ハルヒ「人生はすばらしき冒険旅行!!」 (30)

ハルヒ「ちょっとキョン!これ見なさいよ!」

キョン「あ?今度はなんだよ」

ハルヒ「見なさいよこれ!」

キョン「なんだこりゃ。古い本か何かか?」

ハルヒ「そうなのよ!たしか…何語だかは思い出せないけど
     この古い感じといい…!絶対に何か書いてあるわよね!」

キョン「そうか?ただのアンティークものかなにかなんじゃないか」

ハルヒ「違う!たしかに買ったのは骨董品屋よ。でも!」

キョン「でもなんだよ」

ハルヒ「何かを発見してみせる!」

 だめだこりゃ

 それからというものハルヒはその本と毎日にらめっこしていた
 授業中や間の休み時間も。だ。

 そしてある日事件は起こった!

ハルヒ「あぁぁぁぁぁっ!」

キョン「なんだ!?どうした!?」

ハルヒ「キョン!発見したわよ!みなさいこれを!」

キョン「…なんだこりゃ…」

ハルヒが堂々と見せてきたものはなんだかよくわからん文字らしきものが書いてあるメモだった。

ハルヒ「ほらね!やっぱりこの本には秘密が隠されていたのよ!
     これはきっと暗号よ・・・!解読して見せるわ!」

 はあ

ハルヒ「ところでキョン?これって何かの文字かしら?」

キョン「知るか」

ハルヒ「ふん。やっぱりあんたは役に立たないわね」

ハルヒ「ちょっとみくるちゃん!」

みくる「はぅ!な、なんでしょう?」

ハルヒ「これ。何の文字かわかる?」

みくる「え・・・えと。わからないです…」

ハルヒ「うーん・・・ゆきー!」

長門「わからない」

 こいつがわからないはずない。つまり何かが起こることを防いでるんだろうな。
 これはあとで話し合いが必要…

古泉「これはルーン文字ですね」

俺はあとでこいつをぶんなぐる必要がありそうだ

ハルヒ「なるほど!やっぱりルーン文字だったのね!」

 分かんなかったくせに。なにが「なるほど!」だ。

古泉「ですが。あいにく僕はルーン文字・・・ということはわかっても読めませんので」

ハルヒ「そっかー。残念だけどルーン文字ってわかっただけで十分よ!さすが副団長ね!」

みくる「よかったですね~」

 よくないです

ハルヒ「よーし。早速、調査にとりかかるわよ!ほら!みんなも!」

みくる「えっ。私たちもですか?」

ハルヒ「あたりまえじゃない!これはSOS団活躍のチャンスよ!」

 俺は以前ハルヒがそこらへんで適当に見つけてきたラクガキっぽいのを
 放課後こっそり居残ってまで寝不足になりながら調べたのを思い出していた…!

 まさかあれの二の舞なのか…!?

古泉「困りましたね…またあのラクガキを調べたときみたいに強制労働になるのでしょうか…」

古泉「とりあえず僕は速やかに退散させていただきますよ」

キョン「は!?」

古泉「涼宮さん。申し訳ないのですが僕は今日アルバイトがあるんですよ。
    その調査に参加するのはまた今度。ということで」

ハルヒ「ま、古泉君はルーン文字ということを発見してくれたし…許すわ!」

みくる「あの~。すいません。私も今日単身赴任の父が帰ってくるんので…」

 そんな朝比奈さんまで!

ハルヒ「かわいいからよし!」

長門「明日からの旅行の準備がある」

 うそだろ

ハルヒ「お土産買ってくるなら許可するわ!」

キョン「俺もそういえば塾があった気がする~なんて」

ハルヒ「だめ!そんなばればれの嘘つかないでちょうだい!」

キョン「マジか…」

 その後俺たち二人が教員に見つからないようにこそこそと調べていたのは言うまでもない

キョン「ふぁぁ」

 なんだ。ハルヒはまだ起きてないのか…

 それにしてもこのルーン文字だかなんだかは本当にいみがあるのか?
 とりあえずネットで調べてアルファベットをあてはめたり色々したけれども…

キョン「さっぱりわからんなあ」

ヒラッ

 あっ。落としちまった。

キョン「あれ?」

キョン「・・・!」

 ハルヒはこの暗号文を何度も何度も組み替えて解読しようとしていた
 でもそんな必要はなかったんだ!

