美希「裸の大将なの!」(126)
清「うーん、うーん」ノタノタ
清「うーん、こ、ここは、ど、どこなのかな?
み、見た事もない大きなたてものがいっぱいあって、こ、こわいんだな」ノタノタ
清「ひ、人もた、たくさん歩いてるし、き、今日はおまつりかな?」ノタノタ
清「す、すいません、こ、ここはど、どこですか?」
通行人「……急ぐので」スタスタ
清「と、都会の人はつ、つめたいなぁ、やっぱり」
清「うーん、ど、どっちに行ったらいいかわからないなぁ…あれ?」
清「なな、ろく、ごー、…お、大きな数字が書いてあるので、
き、きっと、え、えらい人がいる所かな?
こ、ここで聞いたらきっとおしえてもらえるかな?」
清「ご、ごめんください」
清「……る、るすかな?だ、だれもいないみたいだなぁ」
美希「おじさん誰?」
清「う、うわあ!う、後ろから急に声をかけないでほしいんだな」
美希「ファンの人?ここは入ってきちゃ駄目なの」
清「ぼ、ぼ、僕は、ふあんな人じゃないな、ふあんな人っていうのは
き、きっと悪い人なんだねぇ、
僕は悪い事はしないのでち、ちがうんだな」
美希「……」
美希「……でもおじさんあやしいよ、美希、ピンチ?」
清「ぼ、僕はあやしくないんだな、僕はルンペンなんだな」
美希「ルンペン?」
清「お、お嬢ちゃんはか、髪の毛がき、きんきらきんだけども、が、外人さんですか?」
美希「美希外人じゃないよ?」
清「よ、よかったんだな、が、が、外人さんはこ、怖いので、
で、でも外人じゃないのにか、髪の毛がきんきらきんなのは、どうしてかな?」
美希「あは、変な人なの」
清「ぼ、僕はへ、変な人ではなくて、ルンペンなんだな」
美希「ルンペンって何なの?」
清「ル、ルンペンっていうのは、お、大人なのに、
し、仕事をしないで、ぶ、ぶらぶら、ぶらぶらしてる人の事だな」
美希「どうしてお仕事しないの?」
清「ぼ、僕は、あ、頭がばかなのて、し、仕事をしようと思っても、
お、お前はじゃまだって言われて、させてもらえないんだな」
美希「ふうん、なんだかちょっとかわいそうなの…」
ぐう~~~
美希「!」
美希「大きな音なの!おじさんお腹が空いてるの?」
清「は、はい、ぼ、僕のお母ちゃんが亡くなる時に、僕を枕元に呼んで、
清や、お前はお腹が空いたらば、親切な人におにぎりをもらって
食べなさいと言ったので、お、おにぎりがたべたいなぁ」グゥ~
美希「……おじさんおにぎりが好きなの?」
清「は、はい、僕は三度のめしよりおにぎりが好きなんだな」
美希「あは、美希と一緒なの!こっちに来て」チョイチョイ
清「ど、どこに連れていかれるのかな?」
美希「おにぎりが好きな人に悪い人はいないの!
美味しいおにぎりをご馳走してあげるね」
清「わ、わーい、お嬢ちゃんはか、髪の毛はきんきらきんだけど、
や、やさしい人なんだな!」
美希「おじさん、美希はお嬢ちゃんじゃないよ、美希って名前があるの」
清「み、美希ちゃんですか、そ、そんなら僕も、
おじさんではなくて、清って名前があるんだな」
美希「わかったの、そこに座って待ってて、清さん」
清「は、はい、よろしくおねがいします」
小鳥「ただいまー、ごめんね美希ちゃん、お留守番させちゃって…」
清「こ、こんにちは」
小鳥「ひっ…ど、どちら様ですか…」
美希「おまたせー、あ、小鳥おかえりー」パタパタ
小鳥「み、美希ちゃん?この方どなた?」ビクビク
美希「清さんだよ」
小鳥「清さんって、どちらの?」
美希「さあ?」
小鳥「さあって、美希ちゃん?知らない人を事務所に入れちゃったの?」ワナワナ
