奪われる前に突き飛ばしてしまえばいい)

見崎(あいつならきっと薬の中に体内のものを多量にいれるはず)

見崎「無能だから」

見崎(そしていれたものの量と比例して感情の反転が大きくなる)

見崎(これで榊原くんはあいつの顔を見るだけで不快感から吐き気をもよおすようになる)

見崎「みてろ、赤沢泉美!」



見崎「んっ、……ここは?」

赤沢「気がついた! 保健室よ」

見崎「! あ、ああ」

恒一「よかった。さすがに白目むいて心神喪失したときはもうダメかと思ったよ」

赤沢「あやうく今月の死者はあなたになるところだったわね」

見崎「あ、ああ、あああ!」

赤沢「? どうしたの見崎さん」

恒一「まだどこか変なのかい?」

見崎「大好き!!」ガバッ

赤沢「」

恒一「」

見崎「♪」スリスリ

赤沢「みみみみみみみさきさんなにををををを」

恒一「そ、そうだよ見崎! どうしたんだ急に?」

見崎「だって泉美ちゃんの事大好きなんだもん!」

恒一「」

見崎(頭ではわかっている。この気持ちが本心じゃないことは。でも……体が逆らえないの)

見崎「~♪」


     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

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     l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ:Lzz示ミ Vハ:::/:::::/:::::::/::::::::::::/  i
      {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ V////ハ ヽV:::::/7/::/:::::::::イ   }
      {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ又/:ソ    ,, -―-、..:::::::::!    }
     {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::ハ `¨¨   __x../     ヽ.::::::i     }
     {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハレ""" ̄../  /i⌒ヽ、|..:::::′   }    .|\     /\     / |   //  /
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       \:::::::::::::::::::ヽ:::::ハ  丶  ....\\‘゚。、` ヽ。、o   .,′  ∠      メーチャン!        >
       ノ:ハ::ハ:::::::::::ハ:::::l    / ー‐イ. \\゚。、。、o    /  .../_                 _ \
        ノハ:ハ::::ノ:ハ \:iー-v′::::::::!::::::. .ヽ ヽU  o   /   .. ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
          ∠く     \/.:.} V::ハハ:::ハ::`.`ヽU ∴l _.ノ        .//   |/     \/     \|
     / ̄ ̄\::::::::::\ヽ  /.:Vハ V::┬、ハノ:::/ . U :l
                                  |:!
                                  U

赤沢「というわけで見崎さんをこのままいないものに戻すのは危険と判断したため、しばらくはこのままで継続します」

見崎「泉美ちゃんは私のお嫁さんだからね!!」

風見「」

桜木「」

佐藤「ふええ」

和久井「」

藤巻「」

恒一「」

見崎「泉美ちゃんみんな固まってるけどどうして?」

赤沢「」

赤沢「私も色々分からないわ」

赤沢「」

見崎「へんなの~」

赤沢「」

中尾「はいはい、また俺が尻拭いっすね」

金木「また新しい百合カップルが増えたよ!」

松井「やったね杏子ちゃん!」

赤沢「」

赤沢「」

赤沢(私は惚れ薬を作っていたはず。そして恒一くんに効果はなく逆に眼帯女は私にベタ惚れ)

赤沢(これから導き出される結論は……)

赤沢「!」

赤沢(こいつが恒一くんのお弁当を盗み食いしたってことね!)

赤沢(まあ惚れ薬の効果は効いているみたいだし、とりあえず明日恒一くんのお弁当にまた入れておきましょう。それに)

赤沢「いまはこいつをどうするかが問題で……」

見崎「泉美ちゃんだーいすき!」

赤沢「」

中尾「ZZZ」グーグー

パチ

中尾「ZZ、ん! んん」

中尾「なんだもうHRじゃないか」

中尾「おい、なんで誰も起こしてくれなかったんだ!?」

シーン

中尾「お、おい、なんで無視するんだよ」

風見「起立! 礼! ありがとうございました!」

ザワザワ

中尾「おい、杉浦!」

杉浦(ごめんね中尾)

中尾「赤沢」

赤沢「」

見崎「帰りに家に寄っていってよ! 面白い人形たくさんあるよ?」

中尾「な、なんでいないものであるはずのやつが普通に……しかも何か変だし」

中尾「まるで、俺の方がいないものみたいに……」

中尾「これは、まさか」

中尾「」

中尾「夢!?」

中尾「ということはまるで”いないもの”みたいな俺は何をしても現実の世界には問題ないって事か」

小椋「」ゾク

綾野「」ゾク

渡辺「」ゾク

中尾「へっへっへ」

中尾「夢なら何をしても許される! そう例えば」

中尾「望月を襲っても!!」

望月「」ゾク

望月「」ダッ

中尾「まてえー! やらせろー!」


赤沢「ふっふっふ!」

赤沢「今日は誰に呼び止められる前にお弁当に仕込むことができたわ!」

見崎「あ、泉美ちゃんみーつけたぁ」

赤沢「……」サー

赤沢(逃げるが正攻法)ダッ

見崎「待ってよー」

赤沢(今日こそ恒一きゅんは我が手中に!)

勅使河原「昼だー!」

前島「栄養を摂るという事は健全に近づく第一歩だー!」

恒一「み、見崎。屋上に行こ」

赤沢(!? え、お弁当を二つ、え、まさか!?)

見崎「……泉美も一緒じゃなきゃやだ」フルフル

赤沢「!?」

恒一「分かった。赤沢さんも一緒に食べてもらえないかな」

赤沢「……」

赤沢「ししし仕方ないわね! 特別に一緒に食べてあげないこともないわよ///」

見崎「……」

赤沢「!? そのお弁当」

恒一「え? ああ見崎のだけど?」

赤沢(まずいまさか盗み食いじゃなくて自分のをそもまま食べて惚れ薬が効いたって事?)

赤沢(もしまた見崎さんんが食べて余計に悪化したら)

赤沢「ね、ねえ見崎さん。私のお弁当とそれ、交換しない!?」

見崎「……」

見崎「や」プイ

赤沢「」

赤沢「そそそこをなんとか、ね?」

赤沢(私に向かった惚れ薬なら多分私には効かないはず。なんとしてでも奪わなければ)

赤沢「お願い! そこをなんとか!」

見崎「……」

恒一「イギリス料理が食べたいなら僕のを分けてあげるから、ね? 赤沢さん」

赤沢「」

赤沢(恒一くんのを……分けてもらう)

赤沢(なんて甘美な響き)

赤沢「でも、ごめんないさい。私は見崎さんのがいいの」

見崎「……」

見崎「だめです」

赤沢「うぅ……」

見崎(そう、だめなの)

見崎(この恋心は本当の恋ではないのだから)

見崎(だから、この胸の痛みは幻なの)ズキズキ

恒一「いただきます」

見崎「いただきます」

赤沢「……いただきますぅ」

見崎「……」パク

恒一「どうかな? ちょっと日本人向けじゃないアレンジなんだけど」

赤沢「……」パクパク

見崎「うんおいしい」

見崎「おいしい」

見崎「おいしいよぉ、榊原くん。……泉美ちゃん」ポロポロ

赤沢「!?」

恒一「!? 見崎、涙が……」

見崎(わかってる。わかってるの。これを食べたら元に戻れる。でもどうしてこんなに悲しいのかなぁ)ポロポロ

見崎「うっ……グス。おいしいよお、おいしいよぉ」ポロポロ

恒一「……」

赤沢「……」

見崎「私ちょっと、トイレ行ってくる」ダッ

恒一「あっ!」

赤沢「見崎さん!!」ダッ

見崎「こないで……泉美ちゃんにはやるべきことがあるから」

赤沢「?」

見崎「……頑張ってね……赤沢さん」

赤沢「?! 見崎さん今……」

ダッ

赤沢「な、何なの? 戻ったって事?」

恒一「見崎、どうしたんだろう? 昨日から変だったけど」

赤沢「……わかんない」

ドクン

恒一「……?」

赤沢「……どうしたの恒一くん?」

恒一「いや、なんだか急に動悸が、あれ?」ドクッ

恒一「あっれ……? 変だな」

ドクン

赤沢「こ、恒一くん? 顔が真っ赤だよ?」

見崎「うわっ、酷い顔……涙で目が真っ赤!」

見崎「これがあの無能の為に泣いたと思うとぞっとする」

見崎「あーあ、やっぱり変なお膳立てしなきゃよかった」

コーイチクン!! アア!ソコォ!!

見崎「今行って混ざってこようかしら……」

スキィ ダイスキィ

見崎「しかし凄い効き目ね『男向け効力一週間の精力剤』。一週間あの状態なのかしら」

見崎「今回は私の負けとしてそれを土産においておくわ。でもね赤沢さん」

見崎「男っていうのは犬猫みたいに鎖や紐なんかじゃ繋ぎ止められないのよ」

見崎「油断してると私がかっさらうから」ポロポロ

中尾「いないものライフは最高だぜぇ!」

望月「」グスグス

勅使河原「なんだよお前ら一週間も失踪してやがったから、てっきり現象に巻き込まれたかと」

赤沢「ほんとよ。もう腰が痛くてたまんないわ。途中でゴムがなくなってるのに止めてくれないわ」プンプン

恒一「ははは、ごめんって」

見崎「……」

赤沢「な、何よ見崎さん」

恒一「見崎、これは……」

見崎「おめでとう」

恒一「!」

赤沢「!! あ、ありがとうと一応礼を言っておくわ」

見崎「でも」

赤沢「?」

見崎「油断してたら私が持ってくから」クス

赤沢「!!」

赤沢「上等じゃない! やれるもんならやってみなさいよ!」

見崎「ふふん」ニヤニヤ

赤沢「キー! 何よその余裕そうな顔!!」

恒一「ま、まあまあ泉美……」

赤沢「……延長戦ってわけね」

見崎「……ここからは泥仕合よ」

恒一「ま、仲良くしてくれるのは嬉しいけどね」ニコ

中尾「待てー望月ぃー! 俺はいないものだぞー!!」

望月「うわああああああああああ」


おわり

悪いがこれから飲みに行くからけっこう方向捻じ曲げて急展開で終わらせてもらったぜ

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