女騎士「……あいつは長い髪が好みなのか?」(353)

珍しく姿見の前に立って独りごちるのを見られて慌てふためく女騎士ちゃんかわいい

ぺろぺろ

休日に街にくりだした時に可愛い服を買っているところを意中の相手に見られて慌てふためく女騎士ちゃん

女騎士「ふむ…これなんか女の子っぽくて可愛いんじゃないだろうか」

女騎士「買ってしまった…でも、これであいつも私のことを少しは意識してくれるだろうか…」

騎士「へえ~、お前もこんな可愛い店で服とか買うんだな」

女騎士「いや、買ったのは初めてだがお前のためにっ…え?」

みたいなのオナシャス!!

騎士「普段からこういう店来たりしてるのか?」

女騎士「は、初めてだと言っただろう!こ、こんなチャラチャラとした……」

騎士「その割には手なれた様子で服選んでたよな?」ニヤニヤ

女騎士「なっ、そ、そんなわけないだろう!」

騎士「くっはは、いつも強気な女騎士様の弱点発覚ってか、顔赤くなってんぞ?」

女騎士「ぐ、ぐうぅ……!」

騎士「まあいいんじゃないか?その服似合いそうだしな、かわいいんじゃないか?」

女騎士「なっ……!か、かわ……!」

騎士「まあ普段の姿からじゃ想像もできねーけどな!」カラカラ

女騎士「こ、コイツ……!」


こうですかわかりません

女騎士「騎士団の資材買い出しでこんなに時間かかるとは思わなかった……何だあの防具屋!適当な仕事ばかりで!二度と使わん」

女騎士「……来る日も来る日も鍛錬が続いているが、これで本当に街は、世界は平和になるのだろうか」

女騎士「いや、私は戦うことが生業、それ疑問をいだいてはいけないな」

女騎士「それにしても、なんなんだろうな、あいつ……」

騎士「あいつって?」

女騎士「ん?ああ、昨日から新しく騎士団に加入したと思ったら、いきなり私を副長に下げて団長になった男がいてな」

騎士「ほう」

女騎士「まぁ確かに決闘で私は負けたのだが」

女騎士「今ひとつ納得が行かない、それに人使いが荒くて資材調達させるし」

あ、どうぞどうぞ

いやいや俺寝るんでどうぞどうぞ

女騎士「それはまあ、決闘では負けはしましたが、まあ」

騎士「うん」

女騎士「って、団長!?」

騎士「おう、俺だ」

女騎士「えと、あの、その、今さっきのは言葉のあやというか、ですね」

騎士「言葉のあや、ね」

女騎士「ですからその、別に団長のことを悪く思ってるわけでは」

騎士「まあ別にいいさ」

女騎士「ほっ」

騎士「でもあれだな、俺のことは別に団長と呼ばなくてもいいと言ったんだが」

女騎士「いやでもそのですね部下たちへの示しというかその、」

騎士「いいっていいってそんなの。それより俺には騎士っていうもっとカッコいい名がある」

女騎士「そうはおっしゃいますけどね……」

騎士「そういう固っ苦しいのも勘弁なんだよね、そんな人間でも出でもないしさ」

女騎士「そう言うことではないんです、これは騎士団の風紀に関わることなんですから」

騎士「めんどくさいなあ」

女騎士「とにかく、私は団長とお呼びしますので」

騎士「へいへい」

女騎士「ところで団長はなにをしていられるのですか?」

騎士「おう、それだ、実はな……」

女騎士「?」

騎士「どこかに可愛い娘はいな ガツッ いってぇ!」

女騎士「何考えてるんですか!」

騎士「なにって、ナニだよ。せっかく大きい街に来たんだしいいじゃないか、俺の住んでいた田舎なんか可愛いのかの字もなかったんだぜ」

女騎士「私がさっき何を言ったのかもう忘れたんですか?」

騎士「さっきって、なんだっけ ガインッ ってぇ!」

女騎士「だから、騎士団の風紀に関わるって」

騎士「んだよそんなのどうでもいいだろ」

女騎士「よくありません!町の人がどう思うことか……!」

女騎士「だいたい、今の時間帯なら本部で鍛錬の時間では?午後は馬術の……」

騎士「ああそれな」

女騎士「はい?」

騎士「団長権限で無しにした」

女騎士「」

騎士「毎日毎日訓練訓練じゃ人間疲れるって、適度に魂を開放しないとな」

女騎士「」

騎士「疲労していたらいざというときに働けないだろ?だからたまには休んで、心にゆとりを持っておくんだよ」

騎士「なんつってな」女騎士「……か」騎士「ん?」

女騎士「ばかぁあああああ!!!」

女騎士「いざという時、その時に怠けていたりしたら元も子もないでしょう!?」

騎士「俺は問題ない」

女騎士「そういう問題の話じゃありません!戻りますよ本部に!今すぐ!」

騎士「まあまあそうカリカリすんなって、ほら、心に余裕を持つんだって」

女騎士「持ってます!これ以上結構です!」

騎士「あーあーそんなに起こったら可愛い顔がもったいないぞ、そこ歩いてる姉ちゃんみたいにもっと愛想よく」

女騎士「かっ、可愛い、私が、あっ、いやそんな話ではごまかされません!」

騎士「ごまかしなんかじゃないさ、お前はほんとうに可愛いとおも痛いやめて耳引っ張らないでっでっで」

女騎士「いいですいいわけは本部で聞きますから」

騎士「違ういいわけじゃないいいから耳離してちぎれるちぎれるから」

まじで?じゃあ俺も寝るわ

本部――

女騎士「ですからですね、騎士の心得というものを一からですね……」

騎士「へぇへぇ」

女騎士「まずは騎士というのはどのような職業であるのか……」

騎士「あーあー」

女騎士「人々を守るというとても尊い任務を……」

騎士「」

女騎士「人々から尊敬される、規範で有るべき立場で……」

騎士「……」

女騎士「強さ、勇敢さだけではなく冷静さ聡明さがですね……」

騎士「……」 zzz

女騎士「……と、このような感じに、騎士はかくあるべきでして、団長、聞いていましたか?」

騎士「……ん、あ、はい!聞いてました!」

女騎士「本当ですか?……まあいいでしょう」

騎士「やっと終わった……」

女騎士「では団を呼び戻して鍛錬をですね」

騎士「え」

女騎士「と、思いましたがもうこんな時間ですね。仕方がありません、でも明日からはしっかり訓練をして行きましょう」

騎士「もう日が暮れてしまった」

女騎士「本当にあの防具屋、こんなに時間を取らせるなんて……」

騎士「(説教が長いせいだと言いたいけど黙っておこう)」

女騎士「団長、明日こそはしっかりしてくださいよ」

騎士「へーへー、じゃ、俺は帰るからな」

女騎士「はい、ではまた明日」

騎士「(まあ、遊ぶって言ったらやっぱり夜だよな!このうるさいのもいなくなるだろうし!)」

女騎士「団長、もちろんですが夜遊びもいけませんよ」

騎士「え」

女騎士「市民の規範たる騎士として許されるわけがないでしょう?」

騎士「」

女騎士「信じていますよ、団長」

騎士「お、おう!」

・・・・・・

女騎士「さて……」 チラ

姿見「……」

女騎士「髪……」

姿見「短いね」

女騎士「昼間の女性も髪が長かったな」

女騎士「……あいつは長い髪が好みなのか?」

女騎士「伸ばそうかな……」

女騎士「そうしたら……」

団員「副長?こんな時間に何をしているんですか?」

女騎士「!?」 バッ

団員「鏡?何か見ていたんですか」

女騎士「いや、なんでもありません、それより団員こそなぜここに」

団員「自分は今日の宿直であります、副長が決めたことですが……?」

女騎士「あー、ああそうでした。それではよろしくお願いしますよ」

団員「任せてくださいよ、副長も気をつけてお帰りください」

女騎士「ありがとう、それではまた明日」

家路――

女騎士「どうかしているな。騎士の道に歩いていくと決めたのだからしっかりと足を進まなければ」

女騎士「……」

女騎士「……」

女騎士「……かわいい、かあ」

女騎士「違う、何だ、私は一体何を考えているんだ」

女騎士「伸ばそうかな……」

女騎士「……」

…………
………
……

『やーい!おとこおんなー!』

『おまえんちー!とーちゃんもかーちゃんもいないんだろー!ひとりぼっちー!』

『うるさい!ひとりぼっちでなにがわるい!このぉ!』

『いだっ!なにするんだこのおとこおんな!』

『おんなのくせになまいきだな!おいみんなでいっせいにやっちまおうぜ』

『1たい1でかかってこいひきょうもの!そんなにわたしがこわいのか!』

『ひきょうでけっこーこけこっこーさっきはよくもけってくれたな!おかえしだ!』

『いたっ、ぐうっ、ひ、ひきょうものめ……』

『やーいくやしかったらやりかえしてみろーゆるしてほしかったらあやまれよー』

『あ、あやまるもんか……!ぜったいにあやまるもんか!』

女騎士「はっ」 ガバッ

女騎士「昔の……夢?」

女騎士「久しく見ていなかったのに……」

女騎士「さっさと支度をして出よう……」


本部――

女騎士「……遅い、遅いですよ全く」

騎士「え、いや時間には間に合ってるって」

女騎士「騎士団の、それも団長たるものはですね、」

騎士「あーあーはいはいー、訓練の時間がなくなっちゃうからさっさと始めようねー」

・・・・・・昼

女騎士「団長、今日の午後ですが」

騎士「んー訓練でしょ?」

女騎士「その予定だったのですが一報が入りまして」

騎士「一報?」

女騎士「はい、近くの森で最近煙が立ち上っていることが多くなったのだとか」

騎士「煙ねぇ、密猟者か何かじゃないの」

女騎士「それだけならいいのですが、近くの街でこの間盗賊団が大層な働きをしたという話も耳にしているので」

騎士「ほー、盗賊団ね、武装はしている感じか」

女騎士「はい。それなりの被害が出たようで」

女騎士「それで、今からは森の警らに行ったほうがよいかと思いまして」

騎士「んー、そうだな……」

女騎士「被害のおそれがあるなら、事前に対処しておいたほうがいいかと」

騎士「いや、その必要はないだろう」

女騎士「そうですか……では午後は予定通りの訓練を」

騎士「だな。(ホントは街行きたい)」

女騎士「では馬小屋前に集合ですね」

・・・・・・夕方

騎士「あーやっと今日も終わった」

女騎士「団長そうやってすぐにだらけないでください、部下たちも見ていますよ」

騎士「もー今さら俺の体裁とかどうでもいいじゃん部下とか皆知ってるからさ」

女騎士「風紀が騎士「あーはいはいわかりましたから」

女騎士「本当にわかってます?」

騎士「わかってますーわかってるからさっさと出て騎士団じゃない騎士になります―」

女騎士「あっ、やっぱりわかってないじゃないですか!ちょっと!まって、ああ行っちゃった」

女騎士「まったくもう……」

騎士「さて……」

騎士「様子でも見に行きますかね」

森――

騎士「確かに煙が登っているな……方向はあっちか」

………
……


騎士「ここのあたりのはずだが……お、話し声がする……」


  密猟者A「へへへ、今日も大量だったな……」

  密猟者B「ああ、この森はいい角が取れる」

  密猟者C「ホント最高の狩場だ。賊の噂のお陰で誰も寄り付かないからバレる心配もないし」

  密猟者A「全く盗賊さまさまだぜ」

  密猟者B「でもそろそろヅラかるかね、それこそ本当に盗賊に出くわしたら洒落にならん」

  密猟者A「なんだよあの噂本当だったのか」

  密猟者B「いや俺も噂だけなんだけどよ、あの洞窟が怪しいって話」

  密猟者C「あそこって、ああ、あそこね。なるほどもっともらしい」

  騎士「どのあそこなんだね、どの洞窟」

  密猟者B「何言ってるんだよ、おととい森の中をうろついているときに見つけた大きなのがあったじゃないか」

  騎士「大きい洞窟ね、ふぅん。情報有難う」

  密猟者共「えっ」

  騎士「情報量としてだけど、ブタ箱くらいしかやれねーわ、すまんな」

  密猟者共「」

………
……

騎士「なるほどな、ここの森は思ったよりもいろいろ深そうだ」

騎士「週末、見に来たほうがよさそうか」

騎士「だな」

騎士「まあとにかく今日はかえって寝るか」

騎士「あしたも女騎士ちゃんうるさいだろうし」

騎士「これ、中間管理職の悲しいところね」

『な、なんでですか!なんで騎士団に入ってすぐの者などを団長に!』

『納得できません!私は、ずっとこの騎士団の……!』

『決闘ですか?それで団長を?』

『わかりました、その条件でやります。王が直々に命じたとか言われているようですが、私は毎日鍛錬しているんです、遅れをとるわけありません!』

『では……行きますよ!いざ尋常に……!』

『え……あっ、そんな……!』

『まさか……この私が負けるなんて、そんなはずは……』

『そういう取り決めですから、仕方がありません。私はそれで、納得、していますから……』

『え?可愛い顔が台無し?何を言ってるんですか、私はそのような』

『お世辞抜きに可愛い?そ、そうやってごまかすつもりですね、そそそ、そうはいきません!』

………
……


女騎士「……今日は、ちょっと前の夢だ」

女騎士「そっか、2回目だったのか」

女騎士「支度をして、行かなきゃ」

女騎士「明日は週末か……」

女騎士「訓練、したほうがいいのだろうか」

          /^ヾo
     ○= ノ:;☆_;;.ヽ===○
     ∥(⌒ (´・ω・`n ∥  .∥ おやしみ
    /(_,,..てっ..,,__ ノ  ̄./i
   _,.(~ ̄        ̄ ̄~ヘ, | !
 (~ ,::::::☆:::::::::☆:::::::::::::::.''  }i |
ノ ..:☆::::::::::☆:::::::::::☆::::."  丿

本部――

女騎士「それでは本日の予定についてですが……」

女騎士「平常通り訓練ということで……」

女騎士「しっかりと身体を鍛えることで……」

女騎士「では朝礼は以上です」



女騎士「あれ、団長は?」

騎士「……」 コソコソ

女騎士「あっ」

騎士「やべっ」

女騎士「全く、何度言ったらお分かりになるのですか……」

騎士「」

女騎士「もっと騎士団を束ねるものとしての自覚をですね……」

騎士「」

女騎士「先代の団長はもっと……」

騎士「」 zzz

女騎士「それで団長が務まるとでも……」

騎士「」 zzz

女騎士「私だってこうも怒りたくなど……」

女騎士「というわけでありまして、団長聞いてますか?」

騎士「フゴッ、あっはいうん聞いてる聞いてる」

女騎士「本当ですか?全く聞こえているのなら行動で示してほしいものですが」

騎士「何を言うちゃんと団長らしい行動してるだろ俺は」

女騎士「どの口からそのような言葉が出るのですか、ほんとうにもう……」

騎士「きみ、割りと上司とか気にしないよね」

女騎士「上司だからこそしっかりとして欲しいんですよ!」

騎士「あーはいはい」

騎士「あーそうそう週末なにか用事ある?」

女騎士「週末ですか?……特に何も考えてはいませんが」

騎士「そうか森にとか行ったりはしないよな」

女騎士「森に……?そういうつもりはないですね、森で何か?」

騎士「あーいや、なんでもないぞ森に行かないなら別になんだっていいんだ、うん」

女騎士「はぁ……?」

騎士「気にしない気にしないじゃあ今日も訓練がんばろーっ」

女騎士「今日も、ですかねぇ……」

「士」の字って男性器の象徴なんだよね
つまり「女騎士」は……

・・・・・・夕方

女騎士「では今日の訓練はここまでとする」

女騎士「明日と明後日はここでの訓練はないが、騎士団の一員として何が起きても素早く対処できるよう各自気をしっかり持っておくこと」

女騎士「では以上、解散」



自宅――

女騎士「はぁ……」

女騎士「明日と明後日は何をしよう……」

女騎士「街に行こうか」

女騎士「何をしに?」

女騎士「…………」

・・・・・・翌日

女騎士「街に来たはいいが」

女騎士「何をすればいいのだろう」 テクテク

女騎士「別に来なくても良かったか……」 テクテク

女騎士「いやしかし、なにか」 テクテク

女騎士「無いか」 テクテク

女騎士「このお店は……」

店員「いらっしゃいませ、なにかご入用ですか?」

女騎士「あ、いやわたしはその」

店員「あら、どなたかと思えば騎士団の副長さんではないですか、何か服でも?」

女騎士「いや違うんだそのあの、済まない邪魔をした」 テッテッテッテ

店員「変な副長さん……もっとおしゃれしたらいいのに」


----

森――

騎士「洞窟はこのあたりだな……」

騎士「一人で入っていって……うん、まあ大丈夫だろ」

騎士「ということでちょっとお邪魔しますよ」

騎士「……」 コソコソコソ

騎士「暗いな、松明は……あああった」

騎士「む、生活していた痕跡はあるな」

騎士「が、それなりに前にここを出ていったか」

騎士「なにか手がかりはないかな……」

騎士「これは、近くの街の……?」

騎士「あーなるほど、ここが例の盗賊団ね」

騎士「いやいや参ったね、どうしたもんか」

>>84
久々にお前を見たわ

・・・・・・夜

女騎士「はぁ……結局きょうは無駄に終わってしまった」

女騎士「どうしてまた急にこんなことを」

女騎士「……」

女騎士「もう寝よう」




騎士「えーと報告とかいるんだっけ」

騎士「どうだったっけ」

騎士「まあ一応明日女騎士ちゃんにも言っとくか」

女騎士「ん……朝か」

女騎士「今日は、どうしようか」

女騎士「……何も思いつかん、本部にでも行くか」



ドア「がちゃ」

騎士「やぁ」

女騎士「……」

ドア「ばたん」

騎士「ちょちょちょちょっとぉ!?」

女騎士「新聞なら間に合ってます」

騎士「違うからね!新聞の営業じゃないからね!ちょっとあの噂のことで話が」

女騎士「あの噂?」

騎士「ほら近くの森で狼煙の話」

女騎士「あ、あああれですか」

騎士「盗賊団らしき痕跡を見つけた」

女騎士「なんだって!?」

ドア「がちゃん」

騎士「うわっ」

女騎士「それで、私には放っておくように言ったのに自分は一人で行ったんですか」

騎士「いやそれはあれだよ」

女騎士「そんなに私は信用されてないんですか」

騎士「違うって、そうじゃないって、だって女の子がそんなところに行くのもさ……」

女騎士「そうですよね、私は女ですものね、それはまあ男性ほどの力は無いですけれども」

騎士「ちょっと待てってそんなつもりは」

女騎士「冗談ですよ」

騎士「おい」

女騎士「一応、私も現場を確認したいので連れていってもらえますか、その洞窟に」

騎士「あーそうだな」

女騎士「準備とかありますので、では本部で落ちあいましょう」

騎士「わかった、じゃあまたな」

女騎士「はい」


……


女騎士「女、か……」

森――

騎士「いやー今日は天気がいいしピクニック日和だなー」

女騎士「ふざけたこと言ってないでさっさと歩いてもらえますか」

騎士「ふざけてないって、こうやって可愛い女の子と一緒にピクニックできて嬉しいなー」

女騎士「かか、かわ、ってそんな、そうやってすぐごまかさないでください」

騎士「えー」

……


洞窟――

騎士「で、ここなわけだけど」

女騎士「確かに焚き火の跡などが残ってますね」

女騎士「推測するに人数は……10人くらいですか」

騎士「だな、ここを離れてどこ行ったかも気になる、何かわかる?」

女騎士「そうですね……これだけでは特に何も……」

騎士「そうか。街に来られたりしたら嫌だなー」

女騎士「これは最近被害があった街の紋章?」

騎士「ああ、奪った鎧とか盾についていたやつだろう」

女騎士「ということはここはその強盗団の?」

騎士「だろうなあ、ああ嫌になる」

女騎士「本部へ戻って対策を考えたほうがよさそうですね……」

騎士「対策というと」

女騎士「警らの人数を増やしましょう、あとは市民への注意喚起と」

騎士「うん」

女騎士「それから訓練を増やします」

騎士「それが嫌なんだよなあ」

女騎士「団長!」

市民A「おい聞いたかよ」

市民B「何をだよ」

市民A「盗賊団の話」

市民B「ああ、近くの街であったやつ」

市民A「それがこの街の近くにいるかもしれないらしいぞ」

市民B「マジかよ!?」

市民A「役所に掲示されていたぞ、注意しろって」

市民B「そりゃやべえな」

市民A「お前も気をつけろよ、最近子供が生まれたばかりだろ」

市民「ああ、そうだな……」

…………
……


女騎士「あれから1週間になろうとしていますが全く音沙汰ありませんね」

騎士「ああ」

女騎士「こちらから捜索に打って出たほうがいいと思いますか?」

騎士「どうだろうな……人数がそこまで足りるだろうか」

女騎士「……」

騎士「それに、近くにいるかも知れないってだけで本当にいるかどうかもわからん」

騎士「手がかりも全く無い中でというのは無理がありすぎる」

支援

女騎士「それはそうですが……」

騎士「どちらかというとなかなか姿を表さないんじゃなくて、もうこの近辺からは去ったと考えるほうが妥当だろ」

女騎士「……」

騎士「町の人もだんだん気が緩んでいってるし、まあそういうことなのだろう」

女騎士「ですが」

騎士「まあ1週間気が張っていただろうし、この週末はゆっくり休んだほうがいいね」

女騎士「はぁ……」

騎士「考え事しすぎると小じわが増えるぞ」

女騎士「なっ」

週末・・・・・・

女騎士「結局また街に出てしまった……」

女騎士「特にすることはないのだが」 テクテク

女騎士「本当に、なにも……」

女騎士「……」 テクテク

女騎士「先週もこんな感じでここを通ったっけ」 テクテク

女騎士「それで服屋の前で……」 テクテク

店員「いらっしゃいませ」

女騎士「そうそうこんな感じで」

女騎士「お?」

店員「今日はなにか買っていってくださいよ、副長さん」

女騎士「え、あのその」

店員「せっかく可愛いんですから、もっとおしゃれしましょう?」

女騎士「お、おしゃれ?でも私は」

店員「はいはいー今年の流行はこの色ですよー」

女騎士「あ、ちょっと、やめてください、その、あああああああ」

店員「ちょっとー?Bー?あんたも手伝ってー」

店員B「ああまた店員の悪い癖が……」

ひるめしにしよう

おや

1時間後・・・

女騎士「も、疲れた……」

店員「やっぱり流行りの色よりも落ち着いたもののほうがいいかしら……」

店員B「あの色ならもっと髪は長めのほうが」

店員「やっぱりー?まあじゃあ今日はこの色でいいね」

店員B「それよりももっとだな……髪留めとかそういう所で個性を……」

店員「あーなるほど髪留めは盲点だったかも。だとすると」

…………
……

女騎士「結局さらに1時間も取られた……疲れた……」

女騎士「しかも」

  店員「お買い上げですよね」

  女騎士「えっ」

  店員「毎度有難うございまーす」

女騎士「しっかり売上に貢献させられるし」

女騎士「それに毎度って……また何か買わされるのだろうか」

女騎士「……」

女騎士「……」 テクテク

女騎士「あ、」

女騎士「この髪留め……可愛い……」

女騎士「……」

女騎士「長い髪、か……」

女騎士「……」

女騎士「家に帰ろう」

はよ

女騎士「……?」 テクテク

女騎士「あの家、人が住んでいただろうか」

女騎士「……」

女騎士「すみません、ちょっといいですか」

店主「ん、なんだい」

女騎士「向かいの家ですけど、どなたか住んでいらしたでしょうか」

店主「どうだったかな……何年か前に老夫婦が引っ越してから誰も入ってなかったはずだ」

女騎士「そうですか。ご協力ありがとうございます」

店主「いいっていいって、それよりだ、なにか買っていかないかな」

女騎士「店主は誰も住んでいないはずと言った」 テクテク

女騎士「しかし人が生活している気配がする」 モグモグ

女騎士「団長に報告しておくべきか……」 テクテク

女騎士「いや、あいつは適当に流してしまいそうだ」 モグモグ

女騎士「しかしかといって別な手段があるわけでもない……」 テクテク

女騎士「報告するしかない、か……」

週明け・・・

本部――

女騎士「それで、街南部の空き家が怪しいと思うんです」

騎士「ふーん」

女騎士「(やっぱりこんな反応だ)」

騎士「怪しいとは言えだからといって押し入るわけにもいかんしなあ」

女騎士「それはそうですけど」

騎士「まあ一応役所に許可の申請だけはしておこうか」

女騎士「はい」

騎士「さーて今日も訓練だ―」

支援

女騎士「(それで結局、この週も何事も無く過ぎていった……)」

騎士「女騎士ちゃん、今夜暇?」

女騎士「え、ああ、まあ予定は何も無いですが……」

騎士「飲み行こう、昨日いいお店見っけた」

女騎士「昨日!?昨日行った何をしていたんですか」

騎士「え、あ、それはだね」

女騎士「そういえば昨日は見回りとかいって午後の訓練抜け出してましたよね……」

騎士「あ、あはは……」

女騎士「……」

女騎士「まあ、見逃してあげます」

騎士「えっまじ?やった」

女騎士「そのかわり、今日はごちそうになります」

騎士「あーああうん」

女騎士「では私は今日と今週の総括してきますね」

騎士「はいはいー」

………
……

居酒屋――

女騎士「なるほど、確かに美味しいですね」

騎士「だろー?俺こういうのだけは目が効くんだよ」

女騎士「その目をもっと市民のために有効活用して欲しいところですけどね……」

騎士「ちゃーんと市民のために毎日備えてるじゃーん」 ケラケラケラ

女騎士「だったらもっとまじめに鍛錬してくださいよ……」

騎士「だいじょーぶだいじょーぶ、俺強いからさぁー」

女騎士「今の状況見るかぎりでは全く大丈夫とは思えません……」

女騎士「ところで話は変わるのですが」

騎士「んー?」

女騎士「団長はなぜ騎士団に?」

騎士「?」

女騎士「失礼ですけれども、団長はあまりにも自由気ままなので」

騎士「うん」

女騎士「こういった形式とか体裁が重要な職業の、それもトップには向いてるように思いません」

騎士「……」

女騎士「それにそもそもあまりそういうものに囚われるのも好きじゃないように思います」

女騎士「どうして騎士団に入ろうなんて思ったんですか」

騎士「んーそりゃおまえ、決まってるだろ」

女騎士「?」

騎士「給料がいいからな。特にリーダーともなると」

女騎士「……」

騎士「結局カネが一番なんだよ、世の中。お金が欲しいから密猟もするし強盗もする、そんなもんだ」

女騎士「そうですか」

騎士「お前こそどうなんだよ、こんな堅苦しくてしょうがないところなんか入ってさ」

女騎士「私は」

私は?????

女騎士「団長がそんな人だとは思っていませんでした」

女騎士「この仕事に誇りを持っています」

女騎士「市民の規範として、盾として、拠り所として、存在する」

女騎士「そんな強さの象徴である騎士団に憧れて入団した……!」

女騎士「騎士団は、弱き市民から頼られる強い存在、そう信じて私は今日まで努力してきたしこれからも努力したい」

女騎士「そう信じているのに、何だあんたは一体!」

女騎士「団長だってきっと何か市民のためにと思って、それで騎士団に入ったものと思ってた……!」

女騎士「素行が悪くても、それでも市民のためにと……!」

女騎士「それが、お金?」

2つ目のセリフの頭に 私は が抜けてる

女騎士「団長がそんな人だとは思ってなかった」

女騎士「そんなにお金が大事なら、傭兵にでもなればよかっただろう!」

女騎士「…………」

女騎士「確かにあなたは強い人です」

女騎士「でも、」

女騎士「……」

女騎士「今夜はごちそうさまでした」

女騎士「おやすみなさい」

…………
……


騎士「……」

騎士「……俺だってお金ばかりが大事じゃないさ」

騎士「意味があって騎士団に入った」

騎士「だが、お金はたしかに大事だろう……」

騎士「金がなければ何もできないじゃないか」

騎士「……」

騎士「親父ぃ!勘定だ!」

しえ

出かけるもんで落として構わないのよ

おい

待てよ

週末・・・

女騎士「また、街に出てしまった……」

女騎士「特に何かしたいわけでもないが……」

女騎士「どうしてだろう、街に出ると心が安らぐ」

女騎士「今日は市場の方に行ってみよう」 テクテク

………
……


市場――

女騎士「休日ともなるとこんなにも賑わうのだな」

okaeri

果物屋「あらー女騎士ちゃんじゃない、休みの日に寄るのは珍しいねえ」

女騎士「あ、おばさんこんにちは」

果物屋「今日はお仕事?」

女騎士「いえ、ただの気晴らしです」

果物屋「あらそう、どう、今朝入ったばかりの林檎があるんだけど」

女騎士「ああ、今日は何かを買いに来たというわけでは」

果物屋「釣れないわねぇ、一つくらいいいじゃない」

女騎士「ですが、いえ、そうですねではひとついただきましょう」

果物屋「まいどあり~」

女騎士「あ、欲しいのは一つですよ、おばさん」

果物屋「いいのいいの、一つおまけ。いつも街のために頑張ってる女騎士ちゃんにね」

女騎士「ああ、ありがとうございます」

果物屋「それにしても最近物騒ね、なんでも盗賊団がうろついているらしいじゃない」

女騎士「そうですね、私達もいろいろと手がかりを探しているんですが、今のところさっぱり……」

果物屋「まあそのうちきっとなんとかなるようになるわよ」

女騎士「そうでしょうか……」

果物屋「そうそう、だkら女騎士ちゃんも休日はしっかり休むのよ~」

女騎士「はぁ……」

果物屋「女騎士ちゃん、見かけるといつも難しそうな顔をしてるし、そんなんじゃ疲れちゃうわ」

女騎士「……」

果物「人のために働くことは立派だけど、でもまずは自分のことからちゃんとしなきゃ!」

女騎士「わたしは、別にじぶんのこと……」

果物屋「案外自分ではわからないものなのよ~?ほらもっと笑って、ね?」

女騎士「……」

果物屋「仕事にしても、ただそれだけ、じゃあ人間持たないわよ~、もっと楽しく考えなきゃ」

女騎士「仕事だけ……」

果物屋「女の子でしょう?おしゃれして、恋もして、それで」

女騎士「恋……」

ほう

果物屋「まあ急にっていう話でも無理かしら?」

果物屋「でも先週服を買ったっていう話も聞いたもんで」

女騎士「服、ああ、先週の……」

果物屋「街の皆もなんか変わったねえ、って。もしかして、新しい騎士団長の……」

女騎士「!」

女騎士「その話は!あ、その、やめてもらえませんか」

果物屋「あらあら、そうかしら、まあそういうことなのかしら」

女騎士「それよりも、ちょっと気になっていることが。南部の空き家についてなので……!?銃声!?」

果物屋「奥のほうからだわ、何かしら」

何かしら

女「なにいまの……」

男「銃声がしたぞ……!?」

女B「銀行の方だと思うんだけど、」

男「一体……」

男B「おい聞いたか、強盗だってよ!」

男「強盗……?なんだってこんな所に」

女「やだーこわいー」



女騎士「強盗だって……!?」

ほほほ

なんか臨場感とかないねごめんね

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果物屋「ごごごうとう?ど、どうすれば」

女騎士「おばさん、落ち着いてください、私が」

果物屋「女騎士ちゃん?」

女騎士「装備をとりつつ騎士団を出動させます、もう誰かが伝令に行っているかもしれませんが」

果物屋「で、でも、相手は銃を、銃が」

女騎士「大丈夫ですから、騎士団が責任をもって皆さんをお守りしますから、だから」

果物屋「す、すぐにすぐに戻ってきて……」

女騎士「もちろんです!」 タッ

タッタッタッタ

続けろポッター

           

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          /;;;/::ミヾ、./ / / )     '゙ /ミ"i;;;;;;;;\_

       _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ /  /_!/`   /,,l;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;~\
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本部――

女騎士「ハァッ……ハァッ……」 タッタッタ

守衛「副長!?どうしたでありますか?」

女騎士「市場の、ハァッ、ほうで、ハァッ、強盗が、ハァッ」

守衛「それでしたら、今しがた本日の当番のものが出動しています!」

女騎士「そうか、はあ、よかった、私も、装備を取ってすぐに行く、」

守衛「副長!?まずは少し、休んでからにしたほうがよいかと存じますが!」

女騎士「いや、大丈夫だ問題ない、一刻も早く向かわなければ!馬は出せるか?」

守衛「はっ、すぐに手配いたします!」

女騎士「(急がなきゃ、早くしなきゃ)」

速くしなきゃ

女騎士「急げっ……!早くっ……!もっと早くっ!」

女騎士「皆が、待っているんだ……!」

…………
………
……


市場――

女騎士「やっと、着いた……!皆は」

団員「副長!どうしてここへ?」

団員B「副長は今日は非番のはずでは……?」

女騎士「あ、ええ、たしかに非番ですが、たまたま居合わせたものでして」

hum

女騎士「ですが装備が整っていなかったもので、一度本部へ戻って」

団員「ああなるほど」

女騎士「それで、状況はどうなっています?」

団員B「それが……」

女騎士「どうした!?まさか……」

……


女騎士「なるほど、到着していたらもう解決していたと」

団員「はい、何者かが銀行の裏口から突入して、それで全て取り押さえたと」

団員B「誰も顔を確認できなかったと言っています」

女騎士「そうか……」

ふむ

女騎士「それで犯人たちは?」

団員「はっ、強盗団一味5人はすでに連行しています」

団員B「明日のうちにも首都の方へ送られるとのことです」

女騎士「そうですか……何にしてもご苦労様でした。戻ったらゆっくり休んでください」

団員「はっ」

……


女騎士「これで盗賊団の話も片付いたのか」

女騎士「それにしてはなにか違和感が……」

女騎士「5人……?」

(メ・ん・)?

週明け・・・

本部――

女騎士「おはようございます」

騎士「ん、ああおはよう」

女騎士「急にですけど、団長」

騎士「んー?」

女騎士「週末どこで何をしていましたか」

騎士「えっと?」

女騎士「市場での銀行強盗の話、知らないということはないはずです。その時何をしていたんですか」

騎士「その時は、だな……寝ていた、はずだ」

女騎士「……」

騎士「なんだ、疑うのか」

女騎士「我々騎士団の決まりでは、一応有事の際は団長のもとにも連絡が行くはずですが」

騎士「まじ?」

女騎士「確かに連絡は取りづらいですが、とりあえず団長宅には伝令が走るはずです」

女騎士「本当に寝ていた?自宅で?連絡が来たのに?」

騎士「えーとその、それはだな」

女騎士「本当にそうだとしたら、重大な職務怠慢として報告しなければなりませんが」

団長おおおおお

騎士「……」

女騎士「……」

騎士「……」

女騎士「団長なんでしょう?強盗たちを取り押さえたというのは」

騎士「……」

女騎士「ですよね、この街でそんなに腕の立つ人というと、私はあなたくらいしか思い当たりません」

騎士「……そうだ、俺が片付けた」

女騎士「一人で、全部やったんですよね」

騎士「ああ」

ふー

女騎士「なんでですか」

騎士「……」

女騎士「今回は無事にすんだからいいものの、相手は銃を持った集団なんですよ!?」

女騎士「付近にはまだ市民がたくさん残っているというのに、なぜそのような真似を!?」

女騎士「騎士を、騎士団を何だと思っているんですか!?」

女騎士「何でもかんでも独りでって、じゃあ私たちは何のために団を結んでいるんですか」

女騎士「なんであなたはそんなに身勝手な、……」

女騎士「……もういいです」

女騎士「今回は、大事に至りませんでしたから」

女騎士「でも……」

でも???

騎士「悪かったな」

女騎士「次からはちゃんと、連帯した行動で」

騎士「だが、俺は一人でできた。俺だから、一人でできた」

女騎士「っ、あなたは本当に……」

騎士「行くか、午前中も訓練だろ」

女騎士「……」

http://x.vu/image003jpg

女騎士「(それからしばらくは、平穏に過ぎていった)」

女騎士「(団長とは顔を合わせる機会も減り、会話もほとんどなくなっていった)」

週末・・・

女騎士「今日は、何をしようか」

女騎士「髪も長くなってきたし、そろそろ切ったほうがいいだろうか」

女騎士「……ここまで長くしたのは、初めてだ」

女騎士「街に行こう」

女騎士「……」 テクテク

女騎士「平和、だな」 テクテク

女騎士「今日はとても天気がいい」 テクテク

店員「あら?」

女騎士「公園でのんびりするのもいいかもしれない」

店員「いらっしゃーい」

女騎士「わっ!?」

店員「いらっしゃい女騎士さん、何かって行ってくださいよ、前みたいに」

s

女騎士「えっと、その……」

店員「いいからいいから、お店の中入って!」

女騎士「きょ、今日は別に買いたいものは特に」

店員「ちょっとー?Bー?」

女騎士「ま、まただ……」

店員B「呼んだー?」

店員「一緒に見繕ってー」

店員B「はいはい、えーっと、あれ女騎士さん?」

店員「うん」

店員B「髪伸ばしてたから一瞬誰かわかんなかった」

店員「だよね、あたしもびっくりした」

店員B「ふーん、似合ってるじゃない」

店員「でしょでしょ?」

店員B「なんでお前が頷くんだよ」

店員「いいじゃない細かいことは、それよりさ、この間のあの服とか今ならいいんじゃない?」

女騎士「この間……?」

店員B「えーと、あーあれか」

女騎士「?」

店員「うん、まだあったでしょ持ってきて」

店員B「はいはいっと」

女騎士「ああ、この服でしたか……」

店員「そうそう、髪伸ばしたらやっぱり似合うじゃない」

店員B「だな……お前やっぱ見る目だけはあるな」

店員「だけってなによだけって。それで、女騎士さん、この服はどうする?」

女騎士「えっと……」

店員B「今なら安くするよ」

女騎士「……いえ、やっぱりいいです」

店員「あ、そう、残念」

女騎士「ご好意だけ、頂いておきますから」


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店員「ありがとございましたーまたきてねー」

女騎士「……」

女騎士「あんな可愛い服、どうせ私が来てもおかしいだけさ」

女騎士「……」

女騎士「やっぱり家に帰ろう」

騎士「お、副長ちゃん」

女騎士「え?」

騎士「なんだよ、やっぱお前もこういう店に入るんじゃないか。てっきり仕事だけしか任務だけしか考えてない女かと」

女騎士「なんですか一体、私に何か用が?」

騎士「そうそう、おまえんち行こうとしてたんだ」

女騎士「私の家に?」

騎士「そうそう」

女騎士「なんでまた」

騎士「いやー最近ちょっとコミュニケーションが不足しているじゃん?」

騎士「だから一緒に飲もうかなーと思って。ほらいい酒手に入れたんだ」

女騎士「結構です」

騎士「そんな事言わずにさあ」

女騎士「そのような暇があったら、私は、いえ、我々は鍛錬に励み、常に万全を期すべきです」

女騎士「そんなにお酒が飲みたいのでしたら、お一人でどうぞ」

騎士「……」

女騎士「用事はそれだけですか?なら私はもう行きますね」

………
……


女騎士「あんなの、やっぱり団長なんかじゃない」

女騎士「誰が許可したんだ、あんな団長……」

週明け・・・

本部――

女騎士「はぁ……」

団員「どうしたんですか、副長、ため息など」

女騎士「あ、おはようございます。なに、大したことではありませんよ」

団員「おはようございます。そうですか、ならよろしいのですが」

女騎士「ところで、何かようですか?」

団員「あ、はい。役所から副長宛に書類が」

女騎士「ありがとう。下がって良いですよ」

団員「はっ」

s

本部・執務室――

女騎士「団長!」 ガチャ

騎士「おーどうしたどうした、そんなに慌てて」

女騎士「例の書類が来ました、これで捜査にいけます!」

騎士「書類って、……なんだっけ?」

女騎士「あれですよ、南部の怪しい家の家宅捜査の令状が、降りたんですよ!」

騎士「あー、1ヶ月前のあれか」

女騎士「ええ!早速行くべきだと思うのですが」

騎士「えー別にもうよくね?」

女騎士「っ、あなたは、またそんなことを」

騎士「盗賊団の件は市場強盗の件で終わりだったはずだろう?聴取の結果でも他に仲間は居ないみたいだし」

女騎士「その件ですが、洞窟で見つけた痕跡では10人はくだらない規模だったはず、それがあの時は5人しか居なかったんですよ?おかしいじゃないですか」

騎士「だからといって、何かあるとも限った話じゃない」

女騎士「それは……」

騎士「最近また戦争の話も出てきてるらしいじゃないか」

女騎士「……」

騎士「だから他にやることがいっぱいあるだろう?労力をそんな無駄なことに」

女騎士「無駄じゃない!」

女騎士「騎士団として、市民を守るために努力することは無駄じゃない!」

女騎士「不安な要素を少しでも取り除こうとして何が悪い!」

女騎士「騎士団は市民の鎧なんだ、お前みたいな卑しい理屈で考えるな!」

騎士「……言いたいことはそれだけか」

女騎士「……」

騎士「気がすんだのなら持ち場に戻ってろ今日も訓練だろ」

女騎士「……」 クルッ  スタスタスタ

……


騎士「似てるなぁ」

だ~れだ

騎士「あー今日の訓練は何だったっけな」

騎士「副長?あれどこだ」

団員「団長!団長は居ますか!?」

騎士「あー?なんだ俺ならここにいるが」

団員「先程、何者かが馬小屋から勝手に馬を出して外へ飛び出して行きました!」

騎士「なんだって?」

団員「目撃者の証言によると、その者は長い髪をしていたとのことです!」

騎士「!」

騎士「あのばか……」

団員「いかがいたしましょう、副長にも通達を」

騎士「いや、その必要はない」

団員「しかし……」

騎士「いいんだ。それより出動の準備をしろ」

団員「出動?」

騎士「そんなに人数はいらない、混乱するからな」

騎士「目的地は街の南部、肉屋の近くの民家だ」

誰だいったい誰なんだ

ごはんたべよ

まだお腹空いてないよ

とんかつおいしいね

オムライス美味しかった

…………
……

女騎士「ここが……私の思い違いであることを願いましょう」

店主「おや、騎士様じゃないか。こんな時間に何か用で?」

女騎士「ご主人、しばらくココから離れていていただきたいのですが」

店主「?」

女騎士「周りの人を連れて非難するように勧告をします」

ドア「のっくのっく」

女騎士「騎士団です。中に人がいるのならば開けて捜査にご協力ください!」

女騎士「誰かいませんか?騎士団です、開けてください!」

女騎士「……」

ドア「……」

女騎士「返事はないが、たしかに誰かはいる。が鍵がかかっていて開かない」

女騎士「蹴破るか……」

ドア「!?」

女騎士「騎士団だ!捜査させてもらう!」

ドア「ひどい」

女騎士「長いこと人が居ないと言っていた割には、埃とかがない。あたりだったか」

女騎士「誰かいるのなら、おとなしく出てこい!抵抗する場合は身の安全は保証できないぞ!」

女騎士「居ないのか!?」

女騎士「……」

女騎士「これより強制捜査を行う!」

……


団員「準備が整いました!出陣いたします!」

騎士「そうしてくれ、俺は先に行ってる」

むむ!?

騎士「なにか悪いことがなければいいが」

騎士「急いでくれよ……!」

馬「はいはい」

……


女騎士「1階も2階もまったく人影なしだ……」

女騎士「だが、必ず人はいるはず!」

女騎士「どこだ、どこに隠れている……」

……

騎士「報告ではこのあたりのはずだが……む」

店主「あ、騎士様!」

騎士「この人だかりは」

店主「さっき副長様が避難しろと……」

騎士「そうか、わかった!それで、その家というのは」

店主「それなら……」

………
……


女騎士「くまなく調べたが、後はこの部屋だけか」

女騎士「引き上げた後だとしても、なにか手がかりだけでもないのか」

女騎士「?」

女騎士「なんだ、なにかがおかしいぞ」

女騎士「!」

女騎士「ここだけ埃が薄い……」

女騎士「ちょうどこの棚の大きさぐらい、埃が……そうか!」

女騎士「この棚を横にずらせば、んっ」

女騎士「やっぱり、隠し扉が!」

女騎士「きっとこの奥に……」

おお!

……


騎士「!」

騎士「この家だな、団員はまだか……」

騎士「もういいや突入しよっ」

……


女騎士「扉からはそのまま地下に潜っていく」

女騎士「こんな穴蔵で一体何をするつもりでいるのだ……」

女騎士「!」

女騎士「そこだっ!」

??「なるほど勇ましいお嬢ちゃんだ」

女騎士「!?」

女騎士「素手で受け止めた……?」

??「惜しいなあ、後もうちょっとで致命傷になっていたが」

女騎士「貴様、一体誰だ……」

??「ふぅん。それを聞くか。だが答えは出ているんじゃないのか」

女騎士「そうか、貴様が」

??「あんたらの探し求めている賊の棟梁さ、よろしくな」

女騎士「貴様とよろしくするいわれはないな、おとなしく投稿してもらいたい」

頭領 はこっちの字かな 訂正だ

投降も間違えてるわ すまんの

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頭領「投降、か。随分平和なことを言う」

女騎士「簡単に捉えられるとは思っていなかったさ。ただ、手続き的にはこうしないとな」

頭領「ほう、手続きか。なかなか面倒な仕事をしているんだなぁ」

女騎士「お互い様、だろっ」 ビュッ

頭領「なるほどぉ!腕は立つようだなあ!これは楽しめそうだ!」 ガッ

女騎士「そう悠長なことを行ってる暇はあるのかな!たぁ!」

頭領「いい太刀筋だ!だが!こんな狭い所でそんな長い剣をいつまで振り回していられるかなあ!」 ヒュッ

女騎士「ダガー!?しかし、ならば威力ではこっちが勝る……!」 ガイン!

女騎士「だが、どうしてこんな穴蔵などに潜んでいるのだ、わざわざ街の中に入ってくるとはな!」

頭領「潜んでいる?違うな、どうせここでお前は死ぬ、冥土の土産に教えといてやろう!」 シュッ

女騎士「?」

頭領「これはただの穴蔵じゃない、手下たちが掘り進み続けている!」

女騎士「進んでいる……?この方向は、まさか……!」

頭領「気づいたか、そのまさかさ。銀行の下、そしてそのまま役所へと通じている……!」

女騎士「銀行はともかく、役所まで、どうしてだ……!」

頭領「戦争だ」

女騎士「!?」

むむむむ

頭領「聞いたことないか?もうすぐまた新しい戦争があるという話……!」

女騎士「それは……」

頭領「確かに首都は守りも硬いだろうが、しかしながらここを占拠し拠点とすればぁ!」 ブン

女騎士「くっ」 ガシャッ

頭領「首都陥落も難易度はぐっと下がる!」

頭領「だから街の防衛状況の資料をパクっちまえば、あっちの国には高く売れるって寸法よ!」

女騎士「させない!」 ビュンッ

頭領「ああ?」

女騎士「この街を、そんな風にはさせない……絶対に!」

女騎士「騎士団は、私は……!この街を守るんだ!」 ブンッ

頭領「はっくだらねえ!守るも何も自分が死んじまったら意味ねえだろうが!」 ガンッ

頭領「人のためだとか街のためだとか、そんなんで良くなれば世の中苦労しねえよ!」

女騎士「っ、そんなこと、ない!人はっ!人のために戦えるっ!」

頭領「だからそれが甘いんだよお!結局はな、金なんだよ世の中ァ!」 シュッ

女騎士「違う!お金だけが全てじゃない!!」 キィンッ

頭領「なら見せてみろよその強さあああああ」 ギュンッ

女騎士「言われなくともっ!」 バッ

ほほほほほ

女騎士「たああああああっっっっ」 ダッ

頭領「口では偉そうなことを言って!結局はまっすぐ突っ込んでくるだけだろうっ!喰らいなぁ!」 バババッ

女騎士「くぅっ、効くもんかぁ!」 ガンッギンッ

頭領「なに!?鎧で弾いて……!?」

女騎士「貰ったぁ!」 シュッ

頭領「くそっ!!」

??「頭領っ!!!」 ドンッ

女騎士「えっ!?」 ガクッ

頭領「!  うおおお!!」 ガバッ

女騎士「なっ!?あぐううぅ」

頭領「あぶなかったぜぇ……手下、よくやった」

手下「いやあ、なにか騒がしいと思ったら、ネズミが入っていやしたか」

頭領「つかみやすい頭でよかったなあ、こんな長い髪をした騎士がいるかよ普通」

女騎士「ぐっ、くそっ」

手下「そもそもなんなんです、その女」

頭領「知らねえよ、街だとか守るだとかなんだとかぴいぴい喚いていたがな」

女騎士「卑怯だ、二人がかりとは卑怯だっ」

頭領「うるせーよ卑怯もクソもあるかよ、勝ちゃあいいんだよ何しようがな」 ググッ

女騎士「うぐっ、やめ、はなせっ」

キタ━(゚∀゚)━!

頭領「まあ、こんなところに一人で突っ込んでくる怖いもの知らずのバカがいただけだ」

手下「そうっすか、じゃああっしは穴掘りに戻るんで、さっさと処分しといてくださいよ」

頭領「おう、作業の手は止めさせるなよ」

手下「はいはいっと」

頭領「さて」

女騎士「ぐ、このっ、はなせっ!!」

頭領「そんなんで手を話すバカが居るかよ、さっさとくたばってもらうか」

女騎士「くっ、ううっ、このっ」

頭領「はっはっは、そんなのが抵抗になるか、やっぱ初戦は女だな、力で勝てるわけがない」



                        ,ト--ミ、、_:::::::::::::::::`:"'':―┼――――l
                        /ミミ三三ミ'ー‐-- 、、_:::::::|:::::::::::::::::::::::j
                        {ミミミ三三、     、ー=、`'┴―――fミ',
                      ,..、ミミミミミ三シ  . . . . `―' l ii l (ヲ  lミil
    ┏┓    ┏━━┓       //う{ミミミミf'"   _,,.,,_:.:.:.:..  _j_ .:.:.:.  lミリ.           ┏━┓
┏━┛┗━┓┃┏┓┃       l V }ミミミミ    ',ィでiンミ、:.:.、__, -,ィも=、',l:l.              ┃  ┃
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                     / ヽ  lN,    /  ,ィiTTTTTト, ,}  ,/
                   , -―/   ヽ ', ヽ    {  ,/⌒'ー'‐'‐'‐',リ l  /
                /  /     ヽ'、 ヽ   l  {,ゝ、‐r‐'ン-i/ ,/ ,イ丶、、
               "i   {、     ヽヽ丶 丶 ヾ<Zェェェシ' ノ ,i'lヽ、 `ヾー-- 、
                l,   \     ヽヽ 丶、 ` ` ‐ -- ‐'"/ノ ,l  \  \  ヽ

頭領「女は女らしく、家でおとなしく男の言うことを聞いていればいいものを。命を無駄にしたな!」

女騎士「お、女をバカにするな!邪魔さえ入らなければお前なんか、くそっ!!」 ガタガタ

頭領「だが結果はこれだ、俺は勝ち、お前は負けた。だから死ね」

頭領「しかし……ここで簡単に殺してしまっては面白くないな」

頭領「どうだ、お前俺の女になれよ」

女騎士「何を言って、」

頭領「なれば金にも不自由しない、いい暮らしができるぞ。こんなしみったれた街からは解放される」

女騎士「はっ、誰がそんな誘いに乗るものか!しみったれた?平和なことで結構じゃないか!」

頭領「まあ、そういうだろうとは思ったが。まあいい、殺すのは殺すが、そのまえにヤルことヤラせてもらおう」

女騎士「やること……?金庫破りだけが目的じゃないのか……」

頭領「はっはあ、初心だなあ、知りたいか、何をヤルのか」

女騎士「?」

頭領「分厚い鎧着てんなあ、色気のかけらもない!」 ググッ

女騎士「な、何を」 バギンッ

頭領「そら、お前を守るものはどんどんなくなっていくぞ」 バキッゴギッ

女騎士「貴様、まさか……!」

頭領「何してもいい女を捕まえたら、ヤルことは一つだろうがよお!おらっ」 ビリビリ

女騎士「やめろっ、離せ!このっ、離せ!」 ガタガタ

パンツってなんだっけ

頭領「このっ、暴れるなおとなしくしろっ」

女騎士「離せっ離せっ!それでも男か!」

頭領「男だからするんだよっ、この腕邪魔だなあ!」 ゴキッ

女騎士「!?」

女騎士「がっ、あ、ぎ、あああああああああああああああ!!!!!!!」

頭領「ははは、痛いだろう怖いだろう?」

頭領「いい顔してる、そそるなァ。下の具合はどうだ……」

女騎士「はぁーっ……はぁーっ……や、やめ……て、や、えれ」

頭領「辞めろと言われてやめたら盗賊してねえよ!」

いいぞいいぞ!もっと痛めつけるんだ!!

やられた

女騎士「はあっ……はあっ……、ぐぅ、」

頭領「泣いて歪んだ顔もいいねェ……勃起が収まらねえぐへへ、じゃあ ??「たあっ」 ごきっ  ぎゃあっ」

女騎士「うぐっ、うう、う?」

??「いろいろ危なかった!」

頭領「いてえ!何しやがる!」

??「それはこっちのセリフだ!」

頭領「てめえ、一体なにもんだ、ただじゃ置かねえぞ」

??「ただじゃ済まさんのはお前のほうだ!人の部下に手を出しやがって」

女騎士「だん、ちょう……?」

なんでだよ

頭領「なんだぁてめえ、この女の連れか、邪魔をするな!うっとおしい!」 バッ

騎士「うるせえ!うっとおしいのはてめえだ!そこら辺にでも転がってろ!」 ガツンッ

頭領「ぐうお!?おごおぉう!?ああ?男のくせに、そんなところを蹴るのか……」 バタッ

騎士「男だから、さ。弱点は効率的に狙おう」

……


団員「騎士団だ、おとなしくしろ!手を頭の後ろで組んで、伏せろ!」

団員C「それ以外の行動は抵抗とみなす!わかったら素早くだ!」

手下B「くそっ」

手下D「ちくしょうっ、後もうちょっとだったのに……!」

手下「おやぶん……」

団員B「隠れていても無駄だぞ!」

団員D「全員出てこい!」

水遁された・・・

……


騎士「全く馬鹿なことをしてくれる」

女騎士「……」

騎士「なんとか既の所で間に合ったが、もしもだったらだな。何でも一人でやろうとするな」

女騎士「……団長こそ、いつも一人でやろうとするのでは」

騎士「俺はいいんだ。おれは出来るからな」

女騎士「……っ!」

騎士「お前が、自分で言ったんだろう。騎士団として、団結していると」

騎士「だったら、騎士団で解決しようとすればよかったじゃないか」

騎士「そうだろう?」

  o ○。♪ o
           ○ o 。♪ o
   ♪  o   o    o ○。
  o ○o  /⌒ヽ   o ○。  おふろはいろう
   //((* ^ω^)♪ ̄ ̄ヽ
    |ヽ---ヽ⊃---o------',/ |
   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄| ./∠∠
   ヽ.|__o____o_|/∠∠
      ∠∠∠∠∠∠  ∠∠
   ∠∠∠∠   ∠∠∠

