千早「・・・伊織？」
伊織「わかっているわ、千早。仲間の応援という名目の見学ね。」
千早「高槻さん（の手料理）を食べられるチャンスだわ。」
伊織「私だからニュアンスで補間したけど、アンタ今サラッと凄いこと言ったわよ。」
千早「プロデューサーがさっき高槻さんに伝えた日は私は・・・"ハルチハ"で歌番組の収録だわ・・・」
伊織「私は竜宮小町で街歩きロケ・・・律子！ちょっとなんとかならないの！？」
律子「無茶言わないでよ・・・」

千早「くっ・・・こんなチャンスが目の前にあるのにどうして歌番組なんか・・・！」
律子「・・・あなたあれだけ歌番組に出たがってたわよね？」
伊織「街歩きロケなんてあずさがはぐれるんだから断りなさいよ？」
律子「それについては否定できないわね・・・」
律子「はぁ、帯コーナーのレギュラーなんだから、これからいくらでもチャンスはあるわよ・・・」
伊織「はぁ・・・仕方ないわね。」
千早「」
律子（あ、この娘本気でダメなやつだわ、早く何とかしないと・・・）

P「よし、今日はスタッフさんたちとの打合せだ。」
やよい「うっうー！お料理コーナーですよね？頑張りまーす！」
P「お、この部屋だな・・・」
ｺﾝｺﾝ
P「失礼します。765プロです。」
番組P「おー、来たな?。」
P「やよい、この方がこの番組のプロデューサーさんだ。」
やよい「高槻やよいです！よろしくお願いします！」
番組P「元気いいねー。」
D「番組のディレクターをさせてもらってます。高槻さんのコーナーも担当致します。よろしくお願いします。」

やよい「よろしくお願いします！」
D「えー、さっそくですが、当番組は夕方の情報バラエティで
視聴対象年齢がキッズからローティーン層です。」
D「そこで料理コーナーを担当して頂きます。」
番組P「ローティーンの女の子向けに料理の楽しさを伝えてもらおうとね。
やはり同年代の娘がいいかなってね。」
D「スタジオに食材等を揃えておきますので、
そこで高槻さんに自由に作ってもらいます。」
やよい、P「え！？」

P「あのー、こういうのって普通フードコーディネーターさんが
組んだレシピでやるのでは・・・？」
番組P「アイドルがリアルに作る方が訴求力が強いかなってね。
それで高槻さんへのオファーって事でね。」
P「は、はぁ・・・や、やよい大丈夫か？」
やよい「どどど、どうしましょう？私お料理は作りますけど・・・」
D「普段から作りなれてる様なモノがいいですね。」
番組P「言ってくれれば別に用意するけど、大体普通に家庭に
ある様な食材でやってもらえればいいんだよー。」

やよい「そ、それならまあ・・・その・・・」
番組P「じゃ、ヨロシク?」
P「あ、はい。よろしくお願いします。」
やよい「プ、プロデューサー・・・」
P「だ、大丈夫だ。いつも家族に作ってあげるお前の料理でいいんだ。」
やよい「わ、わかりました！」

収録日
P「765プロの高槻やよいです。よろしくお願いします。」
やよい「よろしくお願いします！」
D「あ、どうもー。よろしくお願いしますー。」
やよい「プ、プロデューサー大変です！」
P「どうした？やよい！」

やよい「お肉もお魚もあります！見た事ない調味料もあります！」
P「お、落ち着けやよい！使い慣れてる食材だけ使えばいいから！」
D「レシピのテロップなんかは後で差し込みますのでー。」
やよい「はわわわわ・・・」
P「大丈夫だやよい！伊織だってお前の料理を美味しいって
食べてたじゃないか！いつも通りでいいんだ！」
やよい「い、伊織ちゃーん・・・」

某ロケ地
伊織「ハッ、やよいが呼んでいる気がする！」
律子「何言ってんのよ、ロケ抜け出そうったってそうはいかないわよ？」
伊織「そんなこと言ったってあずさがはぐれたんだから今日はもう続行不可能でしょ。
今頃どっかの海外でフラフラしてるわよ。」
亜美「横浜中華街ではぐれて海外ってあずさお姉ちゃんだと有り得そうで笑えないねｗ」
律子「参ったわね・・・スタッフさん達にどうお詫びしようかしら・・・」
伊織「やよい大丈夫かしら・・・」
律子「あずささんは置いといて、私はある意味千早が一番心配だけどね。」

確かに読みづらいですね。
失礼しました。

某スタジオ

千早「ハァ・・・」

春香「ち、千早ちゃーん。わ、私なにかしたかなー？こ、怖いんだけど・・・」

千早「春香・・・どうして今日はあなたと一緒なのかしら・・・」

春香「え、いやだって相方だし・・・二人でハルチハだし・・・」

千早「相方・・・そうね、春香確かにあなたは私の大事な相方だわ。」

千早「でも、ごめんなさい・・・あくまで相方としての大事で相方としての（）なの」

春香「うん、対象が自分じゃなくてホッとしてると同時にやよいが可哀想になってきたよ・・・」

収録スタジオ

D「それでは本番行きまーす！・・・3・・・2・・・1・・・（ｻｯ）」

やよい「うっうー！高槻やよいでーす！今日から始まるこのコーナーでみんなに簡単レシピを教えまーす！」

やよい「では第一回目の今日はですねー・・・どこのご家庭にもある・・・」

やよい「このもやしを使って簡単もやしあんかけを作りまーす！」

やよい「フライパンひとつですぐできちゃいますよー！」

P（うん、そりゃーもやし使うよな・・・）

やよい「うちは兄弟たちが小さいので簡単ですぐ出来るようなものじゃないとー・・・」

やよい「お腹空いたーとか大騒ぎなんですよー！」

やよい「っと冷蔵庫からもやし一袋、200g入りですねー。」

やよい「で、水溶き片栗粉を用意しておきます、片栗粉大匙2くらいを大匙3くらいの水で溶いてください。」

やよい「あんかけの硬さは好みがありますので分量は何度か試しながら調整してくださいねー。」

やよい「もやしをざるにあけてザッと水洗いしてよく水を切ります。」

やよい「いわゆるヒゲをとっている時間はもったいないのでそのままです。」

やよい「今日はなんと！炒め鍋がここにあるので使っちゃいますー！」

やよい「深型の炒め鍋のほうが使いやすいですよー。」

やよい「ごま油をすこーし引いて炒め鍋を温めます。」

やよい「強火でよく温まったら一気にもやしを入れまーす！」

やよい「ザッと全体に油を回すように鍋をあおります、私は便利なので中華お玉を使います。」

やよい「市販のチューブのおろしにんにくとおろしショウガをここで加えます。」

やよい「量は・・・大体です！」

やよい「生のにんにくとしょうがを使うときはみじん切りにして鍋を温めるときに弱火でじっくりと香りを出してくださいね。」

やよい「続けて軽く塩コショウで味付けです！」

やよい「そうしたらもやしがヒタヒタになるくらい水を入れます！」

やよい「このまま強火で沸騰させます！」

やよい「沸騰する前に鶏がらスープの素で味付け、ここでは少ししょっぱいくらいがいいです。」

やよい「沸騰したらすぐ火を止めてくださいね！もやしのシャキシャキ感が無くなっちゃいます！」

やよい「で、ダマにならないように必ず火を止めてから水溶き片栗粉を２、３回に分けて回し入れて・・・」

やよい「とろみが出るように少しだけまた火を入れます。」

やよい「とろみがついたら完成でーす！」

D「すごい！１０分のコーナーでほぼピッタシに完成だ！」

番組P「いやーさすが計算しつくしていますねー。765プロさんでしっかり準備してくれたんですねー。」

P「いや・・・そういうわけでは・・・」

やよい「ごま油の癖が気になる方はサラダ油に変えてくださいね。」

やよい「ごはんにそのままかけてもいいし、水切りした木綿豆腐を豆腐ステーキにしてその上にかけてもおいしいですよー！」

P（あ、その豆腐ステーキでビール飲みたい）

D「はい！オッケーでーす！」

番組P「いやーお疲れお疲れ。次いく前にVチェックの間少し休んでてねー。」

やよい「あのー・・・じゃあその間にちょっといいですかー？」

AD「あ、自分伺いまっす。」

小鳥「プロデューサーさん。」

P「あれ？小鳥さん？」

小鳥「社長からおつかいついでにやよいちゃんの様子を見てくるように頼まれまして。」

P「そうでしたか。あ、小鳥さん。こちら番組のプロデューサーの方です。」

小鳥「はじめまして、765プロダクションの音無小鳥と申します。」

小鳥「この度は当事務所所属の高槻を起用していただきありがとうございます。」

小鳥「本来であれば社長の高木が挨拶に伺うべきところであるのですが所用により今回は私が名刺を預かってまいりました。」

番組P「あーいやこりゃどうもどうも。」

P（すごい・・・・小鳥さんがまともな大人の人に見える・・・）

小鳥「そしてこちら私の名刺です。この番号が携帯番号ですので・・・」

番組P「いやーどうも。なにかありましたらこちらの方がよろしいので？」

小鳥「なにもなくても大歓迎です！」

P（・・・ぬかりねえな）

小鳥「で、やよいちゃんどうです？」

P「一回目収録終わりでもやしあんかけ作りましたよ。」

小鳥「うーん・・・それはもやし×あんかけなのか、あんかけ×もやしなのかがポイントですね・・・」

P（あ、やっぱりダメな大人だ）

D「はい、じゃあ二回目いきまーす！・・・3・・・2・・・1・・・（ｻｯ）」

やよい「うっうー！クッキンアイドルYAYOI's Kitchen！第二回目ですー！」

やよい「前回はもやしあんかけを作りましたのでー・・・復習の意味を込めてー今回は！」

やよい「ちょっとだけ材料を変えて塩麻婆豆腐です！」

P「塩？」

小鳥「麻婆？」

やよい「手順は前回と同じ感じなので簡単ですよー！」

やよい「準備は長ネギと青梗菜と木綿豆腐、絹ごしでも構いませんよー！」

やよい「そして！なんと！豚ひき肉を使っちゃいますー！豪華ですよ！」

やよい「グラム８８円の時の半額シールとかちょーお得なのでそんな時に作るんですよー！」

P「・・・やよい（泣）」

小鳥「もうすぐお給料あがるはずだからね・・・（泣）」

やよい「えーまず豆腐は水切りしておきます。」

やよい「豆腐のパックの縦・・・長さが短い方の一辺を包丁で切ります。」

やよい「そこから水を出した後、切った方を下にして流し台のへりに引っ掛けるようにセットします。」

やよい「こうすれば省スペースで簡単に水切りできますよー。」

やよい「これは１０分くらい水切りしています。好みで時間は変えてくださいね。」

やよい「長ネギはみじん切りで半分から一本。」

やよい「炒め鍋にごま油を引いて弱火でこのネギを炒めて香りを出します。」

やよい「香りが出たら強火にして豚ひき肉を入れまーす！」

やよい「これは１０分くらい水切りしています。好みで時間は変えてくださいね。」

やよい「長ネギはみじん切りで半分から一本。」

やよい「炒め鍋にごま油を引いて弱火でこのネギを炒めて香りを出します。」

やよい「香りが出たら強火にして豚ひき肉を入れまーす！」

やよい「豚ひき肉は150グラムくらいですねー。大体４人分くらいの目安です。」

やよい「前回のようにチューブのにんにくとショウガを加えて塩コショウで軽く味付けします。」

やよい「ちなみに肉そぼろを作る際は菜箸を5、6本まとめて握って・・・」

やよい「菜箸のお尻の方でかき混ぜながら炒めると細かくポロポロになりますよー！」

やよい「ひき肉の色が変わったら水切りした豆腐一丁（400グラム）を大きめのさいの目に切って入れます。」

やよい「ひき肉と豆腐がヒタヒタになるくらい水を入れてー。」

やよい「水洗いして食べやすい大きさに切った青梗菜を入れます。３枚ほどが目安ですかね？」

やよい「今回は冷蔵庫の中のもやしが切れちゃったので青梗菜を使いましたけど・・・」

やよい「私は普段はもやしを使いますよー！」

やよい「でも青梗菜やほうれん草、小松菜みたいに青い野菜の方が彩りはきれいですね！」

やよい「ここからは前回のように鶏がらスープの素で味を調えて・・・」

やよい「沸騰したら火を止めて水溶き片栗粉でとろみをつけます。」

やよい「うちは兄弟がちいさいのでここでとろみがついたら完成なんですけどー・・・」

やよい「今日はちょっと大人っぽく辛みをつけます！」

やよい「一味唐辛子と粉山椒で辛みをつけます。山椒で風味は一気に華やかになります！」

やよい「仕上げにラー油をかけまわして・・・」

やよい「塩麻婆豆腐の完成でーす！」

D「調理工程だけですが１０分ちょっとです！」

小鳥「あーこれでビール飲みたい。」

P（同意だけど口に出しちゃってるよこの人・・・）

やよい「辛みを強く出したい人は最初のネギと一緒に輪切り唐辛子を炒めるといいですよ！」

やよい「味付けは味見しながらちょっとずつ調味料を加えてくださいね！」

やよい「そうやりやすいレシピになってるはずです！」

やよい「じゃーまた次回ですー！うっうー！」

小鳥「簡単でおいしそうですけど・・・」

P「はい？」

小鳥「ローティーン向けの番組でしたよね・・・？」

P「メニューの選択あんかけでいいのかなー？とは思いますけど・・・」

P「スタッフが止めないし・・・いいんじゃないですか？」

その後番組はやたらもやしを使う料理番組（コーナー）をしてネットの実況で盛り上がるという狙いとは違った受け方をした。

存続するようなので伊織と千早はまだ（なにか）狙っている。

終わりです。
あんかけ美味しいよ、あんかけ。