悟飯「ここはどこだ?」 (43)
悟飯「弱ったなあ。学校に向かっていたらいきなり知らない土地に立っていたぞ…」
悟飯「ん?警官に銃を向けられている男がいるぞ。いってみよう」
吾郎「だ〜〜〜〜っ!!撃たないで〜〜〜っ!!」
悟飯「どうかしたんですか?」
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…
警官「いやーおどかして悪かった。最近この辺でヒッチハイクを装ったカージャックが多発しててな」
吾郎「あはは」
吾郎(な、なんか知らんが生きてるみたい)
悟飯(変だな…。二人とも言語が違うはずなのに理解できるぞ)
警官「じゃ、もうヒッチハイクはするなよ」ブオオオン
吾郎「ふー、大変な目にあったぜ。あんたもヒッチハイクしようとしてたのか?」
吾飯「いや、僕は…。その、気がついたらここにいたんです。ここがどこなのかわかりますか?」
吾郎「何言ってんだ。ここはアメリカ、ベースボールの本場だぜ」
悟飯「…ベースボール。学校の体育でやったことあるぞ」
吾郎「やったことないヤツがいるかっての!まあいいや。俺、置き引きにあっちまってよ。わりいけどあんたの家に泊めてくれねーか?」
悟飯「実は…僕も帰る場所がなくて…ハハ」
悟飯(おとうさん達の気も見つからないし、違う惑星に来てしまったのかもしれないぞ…)
吾郎「あんたもかよ…。帰る場所がないって飯とかはどうするんだ?もしかしてホームレスなのか?」
悟飯(色々ややこしくなってきたな…。とりあえず記憶喪失のフリをしておこう)
悟飯「どうやら僕は記憶喪失みたいなんです。病院でも治せないみたいで…。とりあえず家と仕事をみつけないと…」
吾郎「記憶喪失とか実際にいるんだな。そうだ!あんたも野球のトライアウト受けねーか?とりあえず受かれば住むところくらいはなんとかなるかもしれねーぜ。見たところ良いガタイしてるみたいだし」
悟飯「確かに野球ならこないだやったからだいたいできるぞ! トライアウトはどこで受けれるんですか?」
吾郎「アリゾナのフェニックスってとこだよ。まあそこまで行く足がねーんだけどな…」
キキーッ
吾郎「てめーはさっきの!!」
八木沼「アリゾナのどこだ?」
吾郎「え…!?」
八木沼「フェニックスまでなら乗せてやる、五時間も一人旅は退屈だからな」
吾郎「…一人増えたんだけどいいか?」
八木沼「この車は二人乗りだぞ…。チッ、別のをレンタルしてくるからちょっと待ってろ」
…
吾郎「ハハ、あんた良いヤツだな」
悟飯「すいません…わざわざ」
八木沼「…金は返せよ」
翌日、モーテル
八木沼「いよいよだな。おまえらどこのトライアウト受けるんだ?」
吾郎「ん…ああ、確かなんたらサーモンズっつったっけな」
八木沼「多分アナハイムサーモンズだろう。今日俺が行くことになってるのもそこだからな」
悟飯「八木沼さんもサーモンズを受けるんですか?」
八木沼「ああ。俺は野手組だがな。ところでおまえら、グラブやスパイクは大丈夫なのか?」
吾郎「まあ誰かに借りるさ。盗られたときは絶望したけど、ぶっちゃけ体さえ無事ならマウントには立てるからな」
八木沼「よかったらテスト前のアップがてら…おまえはのボール見せてくれよ」
…
悟飯(前の体育で一般的な動きやスピードは覚えたし、今度はちゃんと力を抑え切ってやらないとな)ビュッ
吾郎「うげっ!悟飯、150はでてるぜ!アップもしてねえのに…」
悟飯「ハハ…気のせいですよ」
吾郎「まあスピードガンねーとわかんねえけどよ。そーとー速えぞ」
吾郎「今度は…俺の番だぜっ!」ビュッ
八木沼「うおっ!!」
バキ
吾郎「さ、柵壊しちまった…」
車
八木沼「一球だけじゃわからんが、少なくともスピードだけはメジャー級だ。お互い頑張ろうぜ」
八木沼「…ついたぞ。まずは受付だ」
受付「ショートヤギヌマとピッチャーのシゲノとソンゴハンか。特に推薦状とか持ってない飛び込みか?」
八木沼「はいそうです」
受付「オッケー。順番が来たらそれぞれ呼ぶからアップして待ってろ」
悟飯「あの〜、僕たち二人グローブとスパイクを持ってないんですけど…。レンタルさせてくれませんか?」
受付「何?…結構だ。帰れ、君たちに用はない」
吾郎悟飯「え…」
試験生1「あぶない!よけろ!」
悟飯「よっと」パシッ
受付「なっ!あの野郎、背後から飛んで来たボールを素手であっさりキャッチしやがった」
吾郎「悟飯、貸してくれ」ビュッ
受付「…あいつもなんてスピードで返球しやがる!」
吾郎(ちっとはアピールになったか…?)
受付「おいおまえら!足のサイズは何センチだ?」
吾郎「やったぜ悟飯!」
…
試験官「どうも春は不作だな…次!茂野吾郎」
吾郎「あんたらの青い目が節穴じゃなけりゃ、俺のボールはワールドクラスのはずだぜ!」ビュッ
試験官「な、何マイルだ!?」
試験官2「きゅ、99マイルです!!」
試験官「な、なんだこの東洋人は!!」
受付「メイングランドにいるボルトンを呼んで来い!」
…
ボルトン「ほう、なかなか生きのいいアジア人だな」
試験官「なんでボルトンがここに!?」
受付「俺が呼んだんだ。スピードガンだけじゃわからんだろ。茂野の球威がメジャーの四番にどれほど通じるかみたくないか?」
ボルトン「おもしろいショーだ。ちょうどウエイトトレばっかで退屈してたんだよ」
吾郎「だれか知らねーけど、俺の球は簡単に打てねえぜ!」ビュッ
カキーン
ボルトン「アメリカンドリームはそう容易くないぜ、アジアンルーキー」
吾郎「そんな…」
悟飯「僕も勝負してもらえませんか?」
受付「おい、勝手な真似はするな」
ボルトン「いいぜ別に。こいよもう一人のアジアンルーキー」
受付「ちっ、一球でもショボかったら落とすぞ」
悟飯「ありがとうございます!」
悟飯「よし!いきますよー」ビュッ
バタッ
試験官「き、キャッチャーが倒れたぞ」
ボルトン「この俺が見えなかっただと!?」
受付「キャッチャーなしでいけ。スピードガンもセットしろ!」
悟飯「加減間違えちゃったな…まっいいか」ビュッ
試験官「さ、302マイルです」
受付「ば、化け物か!? とんでもない掘り出し物が舞い降りたかもしれんぞ」
ボルトン「ま、まだ一球残ってるぜ!」
悟飯「…何度やっても同じですよ!」ビュッ
試験官「け、計測不能」
ボルトン「この俺が見逃し三振だと…」
吾郎「すっげー!世界にはまだこんなバケモンがいやがんのか!」
受付「即メジャー入りさせろ!キャンプに合流させるんだ!!」
キャンプ地
監督「君か!話は聞いているよ!スーパールーキーらしいね」
悟飯「それほどでもありませんよ」
監督「ここでは自由に練習してくれ、怪我には気をつけてな」
吾郎「オッス!」
悟飯「吾郎さんも来たんですね!」
吾郎「ああ。つってもあんたに比べりゃまだまだだけどな」
…
吾郎「か、完敗だ…」
サンチェス「これからは立場をわきまえて行動するんだな」
悟飯「あのー、僕もやってみていいですか?」
サンチェス「好きにしろ。あれも練習道具だからな」
ドゴン
サンチェス「なに!?鉄枠をぶち壊しやがった!?」
…
監督「おい孫悟飯、あさってのエキシビジョン、おまえ先発でいくから準備しとけよ」
悟飯「は、はい!」
悟飯(緊張するなあ…。打たれないようにしつつ加減もしないとな)
監督「はっはっは、そう緊張するな。お前はルーキーなんだ。気楽にいけ」
悟飯「ありがとうございます!」
試合当日
実況「今日のエキシビジョンはダラスの強打、エレファンツが相手だーっ!!」
実況「迎え撃つ我がサーモンズの先発ピッチャーはなんとアジア人。つい先日トライアウトで入団したばかりの孫悟飯だーっ!!」
客「誰!?」
客「ありゃー野球選手じゃなくてボディービルダーだぜ」
悟飯「お客さんがいっぱいいるなあ…」
キャッチャー「変化球は投げれるか?」
悟飯「気を使えば投げれます」
キャッチャー「気?まあいいや、投げれるんだな。サインは俺が出すからしっかりみててくれ」
実況「さあ試合が始まりました。まずは第一球!」
ズバン
客「なっ!?」ぽかーん
実況「信じられません!!我らがサーモンズにとんでもないスーパールーキーが現れました!スピードガンの数字は305マイル!人間ではありません!」
キャッチャー「いってぇ!! 手が折れそうだぜ」
キャッチャー(変化球だ!ストレートは受けられねえ)
悟飯「フォークか。気を操れば簡単だ」ビュッ
カクンッ、ズバン!!
実況「アンビリーバボー!!100マイルのパームボールでしょうか。パワプロ並みに落ちてます。しかしこれは間違いない現実です!!野球界の歴史を覆すルーキーが現れました」
キャッチャー(反応できなかったのに吸い付くように俺のグラブに収まりやがった。まるでボールを自在に操ってるみてえだ…」
悟飯「お次はスライダーか、横に曲げるんだったな」ビュッ
カクンッ
実況「へ、平行に横に曲がる超高速スライダーだ。203マイルの超高速スライダーです」
ファン「狙える…。今年は優勝狙えるぞ!!」
…
実況「さあ三回裏、先頭打者はピッチャーの孫悟飯。バッティングはどれほどのものなのでしょうか」
解説「ルーキーに出せる威圧感ではありませんねー。しかし、おや?バットの持ち方がおかしいぞ」
実況「初心者なのでしょうか…?」
悟飯「かるーくかるーく」カキーン
実況「打ったああああ!!初球ホームランだ!ホームランだ!飛距離は驚異の235メートル!」
解説「この試合だけで野球界の記録がどんどん上書きされていますね」
…
監督「投げては完全試合、打っては四打数四安打四ホームランか…。お前は一万年に一人の逸材だ!」
悟飯「ハハッ、ありがとうございます」
監督「お前の国籍の件だが…、オーナーと大統領の力でアメリカ国籍をもらえることになった。大統領もお前には期待しているぞ」
悟飯「よかったー。これでチームを辞めないで済みますね!」
監督「はっはっは、エースで四番も考えないといけんな。怪我だけは絶対にしないでくれよ」
監督「あと明日、引き抜き対策のために契約更改をすることになってるから、忘れずに出席してくれ」
翌日
オーナー「次の年棒は五年契約で9000万ドルでどうだね?」
悟飯「給料がもらえるならなんでも!」
オーナー「よし、ではここにサインを…」
…
悟飯「ありがとうございました!それでは失礼します」
ガチャ
悟飯「あれは! おーい、吾郎さーん」
吾郎「よお悟飯。ハハッ、今日の試合でマイナーに落ちちまった」
悟飯「そんな…」
吾郎「なあに、すぐに戻ってくるさ。おまえより速い球投げて戻ってくるから待っとけよ!」
悟飯「…はいっ!」
開幕戦当日
悟飯「ん?吾郎さんから手紙がきてるぞ」
悟飯(色々あって今はメンフィスバッツにいるのか…。吾郎さんならすぐにメジャーにくるだろ)
監督「孫悟飯、開幕戦まずはお前だ。今日の試合からは成績に入るからな。気合いいれていけ!」
チームメイト「ハハッ、悟飯がいる日はチームの勝利は確定だな」
キャッチャー「球団オリジナルの悟飯用衝撃緩和グローブで怪我もなくなったぜ」
悟飯「みなさん、最初が肝心です。必ず勝ちましょう!」
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