モバP「なかばのひつじ」 (91)



事務所




未央「ふんふーん♪」

P「なぁ未央」

未央「なになにプロデューサー?」

P「いくら最近寒くなってきたからって、ベッタリくっついてくるのはやめないか」

未央「どうしてー?」

P「さすがに暑くなってきたぞ。部屋の中だってそこまで寒いわけじゃないんだから」





未央「んー……」

未央「やだ☆」

P「未央はわがままだなぁ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383654082


未央「そんなこといっちゃってプロデューサー。本当は未央ちゃんの魅力に参っちゃってるんじゃないのかねー?」

P「そうだな。歳の離れたかわいい妹分にじゃれつかれちゃって参っちゃってる感じだなぁ」

未央「か、かわいいだなんて……参ったなぁ♪」

P「本当だからしかたない」

未央「……だが、実は二人は両親の離婚により散り散りになった本当の兄妹だったのだ!」

P「な、なんだってー!?」






未央「……なーんちゃって、ウソだよ☆」

P「ウソだったかー」


未央「もうすぐ、一年もおわるね」

P「時間が経つのは早いな。俺はもう一年が半年くらいで終わってるように感じる」

未央「プロデューサーおじさんくさいよー」

P「未央もその内わかるよ。そういう感覚は意外と早くやってくるから」

未央「プロデューサーがオジさんになーったら、私はオバさんよ♪」

P「へぇ、未央が生まれる前の曲なのによく知ってるな」

未央「えへへっ♪ お母さんがたまに聞いてたから知ってるんだ!」

P「未央が年をとった時も、ずっと語り継がれているアイドルにしてあげられるように頑張らないとな」

未央「プロデューサーくん、精進したまえよー?」

P「ははぁー」


未央「プロデューサー。私たちが初めて会った時期も、もう少ししたらだね」

P「そう言えばそうか。さっきも言ったけど時間が経つのは早いな」

未央「プロデューサーはあの時のこと覚えてる?」

P「あぁ、覚えているよ」

未央「そう、あれは皆が祭りに浮かれる冬の日のことじゃった……ほわんほわんほわん」

P「自分で効果音を言うのか……」





―――
――




『世間は恋人たちの季節だっていうのに俺は一人』

『寂しい……寂しすぎる!』

『社長……君もこの日くらいは早めにゆっくりしたいだろう、って気を使ってくれた気持ちは嬉しいですけど……』





『あいにく一緒に過ごす人なんていないんだよなぁ……』





『事務所、戻ろうかな』

『それともスカウトでもするか?』

『でも、こんな日に声をかけても必死なナンパに見えるだろうなぁ』



『どうするかな……はぁ』








『お兄さん! ため息なんてついちゃってどうしたの?』








『えっ』




















































『ねっ?』

http://i.imgur.com/84HIX9b.jpg




『暗い暗い! そんな顔してちゃ幸せが逃げていっちゃうよー?』

『あ、あぁ……』

『どうしたの? そんなきょとんとした顔して』

『あぁ、うん……というか君、誰?』

『なっ……! お兄さん、千葉が生んだ一般人こと本田未央を知らないの!?』

『そりゃ一般人だったら知らないと思うけど……』

『ショック……ショックだ……』






『まぁそれは置いといて、どうしてため息なんてついてたの?』

『その前に……えっと、本田さんだっけ。君は何で俺に声をかけたんだ?』

『だって、こんな日にスーツを着て往来の中でため息なんてついてる人がいたら気になっちゃうよ』

『別にそこまで異様な光景じゃないと思うけど……まぁ、そういえば着替えてなかったな』

『それで、質問は答えてもらえる?』

『隠すことでもないし別にいいよ』






『――なるほどね。それでお兄さんは一人たそがれていた、と』

『そういう君は、俺とは逆にずいぶん楽しんできたみたいだね』

『そりゃもう! ドキッ、女友達だらけのメリクリパーティーでしたから!』

『友達か……仕事が始まってからはあんまり会えなくなったなぁ』

