能力や知識はインストールする時代だ (52)
もはや、能力や知識は、インストールする時代だ。
カプセル状の錠剤を飲むと、一般的なものは、30分ほどでデータが脳にインストールされる。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365645680
身体的な影響を考慮し、使用は15歳からとなっているが、
ほとんどの教育が必要なしとされるほどカプセルの技術は進んでいた。
基本的な学問の知識から始まり、
世界のあらゆる言語のカプセル、
スポーツの、基礎・中級・上級カプセル、
上手く人とコミュニケーションができるようになるカプセル、
駅の時刻表のカプセル、データ化できるものはほとんどされつくされていた。
海外に行きたいときには、
現地の言葉のカプセルを飲めば、
30分後には会話をすることができる。
旅行先で迷わないようにするには、
周辺の地図データのカプセルを飲めば良い。
お分かりの通り、カプセルさえあれば何でもできてしまう。カプセルは便利だ。
そのため、社会はカプセルを中心に構築しなおされた。
コーヒーメーカーが、カプチーノの味を再現するカプセルを開発し、
旅行会社は、世界の絶景を巡っているかのようなビジョンが現れるカプセルを開発する。
人々は、本物よりもカプセルを求めるようになっていた。
しかし、カプセル社会は不平等を含んでいた。
カプセルは値段に幅があり、
例えば、車の運転免許などはそれなりのお金が必要だが、
自転車は安いというような、技術的なもの。
また、24時間に限定して剣道の達人になるなど、
時間制限があるものは、そうでないものに比べると安かった。
このように、質の良いカプセルは高く、質の劣るカプセルは安い。
つまり、財力のある人間は良いカプセルを使い、
それによって得たスキルで、さらにお金を作り上げる。
財力のない人間は、良いカプセルを買えず、
所詮、科学のドーピングにかなうわけもなく、
もともといる場所に甘んじるしかないのだ。
これがカプセルによる格差であり、不平等だ
そしてそれは、崩れることはない。
カプセルを廃止するには社会は大きくなりすぎていたし、
カプセルを使った一部の賢い集団に、
一般人がデモを起こしてかなうはずもない。
こうして、カプセル社会は完成されたのだ。
そして、その2つの層の上に私がいる。
これが、最初のカプセル開発者である、私の計画だった。
人々がカプセルを使えば使う程、私が豊かになるのだ。
終わり。もし見てたらありがとう
他作品→
http://sketchbookokp.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4.html
確かにオチが弱いかもしれない。ありがとう
続きを書けるだけの時間と才能が自分にあればよかったのだけれど・・・。
かわりに、ではないけど、
他に書いたやつ何となくはってく
「もくもくさん」
少女は寂しい子供だった。
いつからか、好きな時間に、好きな場所で、
現れてくれる友達がいたらなあと妄想するようになっていた。
しかし、彼女はとにかくいつもひとりぼっちで
話し相手などいなかったので、そのたびにため息をつくのだった。
その日も大きなため息をつこうとすると、
口、というより、お腹から何かが戻ってくるような感覚に襲われた。
それは、げろげろと嘔吐されるわけではなく、するすると勢いよく飛び出した。
気分が悪くなったわけでもなかったので、少女は、一体何が起こったのだろうと驚く
見ると、吐き出されたものは、白い煙であった。
水煙草の煙のように、淡く、消えてしまいそうだが、
しかし、存在感のある、白い煙。
ふわりとただようその煙は、クラゲのように宙をさまよう。
そして、どこへ行くこともなく、私の目の前で、語りかけるようにその姿をとどめるのだった。
「あなたは誰?」
少女は煙に話しかけた。
すると、待っていたかのように、
煙が一度大きく収縮したかと思うと、
ぱちりとかわいい両目が少女を見ていた。
煙はもくもくとホバリングしている。
煙は言葉を言わなかったが、少女には、それが自分のために現れたことが分かった。
彼女はただただ煙を見つめ、時間を忘れた。その時だけは幸せだった。
「あなたはきっと、もくもくさんね」
少女は、煙をもくもくさんと呼んだ。
もくもくさんは、
車と同じくらいの大きさの時もあれば、
手のひらほどの時もあった。
気がつくと消えてしまっていたが、
少女が大きなため息をつくと必ず出てきてくれるのだった。
やがて少女は成長し、大好きな友人や恋人など、
これまで持っていなかったものを見つけることができた。
日々の生活は忙しく、しかし、充実していた。
少女は、もくもくさんのことなどすっかり忘れてしまっていた。
物事が順調に進み、落ち着いてきた頃、
少女はようやく、もくもくさんのことを考えるようになった。
そういえば最近姿を見ていない。
いまごろどうしているだろうか。
久しぶりにもくもくさんに会いたいと思った彼女は、
大きくため息をついた。
しかし、もくもくさんは現れない。
少女がいくらため息をついても、
ただ、息が漏れるだけであった。
何度も試していると、
少女はつかれてきたし、
悲しくもなった。
もくもくさんはどこへ行ってしまったのか。
もう会うことはできないのだろうか。
少女は寂しくなり、大きなため息をつく。
すると、大きな大きなもくもくさんが、家じゅうに広がった。
相変わらず、可愛い目をぱちくりとさせ、こちらを見ている。
少女は喜び、それに抱きつく。
その夜は、延々ともくもくさんに語りかけ続け、
気が付いたら眠っていたのだった。
次の日、
久しぶりにもくもくさんと会うことができ、
少女は満たされていたが、
それが続くことは決してなかった。
もくもくさんは、寂しさの分だけ大きくなり、
心が満たされている時には姿を見せないのだ。
終わり。これはこれ。http://sketchbookokp.blogspot.jp/2013/04/blog-post_10.html
さげたほうがいいのかな?
