男『………って事かな』吸血鬼『は?』 (420)

・初SSです
・まったりと書いていきます
・若干のパクリあります





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365434493

真夜中の都会、薄暗い路地裏に一組の男女


女の腕が男の胸に刺さる

「カハッ………何を……する…………!」

「聞こえなかったのか?私はそんな事する気は毛頭…………無い!」

女の腕が男の胸板を貫通した

「かっ!?…………グハッ」

男は倒れた

「はぁ?服が汚れた」

女はそそくさと歩き出しその場を後にした

しばらく歩いて路地裏の出口が見えた

「ん?」

入り口の電柱に何かいる

「追っ手か?」

女は身構えた


電柱にはスーツを着た男がもたれかかっている

男はポケットから箱を取り出し中のタバコを加え胸元から慣れた手付きでライターを取り出し火を付けた


「いい夜ですね、お嬢さん」


男はこちらに向かって歩き出しタバコ煙を吐き出した


(コイツ…………何者だ?)


女はこの謎の男の動きを一つ一つを見逃さず臨戦態勢を維持する
 

「私に何か用か?」

「君を殺しに来た………って言ったらどうするんだい?」


男は口元は笑っている。だが丸いサングラスを掛けているので目が見えずほとんど表情が読めない


「………嘘だよ、本当は」


女は男の言葉が終わるよりも早く懐に飛び込み心臓を的確に貫いた



「かああぁっ!」


女は突き刺した腕で男を力任せに投げ飛ばした


投げられた男は壁を突き抜け空いた穴の中に消えた


壁がガラガラと崩れ落ち瓦礫になり少し土煙も上がった


「何だったんだ?アイツ……」


女は男が動かなくなった事を確認し息を吐き出し緊張を解いた


女はさっきから面倒事ばかりなのでさっさと帰ってシャワーを浴び着替えようと考えた


「酷いなぁ?いきなり心臓を貫く何て」

「!?」


確実に心臓を貫き殺したはずの男が立ち上がりこちらに歩いてきた


「全くこのスーツ意外と高いんだよ?」

あれおかしいな?

テスト

?ーー

波線が?に変わる………何でだ


「こりゃ給料から引かれちゃうよ」


男は自分の周りの瓦礫をどけながら自分の胸を指差した


「!」


女は驚いた。男の胸に自分が空けたはずの穴が………………ない


訳が分からない。コイツは人間か?それともバケモノか?人間ならば傷がすぐ塞がる事なんてない

じゃあコイツはバケモノなのか

自分はこれからどうすべきなのか



「ちょっとちょっと、そんなに身構えないでくないかな?さっきのはホントに冗談だからさ」

「ッ!」


男が近付いて来た。女はそれに対して反射的に走り出した

コイツはヤバいと本能が感じ取ったからだ


「あっ!おーい!」


後ろの男が何を言おうが気にも止めず女は走る




少しでも遠くに一歩でもアイツから遠くへ



体の警告通りに女は暗い路地裏を人ではない速さで駆け抜ける

行き止まりに差しかかったが左右の壁を交互に蹴り上へと逃げる

息が苦しい、だがそんな事は言ってられない


壁を蹴り上がり屋上に登りきった瞬間、頭部に鈍痛が襲った


「なっ……にぃ………!?」


意識がゆっくりと失われ景色がスローモーションに見える。女は倒れながら振り返り鈍痛の正体を確認した



あの男だ。あの男がハンマーのような物で自分を殴ったのだ



女は悔しそうな表情を見せ、意識を失った



「何だかスカッとしないね………………まっ、帰りますか」



男はヤレヤレといった様子でサングラスを掛け直し女を軽々と担ぎ上げ五階建ての建物の屋上から飛び降り薄暗い路地に消えた

壁?ω・`)<今日はここまでです。文章力がなく地の文に緊張感とかが全くなく波線が?に変わるアクシデントが発生しました

次からはなるべくパソコンにしようと思います



ではこれを見てくれた方々、see you next time(´・ω・`)ノシ

('A`)

こうかな??

んん?おかしいなぁ?

?

?

原因分かった

スマホからだと ~ が ? になった


次の投稿は夜中になると思います。新キャラ続々登場(`・ω・´)


女「……………」パチッ

女「どこだ…………ここ?」チャリ

女「!」カチャカチャ

?「お目覚めかい?麗しの姫君」

女「くっ…………!」ガッ

?「無駄だぜ嬢ちゃん、そのワッパは特注品………そう簡単にぶっ壊せる代物じゃないぜ」


?「初めまして、ようこそ俺様のオフィスに」

女「こんな事をされる覚えはないんだが」

?「おぉ~くわばらくわばら、流石は噂の吸血鬼ちゃんだねぇ~」

吸血鬼「お前は誰だ?」

?「俺の名前は大佐、ここ特務課のトップだ」

吸血鬼「それで?」


ガサゴソガサゴソ………

大佐「え~っとこれこれ、名前は吸血鬼、年齢は23と以外と若い………って言っても肉体は18だけどな」

大佐「日本人の母親とイギリス人の父親の間に産まれたハーフ、あぁ~だから髪黒いのか」

大佐「んで5年前に夜中にイかれたカルト集団に襲われ父親と母親を殺される」

吸血鬼「………………」

大佐「自分も殺されかけたが恐らくそん時に魔を引き寄せヴァンパイアとなる」


大佐「はいこっから機密情報ね」ポイッ

大佐「この5年間の逃亡中に他数体のヴァンパイアに遭遇しこれを補食、さらに狼男、ヘルハウンド、ブギーマン、ガーゴイル、ラミアー、ムシュフシュ、エルフも補食」ペラペラ

大佐「よく食うね?成長期?だからそんなに胸デカいんだな」ビシッ

大佐「成長期にしてもブギーマンやヘルハウンドの悪霊とかならまだ良かったもののムシュフシュやエルフは食うなよ、確か精霊とか神獣とかその辺のヤバい奴らだぞ」

吸血鬼「そいつらが勝手に襲ってきて勝手に食われただけだ。私は知らん」


大佐「色々喰い過ぎたせいであんさんはヴァンパイアの中でも異質な存在に変化した」

吸血鬼「ああ、そうだ」

大佐「どうせ他にもっと喰ってんだろ?」

吸血鬼「覚えている訳ないだろ。こっちは生き残るのに必死だったんだからな」

大佐「別にお前さんを責めてるんじゃあねぇよ」

大佐「異質なヴァンパイアとなったせいであんさんの所にはそこら中から猛烈なラブコールが来たって本当?」

吸血鬼「全部追い返してやったがな」

≫27

魔を引き寄せるって単語を拝借しました。流石にアーカードの旦那みたいなチート吸血鬼ではないです


ガチャ

?「お話中に失礼するよ」

吸血鬼「!……………お前!」ガッ

大佐「中佐あぁ!てんめえええぇぇぇぇ!!!」ドンッ!

吸血鬼「!?」ビクッ

大佐「俺の部屋でタバコ吸うんじゃねぇ!そんな毒ガス撒き散らすな!俺様の純白の体が汚れちまうじゃねえか!」バンバンバン

中佐「はいはい、そんな怒鳴らなくてもいいじゃん」

中佐「あーん」パク…ゴクン

中佐「べー」ベロベロバー

大佐「食べタバコは死んじまうぞ?」

中佐「こんなのでくたばれたらいいんだけどね」

吸血鬼「…………おい」


中佐「あぁごめんよ、コーヒー飲む?一応手は顔まで上がるようになってるからさ」

吸血鬼「そうじゃない」チャリチャリ

中佐「あっ!君イギリス育ちだったね、待ってて今紅茶持って来るから」

吸血鬼「おい!………ってキャッ!」
 
ドテッ

中佐「大丈夫かい?ほら起き上がって」グイッ

大佐「何この子、倒れる時にキャッって言ったよ可愛い」


大佐「泥水でいいから俺にくんない?」

中佐「はいどうぞ」

吸血鬼「おい、私を置いて二人で話すな」

大佐「ヘイパスヘイp………サンクス」

中佐「それで何かな?」

吸血鬼「お前は何者だ」


大佐「え?何?気になるの?この男前中佐くんが気になるの?」ズズー

吸血鬼「答えろ」

中佐「僕かい?僕はね、人間に近い人間の姿をしたバケモノって思ってくれればいいよ」

大佐「サラッとスルースルー………ここ飛んだら、[ピーーー]るかなぁ?」ズズー キコキコ

吸血鬼「茶化すな、お前は私に心臓を貫かれても立ち上がり私に追いつき気絶させた。人間じゃない事なんて分かりきった事だ」ギロッ

中佐「そんなに睨まないでよ、気絶させた事は謝るからさ」アセアセ


大佐「そこんとこは俺っち説明するよん」

吸血鬼「頼む」

中佐「僕からも頼むよ」

大佐「OK、コイツは元はただ人より怪我とかが治るのが早いだけの人間だったんだよ」

大佐「そこに目をつけたマェッドサイエンティスト共がコイツを拉致してモルモットにしたんだよ」

大佐「それで調べてみたところコイツには人以上の再生能力がある事が分かったんだよ」

大佐「人以上の治癒があるから少々の改造実験は問題ない………科学者共はコイツを好き放題自分達の研究の実験台にした」

吸血鬼「実験?」

大佐「能力の向上実験、肉体強化実験…………とか色々だよ」


大佐「その内コイツは人間の姿のまま人間じゃなくなったのさ」

吸血鬼「………………」

大佐「すると一つ、予想外の出来事が起こりました」

吸血鬼「?」

大佐「科学者達もまさか自分達が生み出したバケモンにぶっ殺されるとは思わなんだろうな」

吸血鬼「!?」

大佐「まぁ俺様との出会いも会ってコイツは今や悪の組織の野望を打ち砕為に戦う正義のヒーロー………って訳だ」ズズー

大佐「うっへぇ?冷めちまってる」

中佐「こんな目つき悪いからって理由でサングラス掛けてる正義のヒーローはいないと思うけどねぇ?」

訂正

大佐「うっへぇ?冷めちまってる」

大佐「うっへぇ~冷めちまってる」


中佐「これでいいかい?」

吸血鬼「……………」

中佐「どうしたんだい?」

吸血鬼「だって、お前……そんな…………」

中佐「……………優しいね、君は」

吸血鬼「えっ?」

中佐「誰かの辛さを思って心を痛める…………なんてのはそう簡単な事じゃないからね」ニコッ

吸血鬼「……………………」

大佐「何か今度は俺が置いてかれてる気がすんだけど」ズズー



吸血鬼「それともう一つ、ここは一体どう言ったところだ?」

大佐「(゚∀゚)!」ガタッ

吸血鬼「!?」ビクッ

大佐「よくぞ聞いてくれた少女よ!ここは………そう!社会の陰に潜み世界を裏で操るある機関と日夜戦いを繰り広げr」

中佐「妖怪や怪物などが関係している特殊事件を捜査、または事件解決を目的とした警察と軍隊の中間の特務課ってところだよ」

大佐「(´・ω・`)」

吸血鬼「なら何故怪物の私がこうしてここに連れてこられたんだ?」


中佐「それはね………そこでしょぼんとしている人の幸運が生んだ偶然さ」シュボ

吸血鬼「何?」

大佐「そうだぞ、俺様が呼んだみたいなもんなんだぞすごいんだぞ(´・ω・`)ショボーン」

吸血鬼「どうゆう事だ?」

大佐「俺の話はまた今度な、お前が今ここにいる理由はな……………………………ただ“俺の部下に欲しかった”からだ」

吸血鬼「…………ふぇっ?」

中佐「どっから出てるか分かんない声出てるよ」フゥー


吸血鬼「だって……そんな………ええ?」

中佐「ほとんどあの人のワガママだけどね」スゥー スパー

吸血鬼「そんな理由で私はあんな怖い目に……………」

中佐「ごめんよ、君の実力をちょっと見てみたかったから嘘付いて怖い思いさせて」



パンッ!



吸血鬼「えっ!?」

中佐「…………」ドサッ

大佐「ここ禁煙や言うたやろが、ドアホ」スチャ

吸血鬼「おい!お前!自分の部下に何を!」 

中佐「以後気を付けます。大佐殿」ムクリ

大佐「気を付けたまえよ………とか言ってテメェ何度目だぁ?!」バンバン


吸血鬼「( ゚д゚)」

中佐「どう?これが僕の再生能力さ」

大佐「ドッキリだぁ~いせいこぉ~う♪」

大佐「っと冗談は先延ばしにしてと」

中佐「この子脅かすの楽しいなぁ~」

大佐「中佐ぁ、吸血鬼ちゃんのワッパ外してやんな」

中佐「イエス、マイロード」


中佐「痛かったらごめんよ」カチャカチャ

吸血鬼「…………あぁ、大丈夫だ」

中佐「はい、取れた」

大佐「おう、では………吸血鬼!ここに貴殿を特務課曹長に任命する!」ビッシィ

吸血鬼「あーあぁ?はぁいぃぃ!?!?」

大佐「なるべく怪我のないように病気とかにかからないように頑張ってくれたまえよ」

吸血鬼「おい待て!私は一言も入るなんて言ってないぞ!」ガタッ

中佐「諦めなよ、こうやってここに来たからにはもう手遅れだよ」ポンポン

吸血鬼「何でこうなった……………」


大佐「そうと決まったからには僕ちゃん張り切っちゃうモンネー」シャー

大佐「とうっ!」シュバッ

スタッ

大佐「はいまずはみんなのオフィスルームから紹介しちゃうよ」ガチャリ

大佐「ここが主な仕事場だ。あっお前のスーツとかアイテム一式そこね」

吸血鬼「スーツは嫌だな………」

中佐「意外と順応早いね」

吸血鬼「こうなってしまったからにはこうするしかないさ」


吸血鬼「何でこんなオフィスに畳が?…………!」

中佐「君、目が覚めてから驚きっぱなしだね」

吸血鬼「おい、何だあのスーツで布団を被った生き物は」

大佐「あら、大尉が見えるの?」

大尉「おはよう…………おきゃくさん?」ゴシゴシ

大佐「喜べ大尉、新入りだ」

大尉「わーいーおんなのこだー」トテトテ ギュ?

吸血鬼「よ……よろしくお願いします」

大尉「あなたはヴァンパイア?にしてはなにかちがう…………」ジィー

吸血鬼「えっ?」

中佐「大尉は座敷童なんだ」

大佐「おう、しかもこれがまたスゴいんだよ」

吸血鬼「何かスゴい能力とか持ってるの?」

大尉「こううんをもたらすの!(`・ω・´)」

吸血鬼「(・ω・)?」

大尉「(`・ω・´)b」



大尉「おっぱいおおきいね」モミモミ

吸血鬼「ちょっと………やめっ………///」

大佐「何という事でしょう、匠の手によりここに百合フィールドが展開されました」ワッキャワッキャ

中佐「仲良いことは何とやら………だっけ?こうゆうの」ガシッ

大佐「グベェッ!」

大尉「…………うむ、まんぞくじゃ」

吸血鬼「くっ…………////」

大佐「ウチにはもう一人女がいるけどあれじゃあ…………ねぇ?」

中佐「本人が聞いたら切り刻まれるよ」

大尉「ワシ……もういちどねる」トテトテ ゴロン

吸血鬼「えぇ………」

大尉「………おやすみ」


大尉「…………zzzZZZZ」スピースピー

大佐「さて、匠は寝ちゃったしそろそろアイツが帰ってくるんじゃね?」

中佐「そういえばいつも道草食って帰ってくるからそろそろだね」

吸血鬼「次は一体何なんだ………?」

大佐「それはな……………」

中佐「その時の……………」

大佐&中佐「「お楽しみ」」

大佐&中佐「「……」」ピシピシガシガシグッグッ

大佐「yeah!」スッ

中佐「ほいさ」パシーン

吸血鬼「頼む………次はまともであってくれ…………………!」

訂正

≫45

ギュッ?

ギュッ

はい、今日はここまでです。思ったより登場させられなかった…………てか大佐と大尉がややこしいですね、自分でも間違えそうです



次回の特務課は!ついに謎のアイツが帰ってくると見参!ロマンティックポリスの二つです

吸血鬼ちゃんの運命やいかに

では来週も見よ



SEE YOU NEXT TIME(`・ω・´)ノシ

調子こいてたけども見直すとこれ完全に劣化HELLSINGだ………………始めのセリフは意識したけども、知らず知らずの内に真似してた



………orz


大佐「………遅い」

中佐「確かに………また喧嘩かな?」

吸血鬼「…………………」ドキドキ


ガチャ………


吸血鬼「!」

?「おーい帰ったぞ、クッソ面倒くせぇ仕事やらせやがって」

大佐「ぼやくなぼやくな、老けるぞ?」

中佐「遅かったね少佐、厄介事にでも巻き込まれたかい?」

少佐「酔っ払いのオッサンが俺の事を男と間違えやがったから張り倒してきた」

吸血鬼「(これは……微妙なラインだ………!)」


少佐「んで、そっちの女は誰だ?」

大佐「これが噂の吸血鬼ちゃんだ」

少佐「コイツが?」ジィー

吸血鬼「は………始めまして」

少佐「ふーん」ジロジロ

吸血鬼「…………」ドキドキ

少佐「!」

少佐「………………(コイツ…………!)」


少佐「(そんな……そんな馬鹿なっ…………!)」ググッ

吸血鬼「あの……少佐………さん?」

少佐「(´・ω・`)」

吸血鬼「えっ」

大佐「あっ………」

中佐「まぁ……こうなるよね」

少佐「俺より………胸………デケェじゃねぇか……………」ズーン



大佐「デカいもクソもお前の胸はまn」

少佐「ふっ!」シュッ

大佐「あっぶねぇ!」サッ

少佐「チッ………」スッ…

中佐「はいはい、そこまでだよ」ガシッ

少佐「離せ……アイツ…………[ピーーー]」ジタバタ

中佐「どうやっても当たんないのがオチなんだからやめときなよ」

少佐「クソッ…………」

吸血鬼「でも少佐さん、身長高くて細身ですよね。うらやましいです」

少佐「お前………いい奴だな」


大佐「デカいもクソもお前の胸はまn」

少佐「ふっ!」シュッ

大佐「あっぶねぇ!」サッ

少佐「チッ………」スッ

中佐「はいはい、そこまでだよ」ガシッ

少佐「離せ……アイツ………殺す」ジタバタ

中佐「どうやっても当たんないのがオチなんだからやめときなよ」

少佐「クソッ………」

吸血鬼「でも少佐さん、身長高くて細身で綺麗ですよね。とってもうらやましいです」

少佐「お前………いい奴だな」


吸血鬼「私なんて……身長低いからよく子供扱いされるんです」

大佐「!」ドキッ

少佐「そうか………お前も苦労してるんだな」

大佐「えーそれと、この子新入りね」

少佐「へーそうか」

中佐「仲良くね」

少佐「そうかそうか、ならお姉さんと一緒にHAVENへ行こうぜ…………な?」ジリジリ

吸血鬼「ふぇっ?」

大佐「あ……後ろ、後ろ」チョイチョイ

少佐「あぁ?」クルッ 

大尉「ひぃやうぃーごー」ニッコリ

少佐「嫌ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


誰もいないが勝手に再開


少佐「嫌ぁぁ来るなああぁぁぁ!」ドタバタドタバタ

大尉「そうはとんやがおろしません♪」ピョーン

少佐「やだあぁぁぁお家帰るううぅぅぅぅ!」ドテッ

大尉「ごーとぅへぶん♪」ワッキャワッキャ

吸血鬼「うわぁ………………」

大佐「凄まじいな」

中佐「………だね」



やめてえええぇぇぇぇぇ!!!


?「ん?またやってるな、少佐に大尉」


ガチャ………


少尉「少尉、ただいま戻りました」

大佐「おう、お疲れ」

吸血鬼「(この人はまともそうだ………ホッ)」





少尉「そちらの方は?」

大佐「ピヨピヨの曹長だ、しかも噂のヴァンパイア」

吸血鬼「始めまして吸血鬼です。よろしくお願いします」

少尉「俺は少尉、これからよろしく」スッ


ギュッ


吸血鬼「!」

少尉「初めて会う人は………驚くよな」ポリポリ

大佐「説明いるか?」

吸血鬼「是非」


大佐「分かりやすく言えばだな、少尉はスーパーアンドロイドって感じだな」

吸血鬼「手の感触が違うからな」

大佐「どっかの研究機関が超AIの開発をしていて、完成した超AIが自我に目覚めた結果、コイツが世に誕生した」

大佐「あまりの高性能さに作った奴らもビビっちまってな、色んなところをたらい回しになった挙句の果てがココだ」

大佐「体は丸々特注品のウチ唯一諜報員だ」

大佐「ちなみにスーツに見えるコレはパワードスーツも兼ねた特殊装備だ」

少尉「他に何か聞きたい事はあるかい?」

吸血鬼「じゃあ、少佐さんの昔話を」

ID変わってた。一応≫1です


少佐「そんにゃとこぉ……らめぇ……………っ
///」ビクンビクン

大尉「うそつき………ここがいいんでしょ?」フニフニ キュッキュッ

少佐「あぁん///」ビクン



大佐「あれか」

吸血鬼「あれだ」

大佐「リッパービューティー………って知ってるか?」

吸血鬼「ジャック・ザ・リッパーの再来とか言われてた奴か」

大佐「そう、それがアイツ」

吸血鬼「………………………」

大佐「元々は昔の戦争の戦災孤児で10歳で戦場に出されたそうだ」

大佐「戦う度に人を殺す。そんな生活は6年してようやく終わった」


大佐「ここまでは良かったんだよ、まだそん時なら悲劇の少女として本でも書けばそれなりの生活はできた」

大佐「戦争が人をおかしくしちまう…………ってな」

大佐「次は戦場じゃなくその辺で殺しを始めた。それもほぼ無差別にな」

大佐「無差別と言ってもバケモノ相手に殺し合いをする程イかれちまったのさ」

大佐「初めて見た時はバケモノのアイツの区別が付かなかったよ、バケモノでもしねぇ事をアイツは笑いながらやってたからな」

大佐「そんで俺が強烈なラブコールを送り、ここに来ましたとさ」

大佐「Are You OK?」

吸血鬼「ああ」



少佐「イかれちまってて悪かったな」

大佐「あり?回復したの?」

少佐「アイツのおかげでな」

中佐「……………フゥー」スパー

吸血鬼「にしても何でナイフ何だ?」

少佐「何でかって?答えは簡単、こっちの方がスリリングだからだ」

少佐「俺はこの世で最高で最低な人間さ」

少佐「殺し合いが大好きでね、あの生きるか死ぬかのギリギリにあるスリルに病み付きってやつだ」

少佐「イかれてると思うか?」

吸血鬼「さぁ?」

大佐「てかココに誰一人としてまともな人間なんていねぇよ?」

吸血鬼「そうだな」

大佐「曰く付きか妖怪かアンドロイドの三種類だけだな」




大佐「ココはそんな様々な事情や経歴、偶然や己の運で集まった掃き溜めだ」

大佐「バケモン共相手にすんのにこんなピッタリな面子はいねぇぜ?」

大佐「そしてようこそ、イかれた掃き溜めに」

大佐「一度浸かった泥濘からそう簡単には出れねぇ」

大佐「今は違うかもしれねぇがいつかお前も俺らみてぇなクソッタレになるから覚悟しとけよ」




少尉「大佐、新人相手にいきなりそれは」

大佐「的を射てるだろ?」

少尉「俺もその中に入ってるんですか…………」

大佐「違うとは言わせねぇよ」




吸血鬼「………………フフッ」

吸血鬼「ハハハハッ……アーハッハッハッハッハッ!」

大佐「へぇ~意外だな、何が面白いんだ?」



吸血鬼「いきなり襲って連れてきた挙げ句に「ようこそ、イかれた掃き溜めに」だと?冗談も大概にな」ゲラゲラゲラゲラ

吸血鬼「だがな、面白い…………久しぶりに心底笑わせて貰ったよ」

吸血鬼「いいだろう、やってやるさ。このイかれた掃き溜めでお前達と同じクソッタレに成り下がってやろうじゃないか大佐殿」ギラリ



大佐「ヘヘェ、いいねぇ……最っ高に腐った根性してやがんな……………たまんねぇやぁ」ニヤッ

中佐「………悪くないねぇ」ニカッ

少佐「ヒャハッ……こりゃあよぉ………久々の上玉だぜぇ」ニタァ

大尉「ようこそー」ニコ

少尉「なかなか肝が座ってるな」ニッ




ピピッ


少尉「大佐、事件です」

大佐「待ってましたぁ♪」

少尉「立てこもり犯の逮捕または処刑です」

大佐「またあの宗教団体かぁ?」

大佐「よし、今日は俺も出るぜ」

中佐「御機嫌にも程があるねぇ」ニカッ

大佐「後は中佐に吸血鬼に少尉だ……行くぜ」

中佐「了解っと」

少尉「了解であります」

吸血鬼「あぁ」



ブロロロロ…………



吸血鬼「………………」

大佐「…………………」

中佐「…………zzzZZZ」

吸血鬼「………狭いな」

大佐「えっどこが?」

吸血鬼「この車、見た目と違って狭いんだよ」

大佐「あぁ~それね。まっ、その内分かるよ」

少尉「そろそろ現場に到着します。用意を」

吸血鬼「ハンドルなしで操縦は便利だな」

少尉「歩くのと変わらないから楽だぞ」

中佐「zzzZZZ…………zzzZZZ………zzzZZZ」



大佐「ホレ、get up」スパーン

中佐「んあっ……………着いた?」パチッ

少尉「行きますよ」バカッ

吸血鬼「………………………」バカッ

大佐「どっこいしょっと」

中佐「眠い……………」




ワーワーギャーギャー



警官「こっ、これは!」ビシッ

大佐「堅っ苦しいのはなしだ。状況はどうなってんだ?」

警官「男5人が重装備で建物の一階に立てこもっています。犯人の要求は指定した囚人の解放です」

大佐「要求なんて呑まなくてもいい。とにかく俺達が突入して制圧するから取り巻き共を何とかしろ」

警官「了解!」




中佐「僕、眠いからパス」

大佐「給料減らすぞ」

少尉「なら俺が先陣を切ります」

少尉「君は俺に続いてくれ」

吸血鬼「あぁ」

大佐「[ピーーー]なよ?」

少尉「そうならない程度にしますよ」

大佐「よし、奴らの後ろに回るぞ」



スタスタスタ…………ピタッ


少尉「ここですね」

大佐「派手にぶちかましてやれ」

少尉「了解」



バガシャッ!………ガコン



吸血鬼「腕から銃が出たぞ」

中佐「サドンショット……一応対人用非殺傷武器、肩から肘までの部分で空気を取り込み超圧縮して展開した六つの銃身から発射する少尉専用装備さ」

大佐「実際は6×2で計12門だがな」

少尉「撃ちます」



ドッ……バアアァァン!………ガラガラ



少尉「突入します」






立てこもり犯1「クソッ………何だテメェら!」ダダダダッ

少尉「まずは一つ」ドッ

立てこもり犯1「カハッ…………!」ドサッ

立てこもり犯2「やりやがったな!」ダダダダダッ

少尉「二つ」ドッ

立てこもり犯2「ウゲェッ…………」ドサッ

立てこもり犯3「グレネードだ!」ポイッ

少尉「無駄だ」ドッ

立てこもり犯3「打ち返した!?」


ドォーンッ!


立てこもり犯3「危ねぇ………ハッ!」

吸血鬼「カァッ!」ドゴッ

立てこもり犯3「………………」ドサッ

少尉「流石だな」

吸血鬼「後ろ!」

少尉「ん」


立てこもり犯4「死にやがれえぇ!」ブンッ

少尉「……………」ベキィッ

立てこもり犯4「なっ!?…………銃が!」

少尉「四つ」ドッ

立てこもり犯4「」ドサッ

少尉「残るはお前だけだ」スッ

立てこもり犯5「くっ………クソッ!」

少尉「どうしたんだ?もうお終いか?」

立てこもり犯5「へっ、RPG7だ!これを食らって無事な訳ねぇよなぁ?!」バシュウ

少尉「ふっ!」バッ



ドゴオォーン!


立てこもり犯5「やったか?」

少尉「これで重装備?違うな、これが重装備だ」バカシャッ ズドッ

立てこもり犯5「……………」ズザザザー ゴッ

吸血鬼「終わりだな」

少尉「状況終了」

大佐「流石にやりすぎだ少尉、零距離12門発射なんてよ」

中佐「内装破裂が五人、内二人は特に深刻ってとこだね」


大佐「見たところあの宗教団体でもねぇな」

少尉「テロリストもどきの出来損ない程度ですからね」

中佐「こんなのに僕達呼ばれたの?」

大佐「俺達ゃ便利屋かっつうの」

吸血鬼「おい、コイツらどうするんだ?」

大佐「ほっとけほっとけ、用は済んだから報告してとっととお暇すんぞ」

中佐「あいよ」

少尉「了解」

吸血鬼「おう」

今日はここまでです。眠過ぎて色々おかしくなってるかも…………これで基本人物は全員登場しました


次はのほほんとした話にしますかね





少尉の口調がブレまくってるので統一します



名前結構ややこしいですよねぇ………




大佐「しょ、う、い、くぅ~ん~?」

少尉「…………はい」

大佐「加減って言葉は君のメモリーの中にあるのかなぁ~?」


ピピピピピピピ


少尉「あります!だからこのC7外して下さい!」

大佐「あぁ?聞こえんなぁ~?」

大佐「この前の立てこもり事件の最後の一人さぁ~内臓グチャグチャで死にかけたんだってねぇ~」

大佐「なぁ~にが、これが重装備だ。だよゴルァ!」

少尉「本当にすいません!」



吸血鬼「こってり絞られてるな」

中佐「仕方ないような仕方なくなくないような感じだけどね」

大尉「あんなただのじけんによびだすから」

少佐「おい、役は揃ったのか?」

中佐「あ~いけるよ」

大尉「………こーる」


バッ……………


少佐「ケチなジャックのツーペア」

大尉「くらぶのすとれーと」

吸血鬼「くっ………ダイヤのスリーカード」

中佐「フォーカードで僕の勝ちだね」

少佐「だああぁぁぁっ!また負けた!」



大佐「そんなに弄くり回して欲しいのか?このM奴隷め」

少尉「本当にすいません……………」

大佐「あ、そういや~そろそろ約束の時間だな」


ピンポーン


少尉「私が出ます」

大佐「来たか」



大尉「さぁさぁ、はったはった」

少佐「丁だ!」

中佐「半で」

吸血鬼「え~っと、私も半で」


スッ…………………



大尉「にろくのはち」

吸血鬼「よしっ!」

中佐「毎度あり」

少佐「ちっくっしょおおぉぉぉ!」



少尉「お連れしました」

大佐「よぉ~政府のワンちゃん。仕事か?」

スーツ「誰が犬だ。そうだ、しかもお前好みのやつだ」

大佐「早くプリーズミー」

スーツ「今回は麻薬取引組織の暗殺だ」

大佐「へぇ~」

スーツ「全部爆破して貰って構わない」

大佐「マジでん♪」

スーツ「ああ、マジだ」



大佐「にしても全部爆破か、穏やかじゃねぇな」

スーツ「お偉方は最近不機嫌でね」

大佐「ハッ………テメェの機嫌で殺人しなきゃならねぇ方の見になりやがれってんだあの[ピザ]共が」

スーツ「全くだな」

大佐「具体的にどうすりゃいいんだ?」

スーツ「今から三時間後ぐらいにパーティが開かれる。会場に侵入して綺麗サッパリしてやってくれ、招待状や車、服などはこちらが用意する」

大佐「了解、そういった手筈のいいのは大歓迎だ」

スーツ「やり過ぎんなよ?」

大佐「誰に向かってその台詞言ってんだ?…………ってか、口調崩れてんぞ」

スーツ「おっといけない。以上で私は失礼するよ、メンバーが決まり次第こっちに来てくれ」

大佐「あいよ」

少尉「お車までお送りします」



キエテモラウゾ


吸血鬼「クソッ…………やるな」


ハロ!シールドビットテンカイ!


