水銀燈「立ちなさい。この戦い……勝つわよ」遊馬「お、お前は……」 (59)

カラン……

遊馬「な、なんだここ……!?」

カランコロン

遊馬「足元に何か……うわっ!!これって……人形か!?」

ガシッ

遊馬「う、うわぁ……!何かが掴んで……」

グイグイ

遊馬「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

――――――――――――――――――――


遊馬の部屋

遊馬「ウ、ウーン……」

遊馬「……ハッ!?」ガバッ

遊馬「ゆ……夢か……。嫌な夢だったぜ……。今の時間は……」チラッ

「8:20」

遊馬「ゲッ!ち、遅刻だぁ~!!」ドタバタ

V まきますか まきませんか

――――――――――――――――――――――

翌日
中央広場

遊馬「……」

凌牙「ほう……よく来たじゃねえか」

遊馬「俺が買ったら鉄男のデッキを返してもらうからな!」

凌牙「ああ、約束してやるよ……ただし、俺に勝てたらな!」

遊馬「行くぜ!デュエルディスク……セット!」ガシャガシャガシャ!

凌牙「フッ……」ガシャガシャガシャ!

遊馬「D・ゲイザー……セット!」ヴィン

凌牙「……」ヴィン

ピロピロピロピロ……

ARヴィジョンリンクカンリョウ

遊馬・凌牙「デュエル!」

V まきますか まきませんか

――――――――――――――――――

数ターン経過後

凌牙「俺のターン、ドロー!」

ドン!

遊馬「ア……レ……」

カラン……

遊馬「ここは……夢の中の……」

まきますか まきませんか

ガシッ!

遊馬「うわっ!ま、また……」

グイグイ

まきますか まきませんか

遊馬「い、いや……ここで弱気になっちゃダメだ……。前に進まなきゃ……うっ……うおおおっ!!」ググググ

ボコッ!

遊馬「ぬ、抜けた……!でも後ろを振り替えっている暇はねぇっ!とことんつっ走ってやる!」タッタッタッタッ

まきますか まきませんか

遊馬「かっとビングだ!俺ェーッ!!」バッ!

まきますか V まきませんか

バラまきますか V バラまきませんか

パラパラパラパラ……

遊馬「うわっ……!な、なんだこれ……」

??「誰かしらね……私を呼び起こそうとするおバカさんは……」

遊馬「な、なんだ……声が……」

――――――――――――――――――

遊馬「ハッ……!今のは……」

凌牙「なんだ……力が……力がみなぎってくる……ウオォォォォォォッ!!」

遊馬「な、どうしたんだよ一体……!」

凌牙「俺は、ビッグ・ジョーズを召喚!」

ビッグ
LV3ATK1800

凌牙「俺はビッグジョーズとスカルクラーケンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築……エクシーズ召喚!」

凌牙「現れろ……潜航母艦エアロ・シャーク」バッ!

エアロ
RANK3ATK1900

遊馬「モンスター・エクシーズ……!」

凌牙「ここからが本番だ!俺はエアロシャークでオーバーレイ!1体の水属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

遊馬「なっ……!モンスターエクシーズでオーバーレイ!?」

凌牙「現れろ……ローゼン・メイデン―グリーン・ガーデナー!!」

グリーンガーデナー
RANK8ATK2000

遊馬「な、なんだそのカードは……!」

翠星石「さぁ、人間!この翠星石が力を貸すんですからビシバシ働くですぅ!」

凌牙「チッ……うるせえヤツだ……」

遊馬「うわぁっ!モ、モンスターが喋った!?」

小鳥「ゆ、遊馬?どうしたの?」

遊馬「どうしたってアレが見えねえのかよ!?」

小鳥「え……何かあるの?」

凌牙「いつまでよそ見してやがる!俺はグリーンガーデナーの効果発動!コイツに重なっているORU(オーバーレイユニット)1つを取り除くことで、相手の場のモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にする!」

遊馬「な、なんだって!?」

凌牙「対象はガガガマジシャンだ!やれ、グリーンガーデナー!エクセス・レイン・ロット!」

マジシャン
ATK1500→0

遊馬「ガガガマジシャンが……!」

凌牙「行け、グリーンガーデナー!ガガガマジシャンに攻撃だ!スクリュー・オブ・アイヴィ!」

翠星石「これでも食らいやがれーですぅ!」

パリーン!