『ところで気になったんだけど、早めに休みをもらったのはわかったとして、どんなお仕事してるの?』

『あぁ、俺は……こういう者だよ』






『ふむふむ……アイドル事務所シンデレラ……プロデューサー』

『……ってプロデューサー! お兄さんアイドルのプロデューサーなの!?』

『一応は』

『一応?』

『まだ駆け出しの事務所だから、見習いの新人みたいなものだしね』

『新人……道理でこんな日に一人立ち尽くすわけだね……』

『それは関係ないだろ!』






『それで、プロ兄さんはこれからどうするの?』

『プロ兄さん!?』

『プロデューサーをしてるお兄さんだから、プロ兄さん! 今考えてみました!』



『…………』

『…………くっ、あははははは!』

『そんなに面白かった? 未央ちゃんもしかしてお笑いのセンスありかも!』

『うん。色々な意味で面白い子だよ、君は』






『……そうだな。せっかくだし、今からでもスカウト頑張ってみるよ』

『その調子だよお兄さん。せっかくなら元気にいかないとね♪ 寒さに負けず、お仕事頑張ろー!』

『実はさっき、気になる子を一人見つけたんだ』

『それじゃあ早く追いかけたほうがいいんじゃない?』

『いや、もう間に合ってる』

『どゆこと?』





『本田未央さん。よかったら――――』






―――



未央「……ほわんほわんほわんほわん」

P「また言うのか……」

未央「いやー懐かしい話だね!」

P「そこまで前の話でもないのに、ずいぶんと前の話に思えるのは、それだけ皆と過ごした時間が濃かったからなんだろうな」

未央「まさかあの時呼びかけたお兄さんが、本当に『お兄さん』だったなんて……」

P「まだ言うかこいつめっ」ポカッ

未央「いたっ! 暴力反対だー!」



P「……暴力なんて振るって、傷をつけるわけないだろう」

未央「え?」

P「未央にはまだまだ働いてもらわねば、事務所のための生贄になってもらわなければ困る」

未央「えっ……」

P「ふっふっふ……」

未央「プ、プロデューサー……嘘、嘘だよね……?」







P「うそだよ」

未央「うそだったかー!」

一旦終わり
そんなに長くなるわけじゃないけど、何日かかけつつ適当な時間にちまちま投下していこうと思います


P「しかし、最初の頃に比べたら未央の力も格段に上達してきたよな」

未央「あんまりおだてねぇでくださぇ……あっし、まだ修行の旅の途中でごぜぇやす」

P「くっ……な、なんだそのでたらめな口調……!」

未央「この前あやめちゃんと見た時代劇を真似してみました!」

P「でたらめ過ぎて、一周してそれっぽい気すらしてくるぞ」

未央「それよりプロデューサー。最初の頃の私ってそんなにひどかった?」

P「そりゃもう。酷いっていうか……哀れだった」

未央「哀れって! もうちょっと言い方ってものがあるでしょー!」

P「いやだって、アレはなぁ……」



――




『それじゃあ、今日からレッスンが始まるわけだけど』

『……』

『未央?』

『…………は、はい!』

『……大丈夫か?』

『だいじぇぶです!』

『……』



『……心配だなぁ』

『だ、大丈夫! 本当に大丈夫!』

http://i.imgur.com/cFoJpzB.jpg







『それにしても、レッスンってジャージとかじゃないの?』

『どうせならちゃんとした衣装を着た方が気合入るかと思って』

『オレンジ色って何か元気でるし、そういう意味じゃ気合は入るかも!』

『よし、じゃあ気合も入った所で、音楽に合わせてダンスするぞー』

『はーい!』






~~♪

『よっ……ほっ……』



~~♪

『やっ……あれれ?』



~~♪


『ぬっ……あっ!』





~~♪

『プ、プロデューサー! よけてー!!』

『えぇっ!?』





ガシャーーーンン

¦ ¦
♪ ♪






『いたた……ど、どうやって転んだんだ今の……』

『き、緊張で足がもつれちゃって……』

『それにしてもアクロバティックな転び方だったな……森崎くんみたいにこっちに飛んできたぞ』

『森崎くんって誰? プロデューサーの友達?』