美希「大丈夫なの、悪い人じゃないから!はい、清さんおにぎり」サッ
清「わ、わあ、あ、ありがとう、い、いただきます」ガブリ
美希「おいしい?」ニコニコ
清「と、と、とってもおいしいんだな、
こ、こんなにおいしいおにぎりを食べたのは二回目くらいかな」ムシャムシャ
小鳥「け、警察に通報した方がいいかしら…
でも美希ちゃん仲良さそうにしてるし、社長を待ってから…」ブツブツ
無念、急な仕事が入ってしまいました
昼位には戻れると思うけど、保守して貰えないよね、こんなマイナーなの……
美希「清さんはどこからきたの?」
清「や、八幡学園というところから来ました」ムシャムシャ
美希「ふうん、聞いた事ないの…それじゃ、これからどこへ行くの?」
清「そそ、それがわからないんだな、僕はどっちに行ったらいいのかな?」
美希「ぷっ、あはは、そんなの美希にわかる訳ないの!」
清「うーん、やっぱりわからないんだな、こ、困ったなぁ」モグモグ
美希「今日はどこに泊まるの?」
清「ぼ、ぼ、僕は、や、宿は別にいらないんだな、眠たくなったら、
ど、どこかののきしたを借りて寝て、そ、それでおなかが空いたらば
親切な人におにぎりをもらって、食べて、い、いつもそうしてるんだ」
美希「そんなのかわいそうなの!」
清「ぼ、僕はべつにかわいそうな事はないんだな」ゲップ
美希「ねえ小鳥、清さんを事務所に泊めてあげようよ」
小鳥「な、なに言ってるのよ美希ちゃん、そんなの駄目に決まって…」
社長「ふむ、話は聞かせて貰ったよ」
小鳥「社長!」
美希「ねえ社長、いいでしょ、清さんを泊めてあげて」
社長「ふむ、君、名前は?」
清「ぼ、僕かな?や、山下清といいます」
社長「山下清…?まさかな…」
社長「うーむ、ティンときた!いいだろう、
好きなだけ事務所で寝泊まりするといい」
清「い、いいのかな?」
社長「うむ、そのかわり事務所の雑用は手伝って貰うよ、いいだろう、音無君?」
小鳥「は、はあ、社長がよろしいんでしたら…」
美希「やったの!よかったね、清さん!」
清「は、ははい、もらったおにぎりの分はしっかり働きますので」
社長「わっはっは、しっかり頼むよ!」
小鳥「おにぎりの分だけじゃなくてしっかり働いて下さいね!
(こうなったら少しでも雑用を減らしてやるわ!)」
――――数日後
小鳥「それじゃ、清さん、そこのテーブルを拭いておいて下さい!」
清「は、はい」ノソノソ
小鳥「……それが終わったら一休みしていいですから」
清「が、がんばります」キュッキュッ
小鳥「はい、お茶淹れましたから休憩にしましょう」コトッ
清「あ、ありがとうございます、
や、やっぱりし、仕事よりもきゅうけいの方が好きだな、うんうん」
小鳥「ぷっ、まったく清さんは」ヤレヤレ
美希「おはよーなの」ガチャ
美希「あっ、清さん、お話しよ」スト
清「な、なんの話をするかな、ぼ、僕が兵隊になろうとして検査をうけて、
そしたらやっぱりだめだった話でもするかな?」
美希「なあに、それ?」クスクス
小鳥(美希ちゃんはすっかり清さんになついちゃったわね、何か波長が合うのかしら…)
清「み、美希ちゃんは、まだ若いのに、お仕事をして、と、とってもえらいんだな、
僕は、大人なんだから、きちんと、し、仕事をしなさいって、いつも、怒られるんだ」
美希「ふふ、仕事はした方がいいかもなの」
清「み、美希ちゃんは、いつも仕事に行くけども、な、何のお仕事をしてるのかな?」
美希「ふふーん、美希はアイドルなの!」
清「あ、あいどるっていうのは、あいがもみたいなものかな?
