サザエ「あの大地震から一年…家族はバラバラになった…」(127)

サザエ「もう一年が経つのね…」

タラヲ「おい!糞ババア!さっさと菓子もってこい!」

サザエ「ちょ、ちょっと待ってね…タラちゃん…」

タラヲ「タラヲさんて呼べっつってんだろ!」ボカッ

サザエ「す、すみません…(あの地震の影響でこんなに荒々しい子になってしまったのね…)」

ガチャッ(仮設住宅の扉が開く)

サザエ「あっ…!!」

カツオ「やあ姉さん、元気だったかい?」

サザエ「どうしてここに…?」ギロッ

カツオ「おいおい、そんなに睨まなくてもいいじゃないか」

サザエ「あの時家族を見捨てたあんたが帰ってくる場所なんてないのよ」

カツオ「酷いな~父さんの一周忌くらい顔を見せたっていいだろう?」

サザエ「くっ…」

タラヲ「おぉ、来たかカツオ兄さん」

カツオ「やぁタラちゃん、ずいぶんふてぶてしくなったね」

タラヲ「兄さんには敵わないよ」

カツオ「ところでワカメはまだなのかい?」

サザエ「えぇ…まだ来ていないわ…」

ガチャッ

ワカメ「私が一番遅かった?」

カツオ「ようやくそろったね」

カツオ「さ、早くすませよう。僕も暇じゃないんだ」

ワカメ「天下のIT社長はお忙しいのね」

カツオ「そんなことを言うワカメこそ体調は大丈夫なのか?いまどき風俗も楽じゃないんだろう?」

ワカメ「くっ…」

タラヲ「ふっ、汚ねえアバズレ女だ。近づくんじゃねえぞ」

ワカメ「あ?餓鬼は黙ってろよ」

タラヲ「何だと?犯してやろうか?」

サザエ「やめなさい!父さんの一周忌くらい穏便にして…」

ワカメ「わかってるわよ」

タラヲ「ちっ」

サザエ「まだ時間は早いからゆっくりしてて」

タラヲ「こんな狭い所でゆっくりだぁ?」

サザエ「ご、ごめんなさい…お茶を出すわね…」

ワカメ「全く…少しは口が塞がらないのかしら?」

タラヲ「なんだぁ?」

カツオ「姉さん」

サザエ「何…?」

カツオ「母さんは?」

サザエ「と、隣の部屋よ…」

カツオ「顔でも見せようかな」

ガチャッ

      ____)__

     ,. ´     `  ` 、
   ./        _   _ \
  /        _   ̄  _ ヽ
  /イィィ,,.,.,.,.,.,      ̄ ̄    !
 f/ノノノノノノノ  ヘ.__ j  jノ__ノ
 |///////   _ (__ ゚_>` __( ゚_イ
 .!|.|i/_^ヽ|_'___r⌒ y'  ヽ^)|
  !|| fニ> ::::::  `ー'゙ (_`___)ノ

   ヽ.ニ` :     /_ノ/川! /      煽ったね・・・・・・
    __ノ 、    / ヾ---'´ ノ
 __ノ \l `   ____,/
       \    ノ リ.|`ー--
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ノノノノノノノl    /\        , -、 !
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//////ノ       (_jリ ゙T`’ノ / (rリ`y゙
ソ´,-、\|   -` ー--‐ "  __{ ー-'{     フネにも
| ,f^ソ |____/ ゙̄ヾ"´  \^ヽ. |

| に(        l    j ,..   ヽ |.|    煽られたことないのにっ!!
\` ' j       `ー-‐' イ_ `  ノ'" i
  ゙‐-'        /,. ‐-、/TTT||  ノ
   _}       / |----二ニフ ノ
  人\ ヽ.        ! r'二ヽ / /
_「  \\ `  、   ` ̄ ̄/
     \\        Ti"
       \\     ノ | |\

サザエ「でも分かってるでしょ?あんたが会わせる顔なんかないんだからね…」

カツオ「まだそんなこと根に持っているのか…」

サザエ「まだって!!!どれだけこの数年間苦しかったと思ってんの!!!」

カツオ「分かった分かった、感謝しているよ姉さんには」

サザエ「感謝してもらわないと困るわよ…」

カツオ「あまり調子に乗らないほうがいい。介護費を出しているのは僕だ」

サザエ「くっ…」

カツオ「さて…これが母さんか」

フネ「あーあーあー…あーあーあー…」

カツオ「母さん…」

フネ「あーあーあー…」

サザエ「認知症の進行は止められなくてね…もう言葉もろくに…」

カツオ「髪だけは綺麗にしちるんだね」

サザエ「そうなの。それだけは毎朝母さんが自分で」

カツオ「髪は大切にしていたからね」

サザエ「えぇ…父さんに髪が無い分ね…」

カツオ「ふっ…なかなか洒落たジョークを言えるようになったじゃないか」

サザエ「そ、そう…ありがとう…」

カツオ「母さん」

フネ「あーあーあー…」

カツオ「久しぶりだね」

フネ「あーあーあー…」

カツオ「僕のこと覚えているかい?」

フネ「あーあーあー…」

サザエ「無駄よ…毎日一緒にいる私でも反応してくれない時があるもの…」

カツオ「そうか…」

サザエ「言葉は話せなくても心ではわかってるわ…」

カツオ「ふん…綺麗ごとを」

サザエ「くっ…」

ガチャッ

カツオ「ワカメも母さんに顔見せておけよ」

ワカメ「わかってるわよ」

タラヲ「あんな障害ババアの顔なんざ見れるかよ!はっ!!!」

カツオ「おい…」

タラヲ「あん?」

カツオ「それ以上嘗めた口をきくなよ」

タラヲ「くっ…」

サザエ「カツオ…ごめんなさいね…」

ガチャッ

サザエ「カツオ…どこに…?」

カツオ「少し外の空気を吸いに行くだけさ」

サザエ「カツオ…」

私たちはいつからバラバラの道を歩むようになってしまったのだろう
全てはあの地震から

認知症になった母さんの為に引越しをした
そこで震災に遭った
カツオは家を出て行き会社を設立、今ではIT社長にまで上り詰めた
ワカメも家を出て行ったがカツオのようにはなれず風俗で働いているらしい
タラちゃんはいつしかぐれてしまい今も反抗期真っ只中
はは、まあそのうちあの頃のタラちゃんに戻ってくれるわ

愛する夫、マスオさん。あの人も地震と一緒に行方不明になった
だから私はこの地に残りあの人が帰ってくるのを待っている

そして我が家の大黒柱、磯野波平
彼はもうこの世にいない

そして今日は父の一周忌

サザエ「タラちゃん、ズボンを上げて…」

タラヲ「あん?腰パン馬鹿にしてんのかオラ」

サザエ「い、いや…そういうわけじゃないのよ…」

タラヲ「口出しすんな糞ババア」

サザエ「ご、ごめんなさい…」

墓場へと移動

ワカメ「ふ~ん、意外とちゃんとしてるのね」

サザエ「えぇ…お墓はちゃんと建ててくれたわ」

ワカメ「ここか…」

サザエ「お線香あげないと」

ワカメ「花はこれ使って」

サザエ「ありがとう」

タラヲ「けっ、かったりー」

サザエ「カツオ…遅いわね…」

ワカメ「さあ?あの人はいつも自分勝手だから」

タラヲ「おい!もう帰んぞ!!!」

サザエ「おじいちゃんに手を合わせなさい!」

タラヲ「あぁ?」

サザエ「ご、ごめんんさい…帰りましょうか…」




カツオ「やあ、父さん」

カツオ「もう一年か…」

カツオ「長いようで短いようで」

カツオ「父さんの怒鳴り声が聞けないなんて信じられないよ」

カツオ「じゃあね」

チャポン

磯野波平と刻まれた墓には一本の酒缶が置かれていた

揺り揺らららら揺る揺り!揺り揺らららら揺るゆ揺り!揺り揺らららら揺る揺り! 大地震

よっしゃゆれるぞぉ ワン ツー さん しー 
いぇい! 結衣せんぱぁい おいこら よっしゃあ! えっへへ! 
てんてこまいの 原発 大爆発 そんで身長のびないや どうしよう

福島揺れすぎ テーマパーク ほいじゃ 隠せよ原発 どうじゃろ
原発本番 しめしめ改ざん 「風評被害」
なにそれ そんなの ぜんぜんぜんぜんぜんぜんたべれなーい(ちょっと京子先輩!) 
地震きた(地震きた) 物落ちた(物落ちた) 明日もグララ と揺れるよ
津波きた(津波きた)流された(流された)
明日も 居たいと 思うよ お家に 最終手段で 外国
揺り揺らららら揺る揺り!揺り揺らららら揺るゆ揺り!揺り揺らららら揺る揺り! 大地震

同日、夜

タラヲ「おい!もっと酒もってこい!」

サザエ「タラちゃん、飲みすぎよ」

タラヲ「うっせ、今日は大事な約束我慢してやってんだ!」

サザエ「これで最後よ…」

カツオ「そろそろ帰ろうかな」

サザエ「あら、もう?」

カツオ「交通手段が乏しいからね」

ワカメ「それじゃあ私も」

カツオ「おいしかったよ、ご飯」

サザエ「こんなものでごめんね…」

カツオ「昔を思い出せた」

サザエ「こんなものでよかったらいつでも来て」

カツオ「ありがとう」

ワカメ「お姉ちゃん」

サザエ「何?」

ワカメ「あの糞坊主の教育もう少しちゃんとしたほうがいいよ」

サザエ「ははは、ありがとう…」

タラヲ「さっさと帰れ!ヤリマンババア!」

カツオ「母さん頼んだね」

サザエ「えぇ…」

ワカメ「じゃあ」

カツオ「じゃあね」

バタン

タラヲ「やっと帰ったか…」

サザエ「ごめんね…うるさかったでしょ…」

タラヲ「ちっ」

サザエ「お、お酒まだいる…?」

タラヲ「あ?あるなら先にもってこいや!」

サザエ「ごめんなさい…でもカツオたちの前だから…」

タラヲ「一杯も二杯もかわらねーだろうが!」

サザエ「ひぃっ…」

タラヲ「ったくよー、んな馬鹿女だから夫にも逃げられんだよ!」

サザエ「マスオさんは…」

タラオ「あいつはおまえを捨てたんだよ」

タラオ「俺はこの前見たぜ!あいつが夜の街にいたのをな!」

サザエ「そ、そんなこと…」

タラヲ「けっ…地震で現実も見れなくなっちまったのかよ」

サザエ「うっ…」

タラヲ「今日は疲れた、もうやるぞ」

サザエ「え…?まだ日も変わってないのよ…?」

タラヲ「いいだろうがよ!俺がやりてぇつってんだからやらせろや!」

サザエ「さ、騒がないで…母さんがおきちゃう…」

タラヲ「わかったよ、さっさと脱げ!」

サザエ「は、はい…」

カツオ「どう思う?」

ワカメ「どう思うって?」

カツオ「タラちゃんのことだよ」

ワカメ「あぁ、あの糞餓鬼ね」

カツオ「姉さんもだけどさ、なんか隠してるような気がしてね」

ワカメ「隠してる?」

カツオ「ボロを出さないように接してるというか」

ワカメ「ふふ、そうかな?」

カツオ「考えすぎかもしれないけどな」

ワカメ「でもお兄ちゃんは昔から見えないものを見るのには長けてたからね」

ペチンッペチン

タラヲ「どうだ?気持ちいいか?」

サザエ「………うぐっ…」

タラヲ「気持ちいいかって聞いてんだよ!」

サザエ「…はい…気持ちいいです…タラヲさんのおちんちん…」

パンッパンッパンッパンッ!!!

タラヲ「うひょ~きんもちいいぜぇ~」

サザエ「ダメよ!中では出しちゃだめ!」

タラヲ「逝っちまう~」

サザエ「だめ!だめだって!」

タラヲ「う…うぅ…はぁ…」

ドピュッドピュッ

サザエ「うぐっ…うぐっ…」




フネ「・・・・・・」

カツオ「ここでお別れだな」

ワカメ「えぇ、じゃあね」

カツオ「ワカメ…」

ワカメ「ん?何?」

カツオ「体気をつけろよ」

ワカメ「心配されなくても大丈夫」

カツオ「それならいいんだ」

ワカメ「…じゃあね」

カツオ「ワカメ!」

ワカメ「まだ何かあるの?」

カツオ「悩みがあるならいつでも相談にのるからな」

ワカメ「・・・・・ありがと、でも本当に悩みなんてないから」

改札を抜けエスカレーターを降りていくワカメの背中を見送るカツオ
その後姿を見つめながら呟いた

カツオ「強がりやがって…」

タラヲ「うっし、もう一発いくか」

サザエ「ま、まだやるの…?」ジュパジュパ

タラヲ「当たり前だろ!俺を嘗めてんのか!…おまえは俺のチンポを舐めてるがな!」

サザエ「ひ、ひぇ…」ジュパジュパ

タラヲ「もうビンビンだ、挿れるぞ」

フネ「あーあーあー…あーあーあー…」

タラヲ「ちっ、いいとこなのによー」

サザエ「ダメっ!」

タラヲ「おら!黙ってろ障害ババア!」ボコッベシッ

フネ「あーあーあー…」

タラヲ「黙れ!」ボコッベシッ

サザエ「やめて!やめて!」

タラヲ「ふー…ふー…」

サザエ「はぁ…はぁ…」

タラヲ「ちぇっ、萎えた…もう寝る」バタンッ

サザエ「うぐっ…うぐっ…ごめんね、母さん…ごめんね…」

フネ「あーあーあー…あーあーあー…」

サザエ「うっ!!!」バタドタンバタ

サザエ「おえぇっ…おえっ…………ま、まさか…」

同日、某所

ワカメ「すみません、遅くなりました」

店長「おぉ、遅かったじゃない。心配したよ」

ワカメ「父の一周忌だったもので…」

店長「そう…あ、またあのお客さん来てるよ」

ワカメ「・・・・・わかりました」




ガチャッ

ワカメ「お待たせしました…」

???「待ったよ、ワカメちゃん」

ワカメ「今日は父の一周忌だったんです…」

???「それがどうしたの?早く始めようよ」

ワカメ「・・・・・・」ハラッ

マスオ「うふふ、もう待ちきれないよ~」ビクンビクン

パンッパンッパンッ!!!

マスオ「うひぃ~気持ちいいよ~」

ワカメ「あんっ…あっ…んんっ…」

マスオ「サザエのマンコよりも締まりがいいよ~逝っちゃうよ~」

グチュッグチュッグチュッ

マスオ「あれ~?淫らな音が聞こえるよ~?」

ワカメ「…んっ…あんっ…」

マスオ「感じちゃってるの~?お姉ちゃんの夫とやって感じるなんてワカメちゃんも変態だね~」

ワカメ「…感じてなんか…んっ…ない…」

グチュッパンッグチュッパンッ

マスオ「おおおおおおおおおおお逝っちゃうよ~~~~~」

ドピュッドピュッ

カチャッ・・・ブオッ

マスオ「ふー…」

ワカメ「煙草…吸うのね」

マスオ「あぁ、あの糞ケチババアのせいで買う金がなかっただけさ」

ワカメ「あんなに仲がよかったのにね…」

マスオ「見せ掛けさ、婿養子なんて監獄よりも苦渋だよ」

ワカメ「お姉ちゃんの前には現れないの?」

マスオ「ふっ、そうしてわざわざ地獄に身を投じるのさ」

ワカメ「…タラちゃん、そうとう大変そうよ」

マスオ「けっ、あいつはな!俺の子じゃねーんだよ!育ててやる義理はねー!」

ワカメ「子供のときに聞かされた時は驚いたけど…本当のわが子みたいに可愛がっていたのに」

マスオ「一瞬だってわが子だなんて思ったことはないよ」

ワカメ「………まあいいわ…もう時間よ」

マスオ「また来るよ、気持ちよくさせてね」

ワカメ「ええ、金さえ払えばやってあげるわよ」

マスオ「ふふうふふふふふふう」

ガチャンッ

ワカメ「お兄ちゃん…私これでいいのかな…?」




店長「ワカメちゃ~ん、次のお客様で~す」

ガチャッ

ワカメ「また来てくれたんですか?嬉しいー」

中島「おー、ワカメちゃん。また来ちゃったよー」

ワカメ「ありがとう。じゃ、早速やろっか」

ガチャッ

カツオ「ただいま…っていっても誰もいないか…」

俺はあの地震で家族を捨てた
津波に飲まれ死ん父、認知症の母
もう無理だと感じたから捨てた

今となっては間違いだとは思っていない
社会的には成功ともいえるだろう
だがなぜか心は晴れない

ピンポーン

カツオ「ん?こんな時間に誰だ?」

ガチャッ

カツオ「はい?どなたですか?」

警察「警視庁です。磯野カツオさん、あなたにインサイダー取引に容疑がかかっています」

カツオ「!?」

警察「署までご同行願いますか?」

カツオ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!何のことだよ!」

警察「足掻いても無駄です。全て揃っているので」

カツオ「ど、どうして…」

カシャンッ




同じ月の浮かぶ空の下
大地震によって散り散りになった磯野家
一年経ったその時に彼らにまた試練が立ち塞がる

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