『いや……なんでもない』






『――よし、怪我はないみたいだな』

『ありがとプロデューサー』

『それにしても……本当に大丈夫か。レッスン、もう少し経ってからにするか?』

『大丈夫……って言えないかもだけど、だからって最初からくじけるわけにはいかないよ!』

『そっか。じゃあ、もうちょっと落ち着いてからレッスン再開しような』

『うんっ!』





――




P「まぁ、その後も縦横無尽してたわけだけど……」

未央「だからあれは最初の緊張からだって! 何日かしたらちゃんとできてたでしょー?」

P「その数日間が問題だった。正直、レッスン場壊れるかと思った」

未央「プロデューサーは私のことを一体なんだと思ってるのかなぁ……」

P「そりゃあ、明るくて頑張り屋で、でもちょっとだけ寂しがりやな、我が事務所の誇るアイドルだよ」




未央「…………えっへっへ♪ もっと褒めてくれてもいいのだよ!」

P「未央はすごいなぁ」


未央「でも、初めてのイベントの前はそれ以上に緊張したなぁ」

P「小さなイベントだったけど、未央にとっては大きな一歩だったからな」

未央「アイドル・本田未央の時間は、あそこから動き始めたんだよね……」

P「……」

未央「……」

P「……未央」

未央「どうしたの?」

P「なんとなくそれっぽい事言えたからって、ドヤ顔でこっちを向くのはやめよう」

未央「……はいはいわかりましたよー」




――




『…………』

『未央、こんな所に居たのか』

『…………プロデューサー』

『隣、座っていいかな』

『うん』

『じゃあ、お邪魔します』






『…………』

『……やっぱり怖いか?』

『…………』

『…………うん』

『じゃあ良いことを教えてあげよう。手のひらに人の字を書いて』

『そんなの、気休めにならないよ』





『…………なぁ未央。別に失敗してもいいんだぞ』

『…………え?』






『未央はまだまだ駆け出しの新人だ』

『別にこのイベントを軽視している訳じゃないけど、失敗なんてして当たり前なんだよ』

『まぁ、つつがなく成功するなら一番いいけど、未央はそれをこなせる実力が今の自分についていると思ってるか?』

『……ううん』

『だったら、駄目で元々で行こう。いざとなったらドジっ子キャラってことにすればいいしな!』




『……ふふ、なにそれプロデューサー』






『ちょっとは元気でたか?』

『……言っておくけど、ありえないよプロデューサー!』

『え』

『失敗して当たり前とか、実力がついてると思うかとか、駄目で元々とか、例えそうだとしても初イベント前で緊張してるアイドルにいう言葉じゃないでしょー!』

『は、はい』

『ドヤ顔でえっらそうに語っちゃって……新人アイドル以下のド新人プロデューサなんだからっ!』

『ごめんなさい……』








『……でもまぁ、ちょっとは元気でたかも♪』

http://i.imgur.com/ACoZEJ1.jpg








『今回のイベントの目標は一人だけでもファンを作ることに決めた! よーし、行っくよ~!』

『それは志低すぎじゃないですかね未央さん……』

『なにおうっ!』

『すみません』

『未来のスーパーアイドル、本田未央ちゃんの二番目のファンになれる権利を得るのは果たして誰なのか!』

『二番目? 最初のファンじゃなくてか?』

『うん、二番目だよ。だって――』






『私の一番目のファンは、プロデューサーでしょ?』



一旦終わり
多分ほどほどの時間おきにちまちま投下していく予定



――



未央「今にして思えば私がドヤ顔をした遠因もプロデューサーだよね」

P「それはさすがに言いがかりだ!」

未央「えー?」

P「なぜそこまで責任を押し付けられるのか……」

未央「ま、私は寛大だから許してあげよう!」

P「ありがたやありがたや」


未央「ねぇねぇプロデューサー」

P「どうした?」

未央「私、また新しい曲を歌いたいな!」

P「この前凛と卯月と一緒に歌ったし、最近もカバーソング歌ったばかりだから我慢しなさい」

未央「やだやだー! うーたーうー!」

P「わがままいう子はお父さん嫌いになるよ」

