ことり「ほのキチのお話」 (93)
ラブライブのssです
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ことり「>>4のことはみんなには内緒にしておくね♪」海未「……」
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ことり「……はぁ。なんで土曜日ってこんなに憂鬱なんだろう」
ことり「穂乃果ちゃんならきっと『ええ!?学校なくて楽じゃん!!』って言うんだろうな」
ことり「でもね、私はそうは思わないよ。だって学校がすごく楽しいんだもん」
ことり「朝にはあなたと一緒に登校して、休み時間にあなたとたくさんおしゃべりして、お昼休みにあなたとお弁当食べて、放課後にあなたとμ'sのみんなでライブに向けて練習する」
ことり「……あっ、これじゃあ私の楽しみって穂乃果ちゃんと一緒にいることだけみたい。あはは」
ほのかの尿検査の尿をダミーとすりかえる
ことり「暇だなぁ……」
ことり「そうだ!穂乃果ちゃんに電話してみよう!」
リンリンリンガベー
ガチャ
ことり「……あっ、穂乃果ちゃん?今日これから……」
穂乃果ボイス「現在電話に出ることが少々難しい状態でありましてもしよろしければ後ほど掛け直してもらえれば幸いでして……えっと、この漢字なんて読むの海未ちゃ……」
ことり「……はぁ」
ことり「お家のお手伝いでもしてるのかな?でも穂乃果ちゃんのことだから自主練習とかしてそう」
ことり「それならことりも頑張らなくちゃっ!ちょっと早いけど次の衣装のイメージ作っとこっ♪」
ファイトダヨッ!ーー♪
ことり「……ん?電話だ。穂乃果ちゃんからかな?」
ことり「……なんだ、海未ちゃんからか」
ことり「もしもし、海未ちゃん?」
海未『おはようございますことり。こんな朝早くにごめんなさい』
ことり「大丈夫だよ。それより電話なんて珍しいね?いつもならメールばかりしかしないのに」
海未『そうですね。ですが、やはりこういうことは自分の口で言った方がいいと思いまして』
ことり「?」
海未『ちょっと相談事があるのです。なので、もし忙しくないようなら相談に乗ってくれると嬉しいのですが……』
ことり「なにか悩み事でもあるの?」
海未『……そうですね』
ことり「いいよっ!じゃあ今から海未ちゃん家に行けばいい?」
海未『いえ!私の方からお願いしてるのですから私がそちらへ伺います!』
ことり「別に気にしなくてもいいのに」
海未『ダメです。あなたが許しても私が許せないのです』
ことり「……わかったよ。それじゃ、待ってるね!」
海未『はい。では後ほど』
ことり「……そう言えば海未ちゃんが悩み事あるときって毎回穂乃果ちゃんと2人で聞いてた気がするけど……」
ことり「あの様子からして、きっと穂乃果ちゃんに連絡はしてないよね」
ことり「もしかして悩み事って……穂乃果ちゃんのこと……?」
ことり「……いや、考えすぎだよね」
ことり「お茶の準備でもして待ってよっと!」
ピンポーン
ことり「いらっしゃい。海未ちゃん♪」
海未「はい、おじゃまします」
ことり「上がって上がってー?あっ、朝ごはん食べてきた?」
海未「ご心配なく。ちゃんと食べてきましたよ」
ことり「ならよかった!今からお茶持ってくから先に部屋に行ってて?」
海未「はい」
ことり「……なんだろう。やっぱり海未ちゃんの様子がいつもと違う気がする」
ことり「……あんなの……まるで……」
海未「相談事というのはですね、」
ことり「……」
海未「……新しい曲についてなんです」
ことり「……え?」
海未「ですから、次のライブで使う曲についてです」
ことり「あ、ああ!曲についてね!?そ、それで?」
海未「……あなた、ちょっと様子がおかしくないですか?」
ことり「そ、そんなことないよ!大丈夫だから続けて?」
海未「……わかりました」
海未「先日真姫や絵里と話合ってみたんですが、今回は歌に合わせて衣装を作るのではなく、その逆でやってみたいと思うのです」
ことり「……?」
海未「つまりことりの作った衣装から、私たちが歌を作るということです」
ことり「え……?そ、それって……」
海未「あなたの好きなものを作ってもいいと……」
ことり「ナースさんとか巫女さんとかバニーさんでもいいってことっ!?」
海未「えっ!?そ、そうですけど……」
ことり「やった……!これほど嬉しいことはない……!」
海未「ですがほどほどにお願いしますよ……?お客さんに見てもらうものなんですから……」
ことり「任せて!ちゃんと大事なところは隠すから!」
海未「あ、あまり露出の高いものは避けてくださいね!?フリじゃないですからね!?」
ことり「わかったわかったってー。ことりが嘘をつくと思ってるの?」
海未「前科持ちのくせに何を言いますか」
ことり「……もう。あのときは何回も謝ったじゃない……」
海未「相談というのはあと一つあるんです」
ことり「次はなに?あっ、もしかして弓道との両立が辛くなってきたとか?」
海未「そうではないです。どちらも自分の満足いくレベルでやっていけてますよ」
ことり「それじゃあ?」
海未「……穂乃果のことです」
ことり「…………穂乃果ちゃん……?」
海未「そうです。やはりあなたには言っておくべきだと思いまして。……こほん」
海未「……私、穂乃果のことが好きなんです」
ことり「え……」
海未「変ですよね……同性にこのような感情を抱いてしまうなんて」
海未「ですが……何度も悩んだ結果……、やはり私はこの気持ちに嘘をつかないと決めたんです」
ことり「そ、そうなんだ……」
海未「軽蔑してますか?」
ことり「ううん……そんなことはないけど……」
海未「明日、告白するつもりです」
ことり「……あ、明日……?ずいぶん急だね……?」
海未「そうでもないですよ」
海未「本当はずっと憧れてたんです、穂乃果のこと。ただ恋愛感情の好きであると理解するのが遅かっただけで、今までもずっとずっと穂乃果のことが好きでした」
