憧「あらたそフィーバー!?」晴絵「……ああ」 (123)

ID:Y8A2AUCl0
の代行

感謝します!

憧「……何なのよそれ」

晴絵「今現在奈良県で急速に流行している病気、その名前だよ」

憧「まさか、しずや玄がかかったのって」

晴絵「ああ……初期症状として高熱を出し」

憧「熱が引いた後は『あらたそ』しか喋れなくなってしまう……」

晴絵「……」

晴絵「正式にはあらたそ熱病という」

晴絵「『あらたそ』しか喋れなくなるのは発熱によって脳がやられてしまうからだとか」

晴絵「または感染源となるウイルスのせいだとも言われている」

憧「……ウイルスですって!?」


穏乃「あらたそ~」

玄「あらたそ~」

晴絵「ああ」

憧「……治療法はないの?」

晴絵「なにせ未知のウイルスだからな……」

憧「宥ねえもそのウイルスにやられたのね」

憧「寒がりな宥ねえが、熱に苦しんでた」

晴絵「一時的には41度後半の熱が出るらしいからな」

憧「タンクトップの宥ねえなんて、痛ましくて見てられないよ……」

憧「……これ以上感染を広げるわけにはいかないよ」

晴絵「そんなこと言ってもな」

憧「感染源は何なの?」

憧「しずをこんな風に変えた元凶……この世から滅してあげる!」



晴絵「……灼なんだ」

憧「は?」

晴絵「この病気の感染源は、灼なんだ」

憧「そ、そんな」

晴絵「もしこのことが公になれば、灼は研究機関にでも連れ去られてしまうだろう」

憧「だからって、このままじゃいずれ日本、ううん、世界中が大混乱に陥っちゃう!」


晴絵「じ、じゃあお前は、チームメイトの灼を売れるのか?」


穏乃「あらたそ?」

玄「おも……あらたそ~」

憧「誰かが……誰かがやらなきゃいけないんだ」ダッ


晴絵「憧!……くそっ」

晴絵「私は、どうすべきなんだ?教えてくれよ、灼……」



穏乃「あらたそあらたそ!」

玄「あらたそ~!」

一方長野では

咲「ひさたそ~」
透華「ひさたそ~」
池田「ひさたそ~」
かじゅ「ひさたそ~」

キャプ「……ひさたそ~////」ボソッ

部長「………なにこれ」

「検体、入ります」

「はい」

灼「……」



灼(突然乗り込んできた憧と、謎の集団によって誘拐されたみた……)


灼(ハルちゃん、みんな……もう会えないのかな)


「検体を台に」

ガチリ


灼(手術台みたいなところに固定された……)



「ウイルス収集装置起動」



キュイーン


灼「って!明らかにドリルじゃない!どこが収集装置なの!」


「術式開始」


灼「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

――――――――灼の部屋



灼「うわああああああああああああああああああ!」ガバッ


灼「あれ、私の部屋……夢か」




灼祖母「灼、起きてるのかい?ずいぶん朝から元気だねえ」




灼「あ、うん……うるさくてごめん」

灼(夢で良かった)

灼「ショッカーの改造手術台みたいなのが出てきた時点でおかしいと思……」

灼「想像力が貧困って事なのかな……ちょっと悲し」



玄「灼ちゃん、おっはよ~」

灼「あ、玄。おはよ」


灼(普通に喋ってる、よかった)

穏乃「あ、灼さんこんにちは!」

灼「穏乃……こんにちは」

穏乃「どこ行くんですか?」

灼「部室の掃除、昨日ちゃんとできなかったから」

穏乃「そーですかー、良ければお昼一緒にでもと思ったんですけど、仕方ないですね」

灼「また今度誘ってほし……」

穏乃「じゃ、憧待たせてるんで、さよなら!」

灼「うん」


灼(さて、部室行かなきゃ)

玄「でね~」

「わかる~」



玄「おもち~」

「玄はホントおっぱい好きだね~」



キーンコーンカーンコーン


玄「あ、お昼休み終わっちゃった」

「次体育だよー」

「メンドいー」

玄「……あれ?」

「どしたの」

玄「灼ちゃんがまだ戻ってないような」

「あ、ホントだ、鷺森さん居ないね」

玄「どうしたのかな……?」





穏乃「うわああああああ授業始まるううううう」

玄「あ、穏乃ちゃんだ、おーい!」



穏乃「うおっとぉ!なんか玄さんの呼び声が!」

玄「ねえ穏乃ちゃん、お昼休みに灼ちゃん見なかった?」

穏乃「えーっと、灼さんなら部室の掃除するって言ってましたよ」

玄「そっか!ありがとう穏乃ちゃん」

穏乃「いえいえどういたしまして!それじゃ!」



玄「みんな、体育の先生にはちょっと遅れるって言っといて」

「おっけー」


玄「行ってくるよ!」

玄「灼ちゃん、授業始まるよ!」

灼「……………」


玄「あれ、灼ちゃん……?」



玄「灼ちゃん!しっかりして!」

玄「うわ……すごい熱だ」


灼「……………」


玄「すぐに保険の先生を呼んで来よう」

灼祖母「本当にご迷惑をおかけして……」

「いえいえ、それではお大事に」



灼「ん……」



灼(ここ、私の部屋……)


