響「宿題が終わらないぞ!」 貴音「なんと?」 (49)

響「うー……」

貴音「大丈夫なのですか?」

響「正直全然大丈夫じゃないぞ」

貴音「なんと」

響「うがー! もうワケ分からないさー! はいさい、やめやめ!」

貴音「ひ、響、落ち着いてください」ワタワタ

響「まあ、これ出さないと留年かも知れないんだけどね」

貴音「なんと!?」

このSSは、
『美希「ミキは数学界に革命を起こすの」 律子「はぁ?」』
より後、
『冬馬「何ニヤついてんだ? マネージャー」 三条馬「え?」』
より前のお話となっています。
別に読まなくても大丈夫です。

響「生物と化学は家で終わらせたし、地理はひたすらヨーロッパの国を覚えるだけだったから楽だったぞ」

響「でも……」チラッ

数学I『よぉwwwww』

数学A『オッスオッスwwwww』

古典『貴様の成績いとわろしwwwww』

響「うがー! しばらく授業に出てないから全然分からないぞー!」

貴音「……」

貴音「……!」ティントキタ!

貴音「成程、では私も手伝いましょう!」

響「えっ、良いのか?」

貴音「ええ、勿論です」

貴音「と、いうことで何か手伝えることはありますか?」

響「うーん、とりあえず今煮詰まってるのはこれかな」スッ

貴音「ふむ」ペラリ

『x^2+mx-m+3=0』

貴音「……」

貴音「……成程」パタン

貴音「これは英語の教科書ですね」

響「数学だぞ」

貴音「嘘はいけません、響。横文字の苦手な私をからかいたいのは分かりますが……」

響「ほら」スッ

数学I『フヒヒwwwww嬢ちゃん面白いねぇwwwwwフヒッ』

貴音「」

貴音「そんな……っ」

貴音「くっ……! しかし、この様な式は私も見たことがあります!」

貴音「響! これは私に任せてください!」パシッ

響「あっ、貴音!?」

貴音「」カリカリカリカリ

響(一緒に解こうと思ったんだけどな……)

響「じゃあ、今の内に自分は数学Aを進めるぞ」

貴音「」カリカリカリカリ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
黒井「ウィ、因みに今貴音ちゃんが解いているのはこんな問題だ」

『二次方程式『x^2+mx-m+3=0』が重解を持つとき、定数mの値を求め、そのときの十回を求めよ』

黒井「まあ、君たちの貧相な頭ではこれでも難しいかな? ん?」

三条馬「因みに社長は重解について辞書を引きました」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

―――20分後―――
響「ふう、赤い玉と白い玉を取り出す意味は分からなかったけどとりあえず数学Aは半分終わったぞ」

響「貴音ぇー、そっちはどう……うぇ!?」

貴音「うぇぇぇぇぇぇぇ……」←号泣しながら計算中

響「なんで泣いてるんだ貴音ぇー!」

貴音「ひ、ひび、グスッ響ぃ……申し訳、ズビッございません……! 私は……エグッ」

響「と、とりあえず一旦泣きやむさー!」

貴音「うぇぇぇぇぇぇぇぇ……」カリカリ

響「泣きやんでくれー!」

貴音「ひぐっ、落ち着きました」

響「一体どうしたんだ……貴音」

貴音「響に『任せろ』と言ったにも関わらず、この体たらく……!」ナミダメ

響「う、うわー! で、でも、途中まではこれで多分合ってるさー!(多分)」

貴音「し、しかしぃ……ヒグッ、数学は結果なのです、途中まででは……ングッ」

響「だからなんで泣くんだー!?」

貴音「うぇぇぇぇぇぇぇぇ」

響「とりあえず、この『m』ってやつを出せばいいんだな」

貴音(結局力になれませんでした……)シュン

響(珍しい貴音の涙目上目遣いが見れたから良しとするぞ)

響「えーっと、『重解』ってなんだ?」

貴音「……」

響「……」スチャッ

Go○gle先生『いらっしゃい』

先生『重解とは、まあ君らに分かるように説明するとつまり、方程式の解が重なっているということだ』

先生『この場合、二次方程式だから、重解を持つ、とは、解が一つ、ということだよ』

先生『というか教科書の前のページを見なさい我那覇さん』

響「最近の検索エンジンって凄いな」

貴音「凄いというレベルを超えているように見えるのですが」

響「細かいことを気にしちゃダメだぞ」

貴音「……」ペラリペラリ

貴音「ありましたよ、響。実数解の個数の求め方だそうです」

響「あー、これを使うのかー」

響「えーっと、この公式のDがこれとこれだから……」

貴音「うぅん……えっくすと、わいと、ぜねるあすいべりこぶた、うぅん……」クラリ

響「貴音がショートしたけど構わず続けるぞ」

貴音「そんな」

響「『m^2+4m-12>0』って式が出たぞ」

響「あ、mを求めるならこれは普通の二次方程式だな! これなら解けるぞ!」

響「えーっと、-12と4だから、3と4じゃダメで、2と6で……あ、マイナスだからこっちが負になって……」

貴音「ひ、響? 日本語でお願いします」オロオロ

響「日本語だぞ、多分」カリカリ

響「おっ、『m=-6,2」って出たぞ」

貴音「なんと、響は暗号解読の心得があったのですね」

響「もう自分つっこまないぞ」

響「で、こっから先……」

貴音「……」

響「……あ、そうか、mに代入か」

響(だんだんこんがらがってきたぞ)

響「えーっと、mに2を代入して……」

響「『x^2+2x+1=0』か」

響「……」カキカキ

響「出た、『x=-1』だぞ」

響「じゃあ次は-6を……」チラッ

貴音「……」ジッ

響(構って貰えなくて若干寂しそうな貴音が可愛すぎて集中力がやばい)

響「でも、終わらせてみせるぞ」

響「えっと、-6を代入して……」

響「よし出来たぞ! 答えは『m=2のときx=-1,m=-6のときx=3』だ!」

響「やったぞぉ、貴音ぇ!」

貴音「」パアァッ

貴音「やりましたね、響!」

貴音(しかし、私は結局何も出来ていないような)

響「やったぞ! やっt……あっ」

貴音「?」

響「……これ、まだ一問しか解けてないぞ」

数学編END

一応数学編ENDです。昨日書いたみきりつとはるちはは、どちらかとネタだったので問題はガチにしてみました。
お次、チャンネルそのままで国語編です。

響「ぬひゃぁぁぁぁぁ……」グデンッ

美希「響がうなされてるの」

響「それ、割っちゃダメだぞ……大事なんだぞ……」プルプル

貴音「なにやら物騒な夢を」

美希「割る? エメラルドとか?」

貴音「なんと、宝石を割ろうとしているのですか」

響「ぁぁぁあああ……小遣いさん帰っちゃダメだぞ……」

美希「小遣いさんは帰っちゃダメらしいけど、ミキは小遣いさんじゃないから帰るね。じゃあ、また明日ー」

貴音「ええ、また明日」

ガチャッ バタンッ
<マタネナノー

貴音「……さて」

貴音「響、ひびき」

響「んぐぉ……4ヶ月のお給金……はえっ? あれ、瓢箪は……?」

貴音「瓢箪?」

響「おー、あったぞー、無事だったのかー」ダキッ

貴音「ひ、ひひひひ響っ!? それは私の臀部でsひゃぅん!」

響「……あれっ、って、うわわわわ! ごめん貴音!」

貴音「それで、どんな夢を見ていたのですか?」

響「へ?」

貴音「いえ、随分うなされていた様子だったので」

響「ああ……実は、ここ最近ずっと学校の宿題片付けてたからさ」

響「現代文の宿題で見た『清兵衛と瓢箪』って話の夢を見ちゃって」

貴音「『せいべえとひょうたん』?」

響「うん。初めて読んだとき、清兵衛のお父さんへの怒りで一杯だったぞ」

貴音(……どのような話なのでしょうか)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
黒井「説明しよう! 『清兵衛と瓢箪』とは!」

『清兵衛は12歳の小学生。瓢箪が大好きで毎日瓢箪のことばかり考え、しきりに瓢箪を磨いては、飽きずに眺めている。しかし父は「子どものくせに」と快く思っていなかった。
 清兵衛は古瓢に興味はなく平凡なものばかり集めるので、父はもっと奇抜な瓢箪を集めろと言い、馬琴の瓢箪をほめる。それに対し清兵衛はあの瓢箪はおもしろくないと反論し、父を怒らせてしまう。
 ある日、いつもは見慣れない場所に屋台が出され、瓢箪が20ほど売られているのを見つける。その中に震えるほどの見事な瓢箪を発見した清兵衛は、それを10銭(現代価格で200円)で購入する。
 それから清兵衛はその瓢箪に夢中になり、学校に持ち込んで修身の授業中にまで磨き続け、とうとう担任の教員に見つかってしまう。教員は瓢箪を取りあげ、清兵衛の家に乗り込んでまで説教する。
 父は激怒し、清兵衛を殴りつけた挙句、瓢箪を一つ残らず玄翁で割ってしまう。
 一方、取り上げられた瓢箪は教員から小使いの手に移り、小使いは骨董屋に持ち込む。すると骨董屋は初め5円の値をつけ、最終的にその瓢箪は小使いの給与四ヶ月分にあたる50円で買い取られた。
 小使いはそれを誰にも口外しなかったが、骨董屋がその瓢箪をとある豪家に600円(現代価格で120万円)で売ったことを知る者は誰もいない。
 清兵衛はその後、絵を描くことに熱中している。しかし父は、絵にも小言を言い出すのだった。
 
 引用:Wikipedia』

黒井「という話だ。小説の神様と呼ばれた志賀直哉の作品で、志賀の実体験が多く含まれた作品だ」

三条馬「志賀が実父へのあてつけに書いたとさえ言われています」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

3行でおk・・・

長い三行でお願いします…

響「ひどい話だぞ! 清兵衛には瓢箪を見る目があったのに、大人たちがそれを潰していったんだぞ!」

貴音「成程……それにしても、120万円にもなる父親は、まさに、知らぬが仏というものですね」

響「そうだな……自分、うっかり割った花瓶が120万とか言われたら卒倒するぞ」

貴音「120万のどんぶり……120万の麺……120万のチャーシュー……」ガクブル

響「151の思い出みたいになってるぞ」

>>42 >>43
黒井「何っ!? この私が貴様らごときのためにウィキペディアを開いt」

三条馬「瓢箪作りが趣味
    でも父親に叩き割られる
    実は才能があったけどやめさせられた」

黒井「……君のも十分長いと思うぞ、三条馬くん」

貴音「それで、あんな夢を……」

響「……自分、スー居ないから良く分からないけど」

響「多分、自分の親に夢を奪われるのって凄く辛いと思うぞ」

響「自分が清兵衛と同じ立場だったら、多分次の趣味なんか見つけられないさー……」

貴音「……」

貴音「響」ダキッ

響「う、うえぇ!? た、貴音、何を、苦し」

貴音「大丈夫ですよ、響。きっと貴方の尊父は、貴方の夢を応援してくれています」

貴音「それに、清兵衛も大丈夫です」

響「ふぇ?」

貴音「最後にある通り、清兵衛は絵を描く趣味を見つけ、そして父親はそれに叱言をまた言っています」

貴音「一見すれば、瓢箪の時の様に清兵衛の才能が再び埋もれてしまうという暗示にも見えます」

貴音「しかし私はそうは思いません」

貴音「これは、私の勝手な想像ですが……」

貴音「志賀直哉が父親に叱言を言われながらも『小説の神様』と呼ばれたように、」

貴音「清兵衛もいつか、父親の叱言に打ち勝ち、夢を掴む力があると」

貴音「そう、響の、太陽の様な輝かしい力が」

響「貴音……」

貴音「私は、そう思うのです」

貴音「響は弱く、そして強い子です。きっと、清兵衛と同じ立場で夢を失いそうになったとき」

貴音「そうなったら、私が支えます」

響「貴音ぇ……ありがとう」

貴音「ふふ、顔が火照って、少し支離滅裂なことを口走ってしまった気がします」

貴音(……これで、先日力になれなかった分は役に立てたでしょうか)

貴音「さて、そろそろ私たちも帰りましょう」

響「うん! そうだ、帰り道に美味しいうどん屋が――」

ガチャッ バタンッ

黒井「……そういえば、高木の奴がこんなことを言っていたな」

高木『仲良きことは美しきことかな』

黒井「面白い、あの三人は随分仲が良いようだからな、組み合わせてみても良いだろう。フッフッフ、見ていろ765プロ……!」

翔太「クロちゃんがドアに耳張り付けてなんか言ってるよ……」ヒソヒソ

三条馬「目を合わせちゃダメよ、巻き込まれるわ」

国語編END

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