海未「だから決着をつけることにしたんです。……ずっと温めていたこの気持ちに」
ことり「……」
海未「相談というのはですね、もし私と穂乃果が恋仲になったとしてあなたは今まで通り私たちに接してくれるのか、といったことなんです」
ことり「そ、そんなの……」
ことり「そんなの、当たり前だよ……。だって今までもずっと仲良しだったんだから……」
海未「それが聞けただけで嬉しいです」
海未「では、やらなくてはいけないこともありますので私はこれでお暇させてもらいます」
ことり「う、うん……。気をつけてね」
海未「はい。朝早くからすいませんでした」
海未「それでは」
ことり「…………そんな」
ことり「まさか本当に海未ちゃんも穂乃果ちゃんのことが好きだったなんて……」
ことり「どうしたらいいんだろう……。やっぱり応援してあげるべきなのかな……」
ことり「……あそこで私も好きだって言えてたら……。でも……もう……」
ことり「……」
ことり「だ、だめだめ!せっかく海未ちゃんが勇気出して告白しようとしてるんだもん!」
ことり「友達ならやっぱり応援してあげるべきだよね!…………それが、友達ってものだよね?」
ことり「……穂乃果ちゃん。私、わからないよ……」
穂乃果「あーあー、なんでケータイ忘れてきちゃったんだろー」
雪穂「お姉ちゃんが寝坊さえしなければわざわざ急ぐ必要なんてなかったのに」
穂乃果「私のせいにするつもりー!?雪穂が服選んでる時間長かったのも悪いんでしょー!!」
雪穂「それを言うなら朝ごはんに呑気にパン焼いてる方も悪いじゃん!」
穂乃果「なーにー!?」
雪穂「ここでやる気!?」
穂乃果「あとで泣いて謝っても許してあげないんだからね!」
雪穂「それはこっちのセリフだよ!」
ザワザワ
『なぁに?こんなところで姉妹ゲンカ?』
『うふふふ。元気でいいことじゃない』
穂乃果「……///」
雪穂「……///」
穂乃果「は、早く買い物行こっか……?」
雪穂「……そ、そうだね?」
雪穂「ねえねえ、そろそろ今日何を買いに来たのか教えてくれてもいいんじゃない?」
穂乃果「教えてほしい?」
雪穂「そうやって昨日からずっと教えてくれないよね……」
穂乃果「だってー、まだ秘密にしてたいんだもんっ♪」
雪穂「ってことは私にくれるものを買いに来たってこと?」
穂乃果「そうだよっ!まぁユッキーだけじゃなくて、μ'sみんなの分もあるんだけどね!」
雪穂「ふーん。ならせめてμ'sの方に買うものは教えてよ」
穂乃果「いいよ。……っと思ったらもうお店に着いちゃった」
雪穂「ここは……アクセサリーショップ?」
雪穂「へー、お小遣い使わずに貯めてたのってそういうことだったんだ」
穂乃果「うん!みんなで何かお揃いのもの付けれたらいいなって」
雪穂「お姉ちゃんにしては気が利くんだね。さすがμ'sの発起人なだけあって殊勝な心がけですな」
穂乃果「もう、照れるなぁ」
雪穂「普段はダメダメって意味だよ」
雪穂「ところで何買うか決めてるの?」
穂乃果「それを選ぶのにユッキーに手伝ってもらいたいんだよ!」
雪穂「なるほどね……。それなら無難にネックレスとかイヤリングとかでいいんじゃない?イニシャル入りのやつとか」
穂乃果「おー!さすがは雪穂だ。マセてるだけのことはあるねぇ」
雪穂「家帰るよ?」
穂乃果「ごめんなさい」
雪穂「じゃあとっとと決めちゃおっか。お姉ちゃんと違って朝ごはん食べてないから何か食べたいの」
穂乃果「はーい」
穂乃果「……あ」
雪穂「どうしたの?」
穂乃果「……これ、これにする!」
雪穂「……はぁ?それってかなり高いじゃん。9人分買えるの?」
穂乃果「ううん、みんなにあげる分はもう決めたの」
雪穂「じゃあそれは?」
穂乃果「これはね……、ある人にあげたいなって」
雪穂「ある人って?」
穂乃果「……」
雪穂「……ま、まさか!!お姉ちゃんにもとうとう好きな人が!?」
穂乃果「……///」
雪穂「その反応、図星!?えー!だれだれ!?姉妹なんだから教えてくれてもいいでしょ!?」
穂乃果「や、やだよぉ……。恥ずかしいもん……」
雪穂「じゃあ耳元でいいから小さく囁いてみてよ!それならあまり恥ずかしくないでしょ!?」
穂乃果「……そ、それなら……」
穂乃果「……えっとね、私……………………のことが好きなんだ……」
雪穂「……え?」
雪穂「……それって女の子じゃん」
穂乃果「……うん」
雪穂「まさか好きを履き違えてるわけじゃないよね?よくあるlikeとloveの違いとか」
穂乃果「大丈夫。これはloveの方で合ってるよ」
雪穂「……じゃあ女の子を好きになっちゃったの?」
穂乃果「…………うん」
雪穂「ま、いいんじゃない?人を好きになるのは自由だと思うし」
穂乃果「雪穂……」
雪穂「別に女の人しか好きになれない性癖ってわけじゃないんだよね?」
穂乃果「ち、違うよ!!好きになった子の性別がたまたま女の子だっただけで、同性愛者ってわけでは……」
雪穂「それなら心配いらないね。いずれその気持ちもまやかしだって気づくだろうし」
穂乃果「……っ!?そんなこと……!」
雪穂「だってそうでしょ?女の子同士の結婚なんてこの国で認められてないんだから」
雪穂「それに子供はどうするの?お母さんやお父さんに孫の顔見せてあげないの?」
穂乃果「そ、それは……」
雪穂「いつか今の気持ちが幻想だったって後悔する日も来るんだから。それを早いうちに気づける機会ができたんだし、良かったんじゃない?」
穂乃果「……ひどいよ」
雪穂「同性愛者じゃないならちゃんと男の人も好きになれるだろうし、社会に出るまでは今の恋を楽しんでもいいと思う」
雪穂「それじゃ、早くそれも買ってご飯食べに行こ?」
穂乃果「……」
穂乃果「……うん」
雪穂(だって仕方ないじゃない。私なんて外国ででも式を挙げることができない娘を好きになっちゃったんだから)
雪穂(だから少しのいじわるくらい……許してくれてもいいでしょ?)