さげってどうやるのw
ここでやるのほぼ初心者ですごめんなさい
次。
「籠」
私たちは、「楽園」にすんでいた。
ここは本当に素晴らしい。
空気は綺麗だし、1年じゅういつでも暖かい、
また、住みやすい場所もたくさんある。
いや、家にこもる必要さえない。
何も持たずに、自然の中でねむり、
自然の中で暮らすことができるくらいには暖かかったし、
特に恐るるべき危険もなかったからだ。
毎日決まった時間には、
「使用人」は素晴らしい料理を運んで来て、
私たち皆をもてなす。
汚くなっているところや、皆が嫌がるところも、すべて綺麗にしてくれた。
「楽園」に一緒にすんでいる大勢の仲間たちも素晴らしかった。
喧嘩などはほとんどなかったし、
力のある男と、魅力ある女が、最高のバランスをつくっている。
どこにいても、笑い声と、穏やかな話声が聞こえるのだった。
昼は家族や恋人と身を寄せあってねむり、
素晴らしい料理を食べ、休み、夜はまたねむる。
本当にそれだけで良かった。
何の不安もなかったし、ここにはすべてがあった。
私たちには、何の義務も制約もなく、ただ幸せでいることが許された。
ここは、私たちにとって、本当に「楽園」なのだ。
「楽園」には、多くの人が訪れた。
ここがどれだけ素晴らしいかを、皆が見に来るのだ。
彼らは、いつも羨ましそうな顔で私たちを見てゆく。
中には、何時間もずっと見つめてゆく者もいる。
家族と、友人と、恋人と、様々な人々が、
様々な顔で、「楽園」に暮らす私たちを見物する。
最後には、皆、幸せそうな顔をして帰って行くが、
彼らはきっとここには入ることができない。
何故かはわからないが、そういうことになっているし、
そもそも入る気がないのかもしれない。
食事を用意する「使用人」にはいつも語りかけている。
「どうしてここへ来ないのか。君も楽園で暮らせばいい」と。
しかし、彼はいつも、かすかに微笑み、「楽園」の隅々を綺麗に掃除し、去っていくのだ。
どうしてそうしなければいけないのかは、
私たちには毛頭わからなかったが、
多くの者は、
きっとそういうことになっているのだと思うようにしていた。
きっと彼らにはそうするしかないのだ
すべてのものが「楽園」に来ることはきっとできないのだろう。
「楽園」に来るべきものは選ばれ、
それ以外のものは、かわいそうだが、
外からその様子を眺め、満足する。
「楽園」とはそういうものなのかもしれない—————。
—————「楽園」を眺める、母親と子供がいた。
「お母さん、可愛いねえ」
「本当ね。みんなとっても綺麗」
「あんな風に自由に飛んでみたいなあ。いいなあ」
「そうね。羨ましい」
「うん。いつか私も、あんな風に、お友達と一緒に空を飛ぶの!」
「ふふ。出来るといいわね」
「うん!」
「でも、こんな小さなところに閉じ込められるのは、ちょっとかわいそうね」
目の前にある巨大な”籠”には、こう書かれていた。—————「鳥たちの楽園」。
つぎ
「王様は国を変えたいと思った」
王様は、日に日に戦に疲れきってゆく国を変えたいと思った。
王様は、皆が平和に暮らすにはどうすればいいのかを来る日も来る日も考えた。
何故いまのような世界になってしまったのか。
何故、皆、争いをやめようとしないのか。
何故こんなに混沌としてしまったのか。
信じるものがないからだ、と王様は考えた。
信じるものが、皆、ばらばらすぎるのだ。
だから、譲り合うことができないし、
自分の価値を押し通そうとする。
争いをなくすには、皆の心を一つにしなければならない。
他のなにものすら信じることができなくても、
それだけは拠り所にすることのできるようなものをつくろう。
王様はそう決めた。
それからは、それをつくることにすべてを費やした。
朝から晩までそのことばかり考えていたし、
夢にみることさえあった。
そして、目がさめれば、またつくりつづける。
王様の情熱は強かった。
「王様が何かやっているらしいぞ」
「なんでも、それができれば、皆が幸せになれるらしい」
「そりゃあいい。ぜひ完成を見てみたいね」
人望のあった王様の元には、
多くの者が集まり、計画は国をかけて行われた。
そのためには、多くのお金と時間が必要だった。
王様はあらゆる手段を使い、
お金と時間を集め、
国中の人間と共に、それをつくった。
長い月日がたち、ついにそれは完成した。
「王様。ついに完成したのですね」