未央「……ねぇ、パパぁ~ん?」

P「色仕掛けは効かない。というかその呼び方は誤解を招くからやめろ!」

未央「じゃあ……お義父さん?」

P「俺は誰の父親なんだか……」

未央「ウチの英語の渡辺先生!」

P「マジで誰だ」




P「まったく。あんなにいい曲を歌わせてもらっといて……」

未央「曲のことはもちろん大好きだからね!」

P「じゃあ何は好きじゃないんだ?」

未央「そ、それは……」

P「うん」

未央「正直、プロデューサーのことはあまり……」

P「えっ……」







未央「えへへっ、うそだよ☆」

P「うそでよかった」




――




『おーい未央。CDのポスター仕上がったけど見るか?』

『おっ、完成したんだね! 早く見せて見せて!』

『焦って破ったりでもしたら大変だ。別に逃げないんだから』

『今ここにあるワクワク感が逃げちゃうの!』

『わかったわかった。今広げるから』




『……ほら、どうだ?』

『おぉう……』








http://i.imgur.com/2qAFo5O.jpg









『こう出来上がったのを見て、改めて思うんだけどさ……』

『どうした?』

『私って、結構胸大きいね!』

『…………はぁ~。第一声がそれかよ……』

『そんなこと言って、プロデューサーくんも意識しちゃってるんじゃないのかね?』

『はいはい』

『そんなに遠慮せずに! ほれほれ~♪』

『早苗さん、ここに痴女が居ます!』






『ねぇプロデューサー』

『おう』

『ありがと』

『うん』

『私、凛と卯月にまた少し追いつけたのが本当に嬉しいんだ』

『もちろん二人や皆とは仲良しだけど……それでも、絶対負けたくなかったから』

『……うん』






『ここまでこれたのは、プロデューサーが居てくれたから』

『プロデューサーが、いつも私に勇気をくれたからだよ』



『だから――ありがとう!』






『俺だって、分からないことだらけだったよ』

『自分のしてきたことは本当に正しいのか、もっと方法があったんじゃないか……もしかして、この仕事に向いていないんじゃないかとかな』

『それでもここまで諦めずに来れたのは、皆や……隣に並んだ未央の笑顔があったから』



『だから――こっちこそありがとう』






『えへへ♪ 私たち二人とも、まだまだだね!』

『あぁ』

『だったら、ここからまた次のスタートだよね!』

『おう!』



『まだまだこれから……う~、ワクワクしてきた!』





――



未央「プロデューサー! あの時の私から少しは成長したかな?」

P「そうだなぁ……未央も最近はメキメキと上達してきたからな」

未央「うんうん!」

P「でも、やっぱりちょっとツメが甘い所がまだまだたくさんあるからなぁ」

未央「上げて落とすのはやめてよー!」

P「まだ伸びきってないということで、六ツ星満点中の三ツ星ってところだな」

未央「はぁ……未央ちゃんがっくし……」

P「未央も、もちろん俺もまだまだ頑張らないとなってことだよ」



未央「じゃあ、じゃあさプロデューサー! 女の子としての私の評価だったらどうかな?」

P「それ、関係有るのか?」

未央「いいからいいから!」

P「うーん、そうだな……」

未央「うんうん!」







P「六ツ星かなぁ」

未央「……えへへっ♪」



未央「プロデューサー。私ちょっと飲み物入れてくるね!」

P「いってらっしゃい」





P「なんだか昔の話をしてたら色々と懐かしくなってきたな」

P「えーっと、確かこの辺りにアルバムが……」ヒラッ







P「……ん?」

http://i.imgur.com/Zz7WMZE.jpg



P「これは……」




??「だーれだ?」スッ

P「うわ、見えなっ……!」

??「ふっふっふ、さぁ私が誰だかわかるかなー?」

P「誰だ……?」

??「それじゃあスペシャルヒント! 【み】から始まって【お】でおわる名前だよ!」

P「うーん……難しいけど、もしかしたら未央か?」

??「ぶっぶー残念! 正解は……じゃかじゃん!」










未央「未央ちゃんでした!」