穂乃果「……ふぅー疲れたー」
穂乃果「あの後は雪穂に散々振り回された挙句、荷物持ちまで手伝わされてもう散々だよ……」
穂乃果「……あぁ腰いたいなぁ。5時からチョキメタ回さないと……」
ココロハーイマミライ、ーー♪
穂乃果「あっ、メールだ…………ってなにこれ!?」
着信
うみちゃん 18件
ことりちゃん 3件
メール
うみちゃん 24通
ことりちゃん 4通
えりちゃん 1通
りんちゃん 1通
穂乃果「海未ちゃんからの着信とメールがひどいことに……」
留守メッセージ
ことりちゃん 1件
海未ちゃん 8件
穂乃果「海未ちゃんに電話するより先にこっち聞いておこう」
ピッ
『……………………』
穂乃果「あれ、なにも聞こえない。もしかして何も入ってないやつかな?」
ことり『……何回も電話したりしてごめんなさい』
穂乃果「……あっ、やっと聞こえた」
ことり『メールにも書いたけど、やっぱり声として残しておきたくて……といってもそんなに大事なことでもないんだけど』
ことり『もしこのメッセージを聞いたらメールでもどっちでもいいので連絡ください。少しお話がしたいな……』
『以上のメッセージは、15:26に送られてきたものです。続けて他のメッセージを聴く場合は右にタップ、終了の場合は…………』
穂乃果「……ことりちゃん、どうしたんだろう。なんだか元気なさそうだったけど……」
穂乃果「ごめんね海未ちゃん……!後で絶対に電話するから!」
ピロリロリロリン
ことり『は、はい!ことりです!』
穂乃果「もしもしことりちゃん?ごめんね。ちょっと出かけててケータイ置きっ放しにしてたんだ!」
ことり『な、なんだ良かった……。もしかして穂乃果ちゃんに何かあったのと思って心配しちゃった……』
穂乃果「もしかして留守電のメッセージもそれで元気がなかったの?」
ことり『……それもあるけど、理由は他のことだよ』
穂乃果「他のこと?」
ことり『うん。……これからちょっと公園まで来れるかな?』
穂乃果「公園? いいよ。すぐ行くね」
ことり『ありがとう。じゃあ待ってるから』
穂乃果「うん!また後でね!」
穂乃果「……うへぇ。夕方でもジメジメして暑いなぁ……」
ことり「あっ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「穂乃果ちゃんだよー。待ったー?」
ことり「ううん。全然だよ」
穂乃果「それでどうして公園に呼んだの?」
ことり「…………ちょっとあのブランコ乗ろっか」
穂乃果「? うん」
ことり「この公園、小さい頃いっぱい遊んだよね」
穂乃果「そうだね。海未ちゃんと初めてあったのもここだったもんね」
ことり「うん。でも穂乃果ちゃんたちは親も幼馴染なわけだし、遅かれ早かれ出会ってたよね」
穂乃果「そうなんだよ。お母さんに聞いた時はビックリしちゃってさー」
ことり「……でもことりは」
ことり「ことりはあの時穂乃果ちゃんと出会ってなかったらどうなってたのかな……」
穂乃果「ことりちゃん……?」
ことり「もし穂乃果ちゃんと出会ってなかったらって考えるとすごく怖いの……」
ことり「穂乃果ちゃんのことだから小学校でたまたま同じクラスになったとしたら友達になってくれるかもしれない」
ことり「でも今みたいに信頼しあえる仲にはなれてなかったと思うの……」
ことり「だからもしかしたら同じ高校に進むこともなく、μ'sのみんなと出会うこともなく、普通で普通の高校生になってたのかな」
ことり「そう考えたら…………今の幸せな毎日が……夢なんじゃないかって不安で……。いつか……覚めちゃうんじゃないかって……怖くて……!」
穂乃果「お、落ち着いてことりちゃん。今は私たち一番の友達でしょ……?私と出会わなかった世界のこと考えても仕方ないんじゃない……?」
ことり「だけど……だけど……っ!」
穂乃果「……仕方ない子だなぁ」
ダキッ
ことり「……えっ?」
穂乃果「泣いちゃだーめ」
ことり「……穂乃果ちゃん」
穂乃果「感じる?私の体温。ちょっと汗臭いかな?」
ことり「……臭くなんてないよ。すごくあったかい……」
穂乃果「今ことりちゃんが私を感じられてるってことはさ、これは夢なんかじゃなくてちゃんと現実だからなんだよ?」
穂乃果「だから泣く必要なんてないの。ことりちゃんは私の一番最初にできた友達なんだから。他の世界でもそれはきっと変わらないよ」
穂乃果「もし出会えてなくても、必ず捜してあげるから。重い病気を抱えた状態で生まれてきても、勝手に病院に迷い込んで見つけてあげるから。ね?」
穂乃果「今が夢かもしれないなんてつまらないこと言わないで?前向いて楽しくいこうよ!」
ことり「……穂乃果……ちゃん……っ」
穂乃果「ほんとによかったの?」
ことり「うん。悩みはそれだけだったから」
ことり「穂乃果ちゃんのおかげで安心した♪」
穂乃果「よかった!これからも私たちは親友だからね!」
ことり「もちろんだよ!」
穂乃果「それじゃあ家の手伝いしなきゃいけないからもう帰るね!」
ことり「今日はありがとう。がんばってね」
穂乃果「がんばっちゃうよー!ばいばーい」
ことり「……んっ、寝ちゃってた」
ことり「もう10時か……。お風呂に入って寝よう……」
ことり「あ、メール来てる」
from 海未ちゃん
明日の15時、穂乃果と会う約束をしました。そこで私は自分の想いを伝えるつもりです
ことり「……うん、大丈夫。もし2人が付き合っても今までと変わらず私に接してくれるよ。だからなんの心配もない」
to 海未ちゃん
がんばってね!私も応援してるから!
ファイト!
ことり「これでよし、っと」
ことり「うーん……、なかなかイメージ固まらないかなぁ……。ここはもう発想を逆転させて海女さんの装束で……!」
トメーラレナイ、コドークナヘヴンーー♪
ことり「あっ、メールだ……」
ことり「もう5時か。多分海未ちゃんからだろうな」
ことり「……違う、穂乃果ちゃんからだ……!」
from 海未ちゃん
16:56
告白は失敗しました。
ことり「……え?失敗……した?」
ことり「……あ、もう一通来てたみたい」
from 穂乃果ちゃん
16:14
今忙しくなかったらでいいです
もしよかったら部室まで来てくれたら嬉しいな
ことり「……40分前!?」
ことり「……急がなきゃ……。穂乃果ちゃんが待ってる!」
from 海未ちゃん
告白は失敗しました。
穂乃果が好きなのはあなたです。
ことり「……違う、穂乃果ちゃんからだ……!」
ここ消しといてください
ことり「……はぁ……はぁ」
ことり「穂乃果ちゃん……?いる……?」
ことり「やっぱりもう帰っちゃったかな……」
ギュッ
ことり「……!」
穂乃果「よかった。もう来ないかと思ってた」
ことり「ごめんね。メールに気づかなくて」
穂乃果「はは。やっぱり急ぎの用は電話した方がいいんだね。メールした手前、なんかかけづらくって」
穂乃果「それにもし忙しかったら迷惑かなと思って」