グワアグワアって鳴くお仕事かな?」
美希「違うの!清さんアイドルをしらないの?」
清「し、しらないなぁ」
美希「アイドルっていうのはぁ、ステージの上で歌ったり踊ったり、
とにかくキラキラするのがお仕事なの!」
清「よ、よくわからないなぁ」
美希「それでね、いつかはトップアイドルになるのが、
美希だけじゃなくて事務所のみーんなの夢なんだぁ」
清「よ、よくわからないけども、トップアイドルっていうのは兵隊の位でいうと
大将位えらいかな?た、大将ということはなくて少将位かな?」
美希「大将?あは、清さんってほんとにおかしいの」クスクス
清「ま、またおかしな事を言っちゃったかなぁ」ポリポリ
美希「そうだ!清さん、はい、おにぎり!」スッ
清「わ、わあ、美希ちゃんありがとう!」ガブリ
美希「清さんはほんとにおにぎりが好きなんだね」ニコニコ
清「は、はい、ぼ、僕はおにぎりを食べてる時と
絵を書いてる時がしあわせなんだな」ムシャムシャ
美希「清さん絵を書くの?」
清「は、はい、まだまだ、下手くそで、ぜ、ぜんぜん上手に書けないので、
まいにちまいにち練習してるんだね、だ、だけど今は下手くそでも、
いつかは大将の絵を書くのが僕のゆめなんです、おわり」
美希「ふうん、それって美希達と同じだね!」
清「お、同じかなぁ、同じかもしれないなぁ」モグモグ
小鳥「はいはい、休憩は終わりですよー」パンパン
美希「美希ももう現場に行かなきゃ、それじゃ清さん、またね」フリフリ
清「さ、さようなら」フリフリ
小鳥「じゃあ清さん、こっちの机を拭いて下さいね」
清「こ、小鳥さんは、び、美人だけど、人使いがあらいんだな」ノソノソ
小鳥「はい!?何か言いました!?」
清「な、なにも言ってません」キュッキュッ
清「び、美人ほど、性格かきついっていうのは、ほ、ほんとうなんだな」
小鳥「何ですか!?」
清「……」オクチチャック
――――別の日
清「は、初めてお休みをもらったんだな」ノタノタ
清「こ、小鳥さんは人使いがあらいと思ったけど、思ったよりもやさしくて、
で、でも事務所には律子さんってもっとこわい人がいたんだな」
清「で、でも、律子さんもお休みをくれたので、わ、悪い人ではないんだな。
だ、だけど、す、少しつかれたなぁ」ノタノタ
清「わ、わあ、事務所の近くにきれいな公園があるんだな」ドタドタ
清「こ、ここはさんぽをするのにちょうどいいなぁ」ノタノタ
清「わあ、きれいな池があるな、よ、よし、ここの絵を書こう、そ、そうしよう」
美希「あーあ…」テクテク
清「……」シャッシャッ
美希「あ、清さんだ!おーい!」テテテッ
清「み、美希ちゃん、こんにちは」
美希「清さん絵を書いてたの?美希に見せて!」
清「ま、まだ途中だから駄目なんだな」カクシ
美希「ふうん、けちなの」
清「へ、下手くそだから、はずかしいけど、
で、出来上がったら、美希ちゃんだけに見せてあげるんだな」
美希「うん!楽しみにしてるの!」
清「み、美希ちゃんは、お、おさんぽかな?」
美希「美希は先生に会いに来たの」
清「せ、先生か、ど、どこかな、こ、こわい先生かな」ドギマギ
美希「あは、怖くないよ、美希の先生は、あそこ」
清「い、池だね、み、美希ちゃんの先生さまは、あ、あのカモかな?」
美希「そっ、美希は嫌な事があったりすると、先生に会いにくるんだー」
清「カ、カモの先生か、き、きっとカモの大将なんだな、
そ、そんなにすごいカモさんなら、僕も絵をおそわるかな?」
わ
美希「あは…見て見て、眠ったままでぷかぷかーって、浮かんでるでしょう?」
清「う、浮かんでるなぁ」
美希「美希もね、あんな風になんにもしないで、
頑張らないでトップまで浮かんでいきたいんだぁ」
清「うーん、ぼ、僕も、忙しいのはきらいなので、
眠ったまんま生きていられたらいいなぁ」
美希「でしょでしょ!やっぱり清さんはわかってるの!」
清「だ、だけど、僕は絵がうまくなりたいので、頑張らないと、
絵は、うまくならないので、がんばるかなぁ、やっぱり」
美希「……」
清「み、美希ちゃんの、ア、アイドルも、お、おなじじゃないかなぁ、
やっぱり、おなじだと思うなぁ」
美希「……ふうん、清さんもプロデューサーや、他の大人と同じ事言うんだね」
清「ぼ、僕は頭がばかなので、え、えらいぷろじゅーさーさんと
おなじ事は言わないかな?」
美希「もういいの、バイバイ」スタスタ
清「い、行っちゃったんだな、と、年頃の女の子はむ、むつかしいなぁ」
清「……」シャッシャッ
清「き、今日は、ここまでにするかな」
清「か、帰って昼寝でもしよう」
清「ぐごー…ぐごー…」ムニャムニャ
小鳥「……」イライラ
亜美「んっふっふっ~、ぴよちゃんイライラしてますなー」
真美「清のおっちゃんのいびきがうるさいからだNE」
亜美「よし、亜美達が起こしてあげよう!」
真美「事務所の平和の為に!」
亜美「どうやって起こす?」
真美「普通にやってもつまらないよねー」
亜美「ではでは、このアイスで~」ソー
真美「お主もワルよの~」
ぴとっ
清「うわあっ!!」ガバッ
亜美真美「わっ!」ビクッ
清「て、敵襲ー!敵襲ー!」バタバタ
小鳥「清さんうるさい!」ビヨー
清「はあ、はあ、ま、またふたごの亜美ちゃんと真美ちゃんのいたずらなんだな」
亜美「んっふっふっー、びっくりしたっしょ」
清「ど、どうしてあんた達は僕にいじわるをするのかな?僕の事きらいかな」ショボン
真美「わっ、ごめんごめん、ちょっとしたいたずらだよー!」アセアセ
清「い、いたずらか、ぼ、僕も小さい時はよくいたずらをしたなぁ」
亜美「んっふっふっー、そうでしょ」
清「で、でも、園長先生がおい清!お前はそんなにいたずらばっかりするなら飯抜きだ!
