犬娘「欲しいです」
男「あんなものなくったって、犬娘はどっかいったりしないだろ?」
犬娘「はい」
男「あれはな、余所さまの犬だってことがわかるようにする一種の……目印なんだよ」
犬娘「犬娘はご主人様のペットです」
男「そう、犬娘はちゃんとそれが言えるだろ? 偉いぞー」なでなで
犬娘「ちゃんと言えます、えへへ♪」ぱたぱた
男「じゃあ首輪なんて必要ないよな」
犬娘「……」
男「?」
犬娘「でも欲しいですあれ」
男「……なにをそんなに気に入ったんだ(首輪って普通嫌がるんじゃないのか?)」
犬娘「ご主人様……みかんの色したのがいいです」
男「う、う~ん……買ってもいいんだけど……」
男(女の子に首輪付けてるみたいで気分が良くないんだよなぁ……)
男(……本とかで見るぶんには結構好きなシチュエーションなんだけどさ)
犬娘「みかん……」
男「……じゃあ買いにいってみるか? オレンジの首輪はないかもしれんが」
犬娘「はい! 買います! 首輪いっぱい買います!」ぱたぱた
男「一個だけだ、あと買うのは僕だろまったく」
犬娘「あい、ごめんなさいご主人様」ぱたぱた
男「……(口では反省しても尻尾でわかるんだぞ!!)」
________________
男「う~ん、流石に入るのは緊張するなぁ」
犬娘「……」
男「こういう所って女の子(?)連れだとちょっとした優越感に浸れるよね」
犬娘「……」
男「えーと、首輪、首輪……あっちかな?」
犬娘「……」
男「? どうしたの犬娘」
犬娘「……あ、あの」
男「ん?」
犬娘「ご主人様……ここはちょっと、違う気が……します」
男「……ほう」にやり
男「いくら犬娘でも流石にバレたか」
犬娘「……」
男「ちょっとね、犬娘のおもちゃもついでに買ってあげようかと思って」
犬娘「おもちゃ……ほ、本当ですか!? ありがとうございますご主人様!」
犬娘「あ、でもここに『おもちゃ』はないですよ……」
男「ある。 ついでに言うと首輪もある」
犬娘「う、うー……」
男「僕が言うこと信じれない?」
犬娘「あ、信じます、ご主人様のことは信じてます」
男「うん、じゃあどれにするか一緒に選ぼうか」
犬娘「みかん色のがいいです!」
男「……」
犬娘「だ、だめですか……?」
男「駄目じゃないんだけど……色とかじゃなくて、こう何て言えばいいのかな」
男「用途に合わせてお選び下さいって感じなんだよ」
犬娘「……難しいです」しゅん
男「……」
男(あれ? おかしいな……僕に隠れてエッチな本読み漁ってるから、てっきり知ってるものだと)
男(犬娘との夜の営みはホント大変だから、大人のオモチャでも与えておこうと思ってた矢先……)
男(首輪を所望)
男「羞恥プレイも兼ねて一石三鳥くらいに考えてたんだけどなぁ……」
犬娘「?」
男「ほら、これだよ。これとか何かに似てると思わない?(僕のとサイズは違うけど)」
犬娘「……」
男「わかんないかなー、犬娘の大好きな『モノ』なんだけどなー」
犬娘「……」
犬娘(ご主人さまの……アレにちょっと似ていますがいえません)
犬娘(ご主人様のはもっとかわいいですし、はずかしいのでいえません)
犬娘「犬娘はもうお外でそういうことはいわないんですよご主人様」
男「……(完全に理解したってことだな)」
男「そうかそうか、で? どれがいい?」
犬娘「……」じー
男「……いや、僕の下半身をじっと見てもダメだよ」
犬娘「このおもちゃはいらないです」
男「えー、なんでだよ好きだろ犬娘」
犬娘「……いらないです」
男「いやいやそんなこと言わずにさ(僕もたまには休みたいんだよ)」
犬娘「うー、ご主人様こそなんでそんなにおもちゃ買いたいんですか」
男「え? な、なんでって……」どき
ふむ
男「そりゃあ、犬娘が喜ぶかなって……」
犬娘「……ご主人様が買ってくれるのは嬉しいです」
犬娘「でも……」くんくん
犬娘「ご主人様、何か隠しごとしてます。悪いことかんがえてます」
男「ぐ……」
男(最近の犬娘はするどい……面倒なスキルを覚えてしまったぞ)
犬娘「首輪……首輪買いに連れてって下さい」くいくい
犬娘「ここは犬娘のほしいのありません」
男「……はぁ(仕方がない)」
男「じゃあ僕が勝手に選ぶことにするよ」
犬娘「……」
男「どれにしようかなぁ~」きょろきょろ
犬娘「きゅぅ……」
犬娘(犬娘がほしいのは首輪ですよご主人様……)
犬娘(今朝ご主人様に首輪を付けてもらって喜んでたコ……うらやましいです)
男「お、これとかどうだ? ほらどう思う?」
犬娘(……でもはしゃいでるご主人様をみると犬娘も嬉しいです。おもちゃはいらないですが……)
_________________________
男「いや~、いい買い物したなぁ」
男(久々に今晩はゆっくり寝れそうだ!)
