ウルフウッド「魔法少女?なんやねんそれ?」 (333)


トライガンマキシマム、

ニコラス・D・ウルフウッドとまどか☆マギカのSSになります、

地の文に違和感なんかもあると思いますが気長に付き合っていただけたら幸いです

いやぁ、艦これ面白いですね(白目)

投下するのでしばしお待ちを

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383900029



それは、砂漠の星での物語から始まる

喉が焼きつけるような灼熱の大地、

人々はそこで生きるために奪い合い、時には人を殺したりもしました

人は地獄と呼び、悲しみが連鎖する星であると言います


「なぁ…トンガリ…そんな…顔…すんなや…」

「………ごめん…」


乾杯した筈の二人のテキーラは何故か減る様子が見られなかった

彼等は友人でした、どうしようもないこの理不尽な世界でもがき、そして、ある片方の男は今…


「世の中…どうしようもない事の方が…多いんやで…?」

「……なぁ……」


友人は彼にどうしようもないのか、と訪ねようとしてその口を静かに閉じました、それは…既にわかっている事だからでしょう


…笑えや…トンガリ…笑ってくれ…いつものトンガリズム…言うてな…なぁ…せっかく酒飲んどるのに…楽しゅうないやろ…

彼は心の中でそう友人に語りかけます、自分が今までやってきた過ちも全て受け入れている筈なのに…どうしても、自分の中でまだ踏ん切りがつかないからです


彼と別れるのを、…まだ…受け入れられないから…


「笑えトンガリ……
おまえはやっぱり笑ってるほうがええ

カラッポなんて言うて

悪かった……」


彼は自分が最後の時を迎えるのを悟ったのか、友人にそう言葉をこぼしました



ずっとみてきた、だからわかる

地獄のような大地、人間との命のやり取り、そして今から尽きる自分を…過去を顧みて…


そんな、彼の頭の上からヒラヒラと白い…白い…紙吹雪が…舞い落ちてきます…


『おかえりなさい』


小型シップに乗った子ども達が…散らせた白い白い紙吹雪…

そして紙吹雪は舞ったのです、

孤児たちにとってはどんなに姿形がかわろうとも、

自分たちのために闘ってくれた「あの人」は大好きだった「ニコ兄ちゃん」だったのです


彼は救われた様な気がしました、今までやってきた自分の過ち罪から…

彼は涙の叫びを上げ、そして彼は…


…静かに息を引き取ったのでした…




佐倉杏子はそこで静かに目を覚ました…、ここは廃墟になった教会、そして神様に懺悔をする場所

目を覚ました彼女は、ふと夢の中にいた神父を思い出した


杏子「…なんだってんだよ…、あの…」


自分が願っても無い夢を見させられ、不機嫌な表情を浮かべる杏子

それもその筈、彼女は魔法少女であり、まるで夢の中にあるあの世界は自分とはまるっきり関係ない世界の話である

自分の利益になるわけでもないなら、むしろ人の死に様をみる分余計に気分が悪い

そう、たとえば…自分が人間を襲わせる為に野放しにした使い魔の事を思い返したりとか…

杏子「…ばっかじゃねーの、くだんねぇ…、あんな気分の悪い夢を見るなんてやきが回ったかね…」

杏子はそう呟くと身体を伸ばし立ちあがる

さて、魔女狩りか食糧調達にでも出向いてみるかといったばかりに彼女は軽い気持ちでいた、

杏子「…ん…?なんだ?教壇の前になんか…」

ふと、彼女は止まった、教会の教壇の前、そこには何か見覚えのない黒い足の様なものが見えた


杏子は静かに忍び寄る様にその人影を自分で確認する為に近づく


杏子「…!?…こ、こいつは」


そこに居たのは………


黒い神父の姿をした自分が今さっき見ていた夢の中にいたあの男の姿であった



ニコラス?ザ?パニッシャー

それが彼の本来の名前であり、巨大な十字架の兵器通称『パニッシャー』から由来していると言われている

「ミカエルの眼」によって育て上げられた超一流の暗殺者、それが彼、ニコラス?D?ウルフウッドである

その彼は今、何をしているのかと言うと…


ウルフウッド「ゴラァ!小僧共!またやらかしおったなこのボケ!」

子供A「わぁー!?ニコ兄が怒った逃げろー!」

子供B「また殴られんぞー!」


風見町の廃墟になったはずの教会で身寄りの無い子供を見る神父さんになっていた…


杏子がウルフウッドを見つけたあの日、静かに目を覚ました彼は彼女と対面した


ウルフウッド「…ここは…?」

杏子「…あんた…」

ウルフウッド「…なんや…天国にも…ちんちくりんな餓鬼はおるんや(ry…ぶべっ!」


目を覚まして開口一番に自分の事をちんちくりんの餓鬼と言い放ったウルフウッドに向かって杏子は全力の拳を彼に向かってぶつけた


ウルフウッド「…おんどれ!!目覚ました相手ど突きまわすとかなに考えてんねん!?」

杏子「うるっせぇ!開口一番にちんちくりんの餓鬼なんて言う奴には拳が飛ぶに決まってんだろうが!このボケ!」

ウルフウッド「なんやと!そんな山のかけらもない胸しとったら当たり前やろうが!ドアホ!」



…とふと、杏子と口論していたウルフウッドは周りを見渡しある事に気がつく

そう、あの砂漠のソファの上でない事とそして自分が今、見覚えのない教会にいる事だ


ウルフウッド(…確かワイは…あの時に………)


トンガリ頭とのやり取りを思い返したウルフウッドは、自分が今立たされている奇妙な状況に頭を混乱させていた


ウルフウッド「あー…嬢ちゃん…悪いな、ここ天国?」

杏子「…は…?頭おかしいんじゃねーのお前?」

ウルフウッド「よしわかった嬢ちゃん…ちょいと表でよか…、ど突きまわしたる…」

杏子「はぁ?私とやり合うつもりなのかよ、やめとけって常人が叶うわけねーだろ」


とりあえず、ウルフウッドはむかっ腹が立つ杏子に対してなんとか感情を抑え、引きつった様な笑みを浮かべたまま、場所だけでも聞き出す事にした


ウルフウッド「んで…話が進まへんから、とりあえず今までの事は水に流す事にしたろう…そんで、ここどこやねん嬢ちゃん、とりあえず教えてくれへんか?」


冷静な口調で彼女にそう訪ねるウルフウッド、彼の腰には既に手が回っており右手のハンドガンを掴んでいる

何があるかわからない、用心に越した事はないからだ、あの砂漠の星ではそうだった

杏子は退屈そうな面持ちで、ポッキーを折り食べながら、ウルフウッドにこう答えた


杏子「風見町…、日本にある」

ウルフウッド「はぁ…?日本?どこやねんそこ」

杏子「…んでここがその日本の風見町にある教会」

ウルフウッド「……聞いた事がないとこやな…」


ウルフウッドは教会の教壇に腰掛けタバコを取り出し火を付ける、彼は彼女にこう告げ始めた


ウルフウッド「んで…お前さん名前は…?」

杏子「はぁ?なんであたしがあんたに…」

ウルフウッド「ええから、教えろ…信頼関係っちゅうのは名前を互いに知ってから成り立つもんやからな…」


ウルフウッドの言葉に杏子は少しだけ名前を名乗るのを躊躇したが、しかし、あの夢の事もあってかニコラスに対して自然と名前を名乗っていた


杏子「…杏子…佐倉杏子だ…」

ウルフウッド「…ニコラス?D?ウルフウッド…好きな風に呼んでくれてかまへんで…」


これがウルフウッドと佐倉杏子との始めての邂逅であった



杏子「そんで…あんたはどうすんだい?」

ウルフウッド「…そうやなぁ…ワイ仮にも神父やからなぁ…何かの縁やし、みたところこの教会、廃墟みたいになっとるやないか…」

杏子「あんたが神父…?…ぷっははははは!!その成りで神父かよ!」

ウルフウッド「…ま、まぁ、という訳でや、ここの教会の神父やってみようかなって思うとるんやが…嬢ちゃん?」

杏子「ひぃ…ひぃ…あーつぼった…わかった、手伝えってんだろ?」

ウルフウッド「せやせや、話がわかってくれてお兄さん嬉しいで?」

杏子「嫌…」

ウルフウッド「嫌とか言うたら、どつきまわすで?…ん?」



ウルフウッドはにっこりと笑みを浮かべたまま、いつの間にかがっしりと教壇から離れていた筈の杏子の両肩にガッシリ手をおいていた

杏子はいきなりの出来事に目を丸くする


杏子(…は…?い、いつの間にここまできやがった?全然、気づかなかったぞ…っ!!)

ウルフウッド「んでどうやねん?ちなみに断わったら…」


ウルフウッドは杏子の近くにあった教会の寂れた椅子に向かって拳を振り下ろし、木っ端微塵にする


ウルフウッド「この拳が嬢ちゃんのドたまにくる事になるけどなぁ…」


実に脅迫じみた言葉と行動に杏子は顔を引きつらせる、なんかいろんな意味で面倒な奴に捕まったなとこの時、杏子はそう思ったのだった


今回はとりあえずここまで

文字化けがひどいですね、すいません
あと訂正でウルフウッドのセリフでどうやねんはどないやねん、ですね

関西圏に住んでるのにミスとか恥ずかしい…死にたい

それじゃ、また書き溜めてきます!

せやったな…すまん工藤…

牧師さんやな神父やないねん…

ご指摘感謝します

そんじゃあ書き溜めたやつをぼちぼち投下していきたいと思います

まどまぎの映画面白いですね

続きが気になるなぁ… みつを

それから、しばらくして、


ウルフウッドは杏子の力を借りてこの教会を何とか自分の優れた身体能力を使いお金を貯めて買取した

杏子とは喧嘩したりもしたが、それでもなんとかうまく付き合い


現在は神父として、そして、身寄りの無い子供達を引き取る児童施設として成り立たせた

もちろん、お金を貯めるために正攻法では無いやり方も幾らかしたがいまでは杏子の力もあって安定して神父をしているという訳である


杏子「おーいニコ兄帰ったぜー!」

ウルフウッド「おう!ちんちくりん、おかえり」

杏子「誰がちんちくりんだ!」

ウルフウッド「あれ?ちゃうかったか…?」

杏子「…ちょいと頭きたぜ…表でろよニコ兄…」

ウルフウッド「冗談や冗談!おう、お使いご苦労さん」ポン

杏子「ちょ!頭に手を乗せんのやめろっての!」

ウルフウッド「素直やないなー、おれ、これがいいのか?ほれ」ナデナデ

杏子「この馬鹿!な、撫でんな!ゴラァ!?」顔真っ赤


このように、険悪そうだった杏子との関係もいまでは幾らかマシになり、軽口や冗談を言うような仲にまでなった



平穏な生活、かつて罪滅ぼしでやっていた筈の子供達との生活

それがいまでは自分の生き方になりつつもあり、そして、生き甲斐になりつつもあった

だが、ふと思うところがあるのだ


ウルフウッド(…あれが……視界に入るとどうしても思い出すねん…)


教会の飾ってある巨大な十字架、自分の武器…そして、全てを破壊する兵器『パニッシャー』

GUNG-HO-GUNS、彼が所属していたかつての組織…

血に塗られた記憶とそして沢山の命を葬りさった懺悔の記憶


ウルフウッド(今が…大切やろ…昔の事持ち出してどないすんねん!)


しかし、パニッシャーだけでない自分の新陳代謝を促進させる強力な薬、これさえも彼の手元にあった事がどうしてもウルフウッドにとっては気になって仕方ないことであった


杏子「ニコ兄…?どうしたんだ?」

ウルフウッド「ん…?あぁ、なんでもない、ただちょっと考え事しとっただけや」


ウルフウッドはそう言うと杏子に微笑み、いつも通りに子供達を叱ったり褒めたりする

杏子は新しくできた自分を迎えてくれる居場所を作ってくれたウルフウッドに感謝していた


杏子(…あの夢の事かな…もしかして…)


だからこそ、ウルフウッドが抱えているものにも気がつく、そう自分が見た夢の中でのあの砂漠の星での出来事

触れてはいけないことだろうとずっと話さないでいたが気になる


杏子(今度…聞いてみるか…)


杏子はそう自分に言い聞かせ、再び、教会にいる子供達の所にへと歩いて行くのであった



魔法少女

それは魔女を狩り人々を護る平和の使者、そう、信じられてきた、

だが、実際は違う命懸けの戦い

己の命を掛けて少女達は日々を戦い続ける、これはそんな少女達と…


重い十字架を背負った一人の牧師の物語である


魔法少女まどか☆パニッシャー




風見町教会前、

子供達はウルフウッドに向かい手を振る、今日は出稼ぎという奴でウルフウッドは教会を仲良くなった近所のおばさんに頼み、自分はお金を稼ぎに隣町、見滝原市に出掛けるというわけである


そういう訳で、教会の子供達の為に現在、ウルフウッドは隣町である見滝原市にバスを使って移動していたのであった


ウルフウッド「んで…なーんでお前が着いてくんねん、学校行け言うてるやろ…っ!」

杏子「だからこうして通ってんじゃねーか、あたしがこれから通うのは見滝原中学だってこの前言っただろ?」

ウルフウッド「…ぐ…っ!ならなんでこんな時間帯にバス乗ってるか説明せんかい、さては遅刻やろ?」

杏子「…ギクッ…!」

ウルフウッド「おんどれ!初日からやらかしおったな!?このドアホ!」グリグリ

杏子「うぎゃあ!痛ててててて!わ、悪かった!悪かったって!」

ウルフウッド「誰が金出してやってると思ってんねんゴラァ!」



ウルフウッドの拳骨による頭部のグリグリに涙目になる杏子、

ウルフウッドは反省した様子の杏子を見ると一旦拳骨をしまいため息をついてドカッとバスの椅子に座る


杏子「わ、悪かったって…だって…」

ウルフウッド「ワイと一緒に見滝原市に行きたかったんやろ?知っとるわい そんくらい」

杏子「…べ、別に…」

ウルフウッド「けどな、そんなんでおんどれが自分勝手に社会のルール破ってるのを見逃すほどワイは優しゅうないで?」

杏子「…ぐっ…知ってるての!」

ウルフウッド「ならええ、…ちゃんと学校行って、ええ成績とれたらプリンの一つぐらい奢ったるわ」

杏子「!?…マジかよ…!確かに聞いたぜ…今!!…次のテストでぜってぇプリンもらうかんな!」

ウルフウッド「おう、せいぜい頑張れ…後は友達作れよ」ポンポン

杏子「だから頭すんなっての!」顔真っ赤


ウルフウッドの言葉に反論しながら満更でもなさそうな杏子、二人が乗ったバスはゆっくりと揺れながら目的地にと到着する



杏子はどこか名残り惜しそうにバスの座席から立ちあがるとゆっくりとウルフウッドの方に振り返る


杏子「なぁ…ニコ兄…一つだけ言わしてくれよ」

ウルフウッド「なんや、はよ言わんかい…バスのドア閉まんで?」


ウルフウッドの返答に不服そうな表情を浮かべる杏子、そして、バスの座席に未だに座ってる彼に向かいこう言い放った


杏子「そのでかい十字架…邪魔!」

ウルフウッド「なんやと…!?ワレェ!ちょいコラ!」


あかんべぇ、と閉まったドアに張り付く様にするウルフウッドに向かい更に挑発する杏子

そして、ウルフウッドを乗せたバスは次のバス停まで走り出すのであった



見滝原中学、

平凡な女子中学生、鹿目まどかはいつも通りに同じクラスメイトの美樹さやかとそして志筑仁美といつも通りに登校していた


まどか「んもう、さやかちゃんってば!」

仁美「…ふふ、本当に仲がよろしいんですわね」

さやか「まどかは私の嫁だからね、当然さぁ!」


他愛ない雑談、そして変わらない日常の風景

彼女達はふと、思い出した様に今日起こるある出来事について語り始めた


さやか「そういや、今日転校生が来るらしいじゃん!」

仁美「そうですの、それはなんだか楽しみですわね」

まどか「ほぇぇ~、一体どんな娘が来るんだろうね~」

さやか「なんでも二人もくるらしいよ~、うはぁ!楽しみが増えた~」


彼女達は転校生の話をしながら楽しそうに学校に向かう、まさかこれから巻き込まれるであろう運命も知る由もなく…



朝のHR、学校の先生は普段通りか自分の事について生徒達に語り出す、大半は主に男女関係であるがだいたい自分の事について語っているのが生徒のみんなには理解できていた


先生「という事でですね!?目玉焼きに醤油とか塩とか(ry…」

さやか「うわぁ…また喧嘩したんだ」ボソボソ

まどか「先生も大変だね…」ボソボソ


苦笑いを互いに浮かべ、そうさやかに応えるまどか、

ふと、話が一向に終わりそうにない先生を見ていたさやかは今日来るらしい転校生について思い出し未だに話を続けようとする彼女にこう告げた


さやか「先生!転校生って誰ですかー!」

先生「…ハッ!あぁ 、そうだったわね忘れるとこでした、それじゃ転校生の暁美さん中に入ってきて頂戴!」


ガラりと教室の扉が開き、少女が中にへと入ってくる、独特な神秘的な雰囲気を持っていて、透き通る様な黒い髪の毛、一言で言うなら大和美人と言うやつだろう


先生「それじゃ、自己紹介よろしくね暁美さん」

ほむら「はい、暁美ほむらです、どうぞよろしくお願いします」



周りの女生徒からは綺麗だとか美人とか様々な声が飛び交う、

そんな彼女の姿をみたまどかは初対面の筈の彼女に対して、ふと、何処かであったような奇妙な感覚を感じた


まどか(…何処かであったかな…?)


だが、思い出そうとしても記憶の中には彼女の顔が思い浮かばない、まどかは気のせいだと思いそれ以上思い出そうとする事をやめた

ほむらは先生の指示にしたがって指定された席にへと足を運び、そこに着席する


先生「…っと本当はあと一人転校生が居ますが…どうやらまだ学校に…」

「ちょっと待ったぁあああ!!」

先生「どうやら今来たみたいですね、佐倉さん」

ほむら「!?」


…と、慌てた様子で教室に入って来た人物にほむらは目を丸くする、それは彼女自身が信じられないといった光景であった

見た事がない光景、そう、彼女が抱えるものにとってそれは完全にイレギュラーなものであり、考えられない事であったからだ

先生「初日から遅刻とは…関心しませんね」

杏子「いやぁ、すんません…ちょっと寝過ごしちまって…」


佐倉杏子、そう決してこの学校にいる筈のない彼女の姿が自分と同じく転校生という形で現れた事

彼女の事は暁美ほむら自身も良く知っている、佐倉杏子、彼女自身が抱えている事情も全て

だからこそ、この学校にくるなんて事はあり得る事のない出来事であったのだ


先生「…それじゃ、貴女は美樹さんの隣に座りなさい」

杏子「ん…?あそこでいいのか先生?」

先生「はい、今日の遅刻はおおめにみましょう、家が隣町ですから遠いでしょうしね…」

杏子「お!まじかよ!ありがとうな!!」


杏子はニカっと可愛らしい犬歯を見せて笑みを溢し、先生にお礼を述べると静かに指定された席に座った

ほむらはそんな彼女を横目で追い、着席するのを確認すると静かに自分の頭の中で整理をはじめる


ほむら(…どういうことかしら…この出来事は…明らかに今までとは…)




それからHRは終わり、いつも通りにまどかやさやか、そして、転校生としてやってきた杏子やほむらは学校の授業を受ける

そして、休み時間、ほむらは保健室に行きたいと保険委員のまどかに取り巻きを振り切って話しかけた


ほむら「鹿目さん…確か貴女、保険委員よね、案内してもらえるかしら?」

まどか「…え!…あ、あの…」

ほむら「お願い」

まどか「う、うん…」


そう言ってほむらはまどかにお願いして、教室から出て保健室に向かう

彼女は保健室の場所など、何処にあるか既にわかっていた、まどかにわざわざ話し掛ける口実として使っただけである

そう、ある事についての忠告、それをするためだけに


まどか「…さっきから、まっすぐ保健室の道に向かってるけど…もしかしてほむらちゃん…場所知ってる?」

ほむら「…えぇ、保健室の場所は既に知ってるわ」

まどか「…だ、だよねー…えっとそれじゃ…なんでわざわざ」


ほむらはまどかのその問いかけにピタリと足を止めた、彼女自身が口実で鹿目まどかを連れ出したのは…ある忠告をするため…

釘を刺しておきたい事柄があったから、目的はただ一つそれに尽きる



ほむら「鹿目まどか。貴女は自分の人生が、貴いと思う?家族や友達を、大切にしてる?」

まどか「え…?う、うん、大切だと思うよ…パパもママも大好きだし…」

ほむら「──それが本当なら、今とは違う自分になろうだなんて、絶対に思わないことね」

まどか「…え?それって…どういう…」

ほむら「いずれ…わかるわ…ともかく、さもなければ、全てを失うことになる。貴女は、鹿目まどかのままでいればいい。今までどおり、これからも」

まどか「…なんだか、わからないけど…うん、」

ほむら「…その時になって自分を捨てる様な事は…しないでね」


ほむらはそう言って、スタスタとまどかの前から消えてゆく、意味深なセリフは何処か鬼気迫る様なものをまどかに感じさせた


まどか「…なんなんだろう…」


その意味がわかる事実がすぐそこまで迫ってきている事も知らずに…



とりあえず今回はここまで、以外と埋まらないもんですね、結構書いた気はなきにしもあらずなんですが…

それじゃまた書き溜めたら近々投下していくと思いますので!

多分、誤字なんかは大体、阪神のせいです(すっとぼけ)


一応、杏子ちゃんとマミッたさんはいずれ顔合わせはある予定です

もち、元弟子設定も反映させる予定ではありますそいつは、まぁ、おいおいですね(笑)


そうなんですか、ありがとうございます!気をつけます!

マミさんは個人的には大好きですよ、すいません不本意な発言でしたね自重します

ご助言、感謝です


ちょいと書き溜めがある程度余裕ができたんで少しだけ投下していきたいと思います

暫しお待ち下さいませ



ここは見滝原中学、屋上


彼女、佐倉杏子は昼休みを利用してここで空を見上げながら持ってきたお菓子を口に咥えていた


杏子「うへぇ…授業ってあんな退屈なもんなんかよー…サボってバックレるかなぁ…」


ふと、そんな事を呟きながらポッキーをポリポリと食べる、

実際に以前なら何も躊躇なくやっていただろうが、あの牧師がきてからサボったのがバレると間違いなく怒られるのが目に見えてわかっているため、できそうでできない


杏子「はぁ…まぁ…別に構わねぇけど…」

ほむら「随分とお疲れみたいね…慣れないからかしら…?」

杏子「あん…?なんだ?」


唐突に聞こえた声に起き上がり、その声主を辺りを見渡して探す杏子

彼女はすぐさま、自分のそばに現れたその主を見つけ顔を険しくする


杏子「…あんた…確か転校生の…」

ほむら「暁美ほむらよ…佐倉さん…貴女、魔法少女でしょ?」

杏子「!?…テメー!なんで私が…!」


杏子が身を乗り出し、自分の正体をすぐさま見破ったほむらに怒気を含んだ声で訪ねようとするが、ほむらがそれを制止する

それは、自分が持っているある宝石の様な物を彼女、佐倉杏子の前に提示したからである


杏子「お前…も、魔法少女だったのか…」

ほむら「えぇ…そうよ?、ちょっとばかり貴女の話を耳にしてね?こうして出向いた次第なの」

杏子「ふーん…そりゃご苦労なこって…んで?なんの用だよ」


杏子はほむらが魔法少女だと知って多少は驚いたが、それ以上は興味を失ったらしく彼女から背を向けて普段通り再びポッキーを口に咥えてポリポリ食べはじめた

ほむらはそんな彼女に対して、ある疑問について直球に問いを投げかけはじめる


ほむら「…佐倉さん、貴女…隣町だったのに何故ここに通っているのかしら?」

杏子「あぁ…?別に隣町でもこの学校に通っちゃダメなんてルールはねぇだろうがよ…」

ほむら「…それもそうね、でもね私が気になるのは…何故、【貴女が学校に通う程の状態】でいられているのか、よ…、私が知ってる知識の中では貴女の両親は他界して学校に通う余裕なんてなかったと思うのだけれど…?」


ほむらは何処かトゲのある言い方で杏子に対して疑問を投げ掛ける、そうまるで、彼女は本来この学校に通う筈の無い存在であると言わんばかりに…

杏子は暫しの間沈黙するとポッキーを食べ終わり、彼女の方へと振り返る


杏子「あんたさぁ…友達少ねぇだろ…?…なんであたしの家庭事情まで知ってるかわかんねーけど…」

ほむら「同じ魔法少女だもの…いろいろと情報を調べるのは普通でしょ?」


特に何も悪びれた様子もなく、嫌悪感を示す杏子に淡々と告げるほむら、彼女の真っ直ぐな瞳を見て杏子は深いため息を吐く

そして、めんどくさそうに彼女に何故、今自分がこの学校に通う事が出来てるのか告げはじめた


杏子「…ニコ兄のお陰だよ…」

ほむら「ニコ兄?…誰よそれ」

杏子「…うちの新しい牧師さんさ 神父の真似事ができるからってお金用意して廃墟になったうちの教会を買い取ってくれたのさ」

ほむら「それで…?」

杏子「…今は身寄りの無い子供達引き取って神父さんやってるよ、今日は見滝原に出張とか言ってたけどな、多分なんか仕事してんだろ?どんな内容の仕事か知らねーけど」

ほむら「…そう、それで…」


ほむらは何処か納得した様に杏子の話に頷いた、これが違和感の正体であり彼女がこちらに来れた要因の一つであると理解したからだ



ほむら「…そのニコ兄って人は貴女が魔法少女ってことは…」

杏子「言ってねぇよ…お前、もしニコ兄に私が魔法少女って事バラしたら!!」

ほむら「…言わないわよ…メリットがないじゃない、確認よ」

杏子「…チッ!…」


居心地が悪くなった杏子は話を一通り終わったのを見計らい、ほむらに背を向け立ち去ろうとする

いろいろと面倒な事を聞かれた上に相手が魔法少女だとわかった以上、これ以上喋るのはあまり良ではないと思ったからだろう


杏子「…もう話すことはねぇだろ?あたしはもう教室に戻るけど?」

ほむら「わかったわ…ありがとう話してくれて」


杏子にお礼を述べるほむら、杏子はそれを一目見た後、屋上の扉を開いて中へと消えていった

屋上に一人取り残されたほむらは杏子から聞いた話を頭の中で整理し、彼女から聞いた人物の名前を呟く


ほむら「ニコ兄…一体何者かしら…」


静かに風が過ぎ去る中で、彼女はふとこれから起きるであろう出来事に不安を募らせるのであった


夕方ごろ、学校が終わりぞろぞろと下校する見滝原中学の学生達


鹿目まどかと美樹さやかは二人で放課後、CDショップに行く約束をしていた


さやか「まどか!それじゃCDショップ行こう!」

まどか「待ってよ!さやかちゃん!」


そう言って、さやかに連れられて街にあるCDショップにへと向かう二人、この時はまだ、彼女達は自分の人生を変える出来事に遭遇するなど微塵も思ってはいなかった



一方、その頃、

佐倉杏子と同じく見滝原に足を運んでいるであろう見た目ヤクザな牧師ことウルフウッドはある奇妙な出来事に遭遇していた


ウルフウッド「…なんやねん、この白い生物…」

??「キュップイ…君はなんで僕の姿が見えているんだい?」

ウルフウッド「おぉ…喋りおったで、なんやウサギにも見えんことはないけども…晩飯に丁度ええかな?」

??「!?」


そう、ウルフウッドは杏子と待ち合わせをするために移動している途中にある動物に出くわし、ビルの裏口でとっ捕まえてしまったのだ

仕事も無事に終わり、杏子と買い物をして帰ろうとした矢先の事であったので、丁度、処遇に困ってたという事である



ウルフウッド「ウサギ鍋…いや、せやせや、お前名前なんて言うんや?答えんかい」

QB「全く野蛮だね…僕の名前はきゅうべぇ」

ウルフウッド「そんじゃ今日はQB鍋やな!…お前って美味いんか?」

QB「知らないよ」

ウルフウッド「ほうか…まぁ、ウサギみたいやし食えへん事は無いやろ」


…と何故かもう既に教会の食卓に並ぶ事が決定してしまったきゅうべぇと名乗る生物、

しかしながら、ウルフウッドは肝心な事に来た道を忘れてしまっていた

杏子と待ち合わせしている事もあってかこれはまずいと辺りを見渡す


ウルフウッド「ワイ、土地勘無いからなぁ…何処らへんなんやここ…、おい、QB、どこやねんここ」

QB「…さぁ…どこなんだろうね?」

ウルフウッド「なんや、役立たずやな…」


そう言って、カツカツと靴音を鳴らしながら、静かにタバコを咥えながら片手にQBを掴んだまま奥へと進んでゆくウルフウッド


すると、そこでピタリと彼の身体がとまり、ポケットからタバコを取り出して火をつける

そして、その状態のまま顔色一つ変えずに静かにこう口を開いた


ウルフウッド「…ピストル、向ける時は…相手に悟られたらあかんで、お嬢ちゃん…」


ウルフウッドは既に片手にハンドガンを掴んでおり、自分に銃を向けてる何者かに対して忠告をする

その眼は狼、先ほどの飄々とした雰囲気から一変し、まるで彼自身が鋭い刃そのものになったような錯覚さえさせるものになっていた

ウルフウッドにハンドガンを向ける人物は静かに彼に向かい、こう忠告する


「その、白い生き物を渡して貰えるかしら」

ウルフウッド「そら、人にハンドガン向けてまでするお願いやないなぁ…、しかも、銃刀法違反…ちゅうのに引っかかるって聞いたでワイは…」

「それは…貴方にも言える事じゃないかしら?」

ウルフウッド「……ごもっとも…」


そして、暫しの間、そんな他愛のない会話を交わす二人の間に沈黙が訪れる

咥えていた彼のタバコはジリジリと火が蝕んでいき、ぼとりと灰が地面にへと落ちる

そして、そのタバコを投げ捨てた瞬間だった──────


ガチャ、という音と共にウルフウッドの身体が上にへと飛ぶ、それと同時に発砲音と金属に当たる音が響き渡った



ウルフウッド「…パニッシャー持ってきて正解やったな…!」


ウルフウッドはそう呟くと片手に持っていたQBを投げ捨て、腰からハンドガンを引き抜き銃音がしたところに向けて構える


ウルフウッド「…な…!(…消えとる…!)」

「悪いけど、私が用があるのはその白い生物なの…」


咄嗟に持ち前の身体能力で身体を整えて再び、引き金に指を掛けたまま声がしたほうにハンドガンを向けるウルフウッド、

すると、自分に反応できるはずが無いと高を括っていた少女は身体が固まった様に硬直した


??「な…!…そんななんで!」

ウルフウッド「反応できたか…やろ? …まぁ、ワイのちょいとした特技やからな…」


銃先は完全に彼女の頭の先を捉え、ピタリと制止している、彼女の片手にはQB、そしてウルフウッドには今、ハンドガンと盾に利用したビニール袋に包まれたパニッシャー


ウルフウッド「妙な真似は…せんほうがええで…、頭が吹き飛ばされとうなかったらな…」

??「……くっ…!」

ウルフウッド「そんで名前は?名乗れ…」


ウルフウッドは冷たい眼差しのまま、彼の持つハンドガンはいつでも引き金が弾ける様にしている、その眼には迷いはなかった

彼女は仕方ないと言わんばかりに自分の名前を名乗りはじめる



ほむら「…ほむら…暁美ほむら…」

ウルフウッド「…撃ち方の筋は良かったが、まだ甘いなぁ…お前さんその白い物取り行くために迷った挙句に動きだしてたやろ?それがあかんかったな…」

ほむら(こうなったら…魔法を!)


次の瞬間、ガキン!と言う金属音と共にほむらは左手を抑えて声を溢す


ウルフウッド「…言うたやろ…?妙な事したら撃つて、次は頭の吹き飛ばされたいんか?」

ほむら「……くっ…!なんで!」


なんでこの男はキュウべぇをおとなしくこちらに渡さないかという疑問が口から出掛かかりやめた、

自分が今、余計な事を言えばこの得体のしれない男に殺されかねないからだ、すると、ウルフウッドは首を傾げたのちに彼女にこう告げ始める


ウルフウッド「…なんで…って…せやからそいつは今日のワイらの晩飯やねん…」

ほむら「…は?」

ウルフウッド「せやから、晩飯…今日の晩飯や」

ほむら「こ、こいつ食べる気なの!?」


さりげなくウルフウッドの爆弾発言に驚愕するほむら、そう先ほどのから自分に銃を向けているウルフウッドは晩飯を強奪されると思い込んでいるのだ



ウルフウッドは先ほどの緊迫した雰囲気は何処へやら飄々とした様子で彼女に語り出す


ウルフウッド「いやぁ、最近教会の子供達に肉食わせたらなアカン思うてな! 丁度、目の前にそいつが通りかかりよって 今日の晩飯はウサギ鍋やぁ!言うとったところなんや!…ん?いやまてよ?QB鍋やな」

ほむら「……はぁ!?そんな理由で…私に…」

ウルフウッド「そりゃさっき説明した通りや、銃刀法違反…まぁ、ワイもこいつには引っかかとるが…【明らかに一般人が持ってる物】やないからな…用心や」

ほむら「………ともかく誤解が解けたのなら銃を下ろしてもらえますか?」

ウルフウッド「…ま、ええやろ」


ウルフウッドはそう言って自分が彼女に向けていたハンドガンを下ろす

ひと段落つき、ウルフウッドに先ほど銃を突きつけられていた彼女はある事に気がついた


ほむら「……!」

ウルフウッド「ん…?どないしたんや?嬢ちゃん?」

ほむら「…QBがいなくなってる…!…チッ…!」


次の瞬間、彼女の姿はウルフウッドの前から消え去り、そして気づけばもう既に目の前の先に瞬間移動したかの様に現れた

ウルフウッドは自分に何も告げないまま、彼女が手放した先ほどの白い生物の追跡を開始するのを目の当たりにして、それを追うように声を掛ける



ウルフウッド「ちょ…!まてや…!」


ウルフウッドは内心驚いていたが現実で起こったこの出来事に対して冷静な思考で分析しながら彼女の跡を追う

彼自身の優れた身体能力により、彼女に完璧に追いつかないまでも見失う事は決してなかった


ウルフウッド(…瞬間移動…、あの左手の機械が動いたと思うてたら既に消えよったからなぁ…)


ウルフウッドは先ほどのやり取りで自分が銃を向けた先から彼女が消えていた事を思い出しなんとなく納得してしまった

しかしながら、先ほどの自分の盾になって役立った筈のパニッシャーが割と重いとウルフウッドは苦笑いを浮かべる


ウルフウッド(…杏子に怒鳴られへんなぁ…これやったら)


改めて重さを感じるパニッシャーにウルフウッドはバスの中で杏子に言われた言葉を思い出しながら心のなかで呟くのであった



…と、とりあえず今日はこれまでです、

また書き溜めが増えたらちょくちょく投下していきたいなぁと思っています

トライガン大好きだから、本当にうれしい。この作品を皮切りにいろんなクロスオーバーがでてくるとうれしい。個人的には、雷泥・ザ・ブレードと進撃なんか合いそうな気がする。続き期待。乙。


それじゃ、書き溜めが少しだけ溜まりましたのでまた投下していきたいと思います

腹が減ったで工藤…

前回の続きからですね


パァン、パァンと銃声と弾丸が金属や物に当たり弾ける音が辺りにより響き渡る

暁美ほむら、彼女が持つ拳銃が火を吹き、逃走している白い生き物に向けて発砲しているからだ

彼女の目的はたった一つ、その白い生き物をある人物に決して接触させないようにする為


ほむら「…くっ!相変わらずすばしっこいわね!」

QB「……ハァ…ハァ…」


身体を地面に擦り付け、尚も暁美ほむらから逃走を続ける白い生物、キュウべぇ

そんな、二人の跡を全く違う目的で追う巨大な十字架を背負う黒い牧師


ウルフウッド「ゴラァ…!待たんかい! 今日の晩飯!!」

ほむら「!?」

QB「!?」


二人は同時に追いかけてくるその声に驚愕する、それはそうだ、自分の目的である接触させないという事とは別になんとこの奇妙な生物を食べる気でいる輩がいるのだから

ほむらは後ろから追いかけてくるウルフウッドに眼を丸くしながらもキュウべぇを見失う事はせずに拳銃を撃ち放つ


ほむら「…本気でこいつ食べる気なのね…どんな執念よ」


食べ物に乏しい砂漠の星で育ったウルフウッドはもう、QBを食卓に並べる事にしか興味はなかった

そして、あろう事かあの白い生物を追いかけているほむらに対してもとんでもない誤解をしていた


そうそれは、彼女もあの食材(キュウべぇ)を狙っているということ


ウルフウッド(…きっと!嬢ちゃんもそんなにあのウサギを食べたいんやな!…悪いなけどそれはワイの物や!…まっとれよ!杏子!今日の晩飯は鍋やで~♪)


そして、全く違う理由で殺し屋二人追いかけまわされているキュウべぇは殺し屋二人を後ろに見ながら冷静に助けを求めていた

それはそうだろう…キュウべぇとしても教会の食卓に並ぶのは何かと都合が悪い


QB(…助けて…助けて…食べられる…助けて…)


誰かの頭に語りかけるようなキュウべぇからの救難信号、それはキュウべぇが眼をつけていたある少女に向けてのメッセージであった



見滝原にあるCDショップ


鹿目まどかは美樹さやかに連れられて、このCDショップに足を運んでいた、

美樹さやかがCDショップに寄りたがった理由は簡単で入院中の幼馴染にクラシックのCDを何か買っていきたいというものである


さやか「まどか、こんなのどうかな?恭介喜ぶと思う?」

まどか「ん…?どれ?」

さやか「これこれ!、はいイヤホン貸すから聞いてみて!」


まどかはそう言って、さやかから手渡されたイヤホンを耳につけて流れてくる音楽を聞き取る

耳に入ってくる音楽、まどかはそれに耳を澄ませるように眼を閉じる

すると、暫しの間、音楽に耳を傾けていたまどかの耳に聞き覚えのない声が聞こえてきた


(…助けて…!…助けて…!)


それは、頭に語りかける様な声、音楽を聞いていたまどかはその声に反応し、隣で音楽を聞いているさやかにそのことを告げ始める


まどか「…!?…さやかちゃん…今、声が聞こえなかった?」

さやか「…え?気のせいじゃ無いの?」


まどかのその言葉に勘違いではないかと応えるさやか、しかしながら、まどかは再び耳を澄ませその言葉を拾う


(…助けて…!…助けて!)

まどか「ほら!助けてって…!気のせいじゃ無い!こっちから聞こえる!」

さやか「あ…!まどかちょっと待って!」


まどかの唐突な行動に慌てるさやか、まどかは素早くCDショップから出ると先ほどの声が聞こえてきた場所にへと向かい駆け出す


場所は廃ビルの地下の様な場所であろうか、まどかは少しばかり心細くなりながらもゆっくりと足を進め声の主を探す


まどか(…どこだろう…)


聞こえてくる声だけを頼りに奥へと進んでゆくまどか、そして、暫しの間歩き続けると、何やら地面に横たわる白い生物を見つける


まどか「あ!…あの子かな?」


駆け出して、何も警戒する事なく近寄るまどか

そして、傷だらけのそれを優しく抱きかかえて覗き込む、猫の様な身体をしている様にみえるが長い耳があるためウサギにも見えない事はない



すると、物陰からスッと拳銃を片手に持つ転校生がまどかの前に現れた


ほむら「鹿目さん…そいつをこっちに渡してもらえるかしら?」

まどか「ほむらちゃん!で、でもこの子怪我して!」

ほむら「それは私がやったの、いいからそいつを…」


とほむらが言いかけたところで、その言葉がある人物によって遮られた、それは巨大な十字架を背負った黒服の男性


ウルフウッド「…やっと追いついたで!、今日の晩飯!」

ほむら「!?」

まどか「!?え、えぇ…!!」

ウルフウッド「あれ?嬢ちゃん誰や?」


…と牧師は新たに増えた少女に眼を丸くしながら告げる、ほむらに限ってはなんでここまで追ってこれたのか不思議でならなかった

まさか、本気でキュウべぇを食べれると思っている人物がいると思っていなかったからだ

まどかに限っては自分が抱えているこの生物を尚更渡せなくなる理由ができたと言える


まどか「ちょ、ちょっと…!かわいそうじゃないですか…?二人でこんな小さな猫を…」

ウルフウッド「待て待て嬢ちゃん…そりゃウサギやで、鍋にして教会の子供達に食わしたらなアカンねん…せやからワイに渡してくれへんか?」

ほむら「……えっと…鹿目さん?」

ウルフウッド「わかんで…かわいそうやとワイも思う、せやけどなそこのお嬢ちゃんもそいつを晩飯として欲しがってんねん…生きる為には食べなアカンやろ?…ワイらも悪気があって追い回してたんやないねんで?」

まどか「…で、でも…!本当なのほむらちゃん!?」

ほむら「……!?」ホムッ!?


唐突なまどかの振りにどう答えたらいいかわからず、とりあえずアタフタとするほむら

そんなほむらを見てウルフウッドはため息を吐くと、仕方ないと言わんばかりこの場を収めるべくある事を提案しはじめる


ウルフウッド「わかった!せやったらこうしよう!今日の晩飯はうちの教会で食っていけ!そいつを調理したもんをみんなで食べた方がお天道様も喜ぶさかいな!」

まどか「…え、えぇ…」

ほむら「ちょ…ちょっと貴方…」


もう、ツッコミの役柄がおらず、収集がつかない状況、まどかは改めて自分の抱えているキュウべぇを見て少しだけ考える


まどか「…この子…本当に美味しいのかな…?」

ウルフウッド「間違いない!ワイのサバイバルの勘がそう伝えて来てるんや!」

ほむら「ちょっと待ちなさい!」


もはや、話が進まないと言う事でいったん話を切ろうとするほむら

すると、そこに大きな音が聞こえるのと同時に元気良く飛び出して来たまどかのクラスメイトのさやかが、ほむらとウルフウッドの前に消化を持って飛びたしてきた



消火器を持って現れた彼女は二人に向かい声を上げてこう告げる


さやか「食らえ!この!」

ウルフウッド「ぶぁ!一体なにすんねんこの!」

ほむら「…くっ…!」


二人が同時に怯んだ一瞬の隙をついて、さやかはまどかの手を掴みその場から離脱する

ウルフウッドは舌打ちをするとすぐさま消化器の煙から抜け出し、駆け出してゆく二人の姿を眼で捉える


ウルフウッド「……チッ!…全く食材一つに骨が折れる…!待てや!」


すぐさま、二人の跡を追うように駆け出すウルフウッド、ほむらは消化器の煙が収まると共にまどか達とQBを見失った事に舌打ちをする


ほむら「面倒な事になったわね…」


一人、取り残された彼女のつぶやきは静かに反響するようにその場に響き渡るのだった



ほむらとウルフウッドから逃走したまどかとさやかの二人は息を切らしながらその場を必死で駆けていた


さやか「ハァハァ…ここまでくれば」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「大丈夫?まどか怪我ない?」

まどか「う、うん…大丈夫だよ」


心配そうにさやかの言葉に頷くまどか、

さやかはまどかの抱えている傷だらけの白い生物を見て、彼女に訪ねる


さやか「その子?さっき声が聞こえたとか言ってたの」

まどか「うん…多分そう」

さやか「そっか…とりあえず助けられてよかったじゃん」


まどかに笑みを浮かべて満足そうに告げるさやか、すると、しばらくして自分達の周りの風景が変化している事に気がつく



そう、それは一般的には考えられない超常現象、


まどか「あれ…?ここどこだろう…?」

さやか「…うわ…なんだこいつら」


それは、彼女達の周りを取り囲む様に現れた、人の形をしていないそれは何処か邪な雰囲気を纏っており、

自然と二人にはそれに対しての嫌悪感が現れる、自分に害をなすものと反射的に分かっているからだろう


まどか「こ、怖いよ…さやかちゃん」

さやか「大丈夫…まどかは私が守るから…」


そう言って辺りから聞こえてくる不愉快な笑い声と、結界の様な奇妙な空間に閉じ込められた二人は迫りくるその邪な者達から身を守ろうと互いに抱きしめ合う

そんな時であった、まどかは聞き覚えのある声にハッと顔を上げる


「気色悪い形した奴らやなぁ…、去(い)ね…」


ズドンという発砲音と共に二人の前に黒服の男が立っていた、片手にはハンドガン、そして、狼の様な鋭い眼光の男が…

まどかは顔を上げてその姿に驚愕する



まどか「…あなたは…!」

ウルフウッド「…パニッシャー持ってきて正解やったかもな…はぁ…また面倒な事に首突っ込んでもうたやないか…」


そう、牧師の格好をした男、

ニコラス・D・ウルフウッドの姿がそこにはあった



ウルフウッドはハンドガンをすぐさま構えて、弾丸を周りにいる邪な者、使い魔に向けて正確に発砲する

弾丸はすべて彼等の頭を捉え吹き飛ぶ様に次々と消滅してゆく、しかしながら数が多いのか、ハンドガン一つではやはり火力が足りない

ウルフウッドは仕方ないと身体を抱き合って小さくなってる二人にこう告げる


ウルフウッド「おう…お前ら、少しばかり頭下げとけ…当たるかもしれへんからな…」

さやか「え…!あ、はい…わかりました…」


ウルフウッドはそう言うと背負ってきた巨大なビニールで包まれた十字架を地面に降ろしそれを外す

髑髏のマークが中心にあるそれはあまりに破壊力がありすぎて到底、常人には使いこなす事もできない代物


その名を『パニッシャー』




彼はそんな巨大な十字架を片手で軽々しく持ち上げるとタバコを口に咥えて煙を吐く

そして、凄まじい撃鉄の音と超火力による大量破壊が始まった

『パニッシャー』は一瞬にして数百発の砲弾を発射可。なおかつ砲弾の威力は一発一発が、厚さm単位の巨大な壁に人間大程の風穴を開け、反対側には数百mの大爆発と巨大な炎を上げる焼夷能力をもったミサイルランチャーも搭載し対人相手にはあまりにも過剰すぎる威力を誇る

ガトリングの様な高速発砲に加えて、更にそのミサイルランチャー

周りにいた使い魔はまるで塵の様に吹き飛びその原型すらわからないほどになり消滅する


ウルフウッド「…ふぅ…なんや数が多いだけの雑魚かいな…」


暫しの間、超火力の前に晒された使い魔達は全て吹き飛び、そしてウルフウッドが告げた様にこの世に原型を留めぬまま去ってしまった


それを真近でみていたまどかとさやかは、唖然とし、飄々とタバコを咥える牧師を見上げる


ウルフウッド「おう…怪我は無いか嬢ちゃん達…」

さやか「す…すごい…」

まどか「…ま、まだ耳がキンキンするよ…」

ウルフウッド「…まぁ…銃声なんかには慣れてへんやろうからな、それが普通や、立てるか?」


ウルフウッドはそう言って優しくさやか達に手を差し出しその場から立たせる

ウルフウッドの手を握り、ゆっくりと立ち上がるまどかとさやか、そして、ウルフウッドは辺りを見渡して残りがいないか確認する


ウルフウッド「雑魚はひとしきり片付けたんやけど…変わらへんな周り」

さやか「あ、あの…さっきは助けてくれてありがとうございます、そんでもって…消化器…」

ウルフウッド「ええって、気にせんで…、それより、ここから抜け出さなアカンやろ?」


ウルフウッドはそう言って、パニッシャーを担ぎ二人に向かって告げる、彼はあれで終わりじゃない事を悟ったのか相変わらずピリピリとした空気を漂わせていた


すると、暫くして…


静かな空気を突き破るように、ツルの様なものが飛来し、ウルフウッドに向かって振り下ろされた


凄まじい音が辺りに響き渡るがウルフウッドは自分の相棒であるパニッシャーをぶつけそれを容易く逸らす


ウルフウッド「…ようやく親玉登場かいな、退屈しとったところや、タイミングバッチリやな」

さやか「な、何…あれ…」

まどか「わ…わかんない…」


現れたそれは、何だかわからない不気味な姿をしており、常識とはかけ離れた異形の存在である

しかしながら、ウルフウッドは愉快そうにタバコを咥えながらのんびりと火をつける


ウルフウッド「…いやぁごっつうでかいなぁ!こりゃ退屈せずに済みそうや…まぁ見かけだけってのもあるけどな」

さやか「あ、あんたそんなのんびり…」

ウルフウッド「…嬢ちゃん達は離れとったらええわ…」


ウルフウッドはそう言ってタバコを吸い終わるまでのんびりと構えて目の前に現れたその異形の者をじっくりと観察する


ウルフウッド「…そんじゃ、行く…」

「ちょっと、待ちな…」

ウルフウッド「…ん?」


ウルフウッドは唐突に聞こえてきた声に反応してそちらにへと振り返る、

その声は彼がいつも聞いた事のある聞き覚えのある、ある少女の声であった


ウルフウッド「…杏子…?」

杏子「…ニコ兄…あんた何してんだよこんなとこで」


そう、そこに立っていたのは赤い衣装に身を包み、槍を片手に持った一人の少女、佐倉杏子の姿であった


とりあえず今回はここまでです!

結構投下してしまいましたまた書き溜めしないとですね

パニッシャーって改めて思ったんですけどとんでも武器ですよね

もうパニッシャーだけでワルプルギス倒せるんじゃなかろうか…(小並感)

まどマギまた見返すかな…?



勿論!見ましたよ!

ウルフウッドの死に方がなんか納得できませんでしたが、あの関西弁の声がディモールトよかったです

映画にも眼を通しました!面白かったです!

パニッシャーがダッチワイフになるやつですね(笑)

いやぁ、面白そうなのでおいおい盛り込もうかなぁ、とは考えてました、とりあえずは未定ですね

あれをはじめて見た時は爆笑したのを覚えてます

ちょいと、書き溜めが余裕が出来たので少しだけ投下していきたいと思います

本日二回目やで?工藤!

今度から名前を服部にしよう(使命感)



彼女は何故か、異形の者を前にしてもなお、余裕の表情崩さずのんびりとしているウルフウッドをまっすぐに見つめていた

暫し、二人の間に流れる沈黙

まどかやさやかはいきなり現れた赤い衣装の少女を見て、声を上げる


さやか「あんた!もう一人の転校生の…!てか何その格好!」

まどか「…佐倉杏子…ちゃん?」

杏子「…あん?…なんだよ一般人じゃねーか…なんで魔女の結界の中に…」

ウルフウッド「…魔女?…そりゃなんかあの気色悪いデカブツの事かいな?」

杏子「…あぁ…なんか頭痛くなってきた…」


いっぺんに質問攻めに合い、頭を抱える佐倉杏子、とりあえず現在の彼女の格好を見たウルフウッドは首を傾げ彼女にこう言い放つ



ウルフウッド「なんや、ちんちくりん…その格好、ぷっ…!」

杏子「ハァ…?!何笑ってんだよニコ兄!魔法少女なんだから仕方ねーだろ!笑ってんじゃねーよ!」

ウルフウッド「魔法少女…?……アカン…ワイ、日曜日のアニメ…杏子に見せ過ぎたんかなぁ…」

杏子「だから違うってぇーの!本物の魔法少女つってんだろ!この糞牧師!」

ウルフウッド「糞牧師!?今!糞牧師言うたかこの餓鬼!…お前今晩、晩飯抜きやからな…」

杏子「はぁ!?てか、状況見ろよ!今、喧嘩してる場合かよ!」


杏子は後ろにいる魔女と呼ばれる者を指差しながらウルフウッドに訪ねる、そう、今はあいつがいつ襲って来るかもわからない状況なのだ

ウルフウッドは仕方ないと言わんばかりにため息を吐いて、改めて魔女に振り返る


ウルフウッド「あんなデカブツしょうみ、眼を瞑ってでもぶっ飛ばせる自信あるわ…それよりお前が…」

杏子「だぁー!説教は後でいいって!一般人いんなら早く片付けた方がいいだろ!」


二人がガミガミと言い合いをしていると、何やら杏子が先ほどまで指差していた魔女の方から爆発音の様なものが聞こえてきた

杏子とはまた色の違う黄色い衣装、そして、大量のマスケット銃を使いまわしその魔女に砲撃をし掛ける少女



ウルフウッド「…アカン、言い合いしてたら獲物が取られとるやんけ…」

杏子「…ありゃ、マミだな、どれあたしも仕方ないから加勢してやっかね」

ウルフウッド「…!?おい…!コラ待たんかい!」


そう言って、魔女の方に駆けてゆく杏子の跡を追うように走るウルフウッド、

彼は仕方ないと背中に担いでいたパニッシャーを魔女の方へと向け、駆けてゆく杏子と先ほどから魔女に攻撃をし掛けている黄色い魔法少女に向かってこう告げた


ウルフウッド「その黄色いフリフリの衣装着た嬢ちゃん!援護したるから、はよそのちんちくりんと一緒ににそいつはよ始末せい」

杏子「…誰がちんちくりんだ!…ったく!」

「…!?あら佐倉さん?なんでこんなとこに…、それよりあの黒い服の…」

杏子「いいから!魔女狩りに集中しろマミ!事情は説明すっから!」


そう言って、自分達が言い合いをしているうちに魔女に攻撃をし掛けていた少女にそう告げる杏子

彼女は自在に槍を振り回し変幻自在に魔女に攻撃を繰り出す

魔女はその攻撃にされるがままになり、持ち前のツルを使いまわし杏子にへと攻撃を繰り出す


杏子「おっと…!当たんねーよ!…マミ!」

マミ「…まぁ…本当に事情はちゃんと聞かせてね…ッ!」


マスケット銃を使いまわし三段撃ちを魔女に向かって繰り出すマミと呼ばれる少女

火が吹いたマスケット銃の弾は魔女をしっかりと捉えその身体の一部を吹き飛ばす


ウルフウッド「おう、おう、なかなかやりおるな…ほんじゃま…ワイも行くかの」


そう言って、ウルフウッドはどでかい十字架、リーサルウェポン『パニッシャー』を片手に構え空中に飛びながら魔女に向ける


ウルフウッド「オイ、お前ら、ちょいと下がれ巻き添え食うで!!」

杏子「…おい!マミ!」

マミ「…!?わかったわ!」


杏子の声に反応し応えるマミ、

二人はウルフウッドから言われた通り、一瞬だけ魔女のそばから離れる



それを確認したウルフウッドは構えていたパニッシャーから、超火力による大量の弾薬を発射した

魔女の身体は面白いようにその超火力による攻撃で仰け反り、身体から火を吹く


ウルフウッド「それ、オマケや」


そして、撃ち出されるロケット弾…魔女はもはやボロ雑巾の様になっており、もう一撃あればすぐにでも倒れそうであった

ウルフウッドはパニッシャーをしまい、タバコをポケットから取り出して火をつけ二人にこう告げる


ウルフウッド「…トドメは二人にやるわ、しっかり締めや…」

杏子「…なんでだよ!あっ!面倒になって飽きたんだろテメー!」

ウルフウッド「やかましい!…はよ、決めろや…花ぐらい持たせたるよって事や」

マミ「佐倉さん!いきましょう!」

杏子「…たく!おぼえてろよ!」



そう言って、杏子に魔女にトドメを一緒に刺すように促すマミ、二人は連携を取り、薔薇の魔女にへと一直線に向かう

槍を構えて魔女に一直線に向かう杏子をフォローするように妨害してくる魔女のツルをマスケット銃で器用に撃ち落とすマミ


マミ「さて、仕上げね…」

杏子「…あれ、言わないとだめか?」

マミ「…最後だし締めくらい…ね♪」

杏子「…うっ…、わかったよ」


二人は息を合わせて、魔女にへとその攻撃を繰り出す、実に連携がとれた見事な合体技であった


「「ロッソ・メテオーラ!!」」


二人の連携がとれたその一撃は魔女を葬り去るのには十分な威力であった、二人の身体は魔女を突き抜ける


二人の合体技を受けた魔女はそうして、一つのある物体を残したまま跡形もなく消滅した

無事に地面に着地し、一仕事終えた様に息を吐く二人

ウルフウッドはそんな二人の姿を見て、我慢していたのか声を吹き出して笑いはじめる


ウルフウッド「…あっはははははは…!なんや!杏子!さっきの餓鬼が考えた様な技名は…!ひぃ…ひぃ…腹痛い……!」

杏子「う、うっせぇ!別に締めだからカッコ良く必殺技的なのを言っただけだろうがよ!」

ウルフウッド「わはははは…!!そんなら!人間砲弾で間に合うやろ!そんな暇あんならとっととロケット弾ぶち込んで終いにした方がええやん…!」


そう言って笑い転げながら杏子に告げるウルフウッド、よほどおかしかったのか地面にバンバンと叩いて笑いを堪えようて必死である

いい加減イライラしてきたのか杏子は青筋を立て、それを堪えるが一向に収まる気配がない


暫くして、杏子はゲラゲラと笑い転げ出すウルフウッドを黙らせる為、ツカツカと歩きより思いっきりスネの辺りを蹴り上げた


ウルフウッド「うぎぁ!な、何すんねん!」

杏子「笑い過ぎだっての!大体!あの技は私じゃなくて…」


杏子はウルフウッドに眼であの技を誰が考えたのか伝える、そう、あの技を考えたのは他ならぬ…


マミ「あ、あの…私…その…あの技…そんなにおかしかった…」ウルウル

ウルフウッド(…アカン…)


涙目になりながらその少女はいた、そう、他ならぬ先ほどあったばかりの黄色い衣装を着たマミと呼ばれる少女である

これには、流石のウルフウッドも地雷を踏んだ事を理解したのか、物凄い勢いで彼女の側により全身全霊を掛けてお詫びの言葉と誤解であると紡ぎはじめる



ウルフウッド「…い、いや…ちゃうねんで?嬢ちゃん…ワイほらゲラやさかいな?…ちょいとしたつまらん事でも笑ってまうねん」

マミ「やっぱり…おかしかったんですね…」ウルウル

ウルフウッド「ちゃうちゃうで!あの技はかっこよかったで!嬢ちゃんも輝いとったわ!…いやな…あのちんちくりんが似合わんことしとるからついつい…」

杏子「誰がちんちくりんだコラ!」ゲシ


そう言って、弁解するウルフウッドの尻を思いっきり蹴り上げる杏子、ウルフウッドは尻を抑えて杏子の方に振り返る


ウルフウッド「お前や!お前!何ワイに黙ってこんなんに首突っ込どるんやこのボケ!」

杏子「やかましい!大体あんたただの牧師じゃなかったのかよ!そのデカイぶっ飛んだ兵器はなんだ!」

ウルフウッド「お前もあんなフリフリ着て何言うてんねん!なんやその槍!絵に書いたような服着た猿やないかい!」

杏子「…んだとぉ!やるか!」

ウルフウッド「上等やないか!」


ガルル!と互いにひとしきり言い合いが終わり睨み合う二人、そんな二人を置いて、マミは一般人であるまどかとさやかに優しく話しかける



マミ「あ、あの、貴女達怪我はないかしら?」

まどか「え?あ、はい…大丈夫ですあの牧師の人に守ってもらいましたから…」


マミの言葉に次々と目の前で起きた出来事に唖然とし、座り込んでいたまどかはマミに応える

すると、彼女の隣にいたさやかは眼を輝かせる様にマミの手を握り立ち上がった


さやか「す、すごいかっこよかったです!私、興奮しちゃいましたよ!」

マミ「…あ、ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいわ」


彼女の手を握り、感謝と憧れの眼差しを向けるさやか、その勢いにたじたじになりながらもそれに応えるマミ

暫くして、先程倒した魔女を共に倒した喧嘩している二人に向き直り、ふと彼女自身が抱えている疑問を彼等にぶつけた



マミ「それで…佐倉さん、貴女なんでこの町にいるのかしら?私の記憶ではこの町を離れて隣町の風見町にいた筈よね?」

杏子「……っあぁ? あぁ、あたしかい?そうだったんだけどね、今日からこっちの中学に通う事になっちまったからな、そこの糞牧師のお陰で」

ウルフウッド「…杏子~、おんどれ、また、どたまに拳骨食らいたいんか?」

杏子「…加えて、柄も人相も口も悪いんだぜ?…まぁ、これでも私の事を面倒みてくれるおせっかいだけどな」


そう言って、微かに頬を釣り上げて笑みを溢しそうマミに告げる杏子、

それを聞いたマミは何処か慈愛に満ちた表情を浮かべ彼女ににっこりと優しい笑顔を浮かべていた


マミ「そう、佐倉さんの保護者の方でしたか…えっとお名前は…」

ウルフウッド「…ニコラス、ニコラス・D・ウルフウッドや…そういや、嬢ちゃん達には名前教えてなかったな」

まどか「ほぇ…外人さんなんですか?」

さやか「ミドルネームなんですね、ちなみにDってなんの略なんですか?」


驚いた様な表情をみせるまどかに続くようにウルフウッドに名前の事を訪ねるさやか



ウルフウッドは思い出す様に頭を掻きながら、自分の名前の中に略されているDについて語りはじめる


ウルフウッド「いやぁ…なんやろうなうまく思い出せへんのやけど…確か『ドコノクミノモンジャワレスマキニシテシズメタルカコラ』やった気がするな…」

杏子「ヤクザじゃねーか!!」


ウルフウッドの思わぬカミングアウトに思わずツッコミを入れる杏子、それが本当の名前であると冗談でなく本気であるから、なおさらタチが悪い

その名前を聞いて吹き出して笑い声を上げるさやかとまどか、とりあえず何処かピリピリとしていた先程とはうって変わり打ち解ける空気ができたようであった

すると、杏子はウルフウッドが先程の戦闘に使用していた大量破壊兵器の十字架について訪ねはじめた



杏子「ところでよ…ニコ兄…その物騒なデカブツなんなんだよ、明らかにさっきの魔女そいつで死ぬ寸前までいってたぞ…てか、あんた何者だよ…」

ウルフウッド「…ん…?こいつかいな?…こいつはワイの相棒の『パニッシャー』って言う兵器や…大っきな弾丸の高速発砲に加えて、更に馬鹿みたいな破壊力のミサイルランチャー搭載した…まぁ、常人やったら到底扱われへん武器やなぁ…」


ウルフウッドはそう言って、何処か遠いとこを見るような眼差しをパニッシャーに向けて、訪ねてきた杏子に語る

そう、自分の様な人の道を外した者だけが使う事を許された兵器

ウルフウッドはとりあえずパニッシャーを先程解いたビニール製の袋で包み、ひょいと担ぐ

暫くして、ここでようやくマミはある事を思い出した



マミ「あ…そういえばキュウべぇ…」

まどか「…え?あ、もしかしてこの子、マミさんのペットだったんですか?」


まどかはそう言って、抱えていたキュウべぇをマミにへと見せて彼女に訪ねる

すると、マミはそれを否定する様に首を振り、まどかに笑みを浮かべたままこう返した


マミ「違うわ…私の友達よ」

キュウべぇ「ふぅ…一時はどうなる事かと思ったよ…ありがとう、まどか君のお陰で助かったよ」

まどか「う、ううん…別にいいよ」


まどかはそう言って恥ずかしそうに自分の腕から飛び降りてお礼を述べてくるキュウべぇに告げる

一瞬だけ、ウルフウッドの提案の事を頭の中で考えて食べてみようかなぁ…と後ろめたい事があったからだろう


とりあえず、今回はここまで、

服部って名前欄に入れたら別人になったでごさるの巻

しゃあないな工藤!また書き溜めたら投下していきたいと思います

結構投下した気がするのに未だ百にいかない事に驚愕してます(小並感)

>>1です、

おりこは導入するかは検討中なんですが一部分のキャラは入れてみようかと、教会×杏子×ウルフウッドの時点で多分予想はついているとは思いますが…

Dの意味はね…

まぁ、ウルフウッドですし、さすが関西やで!

地元やし負ける気せいへん=33-4みたいなもんです、

みなさんこんにちは!

ほんじゃま、そろそろぼちぼち投下していきたいと思います

免許更新だるかったで、工藤…



すると、まどかの腕から飛び降りたキュウべぇを見たウルフウッドは何かを思い出した様にこう言った

ウルフウッド「あぁ!お前!今日の晩飯やんけ!なんやおったんかいな!」

キュウべぇ「君は僕を食べる気しか無いんだね、わけがわからないよ」


ウルフウッドの言葉に対してそう返すキュウべぇ、そして、キュウべぇを晩飯にすると公言したウルフウッドに杏子は驚いた表情を見せた


杏子「ちょっと待てぇ!あんた!あれを調理して教会の晩飯にしようとしてたのかよ!」

ウルフウッド「ん~…せやで、ウサギみたいやから肉やん、QB鍋言うてな…絶対美味い筈や!」

マミ「いや…あの…私の友達なんです…食べないで?」

さやか「ワイルド過ぎでしょ…」


ウルフウッドの言葉に対して次々とキュウべぇを食べる事について言葉を返すマミ達

杏子は嫌悪感を表して、得体もしれないキュウべぇを食べる事に対してウルフウッドに断じて拒否を示す



杏子「絶対に腹壊れるわ!あんなの食べれるか!?」

ウルフウッド「いやなぁ…多分ワイ的には尻尾のとこらへんが美味いんちゃうかなと思うんやけど」

杏子「いや!聞けよ!食べねぇつってんだろうが!」

マミ「いや…だから…」


とりあえずそれから、キュウべぇを食べるか否かの緊急会議が開かれ、とりあえず、ウルフウッド以外の総意でキュウべぇを食べるのは取りやめになる事になった

ウルフウッドは少しだけ残念そうな表情を浮かべていたが、仕方ないと諦めたらしい

そうして、そんなこんなでひと段落がついて、とりあえずキュウべぇはまどかとさやかに自分についてこう説明をしはじめる


キュウべぇ「じゃあ改めて自己紹介するね、僕の名前はキュウべぇ、マミからの紹介があった通り僕は君達を魔法少女にできる力を持ってる、マミやそこにいる杏子は僕と契約して魔法少女になったのさ」

まどか「魔法…少女…?」

ウルフウッド「………そんで?」


ウルフウッドはこの淡々と喋る無機質な生物、キュウべぇに対して話を続けろと促す様に訪ねる、


彼自身、既に胡散臭い空気をこの生物からでる言葉から耳で感じとっていた、


キュウべぇ「なんでも願い事を一つだけ叶える代わりに魔法少女になる…それが契約さ、簡単だろ?」

さやか「…願い事って…なんでも叶える事ができるの?」

キュウべぇ「勿論!!ならなんでもだよ!」


キュウべぇの甘美な囁きに眼を輝かせるさやか、それを黙って聞いていたウルフウッドは自分の懐に手を伸ばす

キュウべぇの説明に付け加える様にマミは自分が持っているある物を彼女達に提示する


マミ「これが…契約した時にもらえる魔法少女に変身できる宝石、ソウルジェムよ」

さやか「…へぇ……」

まどか「…綺麗…」


さやかとまどかはマミに提示されたソウルジェムを見つめて思わず声を溢す、



そして、頃合いを見計らい、キュウべぇは二人にこんな話を持ち掛けはじめた


キュウべぇ「だから二人とも僕と契約して魔法少女に…(ry」


…とその時だった、パァンという高い発砲音と共に二人に話をしていたキュウべぇの頭が飛来した何かによって吹き飛ぶ

辺りに響き渡る静寂と火薬の臭い…

そこにいた全員が突然の出来事に眼を白黒させて呆然とする、銃声がした後をすぐさま視線で追う彼女達

そう、そこでキュウべぇの頭を銃弾で吹き飛ばしたのは…


ウルフウッド「なら、ワイの願いは叶ったな、お前や…」


狼の様な眼光をした牧師だったからだ…

突然の出来事に眼を白黒させて、呆然とするマミ達、杏子はキュウべぇに対して銃を撃ったウルフウッドに掴みかかる




杏子「おい!テメー!なんでキュウべぇを撃ちやがった!」

ウルフウッド「…こいつは願いを叶えるのと引き換えに魔法少女にする言うてたやろ今さっき…」


キュウべぇに向かい銃を撃ったウルフウッドは掴みかかる杏子の手を添える様に外し、呆然としているマミ達に話し出す

それは誰にも頼らず、己の力のみで生きてきたウルフウッドの直感であり、行動に誤りは無いと思う真理であった

ウルフウッドは淡々と話を続け、彼女達に告げ始める


ウルフウッド「…まず、そんな事をしてこいつらにメリットが無いやろ?そんだけの事をさせてまで契約させるメリットが…わざわざ伏せてんねん、」

ウルフウッド「聞かれたらマズイ事やという事や…感情が読み取れんから分からんけどもな…」


ウルフウッドはそう言って、実に冷静な口調で悪びれる事なく淡々と語る

マミ達は彼の事を睨みながらもしっかりと話だけには耳を傾けていた、何故かわからない説得力があったからだ


ウルフウッド「そんでもって契約、そいつをしたら嫌でも魔女を狩る為の奴隷にさせられるそう聞こえたでワイにはな…魔法少女が…最終的にどうなるか?聞いたかお前ら?…詐欺師ってのは感情を決して見せへんからな…ぶち殺したほうが早い」

マミ「で、でも!キュウべぇは私の友達よ!こんな酷い事!」

ウルフウッド「それはそいつからお前に自分はお前の友達やと言うたんか?…お前がそう考えとるだけやないんか?」

マミ「わ、私は…!」

ウルフウッド「友達やったらな、お前を助ける為に身体張るくらいの奴を選べ、きな臭い言葉つらつら並べてる無機質なこいつよりな…」


ウルフウッドはそう言うと倒れているキュウべぇの死体の足を持ち上げ手持ちに持ってきたビニール袋に入れる



そして、ウルフウッドは何かを思い出した様にこうマミに言い放った


ウルフウッド「せや!おい!杏子!お前友達おらんねんからマミと友達なったらええやんけ!」

杏子「…はぁ!…そりゃ!えっとマミとは長い付き合いだし…てか、一回喧嘩してるしな…」

ウルフウッド「なんや、んじゃもう友達かいな…せやったら今から教会帰って鍋するから連れて行こか!なぁ!あいつらも喜びやろうしな!お嬢ちゃん達も一緒にどうや?」

まどか「え、えぇ…で、でも…ママが心配するし…」

さやか「わ、私もかなぁ…」


二人の言葉に対してウルフウッドは暫し思案し、彼女達に纏まった考えを提案しはじめる


ウルフウッド「…んー、せやな…親御さんが心配させんのは確かに良くない…、あ、なら、そこに居る嬢ちゃんはどうや?」


そう言って、物陰に向かって声を掛けるウルフウッド、すると、その物陰からスッと現れる様に黒い髪の少女が現れた


まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

さやか「転校生!あんた!いつから!」


ほむらの登場に驚きの声を上げるさやかとまどか、ウルフウッドは出てきた彼女に飄々とした物腰で改めて訪ねはじめる



ウルフウッド「んで、どうやねん?」

ほむら「貴方いつから気づいてたの…?」

ウルフウッド「初めからやで?すぐにわかったわ…んでその宝石みたいな物体はさっき魔女とかが落とした奴やろ?」


ほむらが手に持つそれを指差しながら訪ねるウルフウッド、ほむらは手に持つそれをマミに向かって投げる

マミはそれを元気なく受け取り、ほむらは彼女に向かってこう告げ始めた


ほむら「貴女が魔女を倒した時に出たグリーフシードよ、差し上げるわ」

マミ「…貴女は暁美さんね…」

ウルフウッド「…グリーフシード?」


ほむらが投げたそれについて首を傾げるウルフウッド、杏子はそれについて、すかさず彼にフォローを入れる



杏子「…魔法を使って消費した魔翌力をあれで回復すんのさ、あいつをかざせば宝石の濁りは消える」

ウルフウッド「…ふーん…なるほどなぁ…」


杏子の言葉に納得したような言葉を溢すウルフウッド、ほむらはそんなウルフウッドに視線をやり抱いていた疑問をぶつける


ほむら「…ところで貴方、何者なの?魔法少女じゃないのに何故キュウべぇが見えてるのかしら…」

ウルフウッド「ん…?こいつか?今さっき撃ち殺したばっかやけど?」

ほむら「そう、では質問を変えるわ何故魔女に干渉できるのかしら?」

ウルフウッド「さぁ…知らんな?気がついたら出来とった…としか言えへんな」


ほむらの間髪入れない質問に対して、相変わらず飄々と答えを連ねるウルフウッド、

ウルフウッドは自分の答えに不服そうな彼女を暫しの間、見つめると仕方ないと頭部をガシガシ掻きながらこう告げる



ウルフウッド「…ワイの事が知りたかったら今晩、鍋食いにこいそうしたら全部話したるわ、ただしお前についても話して貰うで?」

ほむら「……わかったわ…それでいい」

ウルフウッド「ほんじゃ、二人送って教会に行こうか?今日は杏子の転入祝いと学校の友達が出来た祝いや!」ポンポン

杏子「だから!頭をすんなぁ!」


ウルフウッドに手を頭に置かれる杏子は噛み付く様に彼に告げるがそれがおかしかったのかさやかとまどかから笑い声が上がる

それに連れて、先ほどまで元気がなかった筈のマミもいつの間にか連れられて笑みをこぼしていた


まどか「ウェヒヒヒ…!仲良いんだね」

さやか「あ、あんた…ぷふぅ!」

マミ「ふふふ…なんか落ち込んでるのが馬鹿みたい、ウルフウッドさん晩餐ご一緒、させて貰ってよろしいですか?」

ウルフウッド「せやせや、笑ってる方がお前達にあってんで、LOVEアンドPEACEってな!……アカン、ワイ、何言うてんやろ…あいつのが移ってもうてるやん…」


そう言って、自分自身が彼女達に言った言葉に何故か落ち込むウルフウッド、

こうして、無事に魔女退治を終えた魔法少女達と奇妙な体験に巻き込まれたまどか達は無事に帰路につくのであった



ちょいと昼飯食べるんで一旦切りで

トライガンの9、10は本当に泣けますよねウルフウッド兄貴はやっぱ偉大や!

そんじゃ暫し、お待ちを


ほんじゃ!遅くなったがあとの続きを投下してくで!工藤!





風見町、教会

とりあえず、晩の食材を買い終えたウルフウッドはマミ、杏子、ほむらを連れて子ども達のとこに帰宅した

教会に入るとすぐに、子ども達が嬉しそうにウルフウッドに次々と寄ってくる


子供A「おかえりーニコ兄!」

子供B「帰ってくんのおせーよ!」

ウルフウッド「おう、ちょいと遅うなってすまんかったな今日は鍋やから勘弁してや…」


そう言ってウルフウッドはたくさんの子供達に群がられながらお詫びの言葉を述べる

そんな中、少しだけ離れている一人の少女にウルフウッドは近づき、腰を落として優しい笑みを溢す


ウルフウッド「…遅くなってすまんかったな、ゆま、ほれ、お前さんが欲しがっとったぬいぐるみ貰って来たで」

ゆま「わぁ!ニコ兄!ありがとう!」

ウルフウッド「あぁ、ちゃんと大事にするんやで?」


そう言って、ゆまと呼ばれる少女にぬいぐるみを渡し終えたウルフウッドはマミ達の方に振り返り入る様に促す



杏子は二カッと笑いながら、教会の外でウルフウッド達を眺めている彼女達にこう告げた


杏子「さ、遠慮せずに入れよ!おーいお前ら!お姉ちゃん達が遊びに来てくれたぞー!」


杏子にそう言われて、渋々教会に足を踏み入れる二人、そこには、以前廃墟と思わせる装飾は一変され綺麗な内装がされた聖堂が広がっていた

二人が教会に入るとすぐに好奇心が強い子供達がすぐに彼女達に群がる


子供A「お姉さん達どこから来たのー!」

少女B「綺麗な黒髪ー!良い匂いがする~!」

ほむら「あ、ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいわ」

子供C「お姉ちゃん美人だね!名前なんて言うの?」

マミ「えっと、マミよ、巴マミ…」


終始子供達に圧倒されるほむらとマミの二人、すると、それを見ていた杏子が子供達にこう告げる



杏子「おめーら、そんないっぺんに質問されてお姉ちゃん達困ってんだろうが、ほら飯できんまでテーブル座って待ってな」


杏子の言葉に、はぁいと元気な声を上げて聖堂の奥にある扉に次々と入って行く子供達

子供達から解放されたほむらとマミは杏子に彼等が一体なんなのが訪ね出す、


マミ「佐倉さん…今の子たちは…」

杏子「孤児さ…両親がいなくなっていろんな事情をもった子供達」

ほむら「じゃあ、この教会は…」


途中で言い掛けたほむらの言葉を肯定するように静かに頷く、そして、この教会について静かに語りはじめた


杏子「…ニコ兄を見つける前にさ奇妙な夢を見てさ…、…ニコ兄にはじめてあったのはここの教壇だった」


杏子ははじめて、ウルフウッドにあった事を思い出しながら彼女達に説明する


杏子「…横たわってたのをたまたま見つけてな、そんで、ニコ兄が目が覚めたと思ったら孤児だった私にいきなり協力しろって脅してきてさ」

マミ「…それで?」

杏子「んで、いろいろあってお金をニコ兄が頑張って貯めて、この教会を買い取って…多分、ヤバイ仕事も引き受けたんだろうと思う、でも、ニコ兄は私達の為にここをつくってくれたんだ」

ほむら「…そうなの…、それで佐倉さん…貴女が見た夢って?」

杏子「…杏子でいいよ、そっちの方が呼ばれなれてるし、マミもな…んで夢だったっけ…」


杏子は確認する様に二人に訪ねる、二人は互いに頷き、杏子に話す様に促す

杏子はなんだか、顔を暗くし、不安気な表情を浮かべたまま自分が見た夢を彼女達に打ち明けた


「…ニコ兄の死ぬ夢…」




とりあえずここまで、

くぅw疲れ(ry以下略、まぁ書き溜めをコピペして貼り付けるだけなんですが

さて、ゆまちゃんだけ登場ですね、まぁ杏子+教会ですし違和感ないですよね?(眼逸らし)

かつて・・・!!!これほどまでに「読む」思うたSSはあれへんかったっ・・・!!

と最終的にみんなに思ってもらえる出来にしたいですね、とりあえずトライガンとまどマギ見直して来ます


がんばって漫画本収集中です(笑)

血界戦線ってヴァンパイアハンターの話でしたね、なんだが映画のブレイドってやつを思い出します、アメコミですが

モノクマ「なにさ!なんなのさ!この流れは!」

カムカラ(ちくわ大明神)



桑田「そういえばそれなに読んでんの?原稿用紙?」

腐川「つ、次の作品の推敲よ、誤字脱字がないかとか、そういうチェックよ。そんなのも知らないのぉ……」

桑田「いや、別にそこまでは……へ?次の作品?」

腐川「そうよぉ、来月に出版する予定の小説よ……何よ、バカにしてんのぉ?」

桑田「うぇー、なにそれ、始めて聞いたんですけど。っていうかぁ、今度どんなやつなの?」

腐川「い、言えるわけないでしょ……まだ情報を流せないのよぉ」

桑田「えー、いいじゃん見せて見せてー」

腐川「あ!ちょっと!」

桑田「へー、ふーん、ほーん……」ペラペラ

腐川「」ゴクリ

桑田「これ印刷してくれ。早くよみてぇ」

腐川「無理に決まってんでしょお!?アポ!?」

桑田「んだよアポ!!」

図書館司書「シャラアッッッッップ!!!」

腐田「」

すいません!誤爆しました!!!ごめんなさい!!!


ええんやで?工藤、(ニッコリ)

はい、ではお待たせしましたそれではぼちぼち投下していきたいと思います

物語の構成は一応、虚渕脚本を井上脚本で良い感じで割った感じに出来たらなと考えます

みんな 鬱が 好きなんだもの みつを



教会の食堂、


食事の用意が整ったウルフウッドは子供達をテーブルに座らせ、食卓の上に鍋を置いてゆく


ウルフウッド「おら!とっとと座れガキども!」


ウルフウッドに怒られながらもキャッキャとはしゃぎ回る子供達、杏子やほむらとマミも手伝い、子供達をテーブルにつかせるとウルフウッドは全員に黙祷する様に促す


ウルフウッド「我らが主よ、主、願わくはわれらを祝し、また、主の御恵みによりてわれらの食せんとするこの賜物(たまもの)を祝し給え。われらの主キリストによりて願いたてまつる、アーメン」


そして、ひとしきりの食前の祈りが終わると、ウルフウッドは食事を取る様に子供達に促す


ウルフウッド「よし、食べてええで?」

子供達「「「いただきまーす」」」


子供達ははしゃぎながら鍋の蓋を取り、次々と中の具材をとっていく

ほむらとマミ、そして、杏子もウルフウッドから鍋の具材を貰い茶碗を頂いてそれを口に運ぶ



ウルフウッド「今日はウサギ肉が入っとるからな!ちゃんと味わって食べるんやで」

子供達「「「ハーイ!」」」

ほむら達「「「ぶふぅ!!」」」


元気な子供達の返事と共に口から鍋の具材を一斉に噴き出したほむら達、

そう、肉と言うのはおそらく、あのウルフウッドが射殺したであろうキュウべぇの事だろう

ウルフウッドは同時に噴き出した彼女達に顔を顰めながら怒りだす


ウルフウッド「コラ!行儀が悪いで!姉ちゃんなんやからガキ共のお手本にならんかい!」

ほむら「ちょ、ちょっと!具材に何入れてるの貴方!」

杏子「アホか!本気でやるとあたしも思わなかったわ!」

マミ「…キュウべぇ…ごめんなさい…ごめんなさい…」


口に入れた鍋の具材にいろいろと意見を飛ばす彼女達、マミに限ってはなんだかトラウマみたいになってしまっている




ウルフウッドはそんな彼女達に首を傾げたまま、当たり前の様に鍋の具材について述べはじめた


ウルフウッド「ん?意外とうまかったやろ?しっかり味見はしといたから心配せんでもええ」

杏子「そう言う問題じゃねーよ!マミ!トラウマになってるじゃねーか!」

ウルフウッド「…なんでやねん、ちゃんとした食用のウサギやぞ?」

杏子「は?キュウべぇじゃねぇのか?」

ウルフウッド「あぁ、そうや」


ウルフウッドがそう答えると先ほどまで口に料理を運ぶのを完全に拒絶していた彼女達は恐る恐る鍋の具材を口に運ぶ

その味は意外と美味しく、何か癖になりそうな普通の鍋と変わらない味であった


ほむら「あ、ほんと…美味しい」

マミ「よかった、キュウべぇじゃ無いのね…、あら、普通に旨いわね」

杏子「なら最初からそう言えよな!勘違いしちまったじゃねーか」

ウルフウッド「ハッハッハッ!せやろ?(…本当は具材、キュウべぇやけどな…)」


ウルフウッドが用意した鍋はそうして、子供達も多いこともあり、すぐになくなってゆく

しかしながら、ほむら達はこの具材にはあのウルフウッドが撃ち殺したキュウべぇが入っている事は知る由もない



ひとしきりの食事を終えた後、

マミや杏子は子供達と色んな話をしたり、彼等の遊びに付き合った


子供A「へぇ!お姉さんじゃあ正義の味方なんだ!すっげー!」

少女B「それじゃ!私もいつかお姉さんみたいになれる?」

マミ「そうね、もう少し大人になったらなれるかもしれないわね♪」

少女C「それ!本当!…うわぁ!」


マミの話に夢を膨らませて嬉しそうに彼女に耳を傾ける子供達、マミ自身、勿論、これは本気で言っている訳では無い

ただ、理想を子供達に与えると言う意味でそう教えているだけなのだ

その隣で杏子はゆまと呼ばれる少女とトランプでババ抜きをしていた、しかしながら杏子のカードはジョーカー持ちと旗色が悪い


ゆま「これ!やった!上がり!」

杏子「うげぇ!また負けかよ!…ゆま、トランプ強いなぁ…」

ゆま「えへ♪でしょ?」


そういって、互いに笑い合う二人は、はたからみればまるで本当に仲のよい姉妹に見える



ところ変わって、教会の外


ウルフウッドは静かに黄昏ながら教会の近くにある木に寄りかかりポケットからタバコを取り出してそれに火を付ける

彼は静かに横切る風に肺から吐き出した煙を乗せるように噴き、静かに口を開きだす


ウルフウッド「…そんで、嬢ちゃん…ワイが一体何者か…知りたい言うてたな…?」


ウルフウッドが一人、呟くそう告げると教会の物陰からスッと制服を着たほむらが現れ、それを肯定する様に頷く


ほむら「えぇ…そうよ…」

ウルフウッド「ほうか、なら…話したろうか…まぁ、信じられへん話かもしれへんかもしれへんが…」

ほむら「別に、構わないわ…」


ほむらがそう言うとウルフウッドは深いため息を吐いて、ぽつりぽつりと自分の事について、彼女に語り出した

かつての自身の過去、そして自分自身がいったい何者でどんな人間だったか


ウルフウッド「せやな…まず、何から話そうか──────」



はるか時の彼方

まだ見ぬ遠き場所で

唄い続けられる

同じ人類のうた。



砂の大地。そこは地球よりも遥かに大きな5つの月と砂の星、そして高重力、二重恒星と劣悪な環境。地球より遠く離れた砂の世界、ノーマンズランド


新天地を求めて旅をしていた人類は、約150年前の事故で宇宙船ごと未開の惑星へと投げ出された。
砂だらけの乾いた大地に放り出され多数の死者を出しつつも、人類は独立生産端末『プラント』にすがって細々と生き延びた。


しかし過酷な環境で生きていくにつれて人の心は乾ききり、治安も悪化。


ならず者のサイボーグや賞金首、賞金稼ぎがあちこちで跋扈し、人が殺し殺されるのはその星の日常となっていた


ウルフウッドの幼少期は孤児院で育ち、同じ境遇の子供達のまとめ役となっていた。保護者のメラニィおばさんの信頼も厚い良い兄貴分であった


だが実際には孤児院そのものが暗殺組織集団、「ミカエルの眼」の監視下にあり、表向き普通に里親が決まった様に見せかけて組織に送られ、マスター・チャペルの元で暗殺者として養成された


生体強化や戦闘訓練により得た、膂力、反応など身体能力・戦闘能力は群を抜きんでた才能を見せ、彼はそれをすぐに開花させる



はじめてニコラスが人を殺したのはほむらや杏子よりも小さい年齢の時…

その時の鮮血の記憶は未だなお深く彼の頭に印象に残っている


血塗れの床、ピクリとも動かない血だらけの死体、こびりつく硝煙の匂い…そして、押しつぶす様にこみ上げてくる罪悪感と絶望感


人間とはこうも容易く命を無くすのだと幼いウルフウッドはこの時に知った


それから、生体強化手術による超強度肉体と超再生力を持ち、完全な人間としての領域を超えるものを手にしたという


そして彼は「ミカエルの眼」の誇る暗殺者、ニコラス・ザ・パニッシャーとして…数多くの人間を殺してきた



ウルフウッド「…いまにして思えば…せやな…しんどかったと思うで…この世界は水や食料にさえ簡単に手にはいるが…あの世界はそれを手にするのさえ精一杯な世界やったからな…」

ほむら「…………」


ほむらはウルフウッドが話すものに、愕然とした、人を[ピーーー]のが当たり前の世界?人を捨てた?何を言っているのだと

だが、彼が話す言葉には確かに嘘偽りは感じられなかった

ウルフウッドは静かに夜空を見上げて、それからの自分の事を語り出した


ウルフウッド「それで…───」


ウルフウッドは自分が出会ったある男の話をする

その男はどこまでも優しく、そして、どこまでもお人好しで、どこまでも傷を背負った

痛ましい程身体中に傷を背負いながらも争いを嫌い、どこまでも理想を追い求めた男がいたと…

彼はその男と共に様々な旅をした

互いにぶつかり合い、彼の求める理想は実現できないと、そう、ウルフウッドは思っていたという

しかし、次第に旅を続けていくうちに彼が求めるそれにウルフウッドは希望を見出していた

ウルフウッドと彼にはかけがえの無い信頼と…そして、友情があった



わかってる

わかってるがな

あいつは馬鹿や いってる事は現実を見ないガキのたわ言や 大馬鹿や
そんな事わかっとる でも

ああ でも… でも…

あいつは一度も 言い訳をせえへんかった


ウルフウッドは友人の彼に内心でもう認めていたのかもしれない…目の前で人が死ぬ事の方が重いといつか、彼は言った


二人で歩む、長い戦いの道のり、笑い合い喧嘩し、現実を目の当たりにし葛藤し、答えを得るために足掻く日々…旅路…


だが、それにも別れの時がやってくる


ウルフウッドは代謝機能が強制促進により超再生力さえ持つが、その影響で年をとるのも早い

そして、それは起こった…

自分の出身の教会が自分の師であるマスターチャペルにより占領。

単身乗り込んだウルフウッドはマスターチャペル、ダブルファング、そしてトリップ・オブ・デスと死闘を繰り広げことになった


一度は敗れ死を覚悟するも、現れた友人である彼の救いと、何よりも孤児院の存在に再度ウルフウッドは立ち上がった


その時、度重なる投薬により既に身体は限界を超えた状態で、異常な回復速度をみせ…そして───



ウルフウッドはそこで話を一旦区切り、静かに杏子達と子供達がいる教会に視線をやる


ウルフウッド「そして、ワイは…もう助からない事を悟った…避難し誰も居なくなったあの星の教会の残骸の中、トンガリと酒を酌み交わした…孤児院の子供達に正体を隠したままでいいのかと問われたが、ついに最後までそれを明かすことは無かったな……」

ほむら「…………」


ほむらは静かにウルフウッドの言葉に耳を傾けていた、彼は人を大勢殺めた罪にもがき苦しみ…最後まで、それを抱えたまま…


ほむらはウルフウッドの壮絶な話に絶句しながら、それがどれほど困難な道のりであったかを感じた

しかし、彼は何処か懐かしそうに夜空を見上げて、ほむらにこう語った


ウルフウッド「ワイの人生は…懺悔の連続やった、けどな…孤児院のガキが作ってくれた紙吹雪が…ワイを最後に救ってくれたんや…」


そう言って、二カッと嬉しそうにほむらに笑うウルフウッド、自分の過去は変える事はできない、だけど…子供達に赦して貰ったそんな気がしたとウルフウッドは言う



ほむら「…貴方は…その…ごめんなさい…もう、なんて言ったらいいかわからないわ…」

ウルフウッド「ええねん…、なんも言わんと…、これがワイが抱えるもの全部や…次はお前が話す番やで?」


ウルフウッドはそう言って、ほむらに彼女自身が抱えているすべてを話すように促す、

すると、ほむらは自分のことについて、ウルフウッドのぽつりぽつりと語りはじめた


ほむら「わたしは───」


ほむらは自分が抱えているものをウルフウッドに包み隠さず全て話した

自分がまどかと言う少女を救うために何度も時間を巻き戻していることも…

そして、絶望した魔法少女が魔女になってしまう事も、インキュベーター、キュウべぇと言う知的生命体の事も全て…

話を全て聞いたウルフウッドは何処か、悲しげな眼で全てを話した彼女を見つめる



ウルフウッド「…よう…話してくれたな…」

ほむら「貴方だけに…話をさせるのは不公平ですから」

ウルフウッド「いままで…よう耐えてきたわ…、しんどかったろう」

ほむら「そんな…事は……あれ?」


ほむらは自分の頬にそっと触れて、何か透明なものが流れ落ちてきているのに気がついた

それは、涙であった…、いままで抱えてきたものがこみ上げ流ように彼女を押しつぶす

ウルフウッドはそんな涙を流す彼女にそっと近寄ると、優しく頭に手をおいてこう言った


ウルフウッド「…辛いなら泣いたらええ、嬉しかったら喜んだらええ…人間って…そういう生きもんやないか?」

ほむら「うううううぅぅ… まどかぁ!…うわああああぁぁ!」


ウルフウッドの懐に潜る様にして、ほむらは子供の様に大泣きした

誰にも伝える事が出来ずただ一人で足掻いて、それでも、だれにも自分が理解される事がなかった

何度、繰り返したことだろうか

彼女はそんな気持ちを全て、ウルフウッドの前でぶつけて吐き出した

ウルフウッドはただ…静かに彼女が落ち着くまで…そばに寄り添うのであった


今回は区切りがええからこれで終わりやで!工藤!

自分は意外とリアリストなキャラが好きなんだなー、と気づいた今日この頃、デュエリストやないで?

ナルトならイタチさん、フェイトなら切嗣、そして、トライガンならウルフウッド

洋画のパニッシャー見た時は吹き替えの声の人がまんま切嗣だったのには吹きました

そんな訳で次回をお楽しみに


意外ッ!それはッ!塩ッ!

味付けはシンプルオブベストってうちのオカンが言ってたような…多分気のせいっぽい?


ほんじゃ投下していくで工藤!

最近ブラックラグーン見直してやっぱりいいなぁと感じた今日この頃、張さんかっこいいっすな

トライガンの連中がロアナプラいても違和感無いのはなんでだろ?


それから暫くして、

泣き止んだほむらはゆっくりとウルフウッドのそばから離れる、彼女が落ち着くのを見届けたウルフウッドは彼女にこう訪ねた


ウルフウッド「…楽になったか?」

ほむら「はい…ありがとうございましたウルフウッドさん」

ウルフウッド「…気にすんな…、それじゃ先に部屋に教会に戻っといてもらえんか?ワイはちょいともう一服していくつもりやから…ほら、教会は禁煙やろ?」


ウルフウッドはそう言って、ほむらに部屋に帰る様に促し、にっこりと優しく告げる

ほむらは杏子がなぜウルフウッドに懐いたかわかった様な気がした

彼女はウルフウッドにありがとうと一言だけ告げると、急ぎ足で教会の中にへと戻っていった



新たにタバコを咥え、それに火を付けるウルフウッドは静かに木の物陰に向かい静かに告げた


ウルフウッド「…ワイの話…どこまで聞いとったんや…杏子…」


ビクリと、物陰に隠れていた影がウルフウッドのその言葉に反応して動く

そうして、暫しの間を挟んで観念したのか物陰からゆっくり赤い特徴的な髪の少女がウルフウッドの前に姿を現す


杏子「…ごめん…最初から、聞いてた…」

ウルフウッド「ほうか…盗み聞きは関心せぇへんな…」


ウルフウッドは反省した様に小さく縮こまる杏子にタバコの煙を吐きながらそう告げる

杏子は何処か居ずらそうな表情を浮かべ、ウルフウッドから視線を逸らしていた



すると、タバコを咥えているウルフウッドは彼女にこんな事を告げはじめる


ウルフウッド「…ワイはな…杏子、多分さっき話を聞いとたら分かると思うが、先…長くないねん」

杏子「…え?…」

ウルフウッド「代謝が早い…それも原因の一つやけれど…薬な…酷使しすぎた代償や…こっちにきてから一度も使ってなかったが、前の星でな…話してたやろ?」


ウルフウッドは実に冷静な口調で杏子に自分の身体の事を告げる、そう、彼は何処かわかっていたのだ先が長く無いことを…

杏子はウルフウッドのカミングアウトに戸惑いながら、震える声でウルフウッドの胸ぐらを掴んだ

ウルフウッドはそれを甘んじて受け止め、静かに杏子を見つめる



杏子「…っだよぉ…それぇ…」

ウルフウッド「…しゃあないやろ…どうにも…ならんねんから…」

杏子「なんだよ!?それ!?納得出来ねぇよ!ニコ兄が!なんであたしらにこの居場所を作ってくれたニコ兄が…ッ!」

ウルフウッド「杏子ォ!!!…教会におるあいつらに聞こえるやろ!落ち着かんかい!このボケぇ!」


ウルフウッドはそう言って、自身の胸ぐらを掴んでいる杏子に怒鳴る様に告げる

彼女はウルフウッドのその一言で、静かに黙り込んでしまった

ウルフウッドは腰を降ろして視線を杏子に合わせ、言い聞かせる様に話をしはじめる


ウルフウッド「ええか?…ワイの身体自体は…まぁ…そんなに長くない…けどな…後悔せぇへん生き方はしてきたつもりや」

杏子「…取り残されるのか…また…あたし…」

ウルフウッド「…お前を…取り残しとうは無い、ワイかてあそこにおるガキどもが唯一心残りや…」


ウルフウッドはそう言って、杏子に申し訳なさそうに告げる、彼自身の壮絶な過去の代償が跡を追ってきてる様なそんな錯覚さえする

杏子はウルフウッドの懐に飛び込み震える様に彼の服を掴んだ


杏子はウルフウッドの懐に飛び込み震える様に彼の服を掴んだ


杏子「…あたし…やだからな…ニコ兄が…いなくなるなんて…」

ウルフウッド「泣くんやない…このアホんだら…しゃあないガキやな…ったく…」


ウルフウッドはそう言って自身の懐で杏子の頭を優しく撫でて、顔をほのかに綻ばせながら告げる

杏子の家庭事情はウルフウッドも良く知っている、家族揃っての無理心中、杏子だけがそれを逃れそしてウルフウッドに会うまで一人で足掻いて生きてきた

ウルフウッドはそんな彼女に何処か自分を自己投影していた部分があるのかもしれない、

彼女がもう、失いたく無いと言う言葉はウルフウッドにはとても胸打つ言葉に聞こえた


ウルフウッド「もし…ワイがおらんようになったら…ええか?杏子?一人で抱えたらアカンねんで?あいつらには…お前しかおらへんせやから…マミやほむら…頼れる友達を作り頼れ…、ええな?」

杏子「……………」

ウルフウッド「まだ…死ぬと決まっとる訳や無い…せやからそんな顔をすんな、な?…生きてる間はお前らを護る…絶対や…」


ウルフウッドは彼女の両肩に優しく手をおき、身体を屈めて言い聞かせる様に告げる




それを静かに聞いていた杏子はウルフウッドをまっすぐに見つめたまま、カラ元気の様に二カッと彼に犬歯を見せ笑顔を作った

泣いていたからだろう…瞼がほのかに赤くなっている


杏子「…あたしも…さ…ニコ兄の事…守っから…」


そう言って、杏子は表情を見せない様にウルフウッドから離れ、そのまま駆け足で教会まで戻ってゆく

ウルフウッドはその言葉に何かを思い出す様に静かに杏子の背中を見ながら呟く


ウルフウッド「ガキが…一丁前に生意気な事を言いくさりよって………」


ウルフウッドはそう言って杏子に背を向けて、静かにポケットからタバコに火を付ける

そんな、彼の頬から微かに透明な雫が流れ落ちた…、タバコを咥えたまま教会に背を向ける彼は夜天を仰ぐ


ウルフウッド「……アカン…煙が眼に入ってもうたな………」




はい、今回はここまで!

いったんきりです!ちょいと急用でしたんで今回は短くなりました、申し訳ない


それではまた次回お会いしましょう



とりあえずそれを検討するのはこれを完結してからですね!

ウルフウッドがロックポジになるがよろしいか?(笑)


またせたで!工藤!

うむ、ちょいとEDとかOPとかについて考えたんですがまどまぎの映画のEDってKalafinaでしたねそう言えば、

そんじゃもうこれのEDイメージは『満天』でいいかなと…

ワイはな…工藤…服部になりたかってん

まぁ、こんな茶番はどうでもいいですが今回の分をぼちぼち投下していきたいと思います



それから、数日後


教会のウサギ鍋の夜から何日か経ち、順調に杏子、ほむら、マミは見滝原にいる魔女を狩るという一つの目的が合致し、

彼女達自身の連携や絆を日々を重ねるたびに強固なとしていた


そんな、数日が経ったある日の事であった、マミから魔法少女の見学をしてみないか?と誘われたまどかとさやか

ある事情を唯一知っているほむらと杏子はその事に少しだけ反対の意見を彼女に申告したが、

好奇心が強い中学生という年頃のまどかとさやかは是非と言わんばかりに彼女にお願いした

もちろん、ウルフウッドが同伴でついてくると言う条件であるが、

まず、何故キュウべぇがウルフウッドに殺された筈であるのに彼女達がマミについてくるかと言いはじめたかと言うと…


キュウべぇ「やぁ…!久しぶりだね!マミ!」

マミ「…え…?キュウべぇ?…なんで」


そう、ウルフウッドに殺された筈のキュウべぇがマミの部屋に生きて現れたからだ



杏子はもちろん…何度も過去にキュウべぇを殺してきているほむらもこれには嫌悪感を覚えたが、

キュウべぇが友達であったマミにはとても喜ばしい吉報であったらしい、

キュウべぇを殺した本人であるウルフウッドに限ってはもはや食料としか見ておらず、むしろ増えて嬉しいと食費が減る分、本人は口には口外せずに内心歓喜していたようだが…

そんな訳でキュウべぇが生きていた事を知ったマミはその事で仲間を増やせると思ったらしく、この話を二人に持ち掛けた、こう言う筋書きである


現在はそのマミからまどか達が持ち掛けられた日から一日が経ち、放課後


下校途中だった、まどかとさやかはキュウべぇとたまたま遭遇し、キュウべぇから様々な話を聞かされていた


キュウべぇ「この間は、話をする前に殺されてしまったからね、ちゃんと説明出来て一安心だよ」

さやか「身体のストックがあるねぇ…、確かに世界中に魔法少女がいるなら…身体一つだと回れないってのもなんだか納得いくね…」

キュウべぇ「僕らは意識を共有しているからね…不測の事態にも備えてるというわけなのさ…」

まどか「…それで…マミさん達は…?」

キュウべぇ「…もうすぐ来るんじゃないかな?…ここら辺で魔女の反応もあったし…」


そう言って、さやかの肩に飛び乗るキュウべぇ、その赤い眼差しはまっすぐにある場所を見つめていた


まどか達はその場所を見つめているキュウべぇに訪ねる


さやか「キュウべぇ、どうしたの?」

キュウべぇ「…どうやら…この先に魔女の結界があるみたいだ」

まどか「え…!それってマズイんじゃ…」

さやか「マミさん達に連絡しよう!」


そう言って、早速携帯でマミとのコンタクトを取るさやか、まどかは心配そうにキュウべぇの視線の先を見つめる

さやかは手っ取り早く場所と何が起きているのかを簡潔にマミに無事に伝える


さやか「…ってわけです、早くしないと…」

マミ『わかったわ!そこ、動いちゃ駄目よ!』

まどか「さやかちゃん!上!」


そう言ってさやかに何かを伝えるまどか、さやかはその声に反応し上を見上げる

そこには…なんと、屋上から身を投げ捨てようとする若いOLの姿があった

さやかは思わずその光景に顔を真っ青にしながら身を投げ捨てようとするOLに向かい声を上げる


さやか「あ…!危ない…!なにしてるんですか!」

キュウべぇ「無駄だよ!彼女には聞こえてない、魔女に操られてるんだ!」


屋上から身を投げ出した彼女はそのまま重力に引かれ、地面に向かい自由落下をしはじめる




まどかとさやかはそれを見まいと身体が反応し思わず眼を閉じる

だが、その時であった、黒い服を着た何者かが彼女達の前を一瞬にして横切り、自由落下をしはじめているOLを空中で掴むと身体を上手く捻り着地し、彼女をゆっくりと地面にへと降ろす

地面に叩きつけられる音が聞こえない事を不思議に思った眼をつむるまどかとさやかの二人はゆっくりと瞼を開けてその光景を確認する


ウルフウッド「…あっぶな!間一髪…やったな…」

まどか「…ウ、ウルフウッドさん!」

さやか「よかったぁ…間に合ったんだ…」


ウルフウッドは安堵する二人を横目に見ながら、気を失ったOLを壁に寄りかからせる様に降ろす

そして、彼はさやかの肩に乗っているキュウべぇを見ると、暫し、眼を丸くして声を上げた


ウルフウッド「おぉ!キュウべぇやんけ!…ホンマにいっぱいおんねんな!…ありがたやありがたや!」

キュウべぇ「…君は僕たちを食料としかもう見れないみたいだね、まさか本当に食べるなんて思わなかったよ…」

二人「「…!?」」


二人は顔を見合わせながら、キュウべぇに手を合わせて拝むウルフウッドに驚愕の眼差しを向ける


好奇心が人一倍強いさやかは興味深そうにウルフウッドに迫り、味について問いただしはじめた


さやか「…本当に食べたんですか!?そ…それで味は!味はどうだったんですか!?」

ウルフウッド「…お、おう、これがなぁ…なんと実にうまかったんやで!ものの数分で全部なくなりおったわ!」

二人「「う、嘘ォ!!」」


調理しだいでどうにでもなる、そう言い切るウルフウッドの言葉に驚愕の声を上げる二人

まどかは羨ましそうに、さやかの肩に乗るキュウべぇを見ながらウルフウッドに告げる


まどか「いいなぁ…、それじゃほむらちゃんやマミさんはキュウべぇ食べれたんだ…私も食べてみたかったなぁ…」

キュウべぇ「僕は今猛烈に君の元を離れたくなったよ、まどか」


キュウべぇはもはや自分がもっとも契約したい相手であるまどかにさえ、食べたいと言われ自分の生存に危機感を感じたのかそう告げる

仮にも魔法少女にする為の使者として現れている筈なのにこの扱いは確かに逃げ出したくもなるなとキュウべぇの気持ちを考えたさやかは思った、果たしてキュウべぇに感情があるかどうかはわからないが…



しばらくして、走って向かってきてくれたマミと杏子と合流した、二人は息を切らしながらまどかとさやかの安否を確認する


マミ「…ハァハァ、二人とも大丈夫?」

杏子「…急いで来たが…どうやらニコ兄が先に来てくれてたみてーだな」


ウルフウッドの姿を眼で確認し、隣にいるマミにそう告げる杏子、すると、それから暫くして、ほむらがその場に駆けつけて来た

彼女はまどかの安否を確認し、ホッと胸を撫で下ろす


ほむら「よかった…無事だったようで…」

まどか「う、うん…私達はまだ無事だったんだけど、OLの人が…」

さやか「屋上から飛び降りたんだ、ウルフウッドさんが来なかったら今頃は…」


そう言って、壁に背を預けて気を失っている彼女を見ながらさやかは語る、ウルフウッドは彼女の話を聞き、マミ達にこう話をしはじめた


ウルフウッド「…せやな、なんか操られとったみたいやが…なんでそないなことやったんやろ…」

マミ「恐らくは…魔女の口づけのせいね…」

ウルフウッド「魔女の口づけ?」

マミ「そうです…人間を操る為に魔女がその人間に眼を付けた印…催眠術みたいなものですよ」


ウルフウッドはマミの話を聞きながら関心した声を溢す、人間に害をもたらす魔女の典型的なやり方らしい



主にこうやって、感情をコントロールして人間を自殺させたり、事件を起こしたりするという

マミは魔女がいるであろう結界に視線をやり、まどかとさやかにこう告げた


マミ「さて、それじゃ…魔女退治に行くけど、貴女達はついて来るわよね?」

まどか「はい、まだ魔法少女がどういうものかちゃんと知りたいですし…」

さやか「願い事は決まって無いですけどね、マミさんのかっこいい姿をみたいしお願いしたいです」

マミ「ふふ、そう? なら、暁美さん、杏子、問題ないわよね?」


マミはそう言って、二人に確認するように振り返り訪ねる、そう、事情を知っているほむらと杏子はさやかとまどかの二人が魔法少女になる事を反対している、故にマミは二人に確認する

全て二人は顔を見合わせる、危険な場所にもちろんさやかとまどかを連れて行きたくは無い、

しかし、ここで反対したところでマミが戦うとこを見たいと強く告げる二人はこっそりと後をついてくる可能性がある

好奇心が強い中学生という年頃、さらに自分達が戦う間にキュウべぇが何かを吹き込むかもしれない


ほむらと杏子はその場で一番年上であるウルフウッドに視線を送る、それはどうしたら良いのか、判断を任せる為だ

ウルフウッドはゆっくりと口を開き、彼女達にこう告げた


ウルフウッド「…ワイは別にかまへんで、無理強いして、くんな言うてもこいつら後からついて来そうやしな」

まどか「やった!」

さやか「それじゃ!マミさん!一発デカイのお見舞いしてやってくださいね!期待してますよ!」

マミ「うふふ、もう…なら今日は張り切らないとね…」


マミはそう言って、さやかの言葉に応えながら、チラリとキュウべぇの方にと視線をやる

なにやら、いつもとは違う不穏な空気がほむら達の中で漂っていた…


今日はここまでやで工藤!

あぁ…ワイ、ホンマは鬱よりギャグが書きたいねん…

仕方ない、トライガン読み直しながら仮面ライダー555でも見て何か流れ的なものを考えるか

それじゃまたお会いしましょう




それではぼちぼち投下していきたいと思います

これも阪神のおかげやな!工藤!

魂の叫びが胸に響いたで



魔女の結界内


ウルフウッドはパニッシャーを担いだまま、先頭に立つマミと二人をサングラス越しからジッと見つめる

なにやら楽しそうに談笑しているようであったが、仮にもここは魔女の結界内なのだ、何処か今のマミにはいつもの警戒心というものが無いように見えた


ウルフウッド(なんや…?いつもと様子がちゃうように見えるが…)


ウルフウッド同様に杏子とほむらもマミの異変には何処か気づいていた、いつもとは何かが違う

ほむらと杏子もその事はどこか感じていたらしく、警戒心が無いように見える談笑をしているマミに心配するように声を掛ける


杏子「…なぁ…マミ…」

ほむら「ちょっと待ちなさい巴マミ、貴女…今日はどうしたの?」


焦りからか、ほむらは何処か棘のある聞き方でマミに訪ねてしまった、そう彼女は知っていた今日この魔女で巴マミに最悪が降りかかる事を…

そう…死という最悪が…

今日対峙するであろう、魔女の名前はシャルロッテ…

彼女が死ぬ事を何度も世界を繰り返してきたほむらは目の当たりにしてきた、だからこそ、今回のこの戦いはより重要な分岐点だと思っていた



魔女の結界内


ウルフウッドはパニッシャーを担いだまま、先頭に立つマミと二人をサングラス越しからジッと見つめる

なにやら楽しそうに談笑しているようであったが、仮にもここは魔女の結界内なのだ、何処か今のマミにはいつもの警戒心というものが無いように見えた


ウルフウッド(なんや…?いつもと様子がちゃうように見えるが…)


ウルフウッド同様に杏子とほむらもマミの異変には何処か気づいていた、いつもとは何かが違う

ほむらと杏子もその事はどこか感じていたらしく、警戒心が無いように見える談笑をしているマミに心配するように声を掛ける


杏子「…なぁ…マミ…」

ほむら「ちょっと待ちなさい巴マミ、貴女…今日はどうしたの?」


焦りからか、ほむらは何処か棘のある聞き方でマミに訪ねてしまった、そう彼女は知っていた今日この魔女で巴マミに最悪が降りかかる事を…

そう…死という最悪が…

今日対峙するであろう、魔女の名前はシャルロッテ…

彼女が死ぬ事を何度も世界を繰り返してきたほむらは目の当たりにしてきた、だからこそ、今回のこの戦いはより重要な分岐点だと思っていた



だが、その焦りが駄目であった…ウルフウッドは険悪な状況になる事を察し内心で舌打ちをする


ウルフウッド(…チッ…アカン…最悪や…ほむらの焦ってのあの言い方…恐らくはマミの疑心と反感を買うで…)


そう、ウルフウッドはわかっていた

マミの元に訪れたキュウべぇ、彼女は奴から余計な事を吹き込まれている事を最初の会話の時に察していた

巴マミの最初の友達、それは他ならぬキュウべぇであり、彼女がそう思い込んでるうちは変わらない事実

本来、その最初の友達を初見でしかもマミの目の前で撃ち殺しているウルフウッド、そんな自分に疑心と不安を抱いていても不思議ではない

しかも、杏子は教会に住んでいる自分の同調者、さらに、ほむらもまた、最初の時にキュウべぇを傷つけなお殺そうとしたいかがわしい人物

幾らでもキュウべぇがマミに吹き込む要素は存在する

数日間、共に魔女と戦っていたとしても、まだ、確固たる信頼が勝ち得ていたわけではない

マミはそんなウルフウッドの考えた通りか、ほむら達とウルフウッドの方にとゆっくりと振り返るとこう静かに告げる



マミ「…へぇ…暁美さん…やっぱり…そう、ウルフウッドさんも、杏子も…」

ほむら「…マミ…さん?」

マミ「貴女達と一緒に数日間、一緒に戦って来たのに随分な言い方をするのね?」

杏子「…?どうした?マミ、何言ってるんだ?」


マミは静かに手を上げて魔翌力を使いはじめる、それはもちろん魔女を倒す為に発動したものではない

そう、それは…仲間に向けるもの

黄色いリボンが杏子とほむら、そして、ウルフウッドの周りを囲んだと思うとそれが一気に縮まり三人に襲いかかる


ほむら「…ぐっ!どういう事!」

杏子「…!?なにすんだマミ!離しやがれ!」

マミ「…悪いけどそれは出来ない相談ね…、今回は私一人でやるわ」


マミはそう言って黄色いリボンで縛ったウルフウッド達を背にそう告げる、

だが唯一、自分の魔法に対し声を上げる二人とは別に静かに彼女の言葉を聞いていたウルフウッドに彼女は疑問を抱き質問を投げかける



マミ「随分とあっさりしてるんですね…ウルフウッドさん」

ウルフウッド「……?…あ?んーまぁ、あの流れやったら大体こうなるなって検討ついてたからなぁ…別に驚かへんよ」


ウルフウッドは淡々と質問を投げかけるマミにそう応える、

彼女はなにやら意味深な言葉を告げるウルフウッドの言葉が気には掛かったがそれ以上は訪ねる気が起きずやめた


マミ「……まぁ…別に構いません…戦闘が終わるまで大人しくしていればその魔法を解きます…、行きましょう美樹さん、鹿目さん…」

ほむら「駄目!待って!行ってはダメよ!殺されるわ!…巴マミ!」

さやか「えっと…マミさん…」

まどか「これは幾らなんでも…やり過ぎじゃ…」


マミの行動に疑問を抱き訪ねる二人、マミは彼女達の方にと振り返るとこう説明をしはじめる

その表情は笑顔ではあるものの何処か、マミが纏っている雰囲気が彼女達を恐縮させる


マミ「怖がらせてごめんなさい…美樹さん…鹿目さん…、これには訳があってね」

さやか「みんなを縛る意味…?なんですかそれ?」

マミ「それはね…彼女達が信用出来ないというのを考慮しての事なのよ…」


マミはそう言って走って来たキュウべぇを肩に乗せると言葉を連ねる様に彼女達に話を続ける



それは、キュウべぇからマミが聞いた話、

自分の友人であるキュウべぇを食べる目的の為に最初の時から[ピーーー]気でいた事

そして、後はウルフウッドが予想していた通りの事柄をマミは全て二人に教えた

二人は何処か納得した様に頷き、縛られたウルフウッドとほむら達を見る

そんな二人にリボンで縛られた状態ウルフウッドは静かな声色でこう語りはじめた


ウルフウッド「まぁ…疑われてもしゃあないわな…、弁解もする気はせえへんよ」

さやか「その…ウルフウッドさんは…」

ウルフウッド「ワイがどうこう言っても余計にややこしゅうするだけやろ?…こいつらも同じ考えみたいやしこいつで疑いが晴れるなら好きな様にさしたるよ」


ウルフウッドはそう言って相変わらず飄々とこちらを心配そうに見てくる二人に告げる

ほむらも何処か諦めたのか、リボンを解く気が無いマミに向かい、仕方なくこう告げはじめた

ウルフウッドに何か考えがあるそう感じたからだろう


ほむら「…そうね…巴マミがそう思うなら仕方ないわ…貴女に任せる…ただ、これだけ…油断だけはしないで、お願いよ…」

マミ「…心の隅には置いて置くわ…なら、行きましょう美樹さん鹿目さん…」


そう言って、リボンで縛り上げた三人に背を向け結界の奥にへとさやかとまどかを引き連れて進んでゆくマミ

それを見送る様に見ていたほむらは隣にいるウルフウッドに視線をやり早速、疑問をぶつける




そう、それはマミを一人で魔女対峙にいかせたウルフウッドが考えている事に対する質問であった


ほむら「…それで…?なにを考えているんですか?ウルフウッドさん」

杏子「そうだ、そうだ!あたしまで巻き込みやがって!」


ほむらと同様、巻き込まれた事に犬歯を剥き出しにしてウルフウッドに不満の声を溢す杏子、

ウルフウッドはそんな彼女達にため息を吐くとこう告げはじめた


ウルフウッド「…キーキーうるさいやっちゃのう、お前ら…こんなリボンで縛るなんてワイが拘束される内にはいるかいな…」


ウルフウッドはそう言って縛られたまま腰にあるハンドガンに手を伸ばし、それを発砲する

そして、もう一度発砲、放たれた弾はなにやら火花の様なものを散らしたかと思うとウルフウッドを拘束していたリボンに直撃し、千切れる様に消滅する

唐突なウルフウッドの芸当に眼を丸くさせる二人、ウルフウッドは面倒そうに頭を掻きながら彼女達方にと振り返る


ウルフウッド「な?…まぁ、こんな面倒なことせんと自力で引きちぎれおったけども…」

杏子「…は?…ハァ!?」

ほむら「え…?な、何したの今の?」

ウルフウッド「撃った弾同士を跳弾させて弾いただけや、そんでリボン解いた、そんだけ」




ウルフウッドは簡単にほむら達にそう告げるが、実際は相当の銃を使う手練れでも不可能な芸当

しかも、挙句の果てには最初から自力で引きちぎれるとまで二人に断言する始末である

これには、ほむらも杏子も度肝を抜かれるしかなかった


ウルフウッド「…そんで?ワイはどうしたがいいんか?お前らのリボンを解いた方がええの?」

杏子「…ったりまえだ!早くこれを…!?」

ほむら「…いや、待って!」


杏子の言葉を遮る様にそう告げるほむら、なにやら彼女には別の考えがあるようであった

ほむらは何処か焦ってはいるが実に冷静な面持ちのまま、目の前にいるウルフウッドにこう告げはじめる



ほむら「…ウルフウッドさん、今から全速力でマミさんのとこに向かって下さい」


そう、時間からすると自分達のリボンを解く間に事が起こってしまう可能性の方が高い

それよりも、戦闘能力に長けたウルフウッドを急行させた方がマミの生存率があがる、ほむらはそう判断したのだ

ウルフウッドはそのほむらの言葉に何も言わぬまま黙って頷き、全速力で彼女達の後を辿り、結界の奥にへと駆けてゆく

杏子はほむらの方を向き、なんでウルフウッド一人だけを向かわせたかを訪ねはじめた


杏子「おい、ほむら…いくらニコ兄でも一人で行かせるってどういう事だよ!…それにあたし達をこのままに…」

ほむら「安心しなさい、ここには使い魔は現れないわ…それに貴女もあの夜の話を聞いてたらわかると思うけどあれが最善の方法なの」

杏子「…けどよ…」


ほむらのその言葉に何処か心のもたなさそうな不安げな面持ちで言葉を区切る杏子

ほむらはウルフウッドが駆けていった後をジッと見つめ、こう杏子に言い切った


ほむら「…きっと大丈夫…私も…彼の事を信用してるから…」


そう、自分達を疑ったマミのように自分はウルフウッドを疑ったりはしない、

己の壮絶な過去を全てを話し、自分を受け入れてくれた人間を疑ったりは決してしない

それは、そんな決意がほむらの中から滲み出る様な言葉であった



今回はここまでやで!工藤!

杏子ちゃんは可愛いですなー、飼いたい(願望)

阪神の力は偉大やで!新井はいらんかったんや!

さて、それじゃ555を見直すか、カブトも好きですけど、スクールランブル面白いですね、漫画を衝動買いしましたがハマりました

それではまたお会いしましょう!


なんだって!それは本当かい!

ちなみにスクランは私はみこちんが好きです


ヤクモンも可愛いですよね、能登さんのあの声が癒される(ほっこり)


お待たせしたな!工藤!

いまから投下していくで!スクラン好きな人が以外といてくれてうれしいわ!

ほんじゃぼちぼち投下していくで!


魔女の結界、最深部


優れた魔法少女のマミは難なく魔女の周りにいた使い魔を全て一掃し、現在、その親玉とも見える魔女と対峙していた

何故かこの時のマミは戦う事が楽しく心が踊るように嬉しかった

それは、使い魔を倒しながら魔女の元にへと向かう最中でのこと、まどかとさやかに掛けられた言葉のおかげであった


まどか「マミさん…私、マミさんの為に魔法少女になろうと考えてます」

マミ「…え…?」

さやか「…ちょ…!まどか!あんた!急に何を言い出すのよ!」


まどかの唐突な告白に騒然とするさやかとマミ、

それも、そうだろう…ほむらや杏子は反対し決して魔法少女になるなと釘を刺されているにもかかわらず、まどかは魔法少女になると二人に明言し言ってのけたのだ




それも、自分の叶えたい願いなどではなくマミの為に魔法少女になると…

マミは真剣な面持ちでまどかの方を振り返ると彼女の肩を掴み、まっすぐにその瞳を見つめる


マミ「鹿目さん…貴女、それがどういう意味かわかってる?…私と同じ魔法少女になるということは魔女と命懸けの戦いをしなければならないということなのよ?」

まどか「…はい…こんな駄目な私でも人の為になるなら…魔女と戦えます…それに…」


まどかはそう言って、言葉を一旦区切り、それからマミの眼を見つめ直すと迷いのない瞳で彼女に自分の気持ちをぶつけはじめる


まどか「マミさんが…戦ってるのに私達はいつも見ているだけ…そんなの不公平です、友達なんですから…私にもそれを背負わせて下さい!お願いします」

マミ「…友…達…」


マミは真剣なまどかの顔をみながらそう呟いた、自分の為に願いを捨て、更には自分と一緒に居たいと言ってくれた

両親が事故で死にキュウべぇと契約するしかなく、いつも孤独と戦って来たマミ

確かに杏子やほむらは自分の事を友達と言ってくれた…けれど、マミには何処かまだ不安と疑心があった…

けれど…鹿目まどか、彼女は覚悟と態度…そして、自分の事を認めてくれて更に友人だと言い切ってくれた



マミ「…ありがとう、鹿目…」

まどか「まどか、まどかって呼んで下さい、マミさん」

さやか「あたしも…マミさんの友達ですよ!さやかって呼んで下さいよ!」

マミ「…ふふ…なんかあったかいわね…こういうの…」


マミはそう言って頬を緩ませ、嬉しそうに二人に微笑む、帰る場所、それがようやく出来たそんな胸が高鳴る気持ちにとらわれた


マミ「それじゃ…!あの子たちを全て倒してしまわないとね!」


マミはそう言ってマスケット銃を出現させ、魔女が使役する使い魔達に向かいまどか達に背を向けて跳躍する

マミは思った、彼女となら彼女達になら自分は全部話せる…何かを隠してる彼らとは違って自分も全てを打ち明けられる…と


この時の彼女はもう、自分のカッコ悪い姿を彼ら前で決して見せないと完全に油断をしていた

あれだけ、ほむらから釘を刺されているにもかかわらず…




お菓子の魔女、シャルロッテ…

その可愛らしい見た目をマミは完全に侮り、マスケット銃による一方的な攻撃を繰り出す

マミはマスケット銃をまるで踊りを舞う様に振り回し、魔女をまどか達の前で打ちのめしながら彼女は思う


マミ(もう…何も怖くない…!!)


そして、魔女の前にして圧倒的な火力によるマミの攻撃、可愛らしい見た目のシャルロッテはやられるがまま、マスケット銃に撃たれ続け、最後にその小さな身体がち空中を舞い…マミは最後だと言わんばかり自分の必殺技を繰り出す

それが…絶望への一撃になるとも知らずに…


マミ「最後よ…!ティロフィナーレ!」


マミが放った巨大な主砲、彼女の決め技であり、数ある必殺技を代表するティロフィナーレが魔女の身体を射抜く

まどかとさやかは嬉しそうにその技が魔女に入り抱き合いながら喜ぶ、いつも通り自分達の憧れのマミの勝ちだと

マミ自身も勝利を確信し笑みを溢す、構えていたマスケット銃をしたに下ろしこれで終わりだとひと段落自分の中で着けていた



…だが…、


先ほどティロフィナーレを直撃した魔女の様子が騒がしくなる、爆発もしなければ消滅もしない

そして…小さな魔女の口から…


マミ「……え?…」


マミの目の前に突如、大きく開かれた巨大な口が姿を現す…それはとても鋭い牙…先程の魔女から出てきた物…

マミは反応出来ない…何が起きたのかわかっていないからだ


この姿がシャルロッテの本体…


巨大な口はマミの頭部を引きちぎりまいとガッチリと閉じる、それは言うならばギロチン、

マミの首から上はこうして消え失せ…



「…ほれ?食えるもんなら食ってみい…」


その瞬間であった、ガチン!と鈍い音が魔女の結界内に鳴り響く、それはまるで金属が接触した様な音

マミは腰を抜かし、その場に座り込む

彼女の前には黒い服の男が巨大な十字架を巨大な口に向かい片手で突っ込んでいる姿

彼はタバコを口に咥えたまま、余裕な表情を浮かべ、片手にいつの間に捕まえたのかわからないキュウべぇを持ったまま巨大なその口の持ち主である魔女を見る


「…ほげぇ、こんなデカイのあんなちっこい身体に入るもんかいな?…まぁ…ええわ、そんなに腹が減ってるんならいいもんやるで」

キュウべぇ「それより離してもらえないかな?」


そして、魔女はその現れた男ごと噛み切ろいと必死に口を閉じようとするが十字架が引っかかりうまくそれをする事が出来ない

マミはその姿を見て、その男の名前を呼ぶ、そう自分が先程縛り上げ置いて来た男


マミ「…ウルフウッドさん?」


そう、十字架の兵器パニッシャーを持つ男、ニコラス・D・ウルフウッドの姿がそこにはあった



さやかとまどかは間一髪のとこで間に合ったウルフウッドの姿に歓喜する


まどか「ウルフウッドさんだ!」

さやか「待ってたよ!さっすが!」

ウルフウッド「おぅ、待たせたな…」


そう言って、ウルフウッドは片手でいつの間にか捕まえていたキュウべぇをシャルロッテの口の中に放りながら、まどかとさやかに応える


キュウべぇ「…ちょっとまっ…」

ウルフウッド「最後の晩餐や、お前にくれたる…美味いやろ?…ついでにこいつも食ってけや」


そして、そのキュウべぇをシャルロッテの口の中にへと投げ込むのに合わせてウルフウッドは口の中に突っ込んでいたパニッシャーの引き金を弾く

凄まじい超火力の嵐がシャルロッテの口の中に広がってゆく、巨大な弾丸の雨、圧倒的な破壊力

口の中にへと入ったパニッシャーの弾丸はシャルロッテの身体をまるでミンチにする様に破壊してゆく



貫通し飛び散るシャルロッテの肉体、もはやその凶暴に見えた牙でさえも全て吹き飛び欠片も残ってはいない

タバコを咥えたままのウルフウッドはそんな魔女の姿をみながら、魔女の口から外れたパニッシャーの向きを逆さに変える


ウルフウッド「去(い)ね…」


パニッシャーからミサイル弾が発射し、魔女の口の中にへと吸い込まれてゆく


凄まじい爆音と火炎、そして何かが引き千切れるような音、燃え広がる炎はシャルロッテを包み込む


そうして、魔女の身体はおそらくは口に投げ込まれたであろうキュウべぇごと爆散し、跡形も無く消え去った



ウルフウッドは咥えていたタバコを魔女吹き飛んだ魔女の方にと放るとツカツカとマミの方にと歩いて行く


ウルフウッド「…怪我無いか嬢ちゃん…?」

マミ「え…あ……はい…」

ウルフウッド「ほうか…ならええ、立てるか?」


ウルフウッドはそう言って、腰を抜かしているマミに手を差し伸べる、どうした事か彼女はそのウルフウッドの手をジッと見つめた固まってしまった

ウルフウッドはそんな彼女をみながら、ため息を吐き、身体を屈めて彼女に視線を合わせる


ウルフウッド「なんや…どないしたんやお前」

マミ「あの…わ、私…生きてるんですか…?」

ウルフウッド「見りゃわかるやろ?…何言うてるん?」


ウルフウッドはわかっていた、彼女は今まで魔女との戦いにおいて自分が死ぬという状況に立たされた事がない事を…

彼女が死ぬと言う事に今まさに恐怖している事を全部、ウルフウッドにはわかっていた

わかった上で彼女に一体どうしたのかを聞いているのだ



ウルフウッド「…甘ったれるんやないぞ小娘、お前さん…命も張らんと適当な気持ちで化け物相手に戦ってた訳ちゃうやろ?」


ウルフウッドは厳しい言葉を座り込むマミに向かって投げつけた、それはそうだろう、もし彼女が死んだとしたらあの何も力がない二人は一体どうなっていたというのか…

仮にマミが死んでリボンが解けて自分達が間に合ったとしても下手をすれば、巻き添いにあいさっきの魔女に殺されていたかもしれないのだ


ウルフウッド「言っておくがな…人もぶっ殺した事がない小娘が命のやり取りで余裕かますなんて百年早いわ…」

マミ「…………」

ウルフウッド「ワイは最初に言うたで?魔法少女ってのは奴隷やないかって…な、あんな目にあってもまだワイらを信用出来んか?結局、あの白いのはお前が死にそうなのに助けにも入って来んかったやろ…」


ウルフウッドはそう言って、魔女共々燃え屑になったキュウべぇらしき物が居たであろう場所を首で示し彼女に告げる

そうして、身体を屈めて視線を合わすウルフウッドは怯えたままの彼女に悲しげな瞳を向けたままかう話を続ける


ウルフウッド「…一人で戦うのはしんどいか?理想を追って戦うのはしんどいんか? なら、追わんでえぇ…、最初からそんなもん追う必要なんてなかったんや…」

マミ「…え…?」

ウルフウッド「人っちゅうんは不思議な事に一人では生きていけへんのや…お前が一人が抱え込む必要は無いやろ?」


ウルフウッドはそう言って、まどかとさやかの方を見る、彼女達は心配そうにマミの方を見つめていた



あとから来た、杏子とほむらも静かにその光景を見守りながらも安堵の表情をマミの方にと向けている

ウルフウッドは彼女に優しく微笑みながら、最後にこう締めくくる


ウルフウッド「…お前だけやない…魔法少女は…やろ?マミ?」

マミ「……っ!…はい…!」


マミは涙を流しながらウルフウッドにそう応えた、ひどい仕打ちをしたはずの自分をまた優しく迎えてくれる…

本当の友達…暖かい場所

彼女が本当のそれをやっと手に入れたと実感した、その瞬間であった


今回はここまでや工藤!

やっぱりはじめの一歩のブライアンホーク戦は燃えますね!ワイが好きなキャラは勿論、浪速のロッキー千堂武士やで!

そんな訳でスクランを読みつつパソコンではじめの一歩を見るとしよう(至言)

それでは次回をお楽しみに!


ここギャンブラー大杉ワロタwwww、あ、後遅くなりましたがいろんなアドバイスありがとうございます、課金…ありですね…その発想はなかった!


2…っ!圧倒的ギャンブラー…っ!



カイジは迷わずその場所を木曾を連れて向かう、それは女の子と一緒に果たして行って良い場所なのかは不明だが…


カイジ「さて…着いたな…っ!」

木曾「…は…?」


木曾は間の抜けた声を溢し、それを見上げる、パチンコ屋、それは彼女が見た事の無い場所

しかしながらここが、よからぬ場所であるという事は彼女にもわかっていた


木曾「…お、おい…ここって…」

カイジ「パチンコ屋だよ…行きつけのな…息抜きも必要だろ…?」


そう言って、木曾を先導する様に店の中へと入ってゆくカイジ、中は騒音でなり響き、タバコの匂いが充満してる

カイジはとりあえず、のこりの500万からこれの資金を少しだけ削り、木曾とそれを分ける


カイジ「…今日は息抜きだしな…遊ぶ程度でいい……、」

木曾「…それで?どうすんだ?鳳翔には怒られそうだけど…」

カイジ「……決めた…っ!」


カイジはそう言って、パチンコ屋の中で自分の決めた台に座る


ギャンブラー安価、まずパチorスロを決めてください

パチンコ安価なら>>30以上なら木曾が勝ち、安価>>50以上なら両方勝利!

スロット安価なら>>20以上で木曾が勝ち、安価>>60以上で両方勝利!

資金AND木曾の好感度アップ!

二連数字が出れば…!?


安価>>3


ごめんなさい、誤爆です…(苦笑)

こっちのスレも並行でやってるんで…


待たせたで!工藤!

ほんじゃ、ぼちぼち投下していきたいと思います

ま、まさか、自分のスレで誤爆するとは思わんかった(震え声)

沢村いいですね、私も好きです

それではしばしお待ちを



お菓子の魔女、シャルロッテの一件から暫く時間が経ち

ウルフウッドとほむら、杏子と本当の意味で信頼できる仲になったマミは過去を分かち合い、魔女と戦い続けていた

ほむらは今までに無い、未来の形に期待をしていた、今度こそあの魔女…そう、自分が何度も過去を繰り返す結果になった魔女を葬り去る事ができるのではないかと


ほむら(…今回はいける…行けるわ!…きっと魔女も倒す事が出来る)


ほむらは今までの事を思い返す、ウルフウッドに打ち明けた過去、そして、それを盗み聞きしていた杏子も自分に協力的にしてくれる

一度は違えると思ったマミとの関係も修復でき、ここまでは良い流れできている

しかし…残るは一人…


ほむら(美樹さやか…彼女を…)


そう美樹さやか、彼女にもまた絶望の魔の手が静かに忍びよっていた

それを克服しなければならない、今度こそ、まどかを…

ほむらは静かに一人で思案しながら次にくるであろう試練の事を黙り考え込んでいた



ウルフウッド「なぁに難しい顔してんねんお前、」


ウルフウッドは考え込んでいた彼女にそう言って肩を叩いて声を掛ける、

ここは風見町にあるゲームセンター、

杏子の提案でさやかとまどかを連れて今日はこの場所にようは息抜きに来たのだ

クレーンゲームの前ではマミが欲しい人形があると、それとジッと睨めっこをしていた


マミ「うーん…取れるかしら?」

杏子「?おいマミ…なにやってんだ?」

マミ「あ…杏子、いや、取りたい人形があるんだけど…どうしようか迷ってたとこなの」


マミは声を掛けてきた杏子にそう言って、再びガラスの向こうにある人形と睨めっこをしはじめる

人形は数多くあるが、どれもクレーンで運ぶにはマミには難しそうに見えて取るかどうか迷うものであった

それを見かねた杏子はそんなマミの肩にポンと手を置くと振り返った彼女に犬歯を見せる様な笑みを浮かべこう告げる


杏子「ならあたしに任せなよ、ゲームセンターはあたしの城みたいなもんだからな!」

マミ「え!?…ほんと?」

杏子「あぁ!任しとけって!」


杏子はそう言ってマミをクレーン機の前からのかせ、百円玉を入れてジッとクレーンを人形に向かい動かしはじめる



マミはそれを真剣な面持ちで見つめながら、静かに沈黙する

そして、クレーンは人形を掴むとそれを軽々と持ち上げる、どうやって持ち上ったのかはわからないが変な部位にクレーンのアームが引っかかる様な持ち方だ

そうして、ゆっくりと人形はクレーンに運ばれて、ぼとりと取り出し口の中にへとあっさりと吸い込まれていった

眼を輝かせたマミは、取り出し口から人形を取り出す


マミ「…す、すごーい…ほんとに取れちゃった…」

杏子「な?いったろ?…そいつマミにやるよ…大事にしなよ?」


嬉しそうに人形を抱え込むマミに満面の笑みを浮かべ満足そうに告げる杏子

マミは大事そうに人形を抱えたまま、杏子にお礼を述べる


マミ「…ありがとう、杏子…」

杏子「な、何言ってんだ…友達だろ?そう言うの照れ臭いからやめろよ…」顔真っ赤


そう言って、顔を赤くして頬を掻きながら嬉しそうにお礼を述べるマミに応える杏子

それが、おかしかったのかマミはクスクスと笑い杏子はそれに対して視線を逸らしながら顔を赤くしたまま満更でもなさそうに頬を掻く


そんな中、ひとりだけ離れた所でその光景とは別に難しい表情を浮かべるほむら


その彼女が一人だけで離れて難しい顔をして考え込んでいる事をウルフウッドは心配して声を掛けたという訳である


ウルフウッド「そんな険しい顔で何を考えてるかはしらんけども…息抜きっちゅうのも大切なんやで?」

ほむら「え、えぇ…ごめんなさい変な心配させてしまったみたいね」


ほむらはそう言って戸惑いながらも笑みを作り、声を掛けてきたウルフウッドに応える

ウルフウッドは安心した様に息を吐き、首でゲームセンターにいるまどか達を示す



ウルフウッド「ほれ…ガキはガキらしく遊んで来い…!、こんなのはいつまでもあるわけやない、大切に過ごさな後悔すんで?」

ほむら「…えぇ、そうね」


ほむらはそう短い返事でウルフウッドに応えて、促されるゲームセンターの中にいるまどか達の方にと歩いて行く

まどかとさやかはなにやらプリクラというものの前にならんでおり、そこには先程、クレーンゲームの前で遊んでいた杏子とマミも合流する形で立っていた

まどか達は誰かを探しているようで辺りをしきりに見回していた

そして、ウルフウッドと話し終えてゲームセンターの中へと戻ってきたほむらを見つけると元気良く彼女に手を振る


まどか「あ!ほむらちゃん居た!早くこっちこっち!」

さやか「遅いよ!転校生!みんな待ってたんだからね!」


そう言って、ほむらの手を握り急かす様にプリクラ機の前へと引き連れるさやか

ほむらは強引に手を引かれる事に眼を丸くしながらも、彼女達が全員プリクラ機の前にいる事を見ると何をするのか納得した

まどかは彼女に笑みを浮かべたまま、今から自分達が何をするのかほむらに告げ始める


まどか「ほら!ほむらちゃん!みんなで写真とろう!…って言ってもプリクラだけど…」

さやか「中学生ぽくていいだろー転校生?、ほらみんながこうして仲良くなった事だしさ!」

ほむら「…え、えぇ…」

杏子「…こんな事が出来んのは今のうちだけだぜー、ほむら」

マミ「ふふ…皆でこんな風に集まってこんな事ができるなんて夢みたいね?」


そう言って、ほむらを入れてプリクラ機を前にして使う事にワクワクしながら告げるマミ

杏子も連れて来られたほむらに笑みを浮かべたまま、楽しげにそう告げる



まどか「それじゃ皆揃ったし入ろう!」


そう言って、プリクラ機の中へと入る様に皆に促すまどか


とりあえず、プリクラ機の中へと五人で入って行くまどか達、しかしながら少しばかり大人数なのか中は窮屈に感じられる


杏子「…これならニコ兄に写真とってもらう方が…」

さやか「バカ、気持ちの問題だっての!…確かに窮屈だけど…」

まどか「みんなでこうやって撮る事が大切だよね、写真じゃなくて思い出に残る気がするし」

ほむら「そういうものかしら…」


しばらくして、プリクラ機の中から写真を撮るアナウンスの様なものが発声され、まどか達はワイワイと全員でどれがいいのかを決めはじめる

写真じゃなくて、気持ち、この場にいる全員がここに来てよかった楽しかったと頭に残す為の行動

意味は無い、けれど形や行動にそれは確かに残る

プリクラ機の発声音が聞こえて、それぞれ楽しげにピースや笑顔をこぼしそれを撮る

彼女達はプリクラ機の中から出ると早速、その出来栄えを確認する為にプリクラを取り出して他愛の無い雑談をこぼす



ほむら「…へぇ…写真とは違ってなんだか綺麗なのね…」

まどか「あのさ、さやかちゃん、このプリクラに書かれてる、血溜まりスケッチって何?」

さやか「いやぁ…なんとなく天啓が落ちて来た気がして書いてみただけ、後悔はしていない」

杏子「いやしろよ!血溜まりとか物騒でしかないわ!」

マミ「…ま、まぁ、楽しく撮れたしいいじゃない…ね?」


マミはそう言いながらさやかに突っ込む杏子に苦笑いをしながら告げる

なんとなく意味がわかってしまう辺りに全員なんらかの自覚があるのだろうか、多分気のせいだととりあえず彼女達は気にしない事にした

その光景を遠目から見ていたウルフウッドは彼女達に近づき、早速どんな風になったのか訪ねはじめる


ウルフウッド「…おう!どうやった?ちょいと兄ちゃんにも見せてくれへん?」

杏子「えー…兄ちゃんってかおっさん…」

ウルフウッド「なんか言うたか杏子?」ピキピキ

杏子「気のせいじゃね(棒)」


ウルフウッドにそう言って、相変わらず素直じゃない杏子に全員はクスクスと笑みを溢す

そんな、ウルフウッドは杏子に手渡されたプリクラを覗き見ると優しい笑みを浮かべ彼女にこう告げる


ウルフウッド「ほー…綺麗に写っとるな、なんや、お前ええ顔できるやんけ」

杏子「み、見てんじゃねーよ馬鹿!」ゲシッ!

ウルフウッド「痛っ…!脛を蹴るな脛を…!?…ん?ほむらは相変わらず無表情やな、なんや自分二枚目顔を引きつっとるがな」

ほむら「……気のせいよ…」

さやか「ははーん…さては転校生、無理に笑顔を作ろうとしたなぁ…可愛い奴め」

まどか「まぁ、慣れてないとなかなか笑うのって難しいんだよね、わかるよ」

マミ「…うーん、髪型変えてみても面白そうよねこういうの?」


そう言って、全員でワイワイとプリクラについて他愛ない雑談をするまどか達



暫くして、さやかは携帯を確認する様に開き思い出した様に全員で撮ったプリクラを鞄に仕舞うと彼女達にこう告げ始める


さやか「あー…ごめん!見舞いに行く時間だから先に失礼するね」

まどか「…?もしかして」

さやか「うん、恭介の見舞い…ほらこの間CDせっかく買ったしね」

マミ「そうなの?…気をつけてね?」

さやか「うん、ありがとマミさん」


彼女はそう言って、ゲームセンターから駆け出して出て行く、

ウルフウッドは駆け出してゲームセンターから出ていったさやかの後姿を見送り、ゲームセンターに残ったまどか達に向き直るとこう告げ始める


ウルフウッド「…ほんじゃ、行くか…さやかの奴が見舞い行ってもうたしな」

マミ「…そうね、夜に魔女が出るかもしれないですし」

杏子「えー…遊びたんねーぞ」

ウルフウッド「…お前はいつでも来れるやろ?…とりあえずお開きや…」


そう言って、不満を漏らす杏子に告げて今日は帰宅する様に促すウルフウッド

ほむらはそんなウルフウッドの肩をポンと叩いて、何やら真剣な面持ちで全員に聞こえない様に話を持ちかけはじめる



ほむら(…ごめんなさい…少しばかり話す事があるわ…)


ウルフウッドはそれに静かに頷くと杏子達に近づき、自分達より先に帰る様に話をしはじめる

当然ながら、杏子達はそれを不思議に感じ、何故だとウルフウッドに訪ねたが彼はとりあえず適当な理由を付けて上手くそれを誤魔化した


ウルフウッド「…そういうわけやから杏子、先に教会に帰っとれ」

杏子「………」

ウルフウッド「できるだけ、はよ帰ってくるから気にすんな…少しばかり話するだけや」


ウルフウッドが誤魔化した適当な言葉を聞いても、何かを勘づいたのか黙ってどこか心配そうな表情を浮かべる杏子

彼はそんな杏子に優しく笑みを溢し、心配すんなと念を押して告げる


杏子「わかった…早く帰ってきなよ」

ウルフウッド「…おぅ、安心せい」


杏子はウルフウッドのその言葉を聞いて信用したのか、まどかとマミを引き連れてゲームセンターを後にする



そこに取り残されたウルフウッドは話があると告げてきたほむらにへと振り返ると話の内容を訪ねる


ウルフウッド「…んで、話ってなんやねん」

ほむら「少し、場所を変えましょうか…」



見滝原市内、廃ビル


ゲームセンターを後にしたウルフウッドはほむらに連れられてこの場所にやってきた

相変わらず表情がどこか固い彼女はウルフウッドに振り返ると自分が彼を呼び出した話の内容を淡々と語りはじめる


ほむら「…それで、話の内容だけれど…美樹さやかの事よ」

ウルフウッド「…?なんや、あの娘がどないしたんや?」


ウルフウッドは唐突なほむらの話に首を傾げて彼女に聞き返す、

ほむらはそんなウルフウッドの質問に応える意味も込めてか、まず最初に美樹さやかがどうなるのか結論だけを述べた


ほむら「…魔法少女になるわ…」

ウルフウッド「…は?なんでやねん…あの娘、別に叶えたい願い事なんざあらへんように見えたが…」

ほむら「…見舞いって言ってたでしょ?彼女…」


ほむらがそこまで説明すると、勘が鋭いウルフウッドは気がついた、

そう、願い事は今はなくともいずれは自然と現れてしまうそういうものだ、彼女は確か恭介の見舞いと言っていた、ここまでくれば後は簡単に推測がつく

ほむらを前にして話を聞いていたウルフウッドは廃ビルの中に潜んでいるであろう、ある者の名前を口にし呼んだ



ウルフウッド「…おい、白いの…お前なんか知っとるんちゃうか?」


ウルフウッドのその声に首を傾げるほむら、しかしながら暫くして廃ビルの物影から見慣れた白い生き物、表情がわからない無機質なキュウべぇが姿を表す


キュウべぇ「…ふぅ…君は全く勘が鋭いね…」

ほむら「…!?…インキュベーター…おまえ…いつから」

キュウべぇ「最初から聞いていたよ…君達は野蛮な上に攻撃的だからね…」


ほむらはそう告げるキュウべぇに向かいハンドガンを取り出すとそれの引き金に指を掛ける

だが、ウルフウッドはそれを制しする様に彼女に静かな声色でこう告げた


ウルフウッド「…やめい…無駄や、[ピーーー]必要は今はあらへん…」

ほむら「…ッチ……」

キュウべぇ「…ご協力感謝するよ、身体を無駄にはしたくないからね…」


キュウべぇはそう言って、ウルフウッドの前に躍り出る、それを黙ったまま睨む様に見つめるほむら



ウルフウッドはキュウべぇに向かい、先程と同じ様に再度同じ質問を投げかけるそれは『知っているか』、それとも『知っていないか』

知っていなければ間違いなく撃ち[ピーーー]、そういった判断をすでにウルフウッドはしていた

ウルフウッドのそういった性格もやり方もキュウべぇは察しているのだろう、赤い眼差しを彼に向けたまま語りはじめる


キュウべぇ「うん…、彼女には確かに魔法少女になる素質もあるしいずれ赴くつもりではあるよ」

ウルフウッド「契約…か…、まぁ…ワイらがいくら言うても叶えたい願い事があるんやったら…止める理由はあらへんな」

ほむら「ちょっと!?」


ほむらは声をあげて、キュウべぇが契約し、更にさやかの魔法少女になる事を止める意思がなさそうな返答をするウルフウッドの方を驚愕の表情を浮かべ向く

だが、彼はほむらに背を向けタバコを取り出して火をつけると、それに続ける様に言葉を紡ぎはじめる


ウルフウッド「…だかな、願い事にもいろんなものがあってな…後悔する願い事と後悔しない願い事ってのがあんねん…さやかのやつはどっちにするのか…それだけや」


ウルフウッドのその言葉は彼女が後悔する様な願い事ならば止めるが、そうでないなら止めないというもの

願い事自体、選べるだけありがたいというものだ、それが間違った選択であっても自分の責任

願わくば契約せずに己の力でどうかした方がいいに決まっているのだ、生死の境、もしくは魔女になるという宿命を背負う事になるなら…

ウルフウッドはとりあえず、ほむらの方に振り返り、彼女に忠告する様に告げ始める



ウルフウッド「言うとくが…ほむら、ワイは正義の味方ちゃうで…あの教会かて、何人か人間始末した上で成り立っとるものや…始末したのは罪人やが…人間には違いない…」

ほむら「…!?ど、どういう…」

ウルフウッド「杏子が言うとったろ?ヤバイ仕事、ありゃ何個かは人殺しや…、犯罪人ぶっ殺して金もろうてたんや裏のルートからな…そういうツテを使ってな…連続殺人犯や薬の売人とか…」


空いた口がふさがらないと言うのはこの事だろう、いくら罪人といえど、いくらお金が必要といえどこの世界で殺人を犯しているなんて聞いてはいない

ほむらは裏切られた気分だった、ウルフウッドはそんな彼女を悲しげな瞳でまっすぐに見る


ウルフウッド「…必死やったからな…時間もない、それが最善やったからやった…けれど今は後悔してるわ…」

ほむら「貴方は…自分の友人を…!?」

ウルフウッド「あぁ!裏切ったわ!…ワイはトンガリやない、命の大切さは知っとるがな…けどな引けない時はある…っ!人間やからな」

ほむら「…でも!貴方は私達を救ってくれた!佐倉杏子を!巴マミを!なら今度だって!!」

ウルフウッド「…契約するかせんかはさやか自身の問題や…ただ、ほむら、魔法少女の事情はあいつには話とれ…包み隠さず全てな やないとあいつは間違いなく願い事自体に後悔する…なにより魔法少女になる覚悟すら出来へんからな」


魔法少女が魔女になる事を知っているのはウルフウッド、杏子、ほむらだけ、

この衝撃の事実をマミに伏せているのは彼女の精神に関わる上に下手をすれば彼女が魔女になる可能性があるからだ

けれど、さやかには今回話せとウルフウッドはほむらに伝えた、これは少しでも魔法少女になる事に対する覚悟と責任を知らせる為

それで、例え魔法少女に彼女がなったとしたらそれは彼女自身の責任であり、過失である



ウルフウッドは合理的に物事を判断していた、その事をほむらは理解したのだろう、彼女は静かに押し黙った


ウルフウッド「…魔法少女に仮にあいつがなったとしたら、ワイは魔女になる様にはせえへんようにできるだけ力になる…」

ほむら「…それで…それでも、もし美樹さやかが魔女になったら!?貴方はどうするの!!」


ほむらは知っている、魔女化した美樹さやかを止める為に佐倉杏子が命を懸け死んで行った事も…だからこそ、今回は強く警告する様にウルフウッドに言える

ウルフウッドを信頼しているから、例えこの世界でも誰かの為に知らないところで殺人を犯していたとしてもそれは悪と決めつけられるものではない…

ほむらにとってウルフウッドは既に掛け替えのないピースの一つであり、自分を打ち明ける事が出来た人間なのだから…

ウルフウッドはそんな彼女の表情や心情を察してか、既に自分の中で決着をつけている事柄を彼女に告げ始める


ウルフウッド「…そん時は…ワイが…それを始末する…それだけや」


暗闇の中に光る月は、彼を包む様に照らし、そして、静かな風が頬を掠める様に過ぎていった…


今回はここまでやで!工藤!

さて次はさやかちゃんですやん…(白目)
虚淵と井上がどうやらアップを始めたようです

結構長めに今回は投下してみました、まぁ、ストックにはまだ余裕あるし(震え声)

シュタインズゲートの映画借り出しできるかなぁ…ちょいと近くのTSUTAYAにいって見てこよう(使命感)

それではまた次回お会いしましょう!

じゃあの!工藤!



ちなみにsagaっていれたらどうなるんや?工藤?

試した事がないのでわからないのですが


そうなんですか!ご助言感謝です!

伏せ字には何かと困ってましたからありがたいですね、次からありがたく使わせていただきます!


ありがとうございます、感謝です

ぶっちゃけ今までsageしか使わなかった私にはありがたいです、ここまで書き込んでおいでなんですが

おおきにな!工藤!



待たせたな工藤!

それじゃぼちぼち投下していきたいと思います

最近寒くなってきてつらいですな、冬眠しようかしら…


翌日、見滝原病院


ほむらは一人、病院を訪れて上条恭介のいる病室から出てきたさやかと早速、コンタクトを計った

上条恭介の見舞いを終えたさやかは病室の扉を開けて、病院の廊下を歩いている

ほむらはそこに自然と待ち合わせる様にして彼女の前に現れた、勿論、これは前日に連絡をいれている為あやしまれるという事はない


さやか「ごめーん結構待った?ほむら…」

ほむら「…いえ、大丈夫よ…それじゃ話したい事があるから場所を変えましょうか」


ほむらはそう言って、さやかを病院の屋上に連れ出した、ここなら人も少ないし話の邪魔も入らない

昨日、ウルフウッドと自分の前に現れたキュウべぇは今頃、彼に捕らえられて今晩の教会の晩餐になってるだろうし出現の心配は皆無だ

屋上にさやかを連れ出したほむらは彼女の方に向き直り、まっすぐに瞳を見つめる



さやか「…そんなにジッと見詰めてどうしたのさ?それで話って?」

ほむら「さやか…貴女に今から魔法少女に関する重大な事を話すわ…」

さやか「え…?な、何?改まっちゃって…」

ほむら「私は…貴女が大切な友達だし、まどかや皆を悲しませたくないから…さやか…貴女に教えるの…いい?」

さやか「何か…重大な事…らしいね…それ」


真剣なほむらの面持ちに何かを感じたのかさやかはそう彼女に告げる、そう、これは重大な事であり避けられない真実

しかしながら、魔法少女に憧れる彼女達にとって、そして、魔法少女である自分達にとっても信じたくない宿命の話

ほむらはそう釘を刺す様に口外をしない事をさやかに確認し、ゆっくりと己の口から自分がさやかに伝えるべき事を重い口ぶりで語り始めた


ほむら「それじゃ…話すわね…さやか…────」


ほむらはさやかに一から教えた、キュウべぇが実は自分達を魔法少女にするのはエネルギー吸収をする為、

魔法少女が結果的に魔女になり、人々に最悪を降り注ぐ存在になるかもしれない可能性があること

魂は既に肉体には無くなってしまい、自分のソウルジェムに全て移ってしまう事、それら全ての事柄をわかりやすく、そして漏らさず全て彼女に伝えた

その話を聞いていたさやかは愕然とし、信じられない信じたくないといった表情を浮かべている



さやか「…嘘でしょ…?それ…?」

ほむら「ほんとの…事なの…なんらな証明しましょうか?…ウルフウッドさんに私のソウルジェムを渡して検証すれば一発でわかる」

さやか「そ、それじゃ…魔法少女になるのって…」

ほむら「…考え通りよ…ウルフウッドさんが言ってた通り、家畜…奴隷…、ゾンビ…、いろんな言い方があるでしょうね…」


ほむらはそう言って、ただ、魔法少女の真実を知って震えるさやかから視線を逸らし、屋上から見える夕日に視点を移す

そして、彼女にほむらはその夕日を眺めながら、さやかに静かに語りはじめる


ほむら「…契約をするなら…無理には止めない…けど、それは全部貴女に返ってくる…好きな人に好きと言えず…家族にも話せない…絶望し…魔女になれば…それで終わり」

さやか「………ッ!?」

ほむら「…責任は全て貴女にある、私や杏子、マミはみんなそうして魔法少女になった…マミはこの事実を知らないみたいだけど…多分、じきにウルフウッドさんが話してくれるでしょう」


ほむらはそう言って、さやかの方に再び、視線を戻し彼女を再び真剣な眼差しで見つめる



さやかは震えたまま口を固く閉ざし沈黙している、やはりこの事実は彼女にとって相当ショックだったのだろう…

ほむらはそんな彼女にそっと手を添えて、そして優しく笑みを溢した


ほむら「…私達はやむおえず魔法少女になった娘ばかり…でも貴女は選べる…後悔しない選択をしなさい」

さやか「ほむら…あんた…」

ほむら「…魂の在りどころが変わっても…心まで無くなるわけじゃないから…」


ほむらのその言葉にハッとした様な表情を浮かべるさやか、

そう今自分が思った、身体に魂が無いから人間じゃないという勝手な思い込み決めつけはいままで人々を魔女から守る為に戦ってきたマミ達を否定する事になる

笑って、泣いて、喜んで、魔法少女としてソウルジェムに魂を移していたとしても彼女達はそれができる…人としてちゃんとした確立されたモノを持っているではないか…と

さやかは添えられたほむらの手をそっと外すと、安心した様な笑みを溢し、彼女にこう告げはじめる


さやか「…うん…そうだよね…魂が無くても心は…」

ほむら「さやか…私は貴女が叶えようとする願い事と向き合った時に…それを後悔しないように今日知っている全てを話したわ…それでも…すると言うなら止めないし…それは私の決めた事じゃなく貴女が決めた事」

さやか「うん…言いたい事はわかるよ」


さやかはほむらの言葉に静かに何度も頷く、そう、彼女はこの病院にいる上条恭介の手が治る様にそう言った願い事を胸に閉まっているのをほむらは知っていた

さやかもそれを察したのだろう、心配そうなほむらの表情をみて自分が思い描くその願い事を…


さやかは笑みを浮かべ、ほむらの方へ振り返ると、言葉を紡ぎはじめる

それは、魔法少女について知っている全ての事を自分に忠告する様に話してくれたせめてもの感謝の言葉

さやか「…ありがとう…話してくれて…、うん、ちゃんと考えてから決めるわ…」


これで、ほむらにすべき事は全て尽くした、契約するかそれともしないか、後は全て彼女の責任

できればして欲しくは無い、けれどそれを決めるのはさやか自身、ほむらはやるべき事を尽くした

そう、それが例え最悪の方に転がろうとも…それは彼女が選んだ結果なのだから…



夜、静けさが冴え渡る暗闇の街


一人の男はビルの間を駆け抜けてその暗闇の中を這いずり回る様に逃げ惑う、

その眼は何かに怯え、自分を追うそれから逃れる為に必死に足掻いていた

その姿はまるで、獰猛な肉食獣が持つ牙から逃れようとする野生のシカである

暗闇に光るその眼差しは男の姿を捉え、凍りつく様な寒気が逃げ惑う男の身体を襲う


「往生際が悪いなぁ…えぇ加減諦めたらどうや…」

男「か、金なら払う!だから見逃してくれ!頼む!娘と妻がいるんだ!」


やがて逃げ場を失ったそのシカはまるで生命を奪われまいと足掻き逃げる様に自分を追い詰めたその者に命乞いをする様に告げる

男は大事そうに鞄を抱えており、それを守るように自分を追い詰めたその者に命乞いをする

だが、それはその男にとって嘘か本当はわからない…、いや例え、それが真実であっても男の結末は変わらなかっただろう

やがて、風は止み…男は息を潜める

そうして、その暗闇の中から一人の黒服に身を纏った男がスッと現れた…



背中には大きな十字架を背負い、眼にはサングラスを掛けている、しかし、そのサングラス越しから覗く眼差しはまさに狼の様な寒気がする鋭い眼差し…

黒服の男はタバコを咥えながら、ゆっくりと逃げ場を失ったその男に近づいてゆく

彼は黒服の懐の中から、あるものを取り出すとそれを迷うことなく男の頭につける

それは、銃と言う名の獰猛な牙…、シカを噛み殺す為の研ぎ澄まされた凶器

男は最期の足掻きと知りながらも銃を突きつける彼にこう告げる


男「…せめて!…せめて私に懺悔をする時間を…!」

「そんなもんはない…おんどれが殺した小さい子供のとこ逝ってから詫びて来い…」


そう、冷たい眼差しのまま黒服の男は告げると指に掛けている引き金をなんの躊躇も無く引き抜いた



パァンという銃声と共に男の頭は吹き飛び、血痕が辺り一面に吹き飛ぶ…、

そして、黒服の男の目の前には身体は力無く倒れる頭が吹き飛んだ哀れな男の死体、その頭は吹き飛び…血溜まりが彼の足にへと伸びる


黒服の男の身体は返り血で汚れながらも、冷徹な眼差しでその動かなくなった死体を確認する様に静かに見つめていた


そうして、その場から立ち去ろうとする黒服の男、しかしながらその時、先程、頭を吹き飛ばした男が大事そうに抱えていた鞄の中身が飛び出す様に出ているのが視界に入りその足を止める

飛び出ていた物、それは手紙と丁寧に包装されたプレゼントであった

黒服の男はその手紙を開き、血に濡れた中身を確認する様に眼を通し読みはじめる

そこには先程の男が自分の娘に充てた誕生日プレゼントの事と、自分が犯した罪に対する懺悔の事が綴られていた

彼はわかっていたのだ、自分が間違いを犯している事に、しかし、自分の娘の為にそれを殺ってしまった

彼が殺した小さい子供は小学校で彼の娘を虐めている子供達である事と…そして自分の子供は何度も家で泣いて、更に死にたいと呟いていた事…

そして、最後に彼はこのプレゼントを渡して警察へ自首すると書き足してあった


黒服の男は、震える様に拳を握りしめ近くにあった壁を思い切り殴りつける


「…なんでや!…なんで…こんな事しよったんや!…このアホウ!」


殴りつけた壁から拳を引き抜き、力無くそう呟くとその場でドサリと膝をつく黒服の男

そう、自分が殺した相手はただの殺人者…社会からしてみれば完全な悪人

死体となった男の事情は知らない…しかし、死体となった彼は自分の娘を助けたい一心だったのだろう…だが、そのやり方を間違えた

その事を悟った男は自分の罪を認めて償おうとしていた、だが、その機会を黒服の男は奪ったのだ

それに気がついた彼の狼の様な眼差しは虚ろなそれに変わる



そうして、彼の見ていた周りの景色は変わった、それは漆黒の暗闇の中

彼の右手には血塗られた拳銃、そうして眼の前に広がるのは幾つもの屍と赤い血の海

そこに、ある声が黒服の男の元に聞こえてくる…それは殺意と禍々しい悪に満ちた声


『ニコ兄…また人を殺したんだね…』


黒服の彼はその言葉に顔を上げる、それは自分の弟分でもあった者の声

だが、それは責める様に彼に問いかける、その言葉は黒服の男にはとても重くそして辛い言葉であった

顔を上げた彼の視線の先、そこには見た事のある顔があった、自分の記憶の中にあるその面影と顔

黒服の男は震える様な声でその名を呼ぶ



「…お前…リヴィオ…か?」

『…ふーん…ニコ兄には俺がそう見えるんだ…』


だが、次の瞬間、眼の前にいた記憶の中にあった少年の身体が変化してゆく、それは凄まじい殺気と禍々しい邪悪

そして、彼が最後に対峙したあの者の姿、過去がまるで迫り来る様な錯覚…

その邪悪な者の手は黒服の男の首を掴み顔を近づけるとこう告げる


「…かはっ…おんどれ…ラズロ…か…!」

『…過去は清算なんざできねーよ…』


そうして、その者から首を掴まれた黒服の男はまるでギリギリと音を立てる様に締め上げられる

悪夢、そう言わざる得ないもの

そうして黒服の男の身体から力が抜けて、意識が遠くなりそして彼の瞼がゆっくり閉じる

ガバッ!という、ベットから身を慌てて起こす様に彼の眼はそこで起きた、

ここは風見町の教会、

ニコラス・D・ウルフウッドは滝の様な汗を掻き、息を荒げ、鳴り止ま無い心臓に手を起きながら呼吸を整える



ウルフウッドは震える手を口に添えて先程の夢を思い出す、そう、それは罪であり懺悔の記憶


ウルフウッド「…ハァハァ…嫌な夢を見てもうたな…」


ウルフウッドは悪夢を思い出しそう呟く、だが、あれは真実も含んだ実に現実味がある夢であった

頭を抑えて、震える手を片方の手で押さえつけて震えを無理やり止める


ウルフウッド「…情けないな…全く…夢の一つや二つぐらいで…」


静かにそう呟きながら瞼を閉じるウルフウッド、すると、部屋の向こう側のドアから二回ほど軽くノックする様な音が聞こえてくる

そうして、ウルフウッドは一言だけそれに入る様に促すと部屋の扉が開き、扉をノックをした人物が心配そうな表情を浮かべて彼の部屋に足を踏み入れた


杏子「…大丈夫か…?ニコ兄…」

ウルフウッド「なんや…杏子かいな…どうしたんや」

杏子「…いや…ニコ兄の部屋からうなされる様な声が聞こえてきたから…起きちまってよ…」


そう言って、杏子はウルフウッドのベットのそばまで足を進めると腰掛ける様に座り不安げな表情のまま告げる



すいません今から出るので一旦切りで

今回はここまでや工藤…

さて、時間があればベルセルクでも友達から借りてくるとしますかね

また次回お会いしましょう!


ぼちぼち投下はじめるで!工藤!

ベルセルクの映画は面白かったですねぇ蝕なんかきたら絶望しかないじゃまいか

皆さんカラオケでは何を歌いますか?私はワージです(嘘)

それでは暫しお待ち下さいませ



ウルフウッドはそんな彼女に心配するなと一言だけ、告げるとワシワシと力強く頭を撫でた


ウルフウッド「…お前がそんな心配する事やない…ワイかて…そんなやわな身体はしとらんからな」

杏子「…でもよ…」

ウルフウッド「アホウ…、そんな顔すんなや…」


そう言ってウルフウッドは優しく杏子に微笑み、告げる、きっと彼女は恐れているのだろう自分との別れを…

あの日、確かにウルフウッドは杏子に自分の生命は長くないという事を告げた、けれど、それは彼女に自分の同情を引く為じゃない、

自分が居なくなり、自分が居なくなった教会の子供達を護ってくれる様に決意させる為だ

けれど…それはやはりこの年の少女には酷な事なのだろう、それに杏子の家族の事を考えればそうなるのは仕方ないと言える

杏子は少しだけ、照れ臭そうに顔を逸らしながら、自分の頭を撫でるウルフウッドの手にそっと自身の手を添えてこう告げる


杏子「…しょ、しょうがねーから…あたしが隣で寝てやるよ、そうすりゃ少しは安眠できるだろ?」

ウルフウッド「…なぁに言っとるんやお前…別にワイは一人でも…」

杏子「……頼むよ、ニコ兄」


そう言って、まるで捨て猫の様に身体を縮こめて告げる杏子、ウルフウッドは何かを悟った様に瞼を閉じてため息を吐く



ウルフウッドはそんな彼女に心配するなと一言だけ、告げるとワシワシと力強く頭を撫でた


ウルフウッド「…お前がそんな心配する事やない…ワイかて…そんなやわな身体はしとらんからな」

杏子「…でもよ…」

ウルフウッド「アホウ…、そんな顔すんなや…」


そう言ってウルフウッドは優しく杏子に微笑み、告げる、きっと彼女は恐れているのだろう自分との別れを…

あの日、確かにウルフウッドは杏子に自分の生命は長くないという事を告げた、けれど、それは彼女に自分の同情を引く為じゃない、

自分が居なくなり、自分が居なくなった教会の子供達を護ってくれる様に決意させる為だ

けれど…それはやはりこの年の少女には酷な事なのだろう、それに杏子の家族の事を考えればそうなるのは仕方ないと言える

杏子は少しだけ、照れ臭そうに顔を逸らしながら、自分の頭を撫でるウルフウッドの手にそっと自身の手を添えてこう告げる


杏子「…しょ、しょうがねーから…あたしが隣で寝てやるよ、そうすりゃ少しは安眠できるだろ?」

ウルフウッド「…なぁに言っとるんやお前…別にワイは一人でも…」

杏子「……頼むよ、ニコ兄」


そう言って、まるで捨て猫の様に身体を縮こめて告げる杏子、ウルフウッドは何かを悟った様に瞼を閉じてため息を吐く



多分、自分に父親を重ねてるのであろう…家族が心中し、自分を育ててくれた優しく真っ直ぐな父親の背中、そして面影…

ウルフウッドはそんな杏子の言葉を無下にはできなかった、彼女の心の安らげる居場所…それは今、紛れもなく自分という存在だけ

杏子には友達は確かにできた、けれどそれとは別の温もり

ウルフウッドは折れる様にこちらを真っ直ぐに見つめる杏子に諦めた様に告げる


ウルフウッド「…勝手にせい…ワイは寝る…」

杏子「…言ったな?おい!ゆま!寝ていいってよ…!」

ウルフウッド「!?…なんやて?」


そう、応えたウルフウッドの言葉を聞いた杏子は響かないほどの声で扉に向かいそう告げる

すると、扉がゆっくりと開き、そこには杏子から名前を呼ばれた少女、ゆまが熊の人形を抱きかかえてウルフウッドの前に姿を現した

流石に杏子だけと思っていたウルフウッドもこれには眼を丸くする


ウルフウッド「…なんや、ゆま、お前も寝れんのかい…」

ゆま「…うん」

杏子「……寂しいらしくてな…な?別にいいだろ?」

ウルフウッド「…はぁ…好きにしたらええやろ…」


そう言ってウルフウッドはベットに横になる、杏子に手招きされてウルフウッドの前に割り込む様にゆまが、そして、彼の背中に杏子が入るようにしてベットに横になった

いわゆる川の字、というやつであろう、ゆまはウルフウッドの懐に潜る様に抱きつく



ゆま「…ニコお兄ちゃんあったかーい」

杏子「へへ、本当かよ?んじゃあたしも!」

ウルフウッド「……ガキやな…ほんまに……」


ウルフウッドは喉から出かかった言葉を飲み込み、優しく自分に抱きつくゆまの頭を撫でながらそう呟く


…なぁ…トンガリ…ワイは…やっぱ間違ってたんかな…?こいつらの笑顔護る為…人…殺したんは…

…けどな…ワイは…鬼になるで…それで……護れるものが護れるんなら幾らでも鬼になったる………それが…生きてる間のせめてもの償いや…


ウルフウッドが彼女達に言おうとした言葉、それは感謝の言葉

ただ一言、『ありがとう』と…けれどそれは彼の心の奥と覚悟の中に静かに仕舞い、

強くて優しい狼は静かに瞼を閉じて、再び深い眠りにつくのであった



次の日、見滝原中学屋上


そこで佐倉杏子と美樹さやかの二人は互いに笑い合いながら、他愛ない雑談をしていた

まどかは保険委員の仕事で保健室におり、ほむらとマミは共に魔女狩りに出掛けており、適当な理由をつけて早退していた

よって、今は杏子とさやかは二人だけ学校に残っているという訳である、

普段から席が近いのもあって二人はとても仲が良く、さやかは良く杏子に幼馴染の恭介についての相談もしていた

杏子も杏子で、自分と共に住んでいるウルフウッドの話をさやかにいつも楽しそうに話す


杏子「…でよ~実はなんだかんだであたしあのQBが入った鍋三回以上は食べてるんだぜ?信じられるか?」

さやか「あはははは!?んじゃ!あんたウルフウッドさんに騙されてたんだ!」

杏子「そう、ウサギ鍋って言われてなー…味がうまかったから気づかねーのよこれが…」

さやか「うわぁ…、ほむらもマミさんもうまかったって言ってたしねー…、わからんでもない」


さやかは杏子の言葉に顔を引きつらせながら、そう答える、確かに目の前で喋るキュウべぇみたいな生き物をその日のうちに撃ち殺して鍋にして食べるという発想は常人なら普通は思い浮かばないし、

杏子やさやかの年頃の女の子にしてみれば、魔法少女にしてくれるあの奇妙で無機質な生物を口にするというのは抵抗でしかない

杏子はがっくりと項垂れながら、ため息を吐き、話を仕切り直す様にさやかに対する話題を変える



杏子「…そういや、さやか…あんた上条とかいう奴とはどうなんだ?…うまくいってんのかい?」

さやか「だから…あたしと恭介は幼馴染だって…、ん~…ちょっと最近はなんかギクシャクしてるかな…腕の事もあって…」

杏子「…そっか…」

さやか「てか、あんたこそウルフウッドさんとはどうなんだよ?…なんかいい感じ?」

杏子「…バッ!…お前!…ニコ兄はそんなんじゃ…」


そう言って、話を切り返して質問を投げかけてきたさやかに慌てたように顔を赤くして応える杏子、

ははーん、と勘の鋭いさやかはそんな杏子の表情を見て納得したように声を出す

そのさやかの言葉に杏子は顔を赤らめて、不機嫌そうに彼女が何を考えているかを訪ねる



杏子「…な、なんだよ…」

さやか「なーんだ…あんたもそんな感じなのか…」

杏子「だ、だからなんだよ!気になんだろ…」


さやかはそんな杏子の気になるようにこちらの話を聞きたそうな表情の彼女をジッとみると確信した様に杏子に告げる

その表情はどこか素直になれない自分と杏子を重ねた様なそんな面持ちであった


さやか「…あんたウルフウッドさんが好きなんだねぇ…」

杏子「…ち、ちげゃう!」

さやか「噛んでる噛んでるから…」


慌てた様に顔を真っ赤にして自分に反論する杏子をなだめる様に苦笑いしながら告げるさやか

杏子は噛んだ舌を抑えながら涙目になり、さやかを相変わらず顔を赤くしながらジッと睨む

そんな杏子に顔を引きつらせながら、改めて彼女にさやかはこう話を続けはじめる



さやか「…チャンスは無駄にしない方がいいって、あんたは幼馴染とかそんなしがらみないんだからさ」

杏子「その、ニコ兄はあれだよ、兄貴みたいな意味での好きだからあたしは…」

さやか「あんたも強情だねぇ…あたしと一緒で…」ボソッ

杏子「ん…?なんだって?」

さやか「なんでもないっての」


ボソリと聞こえないほど小さな声で呟くさやかの囁きが微かに聞こえたのか聞き返す杏子

しかし、さやかはそんな杏子に照れ臭そうにそっぽを向きながらなんでもないと告げる

さやかは杏子の方に再び振り返ると、ため息を吐いて、改めてウルフウッドについて述べ始めた


さやか「…まぁ…あたしが口に出すのはいいのか分からないけど…早くしないとほむらに取られちゃうかもよ?ウルフウッドさん」

杏子「…は、はぁ?なんでほむらの名前がそこで出んだよ!」

さやか「…だってみたら分かるでしょ?…ありゃ、間違いないね、さやかちゃんの乙女センサーがそう言ってる」

杏子「…ぐ…で、でもあたしには関係ないね!?…ニコ兄はニコ兄のままだし…それで構わない」


杏子はそう言って、さやかから視線を逸らして屋上からの景色を眺めながら彼女にそう告げる



本当なら、ここで突っ込んでガツガツとさやかは杏子に言うべきなのだろう

しかし、彼女は杏子のその言葉に何故だか分からないが妙な納得をしてしまった

そう…自分は他人に言える立場ではないのもわかるし…なにより、杏子のその言葉が自分にいつも言い聞かせている言葉の様に思えたのだ

さやかはゆっくりと口を開き、自分から視線を逸らして屋上から景色を眺める杏子にこう呟く様に言う


さやか「…そりゃ、そうだ…、思いが伝わらなくても…変わらないよね…」

杏子「……?…さやか?」


静かにそう呟くさやかの言葉に首を傾げて、眼を丸くする杏子…

この時、彼女の中で大事なピースが外れるような音がした、そうそれは無理矢理な納得、自己完結

何かが崩れ去る様に…微かにこの時、彼女の中に言い表す事の出来ない心のヒビの様なものが生じたのだった



今回はここまでやで!工藤!

まどまぎを見直してやっぱり面白かいと思いましたね改めて(NG集)

映画の方も私、続きが気になります!

仕方ないから、まどまぎのおさらい映画を見る事にしよう

あと、連投してしまいました、見にくかった方すいません

それでは次回、また会いましょう!





それじゃ投下するで!工藤!

今回はそんな長くないかもです申し訳ない

書き溜めが少なくなってきたので書き溜めないといけませんね(使命感)

それでは暫しお待ちください



さやかと杏子との会話から数日後


ここは見滝原にある病院にある一室、上条恭介はいつもの様に耳にイヤフォンを付けて音楽を聞いていた

今の自分では弾けないクラシックの音楽、燻る感情を抑える恭介

だが、来る日も来る日も、幼馴染のさやかはこんな自分にクラシックのCDを持ってくる

彼女が持ってくるクラシックのCDを聞くなり自分がなんだか惨めなようで、でも彼女の純粋な良心を傷つけたくはないそんなジレンマがいつも彼を揺さぶっていた

偽善は時には悪となる、それと同じ事、自分はこんなのを望んではいない


恭介「…また…持ってくるんだろうな…ベートーベンか?…それともバッハ?…どうでもいいか…」


恭介は窓の外にいる小鳥を眺めながらそんな事を呟く、そう、自分はクラシックを聞くだけ…出来ないから

ヴァイオリンを弾いて曲を奏でる事を自分は出来ずにただいつものように音楽を聞き流すだけ



けれど、ヴァイオリン以外の事が見つからない、だから、どうしていいか恭介自身でもわからなかった


恭介「……僕は…」



同時刻、同じく病院内…


ウルフウッドは見滝原の病院の診察室にいた、保険証を発行しいろんな手続きを済ませた彼は気休めと知りながらもここに通院する患者の一人である

彼の担当医は当初、彼の身体に施された人体改造、および、通常の人間とは思えないそれに驚いてはいたが、

ウルフウッドの説得やいろんな知り合いのツテで紹介されたある種、特別な医師であった為に彼の人体の情報が外部に漏れるという事は無かった

そうして、現在も彼に身体を診断してもらい、通い詰めていると言う訳である



ウルフウッド「…そんで、先生…身体の方は…」

医師「…んー…進行、早いね…このままだと…良くて半年持つかどうか…」


ウルフウッドに重い面持ちでそう告げる医師の表情は暗く、大した手の打ちようが無い事を物語っている

そう、病気ではない、薬の副作用や人体改造、それらによって生じた代謝の促進や、超回復の代償

それは、簡単に抑える事ができるものでは無く、下手にウルフウッドが処方した薬を飲めば身体の中で何が起こるのかわかったものでは無い

下手をすれば何かの拍子に有害なものに変化し即死もありえる、医師は彼の身体については、

ウルフウッドが使用した薬の副作用の進行状況、もしくは身体の異常の詳細を彼に告げてあげるしかなかった

ウルフウッドは仕方ないと肩を竦めてため息を吐く、自業自得、前からのツケが今に回って来たのだと割り切る


ウルフウッド「…ま…知ってたけどな…、あいつらと居られる時間が少しでもあるだけましや…」

医師「…すまんな力になれんで…」

ウルフウッド「えぇねん…気にすんなや先生…」


ウルフウッドはそう言って、診断室の椅子から立ち上がり担当医に優しく微笑みながら告げる



自分の事を助けたいと思う医師の気持ちはウルフウッドにも分かる、けれど、その方法は見つからない、仕方ない事だ

人を殺めて、そして赦しを請い、自分が奪ったモノは遥かに尊いもの…

きっと、その清算が出来ない事はウルフウッド自身が良くわかっている、だから、自身の死も前よりすんなり受け止める事ができた

ウルフウッドは診察室の為に脱いでいた黒い牧師の服を整える様に羽織り、診察室の扉に手を掛ける


医師「…ちょっと待ってくれないかウルフウッドさん?」

ウルフウッド「…ん?なんやねん?まだなんかあるんか?」


…とその時、医師から声を掛けられウルフウッドの手はドアノブに掛かったまま振り返り首を傾げて訪ねる

診察は終わり、ウルフウッドには長居をしている理由が無い当然の事だ

すると、医師はウルフウッドに申し訳なさそうに頬を掻き、何やらお願いする様にこう語りはじめる


医師「実は…──────」



それから、ところ変わって再び上条恭介がいる病室に戻る

彼は何かをするわけでも無く静かにクラシックに耳を傾けたまま、何処か遠くを眺める様に窓から外を見ていた

そうして、そんな事をしているうちに彼の病室のドアを二回ほどノックする様な音が聞こえる

恭介は音が聞こえたドアの方に向かい入室する様に促す


恭介「開いてますよ、どうぞ…」


そう恭介が告げると病室の扉が開き、黒服の男と医師が彼の視界の中に入ってきた

恭介はその光景に首を傾げる、医師が自分の病室に入ってくるのはわかるが、全く面識の無い黒服の男の方は全くと言っていいほど知らない

医師はそんな恭介に笑みを溢しながら自分の隣にいる男について恭介にこう告げる


医師「牧師のウルフウッドさんだ」


よく見れば、牧師の格好をしている、一見すれば柄の悪いお兄さんであろうから、医師に言われ良く見て確認するまで恭介にはわからなかった



恭介は医師に訪ねるように、隣にいる牧師について話をしはじめる


恭介「…それで、その牧師さんが僕になんの用ですか?…」

ウルフウッド「…なんや、ずいぶん息苦しい病室やのぉ、…ワイは牧師のウルフウッドや、よろしゅうな」

恭介「…紹介はさっき聞きました、用件は…?」


何やら、疑惑の眼の様なものを恭介から突きつけられ、気まずくなったのかウルフウッドは医師の方に助けを求めようと隣に振り向く

しかし、そこには自分を連れて来た医師の姿は無くウルフウッドを一人だけ置いてとっと病室から出て行っていた

ウルフウッドは自分だけ、病室に取り残した医師に青筋を立てる


ウルフウッド(…逃げよったなぁ…)

恭介「?……」


話を一向にし始めないウルフウッドに首を傾げる恭介、

諦めた様にウルフウッドはため息を吐いて、恭介に自分が何故この病室に来たのか告げはじめる


ウルフウッド「…はぁ…まぁええわ…さっきの医者な…、なんや辛気臭いガキがおるから、なんか話をしてやってくれ言うて、ワイはここに連れて来られただけや」

恭介「辛気臭い?…僕の事ですか…?」

ウルフウッド「さぁ…?ここにワイが連れて来られたっちゅう事は
そう言うことやろうな」


ウルフウッドは恭介の質問に肩を竦めながら応える、彼ね言葉を聞いた恭介は何か思うところがあったのか、下を向いて俯いた



その様子を見ていたウルフウッドは黙って彼が口を開き、話し出すのを静かに待つ

恭介は暫しの間、沈黙した後に口を開きウルフウッドに淡々と話をしはじめた


恭介「…貴方…牧師さん…でしたよね?」

ウルフウッド「…せやな…まぁこのなりやし良く勘違いされるが…」

恭介「…そうなんですか…、それじゃせっかくあの医者の人が連れて来て貰ったんだし、…僕の話を少しだけ聞いてくれますか?」

ウルフウッド「……わかった、聞くだけ聞いたるわ…」


ウルフウッドはそう言うとドカリと恭介のベットの近くにある椅子に腰掛けて座る

恭介は話すだけ話したらどうせ、終わってウルフウッドが帰るだろうと思っていた、別に隠す事でも無いし、何より何もしないまま、ウルフウッドを自分の病室から叩き出すのは彼を連れてきた医師に申し訳ないかなと思っただけだ

ようは気まぐれというやつである、病室にいる間も暇だし変わりは無い

そうして恭介は何も嘘をつくことなくウルフウッドに自分が何故入院しているのかを全部語った、

事故によって指が動かなくなり、やっていた大好きなヴァイオリンが弾けなくなった事

自分の幼馴染がいつもクラシックのCDを持ってくる度に、なんども燻り、またヴァイオリンが弾きたいとなんども思った事

自分がもう、指の回復の見込みが無くヴァイオリンは弾けないという現実を知った事を全てウルフウッドに語った


それを黙って聞いていたウルフウッドは静かに瞼を閉じて一語一句恭介が語った全てを聞いた

そうして、聞いた上で恭介にこう言葉を告げはじめる


ウルフウッド「…なんや…まだマシやないか…」

恭介「!?…貴方!話をちゃんと聞いていたんですか!僕はッ!?」

ウルフウッド「聞いた上で言ってんねん…、なんや甘えとるだけやないかってな…ワイはそう思うたで?」


恭介の怒気の含んだ声色に対し、飄々とそう応えるウルフウッド、彼は静かに恭介を見つめてため息を吐く

それは、彼の気持ちを全て知った上でのウルフウッドが出した結論であった

ウルフウッドは彼に言い聞かせるようにこう話を続ける


ウルフウッド「…なんでワイがこの病院におると思う?」

恭介「…知りませんよ!大体何様…ッ!」

ウルフウッド「…長ごうないからや、生きてられる時間がな…」


ウルフウッドが唐突に告げたその言葉を聞いて、自分がヴァイオリンを弾けなくなった事を大した事でないと否定され怒りを露わにしていた恭介はピタッと固まる


恭介「…え…?」

ウルフウッド「良くて半年持つか…わからんってな…、それでもマシやって言うてやったわ…自分の事を必要としてくれる人と一緒に居れるだけでマシやとな」


ウルフウッドはそう言うて恭介から視線を逸らし、病院から窓の外を眺める

空を飛ぶ鳩や、外の風景そして病院内を行き来する人々を見ながら彼は自分の話にようやく耳を傾けた恭介に告げはじめる


ウルフウッド「…世の中には生きたくても生きれへん人間なんて五万とおる…ワイは牧師で教会で孤児の養育施設みたいな真似事やっとるからな…ようわかんで?」

恭介「…………」

ウルフウッド「親が死んだ、または殺されて身寄りのないガキ、また、よりによって自分の親から虐待受けてたなんてガキもおる…ワイも元々孤児やったからな…あいつらの気持ちがよう分かるわ」


ウルフウッドは優しく笑みを浮かべたまま、そう言って、再びベットにいる恭介に視線を戻す

自分が知らない世界、そう、それは聞いて知った自分よりも不幸な人々の話

けれど、その不幸は、彼等にとってみれば不幸でもなんでもない当たり前の出来事だとウルフウッドは言う



ウルフウッド「同情はいらんで?そりゃあいつらに失礼や…、這い上がる人間にはそんなものは必要無い」

恭介「…………」

ウルフウッド「お前が一つの夢を失った…確かに辛い事やろう、けどな…命がある限り人生は続く…辛い決断や選択肢の連続や…けどなそれを乗り越えて最後の最後に幸せな人生やったって思えたらそれで十分やろ…」


ウルフウッドはそう恭介に告げた、自分の人生は自分でまた道を切り開けばいいと…

どんなアスリートやスポーツ選手にもいずれは終わりが来る、けれど彼等の活躍が人目から消えても一人一人が持つ人生という舞台からは消える事は無い

ウルフウッドはそう恭介に告げているのだ、人生の中の選択肢のたった前に進むという一択を選べばいいと示して

ウルフウッドの言葉を聞いていた恭介は下を向き、静かに俯く、それはやはり自分が不幸な人間であると甘えていた事を感じたからだろう

ウルフウッドは恭介の頭にポンと手を置いて優しく微笑んだ、それは彼が話を聞いて何か感じてくれたと思ったからだ


ウルフウッド「…周りの期待なんて気にすんな…お前自身の人生や、お前が好きな様に生きろ…」

恭介「…う…うぅ…」


ウルフウッドの言葉に恭介の眼から透明の滴が流れ落ちる、自分の中で悟った事を素直に受け入れたのだろう

動かない指が憎い、だけど、どうにもならないなら前に進むしかない現実とはそう言うものだ

ウルフウッドの言葉はヴァイオリンの事だけを考えていた恭介に何処か救いの様なものに聞こえたのであった…



それから暫らくして、


恭介との面会時間が過ぎて病室から立ち去ろうと椅子から立ち上がるウルフウッド

恭介は自分の話を聞いてくれ、そして、また今の自分が進むべき道を示してくれたウルフウッドにお礼を述べる


恭介「ありがとうございました…ウルフウッドさん」

ウルフウッド「おう、身体は大事にしなあかんで?…あとワイの事はニコ兄でええぞ?孤児院のガキどももそう呼びよるからな」

恭介「…え、えぇ…でも恥ずかしいですよ」

ウルフウッド「アホウ、二十歳越えるまではガキじゃ…、照れんな照れんな」


そう言って、恭介の髪をガシガシと乱暴に撫でるウルフウッド、

恭介も満更でもないのか楽しそうに乱暴に頭を撫でるウルフウッドの手を掴みながら笑いを溢していた

そうしている内にウルフウッドは看護師から呼ばれ、早く恭介の病室から退室する様に促される



ウルフウッド「…ほんじゃ、また病院に来たらここに寄ったるよ、元気でな、身体壊すなよ?」


ウルフウッドはそう言って、看護師によって開かれた病室の扉に歩きながら手を挙げて恭介にそう告げる

恭介はそんなウルフウッドの背中を見ながら嬉しそうに笑みを浮かべていた

そうして、扉から出て行ったウルフウッドの背中を眼で追いながら最後にこう一言だけ告げる


恭介「…ありがとう…ニコ兄…」


その恭介の最後のつぶやきが聞こえていたのかどうかはわからない

けれど、恭介は扉が閉じる一瞬だけ眼に映ったウルフウッドの顔が背を向けたまま笑みを浮かべているのが見えた

恭介は病室の扉が閉まるのを確認すると、静かにベットに横になり幼馴染のさやかが持ってきたクラシックのCDをイヤフォンを付けて聞く

いつもなら、ヴァイオリンが弾けない事に燻り苛立ちを覚えていたクラシック、

けれど今は何処か自分の進むべき道を示してくれるような温かな気持ちで聞く事ができる…

恭介の中で新たな人生の選択肢を決めた、そんな踏ん切りを付けた不思議な瞬間だった


とりあえず今回はここまでです!

やばい…衝動買いしすぎて部屋に漫画ががががが!?

どないしよう…工藤…、いちご百パーセントを全巻集めたんがあかんかったんや…

とりあえず、頑張って生きねば(義務感)

待たせたで工藤!

最近忙しくて、書き貯めたストックがすくないのでそんなに多くは投下できませんが、ちょいとだけ投下したいと思います


ウルフウッドと上条恭介の邂逅から数日後、

場所は見滝原病室、

さやかはいつも通り、放課後にCDを買い、恭介に渡すために病院に訪れていた


さやか「オッス恭介!元気にしてたかい!」

恭介「…ん?あぁ、さやかか、いらっしゃい」


自分の病室を訪れたさやかに柔らかい笑みを浮かべたまま、そう告げる恭介

さやかは何かいつもより柔らかい表情を浮かべている恭介に何処か不思議な感覚を抱いていた

さやかはいつも通り恭介のベットの近くにある椅子に座りCDを机の上に置きながら彼に訪ねる



さやか「あれれ?なんか恭介…表情軽くなった?」

恭介「ん…?そうかな?…多分、自分の中でいろんな踏ん切りがついたからと思う」


恭介はそう言って、さやかの持ってきたCDを静かに見つめる、しかし、彼はさやかが見てきたそれとは違う眼差しをそのCDに向ける

さやかは、一体、恭介がどうしたのか訪ねる事にしてみた


さやか「あのさ…恭介…どうした…」

恭介「さやか、僕はヴァイオリンを今後一切やめる事にしたよ」

さやか「…え?」


唐突な恭介の言葉に眼を丸くするさやか、しかしながら、恭介は言葉を強める事なく実に柔らかい口調でさやかにそう告げた



彼は自分の告白に唖然とするさやかに視線を向けたまま、何も言い訳する事なく自然と自分の心境を語りはじめる


恭介「…別の形で音楽に携わる事にしたよ、前に進む為にさ…」

さやか「き、恭介はそれで満足してる訳?ヴァイオリンが弾けない事は…」

恭介「もう諦めた、踏ん切りを付けたって言ったろ? さやかにはヴァイオリンを聞かせてあげれなくなるけど…」

さやか「…何…それ…」


さやかは恭介の言葉に茫然と立ち尽くす、彼のヴァイオリンを弾くと言うのは自分にとっても大切な事柄であった

彼女は恭介が好きであった、しかし、気持ちの伝え方が分からずこうして病院に通いつめてCDやヴァイオリンについて語り、いつか、思いが叶うと思っていた

けれど、違う、ヴァイオリンという自分と恭介を繋ぐものが切られた様な、なんとも言い難い感覚が恭介の話を聞いていたさやかの胸中に渦巻いていた



さやか「…恭介はそれで本当にいいの?ヴァイオリンは…もう弾かないの…?」

恭介「…うん、決めたんだ、作曲家か指揮者を目指してみようかなって…指は細かい動きは腕は動かせるし…なにより、挑戦するのが一番だと思うんだ」

さやか「恭介のヴァイオリンは…!?…」


さやかはそこからの言葉に詰まった、自分は結局どうしたいのかわからなくなったからだ

前を進むのを選んだ恭介、しかし自分は?ヴァイオリンを聞かせて貰えると思った自分は?恭介はどう思ってるの?

さやかはなんとも言えない気持ちを胸に閉まったまま、スッと椅子から立ち上がりそのまま恭介に背を向けて病室の扉に手を掛ける


さやか「………」

恭介「あれ?さやか、もう帰るのかい?」

さやか「恭介…、ヴァイオリンを諦める必要なんてない、…そう、そもそも…指が動かせ無くなるのが…おかしいんだ…」

恭介「…?さやか?」

さやか「恭介…奇跡や魔法はある、だから、あんたが夢を違うものにするのは間違ってるんだ、こんな現実は…私が否定してみせる」


さやかはそう恭介に言い残して、病室から飛び出だす様に彼の目の前から立ち去ってゆく

現実と言う名の壁、それを克服した恭介

恭介は立ち去ってゆくさやかの後姿を見送りながら、自分の手へと視線を落としジッと見つめ


恭介「…魔法…か、それでもね、さやか、僕はね…」


選択した、そう口に出そうになった言葉を恭介は飲み込む、例え呟いたとしてもその声は立ち去ったさやかにはもう聞こえない

それをわかったからだろう、恭介はあえて呟く事はしなかった


ここは病院の屋上、


先程、恭介の病室から飛び出してしまったさやかはここまで駆け上がり、奇跡を起こしてくれるその者に会うために声をあげる


さやか「キュウベぇ!いるんでしょ!いるならでてきてよ!」


病院の屋上に聞こえ渡る様にそう叫ぶさやか、その声が果たして届いたのかどうかはわからない

しかし…白いあの変わらない表情を浮かべた生き物は、彼女の願いとそして、自分の新たな契約者となる少女の呼び声に応えるかの様にフッと彼女の眼の前に姿を現した

その姿は奇跡を運ぶ聖なるモノ…いや、それとも悪魔の様な代償を支払わせる詐欺師か…



どちらにしても…、さやかは今、人生における最大の選択を迷い無く平気で行おうとしていた


キュウベぇ「呼んだかい?…美樹さやか…何の用かな?」

さやか「…契約…、契約よ、あんたと今から契約してあげるわ」

キュウベぇ「へぇ…あれだけほむらから契約を考えろ、…って言われてるのに人間というやつはわからないなぁ…魔法少女がどういった事か知ってて言ってるんなら尚更だけど」

さやか「…契約しないの?あんたはそれが目的なんでしょ?」

キュウベぇ「もちろんだよ、断る理由なんて僕等は持ち合わせてはいない、大歓迎さ…」


キュウベぇはそう述べるとさやかの前に身軽に飛び出して、耳を軽く動かして契約を始める

さやかの身体は宙に浮き、キュウベぇの契約が始まる

さやかの体内から取り出されたそれは青いソウルジェムとなり、彼女の掌に収まる



キュウベぇはひとしきり契約の儀式が終わると眼を瞑るさやかに瞳を赤い真っ直ぐに向けたままこう告げる


キュウベぇ「おめでとう美樹さやか、君の願いはエントロピーを凌駕した」


魔法少女になる儀式が終わった事を把握したさやかは瞑っていた瞼をゆっくりと開けて目を開く

彼女の手に収まる青いソウルジェムは願い事を叶えた証拠であると言わんばかりに青い色彩を放ちながら光を輝かせる


この日から、美樹さやかは魔法少女としての世界にこうして足を踏み入れた

生きるか、死ぬか…己の身体に魂はなく、ソウルジェムという宝石に縛られた奴隷

その先に待ち受けるであろう運命を彼女はまだしらない…


短くて申し訳ないが、今回はここまでやで工藤…

長らくお待たせしてしまいましたね、すいません、ドリフターズ面白いですねまた近いうちに投下していきたいと思います、島津さんほんと鬼島津やでぇ…


だいぶお待たせしたで工藤、

最近忙しさに拍車がかかりまして申し訳ない、ぼちぼち投下していきます



さやかが契約している同時刻、


杏子、マミ、ほむらの三人は魔女が使役している使い魔を狩りつつその元凶である魔女を探していた

しかし、その魔女は身を隠すのが上手いのか、探しはするがなかなか見つからず、三人は困り果てて見滝原公園で互いに話し合っていた


マミ「…使い魔は沢山いるし、魔女から口づけを受けた人達は見かけ次第助けてはいるんだけど…」

杏子「肝心な本体がなぁ…あぁ!しゃらくせぇ!」

ほむら「ウルフウッドさんは私達みたいに魔女を感知できないから私達が探し当てるしかないのだけれど、これでは時間を浪費しているだけね…無駄に…」


ほむらはそう言って、自分の近くにあるベンチに腰掛けてため息を吐く、



それを見ていた杏子はムッとした表情を浮かべて、ベンチに腰掛けるほむらに向かってこう言葉を投げかけた


杏子「…なんでニコ兄がでてくんだよ…そもそも関係ねーだろ」

ほむら「…?…協力者なのだから頼るのは何も悪いことではないでしょ?…ニコラスさんはとても現実的に物事が見れるし、私の拳銃の事を時々、いろいろと指南してくれる先生みたいな人よ?」

杏子「…は、はぁああ!?お前いつの間にニコ兄に拳銃の使い方なんて教わりやがってたんだ!?」

ほむら「つい最近よ?…時間がある時に時々ね、ねぇ?マミさん」

マミ「え、えぇ!?そこで私に話を振るの!?…まぁ、私もマスケット銃を使うから教えては貰ってるけど…」

杏子「あんの~クソ神父ッ!?私に黙ってなにやってんだッ!?」


そう言って、拳銃指南の話をウルフウッドから聞いていなかった杏子は青筋を立て、拳を握りしめたままそう呟く

そんな杏子をベンチに座ったまま横目で見ていたほむらはなにやら火に油を注ぐかの様に杏子にこう言い放った



ほむら「まぁ…私はマミさんとは別に黙ってウルフウッドさんに個人的に見て貰う事は多々あったわねぇ、そう言えば」

杏子「!?…な…!」

ほむら「そういった経験が沢山ある人だしね、銃の使い方ならあの人が良く知ってるわけだし」

マミ「…?それは初耳ね、貴女そんな事してたの」

ほむら「…信頼できる人がようやく見つかったって思ったら身体が勝手に…黙っててごめんなさいね?マミさん」

マミ「ううん、私は別に構わないわよ…?それよりも…」


マミはそう言葉を区切って、ほむらから視線を逸らし、それを話を聞いていた杏子に向ける

案の定と言うべきか、なにやら杏子はワナワナと震えたまま、何かを言いたそうにしているが、言葉が出ずに俯いている



杏子「…ほ、ほむら…てめ…」

ほむら「何かしら?」

杏子「…てめーには絶対ニコ兄は渡さねぇぞ!」

ほむら「そう、顔を真っ赤にしてるけれど熱かしら?」

マミ「照れてるのね?ふふふ…」

杏子「…ち、ちげーし!ふざけんなてめーら!?変身しろこのやろう!コテンパンにしてやる!」


ムキー!と顔を真っ赤にしてそうほむらとマミにソウルジェムで変身し、槍を向ける杏子

ほむらはそんな杏子に余裕を見せる様な表情を浮かべて、相変わらずベンチに座ったままこう告げる


ほむら「…素直でないのね?貴女、私はあの人の事好きよ?個人的にね?」

杏子「…す、好きだと…!?あたしも好きに決まって…!?…ハッ!?」

ほむら「掛かったわねアホが、そう言う事、良かったじゃない素直になれて」


そう言って、ベンチから立ち上がり変身済みの杏子に笑みを浮かべてそう告げるほむら

杏子はあたふたとしながら顔を真っ赤にしてその場で俯く、そんな杏子の様子を横で見ていたマミはクスクスと笑いをこぼしていた



マミ「…ふふふ、貴女のこんなところが見れるなんてね」

杏子「う…うー…」顔真っ赤

ほむら「とりあえずはこれで隠し事はなしね、私は事が終わるまで行動に移すつもりはないから安心しなさい?杏子」

杏子「う、うるせー!?あのクソ神父はあたし達のもんだ!絶対渡さねー!」

マミ「素直に自分のモノだと言わない辺りが貴女らしいわね、ホント」


杏子とほむらの会話を聞きながらそう呟くマミ、どうやら、恋愛トークなどはやはり女子中学生からか魔女を探すのに焦る彼女達の心なしか息抜き程度はなったようだ

しかし、やはりほむらの目的は一つ、鹿目まどかを契約させないということ

それを成すまでは決して私情に走ってはいけない、自分がしなければいけないのは、自分の最高の親友であり過去を遡り助けると決めた彼女を救う事

例え、その障害としてウルフウッドがもし立ち塞がったとしても、彼女の中には既にその時にはウルフウッドを討つ覚悟はあると自負している

気持ちに偽りはない、しかし、自分はあくまで、彼女を救う使命を果たすそれだけが一番大切な事なのだ

ウルフウッドをいくら信用しているからといって、何が起こるかはわからない、だから、いろんなケース(場合)を考える

それが過去を何度も繰り返してきた彼女のやり方であった

だから、自分とは違い縛られていない杏子がほむらに少しだけ羨ましかった



ほむら(対等じゃない…、彼女と私は…けど…)


自分はきっと、そういう生き方しかできないから…、だから、それで彼女(杏子)に勝つ…正々堂々と

ほむらは二人に向きなおり、改めて魔女を探すべく、静かに訪ねる


ほむら「それじゃ…また探してみましょう…反応が強く感じられる場所から」

マミ「雑談はいったん終いね、わかったわ」

杏子「……チッ…めんどーだな…」


三人はそう互いに言い合いつつ、全員魔法少女の格好に変身すると見滝原の街にへと向かう

しかし、事は急な展開を迎えている事を彼女達はまだしらない

それは…悲劇の前兆か…


はい、今回はここまでやで工藤!

新年から待たせてもうたなぁ、ほんまに堪忍やで、
また書き溜めたら投下していきますので次回また会いましょう

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