男「この世界が、SS?」 (5)
金髪「そうそう、そうなんだよなァー」
男「はぁ……どういうことですか?」
金髪「『どういうことですか?』。うん、そう言うと思ったよ」
金髪「そんままだっつーの! アホか。お前、爺の精子の精子からやり直してろ」
男「…………」
金髪「滑ったかな。うん、まぁ仕方ないか」
金髪「ここは、台詞以外の何ものも力を持てない世界なんだよ」
男「いえ、まったくわかんないです」
金髪「はぁ……まぁ、その内わかるわ、多分」
金髪「そいじゃあ俺ちゃんは忙しいから、>>30くらいになったらまた会おう」
男(どっかに走って行っちゃった)
男「なんかあの人、一方的に話しかけて来て急にどっか行っちゃったな」
男「どこかおかしい人だったのかな」
少女「あの、そこの人」
男「うん? 俺か」
少女「ああ、すいません……見ない顔だったのでつい……」
男「実は道に迷ってしまったみたいで。ここいらを通るのは初めてなんだ」
少女「……まさかアナタ、この世界の人間じゃあないんじゃあ」
男「この世界?」
少女「ちょーろう様が言うには、十年に一度の割合でそういう人間が来るそうなのです」
男(……確かに、見慣れない建物があるな。まさか、本当にここは異世界なのか?)
男(だとすればあの金髪が言っていた言葉は……)
少女「あの、もしもあなたが異世界の人ならば、お願いがあるのです」
男「なんだ?」
少女「実はこの世界、ある男によって荒らされているのです」
男「ある男?」
少女「ええ、異世界から来た人間は、この世界では『言霊』というものを使うことができるのです」
少女「数年前、この地に来たアイツはその力を使って……」ギリッ
男「ことだま、ねぇ……それっていったい」
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