犬娘「ご主人様、ご主人様、首輪は買いに行かないんですか」ぱたぱた
男「首輪……?」
犬娘「はい! 犬娘の好きなの選んでいいですか!」
男「あー……首輪は、今度にしよう(今日は疲れたし)」
うむ
犬娘「!?」
男「今日はおもちゃ買ったし、残りのお金は夕飯代で消えちゃうから」
男「首輪はまた今度」
犬娘「じゃ、じゃあ犬娘は今日はごはんいらないです」
犬娘「いらないですから、首輪……買ってください」
男「えええ……なんでそんなに必死なんだよ、急ぐことないだろ?」
犬娘「ご主人様、買ってくれるっていいました」
男「だから買ってやるけど、今日買うとは言ってない」
犬娘「……みかん色のやつ買ってくれるって……」じわ
男「そ、その代わりおもちゃ買ってあげただろ」
犬娘「……ぐす」
男「な、泣くなよ……さっきの店にも首輪あったじゃないか」
男「あそこで選んでたら買ってやったのに……」
犬娘「でも犬娘のほしいやつはなかったです」
男「今から他の店行ったって犬娘の欲しいヤツがあるとは限らないだろう?」
犬娘「……」こくん
男「な? もしかしたら時間がかかるかもしれないから今日は買い物は終わり」
男「僕はもう今日は疲れたんだよ、犬娘はお利口だからわかってくれるよね」
犬娘「……」こくり
男「うんうん、偉いぞ犬娘。家に帰ってから遊ぼう(おもちゃもあるし)」なでなで
犬娘「……」
犬娘「明日……」
男「ん?」
犬娘「明日連れて行ってくれますか?」
男「はいはい明日ね」
犬娘「首輪……買ってくれますか」
男「はいはい、買います」
犬娘「約束です」
男「うんうん、約束する」
犬娘「……♪」ぱたぱた
犬娘(明日がたのしみなので今日ははやく寝ないといけません)
犬娘(でもご主人様と交尾もしたいです……困りました)
________________________
男「……」
犬娘「……」がじがじ
男「買ってやった(大人の)おもちゃ……犬娘のやつ、えらく気に入ってくれたみたいだぞ」
犬娘「……」がじがじ
男(ま、まあ……使い方が若干違う気がするけど、本人が夢中だから何も言うまい)
犬娘「……(噛み応えがすごいです)」がじがじ
俺「……♪」ぱたぱた
犬娘「あむ、ん……ちゅ」ぺろぺろ
男「……」
男(ちょ、ちょっとだけエロいと感じてしまう自分が情けない)
犬娘「……」ガリッ
男「……!」
男(……犬娘に「して」もらうのだけはやめておこう)ぶるぶる
ネカフェ出なきゃなので家帰って書く
男「……」じー
犬娘「? ……もう寝ますか!?」ぱたぱた
男「まだ早いよ、今帰ってきたばかっりじゃないか」
犬娘「くぅん……今日ははやくねないとダメですよ」
男「ご飯食べて風呂入ってちゃんと歯をみがいたらな」
犬娘「……むー」がじがじ
男(そんなに明日が楽しみか……うーん、買い物ねぇ)
男(なんなんだろう、犬娘が楽しみにすればするほど外出が面倒くさくなってくるんだよな)
男(これって女の子に興味がない服選びに付き合わされる感じに似てるのかな?)
男(……彼女とかいないからわかんないけど)
男「……(『やっぱやめーた』って言ったら犬娘のやつどんな顔するんだろう)」
犬娘「わっふわふ、首輪、首輪♪」がじがじ
男「……」うずうず
男「犬娘、明日は……」
犬娘「?」
男「明日は……晴れるといいな」
犬娘「はい!」
男「ちょっとでも天気悪かったら外出はできないぞ?」
すててててて
犬娘「……」ぺらぺら
犬娘「明日は晴れのちくもり、こうすいかくりつは10パーセントです!」
男「ふむふむ」
犬娘「……お天気いいですか?」
男「さあねえ……明日になってみないとわかんないかな」
犬娘「じゃ、じゃあはやく寝ましょうご主人様!」
男「その前に手を洗って、ご飯にするぞ」
犬娘「あい」すてて
男「……(雨は期待できないな)」
_________________
男「……遅い」
男「いつまで手を洗ってるんだあいつは、ご飯冷めちゃうぞ」
ソロォ カチャ
犬娘「~~~♪」
男「……(何やってんだ犬娘? 鏡の前で)」
犬娘「……えへへ♪」
男(……? 自分の姿見て喜んでるのか?)