灼(そっか、部室の掃除してて、倒れたんだ)

灼「こほ……」


灼祖母「灼、入るよ」ガチャ

灼祖母「ただの風邪だって、一日寝てれば元気になるよ」

灼「ありがと」


灼祖母「あんた部室で倒れてたんだって?無理はいけないよ」

灼「別に無理はしてな……」

灼祖母「じゃあなんかあったら呼んで」


灼「うん……」

灼「おなかすいた……お昼も食べなかったからな」

灼「今何時だろ」



灼「3時半か……もうそろそろ授業終わり……」



灼「みんな部活してるのかな……」


灼「窓の掃除やりかけだし」


灼「はあ」

ピンポーン





コンコン


玄「灼ちゃん、お邪魔します」

宥「お邪魔します……」



灼「玄……宥さんも」

玄「お見舞いに来たよー」

宥「灼ちゃんのおばあちゃんだけじゃ買い物大変だろうから、いろいろ買ってきたの」

灼「あ、ありがと……部活は?」

玄「そんなの中止だよ!」

玄「それより大丈夫だった?部室で倒れてたから心配したよ!」

灼「あ、玄が見つけてくれたんだ……ありがと」

玄「ううん、気にすることないよ!それで具合はどう?」

灼「うん、ただの風邪らし……一日寝てればよくなるって」

宥「よかったぁ」

玄「ちょっとおかゆ作ってくるね」

灼「ありがと……」

宥「私は、えっと、えっと~……見守ってるね」

灼「あ、ありがと……」

玄「おねえちゃんは、灼ちゃんに解熱シートでも貼ってあげて」

宥「うん、わかった」


玄「じゃ、お台所借りるね」

あらたそ~

宥「えっと~、解熱シートは~」ガサゴソ

宥「あうっ!」

灼「ど、どうしたんですか宥さん」

宥「冷たくて持てないの~」

灼「……箱ごとくれれば自分で貼れますよ」

宥「冗談だよぉ、おでこ出して」

灼「……はい」


ピタ

宥「で~きた♪」

灼「冷たくて気持ちい……」

宥「そうなの?」

灼「宥さんには要らないかもしれませんね……」

宥「そうだねぇ」



玄「お待たせ~灼ちゃん♪」

宥「おかえりぃ玄ちゃん」


灼「面倒かけてごめん……」

玄「ううんー、いいんだよぉ、風邪なんて誰でもかかるんだから、病気の時はしっかり休んでないと!」

玄「はい、あーん」

宥「あーん」


灼「なんで宥さんが口開けてるんですか……」

宥「あっ……ついくせで」

灼「癖ですか……」


玄「はい灼ちゃん、あーん」

灼「や、自分で食べられるから……」

玄「遠慮しないで、病人は大人しくしてなきゃだめだよ!」


灼「あ、あーん……」

冷たくて~の下りは予想してた

玄「どうかな、灼ちゃん?」

灼(恥ずかしさで全然味わからな……)