「ああ。その通りだ」
それはとても巨大で、うっとりするほど美しかった。
誰もがそれを見に来ては、涙を流し、心を平和にして帰って行くのだ。
いつしか争いごともなくなっていた。
王様は、多くの者に感謝されたが、そんな王様にも、死ぬ時はくる。
王様は言った。
「私は国が平和になって嬉しい。
どうか、この大きな仏を後世まで伝えてほしい。
ずっとこのまま、残してほしいのだ」
まもなく王様は死んでしまったが、
その言葉を受け取った家臣たちは、
言われたとおり、それを代々伝えて行った。
王様が作り上げたものは、古くなったり、壊れたりもしたが、
そのたびにつくり直され、良く手入れされた。
いつしか、それと同じようなものがとても多くの場所で見られるようになり、
それが、今日の「大仏」と呼ばれるようになったのだ。
王様の意志は現在でも生きており、「大仏」は、人々に平和と幸せを与え続けている。
それを訪れた人々は、ただ、座禅を組むのだ。
「いくよー!はい、チーズ!」
けらけらと笑い、ポーズをとって。
終。
これはこれ。踏みたくなかったら踏まないで
http://sketchbookokp.blogspot.jp/2013/04/blog-post_5755.html
つぎ
「岩の巨人」
その村には、とても高い山があったそうだ。
晴れた日にしか、決して頂上を見ることができず、上には白く雪が積もっている。
未だにてっぺんまでたどり着いたものはいないらしく、
1番最初に、山の頂上からの景色を見ることができたものには、
どんな願いもひとつだけかなえることができると、いつしか信じられるようになった。
そういうわけで、村の男たちは、我先にとその山の頂上を目指した。
志を持った男たちは、次々と山に登る。
あるものは、この世で1番美しい娘を嫁にするといい、
あるものは、大金、
あるものは、不老不死を願った。
これまで、数多くの男たちが山に臨んだが、
しかし、てっぺんを見ることができたと言って帰ってくるものはひとりもなかったのだった。
そんな時、ひとりの男が腰を上げた。
その男は、
村で1番に力が強く、
勇気があり、
皆に好かれていた。
彼なら必ず成し遂げてくれるに違いないと、
村の皆は後押ししていたのだが、
肝心の彼は、これまで、
「願いなどありませぬ」といい、
山へ近付くことはなかったのだった。
しかし、ある日、村の子供にこう言われた。
「山に登って、みんなの願いをかなえてきてよ」
男は、「それなら自分が行くしかない」と、頂上を目指すことを村の皆に約束したのだった。
男は、村の皆が用意してくれた食料と夜具をもって、山に登った。
それは簡単な道ではなかったが、屈強な身体を持った男はずいずいと進んでいく。
長い時間をかけて、男はとうとう、山の頂上にたどり着いたのだった。
絶景を見渡し、男は胡坐をかいた。
「さあ。願いをかなえるというのなら、神でも悪魔でもさっさとでてこい」
そう思うと、突然大きな地鳴りがして、山が揺れ始めた。
それはこれまで経験したことがないほどで、
男は、振り落とされないよう、必死に岩にしがみついた。
揺れがやみ、男が目をあけると、
そこは、村が点になってしまいそうな、はるか上空であった。
「いったいどういうことなんだ」
驚いて良く見てみると、なんと、山が伸びていた。
いや、伸びているのではない。
これは、”岩の巨人”だ。
岩の巨人は、人間と同じような身体と顔を持っていた。
しかし、ただの巨人と形容するにはあまりにも違う。
男がのっている山の部分はもちろん顔、
そのほかの部分はこれまで地中に埋まっていたらしく、
すべて土や岩でできていた。
山に生えている草木など、ほんの一部だ。
男は自分の目を疑ったが、信じるしかなかった。
岩でできた巨大なモンスターが、
立ち上がり、地上を見下ろしているのだ。
「岩の巨人よ!お前が願いをかなえてくれるのか!」男は叫んだ。
岩の巨人は、のっそりと手を動かした。
すると、男は2本の指でつまみ上げられ
———男にとってはものすごいスピードで、
一瞬何が起きたかわからなかったが———
ちょこんと地上に降ろされてしまった。
しばらく放心していると、ふいに、岩の巨人が横になる。
地響きがして、
ものすごい土ぼこりが舞いあがったかと思うと、
岩の巨人はそのまま動かなくなってしまった。
見ると、おやじのように、片腕を枕にしてねむっているではないか。
どうすることもできず、
男はひとまず村へ帰ることにした。
願いはかなわなかったが、村人たちは男を称賛した。
しかし、あれほど不思議な岩の巨人がいたというのに、
なにも起こらないことが何処にあるものかと、
男にはどうしても納得できなかったのだった。
やがて、男や、男の孫たちも死に、その次の孫や、次の次の孫も死んだ。
長い年月がたち、岩の巨人のことを知るものはひとりもいなくなった。
ねむりつづけた岩の巨人は、
やがて「山脈」と呼ばれるようになり、
いまでも堂々とたたずんでいる。
そして、村の男たちは、再び山頂を目指すのだ。
それが岩の巨人だとも知らずに。
つぎ
「初めて恋をした時の話をします」
その日、僕は恋をした。
それは友人宅でバースデーパーティをしている時だった。
一目見た瞬間に、彼女しかいないと思い、隣にいた友人に名前を聞いた。
彼女は、僕みたいな冴えないやつにもよくしてくれた。
学校で合えば挨拶をしてくれるし、
集まりがあればいつも話しかけてくれる。
恋愛経験があまりない僕にとっては、それだけでも幸せなことだった。
大学の学食で、
あまりにもきれいに笑う彼女に呆けてしまっていて、
目があってしまったときは、冷や汗をかいた。
しかし、そんな時も彼女は、
「そのシャツかわいいね」と帰り際にいい、
去っていったのだった。
好きにならないわけがない。
ある日、僕は彼女のメールアドレスを聞くことができた。
最初は———というよりいつも———僕はドキドキしながらメールを送って、
やりとりが何件も続いていくのが楽しくて仕方なかった。
幸せだった。
冴えない大学生活が彩り始めた。僕は勝ち組だとさえ思った。
それから僕は毎日彼女にメールを送った。
そっけないときもあったけれど、
彼女はいつでも感情的で、メールを送るこっちも楽しくなった。
しかし、近頃は、あちらからの連絡はほとんどなくなり、
返信も短くなってしまっていた。
何かがおかしい。
彼女は僕に気があるものだとばかり思っていたのに。
僕は、彼女をハメようとしている男がいるのではないかと疑った。
そうして、その男の正体を暴くためにも、
僕はめげずにメールを送り続けた。
君は騙されているんだ、とストレートには聞かない。
僕は頭を使い、彼女が傷つかないように、慎重に何度も探りを入れたのだ。
そうこうしている間に、
何故か彼女は、学部を変更し、別のキャンパスに移ってしまった。
信じられなかった。どうして。僕に一言も声をかけずに。
しばらく僕は放心状態だったが、
つい先日、一通のメールを送ることにした。
はったりだが、彼女の気持ちを動かすには十分すぎるくらいのメールだ。
「君が僕に恋をしていたのは分かっているよ。
まあ、それを認めない理由も明白だったけどね。
まず、僕はあのとき彼女がいた。でも、僕はいま独り身なんだよ」
これでいい。彼女のことは僕が誰よりもわかっている。
だって、君は気付いていないだろうけど、
君のことを誰よりも”見ている”のは僕だからね。
これからもずっとそばにいるよ。
終。
これは、
「初めてネットストーカーにあった時の話をします」
ってギズモードの記事見て思いついた。
それ読むと意味わかる。これね(僕のHPじゃないのでご安心を)
http://www.gizmodo.jp/2012/01/post_9803.html
次。【ゲーム中毒】
「あんたまさかずっと起きてゲームしてたの?」
「うーん。ちょっと大事なところなんだ」
「ほんと信じられない。やることあるんじゃないの?」
「今日は大じょぶー」
「そう言っていつも最後になって焦るんじゃない。ご飯は食べてから行きなさいよ?」
「わかったー———あ、でも時間ないかも」
「だったら今食べなさい。今日は何時に出るの?」
「7時ー」
「7時?じゃあもう出なきゃだめじゃない!」
「え?あ、やば」
「やば、じゃない!ほらさっさとしたくして」
「うわー何で行ってくれなかったの!」
「何度も言ったでしょう!」
「行ってきます!」
「ご飯は?」
「いらない!」
そういうと、母はあっという間に家を出て行った。
毎日毎日、困ったものだ。
私は朝ご飯を食べながら、今日の宿題は何だったかを思い出していた。
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