P「未央だったかー」

なんかID変わってるけど一旦終わり

>>49でしぶりんとしまむーじゃなくて凛と卯月って書いちゃったよ
まぁ真剣に話してる時だからみたいな感じで思っていただければ

ちょっと時間かかったけど再投下で最後まで


未央「それより、これって去年みんなで海にいった時の写真だよね!」

P「あぁ、未央がまだネクタイ付けたままの俺を引きずり込んで取らせた写真だな」

未央「あ、あははは……」

P「おかげでしばらく海パン刑事って呼ばれてたんだからな」

未央「……それよりこの写真のしまむー! いいお尻してますねぇ~」

P「なんて不自然な話題変更だ」

未央「しぶりんも大胆な水着着てるし、最近の娘はけしからんですな!」


P「オヤジかよ……というか、それを言うなら未央だって大胆じゃないか」

未央「そうかな?」

P「衣装や水着のこともそうだけど、この時だって紐が外れたフリとかしてたしな」

未央「あー……そんな覚えがあるかも」

P「まぁ、あんまりやりすぎないようにな」

未央「おやおや~? もしかしてこの私の大胆ビキニに照れちゃってたかなー?」

P「はいはい」

未央「ぶーぶー! もうちょっとあたふたしてくれてもいいじゃん!」




未央「ねぇ、他の写真も見てみようよ!」

P「そうだな。えーっと次は……」ピラッ

未央「おぉっ、これは!」



http://i.imgur.com/UMzERtz.jpg





P「あー、別の所に行った時の写真だな」

未央「ケイ姉さま、色っぽいねー」

P「でも意外と身長は160に届いてないんだよなぁ、ケイトって」

未央「ケイ姉さまが私より身長が低いってこと、自分でもなんとなく違和感あるよ」



未央「そして、やっぱりケイ姉さまの一番の注目ポイントは……そばかすだよね!」

P「わかってるじゃないか未央。あのスタイルに反して意外に小さい事と、素朴さが出るそばかすというのが……」








未央「いいんだよね!」ガシッ

P「いいんだよな!」ガシッ


未央「それじゃあ次いこー!」

P「よし来た」ペラッ




http://i.imgur.com/FNzI5SZ.jpg





P「こっちは今年行った時の写真だな」

未央「よしっ、回想開始!」

P「えっ」




――




『あらためて、撮られてると思うと照れちゃうね……えへへ……☆』

『向こうで凛と卯月が見てるからな。なんか撮ってるだけの俺も緊張してきたぞ』

『どうせなら相手側の気持ちにもなってみよう! ってことで、次はプロデューサーが撮られてみる?』

『誰が得するんだよそれは……』

『うーん……その手の趣味の人?』

『やめてくれ。鳥肌立ってきた』

『ずっと水着だからねぇ』

『そうじゃない』






『プロデューサー。綺麗な夕日だね』

『そうだな。嫌なことなんて全部忘れるような夕日だ』

『ちょっとプロデューサー! そこは「お前の方が綺麗だぜ」って感じの台詞を言う場面でしょー!』

『えー……』

『本気で嫌そうな顔された!』

『いくらなんでもそれはベタすぎてなぁ』

『そんな事言わずに一回だけ! ねっ?』

『わかったわかった』






『……未央、お前の方が綺麗だよ』

『プロデューサー……』






『……なんか、実際言われると思ったより微妙だね』

『じゃあ言わせるなよ!』






『ねぇねぇプロデューサー! あれ、流れ星だよ!』

『凄いな……のあさんやアーニャにも見せてあげたいくらいだ』

『私たちも……あの星みたいに輝くことができるかな?』

『……皆、一歩一歩確実に力を伸ばしてきている』

『だからあの星を掴み、輝きを手にすることができるさ……きっと、もう少しで』

『……うん!』



『それともう一つ。未央にだけ良いことを教えてあげよう』

『なになに! どんな話?』






『未央の未の字には、未来への大きな可能性や希望が秘められているんだ』

『だから未央はこれからもっともっと成長する』

『どこまでもどこまでも……無限の可能性があるんだ……多分!』

『そこまで言ったなら言い切ってよ!』

『言い切ったら調子に乗るかなーと思って』

『乗らないよ! まったく失礼なプロデューサーだなぁ……』

