トリコ「便所飯……?」(139)
小松「トリコさん、トリコさん!」
トリコ「どうしたァ、小松? ──ん、そりゃグルメ新聞じゃねーか」
小松「この記事を読んで下さい!」
トリコ「おっ、もしかして新しい食材の情報か!?」
小松「いえ、食材ではなく食事の方法というか……」
トリコ「どれどれ……」ガサッ
トリコ「………」
トリコ「便所飯……?」
記事の概要はこうであった。
世界一のトイレ生産量を誇る国家、ベンジョミン。
このベンジョミンで『便所飯』なる食事法が大流行しているのだという。
トリコ「しっかしこの記事、便所飯ってのがどういうもんなのかまでは書いてねーな」
トリコ「う~む、気になる……」
小松「トリコさん、よかったらベンジョミンに行ってみませんか!?」
小松「ちょうどボクのレストランも今、閑散期なんです」
トリコ「そうだな!」
トリコ「思い立ったが吉日、その日以降は全て凶日、だ!」
トリコ「らしくなってきたじゃねーか、小松!」
サニー「スーパー便器返しッッ!!!!」
トリコと小松はベンジョミンに到着した。
トリコ「いやァ~ベンジョミンって初めて来たんだが」
トリコ「どこを見てもトイレばかりだな」
小松「えぇ、ボクもここまでとは思いませんでした」
小松「さすがはトイレ産業で成り立ってる、トイレ立国なだけありますね」
ベンジョミンでは、建物の全てが洋式便所か和式便所の形をしている。
また、至るところに公衆便所が設置されている。
トリコ「すげーな、ベンジョミン」
トリコ「これで便所飯ってヤツにも期待が出てきたぜ!」
トリコ「しっかし、便所飯ってのを学ぶにはどこに行きゃいいんだ?」
小松「歩いている人に聞いてみましょうか」
小松「すいませ~ん」
通行人「はい?」
通行人は『便』と書かれたTシャツを着ていた。
小松「ボクたち便所飯というのを知りたくて、この国に来たんですけど……」
小松「どこに行けばいいんでしょうか?」
通行人「ああ、便所飯について勉強したいんだったら──」
通行人「あそこに行くといいよ」
小松「あそこ?」
通行人が指差した方角には、黄金に輝く巨大なトイレが建っていた。
トリコ&小松(ま、またトイレか……!)
通行人「あそこには、便所飯の体験ゾーンがあるからね」
トリコ「よっしゃ、行ってみようぜ、小松!」
小松「はいっ!」
小松「これがアナルの紙屑……!」
黄金のトイレの正体は『トイレビルディング』といい、
ベンジョミンのトイレ文化を後世に残すために建てられたビルである。
そのため、この中にはトイレに関するあらゆる資料が存在する。
トートー「ようこそいらっしゃいました!」
トートー「ワシはこのビルの責任者、トートーといいます」
【トイレビルディング館長 トートー】
トートー「美食屋の四天王であるトリコ様と、一流シェフの小松様にお出で頂けるとは」
トートー「光栄の極みですわい! ワッハッハッハ!」
トリコ「よろしくな!」
小松「こちらこそ、勉強させてもらいます!」
小松「しかし、この国は本当にトイレだらけですね」
小松「やはり館長さんも、トイレに対して並々ならぬ思い入れがあるんですか?」
トートー「食ったら出る! これは基本であります」
トートー「特にこのグルメ時代、いたるところでウンコが出ますからな!」
トートー「食べられた食材の最後を飾るに相応しいトイレを作るため」
トートー「我々も日々気張っております!」ブッ!
