まどか「ほむらちゃん、バレンタインチョコだよ」(167)

「んぁ・・・甘い、甘いわぁ・・・まどかぁっ・・・」

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

マミホーム


ほむら「さて、今日集まってもらったのは他でもないわ」

杏子「何だよ、いつになく真剣だな」

マミ「私の家なんだけど……」

さやか「あれ? まどかは来てないの?」

ほむら「そう、そのまどかが問題なのよ」

ほむら「いかにしてまどかにチョコを貰うか……あなたたちにはそれを考えてもらいたいのよ」

マミ「チョコ? 暁美さんはチョコが好きだったのね……ちょっと待ってて、今日のお茶うけはチョコにするわね」

ほむら「巴マミ、そういうことではないのよ」

杏子「何だよ、チョコ買う金もねーのか? ホレ、食うかい?」

ほむら「だから違うのよ…そういった食欲や金欠によるものではなくて」サクサク

さやか「まどかに貰いたいんでしょ? じゃあまどかにチョコちょうだいって言えばいいじゃん」

ほむら「美樹さやか、あなたという人間は本当に愚かね! 愚かったらないわね!」

さやか「な、なんであたしにだけキレるのさ……」

ほむら「いい? もうすぐバレンタインデー……私はまどかからチョコが貰いたいの!」バンバンッ

さやか「バレンタインデー……」

ほむら「そうよ。理解できたかしら?」

マミ「なるほど……噂に聞く友チョコというやつね?」

ほむら「巴マミ……ドヤ顔のところ悪いのだけど、求めているベクトルが違うわ」

杏子「つーかさ、何でバレンタインデーにチョコなんだよ?」

ほむら「え?」

杏子「バレンタインってのはさ、聖ウァレンティヌスの殉教を偲ぶ日なんだぞ」

ほむら「ああ、そういえばあなたの家って教会……」

さやか「われんてぬす? 誰それ?」

杏子「ウァレンティヌスな」

杏子「えーと……昔々、ローマの兵士は結婚を禁止させられてたんだ。戦場に行くのに心残りができるからってさ」

杏子「で、司祭だったウァレンティヌスが不憫に思って、皇帝に隠れて兵士を結婚させてやったんだ」

杏子「それがばれちまってウァレンティヌスは殺されちゃったんだけど、それから2月14日がバレンタインデーって恋人たちの日になったのさ」

マミ「うん……悲しいけど、いい話ね」

ほむら「そうね……」ホロリ


ほむら「……じゃなくて!」

杏子「な、何だって!? バレンタインデーってのはチョコが貰える日なのか!?」

さやか「恋人たちの日まで言っといて、本当に知らなかったの?」

杏子「毎年その日はうちはお祈りしてたし……デパートとかに買い物に行くような余裕もなかったからな……」

マミ「佐倉さん……バレンタインデーには美味しいチョコレートケーキを作ってあげるわね」ポンポン

杏子「え、マジか!? ありがとう聖ウァレンティヌスっ!」


ほむら「めでたしめでたし……」パチパチ…

ほむら「じゃないって言ってるでしょ! あなたたち、私の話を聞きなさい! 聞いてください!」バンバン!

マミ「はいはい、机叩かないの」

杏子「んで、まどかからチョコが欲しいと……やっぱ本人に言うのが手っ取り早いんじゃねーの?」

ほむら「却下よ。確かに欲しいと言えばまどかはくれるでしょう……でもそれはただのチョコ。私が欲しいものじゃない」

さやか「んじゃ、あたしがまどかにチョコ渡して転校生にあげてって言えば」

ほむら「美樹さやか、あなたはどこまで愚かなの……それじゃ間接的にあなたのチョコを貰うだけじゃないの」

マミ「……わかったわ!」

ほむら「そう。やっぱり巴マミは話がわかる……」

マミ「暁美さんにはとっておきのホットチョコレート入りの紅茶をいれてあげるわね!」

ほむら「あなたは……今まで何を聞いて……」

QB「話は聞かせてもらったよ」

ほむら「出たわね淫獣」ムギュ

QB「きゅぶっ……足をどけてくれないかい?」ジタジタ

ほむら「その必要はないわ。またろくでもないことを考えてるに違いないもの」グリグリ

QB「そんなことを言っていいのかな? 僕はインキュベーター……思春期の女子中学生にとって、バレンタインは悩みの季節。
つまり僕は、今まで何人ものバレンタインの悩みを解決してきた経験があるんだよ?」ジタジタ

ほむら「……どうやって?」

QB「決まってるじゃないか。僕と契約し」ターン

ほむら「やっぱりね」ジャコッ

マミ「暁美さん……家の中で発砲はやめてって言ったのに……」

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかが願いでマミ、QBを蘇生
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

QB「落ち着いて話を聞くべきだよ、ほむら」

杏子「うおっ、いつになく復活早いな」

QB「確かに今までは契約で解決してきたけどね……今回悩んでいるのはほむら、君だ。
まどかをどうこうしようっていう話じゃないよ」

ほむら「私はもう魔法少女だから契約しようがない……だから無害だってことかしら。虫が良すぎるわね」

QB「純粋な厚意だよ、ほむら。ワルプルギスの夜を越えた君へのささやかなご褒美さ」

ほむら「……」


さやか「本音は?」

QB「まどかの契約の最大の障害はほむらだからね、ここで恩を売って懐柔しておけば後々有利に」

QB「あっ」

ほむら「……」ジャコッ

マミ「はい、そこまで」シュルルッ

ほむら「あっ……銃を返しなさい、巴マミ」

マミ「家の中で発砲しない約束でしょ? 暁美さんだけケーキ抜きにするわよ」

ほむら「……命拾いしたわね」チッ

QB「無駄に個体を消費せずにすんで嬉しい限りだよ」

杏子「んで、どうやってまどかからチョコ貰うんだよ?」

QB「実に簡単なことさ」

QB「まどかとほむらが恋人同士になればいいんだよ」

ほむら「!?」

ほむら「なっ……なっ……!?」

さやか「どういうこと?」

QB「さっき杏子も話してただろう? バレンタインデーっていうのは恋人たちの日だ。日本では女性が好意を寄せる相手にチョコレートを贈るのが一般的だね」

QB「つまり、まどかの恋人がほむらなら自然な形でチョコレートが贈られるわけさ」

さやか「うーん……なるほど」

ほむら「何を納得してるの、実に愚かな美樹さやか! 略して愚かやか!」
ほむら「それができれば苦労はしないし、むしろその第一歩としてチョコが欲しいと言ってるのにこの淫獣は……!」