ナカナカドウシテ


大尉「おそいおそい」


シンダヤツハ!ダマッテシンデナキャアァ!


吸血鬼「これで逆転だ!」


シネェエェッ!


大尉「あ……………負けた」

少佐「おい、次は俺と吸血鬼だ」

中佐「懲りないねぇ」




大佐「そんな君達にお仕事の依頼だ」

中佐「どんなの?」

大佐「パーチィー会場をエクスプロージョン」

中佐「あらあら」

少佐「パーティって事はまさか…………」

大佐「メンバーは俺と中佐と少佐な」

少佐「面倒くせぇ………ドレス着なきゃなんねぇのか」

大尉「びじんだからもんだいなし」

吸血鬼「見てみたいなぁ~」

少佐「絶対に嫌だかんな、見せねぇからな」

大佐「はいはい、チャッチャとお掃除に行くぞ」

中佐「了解っと」

少佐「アイアイサー」

大尉「おるすばんはまかせてね」



ブロロロロ……………キィーッ


門番「招待状は?」

中佐「これだよ」ピラッ

門番「……………………よし、入れ」

中佐「ご苦労さん」


ブロロロロ………………




大佐「よっしゃ、潜入してタダ飯タダ酒頂くぞ」

少佐「警備甘ぇな、パチモン見せたら通しやがったぞ」

中佐「おかげで仕事が捗るから儲け物さ」

少佐「だな」

大佐「爆弾は俺と中佐で仕掛けとくからお前は適当に飲み食いしてな」

少佐「よっしゃあ!」

中佐「ボディチェックも無いからありったけ仕掛けられるね」

大佐「こうゆうデケェパーティーの酒は美味いんだぜぇ~」





中佐「プライベートなパーティーが仇になるなんてね」

大佐「招待客のみだもんな」

少佐「なら俺らは招かれざる客だな」

中佐「そうだね」

大佐「ちげぇねぇや」

中佐「僕と少佐が先に会場に入るよ」

大佐「おう、お前が少々ドジってもいけるようにしといてやるよ」

少佐「早く行こうぜ~」

スペックまとめ

大佐 27歳 アメリカ出身

一応特務課のリーダー、ボマー、タバコ嫌い、金髪の短髪、眼鏡、一人称俺


中佐 ?歳 出身?

再生するバケモノ、武器はハンマー、丸グラサンに銀髪短髪、喫煙者、一人称僕


少佐 23歳 ロシア出身

ナイフ使い、短髪、貧乳、タンクトップスーツ、口調は荒い、一人称俺


大尉 ?歳 日本

座敷童、パッツン、スーツだったり着物だったり、女好き、基本寝てる、一人称ワシ


少尉 5歳 日本出身

スーパーアンドロイド、腕をアタッチメント式で取り替えれる、長髪好青年、一人称私


吸血鬼 23歳 イギリス出身

異質なヴァンパイア、肉弾戦が得意、黒髪ロング、よく子どもに間違えられるが巨乳、色んな組織から狙われている、一人称私



今んとこ各キャラはこんな感じですかね。何か凝った設定な気もしますが




ガチャ…………ピピッ


大佐「よし、これで全部だな」

大佐「これで確実に御陀仏だ」

大佐「後は中佐の分で終わりか」

大佐「少佐の奴……暴れてねぇだろうな……………」

大佐「俺もタダ飯タダ酒頂くぜ」

大佐「~♪」



大佐「おい、こっちは済んだぞ」

中佐「分かったよ、ちょっと行ってくる」

大佐「見つかんなよ」

中佐「分かってるって」


スタスタスタ


大佐「さてさて~おっ」

係員「ワインをどうぞ」

大佐「済まんな」

係員「ごゆっくりと」



クイッ…………ゴクン


大佐「はぁ~うめぇ」

大佐「やっぱ金持ちの酒は違うねぇ~」

大佐「…………………………」

大佐「座るか…………よっこいしょ」


ドカッ


大佐「…………………」

大佐「(懐かしいな………)」



『初めまして、ご一緒しても構わない?』


『悪いが白馬に乗った王子様なら向こうだぜ?』


『あら、そんな事じゃないのパイドバイパーさん』


『なら笛吹き男に何の用だ?』


『私と似た境遇の方とお聞きしまして』


『アンタ…………ヴァルキリーか?』


『そうですわ、どうでしょう?一曲踊りません?』


『まさか女神様と踊れる何てな』




『アンタの運はどれぐらいなんだ?』


『戦場で立ってても弾に当たらなかったぐらいかしら』


『そうかい、俺は風向きとか不発弾ぐらいだな』


『……………………』


『やっぱり、自分は助かっても仲間は助からないのか?』


『………………はい』


『……………俺と同じだな』


『あなたも?』


『ああ、そうだ。だからパイドバイパー何てアダ名が付いたのさ』


『アンタのヴァルキリーも同じだろ?』


『そうですわ』


『なら俺と組むか?そうすりゃ調度いいさ』


『はい!よろしくお願いします!』




大佐「……………………………ヘヘッ」

大佐「懐かしいなぁ~畜生」

大佐「本当、何でこんなん思い出してんだかねぇ~」

大佐「………………………女傭兵」


ゴソッ…………


中佐「終わったよ、どうしたの?そんな顔して」

大佐「ん?あぁ、美味い酒だなってね」

中佐「少佐呼んでくるよ」

大佐「おう」



少佐「んだよぉ~もうちっと飲ませろよぉ~」

大佐「お前何杯飲む気だ?それ以上は目立つ」

少佐「へいへい」

中佐「僕達は先に車で出とくよ」

大佐「そんじゃあ俺様は堂々と正面から出て行きますかね」





大佐は中佐達がいなくなってしばらくして、外に出て門に向かって進んでいった



その足取りはどこか嬉しそうに軽やかで哀しそうに重い


 
「おい、招待状は?」
 

門番達がお決まりの台詞を吐きながら大佐を門の先に行かせまいとする


「招待状はこれだ」


大佐はスーツの胸ポケットから会場中に仕掛けた最新型高性能爆薬C7の起爆装置を取り出し



門番達の前でこれ見よがしにスイッチを押した



バグオオォォォン!



背にしたパーティー会場が爆音と共に炎が上がり一瞬の内に瓦礫の塊へと姿を変えた



「ヘーヘッヘッヘッヘッヘェ」


その光景を背にした大佐は起爆装置を投げ捨て、腹を抱えてゲラゲラと笑う


「お前っ!」

「おっと待ちな、気を付けた方がいいぜ?」

「はぁ?何をゴチャゴチャ言って」


爆発の衝撃で飛び散った瓦礫の破片が大佐の耳元を横切り、門番達に突き刺さった




「アガッ………!?」


門番達は爆散した瓦礫の散弾に体を抉り取られ、断末魔を喉から吐き出しながら倒れた


「爆散物に御注意下さい……………って言ってもおせぇか?」


「聞いても無駄か、ヘッヘッヘッヘェ」


大佐は笑う、ふてぶてしく笑う



大佐には爆散物は一片たりとも飛んできてはいない


これが、彼が持つ強運


吸血鬼を自分の下へ呼び込み、今まで戦場で自分を生かしたモノ


死を遠ざける力






中佐「御機嫌だねぇ~」

大佐「よく出来たのを吹っ飛ばすのは愉快痛快堪らねぇな」

少佐「綺麗じゃねぇか~見事に真っ赤に燃えてやがんぜ」

大佐「火葬の手間が省けて火葬場大助かりだな」

少佐「仕事取られて大助かりってどうゆう事だよ」

中佐「火葬が減ってもそう給料は変わらないからさ」

少佐「へぇーそうなのか」

大佐「よっしゃ、帰るぞ」

中佐「お菓子でも買って帰る?」

大佐「ポテチだな、いい子にしてる大尉と吸血鬼にな」

中佐「あいよ」



今日はここまで寝ます。


また明日



俺の文才ェ…………


とにかく最後までやります


再開



大佐「全員揃ってるな?」

大尉「おっけー」

大佐「さて、今回は久々のデカイ仕事だ」

大佐「近頃大人しかったカルト集団共が動き出しやがった」

中佐「へぇ………」

少佐「ヒャハッ」

大佐「奴らは軍基地を奇襲、及び制圧した、聖戦だが何だの言いながらな」

大佐「今は100名に減ったがよくやる方だ」

大佐「そこで、俺等の任務は突入して制圧する事だ。殺そうが何しようが構わん」

大佐「準備は怠るな、情け容赦はいらねぇ以上だ」

中佐「大尉はお留守番だね」

大尉「まかせろ」

大佐「頼んだ」



吸血鬼「…………………」

中佐「生きる為以外で人を[ピーーー]のは苦手かい?」

吸血鬼「食事として頂くから大丈夫だ」

中佐「あ、そうなの」

吸血鬼「今日の大佐は何か違ったような」

中佐「あれは間違いなく不機嫌だね」

吸血鬼「何でだ?」

中佐「さぁ?本人にでも聞いてみなよ」



少尉「車の用意してきます」

大佐「おう」

少佐「とっとと行こうぜ」

大佐「待て、俺達は奇襲する。だから行くのは夜だ」

少佐「夜かぁ………殺すにはピッタシだな」

大佐「ああ、皆殺しだ」

中佐「あんまり怖い顔してると吸血鬼がビビっちゃうよ?」

大佐「アイツはいけんのか?」

中佐「食事として頂く………だってさ」

大佐「…………上等」



バタン


少尉「準備出来ました」

大佐「お前の方は?」

少尉「ビークルウェポンを使います」

大佐「そうか」

吸血鬼「私もいけるぞ」

大佐「留守番頼んだぞ」

大尉「おうよ」

大佐「行くぞ、野郎共」


少佐「行くのは夜じゃねぇのか?」

大佐「今から行けば調度いいだろ」

少佐「へーい」

中佐「タバコ吸っちゃダメ?」

少尉「ダメです。回路がやられますから」

中佐「じゃあ寝る」

少尉「それは問題ありません」

吸血鬼「久々の生き血か………………」

中佐「グールとかはやめて欲しいね」

吸血鬼「そんな事する気はさらさら無い」

中佐「そうならいいけど」





教祖「我等は選ばれし神の子!これは聖戦である!先の戦いで散った同胞の為にも我等は!異教徒共に神の鉄槌を食らわせるのだ!」

教祖「さぁ!銃を手に取り、剣を構えろ!我等には神が、偉大なる神の御加護がある!畏れるな!」

教祖「祈りを!我等が神に祈りを!」

教祖「おぉ神よ!どうか私達を御導き下さい!」







キキィー……………バタン



大佐「ここか」

少佐「こりゃあひでぇな」あっちゃもこっちゃもすぐそこまでも死体だらけだな

中佐「………………」シュボ

吸血鬼「………………………」

少尉「変形します」

少尉「システムチェンジ!」

吸血鬼「おぉ……」



ガコンガコンカシャカシャカシャバクン……プシュー



少尉「変形終了」ズン…

吸血鬼「だから狭かったのか」

中佐「そりゃあ、100mmカノンなんてもの弾倉ごと積み込んだらね」



訂正

少佐「こりゃあひでぇな」あっちゃもこっちゃもすぐそこも死体だらけだな
  ↓
少佐「こりゃあひでぇな、あっちゃもこっちゃもすぐそこも死体だらけだな」



吸血鬼「大佐、武器は?」

大佐「おれはコレだ」スッ

吸血鬼「………………これが?」

大佐「ビー玉よりデカイぐらいだが下手に触んなよ、腕と肋骨が軽く吹っ飛ぶ代物だぞ?」

吸血鬼「……………はい」

中佐「行こうか」スパー

大佐「俺が門を吹っ飛ばす、少尉が単独で先行して電気系統と戦車とかを潰せ」

少尉「了解」

大佐「残りは………喰い[ピーーー]なり切り刻むなり撲殺なり好きに暴れろ」

少佐「了解ぃ」ニタァ

中佐「了解」ポトッ……グリッ

吸血鬼「了解した」

すまん、
saga
だけでいい
sagE じゃなくて sagA な


>>119

ありがとうございます。以後気をつけます



「行くぜ」


大佐は開けっ広げにしたスーツから野球ボールサイズの爆弾を取り出した


「ハアァッ!」


大きく振りかぶり、渾身の力で投げた爆弾は門にぶつかり爆発した

さっきまで見えていた鋼鉄の扉も見張りも全部吹き飛んだ


「Move!」


大佐は指を付き出し命令を下した


「行きます!」


爆炎に向かって5mの大きさになった少尉が足のタイヤで火花を散らせ、金属が削れる音を立てながら消えていった


「ヒャハハハハッ!」

「…………………………」

「シャアァァ……」


少尉に続き少佐、中佐、吸血鬼と爆炎に向かって駆けて行った



「……………………」


一人遅れて敷地内に侵入した大佐は歩きながら辺りを見回す


「ううっ……誰か……………」


門から5m程歩いた所にさっきの爆弾で吹き飛んだと思われる修道士がいた

武装はしている。だが体は爆散物でズタズタだ


「あぁ……神よ………御救いください」

「………………」

修道士は胸のロザリオを握り締め、ズタズタの腕でゆっくりと自分の胸に十字架をきった



大佐は無言で修道士の近くに歩み寄った


「救護班…ですか?………無駄ですよ…………私はもう………………」

「ああ…知ってる」

「楽に……してください…………お願いします」


とても申し訳無い様な言い方で頼んでくる

目も開けていられない程に弱っているのだろうか。自分をこんな風にした相手に殺してくれなどと


「………………眠れ」


大佐は今までこんな風になった人間を戦場で五万と見てきた。それも全て味方で

胸元から素早くリボルバーを取り出し、修道士の額に向けてトリガーを引いた



「…………………スマン」


大佐は立ち上がり進み出した

撃ち殺した修道士は最後に笑顔でありがとうと言った。自分はそんな事を言われる様な人間ではない

安らかな顔で眠る修道士の両手は合わせられ、手にはロザリオをしっかりと握らせた

それが今の自分に出来る精一杯だ


コンクリートの地面を一歩一歩進む

前方から閃光と爆炎が上がった


「やれ、破壊しろ」




基地の裏側で戦闘が始まった

少尉は両足のタイヤを使い、5mもある巨体で必要最低限の動きで滑る様に動きまわり、前進し続ける

両腕の100mmカノン砲に予めセットしておいた焼夷榴弾をそこら中にばら撒き破壊していく

狙いはほとんど付けてはいない。それでも誰かには弾が当たる、誰かには爆炎が当たる


足の摩擦音がマシに聞こえる程の悲鳴が鳴り出した


「むっ……目標物発見、破壊します」


焼夷榴弾をばら撒きながら、抵抗する人間が作ったバリケードを蹴破り、人間を蹴散らし、送電施設を発見した


「第一目標クリア、以降は破壊へと作戦を移行する」


送電施設に焼夷榴弾を叩き込み、送電施設を破壊した。調度弾切れを起こしたので腰に付けた予備マガジンを取り出しリロードした



少尉は動き出した。今度は違う、反撃に出てきた戦車をこちらを狙う前に踏み潰す、操縦席に腕を捻じ込み、炸裂鉄鋼弾をお見舞いする

通用しないアサルトライフルやロケットランチャーなどで勇敢にも立ち向かってくる人間を確実に撃ち殺す

恐慌状態に陥った人間にも容赦なく銃口を向ける

建物に腕を突っ込み柱を力任せに引き抜き放り投げる

ヘリコプターを紙の様に引き千切る

健気にも特攻してきた車をボールの様に蹴飛ばす

戦車を武器にして逃げ込んだ建物ごと人間達を虫の様に叩き潰す


「破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ 破壊せよ」


呪文の様に同じ言葉を唱えながらこの地獄を闊歩し、蹂躙していく

その姿はまるで黒いバケモノだ



「おっ、少尉がやったようだね」


建物中の電気が落ちた


顔に付いた返り血を拭こうともせず、手に持ったハンマーには血を滴らせながら中佐は立ち上がった

足下には武装した修道士や民間人の信仰者が頭蓋骨を抉られたり、ポッカリと陥没させられたりして倒れていた


「あ~あ、サングラスが」


サングラスを外してスーツの裾で拭く


「いたぞ!侵入者だ!」


誰かの声と五人の足音



音の方向は自分のいる廊下の向こう。修道士や信仰者達がアサルトライフルこちらに構えて立っている

サングラスの下の鋭い目が月明かりだけの廊下の向こうにいる五人を捉えた


「命は大事にしなくちゃいけないよ」


サングラスを掛け直し、誰に言ったのかは分からないが諭す様に言い、走り出した


「撃てぇ!」


馬鹿めが……と心の中で嘲笑い、アサルトライフルを走ってくる男に向けて撃ちまくる

大量の弾丸が中佐の体に突き刺さる

だが、走る速度は変わらない、足は動き続ける、こちらに向かって一直線に走ってくる


「グッ…グレネードを使え!」


ピンを抜き、走ってくる男に向かって投げ付ける

グレネードが男の足下で爆発した

爆煙が上がり、焦げる匂いがした


「何だったんだ………バケモノか……………」


撃たれても倒れないバケモノ、そんな非常識を目の当たりにした修道士は安堵で胸を撫で下ろした


煙の中からあの男が飛び出してきた


「そう………バケモノさ」


クローハンマーの釘抜きを修道士のこめかみへと突き刺した


「グエッ…………」


一瞬で、一撃で仕留めた

肉は抉れ、血が噴き出し、突き刺さる感触が手に伝う

動かなくなった修道士を隣の民間人へと投げ付ける


「うっ………うわあぁぁ!」


こんな事をするまで人が殺されるのを間近で見た事がなかったのだろう

投げ付けられた修道士を慌てて払い除けた


「……………………」


払い除けた瞬間に釘打ちで頭を殴りつける

骨が砕ける音がした

声も出さずに倒れた

ほんの一瞬でただの肉の塊になった


「バッ……バケモノがあぁぁぁ!!!」


残り三人が撃ってきた。今頃怖いなら初めからこんな事をしなければ良かったのに

銃弾など意に介さずに目の前の民間人の顔を掴み、後ろの民間人へと投げ付ける。二人が壁に叩きつけられる

そこに左手の拳と右手のクローハンマーで交互に殴り付ける

二人がみるみる内に一人になっていく

生暖かい返り血が顔を濡らし、顎へと伝い、水滴となって落ちる


「死ねぇ!死ねッ!バケモノオオォォォッ!」


最後の一人が胸の十字架を男の頭に突き立てた

ゆっくりと一人の方へと振り向く


「……………………」


その次には釘抜きを最後の一人の頭に突き刺した


頭に釘抜きが刺さり、持ち上げられる、体を痙攣させ、助けてくれと言わんばかりに腕をこちらに伸ばしてくる

さらに力を込めて抉った

今度こそ動かなくなった


「……………正真正銘のね」


自分が眈々と殺し、足下に転がった四人に言った



こんな風に殺しても自分は何も感じない

これじゃあ、まるで僕はバケモノじゃないか

そうだ、僕はバケモノだった

バケモノだから、殺した後からくる後悔も慈悲の心も人を[ピーーー]時の躊躇も殺した後の罪悪感も殺される恐怖も戦う喜びも助けを乞う人の気持ちも相手の殺意も何も感じない

そんな事は分からない

心は今ここにはない

サングラスの濡れた返り血を拭き取る


「……バケモノも楽でいいねぇ~」


サングラスを掛け直し、男は暗い廊下を歩き出した





こんな風に殺しても自分は何も感じない

これじゃあまるで僕はバケモノじゃないか

そうだ、僕はバケモノだった

バケモノだから、殺した後からくる後悔も慈悲の心も殺す時の躊躇も殺した後の罪悪感も殺される恐怖も戦う喜びも助けを乞う人の気持ちも相手の殺意も何も感じない

そんな事は分からない

心は今ここにはない

サングラスの濡れた返り血を拭き取る


「………バケモノは楽でいいねぇ~」


サングラスを掛け直し、男は薄暗い廊下を歩き始めた



薄暗い廊下で火花が散り、甲高い金属どうしの摩擦音が鳴り響く

摩擦音を奏でるナイフは月明かりに照らされても血糊がベットリと付いるのがハッキリと分かった。もう何人殺したのか、切ったのか、切り刻んだのかは分からない


「She gives and she takes~♪」


死体の山の上に少佐は腰を降ろし、ナイフを擦り合わせ、音楽を奏でて歌っていた


「ヒャハハハハッ!いいねぇ~やっぱ最高だねぇ~もうちっとだけスリルが欲しいけどなぁ~?」


少佐の頬が歪み上げられ、ねっとりと笑う

死体の上から飛び降りて、見上げた先に敵を見つけた


「ヒャッハッ♪ようこそ♪」


二つのナイフを喉元にワザと当て舌を出し、戯けて見せて相手を挑発する



敵の手元が光る、少佐は走り出す

弾丸がこちらを狙って飛んでくる



そう、これだ

生きるか死ぬかのギリギリの境界線

ここが堪らなく大好きだ

まるで幼き日の戦場のような

死神が自分を見つめ、隙あらば自分の目の前に現れ、俺の命のを刈り取ろうとする

畏れを見せれば殺される

そして俺の耳元でこう囁く

死にたくなければ殺せ、畏れる前に殺せ、殺される前に殺せ、殺して殺して殺した挙句に生き残れと





恐らくここは最も軍とカルト集団達との戦闘が激しかった激戦区だったのだろう。一般人と軍人の死体はそこら中に転がり、流れた血で地面が真っ赤に染め上げられ、誰のだったのかも分からない血塗れの手足が散乱し、薬莢が散らばり、火炎瓶でも使ったのか所々がまだ燃えている。血と肉の焦げる匂いが充満するこの場所に大佐はいた


「……………………………………」


誰も彼もが目を開けたまんまで死んでいる。下半身の無い奴もいる、焼けてしまって誰かも分からない奴もいる、全身に弾丸を浴びて身体中が穴だらけの奴もいる、十字架を握り締めて死んでいる奴もいる、傷口を抑えて死んでいる奴もいる、俯せで手を伸ばして死んでいる奴もいる、首から下が見当たらない奴もいる、どいつもこいつも服が真っ赤でペチャクチャ喋ってもいないし元気良く走り回ったりもせずに黙って死んでいる

そんな中で周りを見渡せば誰かと目が合ってしまう



違う、お前みたいな目の奴を探しているんじゃない。俺が探しているのはアイツなんだ




「!……………………」


足下に倒れる一人の軍人の死体の隣に座り込む。ほとんどの死体が目を開けているのにこの軍人は笑って死んでいる


「ヘッ……まさかこんな形で再会する何てな、伍長…………って今は准尉だったか」

「どうよ?いい女の三人や四人出来たか?」

「ああ?悪ぃ悪ぃそんな怒んなって、お前はそんな俺みたいな真似の出来るような男じゃなかったな」


大佐は子供っぽく笑った


「そうだよなぁ?クソ馬鹿真面目お人好しすっとんきょ准尉さんよぉ」


少しふざけた挨拶、だが相手からの応答は沈黙


「お前さ、意外とタバコ吸ってたよな」

「一本貰うぜ」


准尉の胸元を漁り、血で濡れたタバコとお気に入りのジッポーを取り出し、一本咥えて火を付ける


「ゲホッゲホッ……」


普段全くタバコを吸わない大佐は煙を吸ってむせてしまった


「こんなのがいいのか?…………………やっぱ俺には分かんねぇよ」


無理矢理吸い込んだ煙をどこか遠くへ吐き出す




二人が初めて会ったのは7年前、大佐はこの基地からオファーを受けて雇い入れられた時だ。この基地には個性的で様々な軍人がいた、中でも特にこの准尉は特に個性的な人間だった。一人だけタバコを吸いながら偉く真面目に長い自己紹介をしたのはこの准尉だけだった。話し方から予想した通りの絵に書いた様に真面目で人一倍正義感溢れる人柄だった、大雑把な大佐は色々注意されてばっかりだった。だが話してみると意外と馬が合い、二人は意気投合して親友となった

競争はしょっちゅう、喧嘩もそこそこ、ホモ疑惑が出たり、気に食わない奴をブン殴ったり、タバコを勧められたり、任務に出たり、飲みに行ったりもした。そんな契約の一年間の間に真逆の二人は色んな話をした、好きな食べ物やどんな女がいい、好きな映画、尊敬する人物、タバコの良さ、死ぬかと思った時の話、奇跡の話、この前見つけた女の話、美味い酒の話、世話になった人の話、アホな失敗談、死なせた仲間の話、家族の話からくだらない話から腹がよじれる話までその他諸々を話し合った。そんな中の一番は自分が軍人になった理由、大佐は軍人だったが特にこだわりとかがあって軍に入った訳ではなかった。それに比べて准尉はただ家族や大切な人達を守りたいからだと真っ直ぐな瞳で力強く言ってきたのを大佐は覚えている。今のこの世界戦争もクソもなく小競り合いばっかりのこの時代に何を言ってるんだと腹の底から思いっきり笑ってやった



そんな昔を思い出しながら慣れないタバコを見よう見真似でふかす



「そういやお前さ「誰かを守る為に命を懸けてもいい」とか言ってたな、このアホたれが 」

「どうすんだよオイ、死んじまったら元も子もねーじゃねーか」

「そうだろ、だってそーだろ?いつもみてーなツラしておっ死んじまってよー」

「確か親孝行するとかも言ってたよーな気がするんだけどなぁ??堅物准尉くぅ?ん?」

「………………………………」

「……笑ってねぇでよ……………」

「何とか………言えよ…………ッ!」


大佐は俯き、声が震える。握った拳で地面を殴りつけ、歯ぎしりをして怒りを露わにする

どんなにふざけても、からかって話かけようが准尉は黙って横たわり、大佐の前で子供みたいな顔をして笑っている。いつもニコニコして色んな人に笑っていた准尉だが笑う時はこんな顔だった



二人の間に長い長い沈黙が訪れる

聞こえるのは何かが燃える音だけ

生温く湿った風が二人を撫でた

加えたタバコの灰が落ちる

目を閉じてもう一度開く

震える拳を開いて戻す

眼鏡を外して顔から髪まで撫で上げる

眼鏡についた汚れを拭いて掛け直す


「はぁ??????」


長過ぎた沈黙を消す為に大佐は大きな溜め息と一緒に煙を吐き出した

最後の一本のタバコを取り出して准尉の口に咥えさせてジッポーで火を付ける


「そーかいそーかい、そっちがその気ならこっちも好きにするぜ」


再び准尉の胸元を漁る。何かが手に当たった、知ってる限りではこんな手当たりする物を准尉は持っていなかった


「何だこりゃ?」


取り出してみるとそれは銀色で一切飾りの付いていないごく普通のペンダントだった


「お前ペンダントなんか持って…………!」


ペンダントを開いてみた。開いた左側には准尉の家族全員が写っていた。その反対側には大佐の知らない一人の女性が優しく笑って写っていた


「このスケコマシが、お前いつの間に女なんてつくりやがったんだ?しかもお前の理想の女そのものじゃねぇかコンチクショウめ」


冷たくなった肩を軽く叩いて冷やかす


「二週間前の昇進祝いの時に教えてくれても良かったじゃねぇのよ?冷たいなぁ?」

「結婚とかしちゃうの?どうなのよ?You 言っちゃいなよ」

「ヘッヘッヘェ?そんな事恥ずかしくて言えねぇかぁ~」


大佐は軽く笑いながら言った


「そういやお前さ「誰かを守る為に命を懸けてもいい」とか言ってたな、このアホたれが 」

「どうすんだよオイ、死んじまったら元も子もねーじゃねーか」

「そうだろ、だってそーだろ?いつもみてーなツラしておっ死んじまってよー」

「確か親孝行するとかも言ってたよーな気がするんだけどなぁ~?堅物准尉くぅ~ん?」

「………………………………」

「……笑ってねぇでよ……………」

「何とか………言えよ…………ッ!」


大佐は俯き、声が震える。握った拳で地面を殴りつけ、歯ぎしりをして怒りを露わにする

どんなにふざけても、からかって話かけようが准尉は黙って横たわり、大佐の前で子供みたいな顔をして笑っている。いつもニコニコして色んな人に笑っていた准尉だが笑う時はこんな顔だった



二人の間に長い長い沈黙が訪れる

聞こえるのは何かが燃える音だけ

生温く湿った風が二人を撫でた

加えたタバコの灰が落ちる

目を閉じてもう一度開く

震える拳を開いて戻す

眼鏡を外して顔から髪まで撫で上げる

眼鏡についた汚れを拭いて掛け直す


「はぁ~~~~~~」


長過ぎた沈黙を消す為に大佐は大きな溜め息と一緒に煙を吐き出した

最後の一本のタバコを取り出して准尉の口に咥えさせてジッポーで火を付ける


「そーかいそーかい、そっちがその気ならこっちも好きにするぜ」


再び准尉の胸元を漁る。何かが手に当たった、知ってる限りではこんな手当たりする物を准尉は持っていなかった


「何だこりゃ?」


取り出してみるとそれは銀色で一切飾りの付いていないごく普通のペンダントだった


「お前ペンダントなんか持って…………!」


ペンダントを開いてみた。開いた左側には准尉の家族全員が写っていた。その反対側には大佐の知らない一人の女性が優しく笑って写っていた


「このスケコマシが、お前いつの間に女なんてつくりやがったんだ?しかもお前の理想の女そのものじゃねぇかコンチクショウめ」


冷たくなった肩を軽く叩いて冷やかす


「二週間前の昇進祝いの時に教えてくれても良かったじゃねぇのよ~冷たいなぁ~」

「結婚とかしちゃうの?どうなのよ?You 言っちゃいなよ」

「ヘッヘッヘェ~そんな事恥ずかしくて言えねぇかぁ~」


大佐は軽く笑いながら言った



「…………………………全くよ、お前は7年前のあの日から変わんねぇな、本っ当たまーに面倒事起こすよな」


手に持ったペンダントを閉じ合わせる


「……え?迷惑掛けて済まないって?ああ、そんなもん任せとけっての」


咥えさせたタバコの灰を落として咥え直させる


「俺に出来なかった事あったか?最高にカッチョ良くて最高に勇気があってみんな憧れの的のこの最強の傭兵さんによぉ?」


ペンダントを准尉の冷たい右手にしっかりと握らせ、左手を合わせて胸元に置いてやる。冷たい両手を離す手が名残惜しそうにゆっくりと離れた


「ヘッ……Oh It's No Problem、俺とお前の仲じゃねぇか遠慮なんざいらねぇよ」


准尉の首に掛けているドッグタグを丁寧に外して自分の胸ポケットにしまう


「その美人な嫁さんに伝えたい事があるんだろ?俺がちゃんと言っといてやんよ」


准尉の笑った顔を見つめてニヤリと笑う


「先に逝っててくれ、俺もクソジジイになってから会いに行くからよ」


大佐は立ち上がった


「……………さて、そろそろ行くわ」


振り返って歩き出した



「あの世で俺にいい酒奢ってくれよ、必ず愉快痛快爆笑必須な土産話を持ってってやるからさ」

「…………See you again my friend」


後ろは決して振り向かず、進み続けて親友との別れを告げた。歩き出した大佐の頬に涙が流れる、手を振りながら早々と立ち去る。最初から最後まで今までよく親友の前で見せた強がり格好付けだ。でも、頬を伝う涙を親友の前では見せないのは大佐の最後の意地っ張りだ

いや、そんな事は親友の前では全部お見通しなのかもしれない。もしかすると最後ではなく彼の魂はドッグタグと一緒について来てるのかもしれない。大佐の背中を守るたくさんの戦友達の仲間入りをしているのかもしれない。誇り高き准尉の魂は彼と共に今も歩んでいるのかもしれない



不思議な事に笑って眠る准尉の顔は家から家族を送り出すようなとても安らかなものに見えた



頬を伝って顎まで流れた涙が地面に落ちた


「ゲホッゲホッ……やっぱ俺、タバコ無理だわ」


誰から見ても分かる。別れを惜しむ自分を誤魔化す為にわざとむせたフリをしたのが



くだらねぇな……全くもってくだらねぇ、喜劇にもなりゃしねぇ、面白くねぇんだよこんなのよ



咥えたタバコを口から離し、目の前で思いっきり握り潰して投げ捨てる

大佐の瞳に涙はない。あるのは殺意に溢れた人殺しの眼だ



orz


書き貯めしたダラダラと無駄に長い地の文書いたクセして投稿ミスしました。申し訳ございません



宗教的思想がちょっと難しいのとこの制圧戦を終わらせるので次の投稿は二日、三日かそれ以上先になると思います

読んで頂きありがとうございますm(_ _)m



軍事基地の大広間、並べられた椅子、その一番奥の中央には大きな十字架を高く掲げ上げ、人々は椅子にキッチリと座り、身を寄せ合って祈っていた


「おい、どうなってるんだ…………」


「あの人がまだ帰ってきてないのに」


「侵入者はどうなったんだ?」

「分からない、出てった奴らまだ帰ってきてない」


「お願い………無事で帰ってきて」


「次は俺が行くぞ」


「冗談じゃない。こんな所で[ピーーー]るか」


「軍用食料っておいしくないのね」

「え、マジで?」


「………我等を御救い下さい」


人々は侵入者が来た事は門の爆発音で分かっていた。だが、迎撃に出て行った人達が帰ってこない。その安否を尋ねようにも答えてくれる人物はいない。外は不気味な程にほとんど無音でどんな部隊が、どれぐらいの人数で、どんな武器を持っているのか、自分達は殺されるのか、それとも逮捕されるだけなのか、それが分からない

それゆえにお互い身を寄せ合い、口々に話し合い予想したり、迎撃に出て行った思い人を想い、戦う用意をしたり、くだらない話や神へ祈りを捧げる事で気を紛らわせる


すいません。またやりました



「大丈夫です、皆さん!」


人々の不安や恐怖を遮る為に教祖は大きな声を出し、自分に注目を向けさせた


「貴方達は神を崇める善良な方々です。そんな人達を私達の神が御救い為さらない筈はありません!」

「私達の為に外の侵入者を迎撃に出て行った方々も神の御加護があってきっと無事です!」

「そう!私達の側には神がいらっしゃるのです!そして、いつも我等を守ってくださる!」

「侵入者など、私達の様な聖職者の前に立とうにも恐れ多くて出来ないでしょう!銃を向け、殺す事など出来る筈がありません!」

「さぁ皆さん!神にお祈りを!」

「神は我等と共にあり!我等は神と共にあり!」


まさに狂信者だ、それ以外にこの教祖を表現する事は不可能であろう。馬鹿も休み休み言え、何処からそんな事を言える根拠と自信があるのかを問い糾されたとしても間違いだと言い切れない。神を信じ込み過ぎて現実離れし過ぎた事しか言っていない

いや、信じる者は救われるのだろう

神を信じる善良な人達はその言葉を信じ神へと祈りを捧げる。教祖の言葉を信じて、自分達が助かるようにと祈る。それぞれ腰や膝元に銃やナイフを持って、どんな神かも分からぬ教祖のおとぎ話を信じて




人々が祈りを捧げる為に沈黙した



広間の一番奥の扉が爆発した


「何だ!?」

「どぉ?もぉ?」

「!」


煙から大佐が両手をスボンのポケットに突っ込んでガニ股で歩いてきた


「初めまして、私(わたくし)、天使から使わされた。笛吹きでございます」


少し歩いてピタッと止まり、ニッコリと笑い、やたらと丁寧な御辞儀をした

突然扉を爆破して現れた大佐の存在に祈っていた人達は戸惑う。笛吹きなどと名乗り、手でピンポン球より少し小さい謎の黒い球を弄び、綺麗な御辞儀をするこの謎の人物に


「聖なるミサはここで開かれておるのでしょうか?」

「そうですよ、貴方も神に祈りを捧げに来たのですか?」


御辞儀を終えて大佐はゆっくりと体を起こす。ニコニコと笑って教祖に尋ねた

突然の事態に戸惑う事もなく教祖は突如現れた冗談の上手い、人当たりの良さそうな、ニコニコ笑う大佐を大らかに迎える

その横で修道士二人が大佐が何をしても射殺するために銃を構える


「いえ、私はここに唄いに来ました」

「何をですか?」

「テメェにそんな事聞く権利があると思ってんのか?ゴミムシの分際でよ」


大佐は先程までの笑顔とは打って変わって無表情で眼をギラつかせて威圧感を放つ


「教祖様に何て口振りを!」

「貴様!邪教徒か!」


修道士二人が狙いを定めてトリガーに指を掛ける。自分が来た時から気付かれないように構えていたつもりだったのだろうが大佐はしっかりと見ていた。袖からもう一つの爆薬を素早く取り出して、熱心な修道士二人の胸元に向けて放り投げる

銃声とは違った乾いた音が二つ

二つの首が宙を舞い、血を撒き散らして床を転がる。修道士達の首は吹き飛び、体は爆発で弾き飛ばされ、胸は抉れて爛れ、骨や肺などが丸見えだ


「……………え?」


あまりの速さに教祖は何が起きたのかを理解できなかった。自分の横を黒い球が通り過ぎた事すら認識できず、大佐が突然動いた事しか認識していなかった。後ろを振り向いて何を起きたのかやっと理解した



「きゃあぁぁああ!」

「一体何を!」

「ひいィィッ…………」


首のない修道士二人が倒れた音で祈っていた人々も何が起きたのかを理解した


「何て惨い事を為さるのですか?!」

「どの口がそれを言ってんだ?」


教祖が声を荒げて怒りを大佐へとむける。大佐は向けられた怒りを気にもせず眈々と軽蔑を叩きつけた


「テメェらからすれば今更何人……いや、何十人、何百人、何千人、何万人殺そうが変わらんだろ?」

「悪魔です!貴方は!」

「外道の天使から使わされたんだよゴミムシの親玉が、ギャーギャー喚くな、叫ぶな、やかましいんだよ」


売り言葉に買い言葉で叫ぶ教祖を無理矢理黙らせる



「可哀想な人ですね……神の愛を知らないのですね」

「俺がそうなら、テメェは常識も知らねぇクズか」

「大丈夫ですよ、貴方の様な方にも神は救いの手を差し伸べてくれるのです」


教祖は哀れみと共に大佐へと十字架を巻き付けた手を差し伸べた


「残念だが、俺の神はもうここにいるんだよ、勝利の女神がな」


大佐は差し伸べられた手とは反対の手で自分の左胸を指差した


「立ち去れ!」

「異教徒めが!」

「私達の邪魔をするな!」

「人殺しィッ!!」

「そうだッこの人殺しがッ!!」

「悪魔!!」

「帰れ!!」

「帰れェ!!!」


人々が立ち上がり口々に大佐を罵る。罵声が大きくなり、恐ろしい程一体感を増しながら大佐へと向けられていく
。その言葉達が一つの大きなうねりとなって一人の異論ある人間を押し流す。

押し流される、勢いが違う。数にモノを言わせて一人を責めれば必ず勝てるのだから



その罵声の大声援の中で大佐は一つのビー玉サイズの爆弾を上に投げ爆発させた

先程までの罵声の嵐が通り過ぎたかに思える程に静かになった。たかが爆弾の一発で誰も言葉を発せず、ただ黙って大佐を見つめる


「やかましいッ!人殺しのテメェらが今頃コレか?!」

「……………ゴミムシ共がよく聞け、いっぺん銃やら剣やらナイフやらを持って戦いをを始めりゃあな、殺したり殺されたり死なせたり死んだりするんだよ」

「人を殺す、殺し合いを始めるってのはそういった決まり事諸々を頭ん中にブチ込んでから殺るのが決まりなんだよ、いや殺し合いに限った話じゃねぇ」

「それがテメェらと来たらどうだ?好き好んでこんな事をやりやがる、敵を力でねじ伏せる度胸もねぇ、人殺しを聖戦だとか抜かしやがる。殺す覚悟も、殺される覚悟も持たずにドンパチ始めやがった」

「自分達の幸せを手に入れる為だぁ?歴史に名を残したレジスタンス気取りかぁ?一体どこの喜劇だ?こんなもん、全くもって面白くねぇ、笑えねぇ、最っ高にくだらねぇ、潰すしかねぇな」

「殺されるのが今更怖ぇならそんなもん手に取らなかったらよかったんだよ、家で黙って祈ってりゃあよかったんだよ」

「そんなもん手に取らなくても話し合えばどうにかなるもんじゃなかったのか?そうすれば、ここまでお互いに犠牲者を出さなくて済んだんじゃねぇのか?」

「そんな事も考えようともしねぇでただ神の裁きだのなんだの抜かすのなら最後までソレをしろ!今更ビビるなッ!殺るか殺られるかハッキリしろッ!!」

「俺はそうする!いや、そうしてやる!!今からテメェらゴミムシ共を一片残さず吹っ飛ばしてブチ殺してやるッ!!それが嫌なら腹を括れッ!!銃を手に取り!ナイフを握れ!多勢に無勢でかかって来い!!!さぁ来いッ!来やがれッ!!俺をブチ殺しに来いッ!!!」


さらにもう一発、巨大な爆弾が爆発した。大佐の稲妻の様な怒号とたった一人の人間が身体中から発するおぞましさで思わず気押される程の憤怒、今まで数多くの人を殺して来た覚悟がこのフロアにいる全員の罵声を吹き飛ばした




「ハァ………ハァ……………」



誰も何も言わない。何を言うにも言えない。言おうにも自分達にそれが出来るのかどうかが分からない


「……………………………………貴方は何故そんなにも怒っているのですか?」


誰も彼もが黙り込んで、何も言えずに狼狽える。そんな中でただ一人、口を開いたのは教祖だった


「あ"あ"?」

「何に対してそんなにも怒っているのですか?」

「…………納得いかねぇんだよ」

「納得?」


大佐は胸元から准尉のドックタグを取り出して教祖に向けて突き付けた


「コイツを知ってるか?お前らのお仲間が殺した奴だ」

「…………………いえ……知りません……………」


こうとしか言いようがない。教祖にはそのドックタグに刻まれた名の人物がどんな人間だったかを知らない


「俺の言いてぇ事が分かるよな?」

「いえ……………………」

「死ぬべきクソみてぇな奴が死ななくて、死ぬべきじゃねぇいい奴が殺された事が!俺は納得いかねぇんだよッ!」

「ヒッ…………」


凄まじい殺意が容赦無く教祖を襲った。その殺意の眼に睨まれて思わず後ずさる、殺意に押されて怯え、身が竦む、今の教祖の姿はまさに捕食者に睨まれた被捕食者だ



「………………!」


大佐が何かに気付いた。辺りを見回し、聞き耳を立て、何かを感じとった


「ヘッ………………ヘ~ヘッヘッヘッヘッヘェ~!」


大佐は体を勢いよく仰け反らせ、眼を見開き、手を大きく広げ、声高々に笑い初めた

その突然の奇行の理由を教祖や人々は理解出来ず、ただそれを黙って見守る



黙った人々の右側のドアが両方とも吹っ飛んだ




「ウうウウうウゥぅゥッ……………!」


赤黒く染まった髪に赤黒く染まったスーツを来て、顔は血で染まり、瞳は奈落の底の様な黒、眼は烈火の如く燃え盛る紅、鋭く伸びた牙で迎撃に来た人間の首に噛み付いて口に咥えている


「あウぅゥッ!………………カあアアアああアあああアアあアァぁぁァァぁぁァァぁぁァ!!!!!」


咥えた人間の首を噛み千切り、足元に落ちた頭を踏み潰して、全身の身の毛のよだつバケモノの叫びを上げる

その咆哮がこの空間を揺らす



今度は反対側のドアが片方だけ吹っ飛んだ





「んん?ビンゴォ!さぁ~てっと、どんな風に切り刻んでやろうかしらぁ~ん♪」


真っ赤に染まった金色の髪、真っ赤に染まった白いシャツ、赤黒いスーツ、子供の様に輝く眼がネットリと人々を見渡し、手元に持ったナイフ血糊で刃を深紅に染め上げている


「やっぱオーディエンスは多い越した事はないわぁ~刻み放題だわぁ~♪」


手に逆さに持ったナイフにベットリと付いた血糊を撫でるようにゆっくりと舐め上げる。口元を歪み上げ、見た者がまるで冷たいナイフが背筋を昇る、そんな恐怖と悪寒を感じる程に不気味に笑う




「待ちな!」


大佐は手を二人の方へ突き出した



「クッ………!」

「御預けなんてい~や~だ~」


今にも人々を殺しにかからんとしていた吸血鬼と少佐が止まった。幸い二人にまだ理性は残っているらしい


「レディース and ジェントルメン」

「このステージに十分過ぎる役者が揃った」

「少しの余興を得て幕は挙がる」

「さて、このステージでテメェらが唄うのは一体何か」

「Phapsodia?Balladia?Canon?Sinfonia?Waltz?Drama?Rondo?Requiem?いや、どれもハズレだ」

「テメェらが唄うのはHallelujahだ、それも、とびっきりの悲鳴でな」

「さぁ唄え!ゴミムシ共!!ブチ殺される前に生きてる事を讃美しなッ!!」


大佐はスーツに仕込んでおいたピンポン球サイズの爆薬を一瞬で全ての指の間に二つずつセットして、これ見よがしに人々や教祖に見せつけてニヤリと笑う


「Rock'nRoll!!!」


大佐は手に持った爆薬を教祖を除く身を寄せ合う残り34名に向けて投げ付けた

爆薬が八個同時に人々の真ん中で爆発する。爆発の規模は一個の時とは違い格段に大きくなり、10人以上の体がまとめて吹き飛んだ


「アァァァァアアッ!」

「ギャアアァァァァ!!」

「うわあぁぁぁ!」


爆風と衝撃で人々から悲鳴が上がる。血が爆散し、臓器が宙を舞い、骨が砕け散り、死体が倒れて、しどろもどろのまま人々は怯えながら銃を構えて戦闘が始まる


「教祖はまだ殺すな!他は殺れッ!!」

「ヒャッハッ!」

「がアアあァぁァァぁッ!」


御預けをくらっていた少佐と吸血鬼が指示を受けて動き出す





吸血鬼はまず一番手前の人間に狙いを定めた


「くっ来るな!来るなぁ!バケモノオォ!!」


一斉射撃で大量の銃弾が迫る吸血鬼を狙って発射される

発射された弾丸はその一つでさえも吸血鬼の身体を捉えない。吸血鬼は飛び交う弾丸一つ一つの軌道を、回転すら視覚で全て捉え、それを全て躱し切り走る


「あアアぁァッ!」


弾幕を立てに割いて辿り着いた。鋭く突き出した右腕が一人、二人、三人と次々に並んだ人間達の胸を貫通していく


「ああぁっ…………カハッ………」


三人貫いた右腕が四人目の胸に突き刺さった


「シゃあアァぁッ!」


四人目の心臓を握り潰し、腕を振り抜いて、四人の肉を、骨を、身体から力任せに削りとった

肉と骨と心臓を失くした人間達が悲鳴すら出さずに倒れる



振り抜いた肉片と血が付いたままの右腕で左隣の人間の顔を鷲掴みにし、頭蓋骨を握り潰さんばかりの力で掴み上げる


「うあ………あぁ………ウッ!」


腹に腕を突き刺して頭上高くに掲げ上げる


「ウうぅゥあアアァぁウううゥぅゥぅ!!!」


そこから体を真っ二つに引き千切った。流れ出た血を垂れ流しで飲み干し、口から溢れる血と流れ出た血で吸血鬼が真っ赤に染まる。二つになった人間をゴミのように投げ捨てた


「ツぎハっ………つギハおマえッ!」


次の血を啜る為に獲物に向けて牙を剥き出し、次々に喰い殺して行く




「喰らいな♪」


体の至る所に装備したナイフケースから小型ナイフを手に持てるだけ持って敵に向けて投げる


「さぁ!躍ろうぜッ!」


少佐の眼が獲物を刈る眼に変わる。ナイフを投げた次には敵の塊の中へと跳躍した

投げた全てのナイフが敵達の身体中を捉えた。敵は糸の切れた人形のように地面へ倒れる


「イッツショータイム」

「撃て!撃つんだッ!」


飛んでくる弾丸を切り裂いて、降り立った所は見事に敵のど真ん中、円形に囲んだ敵が一斉に銃をしゃがんでいる少佐へと向けた

トリガーに指が掛かった瞬間、銃は使い物にならなくなった。少佐が特殊ナイフで瞬きの間に銃身からマガジンまでをバラバラに切り刻んでしまったのだ


「な………………ッ!」


片方のナイフを通常の持ち方に直し、回る。下から順に目にも止まらぬ速さでと切り刻む、膝、太腿、骨盤と切り刻みながら立ち上がる。徐々に高さが上がり、内臓、腕、胸、首、顔と身体の全てを切り刻んで回る。その動きはしなやかで無駄がなく、美しいとすら思える程の動き

少佐の動きが止まり、周りの敵が身体中から血を噴き出して倒れる。鮮血が少佐を濡らす、垂れてきた血を舐め取りあの笑みを浮かべる


「次は誰?」


ナイフを擦り合わせてあの音を鳴らす、敵達は切り刻まれていくしかない



「ハアァァッ!」

「カあアァぁッ!」

「ヒャハハハハハハッ!!」



残り10人にも満たない人々が次々と殺されていく、どれだけ抵抗しようが吹き飛んだり、貫かれたり、掻っ切られたりしてバタバタと死んでいく


「アアアァァ……………ッ」

「痛い………痛いッ……………」

「死にたくない………嫌だ………死ぬのは嫌だぁ!…………………」

「ああ………あぁ………………」


血塗れの人々の呻き声を上げて地面を這いずりまわり殺される。教祖はその光景をただ呆然と眺める事しか出来ない




「くっ………ううぅっ…………!」


一人の民間人が椅子の下に身を隠して震えている。初めの攻撃で見た光景の恐ろしさに震えが止まらない。手にはハンドガンを握っている


「うわあぁぁぁああああ!!!」

「あ?」


体の震えと恐怖を抑え込み、立ち上がり、大佐へハンドガンを向ける。震える両手で目と鼻の先の狙いへと絞り、トリガーに指を掛け引いた



ハンドガンが暴発した

もちろん即死、勇敢な武装民間人は無念の最後を遂げた


「んっん~?死いぃんでねぇ~よおぉ~~~~???」

「ヘッヘェ~♪みぃなさぁ~んっ!私は神にっ選ばれた男っでぇすよぉ~♪」


大佐は人々がいた方向に手を広げで戯けてみせる


「まぁ、残念ながら皆さんはもういねぇけどな」

「お前がほとんど吹っ飛ばしたんだろうが」

「くカかッ」

「んでさ、コイツどうすんだ?」

「どうすっかな?どんな風にブチ殺してやろうか」

「ワたシニやらセろ、こイつハワたシノえモノだ」

「殺る気満々だな」

「吸血鬼ちゃん、その姿綺麗だわぁ~」



吸血鬼が大佐を押し退けて教祖に向かう




「うっうわああぁぁぁ!来るなああぁ!ヴァンパイアッ!」


教祖は慌てて十字架へ向かって逃げ出した


「うあっ!」


あまりに慌てて駆け出したので足が縺れてしまい。十字架の前にひざまずく形で転けた


「!?」


目線の先の床に何かの灰が落ちている。このフロアでタバコを吸った聖職者や民間人達はいなかった、吸うならば他のフロアに移動する。さらに血が上から滴ってきた

教祖は上を見上げて血と灰の原因を確認した


「ゴ………ゴーストッ!」


見えたモノを見て思わずそう叫んだ




逆光の中で見える鋭い眼がありふれた当たり前の光景を見ているようで遠くを見ているようなそんな風にも見える、だが他の三人と同じ眼をしている。無表情のような惚けた顔で下の阿鼻叫喚の地獄を見届け、今は血生臭く人々の祈りの終わった場を見下ろしている。手に持ったクローハンマーから血が滴る。一人穏やかに十字架に腰掛けてタバコを吸っている。どこか現実味のなくて不可解なこの男が幽霊に見えても無理はない



「サングラスはどした?中佐よぉ」

「少し一服してたからね」


慣れた動きでタバコをふかした


「報告、残存兵力の殲滅は完了、及びに生存していた基地関係者を発見、避難誘導は少尉が現在進行中」

「OK、了解した」

「それにしても見事な演説だったよ」

「ああ?」


中佐は耳元の通信機を指差した


「切り忘れ」

「はぁ?やっちまった」


どこかを見ていた中佐が大佐を見つめる


「…………そんなにいい人だったのかい?」

「ああ、いい奴だったよ……俺の大切な友達だったさ…………だからこそ、ソイツは許さん。生かしておけん」


大佐の握った拳が震える


「君が言うなら中々の人だったんだね、一度会ってみたかったよ」


中佐は十字架から飛び降りた



「御祈りですか?神父さん、幽霊に信仰を捧げちゃあいけないよ」


中佐は軽く会釈をしながら教祖の横を取り過ぎた


「え、あ…ああ…………」


教祖は先程までとは打って変わって現れた、自分の横を通り過ぎた中佐の温厚さに少し困惑した。その頭の中である事を思い出した


「お待ちなさい!」

「ん?」

「創られし神の子よ、どうかこの私を御救いください!」

「創られし神の子?」


教祖は通り過ぎた中佐の前にひざまずき、突然謎の言葉を発した。中佐はその言葉に疑問を抱いた。神の子ならまだしも創られしとはどう言うことなのか、それが気になった


「僕は幽霊さ、そんな大層なモノじゃない」

「いえ!貴方はオラクル!……被検体01にして成功作!名前は男ですね?!」

「………………何だって?」


次々に恐らく自分に関するキーワードが飛び出してくる。その意味を全て理解するのに一瞬では無理だ。すがるように言い寄ってくる教祖を中佐は睨み付ける


「貴方は我等が神の代行人として創り出した英知の結晶なのです!そして!共に神の教えを説き!人々を理想郷へと導くのです!」


胸ぐらを片手で乱暴に掴み上げ、教祖を持ち上げる


「なっ何を!?」

「その話、初めから詳しく聞かせてくれないかな」

「落ち着きなさい。まずは……」


残りの片手で教祖の腹に拳をお見舞いした


「ゲボッ……ガッハゴホッ!」

「早く、話してくれないかな?」


さらに胸ぐらを掴む腕に力を込める




「私達は神の教えをより多くの人々に説く為により神に近い人間が必要だと言う事に気付き、実験を始めました」

「怪我や病気をがすぐ治ってしまう不思議な人間がいると聞いて、私達はこれはチャンスだと思いました」

「貴方を捕まえてからは能力の検証、実験、向上方法やその原理まで何から名にまで徹底的に試しつくしました」

「………………それで?」


腕の力がさらに込められる


「ぐっ………実験は、成功しました。貴方は、完璧な神の子と、なったのです。まるで、天使、のような、素晴ら、しい人間、に」

「おい、落ち着け中佐、ゴミムシが息出来なくなってんぞ」

「ん?ああ」


中佐は手を開いて教祖をそのまま床に落とした


「ハァ……ハァ………ッハァハァ」

「オラ、続きだよ、とっととゲロっちまえ、ゴミムシが」


大佐が軽く教祖を蹴った


「ウッ………だから、貴方はこんな事をしている場合ではないのです。貴方は選ばれし人間。人々を導くべき為の存在なのです」

「私を助け、人々に信仰を………………」

「言いたい事はそれだけかい?」


今度は中佐が教祖を蹴った。サッカーボールのように転がって、並べられた椅子に派手にぶつかった



「GOAL…………手加減したよな?」

「手加減してアレだよ」

「それにしても立派な信仰者だこと、あのゴミムシは」

「やれ神だのなんだので見落としちゃいけないモノまで見落として、都合の悪い事には全部蓋をして、世界から目を背け続けている。ある意味では世界一惨めで幸せなゴミムシさ」

「さて、そろそろお開きと参りましょか」

「そうしようか」


二人が蹴り飛ばされた教祖の方を向いた


「ヒッ!………ヒィッ………」


教祖はこの後自分がどうなるのかを素早く理解し、恐怖で思わず後ずさりする


「何故こんな事をするんだ!私はただ、神の御心も知らぬ哀れな人々に偉大な神の教えを説いてやり、本当の幸せが何なのかを教えてやっただけだ!それがいけない事なのか!誰かを救う事がいけない事なのか!!私の何がいけないんだ!?」

「Everything」

「君はただの悪そのものさ」

「吐き気がするぜ」

「のウミそアるだロ?ツかッてミたらドウだ」


死に物狂いでご自慢の持論を言ったものの目の前の四人からすればそんなものはゴミ程の価値もない。狭過ぎる世界から見た物で出来たこの教祖の言葉は、なんの重さも意味も持たない無意味なものだ




「吸血鬼~Bite off」


先程の教祖のお言葉に微塵の感動すら抱かなかった大佐は呆れかえった様子で吸血鬼に指示を出した


「カあアぁぁァあアアあッ!!」


吸血鬼が教祖に飛びかかり首筋に噛み付いた。みるみる内に肌が青白くなっていき、体を痙攣させて、目から光が失くなっていき、ゆっくりと喰い殺された

教祖は血を失くして干からびたようになった


「がッ!」


血を一滴残らず飲み干した。グールになる前に頭を握り潰して復活出来ないようにした


「フンッ……ジごクにおチろ」


吸血鬼は口元の血を拭った。その肩に手が乗った


「お疲れ、これで血拭きなよ」


中佐がハンカチを差し出す


「よゴレるゾ?」

「ウチの新人が血塗れなのはちょっと頂けないんでね。それと、少し落ち着きなよ」

「ン、あア、すまない」

「仇は討てたかい?」

「えっ……あ、ああ」


吸血鬼は少し戸惑った。自分が復讐しようとしてたのをいつの間に中佐は悟ったのだろうか、それが気になって少し考え込んだ


「(コイツはあの時から油断ならない奴だな………)」

「にしてもタオルの方が良かったかな?」

「あ…………そうだな」


吸血鬼は顔を拭いて、血塗れのスーツを見て少し申し訳気持ちになった。それを誤魔化す為に同じく血をしこたま浴びていた少佐の方を見た。少佐は顔じゃなくてナイフの方をハンカチで丁寧に拭いていた


「えぇ……」


その光景にハンカチを渡した中佐は気の抜けた声が出た





中佐「ちょっとちょっと、顔拭くんじゃなかったの」

少佐「ああ?俺は拭くもんくれとは言ったけど、顔拭くとは言ってねぇぜ」

中佐「まっ………いいか」

吸血鬼「それでいいのか…………」

大佐「寛大なお心だな、男くん」ポン

中佐「まぁね」スチャ

大佐「こやつ……やりおるわ」

中佐「残念だけど、僕は男なんて名前じゃない」

中佐「僕は悪い組織に捕らえられ、改造されたが大佐さんとの出会いで正義の心が芽生えた。世の為、人の為に悪の野望を打ち砕く、ただの正義のヒーローさ」シュボ

大佐「いや、お前は立派なクソッタレの鏡だよ」

中佐「そうかな?正義のヒーローって格好良くていいんじゃないかな」スゥー…スパー





少佐「帰りたい」

吸血鬼「右に同じく」

中佐「左に同じく」スパー

大佐「分かった分かった。ちょっと待てって」ピッ

大佐「おーい、アイアンハイドくーん」

少尉『誰がアイアンハイドですか、怒られますよ、色んな人に』

大佐「関係者の避難終わった?」

少尉『はい』

大佐「よっしゃ、今すぐこっちに来い」

少尉『了k』

大佐「ポチっとな」ピッ




大佐「チッ……」ピッ

吸血鬼「露骨な舌打ちした……」

大佐「おい、デコすけ」

スーツ『誰がデコすけだ、仕事はどうなった?アホたれ』

大佐「終わったぞ、全員ブチ殺しで」

スーツ『金は振り込んでおく………それと』

大佐「それと?」

スーツ『アイツは……どうだった?』

大佐「ニッコニッコして死んでやがったよ、あのクソ馬鹿真面目スケコマシ准尉」

スーツ『………………………』

大佐「仇は取っといたよ」

スーツ『そうか、ありがとう』

大佐「えっ」

スーツ『えっ』

大佐&スーツ「『HAHAHAHAHA!』」

スーツ『…………葬式とかは絶対に教えろ』

大佐「それは教えるなってフリか?」ウキウキ

スーツ『とにかく帰っていいぞ』

大佐「OK、了解したモンネー」

少佐「仲良いんだな」

吸血鬼「喧嘩する程なんとやらやら」




ガチャ


少尉「お迎えに来ました」

大佐「うっーし、けぇるぞー野郎共ー」

中佐「はいよ」

吸血鬼「野郎共?」

少佐「たまにはスルーしろ」ポン

吸血鬼「はーい」

少尉「お二人はスーツをなるべく洗ってから上着を脱いで乗ってください」

吸血鬼&少佐「細かい事は気にするな」

少尉「します。そのままは絶対ダメです」

大佐「ウッヒャヒャヒャヒャッ」ケラケラケラ

少尉「シートはありませんよ」

大佐「拾ってこいッ」ビシッ

少尉「嫌です。面倒臭いです」

中佐「じゃあ僕はt」

少尉「ダメです」

中佐「寝よう」




大佐「あっ!」

少佐「どした」

大佐「大尉にお菓子買って帰ろう!」

少佐「名案だな」

吸血鬼「そういや、すっかり忘れてたな」

中佐「お留守番してたからね」

少尉「なら、早く帰りますよ」

少尉以外「「「「うーい」」」」



おるすばん 大尉


大尉「おそい………まだかなぁ」ゴロゴロ

大尉「まだかなぁ……まだかなぁ…………まだかなぁ」ゴロゴロ

大尉「じかんのながれがおそい」ボフン

大尉「かえってきたら、しょうさのむねもみしだいてやるぅ」

大尉「きゅうけつきちゃんは………ぐへへ」



少佐「!?」バッ

吸血鬼「!?!?」ゾッ

大佐「ウンコか?」






大尉「はっ!…………ひらめいた」ピコーン

大尉「いたずらしといてやる」

大尉「まずは………」トテトテ

大尉「たいさのつくえのなかをぐちゃぐちゃに」ガッサガッサ

大尉「つづいては……………」トテトテ

大尉「ちゅうさの」ガラッ

大尉「…………とくになしと」

大尉「きゅうけつきちゃんのつくえのなかにかがみをいれて」ゴトッ

大尉「あきた」

大尉「なにしよ」

大尉「…………………おそい」






大尉「(´・ω・`)」

大尉「たいくつだよぉ……ひまだよぉ」

大尉「はやく、はやく」

大尉「はりーはりーはりーはりぃー」バンバンバン

大尉「………ワシもこんどからついていこうかな」

大尉「おーそーいーよー」ジタバタジタバタ

大尉「はやくかえってきて………」グスン


ガチャ


大尉「!」

大佐「おーい、いい子でお留守番してたかー?」

大尉「おそーい、おかえりー」ダキッ

大佐「ただいま、ほれお菓子とか買ってきたからよ」

大尉「…………ゆるす」

中佐「ただいま」

少佐「たっだいまー」

吸血鬼「ただいまー」

少尉「只今帰りました」

大尉「みんなおかえりー♪」パアッ

みんな「ただいまー」



前回地の文書き過ぎた(´・∀・`)


今回はダラダラ投稿します




大佐「………」カチャカチャ

大尉「………」ヒョイ


パクッ


大佐「ウマッ」

大尉「うまい」

吸血鬼「♪」フフン

大佐「吸血鬼ちゃん特製スクランブルエッグ、これはこれは、恐れ入りました」モグモグ

大尉「うまい、うまい」ガツガツガツガツ

吸血鬼「母さん仕込みだからな」ドヤァ

大尉「ほかはないの?」



吸血鬼「料理ならそこそこ出来るぞ」

大尉「わぁお………」

大佐「これは………今すぐ嫁がせても姑さん怒らんでぇ」パクパク


ガチャ


中佐「おはよう、何してる………の?」

吸血鬼「なんで驚いてる」

中佐「いや、ヴァンパイアが日向でご機嫌でスクランブルエッグ食べてるのはどうかなって」

大佐「ハッ!?」ガタッ

大尉「あ」

吸血鬼「?」

中佐「?じゃなくてさ」

大佐「ヴァンパイアの弱点どこいったんだ?」

大尉「かがみにもうつるし」

吸血鬼「え………ホントだ」

大佐「気付いてなかったんかーい」スパーン

吸血鬼「ヘブッ」



大佐「説明を」

大尉「ぷりーずぷりーず」クイックイッ

中佐「気になるねぇ」

吸血鬼「色々喰ったからじゃないか?」

大佐「はい?」

中佐「へー」

吸血鬼「ヴァンパイアってのは喰う事で力を得る生き物だからな」

大佐「そういや……喰ったリストにエルフがあったな」

中佐「ということは、体はエルフと同じって事かな?」

吸血鬼「多分な、エルフは確か人間に近い奴らだから、それを喰った私が日の下に出ても大丈夫なんだろ」

大尉「つまりヴァンパイアのじゃくてんらしきじゃくてんは“ない”ってことかな」

吸血鬼「そうだろうな」




大佐「なら、アレか、十字架も香草も銀もニンニクも効かんし、心臓に杭も効かんのか」

吸血鬼「それじゃあ私を殺しきれんだろうな」

中佐「殺しきれない?」

吸血鬼「私は喰った奴らの力を得た、つまり生命力も得ている」

大尉「しょうしょうのことではしなない?」

吸血鬼「私の力が無くなるまで殺さなければな無理だ」

大佐「カンストHP&MPですよってか」

吸血鬼「分かり易くすればそうかもしれん」

大佐「他には?」

大尉「ほかにほかに」ワクワク





吸血鬼「こんな事も出来るぞ」ズズズズ…


ヘルハウンド「グガアアアァァァッ!!!」


大佐「いきなりデケェ顔が」

中佐「質量保存もあったもんじゃないね」

大尉「びっくりしたー」

吸血鬼「コイツは速さに特化してる」ズズズズ…

吸血鬼「えーっと次は、大佐、私を撃ってみてくれ」

大佐「おっ……おう」シャッ バンッ

吸血鬼「………………」ブワッ

中佐「んん、霧?煙?」

大尉「あれ?当たらない?」スカッスカッ

吸血鬼「ブギーマンの特性の不安定形だ、実体を無くせる」

中佐「便利だね」

吸血鬼「形にも出来るぞ」ズズズズ…


ブギーマン「グワァハハハハッ!!」


大佐「うわっ怖」

中佐「なるほどね」

大尉「こわい…………」ビクビク




吸血鬼「ブギーマンは相手の恐怖の形になれる。戦闘ではバワータイプだし人を追っ払うには便利だ」ブワッ ススススス

吸血鬼「後は魔眼とか変化とか地面からも使い魔も出せるとか血から物を作り出せるとかetc,etc………そんなところだ」

三人「( ゚д゚)ポカーン」

吸血鬼「どうした?」

大佐「ッベーわマジッベーわ、コレ」ヒソヒソ

中佐「まだまだ能力あるみたいだよ」ヒソヒソ

大尉「しゃれになってない………」ヒソヒソ

吸血鬼「そこまでか?目立つのはこれぐらいだぞ」

大佐「チートかよ」

中佐「冗談にもならないね、コレは」

大尉「わたしのぽじしょんがあぶない………!?」



ガチャ……バタン


ドーコヤッタカナーココカナー?ドンガラガッシャーン!ヌオワァッイッテェナァ!


ガチャ


大佐「んっんん」ボロッ

大佐「君にコレを渡そう」ゴトゴトッ

吸血鬼「これは?」

大佐「名付けてモーゼルCCだ、俺が口径と銃身と装弾数をいじくらせた」

吸血鬼「へぇ……」

大佐「威力はあるわ、命中率も高いし、グリップも丁度だろ」

吸血鬼「何で私に銃を?」ジャカ

大佐「これで遠近とどこでもCome on………だろ?」ニヤッ

吸血鬼「…………確かにな」フッ

大佐「んで、お前はソイツとコンビを組め」

吸血鬼「は?」

中佐「よろしく頼むよ、ルーキー」

大佐「コイツは基本銃使わねぇからな、頼んだぞ」

吸血鬼「そんな理由でか、まぁよろしく頼む、ロートル」スッ

中佐「ロートルって酷いなぁ」ガシッ

大佐「あながち間違いじゃねぇよな」

大尉「たしかに」





中佐「ちょっと貰うよ」パクッ

大佐「テメェ……俺のを」

吸血鬼「どうだ?」

中佐「美味いじゃない、これはいけるね」モグモグ

吸血鬼「よし♪」フフン

大尉「ひさしぶりにりょうりしてみようかな……」

大佐「きりたんぽ鍋とか?」

大尉「とくにきまってない」

大佐「あら、そうなの、期待しても?」

大尉「いいのかなぁ?」

大佐「不安になるなぁ………」

大尉「たぶん、だいじょうぶ」

大佐「頑張ってくれよ」



任務ナウ



少佐「何か、俺ら忘れられてない?」

少尉「いきなり何を言い出すんですか、少佐」

少佐「出番がちょっと…………ねぇ?」

少尉「大丈夫ですよ、まだまだこのSS無駄に続きますから」

少佐「メタいぞ、しかもお前だけだろうが」ガンッ

少尉「スーパーアンドロイドですから」キラーン

少佐「うわっ腹立つ」

少尉「!…………目標が動きましたよ」

少佐「やっとか、早く帰らせろってのダボが」




中佐「ちょっといいかい」

大佐「何だ?」

吸血鬼「?」

中佐「少し引っ掛かるんだ」

大佐「……………前のカルト共か?」

中佐「そう、君が忙しい間に考えたんだけど………………あまりにアッサリし過ぎてなかったかい?」

吸血鬼「アイツ等は結構名の知れた団体だったのに大した抵抗がなかったな」

中佐「周りの修道士達も全く強くなかった」

大佐「こいつぁ………匂うな」

中佐「かなりの研究が出来る程の勢力があんなに簡単に終わると思うかい?」

大佐「否」

吸血鬼「まだいるのか……」

大尉「………りはんしゃがいるかもしれない」

中佐「それにほとんど戦力が持っていかれてたのかもしれないね」

大佐「寝る暇もねぇな」

吸血鬼「幹部クラスが残ってるんだ」

中佐「上手くすれば、戦わずに済ませれるかもしれない」 




中佐「あくまで僕の勝手な推測だけどね」

大佐「いや、それは“あり”だぜ」

吸血鬼「情報がないな」

大尉「まずはそこからはじめよう」

大佐「特に急ぐ必要もねぇな」

吸血鬼「動きはないみたいだしな」

大尉「いまはまだ、どうしようもないね」

中佐「まっ……大丈夫だろうね」

吸血鬼「どうしてだ?」

中佐「真実から遠いようなら、ブッダが愛してくれるし、キリストが救ってくれるからさ」

吸血鬼「なんだそれ」ガクッ

中佐「それでも無理なら……笑うしかないね」







大佐「あっそうだ、コンビ結成ついでに買い物頼める?」

吸血鬼「なんのついでで買い物頼んでるだ」

大佐「それがね、これ結構深刻な問題なのよ」

大尉「さいゆうせんじこうなのよ」

吸血鬼「そうなのか?」

大佐「食料がないんです」

大尉「とにかく、これはもうえらいこっちゃなんです」

大佐「スクランブルエッグばっかりは御免被りたい」

大尉「そればっかりはどうか、どうかごかんべんくだせぇな、おだいかんさまぁ………」

吸血鬼「何か腹立つな、オムライスばっかりにしてやろうか」




中佐「まぁまぁ御代官様、そんな事言わずに饅頭でもお食べになっておくんなせぇ」

吸血鬼「越後屋、饅頭だけではなかろう……?」

中佐「…………流石は御代官様、その通りでごぜぇます」

吸血鬼「越後屋…………お主も悪よのぅ」

中佐「……………………………」フゥー

大佐「……………………………」ボケェー

大尉「……………………………」ジトー

吸血鬼「おいシラケるな、何だその反応は、やめろ」

中佐「いやー驚いたよ、よく知ってたね」

大佐「見事なゲス顔だったな」

大尉「だいこんやくしゃのくせにやるでねぇか」

吸血鬼「うわっ、今頃恥ずかしくなってきた」




中佐「適当でいいかい?」

大佐「ああ、食えるもんなら何でもいいわ」

大尉「いっしゅうかんぶんおねがい」

中佐「食えるもんを一週間分ね、了解」

吸血鬼「うおおぉぉ…………」

中佐「ほら、恥ずかしがってないで行くよ」

吸血鬼「えっ、おい、ちょっと待ってくれ」


ガチャ……バタン






アリガトウゴザイマシター


ウィーン



吸血鬼「買いすぎじゃないか?」

中佐「大尉がよく食べるからね」ドッサリ

吸血鬼「袋パンパンだぞ」

中佐「………大丈夫さ」

吸血鬼「私も片方持とうか?」

中佐「いいよいいよ、コレを女の子に持たせる訳にはいかないからね」

吸血鬼「………………そうか」

中佐「どうしたの?」

吸血鬼「何でもない」

中佐「参ったね、これじゃあタバコ吸えないや」




中佐「時代劇ってイギリスでもやってたのかい?」

吸血鬼「再放送で随分古いのをやってたぞ」

中佐「そうなんだ」フムフム

吸血鬼「中でも水戸黄門ってのが面白かったよ、日本中を回りながら悪党を懲らしめるんだ」

中佐「日本中をかい?」

吸血鬼「歩きながらで通った所々で困っている人達を助けて回ってるんだ」

中佐「へぇ……恐れ入るねぇ」

吸血鬼「それでそれで、どれだけ暴れても紋所ってのを見せれば悪党共はみーんな「ははぁ!」って言って大人しくなってしまうんだよ」

中佐「ウチもそうゆうの欲しいなぁ」

吸血鬼「するにしても何を見せるんだ?」

中佐「………………………爆弾?」

吸血鬼「テロリストか」ビシッ

中佐「特務課の手帳見せても効果ないだろうしねぇ……………」ウーン

吸血鬼「裏組織の物見せても誰も知らないだろ」

中佐「……………やっぱ、凄みとか?」

吸血鬼「そんなよく分からんモノがほいほい出るのか?」

?「………見つけたよ」ザッ

中佐「ん?」

吸血鬼「何だ、お前」




?「ここであったが百年目!」

中佐「ほら、君の大好きな時代劇じゃない?」

吸血鬼「そうなのか?」

?「ちゃんと聞けぇ!」ムキー

中佐「はいはい、分かったよ」

吸血鬼「何の用だ?私は早く帰りたいんだが」ハァー

?「それはね!僕を君達の仲間に入れて貰う事だよ!」

吸血鬼「………はい?」

中佐「ふーん、そうなのかい」

?「反応薄過ぎない?」

中佐「そもそも君は誰なんだい?」

巫女「僕の名前は巫女、君達の仲間になりたいんだ!」バーン!

中佐「へーそーなのかい」

吸血鬼「巫女って何だ?」

巫女「」





中佐「それで、君は僕に一体に何の用なんだい?」

巫女「だーかーらー仲間にして欲しいんだってば」

中佐「そうゆうのは僕の担当外なんだけど」

巫女「知ってるよ」

吸血鬼「当ててやろう…………大方、大佐に断られ続けてるからコイツに頼みに来たんだろ?」

巫女「うっ」ギクッ

吸血鬼「図星か」

巫女「だってぇ……大佐さんがなかなか仲間にしてくれないんだもん」シュン

中佐「まぁまぁ、これでも食べなよ」シュッ

巫女「えっ……おととっ」パシッ

吸血鬼「(コイツいつの間に袋から取り出したんだ?)」

巫女「ラムネ……って子供じゃないよー!」ムキー

中佐「ラムネだったの」

吸血鬼「見ないで投げたのか」

中佐「確認しなくてもいいかなーって思って」

巫女「とにかく!僕を仲間に入れてくれるように頼んでください」モグモグ

吸血鬼「(文句つけながらも食ってるのか………)」





吸血鬼「どうするんだ?」

中佐「どうするんだ?って言われても困るんだけど…………」

中佐「お願いなんだけど、他を当たってくれないかな?」

巫女「そうしたんだけど、少佐さんには襲われるし」

巫女「少尉さんは断固拒否するし」

巫女「残るは中佐さんしかいないんだ!」

吸血鬼「突っ込む所があったが無視して、何故こんなところに入りたいんだ?」

巫女「何故かって?それはね……僕を助けてくれた恩返しかな!」フフン

巫女「その為にあの日から特訓に特訓を重ねて強くなったんだよ!」

中佐「僕らはいつ、どこで、どうやって君を助けたの?」

巫女「」

中佐「ごめんよ、全く持って記憶にないものだからさ」

吸血鬼「真実ってのは時に残酷なんだな」





巫女「三年前の………怪奇誘拐事件」

中佐「……………………………」ウーン…

吸血鬼「ザックリ過ぎて分からんだろ」

中佐「ああ、アレね、ほら……あの…………えぇっと、何だっけ…………ほらぁ………………」

巫女「……………………」

中佐「ああ、アレだ、うん、アレだ、恐らくアレだ、乗り込んで全部吹っ飛ばしちゃって依頼主にこっぴどく怒られたやつだ…………多分」

吸血鬼「おいおい………」

巫女「あながち間違ってないから悔しいね」

吸血鬼「えぇ………………」

中佐「あの時の女の子だったんだね、君」

巫女「分からなかったの!?」

中佐「悪いけどね」

吸血鬼「えっ?女なのかお前」

巫女「」ペターン

吸血鬼「フフッ………」ボイーン

中佐「女の争いだね、男はおさらばするよ」

巫女「ちょっと!どこ行くの!話はまだ終わってないよ!」

中佐「声大きいなぁ………」キーン




中佐「それにしても、あの大佐が頑なに断るんだ、君にとって入る事は本当に不可能なんだろうね」

巫女「そんな事ない……僕、強くなったんだよ…………」

中佐「……………君は“何故自分は断られたのか”その理由を考えた事があるかい?」

巫女「それは、僕が足手まといになるから………」

中佐「残念、ハズレ」

巫女「じゃあ……なんで!?」

中佐「それを聞いて君はどうするの?それを聞いたところで君にはどうしようもない、どうする事もできない」

巫女「…………………………」

中佐「悪いけど、答えは変わらないよ」

中佐「君には君の、君にとって相応しい場所がある。そして、僕達のいる所は君とって相応しい場所では“ない”」





中佐「一目見れば分かるよ、君と僕達は違う」

吸血鬼「………なるほどな、この女は確かに違うな」

巫女「何が…………何が違うのさ!」

中佐「さぁね、それは君が自分で理解する事だ」

吸血鬼「話の分からん女だな」

中佐「じっくり考えてからもう一度来るといいさ」

吸血鬼「今度は答えを携えてな」

中佐「悪いけど、おつかいの途中だから僕らは失礼するよ、可愛らしいお嬢さん」

巫女「……………」

吸血鬼「またなー」フリフリ

中佐「……………………」クルッ スタスタスタ




巫女「……………………」

巫女「……そんなに僕を仲間にしたくないのなら……………嫌でも仲間にしたくなるようにしてあげるッ!」ヒュバババッ

吸血鬼「?」

中佐「………」バッ

巫女「法力!」ビッ



バチバチバチバチバチッ!



中佐「大丈夫かい?吸血鬼」

吸血鬼「あ……ああ」

巫女「効いてない………なら、これで!」シュバババハバッ



ボゴオオォォォォ!



中佐「相手を間違えてるよ、これは妖怪に使う物だ。僕や吸血鬼じゃない」

吸血鬼「おい!燃えてるぞ!」

中佐「大丈夫だよ、このスーツはちょっとやそっとじゃ燃えないから」



巫女「くそっ!……次はこれで!」スッ

中佐「買い物袋は燃えてないね」

吸血鬼「生き物にだけ作用するのか」

中佐「後で考えよう、今は逃げるよ」ダッ

吸血鬼「おう」ダダダッ

巫女「待て!」ダッ




吸血鬼「頑張るな、アイツ」タッタッタッタッ

中佐「特訓の成果ってやつだね」タッタッタッタッ

巫女「当たれ!」シュバババッ

吸血鬼「おっと」ヒョイヒョイ

中佐「うーん、買い物袋のせいで速く走れないね」サッサッ

巫女「ふざけるな!」バババババッ

吸血鬼「足下を潰しにきたか」ヒョイヒョイ

中佐「あー帰りたい」スッスッスッ

巫女「…………」ブッチン



シュバババババババババババババババッ



吸血鬼「すごい数だぞ」ダダダダダダッ

中佐「埒が開かないね」ダダダダダダッ

中佐「ちょっと失礼」ガシッ

吸血鬼「へ?」

中佐「よっと」ズタンッ

吸血鬼「キャアアアァァ!」ガクン

巫女「上に逃げたか………!」



スタタタタタタタッ





巫女「屋上を走れば僕を撒けると思ったみたいだね」

巫女「だけど、そこは僕にとって好都合なんだよ!」

巫女「あの様子ならすぐに追いつける………」ジャリ

巫女「……………………」ジャッジャッジャッ

巫女「出でよ!犬神!」バッ




ボシュウウウゥゥゥゥゥ







スタッ ダッダッダッダッダッ



中佐「これならあの子も諦めるでしょ」ダダダダダダッ

吸血鬼「そうだな」ブーラブーラ

中佐「さぁ、早く戻ろう」ダダダダダダッ

吸血鬼「おっおい!私を降ろせ!」バタバタバタ

中佐「お姫様だっこは………嫌いかい?」ピタッ

吸血鬼「お前は買い物袋持ってるだろ!私は自分で走るからいい!」ジタバタ

中佐「分かりましたよ、お姫様」スッ

吸血鬼「誰がお姫様だ」スタッ

中佐「よし、行こうか」

吸血鬼「そうだな」

中佐「………………と、その前に」ドンッ

吸血鬼「何をする!?」ドテッ

吸血鬼「!」





吸血鬼が押し飛ばされ、地面に手を付いて中佐の方を見た


「ガルウウゥアアッ!」


白い狼がさっきまで自分がいた場所にいる中佐に噛み付いていた


「……………」


狼は中佐の腹に噛み付き、咥えて離さない。左右に顔を振って肉を噛みちぎろうとする


「…………………」

「ギャンッ……………」


中佐は食らいつく狼の顔を両手で掴んで捻じった。関節の外れる音がして狼は大人しくなり、ぐったりとして紙に戻った


「はぁ~やっぱり式神か」


狼だった呪符を拾い上げて、面倒くさそうに中佐は言った


「大丈夫か!?」

「ああ、問題ないよ」


腹に歯型がついてはいるが言葉通りにケロッとしている


「その紙は一体何なんだ?狼がなんで紙になったんだ?」

「これはね、呪符って言う代物で君からすれば使い魔みたいな物なんだ」

「あの女、面倒臭い物を」


吸血鬼はばつが悪そうに舌打ちをした


「これであの子に位置がバレたね」

「そうだな、迎え撃つしかないな」

「もうちょっと穏便に済まないのかなぁ…………それに」

「それに?」

「食えるもん買いに行った奴が食われるってのはどうなのかな」


中佐は皮肉たっぷりに笑った



「僕からは逃げられないよ!」


さっきの狼よりも一回り大きな、白銀の毛を持つ狼が背中に巫女を、周りに式神の狼達を連れて現れた


「もののけ姫様の御出ましだ……ってね」

「逃げれないのなら、お前を潰して終わりだ」

「そんな物騒な事は言うもんじゃないよ」

「しつこい奴は嫌いなんでな」


大佐は冗談を言って笑い、吸血鬼は皮肉を言って臨戦態勢をとった


「痛い目見ない内に観念しなよ!」

「僕さっき腹噛まれたんだから、もう十分なんだけど」

「仲間にしないともっと見る事になるよ!」

「それは困る、スーツに穴が空くのは困る、本っ当に困る。大佐になんて言わらるのか分からないからね」

「でも、もしそうするのなら………この子に見せて上げてよ」


中佐はヤレヤレと隣の吸血鬼を指差した


「出ろ、ヘルハウンド」


吸血鬼は眼をギラつかせて、巫女を見つめて唸るように唱えた

吸血鬼の右半身が真っ黒な煙になり拡がる、その煙が主の声に反応して、固まって形を成し、巫女の狼よりもさらに大きな赤い眼の狼を召喚した


「グガアアアァァァァッ!!!」


地面を踏み締め、巨大な黒い狼の咆哮が響き渡る


「改めて見てみると凄いもんだね」


それを間近で見ていた大佐は少し参った感じだ


「大きい………!」


巫女は自分の狼よりもさらに大きいヘルハウンドを見て少し焦った。だが、余裕もあった、それと同時にこう考えた。その巨体でこちらの犬神の速さにはついてこれまいと



半分だった吸血鬼の身体を煙が元の形に戻した


「物理法則や質量保存もあったもんじゃないね」


中佐が吸血鬼を見てニヤリと笑う


「フッ……」


吸血鬼はそれに当たり前だとでもいうようにほくそ笑む



「グルルルルルッ………!」

「ガルルルルルルッ!」


見合った二匹の黒と白銀の狼は互いに牙を剥き出し、殺気を飛ばして威嚇し合う


「さて、お手並み拝見と行こうか」


その中に混じる吸血鬼はまるで高みの見物のように余裕たっぷりに口角を上げて笑いながら言い、手招きして巫女を挑発した。この勝負は最初から雌雄の決した勝てるゲームだからこその余裕だ


「行け!式神達ッ!」


まんまと挑発に乗った巫女は式神を動かした。式神達はヘルハウンドの周りを取り囲み、次々に飛びかかる


「使い魔か………やれ」

「グガアァァッ!!」


吸血鬼の冷静な指示と共にヘルハウンドは飛びかかってきた式神の一体を噛み殺した。さらに二体目、三体目、四体目と飛びかかってくる式神をいともたやすく噛み殺していく


「一気に仕留めろ!」


周りを囲んだ五体の式神達が一斉にヘルハウンドに飛びかかる


「…………ヴォアハウンド」


主の言葉を聞きとったヘルハウンドは立ち上がり一瞬で人型へと姿を変えた。まさに狼男へと姿を変貌したヘルハウンドは飛びかかってくる式神達を迎え撃つ


「グオォォアッ!!」


ヴォアハウンドは素早く左右の二体の顔を掴んで握り潰し、目の前の一体を噛み潰し、残りの二体に身体をバネのようにうねらせて繰り出した回し蹴りでまとめて蹴り潰した





「今だ………!」


巫女は呪符を取り出した。最後の回し蹴りで滞空した、大きな隙の出来たヴォアハウンドに狙いを定めて投げようと構えた

吸血鬼はそれを見逃さず、大佐から渡されたモーゼルCCを一丁取り出して横に構え、巫女の手元の呪符に狙いを定め、投げられるよりも先にトリガーを引いた



銃口から改造弾が次々と吐き出され、一寸の狂いもなく呪符を目掛けて飛んでいく

巫女が構えた全ての呪符は狙いに投げられる前に全て弾けた


「何!?」

「遅い、甘い、緩い、その程度か?」


巫女を睨む吸血鬼の手元にあるモーゼルCCは銃口から煙を上げている


「そんな紙切れ何ぞ使わずに、お前御自慢のワンちゃんでかかって来い」


モーゼルCCをホルスターに戻し、また余裕たっぷりに口角を上げて、笑いながら手招きをして挑発をした




「おっと、こちらも犬で相手しなくてはな」


吸血鬼の隣に何事もなく着地したヴォアハウンドが構えた前足を地面に付けて、二足歩行から四足歩行へ体制を変えてヘルハウンドへと姿を変えた


「来い、御自慢の犬を噛み殺してやる」


巫女に向けて無表情で抑揚のない声で言った


「犬神ッ!!」


巫女が叫んで犬神が駆け出す

巫女から離れた犬神は最高速度に一瞬で加速し、ヘルハウンドや吸血鬼を中心にして駆け回り、数々の分身で周りを囲みながら白銀の竜巻を描く


「しゃらくさい真似をする」


主からの命令に従い、ヘルハウンドは引き絞られた矢のようにその中を飛び交う。周りを駆け回る犬神の分身を蹴って跳ね、さらに反対の分身を蹴っては跳ねてを繰り返して徐々に加速する


「はっ……速い………!」


巨体を持つヘルハウンドに犬神以上の速さはないと油断していた巫女がそう言った頃にはもう手遅れだった



ヘルハウンドは犬神よりもさらに上の速さで、犬神が作り出した白銀の竜巻の中に乱雑で、黒くて、荒々しい線を作り出している

もはや犬神の分身を作り出す速度よりもヘルハウンドの分身を消す速度の方が完全に上回った



ヘルハウンドの赤い眼が犬神の本体を捉えた。前足で上からのしかかり、空中から地面へ犬神の身体を真っ逆さまに叩きつけて首筋を踏みつける


「ギャウゥゥゥ……!ガルウゥアアアッ!!」


叩きつけられ首筋を踏みつけられた犬神はすぐさま反撃に出た、首に乗る足を押し退けて、その先のヘルハウンドの首を噛み千切ってやろうと牙を剥いた



捉えた、そう思ったが犬神の牙に何かを噛んだという感触はなかった。だが、ヘルハウンドの首を噛み千切った事に変わりはなかった


「勝ったッ!」


その光景を見た巫女は自分の勝利を確信し喜んだ

「いいや、まだだぞ」


吸血鬼は表情一つ変えずに言い放った



犬神が口に咥えたヘルハウンドの首が煙になって牙をすり抜けて消えた。首を亡くしたヘルハウンドの身体からおぞましく顔が現れた

現れた顔は何よりも先に自分の首を噛み千切った犬神へ通常の生き物では不可能な大きさに口を開けて犬神を喰らった


「ゴガアアァァァァ!!!」


犬神の全半身を地面ごと一気に喰らったヘルハウンドはそれを呑み込み、その異常な口を大きく広げて勝利の雄叫びを上げた。犬神はヘルハウンドに比べると全てにおいて劣っていた、なのでこうなる事は吸血鬼には簡単に予想ができていた


「!…………ッ!?」


あまりに突然で理解しがたい出来事が起きた事により巫女は理解しようにも出来ずに言葉も出なかった


「何だこれ?」


吸血鬼とヘルハウンドは今は別々にはなっているが一応は同じ生き物だ。吸血鬼は何か異物の感覚を感じ取り、ヘルハウンドが口から半分になった数珠を吐き出した


「これがアレの本体だったのか」

「ちょっといいかい」


犬神の本体を見て関心していた吸血鬼、その隣にさっきまで少し離れた場所で観戦していた中佐が並んだ


「どうした?」

「少し拝借するよ」


中佐は吸血鬼の腰にあるホルスターからモーゼルCCを一丁取り出した





中佐は手に持ったモーゼルCCを肩に担いで、悠然と巫女に向けて歩き出した

巫女は何とか冷静さを取り戻し、向かってくる中佐を目標に捉えた



中佐は無表情で、目線の先はサングラスで分からず、まるでどこか遠くを見つめて惚けているような雰囲気を漂わせ、一歩、また一歩とゆっくりと進む

巫女はそれを見ている。この行動の意図と次の行動を予想しながら中佐の動きの一挙一動を、全神経を使いほんの少しの動きも見逃さず、担いだ銃をこちらに構えられる前に先手を打てるように静かに準備を始める



二人の戦う空間は僅かな瞬間の中で一秒が長く感じられるぐらいにまで感覚が研ぎ澄まされる。ほんの少しの沈黙、その間にお互いが探り合うように踏み込むんでいく



「ハァッ!」


中佐の銃を持つ腕が僅かに動いた。それを見逃さなかった巫女は密かに準備していた札を両手に取り出して、中佐が何かするよりも先に投げ付ける

札は中佐の手足に張り付き、込められた始めの法力よりも威力をさらに増した法力を放つ



だが中佐はそれを意に介さない。もしかして身体は別の場所にあるんじゃないかと思う程に無反応だ





「!?………しっ…式神ッ!」


巫女は今度は式神を喚び出す呪符を取り出した

中佐が担いだ銃を構えてトリガーを引き、巫女の目の前の地面から砂煙が横方向に一直線にあがる


「うわっ!」


巫女は銃撃に対して、反射で防御姿勢をとった。銃撃が止んだ事を確認して防御姿勢を解いた


「今度は君がハズレだよッ…………!」


巫女の目の前に銃口があった。中佐が巫女の前で、ただ無言で銃を眉間に突き付ける

相手の表情は読み取れず、次が読めない、銃口が眉間に突き付けられている。この事が巫女を激しく動揺させた


「ッ…………嫌あぁっ!」


冷静さを欠いた巫女は突き付けられた銃口を無理矢理払いのけた

銃が空中高く飛んだ、その瞬間に中佐の片手が銃が最高点に達するよりも速く、巫女の首を掴んで持ち上げた


「ああっ…カハッ……は…な…せ…………!」


満足に息も出来ない状態で巫女は中佐の腕を掴んで抵抗し、脱出をはかる。だが、抵抗にすらならず中佐の掌は首からピクリとも動かず締めつける、気道を圧迫して首を掴み上げたままだ

首を締める力が段々と強くなる。もはや巫女は腕を掴む事も出来ず、声すら出せず、息を吸う事に必死になっていた



その行動の中で見えてしまった。無表情の顔にある、サングラスからうっすら見える眼が、目の前にある眼が一点の曇りもなく鈍く光り、獲物を喰い殺す眼をしていた

自分は殺さる。もはや目の前の男は人間でもなく獣でもない何かだ、この手はこのまま造作もなく自分の首を締め潰すしてしまう

堪え難い恐怖がジワジワと背中から上がっていき、巫女の感性を支配した


「待て!」


吸血鬼が中佐の腕を抑えて、巫女は地面に落ちた


「はぁッ……はッ………くっ………ッあぁ………」


首が締まってないのに息が出来ない、空気が上手く吸えない、足が竦んで進めない、身体が言うことを聞かない、それでも少しでも遠く、一歩でも遠くへ逃げようと地面を這いずる。頭とは別の場所が勝手に身体に指示を出す、死に物狂いで動かない身体を動かそうとする




「これ以上は殺してしまうぞ!?」


吸血鬼は中佐がまさかそこまでするとは思わず、焦って間に入ったのだ。何とか巫女が死ぬ一歩手前で止めれた


「一応本気でかかったからね」


中佐は眈々と答えた


「これで分かったかい?そっちとこっちが」


怯える巫女に問いかけた。声も出せない状態にある相手からの返事はない


「僕は今、君を殺そうとした、より確実に、単純に殺そうとした」

「だけど、そうなる前に君には僕を殺すチャンスがあった、わざと用意した。それなのに君はそれを生かさなかった」

「だから君はそっちで這いつくばって、僕はこっちでこうやって立っているんだよ」


銃で作った自分と巫女とを区切る境界線を指差した


「君はもう理解した筈さ、僕と君の違いを」

「君は持っていない、けど僕達は持っている」





「…………聞こえてないか」


中佐は溜息を吐き出して肩を落とした。肝心の巫女はこちらを向いて怯え切っていてとても話が聞ける状態ではなかった


「吸血鬼、気絶させられる?」

「ああ、出来るぞ」


ヘルハウンドが煙になった。その煙が巫女を包み込んで姿が見えなくなった



しばらくして、真っ黒な煙が晴れると包み込まれた巫女は気絶して眠っていた




吸血鬼「戻れ」



ススススススス…………



中佐「さて、言い訳考えないと」ウーン

吸血鬼「ちょっと不親切過ぎないか?」スッ スチャ カチン

中佐「親切に教えたんだけどなぁ………」

吸血鬼「嘘を言うな」スッ スチャ カチン

中佐「キッツーイお灸を据えたって事にしといて」

吸血鬼「これにて一件落着……なのか?」スッ

中佐「そうだね……そうでないと言えばそうでないし、そうであると言えばそうでもある」

吸血鬼「なら、そうゆう事にしとこう」




中佐「そうゆう事にしたから、帰ろうか」

吸血鬼「ああ」

中佐「袋はえっと……ここっと」ガサ

吸血鬼「中身は大丈夫そうだな」

中佐「アイスとか買わなくて正解だったよ」

吸血鬼「行こう」

中佐「ちょっと待って、ほら」スッ

吸血鬼「…………なんだ、その手は」

中佐「何って、見ての通りだけど?」クイックイッ

吸血鬼「お姫様だっこは嫌だ!」

中佐「まぁまぁそんな事いわずに、お送りしますよヴァンパイア姫」

吸血鬼「何でそうなるんだ!」

中佐「ヴァンパイア姫は王子様が守ってくれるのさ」

吸血鬼「お前みたいな奴が王子な訳あるか」

中佐「とにかく、ほら」クイックイッ

吸血鬼「うぅ……今回だけだからな」

中佐「さぁ行きましょう」スッ

吸血鬼「急いでくれよ、恥ずかしいから……」

中佐「了解」ダッダッダッダッダッ

中佐「ほい」ズタンッ

吸血鬼「またかぁ!」ガクン







ダッダッダッダッダッ ズダンッ


吸血鬼「案外…………悪くないかもな」



スタッ ダッダッダッダッダッ



中佐「お気に召したようでなにより」



ズダンッ





ダッダッダッダッダッ ズダンッ



吸血鬼「案外…………悪くない」



スタッ ダッダッダッダッダッ



中佐「お気に召したようでなにより」



ズダンッ 





ガチャ


吸血鬼「帰ったぞー」

中佐「食料調達任務より只今帰還しました」

大尉「おかえりー」ギュッ

吸血鬼「ただいま」ギュッ

大佐「ご苦労、冷蔵庫とかに入れといて」

中佐「あいよ」ガサゴソ

大尉「えくせれんとなだきごこち♪」スリスリ

吸血鬼「フフッ♪」ナデナデ

大佐「おんやぁー?何かご機嫌じゃなーい?」ヒソヒソ

中佐「何かいい事あったみたいだね」ガサゴソ

大佐「お前……アイツに何した?」ヒソヒソ

中佐「お気に召す事」ガサゴソ

大佐「新人との親睦を深めたようでなにより」

中佐「まぁね」




大佐「それともう一つ、買い物行っただけなのに何でスーツが破れてるのかなー?」

中佐「スクーターに引っ掛けられてね」

大佐「それぐらいよけろよ……って言うと思ったか」

大佐「何台引っ掛けられてもそんな跡はつかねぇよ」

中佐「巫女とか言う子が会いに来てやられた」

大佐「?」クビカシゲ

吸血鬼「アイツが可哀相に思えてきた」

大尉「だれ?」

中佐「説明よろしく」ポン

吸血鬼「私か……」ハァー

吸血鬼「三年前にお前が助けた少女らしい」

大佐「俺が……助けた………?」ミケンギュッ

吸血鬼「思い出せるか?」

大佐「おう、吹っ飛ばした事だけならな」

吸血鬼「可哀相に…………」







大佐「続きをプリーズ」

吸血鬼「目の前に現れて、仲間にしてくれとさ」

大佐「あっ!あの子ね!ほら、あの……紙とか投げてくる子!」

吸血鬼「んー?まぁそれで、中佐が説教して落ち込んだと思ったら襲いかかってきた」

大佐「相変わらず血の気の多いこと……」

吸血鬼「面倒くさくて逃げたけど犬引き連れて追いかけてきたから、喰った」

大佐「お前………そういうはやめてくれよ、後が面倒だからさぁ」

吸血鬼「違うぞ、喰ったのは式紙だか狼のほうだ」

大佐「ややこしい言い方しよる」

吸血鬼「そこからコイツが首締めて、有り難いお話して気絶させた」

大佐「はい?」

中佐「夢見る少女に現実を見せただけさ」

大佐「そうかそうか、これでアイツも懲りて言いにこねぇだろうな」

吸血鬼「アイツ、歯ごたえも何もなかったぞ」

大佐「流石噂の吸血鬼だな」

吸血鬼「当然だ」フフン







地の文って語彙力ないと無理ですね……


この先少しダラダラとテキトーな話でもしようと思います


では見てくれた皆様、さようなら



大佐「………………」ボケー

吸血鬼「……………」ゴロゴロ

大尉「………………」ボフッ

大佐「暇だな」

大尉「だな」

吸血鬼「何にもする事がないな」

大佐「それに比べて中佐くんときたらもう……」

大尉「ねー」

吸血鬼「…………」ジィー

中佐「……zzzZZZZ……zzzZZZZ」スゥーボフゥー

吸血鬼「寝タバコ………」

大佐「特務課名物ってな」

中佐「…………………」ムクリ トントン

吸血鬼「!」

中佐「……………zzzZZZZ」スゥーボフゥー

吸血鬼「えぇ………」

大佐「タバコの灰が落ちそうになるとちゃんと落として寝るんだよな」

大尉「おきてるみたいにね」





ピピーッ


大佐「おんやぁ?」

大尉「おきゃくさんだ」

吸血鬼「そういえば、ここって何でも屋とかやってたな」

中佐「…………………」ムクリ

中佐「……お客だね」スッ グリッ

大佐「行ってこい」ビシッ

中佐「アイアイサー」スタスタ

吸血鬼「……接客はアイツなのか」

大佐「他に誰がやるんだ?」

吸血鬼「少尉」

大佐「諜報員だから無理」

大尉「しょうさも、ちょいとなんあり」

吸血鬼「これでいいのか」

大佐「特務課のメンツの中でアイツが一番常識人っぽいからな」

吸血鬼「常識人っぽい?」





ガチャ………バタン


大佐「残念ながら、常識の皮を被った非常識だけどな」

吸血鬼「まぁ確かにな」

大佐「それにちとタチが悪いぞ」

吸血鬼「そうなのか」

大佐「おう、お前は特にその内分かる」

大尉「こっちこっち」チョイチョイ

吸血鬼「何だ?」

大尉「ここにみみあてると、むこうのはなしがきこえる」

吸血鬼「本当か………?」ピタッ

大佐「今回はどんな嘘をかますのかね」





中佐「どうぞ、お掛けになってください」

依頼人「ありがとうございます」

中佐「さて、アナタはどうしてここに来たのですか?」

依頼人「あの……ここって…………本当に何でもやってくれますか?」

中佐「ええ、もちろんです」

中佐「人探し、犬の散歩、引っ越しのお手伝いetcからテロリスト殲滅、ストライキの武力鎮圧、総理大臣の暗殺までも依頼一つで何でも致しますよ」

中佐「もしかして、あまり公に出来ない依頼でしょうか」

依頼人「いっいえ、そうゆうのではないんです」

中佐「では、本題に入りましょう。依頼はなんでしょうか?」

依頼人「………ある人を何とかしてほしいんです」

中佐「何とかするとは?」




依頼人「……私の………兄の事です」

依頼人「私の兄は四年前から連絡がつかなくて、今どこ住んでいるかも分からないんです」

中佐「四年前のある日からぱったりと音信不通ですか」

依頼人「はい、そうなんです」

中佐「何か心当たりのようなものはありますか?」

依頼人「いえ……全く…………」

依頼人「でも、兄に限っていきなり行方知れずになるとは思えないんです」

中佐「根拠は?」

依頼人「家族だから……です」

中佐「なるほど………お兄さんはどんな職業に就いていましたか?」

依頼人「研究所で科学者をやってました」

中佐「分かりました」




中佐「もしかすると、事件か何かに巻き込まれているのかもしれませんね、科学者なら特に考えられます」

依頼人「……………」

中佐「三年前から発生している、ある強盗団による集団強盗事件………か、その辺りですかね」

依頼人「……でも」

中佐「これはあくまで僕の予測です、あまりお気になさらないでください」

中佐「でも、もしそうならば少々厄介ですね………」

依頼人「お金の方はあります」

中佐「いえいえ、そこではないんです」

依頼人「?」

中佐「強盗団いるのなら本拠地を特定して、そこら制圧しなければなりません…………それと」

依頼人「それと?」

中佐「四年前から音信不通なんて人が今はとうなっているのか分かりませんから」




中佐「………アナタの依頼は兄を何とかして欲しいでしたね」

依頼人「はい」

中佐「考えられる最悪のケースでは本当に“何とか”する事になります」

中佐「もし、そうせざるを得ない場合に陥る可能性もあります」

中佐「もしそうなるならば…………これを」ゴトッ

依頼人「………これは?」

中佐「ある爆弾のリモコンです。そのスイッチを押せば、どこかに仕掛けた爆弾が爆発して誰かが何人、何十人と死にます」

依頼人「えっ……?」

中佐「アナタの依頼にはそれを押すのとほぼ変わらない内容が含まれているかもしれません」

中佐「もし、“そう”なったのなら間接的とはいえ殺したのはアナタになります」

中佐「アナタにはありますか?何があろうと、何としても自分のお兄さんを見つけ出す覚悟が」

中佐「自分の目的の為に人の命を奪う事が出来ますか?」

依頼人「………………………」

中佐「押す、押さないはアナタの自由です」

依頼人「………………………………」

依頼人「私は……………」グッ

中佐「どうしますか?」

依頼人「……………………………クッ」カチッ



シュボッ ボォー




依頼人「え?」

中佐「分かりました」ヒョイ

依頼人「え……爆発は………?」

中佐「これはただ爆弾のリモコンに似たライターです。ですので誰も死んでませんよ」

中佐「アナタのお兄さんを何とかしてしまった時の保険です。申し訳ありません」

中佐「ですが、アナタのお兄さんは僕達が必ず見つけ出します。ここまでさせておいて失敗は許されません」

中佐「こんな物騒な事を言いましたが、アナタのお兄さんは意外と元気で何事もなく過ごしているかもしれませんよ」





依頼人「えっ………あ…………はい」

中佐「脅すような真似をしてすいません」

依頼人「兄を……お願いします」

中佐「分かりました。何としてでもアナタのお兄さんを見つけて参ります」

中佐「料金の方は後日決定しますので今日はこれで」

依頼人「はい………宜しくお願いします」スクッ

中佐「はい、お任せ下さい」



ガチャ……バタン






大佐「ウッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」ゲラゲラゲラゲラ バンバンバンバン

吸血鬼「うわぁ……」

大尉「あいかわらずのたちのわるさ……」



ガチャ



中佐「盗み聞きは良くないよ」

大佐「どんなハッタリかましてんだよ、爆弾て」ゲラゲラゲラゲラ

吸血鬼「お前、意外と嘘とかつくんだな」

中佐「嘘も方便ってね」

大尉「ちんもくはきんってね」

吸血鬼「んん?」




大佐「にしても予測は合ってると思うぜ」

中佐「やっぱりか」

大佐「ああ、多分チョロイやつだ」

中佐「そうかい」

吸血鬼「私とコイツで十分だな」

大佐「オーバー過ぎるっつうの」

中佐「早く終わらせて、朗報でも持って帰ろうか」

吸血鬼「…………本当か?」

中佐「えっ、何で僕、疑われてるの?」









吸血鬼「おい、この辺で合ってるのか?」

中佐「ちょっと待って」ピピッ

中佐「少尉、情報を」

少尉『中佐が睨んだ通り、三年前からの強盗団で当たりでした。そこから見えるビルを拠点として活動していて、何でも盗んでいます』

吸血鬼「もっと廃墟かと思ったが、結構綺麗なビルじゃないか」

中佐「強盗団のアジトにしては変だね」

少尉『おかしな事に彼らが必ず盗む物があります』

中佐「へぇ……」

少尉『液体窒素を犯行の度に盗んでいます』

少尉『用途は不明です。なので、相手は何をしてくるのか分かりませんので注意して下さい』

中佐「任務中にすまないね」

少尉『私も任務に戻ります』

中佐「了解」ピッ

吸血鬼「あの窓は……マジックミラーってやつか」





中佐「見張りは周りに……3、4、5人か」ppppp

吸血鬼「正面から強行突破するか?」

中佐「いや、それは駄目だ。逃げられてしまうかもしれない、今回は潜入しよう」ppppp

中佐「…………監視システムにハッキング」ppppp

吸血鬼「そのサングラス、いいな」

中佐「ありがと、やっぱり中の警備の方が厳重だ」ppppp

吸血鬼「余程見られたくない物でも作ってるのか」

中佐「警備はなかなか抜け目ないな」ppppp

吸血鬼「液体窒素に消えた科学者、なかなかの兵器でも作ってるみたいだな」

中佐「いや、武器開発らしき設備やそれらしきコンテナとかも見当たらないよ」ppppp

吸血鬼「…………行けば分かるか」

中佐「特務課の手帳見せたらすんなり入れたりするかもね」

吸血鬼「まだそれを言ってるのか」




中佐「よし、潜入を開始しよう」ガッ

吸血鬼「待て、どこから行くつもりだ」

中佐「ビルってのは大体が近くのマンホールから侵入できるもんなのさ」グイッ ゴトン

吸血鬼「そうなのか」

中佐「強盗団アジトの謎解きに出発しようか」

吸血鬼「ああ」






ピチャ…………ピチャ



中佐「あれじゃないかな」

吸血鬼「早く新鮮な空気が吸いたい」

中佐「ここから中に入って、そこらからはダクトを通って………っと」ppppp

吸血鬼「サッサと終わらせて帰ろう」

中佐「その意気だ」





ゴソッ……ゴソッ………ゴソッ


中佐「見張りの人、死んでないかな」

吸血鬼「ここ狭いぞ、それに全然進んでる気がしないんだが」

中佐「えーっと、一応は進んでるよ」ppppp

吸血鬼「おい、見てみろ」

中佐「どれどれ………どうやら見張りが二種類いるみたいだね」ゴソゴソ

吸血鬼「なんだココは、ますます訳が分からないぞ」

中佐「液体窒素を必ず盗む捕まらない強盗団、綺麗なビルをアジトにして、二種類の見張り、謎は深まるばかりだね」ゴソゴソ

吸血鬼「うーん」ゴソゴソ





中佐「そろそろだね」ゴソゴソ

吸血鬼「分かった」ススススス

中佐「いつの間に霧になったんだい」

吸血鬼「こっちの方が楽だからな」

中佐「僕のサングラスよりそっちの方が便利じゃないか」

吸血鬼「フッ……」

中佐「……ここかな」ピタッ

吸血鬼「見張りも何もいないぞ」

中佐「監視カメラもない、あるのは巨大な装置だけ」

吸血鬼「何があるかは知らんが、突入だ」

中佐「了解」ガッ




依頼人兄「何故だ……何故なんだ…………」



ガランガラン



依頼人兄「誰だ!?」

中佐「通りすがりの嘘つき幽霊さ」

依頼人兄「何の用だ?」

吸血鬼「お前を」

中佐「君をいいところに放り込む為に来た」

吸血鬼「そうなのか」

依頼人兄「そうは……させない!」スッ

吸血鬼「……………」カッ

依頼人兄「うわっ!」ボンッ

吸血鬼「外と連絡は取らせないぞ」パチン



ボボボボボボボボンッ



中佐「ヒュー♪やるじゃない」

吸血鬼「魔法の類も一応使えるからな」

中佐「さて、大人しくご同行願おうかな」









プシッ ジャキジャキジャキン



博士「そうはさせんよ」

依頼人兄「博士!」

中佐「少しドジったかな、コレは」

吸血鬼「………たかが10人程度か」

中佐「いけるかい?」

吸血鬼「殺さんように最善を尽くすよ」

中佐「頼むよ」

吸血鬼「そっちは頼んだぞ」ブワァ



ススススススススススス



博士「何だこれは!?」

見張り1「何も見えない!」

見張り2「どこだ!どこにいる!?」



スゥー



依頼人兄「消えた………」






ススススススススススス



吸血鬼「さて、やろうか」

博士「例え場所を変えようとお嬢さん一人で一体何ができるんだ?この銃と人数のまえで」

見張り達「ハハハハハハハッ!」

吸血鬼「……ほう、舐められたらものだな」



バキャッ




博士「床を割った!?なんて力だ………!」

見張り達「!?」

吸血鬼「突っ立ってないでかかってこい、三下共が」パキパキ

博士「私の邪魔はさせんよ!」バッ



ジャキン ババババババババッ



吸血鬼「この程度か」





中佐「本当に凄いもんだ」

依頼人兄「………………」

中佐「抵抗はオススメ出来ませんよ」

依頼人兄「…………………」

中佐「早く帰った方が僕達としても」

依頼人兄「フンッ!」ピッ

中佐「おっと」ヒョイ

中佐「サイコキネシスか………厄介だ」

依頼人兄「邪魔しないでくれ!」ズオアッ

中佐「……………」ダッダッダッ ズダンッ

依頼人兄「逃がさない!」ブンッ

中佐「…………………」ガシッ ドカッ

依頼人兄「打ち返してきた!?うわっ!」ドテッ

中佐「チェックメイトです」ザッ

依頼人兄「くそっ………!」





中佐「アナタは何故こんな事を?」

依頼人兄「私はただ………妻を救いたいだけだ」

中佐「…………………」

依頼人兄「四年前、妻は未知の病に冒されてから目が覚めず、声も聞けない」

依頼人兄「どんな医者に見せようと匙を投げられた、原因が分からない、有効な治療法が見当たらないと」

依頼人兄「当時科学者だった私に出来たのは妻を冷凍して病の進行を止めることしか出来なかった……………」

中佐「だから液体窒素が必要だったのか………」

依頼人兄「そうだ、四年前から私のもてるもの全てを使って、死に物狂いで特効薬の開発に取り掛かった」

依頼人兄「だが結果はご覧の有様だ、四年かけても成果の一つも挙げられない」

依頼人兄「妻はそこで眠ったままだ」





依頼人兄「私は何としても妻を助けたいんだ!」

中佐「そうですか」

依頼人兄「頼む!もう少し、もう少しだけ私を見逃してくれ!」

中佐「それは無理ですね」

依頼人兄「なっ………」

中佐「僕はアナタをここから連れ出す為に来たのですから」

依頼人兄「畜生…………!」ガンッ

依頼人兄「何をやっても妻は目を覚ましてくれない………あの声も聞かせてくれない、あの笑顔も見せてくれない」

依頼人兄「私はなんて無力なんだ………滑稽なまでに愚かだ、自分が情けない」

依頼人兄「私は妻を……愛する人の一人も救えないのかッ…………!」

依頼人兄「なら……諦めるしかないのか?!妻も救えないままの私に“全て諦めろ”とでもいうのか!」






プシッ ジャキジャキジャキン



部下1「そうはさせやせんぜ!」ジャキン

部下2「諦めないで下さい!」

部下3「アンタは奥さんの為に今までやってきた」

部下4「どんなに辛い結果を食らおうと、妻の為だと言ってアナタは諦めなかった!」

部下5「今までもそうだった!これからもそうでしょう!」

部下6「頑張るお前さんと一緒に何かが出来るのが嬉しかった」

部下1「そうさ、俺達ぁみーんなそんなアンタの後ろをついて行くのが大好きなんですぜ」

部下1「自分の妻の為に全てを賭けて必死で戦い続ける…………アンタがそんな人だから俺達は!貴方について来た!」

部下達「だから!その邪魔はさせない!」




中佐「参ったね、これじゃあ僕は悪役だ」

依頼人兄「お前達………」



ドゴオォーンッ……ガラガラガラ



吸血鬼「おお、やっと辿り着いた」

中佐「もう終わったのかい」

吸血鬼「瞬殺もいいとこだ、それと面白いものを持ってきた」ポイツ

博士「ぐおっ」ベチッ

依頼人兄「博士………!」

吸血鬼「コイツが何やらいらん事をしていたそうだ」

依頼人兄「何ッ!?」

吸血鬼「……話せ」カッ

博士「あの小僧は利用価値があったわ」

博士「妻の為などと抜かして何でもやろうとする」

博士「頭もそこそこ良かったから偽装工作も出来て、そこら中から盗み放題だったわい」

博士「おかげさまで儲かった儲かった」

博士「奴は、あの病は打つ手がないのに無駄な努力を続けるからまだまだ稼げるわ」

博士「用が済んだら奴もろとも罪を擦り付けて、ゆっくりと余生を過ごすとするよ」






部下1「この……クソジジイ!」ブンッ

依頼人兄「ダメだ」ガシッ

部下1「離してくだせぇ!コイツは一発ぶん殴ってやらねぇと俺の気がすみやせんぜ!」

依頼人兄「それは………私がやる」ドゴッ

博士「ぐおあっ!」ドサッ

部下1「!」

依頼人兄「責任は私がとる」

中佐「もういいかい?」

依頼人兄「はい、犯罪に手を染めてしまったのですから裁きは受けなければなりません」

部下1「そんな……!」

依頼人兄「いいんだよ、私は道を間違えてしまった、だから今から正しい道へと歩み出す」

依頼人兄「なので妻を…………お願いします」

部下達「!………………お願いしますッ!」

中佐「…………間違い?それは違うんじゃないのかな」




吸血鬼「お前はそれでいいのか?」 

依頼人兄「いいわけはない、だが………」

吸血鬼「なら、そうしなければいいだけだ」

吸血鬼「お前は妻を助ける為にここまてやってきた、全てを棒に振るな」

吸血鬼「お前はそれをやってはいけない、それをやってしまってはお前の妻は目を覚まさない、だからお前は死んでもそれをやってはいけない」

吸血鬼「妻の為にというのならば最後の最後まで自分の信念を貫き通せ、貫き通した信念に間違いなどという言葉はない」

吸血鬼「確かに今は間違いかも知れない…………だがな、お前の行動や信念の全てを間違いで終わらせてしまうな」

吸血鬼「お前は死んでも妻を助けろ、これはお前がしなくてはならない事だ、私達がしなくてはならない事ではない」

吸血鬼「無駄な努力と言われようが、何をされようが諦めるな、諦めてしまっては全てが塵になってしまう」

吸血鬼「そんな事はするな」






中佐「だが、時として真実とはどんな嘘よりも残酷である」

吸血鬼「お前……連絡したのか」

中佐「ああ、一字一句間違いなくね」

依頼人兄「……………………」

中佐「さぁ、行きましょうか」

依頼人兄「はい……………」スッ

中佐「何で手を差し出してるんですか?」

依頼人兄「えっ………だって貴方が」

中佐「なら、これを」スッ

依頼人兄「これは……名刺?」

中佐「僕の知り合いの科学者です。アナタ程の科学者なら大歓迎だと思いますよ」

依頼人兄「…………貴方は」

中佐「僕はアナタを捕まえに来たとは一言も言ってませんよ、連れ出しにきたとは言いましたけどね」





中佐「そもそも、僕達は警察じゃない。なので手錠や逮捕状とか持ってませんから直接に逮捕は出来ません」

吸血鬼「なら、お前は何て報告したんだ、言え」

中佐「強盗団の制圧に成功、人質として捕まえられていた科学者達と民間人一名を“保護”したってね」

吸血鬼「面倒くさい言い方をするな」

中佐「まぁまぁ、そう怒らないでよ」

依頼人兄「なんで………」

中佐「なんでかって?答えは簡単、残酷な真実が招くバッドエンドなんかよりも最高のハッピーエンドの方がよっぽどいいじゃないですか」

中佐「それに……アナタの妹さんからお願いされましたからね、兄をお願いしますと」

依頼人兄「妹が……!」

中佐「いい妹さんですね、四年前からアナタが音信不通になった事をすごく心配してましたよ」

中佐「アナタも病に倒れた奥さんの為に必死でこの四年間を生きていた」

中佐「そんな兄弟達を悲しませるような真実なんてものは何の事はない嘘に変えてしまおう………そう思ったから僕は、僕の意志で勝手にこうしました」

中佐「これでアナタは強盗の片棒を担がなくてもいい、奥さんを救う事が出来る、妹さんとも再会する、全てが丸く収まります」

中佐「…………どうでしょうか?」





依頼人兄「え………あ……ありがとうございます!でもそんな事をしたら、貴方は…………」

中佐「僕は嘘つき幽霊です」

中佐「普通の人なら罰せられます。だけど、幽霊なら話は別です、実体がないので法律等々は適応外です」

吸血鬼「…………なかなかの屁理屈だな」ハァー

中佐「実際そうだからね」

中佐「それと……嘘も最後まで貫き通せば真実になる………ってね」

吸血鬼「信念だよ」

中佐「おっと、そうだったそうだった」

依頼人兄「……………私達は捕まらないんですね?」

中佐「はい、事情聴取はありますが罰せられず済む、それどころか就職先までありますよ」

中佐「武器を捨てて外に出て下さい。もう警察が来てると思いますから」

依頼人兄「本当に……ありがとう……ございます…………!」ポロポロ

中佐「……その涙は…………妹さんとの再会に取っておいて下さい」





依頼人兄「またお会いしましょう」

部下達「ありがとうございました!」



プシッ



中佐「さて、今回はこれにて一件落着」シュボ

吸血鬼「お前……これはやりすぎだろ」

中佐「問題ないよ、終わり良ければ全て良しさ」スパー

吸血鬼「これでいいのか?」

中佐「これでいいのさ」

吸血鬼「全く、嘘つき幽霊もろくなもんじゃないな」ハァー

中佐「………偉大なる先人はこう言いった」

吸血鬼「何て言ったんだ?」

中佐「嘘も方便……ってね」ニカッ

中佐「さて、早くクライアントに朗報を持って帰ろう」スタスタ

吸血鬼「…………………はぁ」スタスタ

吸血鬼「本当に……タチが悪いな」






今日はこんな感じの元ネタがバットマンの話でした。ショートカットしたにも程がありますね


誤字がかなり目立ちますね………泣きそうです


次はブラックジャックな話か適当な話にしようかと思います。ではこれをみてくれた方、さようなら




吸血鬼「……………………」

大尉「zzzZZZZ…」スピー

中佐「zzzZZZZ……zzzZZZZ」スゥースパー

吸血鬼「………解せない」

少佐「ショットガン食らったみたいな顔してどした?」

吸血鬼「解せない」

少佐「前の依頼は上手くいったんだろ?何で解せねぇんだよ」

吸血鬼「アイツに上手い事丸め込まれた気がして解せない」

少佐「そーんな事、気にすんな気にすんな」

吸血鬼「……………………」ウーン

少佐「意地っぱりだな、お前」

少尉「確かに、私達に比べれば気にする必要はありませんよ」

少佐「今頃かよ」ガンッ

少尉「おや、タイミングを合わせ損ねましたか」

吸血鬼「私は意地なんか張ってないぞ」

少佐「どうだかねぇ」

少尉「どうでしょうねぇ」




中佐「…………………」ムクリ トントン

中佐「…………zzzZZZZ」スパァー

吸血鬼「………依頼人は喜んでたが、私は気に食わんのだ」

少尉「具体的にはどこが気に食わないのですか?」

吸血鬼「最後だよ、さ・い・ご」

少佐「いい感じにだったんだからいいだろ」

少尉「そうですね、まるでドラマのようなラストでしたし」

吸血鬼「なんだ!あの格好付けは!終わり良ければ全て良しでいいのかぁー!」ドンッ

少佐「おう」

少尉「ここ特務課にその言葉は必要不可欠なワードです」

少佐「本当にどこが不満なんだよ」

少尉「よく分かりません」

吸血鬼「………話が通じる奴はいないのか」





ガチャ



大佐「うるせぇぞー吸血鬼ぃーキッツーイ仕事まわすぞー」

吸血鬼「…………私も寝ようかな」

大佐「吸血鬼はなんで怒ってんの?」

少尉「前回の依頼の最後が気に食わないと言ってます」

少佐「これがよく分かんねぇんだよ」

大佐「そういうお年頃かしら」

吸血鬼「ここには至って普通で人畜無害な人材はいないのか」

大佐「残念」

少佐「ながら」

少尉「存在しておりません」

大佐「あしからず」





大佐「という事で、ボヤいてもしょーがねぇぞ」

吸血鬼「分かった分かった」

大佐「いい感じのところで割り切れよでないと」

少佐「てかお前、ネクタイ忘れてんぞ」

大佐「あり?」

少尉「どうぞ」スッ

大佐「ご苦労」サッサッサッ

少佐「ボケーッとしてんじゃねぇぞ」

大佐「俺は寝起きだっつうの」

吸血鬼「今度は普通の依頼が来ないかなぁ………」

大佐「祈っとけ祈っとけ」

少尉「ヴァンパイアが神に信仰心を示すと言うのは自殺に等しいk」

少佐「うっせぇ、長いしそうじゃねぇ」ガンッ

少尉「またもやしくじりましたか」





吸血鬼「神様仏様イエス様ブッダ様、何とぞ……!お願いします」ナムナム

少尉「被ってますね」

少佐「ええぇ?そうなのか?分かんねぇ……」

大佐「ちょっと仕事しただけでそんなに不満か?いい度胸してんなぁ、オイ」スッ

吸血鬼「お前の部下がちゃんと説明しないで仕事させるからだよ」



ピピーッ!



大佐「あら、Good timing」

少尉「依頼ですね」

少佐「中佐のヤローは寝っぱなしだぞ」

吸血鬼「私が行く」

大佐「いや、ここはトップの俺様がビシィッとズバァッと決めてくるぜ」

吸血鬼「………不安だな」

少佐「出来んのか?」

少尉「頑張って下さい」

大佐「慣れねぇ事はたまーにはするもんだモンネー」

大佐「待ってなー吸血鬼ちゃん、戻ってきたら一字一句丁寧に仕事内容を教えてやっからよ」



ガチャ……バタン



吸血鬼「………嫌な予感しかしないよ」






大尉「……zzzZZZZ」スヤスヤ

中佐「……………………」ムクリ トントン 

中佐「………zzzZZZZ……zzzZZZZ」スゥーボフゥー

吸血鬼「(よく寝るな、二人とも)」

吸血鬼「(コイツはどこまで再生出来るんだろうか、私と同じぐらいではないな)」

吸血鬼「(そういえば……大尉は初めて見た時はスーツだったが、それ以外は着物なんだよな……………)」

吸血鬼「(不思議だなぁ……座敷童ってのは)」ジィー

大尉「zzzZZZZ…………」ピクッ

大尉「……きゅうけつきちゃあん…………ぐへへぇ」ワッキャワッキャ

吸血鬼「!」ゾクゥッ

少佐「うおおぉぉぉっ……セーフだったあぁ…………」ヒヤヒヤ










吸血鬼「で」

吸血鬼「何でこうなったんだあああぁぁぁぁ!?!?!?」

少尉「そのウエディングドレス、とても似合ってますよ」

中佐「黒い髪が白い生地に映えるね」

吸血鬼「何でだあぁぁ!?何でこうなるんだああぁぁぁ!!」

中佐「聞こえてないかぁ…………」

少佐『うっせえええぇぇぇぇ!!黙って、立ってろッ!!!』

吸血鬼「…………はい」キィーン

中佐「レディにあるまじき声量だね」キーン

少尉「全くです」

少佐『女らしくなくて悪かったなーポンコツトンカチ共がー死ね』ガンッ ゴトゴトッ

中佐「そこ、そんなに居心地悪いのかい?」

少佐『こんな狭ぇ台よか、塹壕の方がよっぽど広ぇよクソッ』

中佐「とにかく、しばらくそこで大人しくしといてよ」

少佐『ラージャ』






中佐「まさか結婚式の囮役の依頼とはね」

少尉「こんな依頼があるんですねぇ……」

中佐「楽だしいいんじゃないかな」

少尉「新郎服、似合ってますよ」

中佐「そっちこそ、神父服もなかなかだよ」

少尉「そうですか、この仕事辞めたら教会にでも就職します」

少佐『うわー今改めて思ったわー俺やっぱこの台の中で良かったわーウエディングドレスとか絶対御免だわー着なくて正解だったわー』

吸血鬼「うぅ……恥ずかしい///」モジモジ

少佐『吸血鬼の今の様子はどんなんだ?』ガタゴトガタゴトッ

少尉「恥ずかしがりながらもウエディングドレスが自分に似合っているか確認しています」

少佐『マジでか!あぁっクソッ………生で見たいぜぇ、可愛らしく恥ずかしがる吸血鬼ちゃんを生でよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』ゴトゴトゴトゴトッ



ゴッッッ!



少佐『グベラッ………』

吸血鬼「だっ……黙れ////」

少佐『…………………』チーン






中佐「…………素敵だ」

少尉「…………そうですね」

吸血鬼「ふぇ!?」

中佐「ちょっと回ってみてくれないかな」

吸血鬼「こっ……こうか///」クルクルッ

吸血鬼「……………どうだ?」モジモジ

中佐「……………美しい」

少尉「……素晴らしい………です」

吸血鬼「/////」

吸血鬼「そ、そんな事はな、ななないぞ///」

吸血鬼「母さんに比べれば、わっ私なんかまだまだで………それに」モジモジ

中佐「そんな事はあるよ」

吸血鬼「へ?」

中佐「君はとても綺麗だ。他の誰かと比べられない程にね」

吸血鬼「…………!」ドキッ

中佐「だから、もう少し自分に自信を持って生きてもいいんじゃないのかな」

吸血鬼「……………////」カアァッ

中佐「そうでないと、王子様が君を見つけられないよ」



バンッ



中佐「そして、悪い兵隊さん達のお出ましだ」








ジャキジャキジャキジャキジャキジャキン



少尉「少佐、敵ですよ」

少佐『ぐおぉぉっ、了解………あったま痛ぇ………フゥー』

少佐『ハァッ!』ドゴォーン

少佐「あぁー待ちわびたぜ、コンチクショー共がよー」ゴキゴキボキバキッ

少尉「この数なら十分とかかりませんね」ガシャ

中佐「さっさと終わらせて帰ろうか」コキコキッ

少佐「行くぜぇ!」ダダダダダダッ

少尉「戦闘開始!」スタタタタタッ

中佐「スー……………」ダッダッダッダッ









少佐「フンッ」ドゴッ

敵「ぐはッ………」ドサッ

中佐「それで最後か」

少尉「はい、彼らは全てにおいて予想を下回っていました」

少佐「もう終わりかよ、ショボい奴らだったなぁ………」ハァー

吸血鬼「終わったのなら早く帰るぞ」ザッ

少佐「あーーー!!!」

少尉「あ」

中佐「着替えてきたんだね」

吸血鬼「当たり前だ!お前が真剣な顔で嘘か本当か分からん事を言ってくるからだ!混乱したんだぞ!」

中佐「どっちが嘘でどっちが本当なんだろうね?それに………………少尉だって褒めてたよ?」

吸血鬼「それはそれで!これはこれだ!」

中佐「よし、帰ろうか」

吸血鬼「待て、ちゃんと答えろ」

中佐「面白い事に、答えはどっちでもあるしどっちでもないんだよ」スタスタスタ

吸血鬼「?どうゆう事だ?」

中佐「いつか分かる時がくるさ」






話のノリがなんかブラックジャックっぽくなってきました


そろそろ話を動かそうかと思います



中佐「少しよろしいでしょうか」

大佐「何だね、言ってみたまえ中佐」

中佐「新人の吸血鬼の事ですが」

大佐「ほう、何かね」






吸血鬼「いつになくシリアスな顔をしているな」

中佐「新人の吸血鬼に町を案内してやってもよろしいでしょうか」キリッ

大佐「構わんよ」キリリッ

大尉「かまわんぞ」キリリッ

吸血鬼「無理してシリアスな声を出さんでも」

大佐「ゲッホゲッホゴッホうべらっ」

吸血鬼「ほーら、言わんこっちゃない」

中佐「ふぅー」スパー

吸血鬼「町案内か」

中佐「君はここに来たけど、まだ知らない所だらけでしょ?」

吸血鬼「うむ、そうだ」

大佐「なんで得意げな顔してんだ」

中佐「ということでちょっと出掛けてくるよ」

吸血鬼「わーい楽しみだなー(棒読み)」

大佐「行ってらっさーい」フリフリ

大尉「おそくならないようにねー」フリフリ





中佐「ご覧の通り、そこそこ大きい町です」カツカツカツ

吸血鬼「人が多いな」カツカツカツ

中佐「主要都市だからね」

吸血鬼「これだけいれば食料には困らんな」

中佐「面倒事は起こさないでよ」

吸血鬼「冗談だよ、じょーだん」

中佐「やれやれ……」





吸血鬼「アイスが食べないな……」

中佐「ならあそこに行こうか、この時間なら空いてると思うよ」

吸血鬼「アイスなんて久しぶりだよ」

中佐「そうか、何でも好きなのを食べていいよ」

吸血鬼「よし」グッ






中佐「おまたせ」ガタ

吸血鬼「お、来た来た」

中佐「はい」

吸血鬼「どうも」

中佐「特務課には慣れたかい?」

吸血鬼「慣れたって言ったら慣れたんだろうな」モグモグモグ

中佐「それはなにより」

吸血鬼「思ったより楽に金が手に入るな」モグモグ

中佐「この仕事は少々ふんだくっても問題ないのさ」

吸血鬼「政府からの依頼はたまにしかこないんだな」モグモグモグ

中佐「楽でいいでしょ?」

吸血鬼「楽だなー本っ当楽だなーこの仕事」モグモグモグ

中佐「ん?」

吸血鬼「あ?」






強盗「怪我したくなかったら金だせぇ!」シャキン

店員「は、はい!」

中佐「あらまぁ」

吸血鬼「ベタな強盗だな」モグモグモグ

中佐「よっこいしょ」ガタッ

吸血鬼「止めに行くのか」ハグハグ

中佐「正義のヒーローですから」スタスタ

吸血鬼「頑張れよー」モグモグ






強盗「早くしろ!警察に連絡なんかするんじゃねぇぞ!」

店員「わ、分かっています!」

中佐「チョコミント一つお願いします」

店員「へ?」

強盗「ああ?何だテメェ!」

中佐「いや、だからチョコミントを一つ」

強盗「無視してんじゃねぇ!邪魔なんだよ!」シュッ

中佐「……………」ガシッ グイッ

強盗「おわぁ!」ビターン

中佐「………………」ビシッ

強盗「が……………」ガクッ

中佐「チョコミント一つ」

店員「えっ、あ、はい」

吸血鬼「何やってんだ」

中佐「いや、チョコミントを」

吸血鬼「店を出るぞ、面倒くさい事になるからな」グイッ

中佐「はいはい」

店員「あの……お名前は」

中佐「ナナシノゴンベエ」

吸血鬼「行くぞ」スタスタスタ

中佐「あいあい」スタスタスタ





中佐「そんなに急がなくてもいいんじゃないのかな」スタスタスタ

吸血鬼「嫌な予感がする。私の勘がそう言っている」スタスタスタ

中佐「なるほどね」


「待ってくれ!そこのあんたら!」


中佐「ん?」

吸血鬼「あ?」

?「すいませーん、アナタさっきアイス屋で強盗をのしちゃってましたよね?」

吸血鬼「それ、みたことか。やっぱりこうなるんだよ」

中佐「人違いです。僕はチョコミント食べてました」

吸血鬼「お前のそのチョコミントに対する執着は何なんだ」

中佐「それで、お名前は?」

記者「失礼しました。俺の名前は記者、しがないジャーナリストです」

中佐「ジャーナリストねぇ………」

記者「もしかしてあんたら、噂の何でも屋?」

吸血鬼「どんな噂だ」

中佐「君の知ってる何でも屋かどうかは知らないけど、何の用かな」

記者「ちょーっと話を聞いて貰えると嬉しいんだけどなー?」

吸血鬼「なんか腹立つなコイツ、殴っていいか?」

中佐「まぁまぁ落ち着きなよ」

記者「気の強い嬢ちゃんだな」






記者「まぁまぁアメでもどうぞ」パッ

吸血鬼「用件はなんだ?」ヒョイ パクッ

記者「依頼っていうかほとんど頼みみたいなもんなんだけどさ」

記者「ヤクザから権利書奪い返してくれない?」

中佐「簡単に言ってくれるね」

吸血鬼「実際簡単だがな」モゴモゴ

記者「いける感じ?」

吸血鬼「ヤクザってなんだ?」モゴモゴ

記者「そこかよ………」

中佐「日本版ギャングだよ」

吸血鬼「ああ、なるほどな」モゴモゴ

記者「立ち話も難だし、ちょっくら歩きながら話さないか?」

中佐「ああ」

吸血鬼「美味いな」モゴモゴ





中佐「権利書奪い返してくれなんて物騒な話だね」

記者「穏便に済めば良かったよ、けどアイツらは力でこっちを押さえつけて済ませたつもりでいやがる」

記者「許さねぇ、自分の欲望の為に人を力で無理矢理押さえつけやがって」

記者「ましてや女子供を暴力でだ」

中佐「女子供…………そこの保育所か」

記者「ああ、そうだ」

吸血鬼「あの保育所がお前と何の関係がある」

記者「俺はあそこに通っていた。だからだよ」

中佐「被害の程は?」

記者「子供達に怪我はない、だが先生達の一人が入院している。教室や職員室も荒らされたよ」

吸血鬼「これからもエスカレートしそうだな」

記者「先生達は土地を譲る気はない」

吸血鬼「なら、なおさらそうだ」

記者「だーかーらーあんたらに頼んでんだよ」





中佐「その依頼、受注しよう」

記者「悪いんだが……金の方はあんまり期待しないでくれ、写真やらがあんまし売れなくてな」

中佐「お金の話は後でいいさ、とにかくそのヤクザの拠点を教えてくれないか」

記者「すまん、場所は」カクカクシカジカ

中佐「…………了解した」

吸血鬼「情報ついでにアメをもう一個くれ」

記者「はいよ、依頼………頼んますよ」スッ

吸血鬼「楽勝だ」ヒョイ パクッ

中佐「二日か三日はかかるけど問題ないかい?」

記者「受けてくれるんならそれで充分だ」

記者「じゃあな」

中佐「任せてくれ」

吸血鬼「アメありがとなー」フリフリ






中佐「さっ……行こうか」

吸血鬼「もう行くのか」モゴモゴ

中佐「善は急げだよ」

吸血鬼「今回はふんだくれないぞ」モゴモゴ

中佐「ふんだくるのは政府か金持ちだけだよ、それに………ふんだくるにもお金がないんじゃ仕方ないさ」ヤレヤレ

吸血鬼「珍しくタダ働きか」モゴモゴ

中佐「正義のヒーローは得にならない事もするのさ」

吸血鬼「………ちょちょいと終わらせるか」ガリボリバリ

吸血鬼「どうせ、私便りなんだろ?」ハァー

中佐「御名答」

吸血鬼「だから面倒事は嫌いなんだよ」






ザッ


中佐「ここだね」

吸血鬼「何でこんな近くにあるんだよ……」

中佐「では、お願いします」

吸血鬼「面倒くさいなぁ」

中佐「そんな事言わずに魔法的なやつで何とかしちゃってくださいよー」

吸血鬼「はいはい、分かりましたよー」

中佐「よし、行こう」





バキャッ



中佐「すいませーん」

吸血鬼「邪魔するぞ」

構成員1「ああ?んだテメェら」

中佐「すぐそこの保育所の権利書を返してもらいにきました」

構成員1「何ふざけた事抜かしてんだぁ?」

構成員2「舐めてんのか?」

構成員3「痛い目見てぇようだな」

構成員4「親父、どうなさいます?」

ヤクザ「殴り込みとはいい度胸してやがるな」

ヤクザ「とっととやっちまえ」

中佐「奴さん、やる気満々だね」

吸血鬼「大人しくしてればいいものを…………な」カッ

構成員達「………………」グラァ



ドサドサドサッ



吸血鬼「一丁上がりだ」





ヤクザ「え、あ、ああ?」

吸血鬼「次はお前だな」

ヤクザ「コイツらに何しやがった?!」

吸血鬼「どうなったかは私も知らん。さて、早く権利書を出して貰おうか?」

ヤクザ「ふ、ふざけんじゃねぇ!そんな事素直にするとーーー」

吸血鬼「黙れ」カッ

ヤクザ「はい」

吸血鬼「権利書を出して貰おうか」

中佐「楽できていいね」







中佐「ほんとアッサリ終わったね」

吸血鬼「私の手にかかればこんなものだ」

中佐「ヤクザ達はあのままでいいのかい?」

吸血鬼「多分精神かどっかが壊れたから大丈夫だろ」

中佐「サラッととんでもない事言うね、魔眼ってそんなに恐ろしいものなんだね」

吸血鬼「力の調節をすれば、普通に操るだけとかも出来るんだけどな」

中佐「すれば?」

吸血鬼「面倒くさいからしてないんだ」

中佐「そんな理由で精神壊されたヤクザ達に同情するよ」







記者「ガキ共……元気でやってかな」スタスタスタ

記者「先生も大した怪我じゃなかったしな………」

記者「あ」ピタッ

中佐「やあ、奇遇だね」

記者「どうしたんだ?何か不都合でもあったのか?」

中佐「そんなんじゃないよ」

記者「なら、何なんだ?」

中佐「噂の何でも屋からのお届け物さ」スッ

記者「これは!」バッ

記者「…………間違いねぇ、権利書だ」ジィー

記者「もう取り返してきて………えっ?」

記者「いねぇ、消えちまった……幻か何かだったのか?」

記者「……夢か?」ギュー

記者「夢じゃ………ねぇな」ヒリヒリ

記者「ありがとな!噂の何でも屋さんよぉ!」






スタッ



中佐「お仕事終了っと」

吸血鬼「そんなに急いで逃げてこなくても良かっただろ」

中佐「長居しても一文の得にもなりゃしないからね」

吸血鬼「確かにそうだが………なぁ?」

中佐「お代の代わりとして、その気持ちを頂いていくとしましょう………ってね」

吸血鬼「なに柄にない事言ってるんだ」

中佐「清々しいまでの正義のヒーローじゃないか」

吸血鬼「…………そうだな」ハァー

中佐「何でため息ついてるんだい?」

吸血鬼「お前は本当によく分からん奴だ」

中佐「そうかな?」

吸血鬼「そうだ」

中佐「ついでにこのまま帰ろうか」

吸血鬼「そうしよう」






見事なまでに風邪引きました。それにより後半はブン投げました


次の話から動かそうと思います


体重いわ、しんどいわ、頭痛いわでしばらくは無理ですね


では、見てくれた皆様、さようなら




アレルギーにはお気をつけて

復活したので再会しまーす


大佐「今日は各自で行動してくれ」

大尉「はーい」

中佐「了解」

少佐「おう」

少尉「了解しました」

吸血鬼「アイアイサー」

大佐「俺がいねぇからって派手に暴れんなよ」

大佐「行ってくるわ」


ガチャ バタン



中佐「さて、どうする?」

少佐「派手な真似できねぇからな」

少尉「情報収集するのが妥当かと」

中佐「そうしようか」

少佐「もうそれでいいんじゃね?」

大尉「ワシはー?ワシはー?」

中佐「少佐が遊んでくれるよ」

少佐「あ゛あ゛っ!?」

大尉「やったー♪」

少佐「はぁ………イカサマなしな」

少尉「私も混ざります」

大尉「わーい♪」

吸血鬼(……あれ?私がおかしいのか?イマイチ状況掴めてない私がおかしいのか?)

吸血鬼(大佐が出かけた理由聞ける雰囲気じゃないぞ、コレ)

吸血鬼(どうしよう)




中佐「君はどうする?サボる?」

吸血鬼「待て待て待て、何でお前等は通常運転なんだ?」

中佐「なんだって言われても………ねえ?」

大尉「ねー」

少佐「なー」

少尉「ですねー」

吸血鬼「ええー………」

中佐「大佐の行き先が気になるのかい?」

吸血鬼「………そうだよ」

中佐「親友の御葬式さ」

吸血鬼「………………」

中佐「最近おかしかったでしょ?」

吸血鬼「確かに…………ネクタイ忘れたり、メガネ置きっぱなしだったり、オフィスで一晩寝てたりしてたな」

中佐「まだ少し、受け入れられてないのかもせれないね」

中佐「それか………納得してないのかもしれない」

吸血鬼「……そうか」

中佐「まあ、何にせよ」

中佐「大佐の代わりに僕達はコソコソしとかないとね」

吸血鬼「分かったよ」





中佐「さて、お仕事といきましょうか」

吸血鬼「はいはい、私の力でチャッチャと終わらせますよ」

中佐「情報収集行ってくるよ」ガチャッ

大尉「いってらっしゃーい」フリフリ

少佐「行ってこーい」

少尉「お気を付けて」

吸血鬼「おい、待て」


バタン





コツコツコツ………



吸血鬼「で、何をすればいいんだ?」

中佐「今日はちょっとした用事程度さ」

吸血鬼「具体的に言え」

中佐「馴染みのバーに行くだけだよ」

吸血鬼「昼間から酒か、いいご身分だな」

中佐「実際特務課No.2だからね」

吸血鬼「それはいいが、こっちで合ってるのか?」

中佐「大丈夫さ」

吸血鬼「ほとんど同じ風景だからか、私の気のせいかは知らんが、同じ所グルグル回ってるだけな気がするんだが」

中佐「大丈夫さ」

吸血鬼「本当か?」

中佐「…………多分ね」

吸血鬼「おいおい………頼むぞ………」



中佐「あ」

吸血鬼「あ?」

中佐「ここだ、ここだ。うん、間違いない」

吸血鬼「本当か?」

中佐「こればっかりは大丈夫さ」

中佐「記憶が正しければのお話だけどね」ガチャッ

吸血鬼「クラシック………って言うんだっけか、いい感じの店だなぁ」







カランカラン バタン



中佐「やあ、景気はどうだい?マスター」

オカマスター「いらっしゃい、ぼちぼちってとこかしら」

中佐「それは良かった」

オカマスター「あら、今日は色男はいないのねぇ」

中佐「大佐は忙しくてね」

オカマスター「来る来るって言って、最近めっきりこないじゃないのよ、もう」プンプン

吸血鬼(…………こうゆう変化球はリアクションに困る)



ちょっくら中断、飯食ったりしてきます


オカマスター「あら、その子新人?」

中佐「噂の吸血鬼ちゃんさ」ドカッ

オカマスター「あなたが……随分と可愛らしいのねえ」

吸血鬼「“あなたが”………?」サッ

中佐「身構えない身構えない、何にもないからさ」

吸血鬼「…………………」ギンッ

オカマスター「やーねぇもう、ハンサムがそう言ってんだからやめなさいよ」

オカマスター「全く、しがないバーのママに何が出来るのよ」

オカマスター「それに私は“何も”しないし、しようともしない」

オカマスター「絶対中立の立場よ」

吸血鬼「証拠は…………!」ギラッ

オカマスター「証拠は……そうね、アタシがここにいる事かしら」

マスター「………………どうよ?」

吸血鬼「……………信じよう」

オカマスター「強情な子ねえもう、少佐ちゃんとは大違いね」

中佐「見てるこっちは冷や汗もんだよ」





オカマスター「注文は?」

中佐「いつもの」

オカマスター「ビールは?」

中佐「気の抜けたのを」

オカマスター「あなたは?」

吸血鬼「えーじゃあ、ビーフジャーキーで」

オカマスター「ちょ~っと待っててねぇ~」






ゴトッ



オカマスター「お待たせ」

吸血鬼「おお、来たか」ヒョイ パクッ

オカマスター「現段階では最高額者はダントツであなた達よ」

中佐「良かった良かった、これ以上取られちゃあこっちも困る」

オカマスター「こんなの買うのはあなた達だけよ」

中佐「そうか…………あの件は?」

オカマスター「物好きね、あなた達も面倒な事調べさせるのねえ」

吸血鬼「?」モグモグモグモグモグモグ


オカマスター「調べてみればあの宗教団体、この前のドンパチの前に離反者が大量に出てたそうよ」

中佐「やっぱりか」

オカマスター「あなた達が皆殺しにしたのは全体の一割、それも昔ながらの方の保守派だったのよ」

中佐「ハズレの方引いたか………」

オカマスター「ある意味では大当たりよ」

オカマスター「それに、離反者は二ついる」

オカマスター「まずは革命派、プロテスタントなんてもんとは大違い。全体の八割を持っていった」

オカマスター「そして、もう一つ。新革派、一割にも満たない超少数」

オカマスター「どっちから買う?」



中佐「そりゃア、革命派からで」

オカマスター「毎度あり」

オカマスター「革命派、現在はあちらこちらに潜伏してるわ」

オカマスター「布教活動も盛んでメキメキと信者を募っていて、信者の数は今も絶賛増加中」

オカマスター「神にすがるのではなく、我々が神に代わって人々を正しく導こうって思想を掲げて暴れるガイキチ野郎共よ」

オカマスター「情報によるとコイツらは、何かヤバイものに手を出してるわ」

オカマスター「黒魔術やその類ね」

オカマスター「近頃この近くに集まって一発やらかす予定らしいわよ」

中佐「武装はしているのかい?」

オカマスター「それなりにはしてるらしいわ」

中佐「…………黒魔術の類がネックか」

オカマスター「そうとうお熱だそうだから………あの多人数からすれば、一個師団と殺り合うぐらいの戦力になるかもね」

中佐「頭が痛いよ、全く……」



オカマスター「あなたのド本命、新革派」

オカマスター「目的、現在の活動、潜伏場所、正確な人数も不明」

オカマスター「悔しい事にアタシの情報網に引っ掛からないところを見ればかなり身軽よ」

オカマスター「本っ当にしっぽが掴めなくてね、分かっている事は少ないわ」

中佐「後々分かってくるさ、今はどんな情報でも手に入れておきたい」

オカマスター「…………分かっているのは二つ」

オカマスター「メンバーを知っている人物はほぼいない。知っていたとしても、教祖の隣にいたのを見た、ぐらいらしいわよ」

オカマスター「幹部辺りでも離反した事すら分からないらしいわ」

オカマスター「推測するに、余程重要なポジションにいたのか、もっと別に貴重な何かだったと思われるわ」

オカマスター「もう一つは、活動していない事ね」

オカマスター「おかしな事に布教活動のふの字もなく、何もしていない」

オカマスター「まるで、“機”を待っているかのようにね」

中佐「それは厄介だ」

オカマスター「アタシも総力挙げてんだけど、お手上げよ」

中佐「…………オラクルって言葉、分かるかい」

オカマスター「………確か、神の声を聞く者とかそんなところね、それに何かあるの?」

中佐「前に殺った教祖が言った言葉さ」

オカマスター「心当たりのようなものはあ
る?」

中佐「あるね」


中佐「人体実験によって生み出された被検体の名前」

オカマスター「人体実験って……あそこってそんな事までやってたの」

中佐「叩き潰すには充分な理由さ」

中佐「それも含めて調べてくれるかな」

オカマスター「値は弾むわよ、支払いの方はいつもの通りでね」

吸血鬼「私を忘れるな」モグモグモグ

中佐「ああ、ごめんよ」

オカマスター「本職に夢中で忘れてたわ」

吸血鬼「後で説明しろよ」モグモグモグ

中佐「了解、お姫様」ガタッ

オカマスター「お買い上げどうも?私達パピヨンは情報を“より高く”買ってくださるお客様に諸々をご提供させていただきます」

オカマスター「今度は色男も連れて来なさいよ」

中佐「今度みんなで飲みに来るよ」

オカマスター「あら、嬉しいわ」

吸血鬼「とっとと帰ろう」ガタッ

吸血鬼「じゃーなー」フリフリ

オカマスター「また来てね?」

中佐「しっかり頼むよ」ガチャッ



バタン



≫303

?はハートに変えておいてください

ドジりました




コツコツコツ



吸血鬼「面倒な事になったな」

中佐「まさか勝手な推測が当たるとはね」

吸血鬼「全くだ。しかも革命派と新革派の二枚看板だぞ」

中佐「革命派は黒魔術の類、新革派は全てが謎」

吸血鬼「黒魔術と一言で言っても種類は様々、簡単には喰えないかもな」

中佐「もっと食えないのは新革派さ」

中佐「情報があまりにも少な過ぎる、存在が知られたくないみたいにね」

吸血鬼「何を仕出かすか分からんし活動も見られないしな」

中佐「だが、革命派の動きを黙って見ているとは思えない」

吸血鬼「便乗するか、あるいは迎撃か」

中佐「迎撃の線は薄いと思うよ」

吸血鬼「分からんぞ、あの教祖の重要ポジションにいた連中だぞ?」

中佐「……………騒ぎを利用する。の方か」


吸血鬼「一筋縄でいかんのは確かだな」

中佐「革命派からでも地道に潰してしまおうか」

吸血鬼「妥当だな」

中佐「これ以上蔓延られるのも癪だ」

吸血鬼「私は生き血が飲めていいんだがな」

中佐「まっ、君なら瞬殺もいいところでしょ」

吸血鬼「随分と過大評価だな」

中佐「そうしてもらえると助かるからさ」

吸血鬼「厄介な職場に来てしまったよ、全く」

中佐「そいつァご愁傷様」




吸血鬼「あ、思い出した」

中佐「何をだい?」

吸血鬼「革命派の連中が私のところに来てた」

中佐「へぇ」

吸血鬼「と、思う」

中佐「……ハッキリしてくれるとありがたいんだけど」

吸血鬼「是非私達の………」

中佐「?」

吸血鬼「ん?何て言ってたっけな、あれ、んん~?」

吸血鬼「………………………ああ~」

吸血鬼「忘れた」

中佐「そうか」

吸血鬼「いつ来た?」

中佐「僕に聞かれても」

吸血鬼「こっちに来る前だったか?それとも………」

中佐「もしかしてあの時かい」

吸血鬼「あの時?」

中佐「君を特務課へ招待した時さ」

吸血鬼「おお、それだ」


中佐「それでそれで、思い出した事は?」

吸血鬼「………いや、来てたな~ってぐらいなんだが」

中佐「え」

吸血鬼「何だ」

中佐「………そうか」

吸血鬼「本当にただの勧誘だったからな、その時は探るも何もなかったし、多分下っ端だったから吐かせても何もなかったぞ、家に来るやつよりしつこいぐらいだったからな」

中佐「熱心な信仰が長所の宗教でしたと」

吸血鬼「それぐらいだな」

中佐「んー…………そんなもんでいいんじゃないかな」

吸血鬼「いいのか?頑張ればもう少し何か思い出せると思うぞ」

中佐「無理に思い出さなくてもいいさ、その時君は色々と難儀してたんでしょ?」

吸血鬼「……………」

中佐「あ、言っちゃ駄目だったかな?」

吸血鬼「出会ってすぐに人の頭をハンマーで殴った奴に慰められても嬉しくない」

中佐「………その事は本当に悪かったよ、二度としないからさ」


吸血鬼「ふん」プイッ

中佐「そう怒らずにほら」パッ

吸血鬼「………記者の奴の手品か」ヒョイ パクッ

中佐「見よう見まねさ」

吸血鬼「それでもすぐ出来るもんなんだな」

中佐「ハンマー振り回すだけじゃ味気ないからね」

吸血鬼「別にいらなくないか?」

中佐「じゃあアレかな、何でもバラバラに出来る煙出せばいいかな」

吸血鬼「オイ、それは駄目だ」


吸血鬼「聞いていいか」

中佐「いいよ」

吸血鬼「あのマスターとパピヨンって何だ?」

中佐「そういえば知らなかったっけ?」

吸血鬼「微塵も知らん」

中佐「マスターは情報屋で、パピヨンってのはマスターが作った情報収集組織の名前さ」

吸血鬼「組織って事はどれぐらいの規模なんだ?」

中佐「日本全体は最早マスターの庭、分からない事はないと言ってもいいぐらいさ。世界のあちらこちらにも組織の人間とは別の協力者もいるから欲しい情報はあそこに行けば必ず手に入ると行ってもいい」

中佐「買った情報次第ではそこそこの武器類も手に入るぐらいさ、テロなんてお手の物」

吸血鬼「ただ者じゃないとは思ったがそこまでとは……」

中佐「“タダ”じゃないってのは合ってるね」

吸血鬼「最高額者だったらどうなんだ?」

中佐「より細かい情報が買える、情報を買った事を売られないetc.etc…」

吸血鬼「情報を買った事が売られるのか」

中佐「それも立派な情報だからさ」

吸血鬼「絶対中立は嘘なのか?」

中佐「いや、嘘じゃない。売って欲しいと言われた情報は誰にでも、何でも売るからね、例えそれがさっき買いに来た敵の目的だろうが居場所だろうがね」

中佐「金さえあれば誰にでも、平等に、情報を売るのさ」

吸血鬼「絶対恨みとか買ってるだろ」

中佐「上手い事言うね、そりゃもういっぱいいっぱいさ」

吸血鬼「だがアイツは、ああやってバーをやってる」

中佐「つまりはそうゆう事だ」

吸血鬼「成程成程」


吸血鬼「最近私の周りで何かしらあって面倒だ」

吸血鬼「それも私の知らない事ばかり」

吸血鬼「面倒だ。本当に面倒だ」

中佐「そうか」

吸血鬼「誰かさんのおかげだよ」

中佐「正直、満更でもないんじゃない?」

吸血鬼「そう見えるか?」

中佐「見えない事もなくもない」

吸血鬼「ハッキリしろ」

中佐「でも、今のそれは前の君にはなかった事だ。それをどう感じて、どう思うかは君次第さ」

吸血鬼「それらしい事言って誤魔化す気だろ」

中佐「……………バレた?」

吸血鬼「バレるに決まってるだろ、嘘吐き幽霊」

中佐「一本取られたよ、ヴァンパイアビューティー」

吸血鬼「フフッ……新しいアダ名か」

中佐「お気に召したかい?」

吸血鬼「ああ、そうだとも」




面倒だ



父さんと母さんを失って、バケモノになってしまい、常に何かに追われ、襲いかかってくる奴を喰う事をしていた私にとってこうゆうのは本当に面倒だ

満更でもないのは本当かもな、今まで一人だった私に特務課は居心地がいい。前の生活みたいにバケモノだなんだのがなくて気が楽だ。そもそも、そんな事を気にする奴なんて一人もいないんだろうな



それに………悪くない。そう思うんだ

あいつ等と一緒にいるのは嫌いじゃない。変人奇人、奇妙奇天烈、ほぼ人外のビックリ人間達の集まりみたいなものだがな

そんな中にいるとおかしくで笑えてくる。そして、一人じゃない事を実感するんだ




暖かい



私に家族がいて、兄弟達がいたりすればこんな感じだったのかな。笑ったり、少し揉めたり、馬鹿やったりして、誰かが帰ってくればおかえりって言って迎えてたのかな



今の生活は面倒だがすごく楽しい。何だかよく分からないから、そうとしか言いようがない。けどこれは悪い事じゃないと思う



私はこいつ等と一緒にいて変わった、いや、変わってしまったんだろうな。これも全部隣のこいつせいだ



でも、こうゆうのも…………悪くない






さっきまでとは変わって、少し浮かれた様子だ。ヴァンパイアビューティーってアダ名が気に入ったのかな、いや、これはどう見ても別だね

特務課は君にとって居心地のいいところにになったんだね



初めて来た時は殺気剥き出しだったのに、今やすっかり特務課の一員だ。時間の流れってのは恐ろしいものだね

それに関しては僕も人の事は言えないか、いやいやいや、それを言ったら全員そうだろうさ



僕達はどこか似ていたんだろうね、だからこそ生まれ持った運や偶然、そこんところの何かしらで集まっちゃったんだろう





何かに惹かれて、一緒にいるんだろう



…………こうゆう事考えるのは性に合わない

よし、やめよう




嘘吐き幽霊か、当たってるって言ったら当たってるんだけどハズレでって言ったらハズレでもあるんだよね

どっちでもあるし、どっちでもないんだよコレが

答えは分からないんだろうな、聞かれても絶対教えないけど、教えるにもちょっとね



なって欲しいようになってくれればいいんだけどな



誰にも言えない内緒のお話だからさ






中佐と吸血鬼、片方は少し眉間にシワを寄せて、もう片方は浮かれ足でそれぞれ思うところの特務課へと歩いていった





色々雑になってきた、引き締めないと、話を進めないと、それっぽい事書いて誤魔化してないで

最近人がくつろいでると邪魔が入るようになりました。体調の方はバッチシです

次からはまた地の分書こうかと思います。ダラダラします

では、見てくれた皆様方、さようなら





とある研究所入口



大佐「ここに到着するまでの過程は消し飛んだ……」

大佐「つまり、『ここに到着した』という結果だけが残るッ!」

吸血鬼「おぉーデカイな」

少佐「こんな山奥にこんなもん建ってるなんてな」

中佐「……………」

吸血鬼「どうした」

中佐「気が重いし眠い」

吸血鬼「珍しい事もあるものだ」

大佐「サラッとスルースルー………御清聴、ありがとうございました」





吸血鬼「で、ここどこだ」

少佐「研究所じゃねぇの」

吸血鬼「何のだ」

少佐「さあね、俺はしーらね」

中佐「入ってみれば分かるさ」

少佐「それが一番手っ取り早え」

中佐「あぁ……気が重い」

大佐「まあまあ、そう言いなさんなって」

中佐「面倒くさいんだよ、アレ」

吸血鬼「おい、少尉がいないぞ」

大佐「だぁーかぁーらぁー入れば分かるって」

吸血鬼「勿体ぶるな」

大佐「はいはい、サッサと行きますよーちゃんと付いてこいよー」

大佐「中広いからなー別行動なんかとったら迷子になっちまうからなーいい年こいて恥ずかしい思いすんぞー」

吸血鬼「はぁ………分かったよ」

少佐「あいよ」

中佐「了解」





吸血鬼「本当広いな、それに人がやったらめったら多い」

中佐「世界最高峰の技術力を持った研究所だからさ」

吸血鬼「ここが?」

中佐「YES」

少佐「へーすげぇなーよく分かんねーけどよ」

少佐「んじゃあ、何でアイツは顔パス出来たんだ?」

中佐「それはーー」

大佐「おおっと、それを言うのはまだ先だぜ」

吸血鬼「勿体ぶるな、教えろ」

少佐「チッ」

大佐「最近部下が私に冷たいです」

中佐「あぁ………眠い」





ある部屋の前



吸血鬼「いかにもそれらしい部屋だな」

少佐「これ蹴破れねぇな、足折れちまう」

吸血鬼「やってみるか」

少佐「やっちまえ」

大佐「こら、そこのアホ二人」ゴッ

吸血鬼「痛っ」

少佐「ってぇ!」

大佐「冗談でもやめなさい。全く……」

吸血鬼「まだやってない……」ボソッ

少佐「俺は何もしてねぇ……」ボソッ

大佐「one more」ゴキパキベキボキ

二人「何でもありません」

大佐「素直でよろしい」





バシュンッ



大佐「HEY!my sister!」

吸血鬼「!?」

少佐「?!」

妹?「会いたかったデース!兄さーんヌ!」バッ

大佐「me too!」ガシッ

二人「HAHAHAHAHAHAHAHA!」クルクルクル



吸血鬼「( ・д・)ポケー」

少佐「( ゚Д゚)ポカーン」

中佐「(´Å`)ネムー」





妹?「自己紹介をさせていただきマスデスネ」

中尉「あなた達の上司、兄さんの妹の中尉デス」

中尉「よろしくデスネ」

吸血鬼「よろしく」

少佐「よろしくな」

中佐「こちらこそ」

大佐「いやーveerrry cuteだろー?俺の妹」

中尉「可愛いとか照れるデス」テレテレ

吸血鬼(血吸いたい)

少佐(襲いたい)

中佐(あー妹だったんだ)





中尉「あなた誰デスカー?新入りデスカ?」

吸血鬼「その通り、新入りの吸血鬼だ。三ヶ月ぐらい前に成り行きで特務課に入った」

中尉「ワァオ!ではではあなたが噂の吸血鬼デスカー!」

吸血鬼「若干のデジャヴがする」

中尉「ほうほう………」ジィー

吸血鬼「な、なんだ」サッ

中尉「見た目は18歳でストップしてるみたいデスネ」

吸血鬼「変えられるが変えてないんだ」

中尉「何故にwhy?」

吸血鬼「面倒くさいからだ」

中尉「HAHAHA………そうゆう理由デシタカ」

中尉「チョイサ」ギュッ

吸血鬼「お?」

中尉「ヴァンパイアに抱きつくなんてなかなか出来ない貴重な体験デスネ」

吸血鬼「そうか」ナデナデ

中尉「んんーこうしてると人間とそんなに変わらないと思うんデスガ」スリスリ

吸血鬼「そうか」

中尉「はい!」



大佐「仲ええなぁ………会って早々に妹が取られそうです」





中尉「そしてあなたは少佐さんデスネ!」

少佐「おうよ、俺の事知ってんのか」

中尉「少尉さんから色々と聞いてたデス」

少佐「へえー」

中尉「胸が全くなくて、ガサツで、女性っぽさがない人って言ってましたデスカラ」

少佐「胸がねぇは余計なんだよ!あのポンコツ!」

中尉「大丈夫デス、私もそんなにないデスカラ」

少佐「どうせ俺の胸はまな板ですよ、グランドキャニオンだよ」

中尉「元気出してくださいデスネ」

少佐「お前、年はいくつだ?」

中尉「18デス」

少佐「そっか………」

中尉「お互い頑張るデス」

少佐「いい奴だな、お前」ガシッ



吸血鬼「そうして、深く結びつく友情」

大佐「23になってんのに乳デカくなr」



ヒュンッ





大佐「あッぶねぇッ!」バッ

少佐「チッ………外したか」

吸血鬼「お決まりだな」

中尉「おぉ!ナイフ投げデスネ!スゴいデス!」パチパチパチ

少佐「お前もやるか?的はアレだ」

大佐「サラッと恐ろしい事いいよるな」

中尉「また今度にするデス、それと兄さんをいじめちゃだめデス」

少佐「へいへい分かったよ」

大佐「心配ねぇよ、避けれるから大丈夫だぜ」

少佐「ほぉーお?」スッ

中尉「ストップ!ストップ!」





中尉「改めて私の研究所へようこそデス」

中尉「ここはとにかく人の役にたつ物を何でもかんでも作ってる所デスネ」

中尉「薬とか電子機器、少佐さんのナイフや吸血鬼さんの銃まで何でもありデス」

吸血鬼「私の?」

中尉「イエス、最高責任者やってます。ここのトップは私です」

吸血鬼「こんなデカい研究所のトップなのか……!」

少佐「冗談は程々にな」






繝溘せ縺」縺殪rz


ドジったorz

文字化けにちって何だよ……




中尉「アメリカンジョークじゃないデス、ほら」

吸血鬼「……本当だ……」

少佐「ワァオ……」

大佐「テレビ賑わしてだろ?500年に一人の天才ーとか100年先行く少女ーとか大騒ぎだったろー? 」

二人「全く」

大佐「おっ……おう」





中尉「お久しぶりデス、中佐さん」

中佐「僕かい?会ったことあったかな」

中尉「前に身体検査した時に会ったデスヨ」

中佐「悪いね、ここに来た事は覚えてるけど、誰が何をしていたかは覚えてないんだ」

中尉「そうデスカ……」

中佐「あの頃の記憶は曖昧でね、ごめんよ」

中尉「いえいえ、仕方ないことデスネ」

大佐「あの様じゃ無理もないわな」

中佐「そんなに酷かったかい?」

大佐「ズタボロのボロ雑巾だったじゃねぇか」

中佐「ボロ雑巾は酷いなぁ……」

中尉「言うなれば満身創痍ってところデシタネ」

中佐「それだね」

大佐「そんな格好いいものかよ」

中佐「そうゆう事にしといてよ」

大佐「へいへい、分かったよー」



吸血鬼「?」

少佐「?」





中尉「渡す物があるデスネ、皆さんこっちデス」チョイチョイ

吸血鬼「渡す物?」

少佐「何くれんだろうな」

大佐「とっておきのブツとかな」

中佐「とっておき、ねぇ……」



バシュンッ





中尉「どうぞデス」



ドーン



少佐「何かスゲェのあるじゃねぇか」

吸血鬼「私の分はあるのか?」

大佐「さあ?」

中佐「誰がどれ渡されるか分かったよ」





中尉「まずはスーツの方からデスネ、防弾性能や対熱性能などや生地自体の強度も向上させて、それぞれのカスタマイズも終わってるデスネ」

大佐「おぉ、上着だけでも全然違うぞ」バサッ

中佐「見事なもんだねぇ」

中尉「それと、少佐さんにはこれデスネ」

少佐「お、新しいエモノか」

中尉「イエスデスネ、切れ味も硬度も上げて、刃を曲刀型にしました」

少佐「……………」ヒュッヒュババッ

少佐「扱いやすくなってらあ」

中尉「重量も減ってマス、重心の位置も工夫してみたデス」

少佐「やるじゃねぇか」

中尉「頑張ったデス」エッヘン





中尉「とっておきはこれデス、レールワイヤーデスネ」

少佐「何だこれ、ひも飛ばすのか?」

大佐「………立体○動装置……………」

中尉「スラッシュ○ーケンデス」

大佐「いや、立体○d」

中尉「スラッシュ○ーケンデスネ」

中尉「嫌デスネー兄さん。これは腰だけじゃなく腕にもつけられるから違うデス」

大佐「どんな理屈だよ……」

少佐「コレ何?どうゆうもんなんだ?」

中尉「ボタン押せばアンカーが飛んでいくデス」

少佐「ボタンは?」

中尉「コレを歯につければOKデス」

少佐「分かりやすくていいや」

大佐「ルパンか」





中尉「まだあるデスヨ」

大佐「え、多くない?」

中尉「あの机の上のやつデス」

少佐「ふーん、これねぇ」ゴトッ

大佐「おいおい、デカすぎんだろ」

中尉「ジャパンには大は小を兼ねるってことわざがあるデス」

大佐「ナイフってか刀ぐらいあんぞ」

中尉「大きすぎたかもデス」

少佐「おーい、これはなんかあんのか?」ブォンッブォンッ

中尉「二つ合わせてブーメランみたいにできマスデス」

中尉「あと、レールワイヤーを持ち手の部分に付けられるデスネ」

少佐「何かややこしいな」

中尉「慣れてくださいデス」





中尉「兄さんにはこれデス」ドーン

大佐「手榴弾にクレイモアに起爆装置に火薬玉って多すぎだろ」

中尉「色々作ってみたデスネ」

大佐「手榴弾から説明頼む」

中尉「まず水素と酸素入り手榴弾」

大佐「使用場所は室内に限定されねぇか?」

中尉「そうなるデス、けど使えば大爆発デスネ」

大佐「なるほどな、次」

中尉「こっちは濃酸素手榴弾デスネ、中身が漏れ出そうものならすぐさまゴートゥヘブンデス」

大佐「おっかねぇもん作るなぁ」

中尉「それで、閃光手榴弾に爆裂手榴弾」

大佐「説明はそのまんまか」

中尉「デスネ」

中尉「クレイモアは威力改良にボールを尖らせました」

大佐「食らうとこ想像しただけで寒気がするぜ」

中尉「これは万能起爆装置、何とライター機能付き」シュボッ

大佐「火遊びはやめなさい。おねしょすんぞー」

中尉「なっ……おねしょしないデスネ!私18デス!」

大佐「分かってる分かってるって、お前はデカくなったよ」ワシャワシャ

中尉「♪」





中尉「ガンパウダーボールも威力改良デスネ」

大佐「語呂悪いな、ガンパウダーボールって」

中尉「火薬玉ってのはピンとこないデス」

中尉「兄さんのとっておきはこれデス」パカッ

大佐「チェーンマインか」

中尉「爆弾一個一個がクレイモアで出来てマスデス」

大佐「本来の使い方忘れてんぞ、あと考える事がエグい」

中尉「効率がいいと思うデス」

大佐「片面だけか?クレイモア仕込んでるのは」

中尉「両面デス」

大佐「お前が味方で良かったよ」

中尉「私はずっと兄さんの味方デスヨ」

大佐「ありがとな」




飯とか中断




中尉「中佐さんのはこのハンマーです」ズラァッ

中佐「お、新品だね」

中尉「前より堅くて軽いデスヨ」

中佐「数もあるし頼もしいよ」

中尉「もっと頼もしいのがあるデス」

中佐「どれどれ」

中尉「名付けて、ガーディアンズハンマー!」ズビシッ

中尉「使う時は叫んで下さいネ」

中佐「善処するよ」ゴトッ

中佐「で、見たところ2mは越えてるこのハンマーは何かあるのかい?」

中尉「えーっと、高熱を発しマス」

中佐「具体的にはどれぐらい?」

中尉「鉄なら普通に溶けマスデス」

中佐「成程、これだけ頭が大きいなら盾にも使えるね」

中尉「おお、ナイスアイデアデス」



大佐「あいつ絶対叫ばねぇな、俺の勘がそう言ってる」

吸血鬼「まず叫んでるところが想像できん」

少佐「ああ、これ刃曲がってるから受け流しできるな、今知った」





吸血鬼「私のはこれか」

中尉「それはモーゼルCCに付ける銃剣デス」

吸血鬼「これだけか?」

中尉「……………」シラー

吸血鬼「こ・れ・だ・け・か?」クイックイッ

中尉「……………」ダラダラ

吸血鬼「……………」ジィーッ

中尉「………そうデス」

吸血鬼「嘘だろ……」

中尉「本当デスネ、何作ったらいいか分からなかったデス」

大佐「通信機とか?」

中佐「持ってる持ってる」

大佐「じゃあ何いるんだ?」

中佐「……………」

大佐「……………」

大佐「あれ?逆にいらなくね、あのチートスペックだから」

中佐「銃持たせたって銀玉鉄砲みたいなものだからね」

少佐「あいつ銃を手刀で切ってたぞ」

大佐「嘘だと言ってよ」

中佐「刃物いらないとはね」

中尉「ますます何作ればいいのか分かんないデス」

吸血鬼「いやいや、そこはセンスの見せ所だろ」

中尉「無理なものは無理デスヨ、申し訳ないデス」

吸血鬼「素でしぼむなぁ……」





大佐「はいはい気分をチェーンジして、本日のメインイベントに行くぞー」

中尉「行きマスヨー皆さーん」

少佐「次は何だ?」

中佐「ほら、元気出しなって」

吸血鬼「ああ……」






少佐「でけぇ格納庫だな」

吸血鬼「戦闘機とか戦車とかあるぞ」

大佐「数え切れねぇな、マジかよ、めっちゃ儲かってんなぁー」

中佐「あれって骨董品じゃなかったっけ?」

少佐「旧型ばっかだな、歩行型戦車とかはねぇんだな」

中尉「あんなの邪道デスネ、趣味に反しマスデスネ」

少佐「ふーん、そっかー」

吸血鬼「原型が分からん鉄の塊もあるんだが」

中尉「あれは初めて作ったやつデス。クラッシュして壊れたのを記念に置いてあるデス」

大佐「目的はあれかしら」

少佐「でっけぇーな」

吸血鬼「何だあれ」

中佐「大きいしやたらとゴツいね」





少尉「皆さん、お久しぶりです」

少佐「ポンコツだった」

吸血鬼「少尉だったのか」

中佐「だから前からいなかったのか」

大佐「…………」

中尉「兄さん?」

少尉「大佐?」

大佐「洒落にならんぐらいおっかねぇ」

中尉「サイズはこれぐらいがいいデスネ」

大佐「いやいやいやいや、大きさの問題じゃなくてぇ」

大佐「どこの世界に足が戦車で腕が装甲車のロボットがいんだよ」

中尉「コンセプトはとにかく強くデス」

大佐「本っ当なんつー恐ろしいロボット作ってんだ。こんなもん戦場で見たら問答無用で自害しちまうよ」

少佐「そこまでじゃねぇだろ」

大佐「お前はな、でも俺は俗に言う普通の人間レベルなんだよ、チクショウめ!」

中佐「見た目もそうだけど、装備もそうだね」

中尉「右腕に100mmカノンを二連装、左腕にはガトリング、腕は銃剣一体式で近接武器もあるデス」

少佐「へーやっと剣ついたのか、良かったな」

少尉「剣じゃなくてフックですけど」





中尉「まだまだあるデスネ、ハンドアックスや足にはパイルバンカー二つ、多弾頭ミサイルに追加弾倉もあるデス」

中尉「近接武器は全部発熱するデス、装甲もその辺の戦車なんて目じゃないデス」

大佐「おいおい、そんな無茶やんのにこんだけでけぇとエネルギー切れ起こすぞ」

中尉「ノープロブレムデス、それぞれに高性能ジェネレータも積んでありますし、遠隔操作可能、おもけに自爆もしますデス」

中尉「ついでに少尉のジェネレータも交換したです」

大佐「マジかよ」

中尉「プラズマジェネレータデス、メイン一つにサブ二つデス」

大佐「プラズマって………お前が作ったのか?」

中尉「フフン♪」ドヤァ

大佐「やるじゃねぇの、このー」ワシャワシャワシャワシャ

中尉「ちょ、ちょっと、兄さん」ジタバタ




少佐「イマイチ分かってねぇの俺だけ?」

吸血鬼「私はそれなりに」

中佐「右に同じく」

少尉「大丈夫ですよ、恐らく分からない人いっぱいいますから」

少佐「そうゆう問題か?」





中尉「中佐さん中佐さん、身体検査するデス」

中佐「はぁ………この感じなら誤魔化せると思ったのに………」

中尉「そうは問屋がおろさないデスネ」

中佐「OKOK、素直に検査を受けますよ」

中尉「兄さん達は自由しててくださいデス」

大佐「俺も付いてくわ」

少佐「俺はパス」

吸血鬼「私もだ」

中尉「行くデスヨー」

中佐「了解」

大佐「あいよ」





スルスルスル


少尉「やはりこちらの方がいいですね」スタッ

少佐「何だその装備」
   
少尉「ヒートワイヤー、と言っても電気を流す装備です」

少佐「伸びるスタンガンか」

少尉「いや、強さ次第ではその倍は軽く越えますよ」

少佐「そうかいそうかい、そりゃよかったな」






少尉「何故ここに残ったのですか?」

少佐「こんなでけぇ研究所で研究してるもんに興味ねぇよ」

少尉「そうですか」

少佐「そうだよ、中佐の検査なんて見ても何もねぇしな」

少尉「かと言って、この広い格納庫にいるのも暇ですね」

少佐「それよりもな、お前……誰が胸がなくて、ガサツで、女らしくねぇって?」

少尉「あなたです」

少佐「………言ってくれんじゃあねぇかぁ」

少尉「嘘は言ってませんよ?」

少佐「問題はそこじゃねぇ胸が無いってのはどうゆうことだ?」

少尉「だってあなたAAAじゃないですか」

少佐「」ドスッ

少佐「よっしゃ、ちょっとリアルファイトといこうぜ」

少尉「吸血鬼はどこに行ったのでしょうか」

少佐「俺の話を聞けぇ!!」





コツッコツッコツッ



吸血鬼(広いな、やたら広い。自動販売機探すのも一苦労だ)

吸血鬼(ああ、あったあった)

吸血鬼(見たことない飲み物があるな、中尉とかが作ったやつか?)

吸血鬼(どれもマッドサイエンティストチックなんだが………)

吸血鬼(ドクターペッパーでいいか)

吸血鬼「よっと」ピッ


「すいません、あなたもしかして……」


吸血鬼「ん?見覚えのある顔だな」プシュッ


「ええ、この前ーー」


吸血鬼「待て、自分で思い出す」





ゴクッゴクッゴクッ



吸血鬼「ッハァ……思い出した。お前あの時の科学者、依頼人兄だろ」

依頼人兄「そうだ、久しぶりだな」

吸血鬼「ということは隣にいるのは」

依頼人妻「初めまして、この人の妻の依頼人妻です」

吸血鬼「おお、治ったのか」

依頼人妻「おかげさまで、この人あなた達の話ばっかりでね」

依頼人兄「違う違う、今度会った時にお礼を言わないと駄目だという話だ」

依頼人妻「それに加えて就職先まであるなんてね……フフッ」

吸血鬼「そうかそうか、諦めないで良かったなぁ」

依頼人兄「君たちがいなかったら、妻は目覚めなかった」

依頼人兄「ありがとう………本当にありがとう」ポロポロ

依頼人妻「ああ、もうまた泣いてる」

依頼人兄「仕方ないだろ、自然に出てくるんだ」グスッ

吸血鬼「相変わらず涙もろいな」

依頼人妻「そうそう、この人ね、私が起きた時に私より先に泣いて抱きついてきたのよ」

依頼人兄「なっ!?………それは言わない約束だろ」

依頼人妻「いいじゃない、ちょっとだけよ、ちょっと」

吸血鬼「聞かせてくれ」

依頼人妻「いいわよ、そうねまずはーー」





依頼人妻「顔真っ赤で鼻水まで垂らしてたのよ、この人」

吸血鬼「アッハッハッハッハッ!アーハッハッハッハッ!」

依頼人兄「………」ズーン

依頼人妻「でもね、そんな風に大切に思ってくれるところがこの人いいところなのよ」

吸血鬼「フゥー………おいおい、結局のところ私はノロケを聞かされていただけか?」

依頼人妻「そんな事ないわよ」

依頼人兄「もう一人の方はどこにいるんだ?」

吸血鬼「アイツか?アイツは今忙しいそうだ、何なら伝言を預かるよ」

依頼人兄「重ね重ねすまない。礼を言っておいてくれ」

吸血鬼「ああ、任せとけ」

依頼人兄「では、私達は仕事に戻る。じゃあな」

依頼人妻「さようなら、吸血鬼さん」

吸血鬼「じゃあなーそれと、お幸せにな」フリフリ

依頼人妻「あら、ありがと」

依頼人兄「………」グッ





すいません、一旦終わります。本当はもうちょっとあります。ですから続きは明日帰ってきてからします


本当すいません




目が覚めたか?


誰だい?名前は?


名前など、もうない


隣にいるのは?


新入りだ。ひどく弱ってる


それは大変だ


何をしている


見ての通りさ、何とかしようとしてるのさ


無駄だ、俺達の力じゃどうしようもない


だからと言って黙って見てられない


…………


ん……アンタ…………誰?


さあね、誰だろう


それがお前の力か


力?なんのことだい?


お前が今やった事だ


さあね、何の事だか分からないね





アンタ達………誰よ?


さあ?誰だろう


アタシは……あれ?思い出せない?


誰もがそうだ。俺も、こいつもだ


参ったよ


あるのは識別番号だけだ


アタシのは?


お前はNo.10だ


アンタは?


俺は………No.9だ


まるで物扱いだ


お前は、No.8だ


僕にもあるのか


お前には回復する力がある


へー初耳だね


お前はその被検体01、そして俺が02だ


ちょっ、ちょっと、いきなり何の話をしてるのよ?


君もかい?


俺は、お前の力を複製する為の実験体だ


じゃあ、他にも力があるんだね


力?何よそれ、そんなのアタシは知らないわよ


今は知らなくとも、いずれ知るさ。嫌でもな


君の力はどういったものなんだい?


俺のはーーー





中佐「…………」パチッ

中佐「……昔の………夢、か」

大佐『よお、気分はどうだ?』

中佐「んー最高ってとこかな」

大佐『そいつぁ良かったな、結果はもうあがってんぞ』

中佐「あいよ」バサッ

中尉『お疲れデス、中佐さん』

中佐「そっちこそ」





中佐「何か分かったかい」

大佐「ああ、もう色々とな。脳味噌からつま先までな」

中尉「これデス」ピラッ

中佐「……………」パシッ

大佐「言葉も出ねえか」

中尉「細胞活動が前よりも活発化してマス、それに体が少し硬化していマスネ」

中佐「へえ……これまた………」

大佐「硬化ねぇ、実際どれぐらい硬ぇんだ?」

中尉「銃弾が通らないぐらいデス」

大佐「うん、『少し』じゃねぇな」

中佐「ふーん、そうか」

大佐「自分の事なのにやけに興味なさそうだな」

中佐「特になしって感じだからね」

大佐「特に大ありだよ、誰がどう見てもな」

中佐「今更硬くなったって何もないさ」

大佐「何かあるからこうなってんじゃねぇのかねぇ」

中佐「………そうかもしれないね」

大佐「どした?急に考えこんで」

中佐「いや、ちょっと第六感が冴えてね」

大佐「嘘付け、お前の勘は外れる。特にカジノで」

中佐「これは虫の知らせってやつさ」

大佐「虫の知らせ?どうゆう事だぁ?」

中佐「そうゆう事さ」






中佐「ちょっとその辺散歩してくるよ」



バシュンッ



中尉「本当に興味なさそうですね、中佐さん」(英語)

大佐「はぁ……銃弾弾く体ねぇ…………俺も欲しいぜ」(英語)

中尉「え?」

大佐「うっそーん♪」

中尉「はぁ……年考えてください」

大佐「うるせぇな、三十路手前なのは分かってるよ」

中尉「もうすっかりオッサンの仲間入りですね、兄さんも」

大佐「やめてくれよぉ……言われたら余計老けちまうじゃねぇかぁ………」

中尉「でも、そうゆうところは相変わらずですね」

大佐「そうか?」

中尉「そうです」






大佐「いやーにしても本っ当デカくなったなぁ」ポンポン

中尉「そうですか?」

大佐「おうよ、俺が家出る時はちっちゃくてって今でも小せぇけど、まだまだ可愛いらしいお嬢ちゃんだったのによぉ」

大佐「それが今や世界を動かす天才美少女博士ときたもんだ」

大佐「お袋や親父もあの世で鼻が高いだろうなぁ」

中尉「そんな事ないです」テレテレ

大佐「いやーお兄ちゃんとしても嬉しいぜ」ナデナデ

中尉「♪」ギュッ

大佐「ああ………時の流れってのは速ぇな、俺が家出る時なんて足にしがみついて泣きじゃくって離れなかったクソガキが、こんなんになっちまってよぉ」

中尉「だって兄さんが急に…………そういえば兄さんは何で軍に入ったんです?」

大佐「そりゃ金だよ、いやーそこそこ出してくれたぜ、政府は」

中尉「私の教育費の為?」

大佐「そうだよー俺頑張ったよー」

中尉「じゃあ傭兵になったのは?」

大佐「んー気がついたらなってたな、そういや」

中尉「ええ……」

大佐「いやいや、それでも仕送りはちゃんとしたぜ。むしろ傭兵になってからの方が金額上がってたぜ」

中尉「そこじゃなくて、経緯の話です」

大佐「えーと、何だったっけなー。気に食わねぇお偉いさんブチのめしたら退役させられて、どっかの酒場でしばらく飲んででたら乱闘になって、そんで傭兵にスカウトされた」

中尉「上司殴るのは駄目です」

大佐「イかれてたからいいかなって思ってよ」

中尉「社会不適合者ですか………まあ、兄さんらしいって言えば兄さんらしい理由ですね」

大佐「だぁれが社会不適合者だよ、そもそもな、その上司がーーー」





大佐「ーーーで、こっちの事なんかーーー」グチグチ

中尉「なんて酷い上司ですね」

大佐「そこからーーーー」グチグチグチグチ

大佐「そんで、挙げ句の果てには給料泥棒だよ」

中尉「殴って正解ですね」

大佐「だろ!」





大佐「ーーーそれで、最後のハゲが銃向けてきたから、雑なCQCではり倒して腕へし折ってやった」

中尉「兄さん………」

大佐「そしたら、何かそれらしいのが現れて」

大佐「私達のところに来ませんか?って言ってきたんだよ」

中尉「了承したんですか?」

大佐「酔ってたからな」

大佐「それがな、行ってみたら意外と傭兵の方が良かったのよこれが」

中尉「何でです?」

大佐「金はふんだくれるわ、フリーランスだわで好き放題やりたい放題な訳ね」

中尉「へー」

大佐「いい奴も多かったぜ、たまにヤベェのがいたけどな」

中尉「その頃頑張ってた私が馬鹿らしいです」

大佐「そう言うなって、面白い話はまだまだあるからよぉ」

中尉「ふーんだ」プイッ

大佐「あれーすねちゃった。可愛らしい顔してもー」グニグニ

中尉「ひょっ!?にいひゃん、いはいへす!」




一時間後



大佐「お前も頑張って天才になったのかぁ………そうかそうか」シュポッ

中尉「兄さん兄さん」

大佐「あんだぁ?」ゴクゴクゴク

中尉「あんな武器作らせて何するかは分かりませんが、無茶はしないでくださいね」

大佐「おいおい、いきなり何言ってんだぁ?」

中尉「だって兄さんってあの中じゃ一番弱いでしょ?」

大佐「」ボキッ

大佐「そうだよー兄さん一番弱いよー」ズーン

中尉「私は心配です」

大佐「残念だなぁ、それには及ばないぜ」

中尉「?」

大佐「俺には勝利の女神さんがついてっからよぉ」トントン

大佐「それもとびっきり美人のがなぁ」ニッ

中尉「………何ですか、それ」

大佐「その顔は信じてねぇな」

中尉「信じる訳ないですよ」

大佐「とにかく大丈夫だって、俺はツイてるからよ」

中尉「本当ですか?」

大佐「本当の本当」

中尉「…………死んだりしないでくださいよ」ボソッ

大佐「何があっても死なねえよ、俺は」

中尉「………………約束ですよ」

大佐「ああ、約束だぜ」







中佐(No.9にNo. 10?)

中佐(僕と同じ人間が後9人もいるのか?)

中佐(いや、もう少しいるかもしれない。檻はあそこだけじゃないはず………)

中佐(なら、何故僕はあそこから逃げ出せた?どうやったんだ?)

中佐(………思い出せない…………)




中佐「……………」ゴクゴク

中佐「………………」

吸血鬼「よお、身体検査は終わったのか?」

中佐「ああ、終わったよ」

吸血鬼「ふーん、結果は?」

中佐「異常なしってさ」

吸血鬼「良かったな」

中佐「代わりに銃弾弾く体になってたよ」

吸血鬼「それはすごいな」

中佐「もはやビックリ人間だよ」

吸血鬼「心臓貫いても生き返る奴がビックリ人間?」

中佐「……違うか」

吸血鬼「スーパーマンだな、スーパーマン」

中佐「いや、それもちょっと違うよ」





吸血鬼「ここはすごいぞ、お前が言った通り本当に世界最高峰の研究所だぞ」

中佐「らしいね」

吸血鬼「“らしいね”?知ってるんじゃないのか?」

中佐「ああ、知ってるよ。さっき君から聞いた」

吸血鬼「はぁ………」ガクッ

吸血鬼「じゃあ大佐が顔パス出来るのも………」

中佐「兄弟だから?」

吸血鬼「それもさっき聞いたやつだな」

中佐「正直、自己紹介されるまで中尉がどこの誰か知らなかったよ」

吸血鬼「酷い奴だ。あの二人、結構似てるから分かるだろ。なら少佐に何て答えるつもりだったんだ?」

中佐「それは、で大佐が止めてくれると思ったから何も言う気はなかったよ」

吸血鬼「お前それらしい口振りしてたよな」

中佐「合わせた方がいいかなって思ってね」

吸血鬼「ああそうだった。こいつはこうゆうやつだったよ、忘れてた」

中佐「そりゃどうも」

吸血鬼「褒めてないぞ」





中佐「依頼人兄さんはいたかい?」

吸血鬼「いたぞ、妻も完治したそうだ」

中佐「おお、それは良かった」

吸血鬼「意外と気さくな人でな、長々とノロケを聞かされたよ」

中佐「ハハハッ、お疲れさま」

吸血鬼「ほとんど依頼人兄の、笑い話だったけどな」プルプル

中佐「どうしたんだい?」

吸血鬼「いやな……少し……フフッ…思い出してな」

中佐「君がそこまでなるなんて期待出来るね」

吸血鬼「おう、かなり面白いぞ」

中佐「よっこいしょ」

中佐「なら、探検しながらゆっくり聞かせてくれないかい?」

吸血鬼「ああ、いいぞ。それに感謝の言葉付きだ」

中佐「行こう」

吸血鬼「まずは、依頼人妻が目が覚めた時の話でなーーー」





キングクリムゾンッ!





中尉「皆さんもうお帰りデスカ……」ショボーン

大佐「そう寂しがるなって、俺ならいつでも会いにくるからよ」

吸血鬼「シスコン?」

大佐「誰がシスコンだ!俺は家族思いな兄だよ!」

少佐「家族思いねぇ」

中佐「美しき家族愛だねぇ」

少尉「良いものです」

中尉「んっんん」

中尉「皆さん!どうか私の兄をよろしくお願いシマスデス!」ペコリ

大佐「どした!?そんな藪からstickによぉ!」

少佐「うっせぇ、黙って聞け」

中尉「私の兄は皆さんの中で一番弱っちいデス」

大佐「」ベキッ

少佐「そういやぁな」

吸血鬼「俗に言う一般人だしな」

中佐「だろうね」

少尉「トータルで見れば最低ランクでしょうね」

大佐「」グサグサグサグサッ

中尉「けど、兄さんだって頑張ってるデスネ。だからこそ、そんな兄を皆さんで助けてやって下さいデス」

中佐「お安いご用さ」

少佐「ケッ、軽い軽い」

少尉「私達は大佐を見捨てはしません。それにまだ大尉もいます。あの人も、大佐を見捨てはしません」

吸血鬼「勝手に巻き込んでおいて死なれても困るんだがな」

中尉「皆さんよろしくデス!」


「「「「了解」」」」


大佐「いやー俺ぁいい部下と妹もったもんだぁチクショウめぇ」

大佐「あれ?目からドクペが……」ゴシゴシ





中尉「あと、これも持って帰ってくたさいデス」ドン

大佐「あれまぁ」

吸血鬼「いかにもそれらしいアタッシュケースだな、うん」

中尉「中身はこれデス」パカッ

大佐「げっ!?」

少佐「懐かしいなー」

中佐「リキッドニトロじゃないか」

大佐「何持ってんだあぁぁ!?」

中尉「大丈夫デス、ちゃんとした安定剤に熱も伝わりにくくなってるデス」

大佐「いやーヒヤッとしたぜ」

少佐「これ運んでて飛び散った奴が昔いたなぁ……」ポーンポーン

中尉「ちょっと……少佐さん?」

少尉「危険d」


チキッ


少佐「あ?」

中尉「!」

大佐「ああッ!?」

少尉「いけませんッ!」ダッ

中佐「………」バシッ ブンッ



バグオォォォンッ!!!






中佐「………危なかったね」

少佐「おっ、おう」オドオド

大佐「今確実に寿命縮んだわ、5年ぐらい」

吸血鬼「おーすごいなー地面かなり吹き飛んだぞ」

少尉「超危険物SSランクです」

吸血鬼「何だかよく分からんがスゴい事は分かった」

少佐「俺………二度と触んねぇよ、ソレ」

中尉「やめてくださいデス、全員死ぬとこデシタ」ダラダラ

吸血鬼「ハッ……あの程度で私は死なんよ」

中尉「えっ?」

大佐「この目盛り回したらいいんだな?」

中尉「え、ああ、そうデスそうデス」

中尉「取り扱いには気をつけてくださいデス。うっかりで跡形もなく吹き飛ぶデス」

大佐「ま、犬のクソ踏むよかねぇわな」






中尉「では、皆さんバイバイデス」

大佐「また会いにくるからなー」

吸血鬼「またなー」

中佐「バイバイ」

少佐「じゃあなー」

少尉「失礼します」





おるすばん 大尉Part2



大尉「さびしくないもん……さびしくないもん」

大尉「さびしく……ない………」カクッ

大尉「zzzZZZ……zzzZZZ」




次はまた戦闘です。地の分ばっかのやつです


語彙力とか作文力のなさに最後までいけるのか不安ですが頑張ります


読んでくださった皆様、さようなら





少佐「気分はどうだ?捕虜さんよぉ」シャキン

「…………」

少佐「無理に黙ってなくていいんだぜ?実際ビビってんだろ?」ツツツー

「…………」

少佐「あのなぁ、素直にゲロってくれねぇとこっちも困るわけよ、分かる?」

「…………」

少佐「お前は情報を話す、それを聞いた俺達はお前等の組織を潰す。そうしてお前は一般ピープルに戻れるし組織とはおさらば出来る」

少佐「ローリスクハイリターンだろ?」

「…………」

少佐「ケッ、口の固ぇ野郎だなオイ」





バチバチバチバチバチッ

ドササササッ


少尉「全目標、沈黙」ギュイィィィ ガチンガチンッ

少尉「ヒートワイヤーの調子は良好、発射及び巻き取りなどに問題なし」

少尉「ジェネレータ正常稼動」

少尉「サドンショットと比較して多数に対して有効」

少尉「残り構成員の殲滅に移行する」

少尉「!」


ドガァッ


少尉「新たな殲滅対象を確認」





キマイラ「グオオォォォォ……」

少尉「ライオン?いや、これは合成獣」

キマイラ「グォアッ!」ヒュッ

少尉「当たりません」バッ


ドゴオォォンッ


少尉「トラックを一撃で破壊……あの爪は厄介です」スタッ

キマイラ「グアァァ!」ドドドドドッ

少尉(正面からの突進、恐らく破壊力は相当なもの)

少尉「なら!」バシュンッ


カカカカッ


少尉「ふん!」グイッ


ドガァッ


キマイラ「グォアァッ!?」

少尉「周りの障害物を利用すればいい」





キマイラ「グゥゥアァ……」ブンブン

少尉「どうやら知性よりも本能が勝っていると見れます」ガチン

キマイラ「ブォルルルッ!」カッ


バリバリバリバリィンッ


少尉「ぐああぁぁぁぁ!!」バチバチバチ

キマイラ「グゥゥアァ!!」ブォンッ

少尉「しまった……よけれーーー」


ドゴォッ


少尉「ぬぅあぁぁっ!」

キマイラ「グルゥゥアアッ!」ガブッ

キマイラ「グウウゥゥゥ………」ギチッギチギチギチ

少尉「油断……しました。背中の山羊が遠距離攻撃する、とは………」

少尉「けれど!」ググググッ

キマイラ「!?」

少尉「同じ事は……二度続きません!」ボギャッ

キマイラ「グァッ!」

少尉「はああぁぁっ!」ドゴォッ

キマイラ「グギャアッ!」


ドッガアァン





少尉「まずは背中を!」バシュンッ


ドスドスドスドスドスッ


少尉「はあっ!」ギュイィィィ ドガァッ

キマイラ「ブォアアッ!」ボグシャッ

少尉「放電!」バチバチバチバチバチッ

キマイラ「ブァァァッ!キシャアァ!」シュガッ

少尉「同じ手は食らいません!」ガシッ ブチブチブチィッ

少尉「フッ!」ドスッ

キマイラ「グオオオォォオッ!?」ブンッブンッ

少尉「くっ……!」





少尉「振り落とすつもりか!」

キマイラ「グアァッ!」ドゴッ ガガガガガガガガガッ

少尉「山羊もろとも、私を壁にッ…………!」ギャリギャリギャリギャリ

キマイラ「グオオオォォオ!」ギャリギャリギャリギャリブォンッ

少尉「しまった!」


ドガアアァァァッ

 
少尉「各部、損傷……軽微」パチパチパチッ

キマイラ「グオアッ!」シュガッ


ギャリンッ


少尉「ぐあぁぁッ!!」





シュガガガガガッ


少尉「ぐっ……これ以上はッ………!」

キマイラ「グアッ!」ガブッ


ギチッギチギチギチギチギチギチギチギチッ


キマイラ「グウウゥゥゥッ!」ブンッブンッ

少尉(腹部をッ……!)

少尉「そうは……させませんッ!」


カッ


キマイラ「グギャアッ!??!?」パッ

少尉「今だ!」バッ スタッ


バシュンッバシュンッ

ギュイィィィィィィ ゴガッ


キマイラ「グギャッ……」グシャア

少尉「放電!最大出力!」


ビガガガガガガガガガガガガガガガガッバチバチバチバチバチバチバチバチッ


キマイラ「……………」フラッ


ドシーン





少尉「危ない……ところでした」ガチンガチンッ

少尉「何故このような怪物がここに……?」


シュウウゥゥゥゥ


少尉「厄介な相手です。純粋に力だけで襲いかかってくる」


パサッ


少尉「これは……カード?」

少尉「いえ、見たところ何かの呪文が刻まれていますね」

少尉「合成獣が出てくる前の生体反応はもう感知できません」

少尉「どうやら襲われたようですね」

少尉「状況より私の任務は完了」

少尉「少佐と合流し、大佐への報告へ移行します」





ドガガガガガガガガ


中佐「ドジったなぁ、こうもあっさり変相がバレるとはね………」チュインッ

中佐「危なっ……手荒な歓迎だよ、全く」

中佐「寄ってたかって撃ってこないで欲しいね」ドンッドンドンドンドンッ

中佐「はぁ、ノールックで当たる訳ないか……」ドサッ


カランカラン


中佐「グレネード………」バッ


ドッゴオオォォォンッ


中佐「鼓膜がやられたか……」ポタポタ

中佐「こうゆう武器、趣味じゃないのに」ガシャ ジャコンッ ダッ


ドッブアアァァァァァッ


「ドラゴンブレス!?」

中佐「…………」バッ

「!?」


ドグシャッ


「撃てっ!撃て撃てえぇ!」


ドガガガガガガガガガガッガガガガガガガガ


中佐「…………」ドンッ ドドドドドンッ

中佐「シッ……!」グシャッ

中佐「そんなもの、効きはしない」


ドグシャッ






吸血鬼「しくじったか?あいつ」ブンッ


ドサッ


吸血鬼「こっちはあらかた片づいたぞ、お前を残してな」

リーダー「…………」

吸血鬼「お前の部下もこの通り、ボロ雑巾のようだぞ?」

リーダー「俺を甘く見るなよ」ジャラジャラ

吸血鬼「鎖?」

リーダー「食らえ!」ヒュンヒュンヒュンッ


ドシュッ ブシュグシャ


リーダー「さすがにこれはよけられまい!化け物!」ビュッ


グシャッ


吸血鬼「で?それだけか?」ズズズズズ…

リーダー「再生するのか……なら!」ジャラァ

リーダー「手数で圧倒するまでだ!」ヒュババババババッ


ドシュシュシュシュシュシュ


吸血鬼「ぐっ……あっ…………ガッ……!」ブシュッグチャッブチッグチャッ

リーダー「二本の鎖から繰り出す連続攻撃、回復する隙など与えんッ!」ヒュバババババハババッ






リーダー「せあぁっ!!」ビュアッ


ガシッ


リーダー「ッ!?」ジャリ

吸血鬼「………手数で圧倒?するんじゃなかったのか」バキャッ

リーダー「こいつ……!」ビュアッ


グチャッ



吸血鬼「痛い、鉄の鎖で人を殴るな」ボタボタボタボタ

リーダー「こぉんの化け物がぁッ!」ヒュババババババッ


ドシュシュシュシュシュシュブシュッブチャッグシッ


吸血鬼「洒落臭い」バシッ ビュッ


ドチャッ バタッ


吸血鬼「フン……この程度か」ポイッ

吸血鬼「化け物、か………」ズズズズズ……

吸血鬼「………………………」

吸血鬼「これで終わりだな」クルッ スタスタスタスタ






「にっ逃げるぞ!」

「退け!退けえぇっ!」

「銃が効いてないぞ!?」ドドドドドッ

「化け物か!?」バババババハババッ

中佐「二つ」ドガッドガッ

「ウアッ……」

「ギャッ………」

中佐「…………」カチッ カチンカチン


ガチャンガチャ ダッダッダッ


「来るぞ!」

「逃げろッ」

「走れッ走れッ!」

「速い……!」


中佐「三つ」ヒュッ


ビチャッ


中佐「………」ガシッブンッ

「うわっ!?」ドッ

中佐「五つ」ピンッ ビュッ


ドッゴオオォォォンッ


中佐「七つ」

「うあぁぁ……」

「目がッ目をやられたぁ!」

中佐「……………」ビュアッ


ビヂッ


「ひいいぃぃぃ………」ズリズリ

中佐「残り、一」

「たっ助けーーー」


ゴチャッ


中佐「0」





吸血鬼「雑魚相手にいくらかかってるんだ?」グシャッ

中佐「取り逃がしてたかい?」

吸血鬼「二、三ほどな」

中佐「悪いね」

きゅ



すいません、ミスしました



吸血鬼「私の方は終わったぞ、全部平らげた」

中佐「お疲れ、何かあったかい?」

吸血鬼「特になかったな、これ以外はな」スッ

中佐「へぇ」

吸血鬼「どうやらこれが奴らの切り札のようだ」

中佐「タロット?カード?どれも違うか」

吸血鬼「黒魔術のやつじゃないか?」

中佐「かもしれないね」

吸血鬼「かなり人数集まって使おうとしていたぞ」

中佐「どれくらい?」

吸血鬼「十人ぐらいだったな」

中佐「うーん、分からないねぇ………」

吸血鬼「小賢しい物なのは確かだ」

中佐「とにかく大佐に報告しよう」

吸血鬼「んんーっ」グググー

吸血鬼「任務も終わったし帰ろう」





少佐「こんだけ言ってんのにまだ話せねぇの?」

「…………」

少佐「まっ、吐かないなら別にそれでもいいけど、吐かないなら仕方ねぇよなー」シャキン

少佐「俺の好きにしてもいいよなぁ」ベロォ

「…………」ゾクッ

少佐「んーどうしよっかなーまずはー足?いや、腕?」

少佐「まぁいっか」ザクッ

少佐「ヒャハハハハハハハハッ!」

「…………」ビクッ

少佐「見ろよ、血だぜ」ポタポタ

「うっ……やめろぉ………」

少佐「あーんっ」チュピッ

少佐「あぁ………たまんねぇ」ニタァ


ドスッ


「うあっ!?」

少佐「笑えよ、なぁ!笑えよ!」グリグリグリ

少佐「何だ?痛てぇのか?痛いのかぁ?!」グリグリグリ

「うぁぁぁ……やめてくれぇ………」

少佐「ヒャハハハハハハハハハハハハッ!」ズボッ

少佐「ハハハハッ!アーハハハハハッ!」ベロォ

「うぐっ………」

少佐「どうしたんだ?泣いてんのか?」

「分かった……何でも話すッだから!」

少佐「んーなんだって?よく聞こえねぇなぁ?」

少佐「まっ、別にいいけどねハハハハァッ!」

少佐「協力しねぇなら殺すだけだぜ?ヒャハハハハッ!」




ガチャ


少尉「やっぱりですか………やり過ぎですよ、少佐」

少佐「あ?いいじゃねぇか、話してくれんだからよぉ」ツツツー

「やっ、やめてくれぇ………」

少尉「もう少し人道的にしましょう」スチャ

少佐「何だそれ?」

少尉「自白剤です」

少佐「うわっ……それまた随分と人道的だこと」

少尉「最近のは後遺症などはありません。人道主義を持つ人が増えましたから」

少佐「あっそ」

少尉「それにこれは中尉が作った物ですから」

少佐「なるほどな、それなら安心だな」

少尉「さて、ほんの数分で効果が出るでしょう」

少尉「大佐、準備完了です」





大佐「おう、ご苦労ご苦労」

少佐『ケッ、自分はオフィスで座ってるだけかよ』

大佐「それだけなら俺も万々歳だよ。けどな、この後俺は作戦考えんだよ」

少佐『あっそ』

少尉『そろそろいいかと』

大佐「速いな、さすがはmy sisterだな」





大佐「さて、お前等の構成員は何人だ?」

『千人は……越えている』

大佐「決起の予定は?」

『今から……四週間後』

大佐「場所は?」

『都心近くの………海に近いスタジアム』

大佐「何が望みだ?」

『私達の理想郷を作る………ため』

大佐「話し合いでどうにかする気はあるのか」

『ない。聞き入れられなかった』

大佐「だから武力を行使して訴えるのか」

『そうだ』

大佐「即答か、宗教ってのはどうもイケ好かねぇな

少尉『よろしいでしょうか?』

大佐「どうぞどうぞ」

少尉『これは一体何ですか』

『それは………術式だ』

少尉『何をするための?』

『怪物や魔獣を召喚する……ものだ』

少尉『使い方は?どうするものなのですか』

『十人集めて………同時に触れるだけでいい』

少尉『何を呼べるのですか』

『分からない………使わないと』





『あっ…………』ガクッ

大佐「あれ、気絶しちまったよ」

少尉『怪物や魔獣ですか…』

大佐「心当たりあんのか?」

少尉『はい、先ほど一体倒しました』

大佐「強かったか?」

少尉『普通の獣より遙かに上です』

少尉『私が戦ったのはこれです』

大佐「ああーキマイラ……ねぇ」

少尉『獅子の頭に山羊胴、蛇の尻尾を持っていました』

少尉『個々に独立して攻撃を加えてきました』

大佐「ボディの方は大丈夫か?」

少尉『損傷軽微、といったところです』

大佐「俺が相手にできるかどうか、だな」





少尉『にしても妙ですね』

少佐『何がだ?』

少尉『この術式を使った時、十人以上は残っていたはずでした』

少尉『なのにそれが全員消えていました』

少佐『生け贄にする人数増やせばヤベェのが出てくるみてぇだな』

大佐「おいおい冗談だろ?」

少佐『どう考えてもそうじゃねぇの?』

少尉『どう考えてもそうでしょう』

大佐「決起の日にゃあ千人も生け贄がいんだぞ?」

少尉『恐らくキマイラ以上の怪物達が多数召喚されると思われます』

大佐「なんて事やらかそうとしてんだが、Jesus crist」

大佐「どっかのゴミ虫が可愛らしく思えるぜ」

少尉『軍に応援を要請した方がよろしいかと』

大佐「そうするよ、んじゃあお前等帰ってきてよし」

大佐「OVER」ピッ





大佐「そうゆう事だから」

スーツ『友達の家止まるから今日帰らないから、みたいなノリで軍に応援要請すんのやめろ』

大佐「いや、本格的にヤバい、これヤバい」

スーツ『今回は隠し通せるか難しそうだ』

大佐「とりあえず半径五キロの住民避難頼むわ」

スーツ『言われなくとも』

大佐「あとは……念のために地上と海上、空中から包囲しとけ」

スーツ『簡単に言うな、それは最悪のパターンの時だけだ』

大佐「そうならねぇよう精々頑張りますよ」

スーツ『頼んだぜ、俺ぁ手貸せねぇからな』

大佐「over」ピッ





ピピピピッ


大佐「終わったか?」

中佐『九つ程潰しておいた』

大佐「ご苦労ご苦労、帰ってきてよし」

中佐『面白そうな物を見つけたよ』

大佐「カードみたいなやつか?」

中佐『当たり、少尉に先越されたようだね』

大佐「とにかく帰ってこい」

中佐『了解』





ピッ


オカマスター『あら、何か注文するの?』

大佐「爆薬とかありったけ頼む、薬莢にはいってんのでもいいから」

オカマスター『はいはい爆薬ね、他は?』

大佐「コンテナ」

オカマスター『珍しいの頼むわねぇ』

大佐「車頼めるか?」

オカマスター『一体どんなの?』

大佐「そうだな……デケェの頼むわ」







「なんじゃ、戦でもおっ始まるようじゃな」

「なら、久々にワシも参戦するとするか」

「かっかっかっかっ!相も変わらず戦に縁がある奴じゃのう!」

「うーむ………しかしなぁ、生憎あれが手元にないでな」

「ワシはあまり戦えんのぉ」

「あやつなら少々の無茶でも何でもやりおるからの、大丈夫じゃな」

「かーかっかっかっかっ!」







ヒェッヒェッヒエッ、どうしやす?

問題ない。僕と9、それに10や2、37で奴らを叩く

No.8がいればもう少し頼もしくなるんですがねェ、ヒェッヒェッヒエッ

それはどうしようもない。それに、彼らならやってくれる

伐ち漏らしは残りのあっしらでやりまさア

頼む。No.0

その名で呼ばねぇでくだせェ、あっしはただの琵琶法師でさア







風が心地いいわね……

そうだな

何だか眠たくなってきた。膝借りるよ

構わない

アンタって相変わらず仏頂面ね

大きな世話だ

はぁ………また戦うのか………

嫌、なのか?

嫌じゃないわよ。でも、好きでもない。

ややこしいな

本当にね………アンタはどうなの

俺は、そうする事しかできない

アンタって本当馬鹿よね、大馬鹿よ

………………

あいつとの勝負の前に死んだらどうすんのよ

なら、その時まで死ななければいいだけだ

何でそこまであいつとの勝負にこだわるの?

俺とあいつはあいつと戦いたい。ただ、それだけだ

それだけ?

それだけだ

それで死んでもいいの?

ああ、悔いは残さない

………………

招集だ。先に行くぞ

アタシは………少し遅れる

そうか





馬鹿……大馬鹿野郎よ、アンタは






いきなりドンパチはどうかなと思ったのでこんな話を挟んでみました。台本形式でバトルって難しいです

次回こそ決戦です。また分けて投稿すると思います


では、見てくださった皆様、さようなら


>>412

訂正

問題ない。僕と9、それに10や2、37で奴らを叩く

問題ない。僕と9、それに10や2、3、7で奴らを叩く


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