トートー「ワッハッハッハ!」
せっかくなので、二人はトイレビルディングを見学することにした。
中には新旧さまざまなトイレが展示されており、まさにトイレ博物館といえた。
トートー「これは“へるスィートイレ”といいましてな」
トートー「出したウンコを分析し、健康状態を言い当ててくれます」
トートー「ウンコには人間の全てが詰まってますからな!」
トートー「ワッハッハッハ!」
小松「へぇ~」
トリコ「ま、俺はこんなのに頼らずともウンコの分析くらいできるけどな」
トリコ「なんだこりゃ、でっかいトイレだな……」
小松「うわぁ、大きいですね~」
トートー「これは“ビッグ・ザ・トイレ”といいます」
トートー「世界最大級の水洗トイレです」
トートー「大食いで知られるトリコ様のウンコでも、問題なく流してくれましょう」
トートー「ワッハッハッハ!」
トリコ「ほう、おもしれぇじゃねーか!」
トリコ「このトイレを詰まらせてみせるぜ!」ニヤッ
小松「なんで対抗意識を燃やしてるんですか、トリコさん……」
トートー「こちらは“スメルトイレ”といいまして」
トートー「出したウンコのニオイを音声で表してくれます」
トートー「例えばこんな具合にです」ピッ
トイレ『まぁまぁのニオイです』
トイレ『……くさっ』
トイレ『いい匂いだ……まるでラベンダー畑にいるかのようだ……』
トイレ『くせェェェッ! コイツはゲロ以下のニオイがプンプンするぜェ!』
小松「な、なるほど……」
トートー「さて、これは現在開発中の“グルメトイレ”です」
トートー「なんとこのトイレ、食べることができるのです!」
トートー「よろしければ、召し上がって下さい」
トリコ「ほう、なかなかイケるじゃねえか」バリバリ
小松「ホントですね、美味しいです!」ムシャムシャ
トートー「しかしこのトイレ、欠点が一つありましてね」
小松「欠点?」
トートー「これを食べてしまうと、出すところがなくなってしまうんですわ!」
トートー「ワッハッハッハ!」
トートー「では、ビルの案内はこれぐらいにして」
トートー「ここからはイナクス君にゆずりましょう」
イナクス「こんにちは……副館長のイナクスです……」
【トイレビルディング副館長 イナクス】
トリコ「おわっ!?」
小松「いつの間に!?」
イナクス「……よろしく」
トリコ「よろしくな」
小松「よろしくお願いします!」
トリコ「おい、館長」ボソッ
トートー「はい?」
トリコ「アンタとは逆で、えらくテンションが低いヤツだが大丈夫か?」ボソッ
トートー「もちろんです」
トートー「なにせ彼こそが──」
トートー「世界で初めて便所飯を実践した人間なんですから」
トリコ&小松「!?」
講義室──
イナクス「では、さっそく始めましょうかね……」
イナクス「私、こう見えても性格が暗いんですよ……」
トリコ(見りゃあ分かるっつーの)
イナクス「そのため、子供の頃から友達は一人もいませんでした……」
イナクス「遊び相手はもちろん……」
イナクス「一緒に昼ご飯を食べる相手もいませんでした……」
トリコ「ほう……」
小松「そうだったんですか……」
イナクス「ある日のことです……」
イナクス「みんなが楽しく食事してる中、一人でモソモソご飯を食べている自分が」
イナクス「無性に情けなくなりましてね……」
イナクス「私、トイレの個室で弁当を食べるようになったんです……」
トリコ(ふむふむ……で、どうなるんだ?)
小松(なるほど……で、どうなったんだろう?)
