恒一「またリコーダーが無くなってる…」(109)

赤沢「どうしたの?恒一君」

恒一「無いんだ」

恒一「僕のリコーダー」

恒一「しかも先だけ」

恒一「先っぽだけ!先っぽだけだから、ねっ?」

恒一「今月になって二回目」

恒一「一回目は僕の不注意かと思って買い直したけど」

恒一「さすがに同じ月に二つも失くすなんて」

赤沢「ふうん」

望月「イタズラかな?」

赤沢「その線、あるわね」

赤沢「恒一君そのリコーダーの先に何か目印つけてた?」

赤沢「名前とか傷みたいなものでもいいんだけど」

恒一「えっと」

恒一「名前は書いてたかな」

恒一「コウイチって」

赤沢「分かったわ」

赤沢「明日の朝に久保寺先生に持ち物検査してもらうよう頼んでみる」

赤沢「それで犯人を燻り出すのよ」

恒一「犯人って…」

赤沢「それじゃ私は職員室寄ってから帰るから」

赤沢「また明日ね」

放課後

赤沢「ふぅ」

赤沢「危ない危ない」

赤沢「まさかこんな小さく名前が書いてあるなんてね」

赤沢「迂闊だったわ」

赤沢「早いとこ元に戻し…て…」

赤沢「…………」

赤沢「いや」

赤沢「このままじゃ恒一君が恥をかくことになるわ」

赤沢「誰かのカバンにいれるのが得策よね」

赤沢「恒一君的にも私的にも」

赤沢「あ、その前にもう一回舐めとこ」ペロペロ

赤沢「さて」

赤沢「満足したところで、誰の机に入れようか」

赤沢「………」

赤沢「見崎さんの机…」

赤沢「最近屋上でイチャついてて鬱陶しかったのよね」

赤沢「ふふっ」カタン

赤沢「…恒一君は私の物よ」

翌朝

久保寺「では今から抜き打ち荷物検査をするー」

久保寺「全員カバンを上に置いて」

久保寺「机の中の物も全部だ」

恒一「本当にやるんだ…」

勅使河原「マジかよー!」

小椋「ま、不味い」

有田「うわっやばっ」

望月「……………」

鳴「……………」

鳴「?」

鳴「……何これ?」

久保寺「三神先生、お願いします」

三神「はい」

三神「じゃ、赤沢さん持ち物見せて」

赤沢「どうぞ」

三神「うん……うん…」

三神「………」

三神「はいもういいわよ」

赤沢「ふふっ」

鳴「誰のだろ…これ…」

三神「はい、じゃ次は渡辺さんね」

鳴「…………」

鳴「………」スンスン

鳴「……!」

鳴「これ…この匂い…」

鳴「もしかして…」

鳴「………コウイチ」

鳴「やっぱり…」

鳴「やっぱり、これ榊原君の…!」

にwおwいw

赤沢(ふふっ気づいたみたいね)

赤沢(残念ながらもう遅いわ)

赤沢(このクラスは優秀な子だらけ)

赤沢(大方荷物検査で引っかかるのなんて勅使河原ぐらい)

赤沢(その中でクラス全員の視線をあなたは集めるのよ)

赤沢(恒一君のリコーダー泥棒という不名誉と共に……!)

三神「さあ、次は小椋さんよ」

ん?いないもの?

小椋「えっと…その…あの…」

三神「?」

小椋「お、おおお腹痛くなったからトイレ行っていいですかー?」

小椋「なーんて」

赤沢「由美…?」

三神「荷物検査が終わったらね」

三神「さっ持ち物全部出して」

小椋「………グッ」

小椋「えーい!ままよ!」バッ

三神「………」

三神「なんですか?これ」

小椋「リコーダーの先です」

三神「でもあなたのリコーダーはそこに…」

三神「……誰のリコーダーですか?小椋さん」

小椋「恒一きゅんのです!!!」

赤沢「!?」

見崎「!?」

恒一「お、小椋さん?」

望月「……………」

小椋「そうよ!恒一きゅん!あなたのリコーダーを盗んだのは私!」

小椋「私よ!」

小椋「なざなら私は恒一きゅんが好きだから!」

小椋「愛してると言っていいわ!」

小椋「あなたの上靴がよく濡れていたのは私が隙を見て舐めていたから!」

小椋「あなたの椅子が湿っていたのは私が毎朝そこに座って自い

小椋「おい!離せよ!私に触っていいのは恒一きゅんだけだ!」

久保寺「いいからこっち来なさい!」

ガラッ

ピシャ

これはトラウマ

赤沢「由美…あなた…」

恒一「小椋さん…」

勅使河原「驚いたぜあの小椋さんがあんな特殊な人種だったなんて」

恒一「そんなに僕の事を…」

赤沢「!!!??!」

鳴「!!!???」

三神「と、とにかく持ち物検査を続けます」

高林「廊下からものすごい怒鳴り声が聞こえる…」

三神「有田さん、持ち物を出してください」

有田「………………」

三神「あの、有田さん?」

有田「…………」

有田「はぁ…」

有田「はい、これでいいですか」ドサッ

三神「体操服…?今日は体育無かったはずじゃ」

三神「…それにこれ男子用のよ」

有田「そうですけど何か」

三神「それに…これ名前が榊原って」

有田「えぇ」

有田「確かにこれは恒一君の体操服です」

有田「それに何か問題が?」

三神「大ありです!人の物を勝手に盗ったのですか?それは犯罪ですよ!」

有田「盗った?」

有田「何言ってるんです先生」

有田「恒一君のものは私の物であり私の物は恒一君の物なんですよ?」

恒一「あ、有田さん?」

有田「ははっ」

有田「恒一君と私は運命の赤い糸で結ばれているんです」

有田「だから所有物を共有してもなんら問題はありません」

有田「問題は、無いんです」

綾野「こういっちゃんそうなの?」

恒一「今初めて聞いたよ」

高林「久保寺先生の悲鳴が聞こえる…」

三神「えーっと」

有田「どうしたんですか?先生」

有田「問題は無いんですよ」

有田「早く次行って下さい」

小椋「大アリだこのアバズレ!!!!」

赤沢「…由美、なんで血まみれなの?」

高林「あっこの声千曳先生だ」

高林「救急車呼んでる」

小椋「運命の赤い糸ぉ?バッカじゃねーの?!テメェーの妄想なんぞ恒一きゅんが聞き入れるわねねーだろ!!!」

小椋「妄想も大概にしとけよこのメルヘン馬鹿が!!」

有田「由美」

有田「あなたとは一度決着をつけておかないといけない」

有田「そう思ってたわ」

小椋「いい度胸してんなオイ!」

有田「廊下で待ってなさい」

有田「私と榊原君の愛の力、思い知らせてあげるわ」

三神「ちょっ、ちょっと!」

ガラッ

ピシャ

三神「はぁ…じゃ佐藤さん荷物出して」

鳴「どうしよう」

鳴「次の次だ」

鳴「こんなリコーダーの先だけなんてピンポイントなもの」

鳴「言い逃れできない…」

鳴「しかも名前まで入ってる…」

鳴「…………どう説明しよう…」

鳴「さっきの榊原君の反応から考えると…」

三神「佐藤さん、男物のパンツなんて何に使うんです?」

佐藤「えっと、これは、その、榊原君の、で、その」

綾野「こういっちゃん、モテモテだねー」

恒一「はは、なんだか照れるな」

和久井「物盗られてその反応はおかしいよ…」

高林「廊下から地鳴りが聞こえる…」

三神「これは没収します」

三神「はぁ…」

三神「じゃあ次は見崎さんね」

赤沢(来た!)

赤沢(色々計画は狂ったけど)

赤沢(ようやく本丸が来たわ)

赤沢(そもそもこの荷物検査は恒一君のリコーダーが盗まれたからやってること)

赤沢(そのリコーダーを彼女が持ってるってことは……ふふっ)

赤沢(さあ、恒一君思う存分幻滅するのよ!)

ここまでの流れ見てまだわからないアカザーの脳味噌残念

鳴「…」コトン

三神「?」

三神「リコーダー…の先だけ?」

三神「これはあなたの?」

鳴「違う」

鳴「これは榊原君の」

恒一「!」

三神「人のリコーダーなんか何に使うんですか?」

赤沢(キタキタキタキター!)

鳴「ごめん榊原君」

鳴「弁解はしない」

鳴「したって言い逃れできな

恒一「いいんだ見崎!」

恒一「君がそんなに僕の事を好いていてくれてたなんて!」

鳴「さ、榊原君?」

赤沢「ん?」

三神「榊原君座りなさい!」

恒一「僕も見崎のことが

三神「榊原君!後にして!」

その後の持ち物検査は驚くほどスムーズに進んだ
途中中尾君がパンツを自慢気に取り出して赤沢さんにボコボコにされていたが
まあどうでもいいことだろう
僕の持ち物は僕のところへ戻ってきた
一部体液で汚れている物があるらしく学校で洗濯してくれるらしい
このまま何も起きず荷物検査が終わる
そう思っていた

不吉なモノローグ

三神「はいもういいわよ綾野さん」

三神「じゃあ次ね」

望月「…………」

三神「望月君?」

三神「荷物を出してくれるかな?」

望月「………………」

恒一「?」

望月「実は、僕」

望月「榊原君に謝らなければならないことがあるんだ」

恒一「ぼ、僕に?」

綾野「どうしたの?改まって」

望月「榊原君、最近リコーダー無くなったりしてない?」

恒一「うん…今月だけで二回」

恒一「でもそれは小椋さんや見崎が盗ったからってので」

恒一「解決してるんだと思うんだけど」

望月「違うんだ榊原君」

望月「今日君の元に返ってきたそのリコーダーは僕が用意したダミーなんだ」

小椋「どういうことことよ!」

恒一「小椋さん…!」

小椋「私は恒一君が転校してきてからずっとペロペロしてきたのよ!」

赤沢(由美…あなたもなのね)

小椋「それがダミーだなんて…」

小椋「許されることじゃねーよなぁ!!!」

有田「右に同じよ」

望月「安心して二人共」

望月「僕がダミーにすり替えたのはつい最近」

望月「それも昨日のことさ」

これはホモの予感

望月「そう」

望月「昨日の夕方ことさ」

望月「放課後、僕は赤沢さんがリコーダーを持っているという情報を聞きつけ教室に来た」

赤沢「!?」

恒一「えっ赤沢さん?」

望月「そこで赤沢さんがリコーダーを見崎さんの机に入れているのを見たんだ」

望月「まあそこはどうでもいい」

赤沢「えっと、あの、その」

鳴「…最低」グスッ

恒一「見崎を泣かすなんて…酷いよ、赤沢さん…」

ざまぁwwwwww

小椋「それで、なんですり替えたのさ」

望月「ちゃんと洗って返そう」

望月「そう思って」

有田「洗う?」

綾野「まさかアンタもペロリスト…
!」

恒一「も?」

望月「違うよ小椋さん」

望月「君たちは毎日のようにこのリコーダーを舐めていたみたいだけど」

望月「僕は違う」

ケツに(ry

小椋「ちょっと待って!」

望月「何?」

小椋「私はこのリコーダーを愛でるあまり途中で盗み出してしまったけど」

小椋「いつよ」

小椋「いつすり替えたってのよ」

望月「……………小椋さんの家ってさ」

望月「二階、あるんだよね」

小椋「………………?」

小椋「……まさか私の家に…」

望月「取るに足らない問題だよ」

望月「問題は僕が謝らなければならないことがある」

望月「そうだよね」

赤沢「その通りよ」

恒一「うん」

望月「今から僕、すごく酷いことを言うけど」

望月「榊原君、僕を」

望月「僕を嫌いにならないでほしいんだ」

望月「無茶だと分かってる、でも」

恒一「大丈夫」

恒一「望月は僕の大切な友達だよ」

恒一「嫌いになったりなんかしない」

綾野「カッコイイ」ポー

小椋「さすが恒一きゅん!」

有田「さすがね」

望月「じゃあ、言うよ」

望月「僕の告白」

望月「受け止めてほしい」

望月「僕は」

望月「僕は毎日」

望月「このリコーダーを………」






望月「尻に挿していたんだ!!!!!!!!!!」

  /'           !   ━━┓┃┃
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━

ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃
'   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛
ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。
   )  ,. ‘-,,'   ≦ 三  
ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
'=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==-

/ |ヽ  \-ァ,          ≧=- 。
  ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
  |   >≦`Vヾ        ヾ ≧
  〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・

その後のことはよく覚えている
小椋さんが白目を剥いて暴れだし
赤沢さんが気絶して
有田さんは窓から飛び降りた
他よ多くの女子がその場で嘔吐している光景が目に焼き付いて離れない
後で聞いた話によるとクラスの女子の大半が僕のリコーダーを舐めていたらしい
そんな中でただ一人恍惚の笑みを浮かべ鼻血を滝のように流していた柿沼さんは一番印象的だったと、思う

以上三年三組を襲った『現象』の顛末だ
そして今僕達、僕と見崎はいわゆる彼氏彼女の関係にある
この現象が僕達を引き合わせた、そう考えるとあながち悪い話しではない
そう思えてくる



ーー父さん、母さん、僕はしあわせです


おわり

乙です

なんか誤字だらけだけど深夜だから許してね
あと杉浦さん結婚してください

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