従妹「なにジロジロ見てんの?テンション上がっちゃうからやめて」(205)

男「あーひまだー……」

男「ひまだー……ハッ」

男「もう年末じゃないか」

男「結局今年も何もしなかったな……」

男「年賀状書くほどの相手なんていないし」

男「妹や姉なんているわけがない」

男「ことしも2chでもすごしながら年越し……」

コンコンガチャー

男「なにやつ」

父「お前どうせ暇だろ?明日はおじいちゃん家行くぞ」

男「マジか」

父「お年玉くれるぞ」

男「マジか」

父「マジだ」

男「二つ返事」

父「了解。母さんにも伝えてくる」

スタスタ バタン

男「じいちゃん家か。そういえば最近行ってないよな」

男「なんとなくいい思い出があった気がする」

男「思い出せん」

男「まぁいいか寝よ」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「ついた」

祖父「よう来た」

祖母「あけおめ」

男「ことよろ」

祖父「あの子ら待っておったぞ」

男「あの子ら?」

ダガッ トントントントンバダタンッ! ガチャ

従妹「あ、おにい。来てたんだ。あけおめ」

男「今すごい音したぞ」

従妹「別に、階段で転んだだけ。大丈夫。おにいに会えると思うと一昨昨日も眠れなくて」

男「マジで寝ろよ」

従妹「うるさいわね。寝てるわよ。せっかくおにいが来るのに睡眠不足とか2012年がこないことよりありえないから」

男「凄まじいな」

男「(そういえば俺には……無表情のくせに無駄に可愛い従妹がいたんだ。忘れてた)」

トン、トン、トン

従姉「あら、来てたの?あけましておめでとう~」

従妹「お姉ちゃんに言うの忘れてた。あけましておめでとう」

従姉「おめでとう。楽しみにしてたもんね」

従妹「止めてよ。私が昨日楽しみすぎて一本映画撮っちゃったことがバレるじゃない」

従姉「オスカー賞に応募しないの?」

従妹「応募するもんじゃないでしょ。アレ」

父「お、久しぶりだね。おめでとう」

母「おめでとうー」

従妹「お義母さん、お義父さん。あけましておめでとうございます」

父「うんうん。アイツならいつでもあげるから」

従妹「ありがたくいただきます」

男「俺は無視?」

従妹「ごめん、恥ずかしくて顔を直視できない」

男「敢えて無表情なんだな」

従妹「高角抑えるのに必死」

男「すげぇ」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「やはり冬はこたつでみかんに限る」

従妹「ねぇ、足が当たってるんだけど」

男「あ、ごめん」スッ

従妹「あ」

男「え?」

従妹「おにいの温もりが消えた」

男「ああ、うん……」

従妹「死にたい」

男「わかったわかった」スス

従妹「うん。最高」

男「(可愛いな)」

従妹「おにい」

男「なんだ?」

従妹「彼女できた?」

男「できてないに決まってるだろ」

従妹「おにいの魅力がわからないなんて世界中の女はクズだね」

男「今世界中の女を敵に回したな」

従妹「かといってできたらできたでショックで頸動脈切断するけど」

男「『死んじゃう』とかじゃないんだな」

従妹「そんな抽象的な」

男「いや具体的なのもどうだろう?」

従妹「そう?じゃあこれからは抽象的にする」

男「それ以前にそこまで危険な言葉はちょっと」

従妹「善処します」

男「やるきねぇだろ」

従妹「前向きに検討します」

男「ほら!」

従姉「おぞうにできたよ」

男「わーい」

従姉「わーい」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「おいしい」

男「……」

従姉「どうしたの?おいしくなかった……?」

男「いやそうでなくて」

従妹「作り直そうか?」

男「いやだからな、雑煮はおいしいんだ」

従妹「どうしたの?体調が悪いの?」

男「お前がガン見してくるから食べづらいんだよ」

従妹「食べてるおにいもカッコよすぎて新年とかどうでもよくって」

男「相当アレだよな」

従妹「アレって何よ。犯したいってこと?姫はじめする?」

男「しない、しない」

従姉「甥だったら竜太郎で、姪だったらおりょうとかどう?」

男「いろいろおかしくない?」

従妹「そうだよお姉ちゃん。ちゃんと避妊するよ」

従姉「そうなの?残念」

男「待て」

従姉「もしかして3P希望?」

男「違う」

従妹「お願いお姉ちゃん」

従姉「仕方ないわね///」

男「待てや」

従妹「何よ、文句あるの?」

男「たくさんあるんだけど」

従妹「言いなさいよ。悪いところは改善してすこしでもおにいのお嫁さんに相応しくなりたいから」

男「本当に可愛いなお前」

従妹「うるさいわね。あんまり言うとニヤケすぎて外に出られない顔になるからやめて」

従姉「可愛いでしょ?」

男「ああ」

従妹「あのさ」

男「なに?」

従妹「おにいとお姉ちゃんの仲がいいのは良いの」

男「うん」

従妹「でもあんまりイチャつかれると嘔吐しちゃうからやめて」

従姉「ごめんね?私は貴方一筋だから」スリスリ

従妹「あ、うん。ありがとう。気持ちだけもらっとく」

従姉「……あれ?私フられた?」

従妹「お姉ちゃんも大好きだよ。おにいの次の次に」

従姉「次は?」

従妹「ミケ」

従姉「猫に負けた」

男「ごめんねえさん。俺もタマ好き」

従姉「ちくしょうだよ」

ミケ「にゃー(お呼びですか)」

タマじゃねぇミケだ

脳内変換よろ

男「流石ミケ、空気を読む」

ミケ「にゃー(いえいえ小生など。まだまだ若輩者でございます)」

従妹「なんていってんだろうね」

従姉「おなかすいたとかじゃない?」

男「ミケのエサどこだっけ」

従妹「いいから。私やるからおにいはそこらへん座っときなさいよ」

男「おお、悪いな」

従妹「エサをやるおにいもカッコ良いから見たかったけど、おにいの前で女の子らしいところ見せたいだけなんだから。
勘違いしないでよね」

男「あ、おう」

従姉「いい子だよねぇ~」

男「だなぁ」

従妹「『俺の嫁にはもったいない』って思ってる?」ガサガサ

男「おもってない」

従妹「あっそ。嫁に相応しいとでも思ってるの?ふん。嬉しくて鼻水でそう」サラザラ

従姉「はいティッシュ」

従妹「……」チーン

ミケ「にゃー(おお、お食事ですか。ですが先ほどいただいたのでは?)」

男「ミケー」

ミケ「にゃ?(おお、お気づきになられました?いや、どうやら違うようですな。やれやれ……今年も大変な年になりそうだ)」

従妹「ミケー」

ミケ「にゃにゃ?(おお?なんです?なんです?)」

従姉「ミケこまってるよ」

男「すまんなミケ」

ミケ「にゃう(お気になさらず)」

従妹「許してもらってるような気分になるよね」

従姉「ミケ寛容だもんねー」

ミケ「にゃ(いえいえ。自分など器の小さい者で)」

男「ミケってなんか俺らの言葉わかってるみたいだよな」

従姉「わかってるよ。ねー?」

ミケ「にゃー(まだまだ自分は理解が足りません。これからも精進いたします)」

従妹「おにい、そういえばさ」

男「なんだ?」

従妹「初詣の予定は?友達とかと行く?」

男「いや全く。そんな予定微塵もないな」

従妹「へー。じゃあ私といってもいいってわけ?」

男「おう。行くか」

従妹「本気で言ってる?」

男「え、うん」

従妹「お姉ちゃん」

従姉「どうしたの?」

従妹「ちょっと布団に顔うずめてバタバタしてくる」

スッ スタスタスタ ガチャ バタン

男「相変わらず不思議な子だな」

従姉「でも可愛いでしょ?」

男「それには同意」

従姉「あの子本当に楽しみにしてたのよ?」

男「見てりゃわかる」

従姉「相変わらず無愛想なのは変わらなかったけど」

男「あ、変わらないんだ」

従姉「間違えて晩御飯二回作ったり」

男「激しい」

従姉「歯磨き粉とドライヤーを間違えたり」

男「いや間違える?それ」

従姉「携帯電話と間違ってテレビ持っていこうとしてたわ」

男「待って?不可能なレベルいってない?」

従姉「あの子が『大きな荷物運ぶのに使うひもが欲しい』っていってこなかったら本当に持っていくとこ」

男「すごいな」

従姉「今日くらいは、優しくしてあげてね」

男「言われんでも」

ガチャ

従妹「ただいま」

男「おかえり」

従妹「……あ、夢じゃない」

従姉「夢じゃないよ~」

従妹「お姉ちゃん、ペンチ」

男「それは本当に危ないからやめなさい」

従妹「勘違いしないで。おにいがいるのがあまりにも嬉しくて実感わかなかっただけ。
自傷癖じゃない」

男「流石にそんな勘違いはしてない」

従妹「あぁ。そう」

従姉「ねぇ」

従妹「なに?」

従姉「服、後ろ前逆だよ?」

従妹「本当?」ヌギッ


男「ここで脱ぐな!」

従妹「きゃ、おにい何見てんのよ。もっと見てよ」

男「いや服を着ろ」

従妹「下着着てるよ。脱げって?」

男「言ってない」

従妹「はっきり言ってよ。もどかしい」

男「あれ?俺これ以上はっきり言えないよな?」

従妹「お姉ちゃん、電気消さないで」

従姉「消してないよ。服を脱ぐか着るかどっちかにしようね?」

従妹「ふう」

従姉「結局後ろ前逆のまんまだね」

従妹「鏡で確認したときはあってたのに」

従姉「どっち向いてみたの?」

従妹「鏡に背中むけてそっちむいた」

従姉「それでおっけーだと思えるあたりすごいわ」

男「すげぇなマジ」

従妹「うっさい。おにいのせいなんだから」

男「俺かよ」

従妹「おにいの事が気になりすぎてほかの事に集中できないの。全く。わかってんの?」

男「なにそれ俺悪くないじゃん」

従妹「女癖は悪いんじゃない」

男「今まで彼女いたことねーよ」

従妹「なによそれ。本当?」

男「あたりまえだ。悪いか」

従妹「……はぁ」

男「なんでため息」

従妹「嬉しすぎて息吐くの忘れてた」

男「お前そのうち死ぬだろ」

従妹「おにいと結婚するまでは死ねない」

男「結婚しても死ぬなよ」

従妹「なにそれ、結婚してくれるってこと?何言ってんの?従妹相手に。
早く市役所行くわよ」

男「市役所はいいから初詣行こうぜ」

従妹「ふざけてんの?まだおめかしもしてないのよ?おにいと出歩くのに私服とかありえないから。
ちょっと待ってなさい」

タッタッタ……バタン

男「素直なんだか素直じゃないんだかわからん」

従姉「本人いわく『おにいの前ではちょっとオーバーヒートしてうまく話せない』だってさ」

男「はー……」

男「……」

従姉「……あっ」

男「?」

従姉「あの子絶対一人で着付けようとしてる。手伝ってくる」

男「あ、おう」

ガチャ バタン

男「……従姉妹っていいな」

――――――――――――――――――――――――――――――

一時間後

従妹「おまたせ」

男「……うわ」

従妹「なによ、見るに堪えないとでもいいたいの?」

男「綺麗だな……」

従妹「……」

男「どうした?」

従妹「別に。おにいに褒められて、生まれてきてよかったと思ってるだけよ」

男「そんなに嬉しいか」

従妹「これ以上嬉しいことなんて存在しないわよ。何いってんの?」

――――――――――――――――――――――――――――――

ざわざわ ざわざわ

男「近所の神社でもこんなに混んでるんだな」

従妹「そうね」

男「こりゃあお参りするだけでも時間食うな」

従妹「そうね」

男「……なぁ」

従妹「そうね」

男「どうしたんだ?」

従妹「は?緊張してうまくしゃべれないに決まってんじゃん。気遣いまでできるとかなんなの?おにいカッコよすぎ意味分かんない」

男「いやそんなにベタ褒めされても」

従妹「勘違いしないでよね。事実述べてるだけなんだから」

男「そっちの方がアレだよな」

ギュ

従妹「え?」

男「はぐれるぞ」

従妹「いきなり手ェつなぐとか……なんなの?今年手ぇ洗えないじゃん」

男「いや長いな」

従妹「さっさと行くわよ。一緒に晩御飯食べるんだから」

男「お、おう」

――――――――――――――――――――――――――――――
男「中はほんとすごいな……」

従妹「人ごみ苦手……」

男「大丈夫か?帰るか?」

従妹「は?冗談キツイわよ。おにいと一緒に二人で歩く時間が減るとか考えられないんだけど?」

男「お、おう……」

従妹「おみくじは引いて帰るんだから。恋愛運だけは見て帰るの」

男「OK。行くか」

従妹「言われなくとも行くわよ。ホラキビキビ歩く!」

男「お、おお?」

マジ寝れねえじゃん 想像するためある程度の設定スペックください

>>57
従妹:年下。年よりも若干幼い見た目。薄いわけではないが、巨乳でもない
従姉:年上。年よりも若干幼い見た目。圧倒的な巨乳

チャリン

パンッパンッ

従妹「……」

男「……(えーと、今年も良い年でありますように)」

従妹「……終わった?」

男「ああ。願い考えてなくて月並みになっちまった」

従妹「私は毎年同じだから、今更だけどね」

男「叶ってるのか?願い」

従妹「若干……?」

男「はぁ」

従妹「(おにいと結婚して幸せな生活……今でもまぁ幸せだし、若干はOKかな?」)

従妹「……うん。若干」

男「今年こそ全部叶うといいな」

従妹「え、私が言うのもなんだけど、それは早くない?」

男「どんな願いだよ」

従妹「願い言っちゃうとダメらしいから。秘密。まぁおにいより大切なものなんてないから、安心して構わないわよ?」

男「そ、そうか……」

従妹「さ、さっさとおみくじ引いて帰るわよ。おにいと二人きりだと緊張して倒れそうなんだから。早くして」

男「わ、わかったよ」

巫女「100円ですよぅ」

男「はい」

ザンラザンラザンラ

ガシャッ

巫女「えーとぅ……どうぞぉ」ガサガサ スッ

従妹「はい」

巫女「はいぃ」

ザンラザンッラ

ガシャッ

巫女「どうぞぉ」ガサガサ スッ

従妹「いまあける?」

男「お前、家帰ってからあける派だろ?」

従妹「……何?覚えてたの?」

男「ああ、印象に残っててな」

従妹「そんなに意識した?覚えてない」

男「お前も意識してなかっただろうな。確か別に、俺がここで見ようとしても何も言わなかったぞ」

従妹「だよね」

男「でも凄く嫌そうな顔してた」

従妹「……そう」

男「それから、なんでも家で見るようになったな」

従妹「私のせい?」

男「せいかどうかは知らないが、お前の影響は大きいな」

従妹「……はぁ。なんでかな。すごく嬉しい。わけかんない」

男「……口角上がってるぞ」

従妹「知ってるわよ。うるさいわね」

従妹「ただいま」

従姉「おかえり~。ごはんもうちょっと待ってね~」

男「おお。いい匂い」

従姉「いっつもはこの子が作ってるんだけどね」

男「今日は……俺のせい?」

従姉「うん。大正解。包丁持ってるときに変な事されると困るの」

男「な、なんかごめん」

従妹「……」

従姉「あ、ダメ、謝らないで!この子すっごい落ちこんでる!」

男「おお!?なんだこのオーラ!?」

従妹「……」ズゥゥゥン

従姉「貴方が落ち込んだらその影響を大きく受けるんだから」

男「俺今日超元気」

従妹「……」パァ…

従姉「よかった、回復してる」

従姉「できたよ。といってもほとんど温めただけだけど」

男「おお、うまそう。いただきます」

従妹「いただきます」

モッシャモシャ

従姉「おいしい?」

男「おう」

従妹「ふーん……」

従姉「実はこれ、私じゃなくてこの子が作ったの」

祖父「流石だな」

従妹「ありがと」

祖母「よくできてるねぇ」

従妹「そう?」

男「本当。うまいうまい」

従妹「……」ガタッ

母「どうしたの?」

従妹「嬉しさのボルテージがカンストしただけ。すぐ戻るから気にしないで」

スッ スタ、スタ、スタ……」

父「……素直な子だな」

男「……そうなのか?」

従姉「おいしいねぇ」

祖母「そうだねぇ」

ガララー

叔父「ただいま」

叔母「ただいまるこしあす」

男「おじさん、おばさん」

叔母「お義母さんと呼んでもいいのよ」

叔父「遅くなって済まないな。はいこれお年玉だ」

男「え、いいの?」

叔父「娘の笑顔は君のおかげだからな」

男「俺そこまで何もしてないけど」

叔母「そうとは思わないけどねぇ」

男「はぁ」

スタスタ

従妹「母さん、父さん」

叔母「あら、どこ行ってたの?」

従妹「ちょっと風にあたってきたの」

叔父「のぼせたのか?」

従妹「あながち間違ってない」

叔父「まぁ、あとで良い話があるから、ゆっくり食べなさい」

従妹「いい話?ふぅん。期待しないで待っとくね」

叔父「はは」

男「?」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「で、話って何?」

叔父「来年は、受験もあるわけだし」

従妹「そうだね。それが?」

叔父「もしよかったら、あっちで一人暮らししてみないか?」

従妹「あっちって?」

叔父「彼のところだ」

従妹「……は?本気で言ってる?」

叔父「もちろん、学校がその近くに限るが」

従妹「……マジ?」

叔父「マジもマジ、大マジだ」

従妹「部屋に帰る」 スッ

叔父「どうしたんだ」

従妹「今から勉強するの。向こうは偏差値が高いから」

叔父「……そこまでするのか」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「……どうしよう」

従妹「うれしくって勉強に集中できない」

従妹「困った」

コンコン

従妹「はい」

ガチャ

男「お、勉強してたのか……ごめん、邪魔s「待って」

男「あ、はい」

従妹「何よ。せっかく来たんならちょっとベッドに座って話すとか、気ぃ聞かせなさいよ。
そんな鈍いところも好きだけど」

男「はぁ……」

従妹「どうしたの?私といるとやっぱり疲れるとでも言いたいの?
……死にたい」

男「自己完結すんなよ。あのさ、前から聞きたかったんだけど」

従妹「なによ、何でも聞きなさいよ。喜んで答えるから」

男「いや、なんだ……学校に好きなヤツとかいないのか?」

従妹「は?何言ってんの?バカじゃないの?
なんで私がおにい以外の男に興味持たないといけないのよ」

男「いや、俺なんかよりいい男なんてたくさん……」

従妹「いないに決まってるじゃん。本当何言ってんの?」

男「今後の人生とかみてもさ、俺ってのはあまり有益じゃないというか……」

従妹「……もしかして」

男「ん?」

従妹「遠まわしに、私の事拒否してるの?」

男「いや、そういうわけじゃ……」

従妹「勘違いしないでよ。別に気にしてるわけじゃないから」ポロポロ

男「ちょ、ちょ、泣かないでくれ!」

従妹「そうだよね。私はお姉ちゃんと違って胸も小さいし、かわいくないもんね。
当然だよ。わかってるよ」ポロポロ

男「いや、お前はかわいいって!!」

従妹「なによ、証拠でもあるっていうの?」ポロポロ

男「証拠ってまた」

従妹「別にいいよ。おにいは好きな人と付き合って結婚して子供をもうけて、幸せな過程を築きなよ。
私は金銭的援助でもなんでもするから」ポロポロ

男「だから話を……」

従妹「出てって」ポロポロ

男「え?」

従妹「もうそろそろ耐えられない。ずっと抑えてるの。だから出てって」

男「お、おう……」

バタン

従妹「……」

従妹「……行ったかな?」

従妹「……うぇ゛っ、ひっ」ポロ

従妹「ふ、ぐ……うっ……ひぐっ……」ポロポロ

従妹「おに゛いの……ばが……」ボロボロ……

男「ということなんだけど」

従姉「なるほど~」

ガシッ

従姉「今すぐ誤解を解いてこいこの野郎」

男「はいすみませぇんっ!」

従姉「どれだけ貴方の事好きか知ってるでしょう?」

男「いや……好かれる覚えがないというか」

従姉「……本当?」

男「ガチで、いつのまにかなつかれてて……ああなったというか」

従姉「……ちょっと昔の話をしましょう」

男「お、おう……」

――――――――――――――――――――――――――――――
何年か前

従姉「ねぇ、お買いもの行かない?」

従妹「いかない」

従姉「じゃ、じゃあお姉ちゃん買ってくるね?なにか欲しいものある?」

従妹「ない」

従姉「そ、そう……」

従妹「買い物行くんでしょ?さっさと行ったら?」

従姉「……うん」

――――――――――――――――――――――――――――――

従姉「……(最近あの子、学校行ってないな)」

ピリリリ

従姉「もしもし?母さん?」

従姉「……えっ?叔父さんたちが?」

従姉「本当?うん……うん……」

従姉「……いい影響に、なってくれるといいな」

母「ごめんねお母さん」

祖母「気にするなし」

祖父「家族は多い方がええ」

父「ありがとうございます」

祖父「ふぉっふぉっ」

男「ここが新しい家か!!マジ古風!マジ古風!!」

母「さわがないの」

男「ごめんね!!さわがない!!」

祖父「ふぉっふぉ」

父「お前の少し下の、従妹も住んでるんだぞ」

男「マジで!!!あってくる!!」タッタッタ……

祖母「あ、その子は……」

母「どうかしたんですか?」

叔母「ただいまー。あ、姉さん」

母「あ、おかえり。何かあったの?」

叔母「なにかって、何?」

母「いや、あの子がどうとかって……」

叔母「……あぁあの子。今、不登校なの」

母「不登校!?」

叔母「無理に行かせるのもどうかなぁって……
でも、あんまりひどいようだったら、何か考えるわよ」

母「もっといろいろ試したほうが……」

叔母「……んー、勘なんだけどさ」

母「勘?」

叔母「うまくいく気がして」

男「あーそーびーましょー!!」


ドンドンドン

従妹「……」

男「あーそーびー」

ガチャッ

従妹「うるさい!誰!?」

男「……あ、はじめまして」

従妹「……本当に誰?」

男「君のいとこらしいぜ!!」

従妹「いとこ……?あぁ」

男「遊ぼうぜぇ!」

従妹「面倒くさい。帰って」

男「帰らん」

従妹「気持ち悪い。死ね」

男「死なない」

従妹「……」イラッ

男「遊ぼうぜ」

従妹「一人で遊んでなさいよ」

男「それはそれでつまらなくてな」

従妹「じゃ、勝手にしたら?私は一人で本読むから」

男「俺も読む」

従妹「アンタ見たいなバカに読める本じゃない」

男「それでも読む」

従妹「……はぁ。面倒くさっ」

従姉「ただいま……何してんの?」

従妹「お姉ちゃん、こいつ……」

従姉「ご、ごめん!まだ紹介してなかったね。いとこの……」

従妹「それは知ってる。こいつ何とかして」

従姉「せ、せっかくのいとこなんだからさ、仲良く……」

従妹「無理!」  バタン

従姉「あっ……」

男「Oh」

従姉「ご、ごめんね?あの子人見知りするから……」

男「いや……いーよ。俺あきらめねーし」

従姉「え?」

男「惚れた」

従姉「ええ!?」

男「モノにするぜ!!」

従姉「そ、そう……」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「遊ぼうぜ!」

従妹「無理」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「キャッチボールしようぜ!」

従妹「壁とやってなさいよ」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「虫取りに行こうぜ!」

従妹「そもそも女の子を誘う遊びじゃない」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「ゲームしようぜ」

従妹「CPとでもやってなさいよ!」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「一緒になんか食べようぜ!」

従妹「……嫌」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「かるたしようぜ!」

従妹「二人じゃできない」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「ポーカーしようぜ!」

従妹「ベガスにでもいってなさいよ」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「テニスしようぜ!」

従妹「ラケットあるの?」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「ドライブ行こうぜ!」

従妹「年齢考えなさい」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「冒険行こうぜ!」

従妹「現実見なさい」

――――――――――――――――――――――――――――――

コンコン

従姉「はーい?」

ガチャ

従妹「……お姉ちゃん」

従姉「え!?どうしたの!?」

従妹「いや……べつに……その……」

従姉「な、なに?」

従妹「や、やっぱいい!!」

ダッ

従姉「待って!」

ガシッ

従妹「は、離して!」

従姉「も、もしかして……」

従妹「……」

従姉「今日……彼がこないから……気になった?」

従妹「ちっ、違っ!!」

従姉「風邪だって」

従妹「え?」

従姉「昨日一人で森まで行って……うっかり足を滑らせて、川に落っこちたんだって」

従妹「……本当バカね」

従姉「……元気なのはいいことなんだけどねぇ」

従妹「でもさ」

従姉「うん?」

従妹「もしも、もしもだよ?」

従姉「う、うん」

従妹「その……川で、おぼれてたら、どうするんだろ」

従姉「……え?」

従妹「あ、あの馬鹿が!川で!今回は助かったけどさ、もしかしたら死んでたかもしれないじゃん!」

従姉「……あらまぁ」

従妹「な、何!」

従姉「じゃあさ」

従妹「なに」

従姉「貴方が監視役になってあげれば?」

従妹「え?」

従姉「一緒に遊ぶんじゃなくて、監視役。彼が危険なことしないように、見てあげるの」

従妹「……そ、それなら」

従姉「へっ?」

従妹「わ、私が監視してあげないと!アイツいつ死ぬかわからないから!
身内から人死にが出たら嫌だから!それだけ!」

従姉「(人死になんて難しい言葉つかっちゃって)」

従妹「仕方なく!しかたなくだからね!」

従姉「はいはい」

男「……」

従妹「……」

男「え」

従妹「なによ」

男「なんで?」

従妹「……監視!」

男「監視?」

従妹「勘違いしないでよね!?アンタが危なっかしいことしないか見てるだけなんだから!」

男「……お、おう」

従妹「ほら、行くんでしょ?さっさと着替える!」

男「あ、はい」

男「(何があったんだろう)」

従妹「もっとゆっくり投げなさいよ!」

男「悪い悪い!」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「ひぃっ!?これ何!?」

男「おお、幼虫じゃん」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「私にぷよぷよで敵うと思ってるの? バヨエーン

男「マジつぇぇ!?」

――――――――――――――――――――――――――――――
従妹「……私ピーマン嫌いなんだよね」

男「好き嫌いしてるとおっきくなれねーぞ」

従妹「……うっさいわね!年上だからってエラそうにすんじゃないわよ!」

男「えー?」

従妹「……おっきいほうが好きなの?」

男「え?」

従妹「なんでもない!」

母「犬もあるけば、その時歴史が動いた」

従妹「なにそれ!?」

男「はいっ!」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「ストレート!!どうだ!!これは俺の勝ち!!」

従妹「5カード」

男「    」

従妹「5カード」

――――――――――――――――――――――――――――――

叔母「テニスラケット?あるわよ」

叔父「昔のだが」

従妹「あるの!?」

男「わぁお」

――――――――――――――――――――――――――――――
男「うひょおおおお!」

父「顔出すな馬鹿」

従妹「恥ずかしいなぁ……もう」

――――――――――――――――――――――――――――――

男「……おお、こんなところあったんだ」

従妹「……といっても裏山だけどね」

男「ここ、俺らの秘密基地にしようぜ!」

従妹「え?」

男「俺ら二人だけの秘密基地だ!うへへ!」

従妹「……うん」

男「……どうした?顔赤いぞ?」

従妹「うるさい!」

男「おお!?」

――――――――――――――――――――――――――――――

従妹「……え?」

母「ごめんね?辛いとは思うんだけど……前から決まってたの」

従妹「うそ……嘘だよね!?そんな……!」

父「……もともとここにいる事自体が、私が単身赴任している間だけだったんだ……だから、申し訳ないが」

従妹「あ、アイツはここに……残るのよね!?」

従姉「残らないわよ」

従妹「……やだ」

従姉「え?」

従妹「やだ……やだやだ!ずっと!!ずっと一緒にいるの!やだ!やだよぉ!」ポロポロ

父「……ッ」ズキッ

男「……こら」

ピシッ

従妹「あ、あんたドコいって……私にデコピンなんて……!」

男「永遠にお別れってわけじゃないじゃん!
ダダこねんなって!」

従妹「こ、こねてない!」

男「こねてた」

従妹「……なんでよ」

男「ん?」

従妹「アンタも……私なんてどうでも「よくない」

男「よくない……けどよくわかんねぇんだよ」

従妹「……」

男「またさ」

従妹「うん」

男「俺が大人になったら、また……」

従妹「……別に待ってなんかやらないんだから」

男「えっ」

従妹「早くどっかいけ!この馬鹿!!」ボロボロ

――――――――――――――――――――――――――――――

ブロロロ……

従妹「……ねぇ」

従姉「……どうしたの?」

従妹「私が、素直じゃないから?」

従姉「え?」

従妹「私が素直じゃないから、アイツは行っちゃったの?」

従姉「……いや、そんなことは」

従妹「私が素直に……もっと正直になればいいのかな」

従妹「そうすれば……あいつはきっと」

従姉「そう……だね」

――――――――――――――――――――――――――――――

従姉「それからあの子は、毎日家事もするようになり、素直になり、真面目になり、
学校にも行くようになりました」

男「マジかよ」

従姉「そりゃもう」

男「すっかり忘れてたなぁ。そんなこと」

従姉「この前来た時も忘れてたもんねぇ」

男「そうだなぁ。そういえば、いつから俺『おにい』なんだっけ?」

従姉「二回目からじゃない?」

男「ああ、そうだっけか……」

従姉「毎日のようにおにいおにいとうるさかったからねー……」

男「そういえばさ」

従姉「ん?」

男「なんでねーさんが『お姉ちゃん』で俺が『おにい』なんだ?『お兄ちゃん』じゃなくて」

従姉「……ふふ」

男「ん?」

――――――――――――――――――――――――――――――
従姉「ねぇ、なんでお兄ちゃんじゃなくて『おにい』なの?」

従妹「……年上なのは認めるけど」

従姉「?」

従妹「私はアイツの妹じゃないもん!」

従姉「それって……」

従妹「な、なに?」

従姉「男として、意識してるってこと?」

従妹「ふぇっ!?
……う、うん」

従姉「……(かわいいぃぃいい)」

ふーん…
神経ず太いんだね
俺には恥ずかしくて真似できないよ

――――――――――――――――――――――――――――――
従姉「(まぁこれは黙っておきましょう)」

男「??」

従姉「まぁまぁ。わかった?貴方があの子の人生にどれだけ大きい影響を及ぼしているか」

男「えーと……まぁ」

従姉「なら、なおさらだよね」

男「はぁ」

従姉「ほら、さっさと行ってくる!」

男「は、はい!」

――――――――――――――――――――――――――――――

コンコン

男「おーい」

『何』

男「いや、あけてくれないか?」

『嫌』

男「じゃあ話だけでも」

『無理』

男「……わかった」

『……え?』

男「帰るよ」

『……』

男「……」

スッ

スタ、スタ、スタ……

『……!』

タッタッタ

ガチャ

男「ひっかかったな」

従妹「!?」

男「その場で足踏みしただけだ!おし捕まえた!」ガシッ

従妹「いや!離して!」

男「……こうやって籠城しているお前を見たのは、何年ぶりだったっけ」

従妹「覚えて……」

男「(本当はそんな覚えてないけど)」

男「今日さ」

従妹「うん」

男「彼氏とかの話したじゃん」

従妹「……うん」

男「あれはさ」

従妹「……」

男「確認したかったんだよ」

従妹「確認?」

男「えーと……なんというか」

従妹「はっきり」

男「はい」

男「お前がさ」

従妹「うん」

男「俺で良かったのかな……って」

従妹「……今更だよ」

男「……そうか」

従妹「……で?」

男「……これ」

従妹「……なにこれ?」

男「お前……誕生日、12月だったよな?」

従妹「……え?」

男「なんというか……」

従妹「プレゼント……?」

男「ま、まぁ……」

従妹「あ、あけていい?」

男「おう」

従妹「……え?ゆびわ?」

男「いやぁ、渡したかったんだけど……お金が足りないというかなんというか」

スルッ……

従妹「タオルハンカチ……」

ttp://item.rakuten.co.jp/bellevie-harima/10001509/←こんなやつです)

男「まぁ、お洒落かなーって思って……」

従妹「なんでこんなもの渡すのよ……。嬉しくて使えないじゃない」

男「いや、せっかく渡したんだから……使ってくれよ」

従妹「……あ」

男「なんだ?」

従妹「さっそく使う機会が、来ちゃったみたい」ポロポロ

男「え!?何故泣く!?」

従妹「うれし泣きくらい……わかってよ!」ポロポロ

男「本当に……俺でいいのか?」

従妹「……ばか」

チュッ

男「え」

従妹「……まだわかんないの?おにい以外に素敵な人なんていないんだから」

男「……」

従妹「なにジロジロ見てんの?テンション上がっちゃうからやめて」

男「好きだ」

従妹「私の方が100倍好き」

男「えっ」

男「じゃあ俺は1000倍!」

従妹「一万倍!」

男「一億倍!」

従妹「一兆倍!!」

ギャーギャー ワーキャー

叔母「……いつまでたっても子供ねー。あの二人」

従姉「……はー、私も早くいい人見つけないとなぁ」

叔父「孫の顔がみたいんだが……」

従姉「わかった!わかったから!」



男「俺の方が絶対愛してるし!!一生養ってやるよ!!」

従妹「言ったわね!?何時何分何秒地球が何回回ったかまで、婚姻届に書き下ろしてやるわよ!?」

男「望むところだ!一生大切にしてやるからな!」

従妹「こっちこそ望むところよ!絶対幸せにしてくれなきゃ!許さないんだから!!」




従姉「ば、バカップル……」


                                         終わり。

はい終わり!
わざわざこんな深夜の、しかも新年にこんなの見てくれてありがとう。
あと>>164、一度やってみな?病みつきになるぜwwwwww


あ、ブログやってます。
よかったらどうぞ。 つttp://blog.livedoor.jp/zwajnj4q9e/

あ、大事なこと言い忘れた

お前らあけましておめでとう!今年も良いお年を!

今北産業!

>>194
俺も
従妹が
欲しかった

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