マミ「あら、暁美さんは鹿目さんと恋人同士になりたいの?」

ほむら「えっ」

マミ「……」ジー

ほむら「……」カアア…

>>31
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

QB「やれやれ、君たち人間はいつもそうだね。目的を達成するための最適な条件を指摘すると逆上する……わけがわからないよ」

杏子「要約すると……ほむらはまどかを恋人にしたいけど、きっかけがないからバレンタインデーを突破口にしたいわけだ」

さやか「うんうん、しかもまどかの方から欲しいと」

杏子「ヘタレだな」

ほむら「ドウシテコウナッタ…」

QB「ということは、恋人でもない相手から好意の証を貰いたいというわけかい? ますますわけがわからないよ」

ほむら「ワタシノセンジョウハココジャナイ…」


マミ「……わかったわ!」

マミ「暁美さんが鹿目さんにチョコをあげればいいのよ!」

ほむら「エッ」

さやか「マミさん、それじゃ逆ですよー?」

マミ「ううん、いいのよ。だって暁美さんがチョコをあげたら、鹿目さんはきっとお返ししてくれるでしょう?」

マミ「それが心のこもったものだったら、鹿目さんは同じだけのものを返してくれると思うわ」

杏子「おお……なるほど、正攻法っぽく聞こえるぞ」

ほむら「……却下よ」

さやか「え、何でさ?」

ほむら「私の溢れんばかりの愛はもう伝える必要がないほどのもの……むしろ私はまどかからの愛を感じたいのよ」

マミ「あら、伝えることって大事よ? いくら魔法少女だって気持ちは言わないと伝わらないんだから」

ほむら「いえ、その……違うのよ、巴マミ。私は」

杏子「……早い話が、自分からだとフラれるかもしんないから恐いってことだろ」

ほむら「」ギクッ

ほむら「だって! だって仕方ないじゃない!」

ほむら「ワルプルギスの夜は死んだ! もういない! もうやり直しはできないのよ!」

ほむら「もしも、もしもまどかに……」

まどか『え、ほむらちゃん私のこと好きなの? 女の子同士でそれはないよ……』

ほむら「こんなことを言われたら! 私のソウルジェムは即座に爆散するわ! 間違いない!」

ほむら「それに……それに、もし他に好きな人がいたら……」

ほむら「ああっ、濁る! 想像しただけで濁るわ! グリーフシード! 早くグリーフシードを!」シュウウ…

ほむら「ほら見て! だから仕方ないのよ! まどかが私のことを好きになってくれないと私は魔女になっちゃうの!」

ほむら「さあ、あなたたち! 私の魔女化を防いで! 力を貸しなさい! 助けてください!」


さやか「うわあ……」

杏子「ひどい方向に開き直りやがったぞこいつ……」

QB「これはひどいね……僕の長いインキュベーター生活の中でも、ここまで感情剥き出しの主張は聞いたことがないよ。エントロピーを凌駕しそうだよ」

杏子「どうすんだこれ……こんな状態じゃいくらまどかが好意的だったとしてもドン引きだぞ」


さやか「……転校生」ポン

ほむら「美樹さやか!? 何かいい案があるのね!?」

さやか「失恋っていうのもさ、人を成長させる一つの道だよ……」ホロリ

ほむら「……えっ」

ほむら「あ……ああっ……あなたが、それを言うの……?
数々のループで、散々失恋して迷惑を撒き散らしてくれたあなたが……?」ワナワナ…

ほむら「あっ、あなっ……あばばばばば……!」ブルブルブル

杏子「お、おい! ダメだ、これはダメだ! ほむらの顔が凄いことに!」

さやか「あ、あれ? 渾身の励ましだったと思ったんだけどなー?」

QB「あれが励ましのつもりだったのかい!? 美樹さやか、君は凄いよ! 君の一言は凄まじい感情エネルギーを生む可能性を秘めている!」

杏子「あーもう、お前ら黙れ! ほむら落ち着け!」

ほむら「……っ! ……ッ!」ワナワナブルブル


マミ「……」

マミ「暁美さん」

ほむら「……っ……ッ」ブルブル

マミ「鹿目さんは暁美さんのことを嫌ったりしないと思うし、暁美さんが真剣ならちゃんと受け止めてくれると思うわ」

ほむら「……」ブル…

マミ「それでも恐いのね?」

ほむら「……」…

ほむら「……」コクン

マミ「そう……わかったわ」

後日・マミホーム


マミ「それじゃあ、さっそくチョコ作りを始めましょうか!」

まどか「うわあ……いっぱい材料用意しましたねー。楽しみです!」

ほむら「……」


ほむら「ちょっ……巴マミ巴マミ」コソコソ

マミ「あら暁美さん、どうしたの?」

ほむら「どうしたもこうしたもないわ! これはどういうことなの!?」

マミ「見ての通り、みんなでチョコ作りをするのよ?」

ほむら「だから! それもまどかと私が一緒じゃ意味が……」

マミ「……暁美さん、そうやって身構えるからいけないのよ」

ほむら「え……」

マミ「暁美さんがあげるチョコも鹿目さんから貰うチョコも、一緒に作っちゃえば素直に渡せるし気持ちも伝わると思うのよ。騙されたと思ってやってみない?」

ほむら「……」

ほむら「……はい」

ブルブルブルアイアイ ブルベリアイッ

杏子「って言ってるけど、普通にマミがみんなで作りたかっただけだよな」

さやか「あー……友チョコって憧れてるみたいだったしね、マミさん」

QB「そういう君たちはどうしているんだい?」

杏子「そりゃあチョコがたらふく食えるならな」

さやか「……いいじゃない、あげる相手がいなくても。友チョコの時代なんだよ、そうだよ」

杏子「おい馬鹿やめろ。つーか、キュゥべえこそなんでいるんだよ?」

QB「杏子、君と同じ理由さ」ジュルリ

まどか「わあ……大きな袋ですね」ガサガサ

マミ「業務用のビターチョコレートよ。砂糖はほとんど入ってないから、味も私たち次第になるわ」

まどか「おおー、本格的ですね!」

マミ「まずはチョコレートを湯煎で溶かすわ。その前にこうやって刻んでいくの」トントントン

まどか「わっ、チョコって包丁で切れるんですか!?」

マミ「刃を火であぶって温めておくと意外とスムーズにいくわよ? ほら、暁美さんもやってみて」

ほむら「……え、私?」

マミ「ええ、はい」

まどか「ほむらちゃん、頑張って!」

ほむら「まどか……! ええ、任せてちょうだい! こんなチョコレート、楽勝で切り刻んでくれるわ!」


杏子「マミもほむらの扱い慣れたもんだな」

さやか「転校生、まだ戻りきってないね……」

マミ「ボウルを二つ用意して、片方にお湯を張るわ。人肌より熱いくらい……50~60度ってところね」

マミ「チョコレートを入れるボウルと木べらはしっかり乾かす! 水気が入らないようにすること!」

ほむら「き、刻み終わったわ……」ゼイゼイ

まどか「ほむらちゃん、大丈夫? あんなに早く全部やらなくても……」

ほむら「いえ、平気よ。任せてちょうだい」

マミ「うん。じゃあ……このくらいボウルに入れて、木べらで混ぜながら溶かしていくわ。
熱が入りすぎないように手早くね!」

まどか「ほむらちゃん、私支えてるね!」

ほむら「まどかが支えてくれる……もう何も恐くないわ!」

マミ「さ、こっちはどうかしら?」

さやか「お、マミさん。準備できてますよー」

マミ「うん……固さもちょうどいいわね。さすが佐倉さん、腕は鈍ってないわね」

杏子「いや、このくらいでそう言われてもな……」

さやか「ん、杏子ってお菓子作り得意だったの?」

杏子「あー……昔マミに世話になってた時にな」

マミ「佐倉さんは飲み込みが早くって教えがいがあったわよ……覚えておいてくれて嬉しいわ」

杏子「だからこのくらいで……調子狂うな、ったく」


ほむら「溶かし終わったわよ」デローン

まどか「ほむらちゃん、顔顔! とろけてるよ!?」

マミ「それじゃあ湯煎したチョコレートのボウルに、佐倉さんたちの用意してくれた生クリームを合わせるわ」

まどか「なんだか柔らかめですね?」

杏子「ああ、チョコと混ぜるなら泡立てすぎない方がいいんだ。トロトロしてるくらいが丁度いいんだよ」

マミ「生クリームは冷やしてあるから温度差があるわ。混ぜすぎなくていいから、手早くさっくりと」

ほむら「こんなものかしら?」サッサッ

さやか「おおっ、なんかとろみが増したみたい」

マミ「ええ。そのままバットに流し入れて、冷蔵庫で1時間くらい。それで生チョコの完成よ!」

まどか「えっ、もうですか?」

マミ「ええ、簡単でしょう? チョコレートは加熱すると風味が逃げやすいからスピード勝負なのよ」

マミ「同じようにもう一つバットを用意して……」

マミ「こっちには色々入れてみましょうか。それぞれ場所を担当して、好きなものをチョコレートに沈めたり、乗せたりするの」

さやか「色々ありますね……アーモンドにピーナッツ、えーと緑のは何だっけ?」

マミ「ピスタチオね。ナッツは丸のままでもいいし、砕いてから入れてもいいわよ」

まどか「私はフルーツにしようかなあ……桃とか、イチゴとか!」

ほむら「クッキーを砕いて入れるのも面白いわね」

マミ「同じように湯煎して、ビターだけのチョコレートも作るわ。甘さ控えめね」チャッチャッ

さやか「え? それ、意味あるんですか?」

マミ「ええ、自分で甘さを調節できるし……カカオの香りを楽しむならこれが一番よ」

マミ「それに色々と使えるの……後のお楽しみね」


QB「……マミ、僕はそろそろそっちに行ってもいいかい?」

マミ「ダメよ。チョコレートに毛が入ったらいけないわ」

QB「……」

ほむら「寂しい? ねえインキュベーター、寂しい? 今どんな気持ちかしら?」

QB「ほむら、僕には感情はないんだ。マミがダメというなら許可が出るまで待つだけさ」

QB「それと、少しは感情を制御したらどうなんだい? それだとまるでさやかだよ」

ほむら「さやっ……!? 」ガビーンッ

1時間後


マミ「チョコレートが固まったわよー」

まどか「わあ……ツヤツヤしてますね」

マミ「柔らかいから注意してね。ナイフで切ったり、好きな型で抜いたりして形を作るわ」

マミ「それをこっちのココアパウダーをまぶして……出来上がり!」

さやか「ん? マミさん、ココア意外にも色々ありますけど?」

マミ「ええ。こっちにも砕いたナッツ、アーモンドパウダー、シナモンパウダー、抹茶も用意してみたわ。色々試してみましょう」

杏子「簡単だけど色々できるもんだなー」

マミ「ええ、チョコレートのケーキやクッキーも後で作りましょうね」


ほむら「……」セッセッ

まどか「ほむらちゃん? どんなの作ってるの……あれ?」

ほむら「まどか!? いえ、なんでもないわよ」アセアセ

まどか(生チョコじゃなかったような…なんだろ、あれ)

杏子「うー……早く食いたいな」

さやか「だよね……ちょっと味見だけでも」

マミ「ダーメ。せっかくのバレンタインのチョコレートなんだから、ちゃんと綺麗に飾ってからね」

さやか「う……はい」


ほむら(できた……あとは、私の問題……)

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかが願いでマミ、QBを蘇生
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

マミルーム


マミ「お茶が入ったわよー」

杏子「チョコは?」

マミ「ふふ、用意できてるわよ……どうぞ!」ドンッ

まどか「わあ、綺麗……!」

ほむら「……!」

さやか「えっ、何これ……すごい、雪が降ってるみたい……」

マミ「お皿の半分にはココアパウダー、もう半分には粉砂糖を振ってみたわ」

マミ「お皿の縁の模様はそれぞれオレンジ、イチゴ、ブルーベリーのソースよ。お好みでつけて召し上がれ」


「「「「「いただきまーす!」」」」」

>>99
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

さやか「んっ……ふああ~! 口の中でふわふわしてとろける~っ!」

杏子「あたしはやっぱナッツ入りが好きだな。歯ごたえがよくてさ」

まどか「んんっ! フルーツも合うね……ソースも甘酸っぱくてさっぱりするよ!」

さやか「んっ……あれ? 生チョコじゃないのも混じってる?」

マミ「ふふ……ビターチョコレートを使って色々用意してみたのよ」

マミ「こっちはミルクチョコレートと半々にしたもの、こっちはマシュマロのチョコレートがけ」

マミ「粉砂糖で目立たないけど、ホワイトチョコを使ったものも用意したわ」

杏子「うおお……どれから食うべきかわかんねーぞ……!」

マミ「……」

まどか「マミさん? どうしたんですか?」

マミ「いえ……何か忘れてるような気がして」

まどか「んー……何か足りないものでもありましたっけ?」

マミ「……」

まどか「……」



QB「……」ジー

マミまど「「あ」」

QB「……マミ、僕はもうそっちへ行っていいのかい?」

マミ「ええ、もちろんよ! ごめんなさい、待たせちゃって」

QB「構わないさ……僕には感情がない。たとえ今の今まで忘れられていたとしても、何も傷つくことはないさ。アイアンハートさ」

まどか「わー……なんで入ってこなかったんだろ」

杏子「んあー……んぐ、生地に毛が入って台なしになったことがあってな。その時にひどい目にあったからなー」モグモグ

QB「なにをいっているんだきょうこぼくにはかんじょうがないんだこわいものなんてあるわけないじゃないか」

まどか「うわー……」

マミ「本当にごめんなさいね……お詫びにほら、特別にこういうのを用意したわ」コトッ

QB「ん? これは……」

杏子「うおっ!? キュゥべえ型チョコじゃねーか!」

マミ「体はホワイトチョコ、目はラズベリーよ。こっちはマシュマロで顔を作って、切ったサクランボで目を作ったわ」

まどか「わあ……すっごい可愛い!」

杏子「ああ、本物よりよっぽど可愛いな」


QB「……食べていいかい?」

マミ「ええ、もちろんよ」

QB「……」モグ

QB「……」モグモグ キュップイ

QB「美味しいよ、マミ!」

ほむら「……」モグ…

さやか「……」

ほむら「……」ソワソワ

さやか「……」

さやか「あーもう、いつまで黙ってもじもじしてんのさ!?」

ほむら「ちょっ……声が大きいわ、美樹さやか!」

さやか「もう……ちゃんとまどか用の作ったんでしょ? マミさんにも手伝ってもらってさ」

ほむら「……見てたの?」

さやか「それはもう。できるだけまどかが見ないように引き止めたりしといてあげたんだから、感謝してほしいものですな」

ほむら「そう……ありがとう」

さやか「転校生があたしに優しい……だと……こりゃ重症だ……」

>>112
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかが願いでマミ、QBを蘇生
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

さやか「……」

さやか「あ……あいたたたたたっ!」

ほむら「!?」

さやか「お、お腹があ……!」

まどか「え? さやかちゃん大丈夫?」

杏子「おいおい、何やってんだよ……さやか、何か変なものでも入れたのか?」

マミ「美樹さん?」


さやか「……」チラッ

杏マミ「「……!」」


杏子「あー、こりゃダメだ。まどか、ちょっとさやかの面倒みてやってくれよ」

マミ「ベッドの用意してくるわ。鹿目さん、一緒に来て……お願いできる?」

まどか「え? あ、はい!」トトト…


さやか「痛いよ、痛いよ~……死んじゃうよ~……」

さやか「……よし、行ったか」

さやか「さ、転校生。舞台は整ったよ」

ほむら「何をしてるのよ!?」

さやか「いや、お膳立てを……」

ほむら「思いっきりやりづらい雰囲気になってるじゃない! それに、渡しやすいようにって一緒に作ったのに、これじゃ全然……!」

杏子「ほむら」

ほむら「……」

杏子「さやかもさ、さやかなりに本気であんたのためにやってんだよ」

ほむら「どうしろってのよ……」

さやか「転校生……ううん、ほむら。あたしは知らないけど、ほむらの今までのループであたしは散々失恋して迷惑かけてきた……そうだよね?」

ほむら「え、ええ……」

さやか「魔女化したり、魔法少女のまま敵対したり、引きこもったり、反動で激太りしたり……あんたの話がどこまで本当かわかんないけど、本当に苦労かけてきたんだよね」

ほむら「……ええ」

さやか「それでも、あんたはあたしを見捨てなかった」

さやか「あたしにちゃんと告白させて、振られても魔女化しないようにしっかり元気付けてくれたね……まあ下手だったし、まどかとかマミとか杏子に頼んでたみたいだけど」

ほむら「あなた、気付いて……」

さやか「あんたは怒るかもしんないけどさ、失恋で成長するって……あれはあたしの本心」

さやか「あんたが頑張ってくれたから……あたしに告白して、立ち直る勇気をくれたから、今のあたしがここにいる」

さやか「だから……だからね」

さやか「今度はあたしが、あんたに勇気をあげる。もし万が一ダメだったとしても、責任とって立ち直れるまでいつだって一緒にいてあげる」

ほむら「……」

さやか「……」スゥー

さやか「頑張れほむらっ! 絶対うまくいく! あたしがついてるっ!」

ほむら「……」

ほむら「失恋筆頭のあなたの保証じゃ不安で仕方ないわ」

さやか「アルェー?」

ほむら「……ダメだったら、本当に責任持って世話してもらうんだから」

さやか「え? あ……うん! 任せなさい!」

ほむら「……」ハア…

ほむら「……」

ほむら「行ってくるわ!」

マミ寝室


まどか「さやかちゃん遅いですね……やっぱり動けないくらいつらいんじゃ」

マミ「大丈夫よ、暁美さんと佐倉さんがちゃんと連れてきてくれるわ」

カチャ…

ほむら「……」

まどか「あれ……ほむらちゃん? さやかちゃんは?」

ほむら「さやかなら来ないわ。急に治ったって」

まどか「ふえ?」

マミ「それじゃ、ごゆっくり」パタン

ほむら「……」

まどか「えっと……どうしたの? ほむらちゃん、みんなの所に戻ろ?」

ほむら「まどか……あの、これ」カサ…

まどか「え? これ……私に?」

ほむら「……」コクン

まどか「えっと……じゃあ、開けてみるね?」ガサガサ

ほむら「……」

薄い紫色の包装紙にピンクのリボン。

丁寧に包まれたラッピングを開いていくと、そこには大きなハートが入ってました。

たぶんマミさんが合間に作ってた、ビターチョコに牛乳を混ぜて作ったミルクチョコ。

ホワイトチョコで、ハートいっぱいにメッセージが書いてあります。


『だいすき まどか』


これって。

これって、つまり。

さやか「……」ウロウロソワソワ

杏子「さやか、ちょっとは落ち着けよ」

さやか「こっ……これが落ち着いていられますかってんだ!」ガクガクブルブル

杏子「なんであんたが緊張してんだよ……まあ、気持ちはわかるけどさ」

マミ「ほら美樹さん、チョコレートフレーバーのお茶をいれたわ。ね、座って」