イナクス「……終わりです」
トリコ「──って終わりかよ!」
トリコ「……ちょっと待て」
トリコ「もしかして便所飯って、まんまトイレでメシを食うってことなのか!?」
イナクス「……その通りです」
トリコ「あのなァ……」
トリコ「メシなんてもんはみんなでワイワイやりながら」
トリコ「食った方が楽しいに決まってるだろ!」
トリコ「なァ、小松?」
小松「ボクもそう思います」
小松「たしかにイナクスさんの主張も分からないではありませんが……」
小松「やはり食事は、みんなで取るのが基本ではないかと……」
イナクス「………」
イナクス「はい……あなた方は正しいです」
イナクス「しかし、共に食事をする仲間にも事欠く人間がいることも事実……」
イナクス「そんな私が編み出した食事法が、便所飯なのです……」
イナクス「便所飯……体験いたしますか……?」
トリコ「………」
トリコ「どうするよ、小松?」ボソッ
トリコ「便所飯がどういうもんかは分かったし」ボソッ
トリコ「もうベンジョミンにいる意味はないんじゃねーか?」ボソッ
小松「えぇ、でも……」ボソッ
小松「あまり気が進みませんが、一度体験してみるのもいいかと……」ボソッ
トリコ「まぁな」ボソッ
トリコ「やらずに批判するのは俺のポリシーにも反する」ボソッ
トリコ「よし! 俺たちにも便所飯を体験させてくれ!」
イナクス「……分かりました。ではこちらへどうぞ……」
便所飯体験ゾーン──
体験ゾーンには複数のエリアが設置されていた。
イナクス「ここであなた方は別れていただきます……」
イナクス「お連れがいては、便所飯の醍醐味は味わえませんから……」
イナクス「もちろん危険は一切ありません……」
イナクス「先ほども一人体験された方がいましたが、喜ばれておりました……」
トリコ「おう、分かったぜ」
小松「じゃあトリコさん、またお会いしましょう!」
トリコ「ああ!」
こうして二人は別れ、それぞれ事前に指定された大部屋に入った。
~ トリコサイド ~
トリコが入った部屋は、大変賑わっていた。
むろん、便所飯体験ゾーンのために雇われたエキストラたちだ。
みんな楽しそうに和気あいあいと食事している。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ「えぇと、俺の席は、と……」
一つだけ空いている席には、弁当が置かれていた。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコは弁当のフタを開ける。
なんの変哲もない、いたって普通の弁当であった。
質も量も、美食屋四天王であるトリコにはまったく物足りないレベルだ。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ(とりあえず、だれに話しかけてみるか……)
トリコ「よぉ、一緒にメシ食わないか?」
エキストラA「………」
エキストラA「……でさぁ~」ペチャクチャ
トリコ(ガン無視かよ!)
その後、トリコは何人かに話しかけたが、全く相手にされなかった。
トリコ(エキストラと分かっているとはいえ、結構心にくるな)
トリコ(さっきの副館長はこんな思いをずっとしてきたってことか……)
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ(たしかに、この中で一人ぽつんとメシを食うってのは)
トリコ(なんともいたたまれない気持ちになるな)
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ「………」
トリコ(そろそろトイレに行くか……)スッ
~ 小松サイド ~
小松もトリコと同じく、弁当を持って部屋を出たところだった。
小松(結局、いたたまれなくなって部屋から出てきてしまった……)
小松(えぇ~っと、このまま弁当を持ってトイレに行けばいいのかな?)
エキストラB「おい、アイツ弁当抱えてうろついてるぜ」ヒソヒソ
エキストラC「部屋に一緒に食うヤツがいなかったんじゃねえの?」ヒソヒソ
小松「!?」
小松(どうやらボクのことを話してるみたいだ……)
小松(弁当を隠しながら、向かうしかないな……)コソコソ…
トイレにたどり着いた小松。
大便用の個室が三つあった。
小松(早く個室に入らないと……)
ガチャッ
小松(だれか入ってる……)
ガチャッ
小松(こっちも……)
ガチャッ
小松(全部の個室が埋まってる!)
小松(そんなぁ~早く出てきてもらわないと、ご飯を食べられない!)
5分後、ようやく三つあるうちの個室の一つが空いた。
小松(よかったぁ~)
小松(これでやっと食べられる……)
個室の中の便座に腰を下ろし、隠しておいた弁当を取り出し、小松はふと思った。
小松(なんて──)
小松(なんて安心感なんだろう)
小松(さっきの騒がしい部屋とちがって)
小松(今、ボクの一人きりの食事をジャマする人はだれもいない)
小松(これが、便所飯……!)
しかし、安心するのはまだ早かった。
~ トリコサイド ~
トリコも個室に入ったところだった。
トリコ(大勢のいる中で一人で食べるのと比べて……)
トリコ(なんという安心感……!)
トリコ(たしかにこういうメシの食い方もアリか──)パチッ
割り箸を割って、弁当を食べようとするトリコ。
すると、外からこんな声が聞こえた。
エキストラD「今、個室の中から割り箸の音が聞こえなかったか?」
エキストラE「まさかぁ~トイレでメシ食う奴なんていないだろ」
エキストラD「そりゃそうだ、ハハハッ」
トリコ「!?」
トリコ(そうか……便所飯は個室に入ったら一安心、じゃねぇ!)
トリコ(むしろここからが本番!)
トリコ(中でメシ食ってるのがバレないようにしなきゃならねぇんだ!)
トリコ(つまり、一切音を立てずに食さねばならない!)
トリコ(仕方ない、心の中で“いただきます”)
音を立てないように、慎重に弁当を食べるトリコ。
途中、何人かのエキストラが入って来たが、悟られることはなかった。
トリコ(よし……! このまま慎重に食えば、バレずに完食できそうだ……!)
しかしここで、新たな問題が訪れる。
エキストラF「げぇっ、腹が痛いのに全部個室が埋まってやがる」
エキストラF「まいったな……」
トリコ「!?」
トリコ(そうか、ここはトイレ……)
トリコ(本来は用を足す人間のためにある場所だ)
トリコ(いわば、俺のやってることは不法占拠……)
トリコ(つまり、音をたてず、なおかつスピーディーに食さねばならない!)
トリコ(なんという難易度……!)
トリコ(なんという緊張感……!)
トリコ(この緊張感は──)
グ ル メ 界 に 匹 敵 す る ! ! !
~ 小松サイド ~
小松もまた、トリコと同じ領域に達していた。
小松(分かったぞ、便所飯の極意……!)
小松(便所飯は、決して“逃げの食事法”なんかじゃない)
小松(むしろ苦難の始まりなんだ!)
小松(音を立てないようにして、外にいる人に便所飯を知られてはならない)
小松(なおかつ素早くご飯を平らげて)
小松(本来の利用者に迷惑をかけないようにしなきゃいけないんだ!)
小松(箸を早く動かせば、音が出てしまい便所飯がバレてしまう)
小松(それに……単なる早食いでは体に悪いだけだ)
小松(つまり、便所飯で一番重要なポイントは“噛むこと”だ)
小松(音を立てず、すり潰すように、素早く噛む!)
小松(こうすれば、“無音”と“速度”の両方を満たせる!)
さすがは一流シェフの小松である。
便所飯のポイントに早々に気づき、それをすみやかに実行に移す。
神経を集中させ、弁当を食べ続ける小松。
しかし、個室の外に気を配りつつ、
なおかつ“無音”と“速度”を維持しつつ食事をするというのは難作業である。
小松(ふぅ、もうすぐ食べ終わりそうだ……)
小松(しかし、便所飯というのがこんなに大変なものだとは思わなかった)
小松(最初はなんて消極的な食事法なんだろうと思っていたけど、とんでもない!)
小松(便所飯は、ものすごく神経と労力を使う繊細かつ過酷な食事法だ!)
小松(便所飯のこの緊張感は──)
一 流 食 材 の 調 理 と 同 等 ! ! !
~ トリコサイド ~
トリコは弁当を食べ終えていた。
トリコ(ごちそうさまでした)
すると──
ビキビキ……
トリコ(便所飯を乗り越えた途端──)
トリコ(俺のグルメ細胞が反応しやがった!)
トリコ(すげぇ、すげぇぞ! 便所飯!)
~ 小松サイド ~
ちょうど同じ頃、小松も弁当を食べ終えていた。
小松(やったー! 食べ終わったぞ!)
パァァァァ……
小松(ん、なんだろう! なんだか頭が冴えてきたような……!?)
小松(便所飯をやり遂げたから、なのかな……?)