男(……って、ああっ!? 首になんか巻いてる……!?」
犬娘「わふ、わふぅ♪」
男「……そんなに欲しいのか首輪」
犬娘「!? きゃっ、ご、ご主人様……!?」
男「はぁ、何やってんのさまったく……ごはん冷めちゃうぞ」
犬娘「ご、ごめんな……さい」かぁあああ
男「犬娘もおしゃれしたい年頃かー」なでなで
犬娘「あ、あぅあう……///」
男(流石にここまで楽しみにされたら買いに連れて行って……)
男「……ん? ああああああ!!!!!!!??」
犬娘「?」
男「お前……これ! 僕のベルトじゃないか!?」
犬娘「……」こくん
男「なんで半分に裂けてるんだよ!?」
犬娘「……犬娘には大きかったです」
男「そうか、大きかったか……そりゃ首に巻くには大きいよね」
犬娘「はい♪」
男「ばか犬!!」ポカ
犬娘「ぁう……っ!」
犬娘「きゅぅう……ごめんなさい、ごめんなさいご主人様」
男「お前はホントたまにこういうことを平気でするよね」
男「罰だ、明日の買い物は無し!!(イジワルとかじゃなく本気で無し!)」
犬娘「く、くふぅ、きゅぅ、きゅ~ん(いやですいやです)」ふるふる
犬娘「ごめんなさいご主人様、ごめんなさい……明日行きたいです」
男「ダメ」
犬娘「でも、でも楽しみにしてましたよ」
男「だからって僕のベルトをちぎって首輪にしていいわけないだろ」
犬娘「……」しゅん
男「ていうかもうそれ首輪になってるじゃん、それで我慢しなさい」
犬娘「……ご主人様に買ってもらったのがいいです」
男「犬娘が自分でやったんだろ? ちゃんと責任とってこれでがーまーん!」
犬娘「うー……ごめんなさい、明日……グス、連れて行って下さい」
男「な、泣いてもダメだぞ……例え明日買い物に行っても買うのは僕のベルトだけだからな」
男「それしか代わりのやつないんだから」
犬娘「……」じわ
男「ほ、ほら、わかったらさっさとご飯食べるぞ」
犬娘「う……ひっく、お買い物……犬娘も行きます」
男「いや、ベルトは例えだって……行かないから」
犬娘「……」
犬娘「……」
________________
男(……大分こたえたのか、犬娘全然ご飯食べてなかったな)
男「……」ちら
犬娘「……」しゅん
男(テーブルの下に隠れちゃって……ホコリまみれになっても知らんぞまったく)
男「ほら犬娘、これでガジガジしないのか?」
犬娘「……お買い物」
男「は、しないの」
犬娘「きゅー……ぅ」
男「それに結構似合ってるぞ、その首輪」
犬娘「……」ちら
男「さ、さっきは怒ったけど……うん良く似合ってる。可愛いぞ犬娘」
犬娘「……」ふぁさふぁさ
男「そ、それに僕のベルトで作った(?)んだから、立派なご主人様からの贈り物といえるんじゃないかな」
犬娘「わ……ふ」ぱた ぱた
男「どう? ちょっとは元気出た?」
犬娘「……」こくこく
男「そ、そっか……(はぁ、良かったこれで明日は家でゆっくりできるぞ)」
犬娘「……(首輪も欲しいですけど……)」
犬娘(ご主人様とお出かけがしたいのです)
犬娘(でも犬娘はご主人様に怒られたので我慢がまんです……)
男「首輪はまた今度な、あはは……」なでなで
犬娘「くぅん♪(その代わりにナデナデしてくれたので犬娘は満足しました)」
犬娘「ご主人様、ご主人様」くいくい
男「ん?」
カチャカチャ
犬娘「これ、ご主人様がつけて下さい」ぱたぱた
男「……自分でつけれるんじゃ」
男「あ、いや……まぁそれくらいは……」
男「ほら、あごちょっとあげて」
犬娘「うー」
男「んしょ、よ……髪、だいぶ伸びてきたな」
犬娘「うーー」
男「……すんすん」
男(ぐ、改めて気付くが、とてつもなく良い匂いがするな犬娘の髪の毛……というか身体)
犬娘「……すんすん」
犬娘「うーー(ご主人様、良い匂いします! 犬娘はご主人様の匂い大好きです!)」
男「……何言ってるのかわかんないよ『うー』じゃ」
男「っと、良し! こんなもんでどうだ? 首きつくないか?」
犬娘「うーーー♪」ぱたぱた
男「あごはもう降ろしていいから」
犬娘「ちゅ」
男「うわ……っ! わわ……!?」
犬娘「えへへ♪ ご主人様、ありがとうございます///」ぎゅっ
男「お、おうそうか……それなら良かった」かぁあああ
男(い、いきなりこういうことをするからコイツは……!)
犬娘「……お買い物、だめですか?」じっ
男「う……」
俺「う……」ぱたぱた
男(近頃だんだん小賢しくなってきたというか、女の子(?)の武器を存分に振るうようになったというか……)
男(いかんぞいかん! 一応は僕はご主人様なんだ、こんな誘惑に……)
犬娘「くぅ~ん」すりすり
男(ゆ、誘惑に……)
男「……どこでそんなおねだりの仕方を覚えてきたんだ?」
犬娘「……」
犬娘「ご主人様の読んでる、」
男「勝手に見るなと」ぽか
まだかしら
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