『申し訳ない』




『でも、そこまで言われたからには名前に負けないように頑張らないとね!』






――




未央「回想終わり!」

P「思い出に浸る時くらいもうちょっとゆっくりでもいいじゃないか」

未央「……過去を振り向くな、未来を見るんだ!」

P「今までの思い出トークはなんだったのやら……」

未央「まぁまぁ。気にしない気にしない!」



P「じゃあ未来を見るということで、次のLIVE用の新しい衣装仕上がったけどちょっとだけ着てみるか?」

未央「おぉー! プロデューサー、ナイスだねっ♪ じゃあ私ちょっと着替えてくる!」

P「あっ……って、もう行っちゃたよ。未央はあいかわらず元気だな」



――




未央「お待たせプロデューサー! どうどう? 似合うかな?」


http://i.imgur.com/sFfkl4i.jpg







P「いい感じじゃないか。明るいオレンジや散りばめれた星が、未央の元気さをよく表していると思うぞ」

未央「この衣装、気に入っちゃった♪ こんな素敵な衣装が着られるなんてアイドル冥利につきちゃうね!」

P「なんのまだまだ。もっと前に進めば、もっともっとたくさんの衣装が着られるからな!」

未央「それって片付ける場所がなくなっちゃうくらい増えちゃうかな!?」

P「問題ない! その時はちひろさんに頼んで場所を増設してもらう!」

未央「さすがプロデューサー! いよっ、太っ腹!」




未央「いやー楽しかったね♪」

P「まったくだ」

未央「……」

P「……」


未央「ねぇプロデューサー。私、この先の道も皆と一緒に歩き続けていきたいな」

P「そうだな。未央は、皆の先頭に立つというよりも皆の中心になって元気を与えながら進んでいく感じだからな」



P「俺は、皆と一緒に歩き続ける未央の姿が好きだよ。なんというか……羊的な?」

未央「それじゃあプロデューサーは私達の羊飼いさん?」

P「それにしては進む方向を間違えたりしちゃってるけどな」

未央「大丈夫大丈夫! 迷っていけよ、そのうち着くさってよく言うでしょ!」

P「よくは言わないが……」

未央「いっぱい迷って遠回りしちゃうかもしれないけど、その間の道でたくさんの人に会っていこうよ」

未央「そして皆からもらった笑顔を力に変えた未央ちゃん達の輝く笑顔は、いつかアイドル界全土を照らす光になるのです!」






未央「……なーんてね♪」



P「……その為にも、まずは目の前のお仕事から確実にこなしていかないとな」



P「さ、LIVEの為の大事な衣装だ、そろそろ片付けるぞ。脱いだ脱いだ!」

未央「こんな所で脱げだなんて……セクハラプロデューサーだー!!」

P「誰がここで脱げって言った!」

未央「セクハラされちゃう前に退散、倍速退散! ばいばーい♪」

P「まったく……もうちょっと落ち着いて丁度いいくらいだな未央は」




――




P「未央、着替え終わったか? それじゃあ出かけようか」

未央「あ、ちょっと待ってプロデューサー!」

P「なにか忘れ物でもしたのか?」

未央「忘れ物というか、忘れないためにと言いますか……」

P「……すまん、どういうことだ?」

未央「いいからいいから! ちょっと私の前に立ってて!」

P「あ、あぁ」




未央「……えー、ゴホン!」







「プロデューサー、今日も一緒に頑張ろうねっ♪」


http://i.imgur.com/GWBwbdV.jpg






http://i.imgur.com/zTJ3EIE.png



拙い出来でしたがおしまいです
考えは色々あったけど自分の文だと展開も表現もうまくいかなくて悔しいので
皆もえへへかわいい未央ちゃんをもっと書いて、どうぞ

http://i.imgur.com/0wB9VvX.png



あとネタにしてるけどヘレンさん好きです
バニーヘレンさんの垂れ目がセクシー

http://i.imgur.com/QXuXakR.png
http://i.imgur.com/cB65exX.png

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