玄「あっ、ちょっと顔が赤くなってきてる」

宥「熱があがっちゃったかな?」


灼「や、そういうわけじゃ……」

玄「……あんまり無理しても良くないから、私たちは帰るね」

宥「お大事に」

灼「あ、うん……」



ガチャ

―――――――翌日




灼「はあ、暇」

灼「風邪で学校休んでると、午後くらいから元気になってきて暇を持て余す……」


灼「でも周りは寝てろってうるさいし……」



灼「……たまにはゲームでもやろうかな」

「にゅああ!」

「ドーン!」

「これだじぇ!」

「要らないのしか来ないよ……」

「シンシナティ!」



灼「あ、ツモだ」


灼「………」

ピンポーン




ドタドタドタ


バターン


穏乃「あっらたさーーーん!大丈夫ですかー!?」

憧「ちょっ、うるさいよばかしず!」


灼「あ、二人とも……」

穏乃「あ、灼さん学校さぼってゲームしてる」

灼「こ、これには訳が」

憧「……まあ、お昼ごはん食べたくらいから普通に元気になってきて、ヒマになっちゃうのよね」

灼「そ、そう」


穏乃「んー風邪ひいたことないからわっかんないな~」

憧「はいはい、何とかは風邪をひかないってやつね」

穏乃「うっさいなー!健康優良児と呼んでほしいな!」


灼「で、二人はどうしたの……」

穏乃「何言ってるんですか灼さん!風邪と言ったらお見舞いですよお見舞い!」

灼「明らかに病人を見舞うテンションじゃないと思……」


憧「そうよしず、もうちょっと静かにしなよ」

憧「学校さぼってゲームしてても一応病人なんだから♪」

灼「憧……」

憧「冗談だよー、はいこれお見舞い~」

灼「このプリン、結構いい値段する奴じゃ」

憧「ま、ねー!こういう時くらいはちゃんと先輩をねぎらっとかないと」

灼「憧……!」

憧「今度わたしが風邪ひいたらー、三倍返しでいいよ♪」

灼「う、……努力する」

憧「冗談だってば」

穏乃「玄さんってばいきなり『今日は部活中止!』ってメールだけ送ってくるんだもんなー」

穏乃「灼さんが風邪ひいてたって赤土先生に今日教えてもらったんですよ」

灼「玄はそそっかしいから……」

憧「あはは、そうだねー」

穏乃「で、私も山でお見舞いの品物を取ってきましたよー!」

穏乃「じゃじゃーん!あけびです!」

灼「……食べられるの?」

憧「いや、結構おいしいよ?」

灼「そう?じゃあ食べるけど」

穏乃「どうぞー!」

灼「うん、まあ……なかなか」


穏乃「でしょー!」


穏乃「まあなんか、結構元気みたいだし安心しました」

灼「心配かけてごめん……」

憧「なーに言ってるのよ!そのくらい当たり前でしょ!」

灼「ほんと……ありがと」


穏乃「じゃあ私たちは帰りますね」

穏乃「宿題いっぱい出たからやばいんだよなー!」

憧「……写さないからね」

穏乃「えー」

憧「じゃ、また部活で」

灼「うん、ありがと……」

穏乃「さよなら!灼さん!」

ピンポーン


憧「あ、誰か来たみたい」

穏乃「玄さんかな?」

灼「さあ……」



「灼ー、入るぞー」

灼「!」

ガチャ



晴絵「なんだ、お前らも来てたのか」

穏乃「あ、赤土先生」

憧「ほら、帰るわよしず」

晴絵「なんだーお前らもう帰るのか」

憧「うんうん、じゃまた学校でねハルエ」

晴絵「はいはい」


灼「ハルちゃん……」

晴絵「遅くなってごめんなー、昨日はかなり忙しくってさー」

灼「ううん、来てくれただけでも嬉し……」

晴絵「部室で倒れてたらしいじゃないか。あんま無理すんなよー」


灼「いや、その前の日にさぼってた掃除してただけ……」

晴絵「灼は正直だなー」


晴絵「でもその辺をきっちりやるところが偉いじゃん」


灼「まぁ、部長だし……しっかりしないと」


晴絵「あんま肩肘張んなよー灼ちっちゃいんだからさ」

灼「ちょ!それどういう意味」

晴絵「そのまんまの意味だよー」



晴絵「ま、お前が頑張ってるのは知ってるからさ!頼りにしてるよ、部長!」


灼「……うん、これからも努力する」


晴絵「それがわかってんなら良し」


晴絵「あ、そういやなんか買ってこようと思ってたのに忘れた」

灼「別に気にしないけど」

晴絵「しょうがないから、来週にでも快気祝いで飯でも食いに行くか!」

灼「ほ、ほんとに!?」

晴絵「ああ。……あ、でも給料前でお金ないから灼だけな?」

灼「全然いい!大丈夫!」

灼(むしろそっちのほうが……)

晴絵「そ。なんか急に元気になったなお前」

灼「うん、もう大丈夫」

晴絵「そっか、じゃあ私も帰るよ」

灼「うん!また学校で!約束だからね」

晴絵「はいはい、忘れないよ」



ガチャリ

灼「よし!明日からも部活頑張ろう」











灼「と思っていたものの……」

灼「みんな風邪をひいて休みらしい」

灼「私の風邪うつっちゃったかな……」

灼「今度は私がお見舞いに行こう」




ガラガラガラ

玄「………………」
宥「………………」
憧「………………」
晴絵「………………」


灼「あれ?みんな風邪ひいて休みなんじゃ」


玄「……………あ」


灼「?」

玄「あらたそ~!」
宥「あらたそ~!」
憧「あらたそ~!」
晴絵「あらたそ~!」



灼「!?」



カン

>>29に戻れば永遠にSSを楽しめるぞ!あらたそ~
                _

                \ヽ, ,、
                _   `''|/ノ
              \`ヽ、|

                \, V
                   `L,,_
                  |ヽ、)    ,、
                  /      ヽYノ
                    /     r''ヽ、|
                 |      `ー-ヽ|ヮ
                 |            `|
                    ヽ、   __   |
                   .  ´        `  :、
                (⌒ヽ .:'    ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  ̄ ̄)
                ゝ /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: f⌒ヽ  /
               /廴/ .:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.: ト、_,ノ ⌒ヽ
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