さやか「う……はい」

QB「まったく、何がそんなに気にかかるんだい? 送り出した張本人が一番自信なさそうだなんて、わけがわからないよ」

さやか「……インキュベーターさんにはわかりませんよーだ」

QB「いや、わかるさ。僕はインキュベーター。感情はないけど、気の遠くなるくらいに昔から僕は魔法少女の感情と共にあったんだ。
まどかの感情は……あれはね」


ガチャ…


さや杏マミ「「「……!」」」

ほむら「……」グッシュン グッシュン ヒクッヒクッ

まどか「ほむらちゃん、あの……ほら、ハンカチ使って」

ほむら「ありっ……が、うえぇぇぇん……っ」メソメソ ズビッ


杏子「どういうことだよ、おい……ボロボロじゃねーか……」

マミ「散ってしまったのね……円環の理に導かれて……」

さやか「ほむらっ」


さやか「おめでとう!」

杏マミ「「!?」」


ほむら「……さやかあぁぁぁ!」ガバッ ブワアアッ

さやか「あっ、ちょっ…涙が! 鼻水が! よだれがあっ!」

まどか「さやかちゃんすごいね……このほむらちゃん見て、よく上手くいったて理解できるね」

杏マミ「「えっ」」

杏子「……じゃあ」

まどか「うん、私とほむらちゃん……お付き合いすることになりました」ティヒヒ

マミ「まあ……! いいの?」

まどか「はい……この気持ちが恋愛の好きかって言われると、まだわからないんですけど」

まどか「ほむらちゃんが本当に私のこと好きでいてくれるのがわかって、私も……そんなほむらちゃんが大好きだなって思うから」


ほむら「まろかぁ……!」ブワワッ

さやか「うわあ……顔から出せる液体全部出ちゃってるよ……」

マミ「うん、それじゃあ鹿目さん」

まどか「はい……ほむらちゃーん!」

まどか「はい、お待たせ」

ほむら「ふえ……?」ズビッ

まどか「ほむらちゃん、バレンタインチョコだよ」

薄いピンクの包装紙に紫のリボン。

いつの間に用意してたんだろう……包装紙を開くと、そこにはやっぱり大きなハートが入ってた。

ホワイトチョコで作った大きなハートに、ブルーベリーのソースでメッセージが書いてあった。

『ありがとう ほむらちゃん』

そして


ほむら「さて、今日集まってもらったのは他でもないわ」

杏子「何だよ、いつになく真剣だな」

マミ「私の家なんだけど……」

さやか「あれ? まどかは来てないの?」

ほむら「そう、そのまどかが問題なのよ」

ほむら「来たるホワイトデー……この日々増していく溢れんばかりのまどかへの愛を! どう表現したものか! あなたたちに考えてもらいたいのよ!」

さやか「うわあ…」

杏子「うぜー……チョーうぜえ……」

マミ「今日のお茶うけはクッキーかしら? マシュマロかしらね?」

カチャ


まどか「はいはい、ほむらちゃん。みんな困ってるでしょ」

ほむら「まどか!? どうしてここに」

まどか「もう……ほむらちゃんの行動パターンくらいわかってるんだから!」

マミ「あら……もう一杯お茶をいれないとね」

まどか「ありがとうございます! それでマミさん……できたら、ホワイトデーもみんなで作れたらなあって。ダメですか?」

マミ「……ですって。どうかしら?」

杏子「ま、あたしは食えれば文句はないよ」

さやか「ふふ……どうせ貰えるあてがないなら自分で作ってしまえばいい……あたしって、ほんと天才!」

杏子「あー、はいはい。ヤケになるなよ」

QB「もちろん僕も食べさせてもらうよ」

マミ「ふふ、決まりね。じゃあ材料を用意しないとね」


ほむら「うう……私の計画が……」

まどか「もー、ほむらちゃんったら」

まどか「……ほむらちゃんへの愛だったら、私だって負けてないんだから」ボソッ

ほむら「え?」

まどか「ううん、なんでもない!」ティヒヒ!


《おしまい》

一年の中で2月14日が一番嫌いな俺がお送りしました。

もしもしで遅くて申し訳ない。

ありがとうございましたー

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