遊馬「ぐわぁぁぁぁっ!」ドサッ

遊馬
LP4000→2000

凌牙「フッ……所詮素人上がりのデュエリストか」

翠星石「肩透かしの初陣ですぅ」

遊馬「クソッ……!」

??「何をしているのかしらおバカさん。はやく立ちなさい」

遊馬「え……」

水銀燈「この戦い、勝つわよ」

遊馬「ドワァァァァァッ!!な、なんだコイツ……!」

小鳥「遊馬~!さっきから何やってんのよ!」

遊馬「小鳥、俺のトコにもモンスターが!」

鉄男「そりゃあデュエルしてんだからモンスターがいて当たり前だろ」

遊馬「そうじゃねえんだって!出してもいないのにモンスターが……」

鉄男「何、言ってんだお前……?」???

遊馬「うそ……まさか、見えてない……。じゃあコイツってまさか……幽霊!?」

水銀燈「幽霊……何それ?私は人形よ」

遊馬「に、人形の幽霊……!!」

水銀燈「全く……めんどくさいわね。どうして私がこんな……」

凌牙「俺はこれでターンエンドだ!」

水銀燈「まぁいいわ。私がおバカさんな貴方を勝たせてあげる。だから私の言うことを聞きなさいおバカさぁん♪」

遊馬「くっそぅ……さっきからバカバカって……ぜってーに俺はお前の言うことなんか聞かねえからな!」

水銀燈「へぇ~、じゃあ好きにしなさい」

遊馬「言われなくたって好きにしてやる!俺のターン、ドロー!」

遊馬(よしっ!ゴブリンドバーグ!これなら手札のガンバラナイトを呼べる!コイツらで何とか次のターンまで……)

遊馬「俺は手札からゴブリンドバーグを召喚!」

ドバーグ
LV4ATK1400

遊馬「ゴブリンドバーグの効果発動!このカードが召喚に成功したとき、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。その後、ゴブリンドバーグは守備表示になる!来い、ガンバラ……」

凌牙「させるかよ!グリーンガーデナーの効果発動!」

遊馬「そんな!今は俺のターンなのに!?」

凌牙「コイツは相手ターンでも効果を発動できるんだよ!ゴブリンドバーグの効果を無効にしろ!エクセス・レイン・ロット!」

翠星石「腐りやがれぇですぅ!」

ドバーグ
ATK1400→0

遊馬「そんな……ドバーグが……」

水銀燈「全く、バカじゃないの~♪」

遊馬「うるせぇ!これからあっという間に逆転してやるからな!」ウーン……

水銀燈「仕方無いわね……。貴方、手札の死者蘇生なんか使ってガガガマジシャンを呼ぶんじゃないわよ」

遊馬「うるせぇ!俺の好きにさせろ!俺は手札から死者蘇生を発動!対象はガガガマジシャンだ!」

水銀燈(本当、バカな子ねぇ……フフ……)

水銀燈「nのフィールドに隠れるのよ!」
Ⅳ「閉じ込められた!」

マジシャン
LV4ATK1500

水銀燈「レベルマイスターでコスモクイーンを捨てて、ガガガマジシャンとゴブリンドバーグでオーバーレイなんて考えるんじゃないわよ」

遊馬「うるせぇうるせぇ!俺はお前の言うことなんて聞かないって言ってんだろ!俺は手札からレベル・マイスターを発動!コイツは手札のモンスター1体を墓地に送ることで、自分の場のモンスター2体をそのモンスターと同じレベルにする!」

遊馬「俺はレベル8のコスモクイーンを墓地に送って、2体のモンスターのレベルを8にする!」

ドバーグ
LV4→8

マジシャン
LV4→8

遊馬「俺はレベル8になったガガガマジシャンとゴブリンドバーグでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築……エクシーズ召喚!」

遊馬「……って俺、モンスターエクシーズ持ってねえじゃん!?」ガーン

水銀燈「エクストラデッキを見てみなさい」

遊馬「エクストラ……これって……」ピカーッ

水銀燈「そのカードを出しなさい」

遊馬「……」

遊馬「こうなったらドンドンやってやるぜ!かっとビングだー!俺ー!現れろ!ローゼン・メイデン―シルバー・フォーラー!」

シルバーフォーラー
RANK8ATK2500

凌牙「ほう、テメェもローゼンメイデンを使えんのか。おもしれぇ……!」

遊馬「でもなんでモンスターエクシーズが……。俺1枚も持ってないはずなのに……」

水銀燈「どうしたのかしら?早くしてくれなぁい」

遊馬「グッ……!一々うるさいな!俺はローゼン・メイデン―シルバー・フォーラーでグリーンガーデナーを攻撃!」

凌牙「ハッ!もう忘れたのかよ!俺はグリーンガーデナーの効果を発動!相手モンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にする!エクセス・レイン・ロット!」

遊馬「うわぁぁぁぁぁ!!しまった!このまんまじゃせっかくのモンスターエクシーズが破壊されちまう!」

翠星石「やれやれ、とんだおバカさんですねぇ」

水銀燈「おバカさぁんはどっちかしらね。貴方、効果を発動しなさい!」

遊馬「こ、効果!?」

遊馬「え、えーと……あった!!俺はシルバーフォーラーの効果発動!このカードのORU1つを取り除くことで、フィールド上に存在するカード1枚を次の相手ターンのエンドフェイズまで除外する!」

凌牙「何だと!」

翠星石「それじゃあ対象は……翠星石ですぅ!?」

水銀燈「食らいなさい!クローズ・ディメンジョン!!」

翠星石「きゃあああああっ!」

シュウゥッ!

凌牙「チッ、だがグリーンガーデナーの効果が無効になった訳じゃねぇ!シルバーフォーラーの効果は無効、攻撃力は0になる!」

シルバーフォーラー
ATK2500→0

水銀燈「チッ……」

遊馬「くっ……俺はこれでターンエンドだ」

??「準備はいいか、ニートその2」

??「あまり戦いの邪魔はしたくないのだけれど……仕方ないのだわ。あとニートではないのだわ」

凌牙「次で巻き返してやる!俺のターン……」

??「やれ!ニートその2!」

??「ローズ・テイル!!」

凌牙・遊馬「!?」

ビュオオオオオオッ!!

遊馬「な、なんだよこれ……!」

凌牙「クッ……コイツは……薔薇?」

ジジジジジジ……え・えあるびじンリン9負セイ……しり鵜踞うすい……しまス……

バチィン!!

小鳥「ARヴィジョンが切れちゃった!?」

??「悪いが今、ここで決着をつけられると都合が悪いんでな。デュエルを強制終了させてもらったのさ」

凌牙「誰だテメェは!?」

Ⅳ「俺の名はⅣ。ローゼンメイデンのマスターだ」

遊馬「ローゼンメイデン……?あのカードか!」

Ⅳ「そしてコイツが……」

真紅「この躾のなっていない下僕の主人、真紅なのだわ」

遊馬「……マスターなのに」

凌牙「下僕だと……」

Ⅳ「おい、いつから俺がテメェの下僕になった」

真紅「最初からなのだわ」

Ⅳ「フザけるな!俺がマスターでテメェが俺の下僕だろうが!」

真紅「ありえないのだわ」

Ⅳ「クソ兄貴と一緒にニートやってる癖に随分な物言いじゃねぇか、ああ……!!」

真紅「ニートではないのだわ。あの時は私がくんくん探偵を見逃す時ではなかったのだわ」

凌牙「茶番もいい加減にしやがれ!俺達のデュエルを邪魔しやがって……タダじゃおかねえ、降りてきやがれ!」

ブンッ!

凌牙「……!」パシッ!

遊馬「……!」パシッ!

Ⅳ「焦るんじゃねえ。俺達の戦いの舞台は来月に開催されるデュエルモンスターズの大会、WDC(ワールドデュエルカーニバル)だ!ソイツは出場の為のパスだせいぜい大事にするんだな」スタスタ

凌牙「待てよ!逃げる気か!!」

Ⅳ「言ったはずだ。戦いの舞台はWDCだってな。そこでなら相手をしてやるよ。もっともテメェらじゃ万に一つも勝ち目は無いだろうがなぁ!」

遊馬「何だと!!」

Ⅳ「フッハッハッハッ!いいねぇ……その怒りに歪んだ顔。それじゃあWDCで待ってるぜ。行くぞ真紅!」

真紅「そろそろくんくん探偵とお茶の時間なのだわ」

Ⅳ「やっぱりニートじゃねぇか!」

真紅「ニートではないのだわ」

Ⅳ「俺と以上に働いてから言いやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

シュウゥゥゥッ

遊馬「……」

凌牙「チッ、興が冷めたぜ……」ブン!

パシッ!

遊馬「これは……鉄男のデッキ……」

凌牙「決着はWDCだ。覚えておけ」スタスタ

シュウゥッ!

翠星石「う、うぅ~……」グググ……

ポン!

翠星石「待ちやがれですぅ、ドジマスター!」タッタッ……

遊馬「……」

水銀燈「いつまで突っ立ってんのよおバカさん」

遊馬「アンタ……名前は……」

水銀燈「他人に名前を聞くときはそれなりの礼儀ってモンがあるんじゃないの」

遊馬「す、少しくらい教えてくれたっていいだろっ!」

水銀燈「私の名は水銀燈。ローゼンメイデン第1ドールよ。覚えておきなさいおバカさぁん♪」

遊馬「俺はおバカさんだなんて名前じゃねぇ!俺は九十九遊馬!デュエルチャンピオンを目指してるんだ!そっちこそ覚えておけよ!」

水銀燈「はいはい、おバカさん」

遊馬「だからそのバカって言うのをやめろーーーーーーッ!!」

―――――――――――――――――――――



??「WDCで優勝して必ずハルトを……行くぞ……」バッ!

??「ハイ、マスター。必ずマスターのお役に……」スタスタ

――――――――――――――――――――――

??「ローゼンメイデンか……コイツはよからぬ予感がビンビンするぜ……!」

??「楽しみですわ……フフフ……」

――――――――――――――――――――

??「頼んだぞ、雛苺。必ずやWDCで我らの世界を……」モグモグ

??「うにゅーおいしいのー!」モグモグ

――――――――――――――――

V兄様、Ⅳのクレカでモバマスに課金するのはお辞め下さい

??「そうか……よくやってくれたね、Ⅳ」

??「よくやったのかしら真紅!」

??「やはりくんくん探偵はいいものだな」バリボリ

真紅「あら、気が合うのだわ」バリボリ

Ⅳ「いい加減に働けよ……働けぇ!」

??「喧嘩はお止めください、兄様方!」

??「」

??「元気を出すのかしら……」

――――――――――――――――――

アニメ本編では働いてるのに・・・

凌牙「来月まであと10日か……」

翠星石「翠星石の本領を発揮してやるですぅ!!」

―――――――――――――――――――――

遊馬「WDC……そこでシャークやⅣと……」

水銀燈「決着をつけようじゃないの。貴方が負けると私も危ないんだし、しっかり勝ちなさい」

遊馬「言われなくてもやってやる!……ん?危ないってどういう……」

水銀燈「呆れたわね。貴方、自分がしたことにまだ気がついていないだなんて……」

遊馬「俺がしたこと……?」

水銀燈「まぁいいわ。私はもう寝るわ……」

遊馬(そういえばいきなり現れたローゼンメイデン……アイツらは一体……)

WDC開幕前夜
ハートランド港

翠星石「いよいよ明日WDC開幕ですぅ。目指すは優勝ですよ!」

凌牙「当たり前だ。勝ち進んでいけば俺と九十九遊馬の戦いを邪魔したⅣってやつを倒せるんだからな」

翠星石「全く初戦で邪魔されたのは気に入らなかったですぅ……」

??「そこの君、ちょっといいかな?」

凌牙「あぁ……何だテメェは……」

??「実は対戦相手を探していてね。君は強そうだから良かったら相手をしてくれないかな?」

凌牙「ケッ、テメェみたいのなんかと付き合ってられる程こっちは……」

翠星石「その勝負、受けて立つですぅ!」ビシッ

凌牙「なっ……!テメェ勝手に……!」

翠星石「これは腕慣らしのいいチャンスです。フルボッコにしてやるですよ!」

凌牙「チッ……仕方ねぇ……」

??「良かった!戦ってくれるんだね。実は僕このデッキを組んでからデュエルするの初めてなんだ!」

凌牙「御託はいい。とっと始めるぞ」ガシャガシャガシャン!

??「うん!」ガシャガシャガシャン!

ARヴィジョンリンクカンリョウ

凌牙・??「デュエル!」

??「楽しいデュエルになりそうだね……」ニヤァ

―――――――――――――――――――

同時刻
遊馬の部屋

遊馬「なぁ、水銀燈。そろそろ教えてくれよ。俺は一体あの時に何をしたんだよ?」

水銀燈「~~ッ!うるさいわね!貴方、今日だけで何回そのことを聞いてくるつもりよ!もうあの時からずっと同じ質問ばかりしてくるじゃないの……いい加減うんざりだわ」

遊馬「だから教えてくれりゃあもう聞かねぇって!」

水銀燈「それが面倒なんじゃない。どうせ、貴方みたいなおバカさんには分からないわよ」

遊馬「何だよ!水銀燈のケチ!」

水銀燈「フン、何とでも言いなさい。私が貴方みたいなおバカさんの煽りに乗るわけが……」

遊馬「バカ!アホ!マヌケ!ドジ!」

水銀燈「その程度しか言えないのぉ~♪」

遊馬「面倒臭い性格!BBA声ッ!白髪!インチキ野郎!」

水銀燈「」プチッ

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