女騎士「で、でも!そうやって皆でやろうとする間に、団長が全部解決してしまう!」

女騎士「だったら、私たちはなんのためにいるんですか!」

女騎士「あなたが全部解決しようとするなら、私たちは必要ないじゃないですか!」

騎士「……」

女騎士「私たちは一体、何をすれば……」

騎士「もしも俺が死んだら、その時は必要なんじゃないかな」

女騎士「えっ?」

騎士「たしかに俺は勝手に一人でやろうとする、でもな俺だって必ずうまく行くとは限らないさ」

騎士「俺一人ではできない事でも、お前たちならきっと出来る」

騎士「だったら、俺はそれまでの時間稼ぎでも露払いでもいいんだ」

女騎士「そんな……」

騎士「それでいいんだよ」

女騎士「それで、それで本当にいいと思っているんですか?」

騎士「思ってるさ」

女騎士「嘘」

騎士「……」

女騎士「死んだら、なんにもならないじゃないですか、それこそ、あなたの欲しているお金だって」

女騎士「あなたが死んで、残された人たちはどう思うんですか?」

女騎士「自分は死ぬからとか、そんなの!身勝手すぎるじゃないですか……」

騎士「……いいんだ」

女騎士「?」

騎士「俺は死んだっていい。残されるものなど居ない」

女騎士「どういうこと……」

騎士「俺の生まれた村はな、ここからだいぶ離れているところだが、よくわからんが風土病があってな」

女騎士「風土病……?」

騎士「ああ。原因も正体もほとんど不明な病気だ。罹ったらまあ、死ぬ」

女騎士「そんな病気が……」

騎士「家族も、友人も、だいたい、それで死んじまった」

騎士「だから、そうだ、俺は残すものなんか無い。死んだって構わない」

女騎士「そんなこと、死ぬなんて、そんな、それにだとしたらどうしてお金なんかに固執するんですか」

騎士「欲しかったのさ、薬が。その病気の」

女騎士「風土病の?」

騎士「ああ。しかし何せはっきりとはわかってない病気の薬だ。入手しづらい上に金も掛かる」

女騎士「だから、お金が……」

騎士「村では病が横行しているが、だからといって皆死んじまったわけじゃない。俺だって今日まで罹らず生きてきた」

騎士「だから、村に何かしてやりたかった。そう望んだ奴がいたから」

女騎士「でも。団長ほどの腕なら、傭兵でもやったほうが稼ぎは良かったんじゃないですか?」

騎士「それはまあそうだろうな」

女騎士「なぜ騎士団に入ろうと?」

騎士「それはだな……いや、別にどうだっていいじゃん」

女騎士「よくありません」

騎士「……役に立ちたかったんだよ、人の」

女騎士「……」

騎士「何もかもなくした。でも誰との関係も持っていなくは居たくない」

騎士「ちょっとだけ、思ったんだ」

女騎士「……」

騎士「お前のほうこそ、なんで騎士団なんかに入ったんだよ、なにかあったら家族が悲しむだろう?」

女騎士「いません」

騎士「ん?」

女騎士「私に、家族なんかありません。物心ついた頃から、もう居なかった」

女騎士「私はこの街の生まれではないんです。ここから北の方のちょっとだけ大きかった街」

女騎士「前の戦争で、滅んでしまいましたが」

騎士「そうか……」

女騎士「ですから、死んでもいいのは、私だって同じです」

騎士「!」

騎士「それは違う」

女騎士「え?」

騎士「お前は、一人ぼっちなんかじゃない」

女騎士「私にもう家族は」

騎士「この街で育ったんだろう?だったら、この街はお前の家族だろう」

女騎士「……」

騎士「この町の人々は、みんなお前を知っているし、大切に思ってる」

騎士「たまに見かけた時も、いつだって誰かと一緒にいただろ」

騎士「だから、この街はお前を独りになんかさせない。な?」

女騎士「……」

騎士「この街は、決してお前に死んでほしくなんかない、失いたくはないんだ」

女騎士「それは、……団長も同じではないんですか?」

騎士「……」

女騎士「あなたのいた村は、まだ滅んでなんか居ない。だから、あなたの村は、あなたの家族」

女騎士「あなただって、あなたの故郷に、死んでほしくないと思われているじゃないですか……!」

騎士「……」

女騎士「……」

女騎士「それに」

騎士「?」

女騎士「私だって、あなたを知っています」

女騎士「確かに、最初は好かない人だとは思っていましたが」

女騎士「でも!それでも死んで欲しいだなんて欠片も思っていません!」

女騎士「だから、私だけじゃないですよ、騎士団のメンバーも、そう、私達騎士団は家族なんです!」

女騎士「だから、死んでもいいとか、そんな悲しい事は、考えないようにしましょう」

騎士「…………」

女騎士「……」

騎士「そうだな。俺が間違っていた。死んでいい人間なんか、一人も居ない」

女騎士「……はい」

女騎士「それでもまだ腑に落ちないことがあるのですが」

騎士「なんだ」

女騎士「なんとなくですが、私に騎士団を抜けるように要求してる感じがしたのですが」

騎士「えっと」

女騎士「なぜですか、何か私が団にいると都合が悪かったり?」

騎士「い、いや?そんなことないよ?何も悪くないよ?」

女騎士「ではどうして?」

騎士「……いわなきゃ?」

女騎士「ダメです」

騎士「はぁー。まいいか」

騎士「似てるんだよ」

女騎士「誰にですか」

騎士「妹。俺の」

女騎士「団長の妹、ですか?」

騎士「おう。顔も似てるなー、とおもったら性格まで似てやがる」

騎士「てっきり同じ人間かと思ったよ」

女騎士「はぁ、そうですか。今その妹さんは」

騎士「死んだよ。それこそ病でさ」

女騎士「あ、その、申し訳ありません」

騎士「気にするな」

女騎士「そんなに、似ていますか?」

騎士「ああ、そっくりだ。髪を長くしていたら特に」

女騎士「……」

騎士「だから、だな。なんとなく、危なっかしいことをして欲しくなかった」

女騎士「……」

騎士「それだけだ」

騎士「まあ、そういう意味じゃ俺もお前に傷ついてほしくないと思ってる一人だな、ははは」

女騎士「団長……」

ですよね

まじで ちょうやべえじゃん

騎士「それでな、俺、騎士団やめようと思っているんだ」

女騎士「えっ」

騎士「確かに言われたとおり、俺はこういうのに向いてないわ。団長とか、そういうの張れるほどの器じゃないね、自分でもはっきりわかった」

女騎士「そんな、急になんで」

騎士「薬を買うための資金も稼いだしさ、やっぱり、故郷に戻ろうと思って」

女騎士「そんなの、自分勝手ですよ!どうして、私達、これからどうすれば」

騎士「お前がいればきっと大丈夫だろ、うん、大丈夫だ」

女騎士「でも、……でも!」

騎士「何かあったら、絶対に駆けつけるさ。一番最初に、お前の危機に」

女騎士「団長……」

騎士「お前は、この街で、この街のために生きるんだろう?」

騎士「おれも、俺の故郷のために何かをしたい、妹はそう願っていた」

女騎士「妹さんが……」

騎士「言っちゃなんだが、もともと薬代ぐらい稼げばいいかとか思ってたぐらいだしな」

女騎士「……」

騎士「なに、死ぬわけじゃないさ。死んでもいいとか、思ってるわけでもない。だからまた会える、それでいいじゃないか」

女騎士「そう、そうですよね、絶対に、また会えます。絶対」

騎士「そうだ」

女騎士「だから、それまではしばしのお別れ」

騎士「ああ」

女騎士「次に会う時まで、立派にこの街を守っていて見せますから、だから」

騎士「おれも必ず残された村を救ってみせる」

女騎士「はい!」

・・・・・・
・・・・
・・

女騎士「やっぱり、行かれるのですね」

騎士「まあ、決めていたことだしな」

女騎士「ついていっちゃおうかな……」

騎士「ばっ、おまえ、何を言うんだ」

女騎士「冗談ですよ冗談、この街があるっていうのについていけるわけ無いでしょう?」

騎士「そりゃそうだろーけどさ」

女騎士「寂しくないって言ったら、嘘になりますけども」

騎士「……」

騎士「しかしそんな服着てるなんて珍しいじゃないか。それに髪留めも」

女騎士「あ、これですか?今年はやりの色らしいですよ」

騎士「ほーそうかいね。似合ってる、かわいいぞ」

女騎士「かわいい、ですか」

騎士「なんだ」

女騎士「小さいころ、家族が居なかったものですから、私はよくいじめられていたんですよ」

騎士「昔の話か」

女騎士「それで、いじめられないように、誰にも負けにようにと努力を重ねてきました」

騎士「……」

女騎士「ずっと、強くなることだけを。それだけを、それだけが、私の生きている意味として」

女騎士「気がつけば、この街では一番腕っ節の立つように」

女騎士「代償として、わたしは友達も持っていなければ、なにか趣味を持ってるわけでもなくなってました」

女騎士「けれども、一人でいられるほど、私は強い人間ではありませんでした」

女騎士「気がつけば騎士団に入っていて、それであなたが来るまではずっと団長を務めていました」

女騎士「今思い返してみれば、無意識のうちに仲間を、家族を求めていたんだと思います」

女騎士「市民のためとか、街のためとか、なんとか理由付けてね」

騎士「……」

女騎士「あなたはそんなところに急に現れたんですよ、あまつさえ私を打ち負かしてね」

女騎士「それまで男の人なんか誰も寄り付かなかった私に初めて言ったのはあなたでしたね」

女騎士「可愛いなんて言ったのは」

女騎士「それから、だいぶあなたのことを意識するようになりました」

女騎士「それで、気づいたら髪を伸ばしていたり、服屋に足を運んだり」

女騎士「……」

騎士「……」

女騎士「自分で言うのも何ですけれど、きっと、あなたのことを好きなんだと思うんです」

女騎士「最初は、全くあったことのない人で、ただ興味を惹かれただけなんでしょうけど」

女騎士「努力ばっかりだった自分と、それにたいして何も異を唱えない人たち」

女騎士「今まで、出会ったことのない人間だったあなた」

女騎士「どうして好きになるのか、全くさっぱりですけれども」

女騎士「なんででしょうね。好きになるの。いまいち理由とか思い浮かばないんですけれども」

女騎士「だから……ホントのことを言うと、あなたには去ってほしくない」

騎士「……」

騎士「ホントは言うつもりなかったんだが」

女騎士「?」

騎士「故郷での用事が終わったら、隣の国まで行こうと思ってる」

女騎士「……なんでですか」

騎士「戦争があるらしいから、」

騎士「それを止めたい」

騎士「もう、そういうのはあってほしくない」

女騎士「……なんでそれを言うんですか、今」

騎士「お前がそこまで言うのに、俺だけ黙っているのもなんかだしな」

女騎士「そんなの、なおさら行ってほしくなくなるじゃないですか」

騎士「かもな」

女騎士「国の、それも政治にまで首を突っ込むなんて、無事で済むとは思えません」

騎士「……」

女騎士「でも、行くんですよね」

騎士「ああ」

女騎士「……」

騎士「危ないことはするつもりはない。俺だって死にたくないからな」

騎士「大変なことだってことぐらいわかってるさ」

騎士「でもそうしてまでも成し遂げたいことがある」

騎士「守りたいんだ……皆を」

騎士「守りたい、お前を」

女騎士「団長……」

騎士「いや、もう団長じゃないさ。名前で読んでくれよ、女騎士」

女騎士「騎士、ちゃんと、帰ってきてくださいね」

騎士「もちろんだ。お前が危なくなったときは、必ず駆けつける」

女騎士「私も、あなたが危険なときには必ず駆けつけます!」

騎士「今は別れる。でも、また会う」

女騎士「だから、また会うその時まで、ちゃんと生きる」



女騎士「私は」       騎士「俺は」

女騎士「あなたのために」  騎士「お前のために」

騎士女騎士「ちゃんと生きる、死んでもよくなんかない」

騎士「だな」

女騎士「ですね」

女騎士「では」
騎士「それじゃ」







                 またね。





おしまい

何がしたかったのかよくわからん話だけど
ながながお付き合いありがとう
保守もありがとう

ばいばい

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