アイスランドノスネッフェルザンノカコウヲオリレバ
チキュウノチュウシンニツク ワタシハソコヘイッタ

 メモにはそう書いてあった…

 カタカナを治すと
 
アイスランドのスネッフェルス山の火口を降りれば
地球の中心に着く。私はそこへ行った。

 地球の中心に行くなんてそんなのありえっこない。確実に熱い。
 やはりこれは誰かのラクガキだったんだな…

キョン「しかし…」

 しかしこれをハルヒが見たら
 
 よしキョーン!アイスランドにいくわよーとか言い出すに違いない。
 そのためにもこの発見は黙っておこう。

 今は七時…もう少しで生徒が登校してくるな…

ガチャ

キョン「?」

キョン「なんだお前か?」

ハルヒ「ふぁぁぁ。おはようキョン…と古泉君もいたのね」

ハルヒ「はっ!そんなことより暗号解読にいそしまなきゃ!」

古泉「おなかが空いてるだろうと思って朝ご飯を持ってきたのですが…」

ハルヒ「朝ご飯ですって!?そんなもの悪魔に食われちまいなさい!
     それを食べる人も!作る人もよ!」

古泉「は、はあ。それでは僕はこれで失礼しますよ」

その日、ハルヒは例の本の時以上に暗号文を見つめていた。
 俺はそんなハルヒを見ていられなかった。
 見つめすぎて真っ赤になった目を。疲れで真っ青になった顔を。だ。

 しかし暗号文の答えをハルヒに言ったとしたら・・・

 いや。もしかしたらハルヒはそこまでしないかもしれない。
 あいつにも少しは常識があるだろう。

 そこで俺は「これは間違っている」ということを伝えつつハルヒに答えを教えることにした。

キョン「なあ。ハルヒ」

ハルヒ「なによ」

キョン「実はな。俺。このメモの答えがわかってしまったんだ」

ハルヒ「本当!?早く!!早く!教えなさいよ!!」

 普段なら なによ!なんではやくつたえないわけー! とキレるが
 今はそんな余裕もないようだ。

 俺は何が書いてあるのかどうやって解読したのかを説明した。
 
 そして

キョン「でもな。地球の中心に行けるなんてありえないんだよ。
    熱いだろうし、それにまずアイスランドまでどうやって行くんだ?
    な?ハルヒ。つまりこれは誰か想像力が豊かすぎるじいさんかなんかのラクガキだったわけだ」

ハルヒ「行くわよ」

キョン「はい?」

ハルヒ「地球の中心に決まってるじゃない!」

 うそだろ

 まずい

キョン「だからな…」

ハルヒ「部室に行ってみんなにも報告よ!」

 そういってハルヒは教室を飛び出したのだった。

―部室―

ハルヒ「今日はみんな!といっても有希は旅行でいないけど。に。
     重大な発表があります!」

みくる「なんでしょう?」

古泉「楽しみですね」

ハルヒ「私とキョンは明後日からアイスランドにむかいます!!」

古泉「はい?」

みくる「えっ?」

キョン「ちょっとまてお前と…なんだって?」

ハルヒ「だから私とキョンだってば」

キョン「なんで俺だけ?」

みくる「なんでしょう?」

古泉「楽しみですね」

ハルヒ「私とキョンは明後日からアイスランドにむかいます!!」

古泉「はい?」

みくる「えっ?」

キョン「ちょっとまてお前と…なんだって?」

ハルヒ「だから私とキョンだってば」

キョン「なんで俺だけ?」

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