便所飯の苦行が、小松の“食運”をパワーアップさせていた。
こうして二人は便所飯体験を終えた。
イナクス「いかがでしたか……? 便所飯は……」
トリコ「いやァ~最初は正直乗り気じゃなかったんだが──」
トリコ「なかなか味わえない体験ができたぜ! ありがとう!」
小松「ボクも、普段の調理(しごと)とはまた違う緊張感を味わえました!」
小松「今後のボクたちの食材探しの旅にも、きっと役立つと思います!」
小松「ありがとうございました!」
イナクス「どういたしまして……」
トートーのところに戻った二人。
トートー「さぁさぁ、では我が国の料理でお二人をもてなしたいと思います!」
トートー「存分に食べて、存分に出して下さい!」
トートー「ワッハッハッハ!」
トリコ「よっしゃあ、食って出すぞ! 小松!」
小松「せっかくいっぱいトイレがありますからね!」
~ トイレ国家『ベンジョミン』フルコース ~
オードブル(前菜):オリーブカマドウマの唐揚げ
スープ:ウォシュレットスープ
魚料理:ベンザメの刺身
肉料理:キングベンジョムシのステーキ
主菜(メイン):大便風カレーライス
サラダ:トイレットペーパー風グリーンサラダ
デザート:アボカド
ドリンク:最高級手洗い水
トリコ「アボカドだけ明らかに浮いてね!?」
小松「突っ込んだら負けですよ、トリコさん」
トリコ「ふぅ~すっかりご馳走になっちまった! ありがとよ!」
小松「ボクも、後学のためになりました。ありがとうございます!」
小松(名前に反して、料理はとても美味しかった……)
トートー「喜んでいただけてなによりです」
トートー「あ、もちろん、後でちゃんと出して下さいね」
トートー「なにせ、食ったら出る! これが基本ですからな!」
トートー「ではまたお会いしましょう!」
トートー「ワッハッハッハ!」
イナクス「さようなら……」
こうして二人はベンジョミンに別れを告げた。
トリコ「いやぁ~けっこういい体験をしたなァ、小松!」
小松「そうですね!」
小松「流行しているわりに、どういうものかが広まっていないのも」
小松「自分から便所飯をやってるよ、っていう人がいないからでしょうね、きっと」
トリコ「いっつも旅してる時はトイレなんか気にしなかったが」
トリコ「今度からは自分用のトイレを持参して、便所飯をやってみるかな!」
トリコ「ハッハッハ!」
小松(トリコさん、すっかり便所飯を気に入ったみたいだな)
小松(ボクも今度レストランでやってみようかな……)
ベンジョミンへの旅は、二人にとってかなりの収穫になったようだ。
美食會アジト──
ジョージョー「スタージュン様、今日はどちらへ?」
スタージュン「ベンジョミンだ」
ジョージョー「なにか収穫はございましたか?」
スタージュン「しょせんはトイレ産業だけの小国……」
スタージュン「めぼしい料理人も食材もなかった。収穫などあろうはずがない」
ジョージョー「そうですか……」
ジョージョー(収穫がなかったわりに、心なしか機嫌がよいようだが……)
その後、美食會の会議にて……
クロマド「なにィ!? スタージュンがどこにもいない!?」
ジョージョー「は、はい……」
ジョージョー「さっきまではいらっしゃったのですが……」
クロマド「グリンパーチとトミーロッドがいて、ヤツがいないとは……珍しい」
クロマド「何をやっておるんだ、いったい……!」
グリンパーチ「ヒ~ヒッヒ、変なもん食って腹でも壊してるんじゃねえか?」
トミーロッド「キミじゃあるまいし……」
スタージュンはトイレの個室で弁当を食べていた。
スタージュン(ふふふ、今は会議中で、誰もいないハズだから音を立てて食えるな)モグモグ
スタージュン(この孤独感、焦燥感、緊張感……ヤミツキになる)モグモグ
スタージュン(これでまた、私のグルメ細胞は活性化する……!)モグモグ
スタージュン(この食事法を知れただけでも、ベンジョミンに行った価値はあった)モグモグ
スタージュン「便所飯……最高だ!」
セドル「あれ今の声、スタージュン様ですか?」
スタージュン(いたのか!?)ビクッ
<おわり>
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