ことり「別に気にしなくていいのに……」
穂乃果「さっきね、ここで海未ちゃんに好きって言われたんだ」
ことり「……うん」
穂乃果「それでね?穂乃果も好きって言ったの」
穂乃果「もちろん、友達としての好きだけど……」
ことり「……」
穂乃果「そしたら海未ちゃんに呆れられちゃって……、『やはり私の好きとあなたの好きは違うんですね』って」
穂乃果「だって私、海未ちゃんのことそんなふうに好きって感じたことなかったから……」
ことり「……うん」
穂乃果「……それに変だよね?女の子が女の子を好きになるなんて……、そんなの普通じゃないよね……」
ことり「……えっ?」
穂乃果「雪穂にも言われたんだ。今はそれでよくても……もっと歳をとってからじゃそう簡単にはいかないって」
穂乃果「女の子同士だったら子供も作れないし、周りからどんな目で見られるか……」
穂乃果「穂乃果はよくても、相手の子はそうじゃないかもしれない」
穂乃果「ならそんな思いさせるくらいなら……夢なんて見ない方がいいのかなって」
ことり「……」
穂乃果「呼び出しちゃったりしてごめんね。ちょっと1人でいるのが辛かったんだ」
穂乃果「……だから、もう少しこのままでいさせて」
ことり「……わかったよ」
ことり「……はぁ」
絵里「珍しいわね、あなたが1人で生徒会室にくるなんて」
ことり「……ちょっと教室にはいづらくて……」
希「穂乃果ちゃんと海未ちゃんはどうしたん?」
ことり「2人とも今日はおやすみだよ。体調悪いんだって」
絵里「海未はともかく、穂乃果も風邪なんて引くのね」
希「そらひどいでエリチ……」
ことり「……ねえねえ、2人に聞きたいことがあるんだ」
絵里「なにかしら。勉強のこと?」
ことり「いや、そうじゃないよ」
希「ならスリーサイズ?特別に教えたろうか?」
ことり「いや、プロフィール見れば済むからいいよ」
希「じゃあなんなん?」
ことり「……恋愛について、かな」
絵里「あら、好きな人でもできた?」
ことり「うーん、そこはノーコメントで」
希「おっ、あやしいなぁ?それってつまりいるってことやろ?」
ことり「い、今はそんなこと関係ないの!」
ことり「……ふ、2人は同性愛についてどう思う?」
希「おー?それを聞くってことは、穂乃果ちゃんにも希望があるってことかな?」
絵里「フフッ、そうかしらね」
ことり「なんで穂乃果ちゃん?」
希「おもしろいからヒミツや!」
ことり「……?」
絵里「それにしても同性愛についてどう……ね」
希「難しいこと聞くなぁ。どうってどんな感じ?」
ことり「たとえば賛成とか反対とか、あんまり深く考えなくていいよ」
絵里「善か悪かは置いといて、私は賛成よ」
希「ウチもかな」
ことり「理由を聞いてもいい?」
絵里「そんなの簡単よ」
希「ウチとエリチが付き合ってるからや」
ことり「……」
ことり「……えっ!?」
絵里「他人に話すのはあなたが初めてになるわね」
希「その反応からすると全然気づかれてなかったみたいやね♪ふふふ」
ことり「ほんと……全然わからなかったよ……」
絵里「明後日で3ヶ月になるわね」
希「ほー、早いもんやなぁ」
絵里「……って、記念日くらい覚えといてって言ったでしょ」
希「すまんすまん。ボーッとしたら忘れてしまうんよ」
絵里「まったくあなたは……」
ことり「でもさ、これからのこと考えてたら辛くなったりしない?やっぱりこんなの親御さんからは認められないでしょ……?」
絵里「認められないから何よ?どうせ相手が男性だろうと女性だろうといずれ私たちは今の家を出るんだから」
希「親の目の届かんところならなにやってもバレんしな。第一親に手を焼かれる歳でもなくなってるやろし」
ことり「で、でもたまに実家に帰ったりするときはどうするの?」
絵里「んー……、その時は困るわよね」
ことり「……それだけ?」
絵里「それだけよ。認められないなら私は一生独身だ、って言い抜いてやるわ」
希「ウチの美貌に敵う男なんておらーん!ってか?」
絵里「それもいいわね」
ことり「……じゃあ子供は?」
絵里「もちろんできないわよ?独身を貫くようなものなんだし」
ことり「で、でもそれじゃあ親に申し訳が…………」
希「……ことりちゃん」
ことり「……な、なに?」
希「ことりちゃんはウチらにどんな答えを期待してるん?」
ことり「……そ、それは」
希「ウチらは所詮、一介の女子高生でしかないんよ?だからどう足掻いたところで世界を返ることなんて無理」
希「これから先、どうやっても行き当たりばったりで生きて行くしかないんよ」
希「……まあエリチなら法律を変えることくらい造作もないかもしれんけど?」
絵里「買い被りすぎよ。……それに将来政治家になるつもりなんてさっぱりないもの」
希「そうなん?じゃあ今からでも法学部のある大学に進路を……」
絵里「……イヤよ」
希「……とまぁこんなふうにエリチが頑張りたくないって言いよるから、ウチらはただ腹を括るしかないんや」
希「幸せなんてタダで売ってるところはどこにもない。対価は必ず必要。辛いことは全部幸せのための代償なんだ」
希「そんな覚悟がないと……いずれ失うものの大きさに心がポッキリ逝ってしまうかもしらんからな」
ことり「……」
ことり「ありがとう。改めて覚悟の必要さを思い知ったよ」
希「ごめんな?あんまりいいこと言ってあげれんくて」
ことり「ううん。……私も2人を見習いたいなって思ったよ」
ことり「だから……もう少しがんばってみようかなって」
絵里「そう。……がんばりなさいね」
希「きっと叶うよ!がんばれ!」
ことり「うん!」
4日前
絵里「はい、穂乃果あーん」
穂乃果「あーんっ」
絵里「おいしい?」
穂乃果「うん!やっぱりお弁当は美味しいね!」
絵里「それならパンばっかり食べてないで自分で作ってみたら?」
穂乃果「そんな時間あったら二度寝するよ」
絵里「……はぁ」
希「うん、うまいなぁ」
絵里「……希。さっきから私のお弁当のおかず取りすぎよ」
希「そうケチケチせんといてー。べつに減るもんでもあるまいしいいやろ?」
絵里「……おもいっきり減ってるのだけど」
絵里「あーあ……。もうご飯しか残ってないじゃない」
希「梅干しあるやん」
絵里「……あとあなたのお弁当に入ってるおかず全部もね」
希「やめてー!ウチの肉をとったらアカーン!」
絵里「卑怯よ!私にも少し分けなさい!」
希「だめや!それじゃあ好きなものを最後にとっといた意味がなくなってしまうやん!」
穂乃果「じゃあ私のあげよっか?」
絵里「……気持ちはありがたいけど、チョココロネでご飯を食べようとは思えないの」
穂乃果「それでそれでー、ことりちゃんがねー?」
絵里「……ほんとあなたはことりの話ばっかりね」
穂乃果「だってねー、私ことりちゃんのこと大好きなんだもん!」
絵里「何回も聞いたわ。それなら思い切って付き合えばいいのに」
穂乃果「……うーん、そうしたいのはやまやまだけど……」
穂乃果「……やっぱりフラれるのが怖くてね……えへへ」
絵里「大丈夫よ。きっとあの子もあなたのこと好きだから」
穂乃果「そうかな……。見た感じだと海未ちゃんのことが好きそうだし……」
絵里「心配しすぎ。それに1度行動してみないと結果もついてこないわよ?このまま何もしないで全部終わらせるの?」
穂乃果「それは……いやだ」
希「優柔不断はあかんな。ほんならウチがバシィッと決めたるよ!」
希「そうやねー。じゃあ……次の日曜日に告白しなさい!」
穂乃果「ええっ!?そ、それってもう3日後じゃん!?」
希「それくらい急な方がおもしろいやん?」
穂乃果「もー……楽しまないでよ!私は真剣なのに……」
希「ホントに好きならそれくらいやってみ。心の準備なんて今まででの期間で充分やったろ?それとも本当にこのままズルズルと引き伸ばして全部終わらせちゃうん?」
穂乃果「……希ちゃん、絵里ちゃん」
穂乃果「……わかったよ。日曜日……ことりちゃんに告白する!」
絵里「そうよ!その意気よ穂乃果!」
希「そんな穂乃果ちゃんの勇気を称えて、ウチは恋愛成就間違いなしのラッキーアイテムの占いをエールとして送ったる!」
穂乃果「はい!よろしくお願いしますっ」
希「うしっ、任しとき!」
希「えっと、なになに?……カードが言うには、好きな人にアクセサリーをプレゼントするといいかも、やって?」
希「なんや、自分が携帯するものやないんかい。ま、今言ったものをプレゼントしたら告白成功も約束されたようなもんや!」
穂乃果「よーし!じゃあ土曜日は電車で遠出だ!」
穂乃果「1人じゃよくわからないから雪穂でも連れてこーっと」
穂乃果「はぁぁ……。なんでお客さんがいない時間に限って仕事増やされるんだろ……。包装くらいお母さんがやってくれてもいいじゃん……」
雪穂「ただいまー」
穂乃果「あっ、おかえり雪穂ー」
雪穂「あっ、お姉ちゃん。着替え終わったら店番変わってあげるからちょっと待っててね」
穂乃果「はーい。……ってなんだって!?……雪穂が……自分から……店番をやるって……!?」
穂乃果「お母さん!お父さん!事件だよ!雪穂が店の手伝いに積極的だよ!」
雪穂「……ちょ、やめてよね。お客さんもいるんだから」
穂乃果「お客さん?誰もいなかったと思うけ……」
ことり「……こ、こんばんは」
穂乃果「……ことりちゃん」
雪穂「なんか店の前で佇んでたからお姉ちゃんに用かなって思ったんですけど、違いました?」
ことり「ううん、穂乃果ちゃんに用事で……合ってるよ」
雪穂「そうですか♪それじゃあ私は着替えてきますので、お姉ちゃんの相手をしてあげててくださーい!」
ことり「あっ、雪穂ちゃ……」
穂乃果「あはは……。学校休んだのに店の手伝いしてるなんて変だよね」
ことり「そんなことないよ。ひどいカゼとかじゃなくて安心した」
穂乃果「……」
ことり「まあその様子だと体調悪いのはウソだったみたいだけどね」
穂乃果「あは……、やっぱりばれちゃった?」
ことり「うん。だっていつも通りだもん。……いつも通りの、ことりの大好きな穂乃果ちゃんだもん」
穂乃果「……えっ、ことりちゃん……?」
雪穂「おまたせー。この後部屋いくの?」
穂乃果「あー、えっと……」
ことり「ちょっと風に当たりたいかな。外歩こっか?」
穂乃果「そ、そうだね。じゃあ後は頼んだよ雪穂」
雪穂「雪穂ちゃんしっかり頼まれましたー」
雪穂「……しっかりやんなよお姉ちゃん」
雪穂『じゃあ耳元でいいから小さく囁いてみてよ!それならあまり恥ずかしくないでしょ!?』
穂乃果『……そ、それなら……』
穂乃果『……えっとね、私………ことりちゃんのことが好きなんだ……』
ギャグを入れたい……
でも入れたら負けな気がする……
ああ辛いです……
ことり「またこの公園に来ちゃったね」
穂乃果「そうだね……」
ことり「一昨日はいきなり変なこと言っちゃったよね」
穂乃果「変なんかじゃない。ことりちゃんみたいに真面目な子だったら、ああやってナイーブになることもたまにあるよ」
ことり「……うん。でもね、一昨日相談したかったこと、本当はそんなことじゃなかったの」
穂乃果「そうなの?」
ことり「本当は……穂乃果ちゃんにこの気持ちを伝えたかったんだ」
ことり「穂乃果ちゃんが好きだって」
穂乃果「ダメ、……だめだよ……。だって私たち女の子同士なんだよ……?許されるわけないよ……」
ことり「それでも、何回だって言う。穂乃果ちゃんが好きだって」
穂乃果「やめてよ……。たとえ付き合っても幸せになんて……」
ことり「幸せ、か」
ことり「穂乃果ちゃんにとっての幸せって何?」
穂乃果「幸せってそりゃ……好きな人と寄り添いあって生きていくことじゃ……」
ことり「穂乃果ちゃんはさ、ことりのこと好きじゃないの?」
穂乃果「そんなことない!ことりちゃんのことは小さいときからずっとずっと大好きだった!」
ことり「その気持ちだけで充分なんじゃない?」
穂乃果「……」
ことり「難しいことはさ、これから一緒に考えていこうよ」
穂乃果「そんな無責任な……」
ことり「だっておかしいでしょ?性別が同じなだけで好きな人と結ばれることができない世の中なんて」
穂乃果「……それはそうだけど」
ことり「それなら私は他の人から後ろ指を刺されてでも背いてみせる。これは我慢しなくちゃいけないことなんかじゃない」
穂乃果「……ことりちゃんは……強いんだね」
ことり「そんなことないよ。こうなれたのも全部穂乃果ちゃんを後ろから見てきたおかげ。……少しでも穂乃果ちゃんに近づけたらって」
穂乃果「……そんな、私なんてことりちゃんよりすごいところなんか全然……」
ことり「あるよ。数え切れないほど、たくさん」
ことり「今だって私を否定してるのも私を傷つけないためなんでしょ?」
穂乃果「……」
ことり「そうやって他人のことを考えて行動するのも本当はすごく難しいことなんだよ?」
ことり「人間ってなかなか自分の欲求を押し[ピーーー]ことなんてできないからね」
穂乃果「……」
穂乃果「はーあ。なんかいろいろ考えてるだけムダだったのかなー」
穂乃果「ことりちゃん、付き合おっか?」
ことり「……ふふ、穂乃果ちゃんならそう言ってくれると信じてたよ♪」
ことり「よろしくお願いします!」
穂乃果「わざわざ家まで送ってくれなくてもよかったのに?」
ことり「ううん。もともと連れ出したのは私なんだからこれくらいさせてよ」
穂乃果「ありがと。……じゃあ、んー」
ことり「ん?」
穂乃果「もー!また明日ねのチューだよ!」
ことり「あっ、了解♪」
穂乃果「……ん」
ことり「……大好きだよ、穂乃果ちゃん。このネックレスも大切にするから」
穂乃果「そうしてくれると買った甲斐もあるよ。それじゃあね!気をつけて帰ってね」
ことり「うん。ばいばーい」
ことり「……すっかり暗くなっちゃったな」
ことり「でも、よかった。穂乃果ちゃんと付き合うことができて♪」
ことり「これで次の曲用の衣装制作も捗りそうだ!」
ことり「……。んっ?街灯の下に何かある」
ギロッ
ことり「ひっ……!め、目玉っ……!どうしてあんなところに……!?」
ことり「……い、いや、違う……。あれは……花かな?」
ことり「うん、そうだ。……しかもこの前図鑑で調べたやつ。確か名前は……」
タッタッタッタッ
ことり「アネモネだったハズ。そんなものがどうし……」
ドスッ
ことり「………………えっ?」
ことり(……今……背中に何か刺さって……)
シユッ
ことり「うぐっ……!?」
ことり「だ、誰……!!」
「私ですよ、ことり」
ことり「……!!」
ことり「う、海未……ちゃん……?」
海未ちゃん(ブワッ
ことり「ね、ねえ……今誰か私のそばにいなかった……?背中がすごく痛いんだけど……海未ちゃん何か見てない……?」
海未「……」
ことり「うっ……、けほっ。うぅ……はぁ……う……」
ことり「海未ちゃん……!おねがい、警察呼んで!まだ犯人が近くにいるかもしれないから……っ!」
海未「……」
ことり「う……み、ちゃん……!!」
海未「……」
海未「うるさいですね」
ことり「………………え?」
海未「犯人の姿なんて見てません。なので警察を呼んでももう手遅れです」
ことり「……なら……救急車でいいから……」
海未「なぜ?」
ことり「な、なぜ……?そんなの……私の今の状況を見ればわかるでしょ……?」
海未「はい。あなたの状況はよくわかります。背中にナイフで刺され、抉られ、血が吹き出しています」
ことり「は……はやく……おねがい……」
海未「……はぁ。まだわからないんですか?あなたは凛や穂乃果以上に頭が悪いんですね」
海未「なぜ殺そうと思ってる相手を助ける必要があるんです?」
海未「あなたさえいなくなってくれれば穂乃果も私を選んでくれるんです」
海未「だから大人しくそのまま逝ってくれませんか?」
ことり「……い……いやだ……」
海未「しぶといですね。もう眠ったらどうです?痛いでしょう?苦しいでしょう?楽になりたいでしょう?」
ことり「……それでも……諦めなたくないから……。だって……まだ……これからなんだもん……。やっと、やっと想いが通じたのに……!」
海未「知ってますよ。あなたが穂乃果をいいように言い包めていたところはちゃんと見てましたから」
海未「よかったですね。私を押し退けて穂乃果の彼女という座に居座った気分はどうです?嫉妬と怨嗟に苦しむ私を見て惨めだと思うでしょう?」
ことり「……そんなこと……」
海未「いえ……返事なんていいです」
海未「それでは私はもう帰りますね。ああ、穂乃果の先入観を取り払ってくれたことは感謝しています」
海未「あの子も最初こそはあなたのことを引きずるかもしれませんが、いずれ必ず私を必要としてくれるでしょう」
海未「その時はちゃんと幸せにしてあげますから、あなたは天から見守っていてくださいね。ふふふ」
ことり「……ぁ、ひぁ……」
ことり(……声が、でない……)
ことり(これで……終わりなの……?そんなのってあんまりだよ……)
ことり(もっといろんなことをしたかった。いろんなものを見たかった。……でもそれももう叶いそうもないや……)
ことり(……あなたに出会えて本当に良かった。恋というこんな素敵な感情を教えてくれて……本当にありがとう)
ことり(どうか海未ちゃんを恨まないであげてね……?私も一歩間違ってたらそんなふうになってたかもしれない。だから海未ちゃんが恨めしいと思えない)
ことり「……ぁ、……ぅ」
ことり「……ほ、のか……ちゃ……」
希『穂乃果ちゃん!早まったらアカン!!』
海未『穂乃果!お願いだから戻ってきてください!』
絵里『そんなことしてもことりは戻ってこないのよ!?わかってるでしょ!?』
穂乃果『……』
教師『くっ……!警察や消防はまだ来ないのか!?』
教師『ダメです!道が混んでるらしくて少なくともあと10分はかかります!』
にこ『あんた!このまま何もかも投げ出す気!?』
花陽『ことりちゃんだって絶対こんなこと望んでないよ!』
凛『そうだよ!生きていて欲しいって思ってるはずだよ!』
教師『お前もまだ若い!!だからこれからもっといい出会いがあるかもしれないじゃないか!どのみちあと2年もしたらお前らは別々の道に進んでいただろうし、別れがただ少し早くなっただけじゃないか!』
穂乃果『……うるさいっ!!』
教師『……!』
絵里『先生!!あまり穂乃果を刺激するようなことを言わないでください!』
教師『す、すまない……』
穂乃果『ことりちゃん。今からそっちに行くからね。そこで今度こそ幸せになろう』
穂乃果『……本当に……うっ、うぅ……、守ってあげられなくて……ごめんね……』
穂乃果『さぁ……受け止めて!ことりちゃん……!』
海未『穂乃果!!待っ…………』
スッ
海未『…………て』
教師『…………くそっ…………』
海未『穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!』
海未ちゃん(ブワワッ
穂乃果「……ん、ここは……」
ことり「あっ、やっと起きた。ふふっ、よだれついてるよ?」
穂乃果「ことりちゃん……?あれ、私寝ちゃってたの?」
ことり「そうだよ?穂乃果ちゃんったらデートの最中なのに寝ちゃうんだもん」
穂乃果「えっ、ホント!?起こしてくれればよかったのに!」
ことり「いいのいいの。私は穂乃果ちゃんの寝顔が見れて眼福でしたから♪」
穂乃果「うぅ……。でもせっかくのことりちゃんとのデートだったのに……もったいないことしたなぁ……」
ことり「気にしない気にしない。デートなんてこれからいくらでもできるでしょ?」
穂乃果「それでも今という時間は今にしかやってこないんだよ!」
ことり「意外とロマンチストなんだね?」
穂乃果「ドラマからの受け売りだけどね。私がそんなカッコイイこと言えるわけないでしょ?えへへっ」
ことり「だろうと思ったよ。くすくす」
ことり「それにしても今日はいい天気だね。これなら眠くなっちゃうのも仕方ないよ」
穂乃果「そう?ことりちゃんの顔で空が見えない……ってあれ?」
ことり「どうかした?」
穂乃果「ことりちゃんの顔が上にあるってことは、」
ことり「穂乃果ちゃんはことりのお膝の上でお昼寝してたってことだよ♪」
穂乃果「えっ!?わわっ、ごめんね!重たくなかった?今よけるから!」
ことり「だーめ☆ もう少しこのままでいよ?」
穂乃果「でも足痺れてない?私が寝てる間ずっとそのままの姿勢だったんでしょ?」
ことり「それはまぁそうだけど」
穂乃果「だめだよ!血の流れが悪くなって体に悪影響あるかもしれないしそれに……」
ことり「ふふ、やっぱり優しいね」
穂乃果「へっ?」
ことり「そうやっていつも私のこと大切にしてくれてありがとう♪」
穂乃果「そ、そんなの当たり前だよ、だってことりちゃんは私のか、かかっ、彼女なんだから!」
穂乃果「それにこっちこそいつも気を使ってくれてすごくありがとうだよ!」
ことり「どういたしまして♪」
穂乃果「ねえねえ、今何時?」
ことり「ちょっと待ってね。今携帯見るから……、えっと、3時過ぎだね」
穂乃果「ってことは、2時前に一緒にクレープ食べてから記憶がないから……1時間は寝てたのか……」
ことり「つまり私は1時間ずっと寝顔を見てたんだね」
穂乃果「よくもまぁ飽きないもので……」
ことり「それはもう、ほっぺたツンツンしたらちょっと顔を顰めるとことか、口の中に指入れたらしゃぶってくるとことか、観察しててなかなか飽きないものでしたよ♪」
穂乃果「やめてよー。なんか恥ずかしくなってくるから……」
穂乃果「これからどうしよっか?」
ことり「ん?人生設計のこと?」
穂乃果「いやいや、これからどこへ行きましょうか、って話だよ」
ことり「ああ、そっちね」
穂乃果「普通唐突に人生設計の話なんて持ち出さないでしょ……」
ことり「それもそっかー、あはは」
ことり「それじゃあもうお家に帰ろっか?」
穂乃果「え……?もうばいばいするの……?」
ことり「違う違う。そうじゃなくってー、ね?」
穂乃果「……あ、……もしかして」
ことり「そっ!実はね、今週いっぱい私の家……お父さんもお母さんも出張でいないんだ?」
ことり「だからさ、今夜は私の家にお泊りしない?」
穂乃果「う、うん……/// お泊まりする……!」
ことり「じゃ、じゃあ決まりだね!」
穂乃果「 ……えへへ。なんか少し前までは普通にお泊まり会もしてたのに……、今だとなんか照れちゃうね?」
ことり「そ、そうだね。つまり私たちも大人になってきたってことなのかな?」
穂乃果「大人に……かぁ」
ことり「もうあの頃みたいな無垢な私たちには戻れないね」
穂乃果「……それでも、ことりちゃんとなら私はなんでもできるから///」
ことり「穂乃果ちゃん……///」
穂乃果「じゃあ……ことりちゃん家に行こっか?」
ことり「は、はい……!」
穂乃果「ことりちゃん……、すごく、気持ちよかった……」
ことり「私も……だよ。お互い初めてだったのにね……」
穂乃果「相性云々ってより、相手がやっぱり好きな人だったから……あ、あんなに……こ、声も……」
ことり「あっ、顔が赤くなってきた♪」
穂乃果「も、もう……!ばかぁ!」
ことり「ごめんごめん。でもやっぱりそうだよね。大好きな穂乃果ちゃんとだったから、今こんなに満たされてるんだよ」
穂乃果「……うん。それに今もこうやってことりちゃんの体温を感じられてすごく安心するし……」
ことり「実は私、こういうの憧れだったんだー。薄暗い部屋でシーツ1枚被って裸で抱き合うこと」
穂乃果「えっ……?ことりちゃんってけっこう過激な映画見るんだね……///」
ことり「ち、ちがうよぉ!?健全な映画にもたまにそんなシーンが出てくるからそれでたまたま……!」
穂乃果「あぁー!ことりちゃんも顔赤くなってきたっ!」
ことり「ほ、穂乃果ちゃんが変なこと言わせるからでしょ!?」
穂乃果「えへっ、これでお互い様だねぇ♪」
ことり「むぅ!そうやって勝ち誇ったような顔してる穂乃果ちゃんには……こうだ!」
穂乃果「えっ、ちょっ、あはははは!やめ、ことりちゃん!あははは、くすぐったいよぉ!」
ことり「ほらほらぁ、生意気な態度とってごめんなさいって言わないとやめないよー?」
穂乃果「あははは!それでも絶対にい、言わないんだから!」
ことり「往生際が悪いなぁ!じゃあもっと身体中を……!」
穂乃果「や、そこは…………あ、ぁん……だめ……」
ことり「……」ムラムラ
穂乃果「……ひっ……先っぽ、やだぁ……」
ことり「はぁ、はぁ、穂乃果ちゃんかわいいよぉ……!!」
穂乃果「え、こ、ことりちゃん……?」
ことり「もっと穂乃果ちゃんのいろんなところを見せてー!!」
穂乃果「あ、あぁぁん!!らめぇぇええ!!」
穂乃果「もお!穂乃果おこだよっ!」
ことり「ご、ごめんなさい……」
穂乃果「最初のときみたいに時間かけてゆっくり優しくしてほしかったのにー!」
ことり「……はい」
穂乃果「……で、でもまあ……あれはあれでまた別の気持ちよさがあったからいいけど……」
ことり「……穂乃果ちゃんってけっこうMっ気あるよね」
穂乃果「なっ!?そ、そんなことないしっ!穂乃果は真正のドSだしぃ!!」
ことり「じゃあさ、攻めるときと攻められる時はどっちが気持ちよかった?」
穂乃果「それは……やっぱり攻められる時がきもちかった」
ことり「……ドS要素はどこにいったの?」
穂乃果「いえ、やっぱり私自身もドMなんじゃないかと思ってきまして……」
穂乃果「……ふわぁ」
ことり「あれ?もう眠たい?」
穂乃果「……うーーん。まだじぇんじぇん眠くにゃいよぉ……」
ことり「そんなトロンとした顔で言われても……」
穂乃果「やっぱり眠たにゃー……。明日も休みなんだし……、今日はもう寝ようかぁ……」
ことり「うん、それもそうだね♪」
ことり「じゃあ電気消すよー」
穂乃果「ふわーーい……」
ことり「……」
ことり「穂乃果ちゃん、もう寝ちゃった?」
穂乃果「ううん。なんか真っ暗になったら逆に目が冴えちゃって」
ことり「ふふっ、たまにあるよね」
穂乃果「どうかしたの?」
ことり「なんでもないよ、起きてるか聞いてみただけっ♪」
穂乃果「そうなの?ははっ、変なことりちゃん」
ことり「……」
穂乃果「……」
ことり「ねぇ穂乃果ちゃん」
穂乃果「起きてるよー」
ことり「いや、そうじゃなくてね、言いたいことがあるの」
穂乃果「んー?」
ことり「大好き☆」
穂乃果「も、もう/// それはもう何回も聞いてるよぉー!」
ことり「これからも何十回、何百回、何千回と言ってあげるから安心して?」
穂乃果「で、でもさすがに学校で言うのは勘弁してほしいかな……?」
ことり「そうだね、あはは。あのときの海未ちゃんの発狂ぶりと言ったら……くすっ」
穂乃果「もー!他人事だと思って!ホントに怖かったんだからね!?」
ことり「だからあの後チューして謝ったでしょ?」
穂乃果「それが海未ちゃんの逆鱗に触れたんだよ!?」
ことり「…………くす、あはは」
穂乃果「ま、まったくことりちゃんはー。反省してよね…………えへへ」
ことり「もう寝よっ」
穂乃果「そうだね。寝てる間も手離しちゃやだよ?」
ことり「おトイレに行きたくなっても?」
穂乃果「そのときは私もついてく♪」
ことり「やん、恥ずかしいよ///」
穂乃果「……明日も楽しいことたくさんあるといいね」
ことり「大丈夫だよ。だって穂乃果ちゃんがいるんだもん。退屈なんてさせてくれないでしょ?」
穂乃果「それどういう意味ー?」
ことり「そのまんまの意味だよ♪」
穂乃果「……気になるけど、ま、いっか」
ことり「ふふっ。じゃあ今度こそ本当におやすみー」
穂乃果「うん、おやすみっ」
穂乃果「ことりちゃん……大好き!」
・・・・・・
穂乃果『……』
海未『穂乃果!!はぁ、はぁ……、目を覚ましてください!お願いします!』
絵里『う、海未……。もう……ムリよ……』
海未『そんなこと、ありません!はぁ……はぁ……!黙って見てるくらいならAED持ってくるなりしてくださいよ!?穂乃果……穂乃果ぁ……』
花陽『うっ……お、おぇぇ……』
凛『……ゲホッ……うぅ』
にこ『……あんたたち、保健室で休んでなさい。……こんなの、なかなか耐えられるもんじゃないわよ』
真姫『じゃあ私が連れて行くわ。……正直、本物がここまでひどいものなんて思わなかった。……医者になんて私、なれそうにないかも……』
海未『どうして……どうして目を開けてくれないんです!?ぐっ……はぁ……!もう何十回も蘇生を繰り返してるのに!!どうして!?』
にこ『……もう諦めなさいよ。……当たり前じゃない。だって……』
絵里『だって……、もう穂乃果の顔は……半分なくなっ…………うっ』
希『エリチ、辛いなら真姫ちゃんたちと一緒に保健室行き?』
絵里『……うぅ。……いえ、大丈夫よ。この子たちを最後まで見届ける義務が……私にはあるのだから』
教師『救急車が着きました!』
警察『現場は!?』
教師『こっちです!』
海未『穂乃果ぁ……目を……開けて……くださいよ……穂乃果……』
警察『キミ!ちょっとそこをどい……っ!!……うっ、これはひどい……』
真姫父『もう……手遅れですね。私には……どうすることもできないです……』
海未『……なぜです!?あなたは医者でしょう!?傷ついた人を助けるのが仕事なんでしょ!?なら助けてくださいよ!!私の……穂乃果を、助けてよぉ!!』
真姫父『……』
絵里『……海未、落ち着きなさい』
海未『うぅ、ううぅぅぅぅ……!!』
消防『…………とりあえず、この子を担架に』
消防『……はい』
海未『……。私も……ついていっていいですか?』
消防『……好きにするといい。でも、期待はしないでくれ』
海未『……』
絵里『……希、私も海未と一緒に行くわ』
希『わかった。……そこで海未ちゃんにもしものことがあったときは……止めたってな』
絵里『……ええ。これ以上、大事な仲間を失うわけにはいかないものね』
医者『16号室の患者の様子はどうだ』
看護師『はい、相変わらずですね。2年前に留置所から送られてきたときと何も変わりません』
医者『そうか……。可哀想なものだな……』
看護師『ほんとですよね……。あれじゃあただ生きてるだけですよ……。植物と何も変わりません……。食事には一切手をつけませんし、たまに何か喋ったと思えば、飛び降り自殺したあの女生徒の名を呟くばかり。かつて同じ部活動だった子達が来ても全く反応を示さないんです』
医者『せめて話が通じればこちらとしても手の施しようがあるんだが……』
看護師『……あ!大事なことを忘れてました!』
医者『な、なんだ?』
看護師『先週から突然、自殺した女生徒の妹さんがお見舞いにくるようになったんですよ』
医者『それがどうかしたのか?』
看護師『どうしたもこうしたもないです!話すんですよっ!彼女とだけは!』
医者『なに!?なぜそれを早く言わないんだ!』
看護師『……そ、それは、彼女が本当にその妹さんだけとしか言葉を交わさないので……』
医者『それでも充分じゃないか!よしっ、早いうちにその妹さんを通じて彼女と話をするんだ!私はその準備をするからこれで失礼する』
看護師『は、はい!』
雪穂「海未ちゃん、調子はどう?」
海未「至って健康ですよ。入院しているのが不思議なくらいです」
雪穂「あははは……、そんな痩せ細っちゃってるのによく言うよね」
海未「そんなにひどいんですか?一度くらい自分の顔を見てみたいのですが……」
雪穂「や、やめた方がいいと思うよ……?隈とかもすごいし……」
海未「そうですか……。まあ穂乃果が私の顔を見ててくれますしそれだけで充分です」
雪穂「そうそう。穂乃果がじっくりねっとり舐め回すように見ててあげるからねっ♪」
海未「や、やめてください!恥ずかしいです!」
雪穂「あはっ、冗談だよ。それじゃあちょっと花瓶の水変えてくるね。せっかく絵里ちゃんがお花持ってきてくれたのに枯れちゃったらかわいそうだから」
海未「はい。……できれば早めに戻ってきてくださいね?あなたがいないと寂しいので……」
雪穂「わかってるって♪じゃ、行ってきまーす」
海未「行ってらっしゃい」
雪穂「……」
雪穂「……ふふ、ちょっと時間がかかっちゃったけど、やっとこの日が来た」
雪穂「髪はすぐに伸びたけど、まさか背と胸がお姉ちゃんくらいに大きくなるまでに2年もかかるなんて……。まぁ当然か。姉妹なんだし」
雪穂「でも本当にこの程度の変装で騙しきれるとは思わなかったな。一昨日に絵里さんにあったときはすぐにバレたのに」
雪穂「んー、どこがいけないんだろ?やっぱり目つきかなぁ?お姉ちゃんみたいなパッチリ目にはさすがに整形しないといけないからなぁ……」
雪穂「……でも今の姿でも充分あの人を騙せてる。偽物のお姉ちゃんに確実に心を開いてきてる」
雪穂「今ならいける。…………いまならあの人を」
雪穂「殺れる」
雪穂「お姉ちゃんを追い詰めて、殺した犯人。……ずっと憎くて憎くて仕方なかった」
雪穂「……お姉ちゃん、ことりさん、見てる?今あなたたちの仲を引き裂いた元凶に相応の報いを与えてあげるから」
雪穂「海未ちゃーん。お茶汲んできてあげたよ。一緒に飲も?」
海未「あなたにしては気が利くじゃないですか。ではいただきますね」
雪穂「うん♪ さ、飲んで飲んでー」
海未「…………っ!!」
雪穂「……」
海未「ほ、穂乃果……これに一体なにを…………ガハッ!」
雪穂「んっ?ただのお茶だよ?」
海未「そ、そんなわけないでしょう!!何を入れたんです!穂乃果っ!!」
雪穂「……もう、いい加減にしてくれませんか?私、穂乃果じゃないです」
海未「……は?」
雪穂「気づきませんか?私ですよ、私」
海未「も、もしかして……雪穂……?……グァッ……」
雪穂「そうですよ。お姉ちゃんのわけないじゃないですか」
雪穂「だって見ましたよね?頭が半分なくて、首がひしゃげて、腕が変な方向に曲がってて……1番近くで見てましたよね?お姉ちゃんの死体」
海未「うっ……ゲホッ……ゲホッ……」
雪穂「私、やっとこの時が来てくれて今すごく嬉しいです!」
雪穂「本当は去年の今頃にでも殺ろうと思ってたんですけど……海未さん、あの時そのお茶を飲んでくれなかったから……」
海未「……」
雪穂「あっ、もう逝っちゃいました?よかったよかった。これで私も心置きなくお姉ちゃんのところにいけるなー♪」
雪穂「それではみなさん、お元気でっ!さようなら!」
ドサッ
終わりです
鬱モノに逃げてごめんなさい。
乙
ところで途中のことほのは何だったんだ?
ifストーリー?
>>79
ひぐらしの目明し編ラストのネタを持ってきました
次はほのうみ か ほのゆきで悩んでます
どっちにしましょうか
22時半までに多かった方をたてますね
それまで宿題をしてきます
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