ってものすごく怒ったので、それからいたずらするのをやめたんだね」
真美「真美達もごはん抜きにする?」
清「し、しないなぁ、飯抜きでお腹がへるのは、
とってもとってもつらいので、そんな気持ちになってほしくないなぁ」
亜美「亜美達いっぱいいたずらしたのに?」
清「そ、そうだなぁ、いたずらをされるのはいやだけど、
ひもじいのはもっと辛いからなぁ」
亜美「へへ」
真美「えへへ」
亜美「わかった、亜美達もうあんまりいたずらしないよ!」
真美「じゃあね、おっちゃん」タタター
清「行っちゃったなぁ」バイバイ
小鳥(清さんって本当に不思議な人だなぁ)
スレタイで一瞬でも美希の裸を想像した奴は謝罪するように
>>69
すいませんでしたぁー!
――――別の日
清「ふう、やっとおもての掃き掃除がおわったなぁ」ノタノタ
がちゃ
P「まったく、お前は何度言ったらわかるんだ!」
美希「何回言われてもわからないの!」
清「ど、どうしたのかな」
P「そんなんでアイドルなんて続けていけるか!」
美希「もういいの!」タタター
清「み、美希ちゃん?」
P「勝手にしろ!」
小鳥「プ、プロデューサーさん…」オロオロ
清「ぷ、ぷろじゅーさーさん、み、美希ちゃんとケンカかな?」
P「ケンカなんかじゃありませんよ、あいつは我儘がすぎるんです。
少し頭を冷やした方がいいんですよ」イライラ
清「たしかに美希ちゃんはわがままなんだなぁ」
P「……」
清「ぼ、僕も学園にいた頃は、よく園長先生に
清!お前はわがままばかり言いおって!って怒られたなぁ」
P「……」
清「ぼ、僕は怒られるのがいやなので、逃げ出してばかりいたなぁ」
清「そうすると、園長先生や学園のみんなが探しにくるんだね」
清「僕は捕まったら、もっと怒られると思って、一生懸命で逃げるんだけども、
あ、足がおそいのでいつも捕まってしまうんだね」
清「そ、そうして、怒られると思ってブルブルふるえていると、
園長先生は何もいわないで僕を抱きしめてくれるんだ」
清「清!心配させおって!どこも怪我しとらんかって、
泣きながら僕をなでてくれたんだね」
清「そうして、学園に帰ったらおにぎりを食べさせてくれたんだな」
P「はあ…何が言いたいんですか」イライラ
清「み、美希ちゃんは大人に見えてもまだ子供なんだな、
お、大人は怒ってばかりじゃいけないんじゃないかな」
P「……清さん、プロデュースの事に口を出すのは止めて貰えませんか」
清「す、す、すみません、ぼ、僕は頭がバカなので、
えらいぷろじゅーさーさんにみたいにむずかしい事が言えないので」
P「……」
P「いえ、すみません、俺の方こそ子供でした、美希を追いかけてきます!」ダッ
清「な、仲直りできるといいなぁ、うん」
小鳥「…清さん、おにぎりをご馳走しますよ!」ニコ
清「お、おかしいんだな、小鳥さんが僕にやさしくしてくれるって事は、
明日は雨かな?」
小鳥「ひとこと余計なんですよ!」ビヨー
清「ふう、今日の仕事もおわったなぁ」ノタノタ
清「こ、小鳥さんは急に怒りだすからこわいんだな、
き、きっとこうねんきってやつなんだな、うん」
清「はっ!」キョロキョロ
清「よ、よかった、聞かれてないんだな」ホッ
清「よ、よし、あと少しで絵もできあがるから、公園に行くかな」ノタノタ
清「……」ペタペタ
清「……」ウンウン
美希「きーよーしーさん」
清「み、美希ちゃん」
美希「やっぱりここにいたの!」
清「ぷ、ぷろじゅーさーさんと、な、仲直りできたかな?」
美希「うんっ!仕方ないから許してあげたの!」
清「そ、そうか、よかった、よかったなぁ」
美希「清さんがハ…プロデューサーに言ってくれたんでしょ」
清「ぼ、僕は別になにも言ってないかなぁ」
美希「嘘ばっかり、ハ…プロデューサーが言ってたの、
清さんに目を覚まさせられたって」
清「ぼ、僕はプロデューサーさんのうちを知らないので、
朝起こしに行ったりはしてないかなぁ」
美希「もう…」
清「そ、そうだ、これ」ピラ
美希「あ!絵出来たんだね!どれどれ…」
美希「え!?こ、これを清さんが書いたの!?」
清「あ、あまり上手ではないけど、も、もらってください」
美希「これ…先生の絵だ…まるで生きて、泳いでるみたい…」フルフル
清「やさしくしてくれたお礼なんだな」
美希「凄い…美希…美希、ずっと大事にするね!」ウルウル
美希「ぐすっ…そうか、清さんは本当に頑張ったから
こんなに凄い絵が書けるんだね」
美希「美希、本当に子供だったの、これからは……清さん!?」キョロキョロ
美希「あっ、あんな所を走ってるの!」
美希「清さーん!美味しいおにぎりを沢山用意するから、
早く事務所に帰ってきてねー!」ブンブン
美希「あは、あんなに嬉しそうに手を振ってるの!よーし、
先に事務所に帰って美味しいおにぎり沢山作るの!」
清「うん、美希ちゃん仲直りできてよかったなぁ」ノタノタ
清「みんないい人ばかりでとっても楽しい事務所なんだな」ノタノタ
清「だ、だけど、僕はひとつの場所にずっといるのが苦手なので」ノタノタ
清「おしりがむずむずするので、そろそろ別の場所に行くかな?」ノタノタ
清「別の場所に行こう、そ、そうしよう」バサッ
美希「ふんふーん」ガチャ
社長「おや、美希君ご苦労様だね」
美希「あっ、社長お疲れ様なの」
社長「ん?それは…何を持っているのかね?」
美希「これ?清さんに貰ったの!美希の宝物なんだー!」
社長「す、少し見せて貰えないだろうか」フルフル
美希「えー?ちょっとだけだよ?」スッ
社長「こ、これは…ま、間違いない!美希君、清さん…いや、山下画伯は何処に!?」
美希「がはく?清さんなら公園の所にいたの、
すぐにお腹を空かして帰ってくると思うな」
社長「こ、これは大変な事だよ」プルプル
社長「音無君!君ぃ!すぐに山下画伯を追いかけるんだ!」
小鳥「え、清さんの事ですか?」
社長「清さんではない!彼は放浪の天才画家、山下清画伯だ!」ダッ
小鳥・P「ええー!?」ダダッ
美希「え?どういう事?」タタッ
社長「い、いたか!?」ハァハァ
P「い、いえ、どこにも…もうこの近くにはいない様ですね」ハァハァ
美希「そんな…ひどいよ…お別れもしないで行っちゃうなんて…」ボロボロ
小鳥「美希ちゃん…」ヨシヨシ
社長「やはり、噂通りだったか…」ガックリ
美希「ハニー、美希ね、清さんにこの絵を貰ったの」グス
P「ああ、素晴らしい絵だな」
美希「清さんったら、下手だから恥ずかしいなんて言ってたんだよ」
美希「この絵が恥ずかしかったら、
美希のダンスや歌なんて見せられたもんじゃないの」
P「美希…」
美希「清さんの絵は大将の絵なの」
P「裸の大将…か」
美希「でもね、美希も清さんみたいに頑張って、
いつかアイドルの大将になるの!見ててね、清さん!」
P「ああ、一緒に頑張ろうな、美希!」
小鳥「本当に不思議な人でしたね…」
社長「…だが本当に賢く、美しい人間というのは、
ああした人の事かもしれんな」
野に咲く花のように
風に吹かれて
野に咲く花のように
人を爽やかにして
そんな風に僕たちも
生きてゆけたら素晴らしい
時には暗い人生もトンネル抜ければ夏の海
そんな時こそ野の花の
けなげな心を知るのです
清「ま、またいつか会えるんだな」
おしまい
いやID:Ju21S+Mb0サンクス
保守してくれた人、読んでくれた人もサンクス
VIPに裸の大将知ってる人がいてよかった!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません