レイ「これが新しい制服ですか」(13)

リツコ「ええ。とある研究機関の副産物…らしいわ」

レイ 「らしい?」

リツコ「私も詳しい事は分からないのよ。ただ、身体能力を飛躍的に向上させる力があるらしいわ」

レイ 「身体能力の向上…」

リツコ「ええ。それも、常識では考えられない程の…」

レイ 「……」

リツコ「これを貴女にテストしてもらいたいのよ」

レイ 「テスト…ですか」

リツコ「ええ。本来なら私達がテストするのが当然なのでしょうけど…出来なかったの」

レイ 「出来ない?」

マヤ 「そうなの。どういう訳か私達では全く変化が見られなかったの」

レイ「……」

リツコ「どう? やってくれる?」

レイ「…はい、分かりました」

マヤ「ありがとう、レイちゃん」

レイ「…いえ」

リツコ「それでは早速テストに入りたいのだけれど、構わないわね?」

レイ「はい」

リツコ「それじゃあ、マヤ。準備を進めてくれるかしら」

マヤ「はい、先輩」

リツコ「それと碇司令にも連絡を」

マヤ「はい」

~司令室~

 『ああ、わかった。そちらへ向かおう』

ガチャッ

冬月「レイがテストを始めるそうだ」

ゲンドウ「ああ」

冬月「……」

ゲンドウ「……」

冬月「ようやく我々の願いが成就される時か…」

ゲンドウ「…ああ、冬月」

冬月「長かったな」

ゲンドウ「…ああ、ようやくだ」

冬月「……」

ゲンドウ「全てはシンジの為」

冬月「碇。…変わったな」

ゲンドウ「……」

冬月「……」

ゲンドウ「人は…」

冬月「…?」

ゲンドウ「変わるものでしょう」

冬月「そうか」

ゲンドウ「はい」

冬月「…ふむ。では行くか」

ゲンドウ「…ええ」

――

プシュッー

コツコツコツ

ゲンドウ「…赤木博士」

リツコ「碇司令に冬月副司令、お待ちしておりました」

ゲンドウ「ああ」

冬月「…うむ」

マヤ(どうして司令と副司令が)

冬月「…碇」チラッ

ゲンドウ「…ああ」コク

マヤ「?」

ゲンドウ「赤木博士」

リツコ「はい」

ゲンドウ「男性職員は全て退出させろ」

リツコ「え? あ、あの…」

冬月「聞こえなかったのかね? 司令は退出させろと言っているのだよ」

リツコ「はい。…マヤ」

マヤ「はい、先輩。えっと、それでは男性の方は退出して下さい」

加持「おやおや、俺もか?」

ゲンドウ「当然だ」

加持「……」

リツコ「加持君」

マヤ「か、加持さん」

加持「……」

冬月「早くしたまえ」

加持「…わかりました。怖い顔しないでも出て行きますよ」

ゲンドウ「では行き給え」

加持「…では」

コツコツコツ

コツコツコツ ピタッ

加持「……」クルッ

冬月「どうした」

加持「いえ。老婆心ながら一言だけ」

ゲンドウ「なんだ。…言ってみたまえ」

加持「この世界にはエヴァと同様に、人の手に余るものが数多く存在する。どうか、その事をお忘れなきよう」

冬月「ふん。そんな事は私達も分かっている。言いたい事はそれだけかね」

加持「まあ、今のところは…」

ゲンドウ「なら、行き給え」



加持「それでは…」

プシュウー

冬月「相変わらず、変わった男だよ」

ゲンドウ「……」


マヤ「あのう…先輩?」

リツコ「なに?」

マヤ「加持さんは今回の件について何か知ってるんでしょうか」

リツコ「かもしれないわね」

マヤ「そ、それに、人の手に余る…とか言ってましたし」

リツコ「マヤ、止めておきなさい。今はテストに集中しなさい」

冬月「赤木博士の言うとおりだ、伊吹君」

マヤ「は、はい。すみません」


リツコ(エヴァと同様とか言っていたわね。…ナニがあるっていうの、加持君…)

~ 

カチッ シュボッ

スウーッ

加持「……ふうっ」プハーッ

加持(あれは間違いなく、極制服…)

加持(よくもまあ、あんな不確定要素の塊みたいなモノに手を出すとはね)

加持(これは、一波乱ありそうだな…)


ミサト「あら、加持じゃない…。なにしてんのよ、こんなところで」

加持「よお、葛城じゃないか、久しぶりだな。…でも、お前の方こそ何してるんだ」

ミサト「私? 休憩だけどぉ」

加持「俺もさ」

ミサト「? どうしたのよ、浮かない顔なんかしてぇー」

加持「ん? なんだ心配してくれるのか?」

ミサト「な! なんでそうなるのよ、聞いただけでしょうっ」

加持「ハハハッ…」

ミサト「もうっ」

加持「なあ、葛城」

ミサト「ん?」

加持「本能寺学園って知っているか」

ミサト「何よ突然…んー、本能寺学園? どこかで聞いた覚えが…」

加持「数年前に独立自治を主張した学園さ」

ミサト「あ、ああ。…えっとぉ、独立自治を主張したものの、呆気なく政府に鎮圧された…」

加持「ああ」

ミサト「それがどうかした?」

加持「何故、学園が独立自治を主張したのか知っているか? いや、葛城はその経緯を知っているか」

ミサト「知らないわよ。というか、えっ、あれってマジバナだったの」

加持「ああ、真実だ」

ミサト「てっきり、都市伝説の類だとばかり思ってたわ」

加持「そうだな、普通はそうだろう。学校施設が独立自治を求める、なんて話はな」

ミサト「ん?…でもさぁ、おかしくない?」

加持「なにがだ」

ミサト「政府からは何も発表されなかったじゃないの。それが本当なら大事でしょ」

加持「……」

ミサト「それに鼻が利くマスコミ関係も騒いでなかったし…。採り上げてたのはゴシップ誌ぐらいだったでしょ? 」

ミサト「私もゴシップ誌で目にしたくらいだから」

加持「情報に関してはネルフも良く使っていただろ? たれ流される情報を鵜呑みには出来ないさ」

ミサト「情報操作…」

加持「加えて、在るべき学園施設が消失していて、事の真偽を確かめる手立てが無いときている」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom