俺 「ねえ、はかせ」 はかせ 「なーに?」 (31)

俺 「死、ってなに?」

はかせ 「・・・どうしたの、いきなり」

俺 「いや、今ね、目の前の木に止まってたセミが死んだからさ・・・」

はかせ 「あ、ほんとだ」

セミ 「」

はかせ 「セミが死ぬのを見て、死ってなんだ?と疑問に思ったんだー」

俺 「そう。はかせは物知りだから、知ってるかな?と思って」

俺 「俺もはかせも、いずれ目の前のセミみたいに死ぬんだろうなって・・・」

俺 「それがいつになるかわからない。10分後かもしれないし、10年後かもしれない」

はかせ 「・・・」

俺 「何のために生まれて、何をするのか」

俺 「わけもわからず勉強して、学校行って、就職して、働いて・・・」

はかせ 「・・・」

俺 「たまの休みにはどこか行くけど、またすぐ月曜日がやってくる」

俺 「そしてまた働いて、休んで、働いて、休んで・・・」

俺 「死ぬまで、ずっとこの繰り返しかと思うと・・・」

はかせ 「・・・」

俺 「はかせはnS(ナノシステム)を開発して史上最年少でノーベル賞を受賞したけど」

俺 「俺にはそんな華やかな人生は歩めないんだろうなー」

俺 「いっそのこ(ry はかせ 「ストップ」

俺 「・・・」

はかせ 「・・・」

はかせ 「・・・わかったよ」

俺 「・・・え?」

はかせ 「答え、知りたいんでしょ?」

俺 「・・・わかるの?・・・知ってるの?」

はかせ 「いちおう、ね。というか・・・」

俺 「?」

はかせ 「これを言語化するのは、すっごく難しいの」

はかせ 「言葉にしたら最後。本質とは違ってくる」

はかせ 「もしかすると、今後一生悩むことになるかも」

はかせ 「だったら、聞かない方がいい」

はかせ 「それでも・・・聞きたい?」

俺 「・・・」

おちんちん絞るためさっ!

はかせ 「・・・」

俺 「・・・・・・」

はかせ 「・・・・・・」

俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

はかせ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺 (ここまで言っておいて、聞かない なんて選択肢はないよ・・・)

俺 (何のために生まれてきたのか・・・すごく気になる)

俺 (だけど、はかせは今後一生悩むことになるかもしれないって・・・)

俺 (なんだこの気持ち・・・怖いぞ・・・)

俺 (・・・いや、はかせは答えを知っているんだ!)

俺 (ここで聞いとかないと、一生後悔するかもしれない・・・!)

俺 (悩みか後悔か、どっちかだったらもちろん・・・)

俺 「・・・はかせ!聞かせてくれ!!ここで聞かなかったら、一生後悔することになる!!」

俺 「そんなのはいやだ!はかせ!答えを教えてくれ!!」

はかせ 「zzz..................」

俺 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

はかせ 「うわあッ!びっくりした!!!どったの!?」

俺 「寝てんじゃねえええええええええええええええええええッ」

はかせ 「あっごめんwwwあんまり長いからwwww」

はかせ 「それで、なんだっけwwww」

俺 「・・・はぁ」

俺 「・・・死ってなんだろうなって」

俺 「それから、俺の人生ってなんだろうなって」

はかせ 「ああwwそうだったwwwその答えを知りたいんだったねwww」

俺 「そう」

はかせ 「うーーーーーーん。さっきも言ったように、答えを言語化するのは難しいんだ」

俺 「・・・」

はかせ 「今から言うことは、語弊があること前提で聞いてね」

俺 「うん。わかった」

はかせ 「そもそも、死 なんて存在しないんだ」

はかせ 「それから、さっき俺君が言ってた、10分後も10年後も存在しない」

俺 「・・・え?」

はかせ 「過去も存在しない。1分前も 10年前も」

はかせ 「今 しかないんだよ」

はかせ 「今、この瞬間。この瞬間しかないの」

はかせ 「全ての出来事は、風が吹いている と同じレベルの出来事なんだ」 



はかせ 「目の前のセミが死ぬのも、俺君の大切な人が死ぬのも」

はかせ 「すべて 風が吹いている と同じ出来事」

はかせ 「全ての出来事に対して 人間の意識 が 見えないラベル を貼ってるだけ」

はかせ 「その 見えないラベル を見て、出来事の大小や善悪を判断してるだけなんだ」

俺 「ちょ・・・ちょっと」

みお「おまたせー!!焼き鯖持ってきたよ!」

ゆっこ「おそいよ~~腹ペコだよ~」

みお「そういえばさ~」

登場人物を、ゆっこ と はかせにしようと思ったけど、やめた


ま、許せ

                   __       ,、, -、 ,. -――‐- 、  _,へ
                / /,. Y__ヘー 二く: : ヽ: ∠--_、__,. , ---\: : : ⌒>'⌒,ー─'二< ヽ.、

               /  , '//二\> 人 ): : /:∠二、   ´_二二_'ヽ:: : :/ 人く >'二 \ \  \
             , '  // //  ヽ.i |   __/ / ,. ― ミヽ  /,. ―-、ヾ,マ、_ /  // /  \ ;.  \  \
             ,' , ./   !.、.● ノ,ィュ__/,、匸:| {  ● }}={{ ●   } |::] ,、ヽ__ 《ミュ \_.●ノノ   ー-、゙、
           , --. |.//./,二 -Z'' 三 r―/: :|├/ヘヽゝ--彡'―ヾミ ---'ノノヾ┤|: :├: 、 'ー、''ミv‐二゙\\ !
          _i_: : : : : 、| | / ● ,.ィ゙  /: : : : :ハ Y  `三三{_    _}三三´_  Yノ : ノ: : :}:、  \k、● \\ イ
         |: : : : : : : :、、ヽ_ /;ソ、 ,V: : : : : :`| ({{ : : : : : : ≧≦: : : : : : : }}) |: : : : : ノ、Nir、_ ノ,、\ ./ ノく
       /,┬ ミ .  ノく >- ,ィ'彡': : :Y` ヾ: :_ -ヽ   ̄マ ̄ ̄  ̄ ̄タ ̄  /‐- :_: : : :}ヾ、: : :ヾミュ -- くノ :{、
    , N 冖;く  ,.  〉 _人` ヾ: : :./   ,/  / \   ` ー---‐ ´    /     ̄\  ゙ヽ: : ヾ  ゙̄《,v | ヽ、
  /゙ , ン,二 ミ , ,: : !: : : -、 〈ミ‐ '  ̄ ̄   ,/    ` ー .____, - '"     \  ゙  ̄.\ィリ  //\ヽ、\
./ .| .| | /   i. 川:/: : : !: : \_ __ - ゙´                         ヽ 、    __,/: : : :ノ:く .| | l 、
|  '、 '、l ●.ノ,r‐-ヽ: : : : : : : :イ                                 |   ̄ ̄ \: : : : : : :ノノ./. ∨ :,
|  ,  `ヽ== イ   Ⅵ\:_: :- '´                                 |  !   |Ⅳ ヽ: : :Y´ '´  .|   |
|  |  , 上 ,!   .   /\.!            アガサローリングじゃよ       |  !   |lA  ,゙ー´=‐-、 、  .!
.、 , !、/イ ●ヾュ、_イ :|_人: : : ヽ                                 |  ゙、 !: : 川 /' ● .i .| l |  !
. ヽ | 、| |   .| 川: ./: : :_ : : : \ ___                             ヽ  ヾ |,. ':ー : :ヽ、 ノ .| ! .| /
  ゙ ヽ ー-二 / 川:. >' : : : _ :/_    `ヽ 、                          ゙__ /: : : : : : : :L ,.ィ  ,/
     ー凵 <  ミツヽ/, '  (イ.\ __   \    ,. ‐ ´ ̄ ̄ ̄` ‐ .、     , '´ ̄    ̄\: 、: : :r ´N ´
       ! 、二 彡 ̄ | /-、__ ,ィ;ュ : :\ `_    /    , -─‐-- 、  \   _  , .-t ,/:ヾ}  ト 、ヽノノ
         |、: : : : : : :| く>二 ヾミュ、: : { : : : : ‐-/  __ム__ __〉、_ ヽ‐ : : :ヽ 、 /: : :,ィュ,- 、Y 〉 l|
           | : : : : :,ヾr ./  \/  ヾミ/: : : : : | ({{ : : : : : : :><: : : : : : :}}) |、: : : : : ∧_ ≪/二 く 〉〈
          ̄ヽ-,' 、\\ ● l!.、  . {: : /: :/A   ,三三{     }三三 、 人V: : : : :/    f/´  ヽ ゙、 |
            ! 、\.\>=≪, -ミ 〈`.┤__!├、 / /r─‐ ミュ─ 彡─ くヽ∨┤|: :/─´  /_、 ●./ ,イ ゙;
            ゙、\- 、  i | ● \ヾ' ‐ヽ_ [::| {   ● }}={{ ●  } |:コ__/: :/イ〉,'三ミぐヾ二.-.' ' ./|
             \   \  | \  _ノ| , _ .r 'ム、、ー‐._ /  ヽミ ─  / /:ミソ´ 彡'/ ● ∧   ///
               \  \_>,_ く >.y /: : ヽ, 二二 , __ ,二フ: /: ト、 ( | 、 // r '  ./
                ` ー - -‐ '' ヽ -へ ,r : :\─‐ ' ´  ` ─ ラ'i : :\く_<ヽ、__/// /
                             `ー´ ` ‐-----‐ ´ ヽ: :>、/ー‐∨、__r_'. -‐'

はかせ 「なに?どうしたの?」

俺 「・・・」

はかせ 「あ、もしかして・・・ついてこれてない?」

俺 「・・・ついていけません」

はかせ 「あははwwwやっぱりwww」

俺 「・・・?」

はかせ 「いやー昔ねww nにも同じ質問されたことがあってww」

はかせ 「n、オーバーヒートしちゃってさwww」

はかせ 「頭の中の甘食溶けちゃってwww」

はかせ 「分解洗浄大変だったんだからwww朝までかかったよwww」

はかせ 「wwwwwwwwwwwwww」

俺 「・・・」

俺 「あのさ」

はかせ 「wwwなーに?」

俺 「そのー・・・今 についてなんだけどさ」

はかせ 「うん」

俺 「今、はかせと喋ってる、この瞬間」

はかせ 「うん」

俺 「この瞬間しか、存在しない」

はかせ 「そう」

俺 「このセミが生きてた 過去 も 今は存在しない」

はかせ 「そ! おおざっぱにいうと、このセミも、大陸で見つかる恐竜の化石も」

はかせ 「今では、同じレベルのモノってこと」

はかせ 「1分前も、10億年前も 今 では一緒」

はかせ 「人間の意識が、はるか昔の恐竜の化石に価値がある!とラベルを貼っているだけ」

はかせ 「同じモノなのさ」

俺 「・・・」

はかせ 「生きてたセミが死んだ」

俺 「・・・」

はかせ 「コップの中に水が無い 空のコップ」

俺 「?」

はかせ 「幸せと不幸 信頼と不信」

俺 「??」

はかせ 「自分と他人」

はかせ 「嘘を嘘と見抜ける人でないと、掲示板を使うのは難しい」

はかせ 「虚偽を虚偽と見、虚偽の中に真実を見、真実の中に真実を見よ」

俺 「ちょ・・・ちょっとまって」

はかせ 「どうしたの?」

俺 「何言ってんの?」

はかせ 「何って・・・俺君が聞きたがってた、世界の真実 だよ」

はかせ 「必要なことを言ってるの。黙ってて」

俺 「・・・はい」

みお「見えないラベルな、一理ある、人間を物質に還元すれば、生とは?感情とは?という疑問も生まれる」

ゆっこ「えっ、みおちゃんどうしたの?」

はかせ 「・・・死は生の不在を表すためのただの言葉であって実体がない」

はかせ 「ないという状態の表現をしているだけ。コップの水がないというのも同じ」

はかせ 「水はないんだから本当はそれを表せない」

はかせ 「表せないが伝えたいので ない という特殊な表現が作られた」

はかせ 「0の概念だ。それは表すための言葉だけしかない」

はかせ 「幸 不幸もそう」

はかせ 「不幸を感じること自体、幸せの裏付けであり」

はかせ 「幸せを感じる は何物にも裏付けられません。本来無条件です」

はかせ 「幸せ無くして不幸はないが、不幸は幸せを支えない」

はかせ 「幸せは幸せとして、ただそこにあります。無条件です」

はかせ 「不幸を感じたら、それが幸せの消息を伝えるものと思い、そのまま幸せを感じてください」

~終~

はかせ 「だいたいわかった?」

俺 「・・・ぜんぜんわかんない」

はかせ 「そうだよね。はかせも言ってるうちにわかんなくなっちゃった」

俺 「うん・・・ただひとつ言えることがある」

はかせ 「なにー?」

俺 「・・・アガサ死ね」

はかせ 「・・・」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom