鈴「一夏のお嫁さん、かぁ・・・」(279)

皆と過ごしたあの日から10年

今、振り返ってみると本当に色々あった…

―――――

シャル「そろそろ僕たちも卒業だね」

箒「そうだな」

セシリア「なんだかんだあっという間でしたわね」

ラウラ「嫁に出会った日がすぐ昨日のように感じられる」

鈴「結局誰も一夏とは進展無し、か…」

箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ「・・・・・」

―――――

シャル「僕たちの間で結んでいた淑女協定の賜物かもね」

箒「全くだ 抜け駆けは禁止」

セシリア「ボーデヴィッヒさんは一夏さんの部屋に何度か忍び込んだりしていたらしいですけれど」

ラウラ「今となっては良い思い出だな」

鈴「まぁ、私含めて皆抜け駆けしようとはしていたけれどね」


―――――

シャル「・・・でさ」


箒「何だ?」

シャル「そろそろ良いんじゃないかな」

セシリア「・・・」

ラウラ「何がだ?」

シャル「・・・誰が一夏と付き合うのか、決めようよ」

鈴「…!」

―――――

シャル「僕たち、本当にうまくやってきたよね」

シャル「一夏の事を、皆が本当に好きだったから淑女協定を守れてきたんだと思う」

シャル「勿論、多少のいがみ合いはあったけどね」

箒「誰が一夏と付き合うのか」

セシリア「勿論、一夏さんの気持ちも考えなければなりませんでしたね」

ラウラ「あぁ、そうだな 私たちはいつも自分たちのことしか考えていなかった…」

鈴「そうだったわね…」

―――――
シャル「淑女協定は今日までだ」

シャル「・・・今日からはみんなライバルなんだ」

箒「・・・」

セシリア「・・・」

ラウラ「・・・」

鈴「・・・」

シャル「じゃあ、これで失礼するよ こうやって集まるのは今日が最後かもね」

箒「誰が一夏と付き合うことになっても恨みっこなしだからな」

セシリア「後は正々堂々戦うのみですわ」

ラウラ「うむ… その通りだな 異存はない」

鈴「・・・」



この日を境に私たちの関係は何かギスギスしたものに変わった。



鈴「はぁ…」

一夏への想いは小学5年生の頃に始まったものだった

壊滅的に下手糞だった料理を、一夏は私に教えてくれた

そして、初めて一夏に「おいしい」と言われた酢豚を「将来、ずっと食わせてくれよな」と言ってくれた一夏


そんな一夏に、私は、今日も素直に想いを伝えられずにいたのだった



一夏「おーい、鈴 ちょっと良いか?」

鈴「な、何よ!私忙しいんだから早くしてよね!」

一夏「あぁ、実はな」

一夏「今度二人で遊園地にでも行かないか?」

鈴「!」

鈴(これってチャンスよね?)

鈴(あ… でも…)

鈴(鈍い一夏の事だから、皆で行こうとか言い出すんだろうなぁ…)

一夏「鈴?どうした?」

鈴「ふん、遠慮するわ…」



一夏「え?予定が合わないならずらそうか?」

鈴「・・・」

一夏「いつが良いか教えてくれよ、鈴」

鈴「ああああああもう!そうやって気安く鈴って呼ばないでくれる!」

一夏「え…」

鈴「あんたのそういう態度がねぇ!私たちを苦しめてきたのよ!」

鈴「いつも思わせぶりな態度取ってさ!一人で喜んでいた私が馬鹿みたい!」

一夏「鈴…」

鈴「あ…」

一夏「・・・」

鈴「…もういいわ じゃあね」スッ

一夏「・・・」クシャ

―――――

そう、その日もやってしまったのだ

いつも自分の想いとは真逆の行動を取ってしまうのだ

どうして

どうして私は・・・

―――――

卒業式3日前、教室


ラウラ「一夏、今日の午後 予定を空けておいて貰えないか?」

一夏「んー? どうしたラウラ?」

ラウラ「少しな」

箒・セシリア・シャル「・・・」

一夏「わかった、空けておくよ」



一夏「で、体育館の裏に呼び出してどうしたんだ?」

一夏「まるで告白でもするような感じだな」ニカッ

ラウラ「・・・そうなんだ」

一夏「え?」

ラウラ「一夏、私は一夏と付き合いたい 今、正式に願い出る」

一夏「えーっと…」

ラウラ「今まであやふやにしていた お前の事を嫁と呼んで、多少甘えていたのも事実だ」



ラウラ「でもな、それが原因となって好きになったわけではない」

ラウラ「一夏は言ってくれた、私のISが暴走した時に『お前を守ってやる』と」

ラウラ「お前に取ってはただの言葉のあやかも知れない」

ラウラ「でも、その言葉は、私に取って生まれて初めて教官以外の人を愛するきっかけになったのだ」

ラウラ「いや、教官以上にお前の事を愛している」

ラウラ「だから… 私の事を一夏の嫁に…して貰えないだろうか?」

一夏「ラウラ…」




一夏「・・・少し考えさせてくれ」

ラウラ「・・・分かった では」ザッザッ

一夏「・・・ はぁ・・・」

―――――

俺が気がついていなかっただけかもしれないんだ

いや正確には、うすうす気がついてはいたんだ

でも、あいつらのうち誰か一人も傷つけたくなかったから

わざと気が付いていないふりをしていたんだ

・・・お前らを傷つけたくないんだよ

―――――
あの時の一夏の顔、忘れもしない

今までに私には見せた事のない困った顔

今思えば、表に出していなかっただけなのかもしれない

ふふっ、裸で締め技をかけてもあのような顔はしなかったのにな


卒業2日前、教室
箒「い、一夏」

一夏「どうしたー?箒、お前の方から話しかけてくるなんて珍しいな」

箒「な、何だ? 私から話しかけてはいけないのか?」

一夏「いやいや、ほらさ 俺が入学してきた時ってお前、俺が声かけるのすげー嫌がってたじゃん」

一夏「それを考えると、随分箒も素直になったんだなーって、な?」

箒「ふ、ふん… そのような事も確かにあったな…」

一夏「で、何か用があるんだろ?」

箒「そ、それはここでは言えない… 放課後、道場で待っている…」スタスタスタ

一夏「あ… 行っちまった…」



一夏「失礼するぜ」ガラッ

箒「一夏、待っていたぞ」

一夏「なんだ、箒 胴着なんか着て また特訓か?」

箒「…いや、違うんだ まぁ座ってくれ」

一夏「お、おう…」

箒「・・・」

一夏「・・・」

箒「一夏、私たちがまだ小さかった時の事 覚えているか?」

一夏「あぁ、勿論だ」


箒「出会ったばかりの頃、私たちは馬が合わずに幾度も喧嘩をした」

一夏「そうだな」

箒「しかし、一夏が私がいじめられているのを助けてくれた所から打ち解けて行けたな」

一夏「まぁな」

箒「そして6年ぶりに一夏に会えた時、私は嬉しかった」

一夏「・・・」

箒「すぐに気が付いてくれて… 本当に嬉しかった」

一夏「・・・」

箒「私は」

箒「私の事を女として見てくれた一夏の事が好きだ」

箒「幼馴染としての好きだという感情ではない」

箒「お前に取って、私はただの幼馴染かもしれないが…」

箒「私は、一夏に対して幼馴染以上の感情を抱いている事に気がついたんだ…」

一夏「箒…」

箒「だから、私と… 付き合っては貰えないだろうか?」

一夏「…考えさせてくれ」

一夏「卒業式の日まで待ってくれ」

箒「・・・分かった」

一夏「じゃ、じゃあな…」ガラッ

―――――
そうだよな、箒5人の中じゃ箒と一緒にいるのが一番長いんだよな

てっきり俺がIS学園に入ってから惚れられたのかと思ったけど

そうじゃなかったみたいだ 



一夏は本当に鈍い、唐変木にもほどがある。

でも私ははっきりと伝えた

そう。

伝えたのだ…

―――――
卒業1日前
セシリア(今日こそ、私が一番に声をかけるのですわ)

セシリア(昨日一昨日と先は越されてしまいましたが…)

セシリア(二人とも浮かない表情という事はまだ…)

一夏「おはよー」ガラッ

オリムラクンオハヨウ オハヨー

セシリア「あああ、あの!」

一夏「?」

セシリア「一夏さん!今日の放課後少しよろしいでしょうか…?」

一夏「あぁ、わかった 空けておくぜ」

セシリア「ありがとうございます!では私の部屋まで来てくださいね!」

一夏「オーケー 放課後な」



一夏「おーい、セシリアいるかー?」

セシリア「待っていましたの…」ガチャ

一夏「お、制服じゃないんだな 似合ってるぜ」

セシリア「一夏さん…///」

一夏「じゃ、お邪魔するな」


一夏「で、話っていうのは何だ?」

セシリア「その…ですね…」

一夏「どうしたーセシリア はっきり言わないとわからないぞ?」

セシリア「いいいい、一夏さんとお付き合いをしたいんですの!」

一夏「…」

セシリア「初めてあった時の無礼は謝りますわ」

セシリア「男性なんて所詮は男性、一夏さんもその例に漏れませんでしたわ」

セシリア「でも、代表候補生を決めるための模擬訓練で自分の理想とする男性像が一夏さんだったってことに気付きましたの…」

セシリア「私は、今まで一夏さんの前では背伸びをしてましたの」

一夏「・・・」

セシリア「そうでないと馬鹿にされてしまうから」

セシリア「皆さんの前ではちゃんとした女性でいたかったのですわ」

セシリア「でも、もう卒業ですし背伸びをしなくても良くなりますわね」

一夏「セシリア…」

セシリア「織斑一夏さん、私と将来を共にして頂けませんか?」

セシリア「これからは背伸びをせず、一夏さんにありのままの自分を愛してもらいたいのです」

一夏「・・・」

一夏「セシリアのそういう背伸びをする所、俺は全然嫌じゃ無かったぜ」

一夏「でも、今すぐには答えは出せない」

一夏「お前は知らないかもしれないが、他に俺の事を好きでいてくれる人がいる」

一夏「その人達も、俺の返事を待っている」

一夏「だから、卒業式の日まで待っていてくれ」

セシリア「・・・わかりましたわ」

一夏「ごめんな、すぐに答えが出せなくて」

セシリア「いえ、一夏さんは優しい方ですから…」

セシリア「…私、待っていますわ」

一夏「ありがとうな、セシリア」

一夏「それじゃ」ガチャ

セシリア「・・・」

――――
俺、何となく解っていたんだ

セシリアも、俺に思いを伝える為に呼び出した…ってさ

だから敢えて何も言わなかった

セシリアの本当の気持ちを知りたかったから

俺が余計なこと言ったら多分セシリアはまた背伸びしちゃうと思ったんだよ



一夏さんは優しい方ですから…

きっと私たちが傷つかないような断り方を考えていらしたのですね

でも、私はそういう所も一夏さんの素晴らしい所だと思いますわ


―――――
鈴(もう、明日で一夏と一緒にいられるのも最後なのかもしれないのよね…)

鈴(想いを伝えるとは決心したけれど… やっぱりあんな事言っちゃったんじゃ…)

シャル「鳳さん… ちょっといいかな」

鈴「シャルロット… 何?」

シャル「鳳さんと話したい事があってさ」

鈴「・・・」

シャル「ついてきて貰っていいかな?」

鈴「わかったわ…」


シャル「あのね…」

鈴「言わなくてもわかっているわよ あんたの魂胆」

鈴「一夏に告白をするな… でしょ?」

シャル「やっぱわかってたか…」

鈴「で、口出しをしないって筈なのにどうしてそんな事を?」

シャル「実はね、鳳さんが一夏からのデートの誘いを断るところを聞いちゃってさ…」

鈴「っ! そ、それが何か関係あるわけ? 嫉妬しているからそういう事を言うんでしょ」

鈴「これだから嫉妬深い女は嫌なのよ!一夏だってきっと…」

シャル「・・・本気じゃないなら邪魔をしないで」



鈴「・・・」

シャル「淑女協定、確かに無くなったけどさ」

シャル「誰にも譲れない夢をお互いに認め合っていたから、淑女協定はあったんだ」

シャル「鳳さんが素直じゃないって事は知っているよ」

シャル「でもね、一夏は私にこう言ってきたんだ」

シャル「鈴とはうまくやっていけない…ってね」クス

鈴「・・・」



シャル「それだけじゃないよ」

シャル「素直じゃないからって暴力を振ってさ」

鈴「!」

シャル「あれ、下手したら一夏死んじゃうよね?」

シャル「それは考えた事ある?死ななくても体に障害が残ったら?」

シャル「本当に一夏が好きなの?」

鈴「あ、当たり前よ!」



シャル「嘘だ 好きならば一夏の気持ちを考えて動くはずだもん」

シャル「結局、鳳さんは自分が傷つきたくないだけなの」

シャル「一夏に傷つけられるのが怖いだけなんだよ」

鈴「え・・・」

シャル「いつか離れた時に傷つくことを恐れて素直になれないんだよ」

シャル「傷つきたくないのなら、邪魔しないで」

シャル「僕はね、本気なんだから」

シャル「じゃあね」

―――――
あなたの言うとおりだった、私は傷つきたくないだけだった

本当に、心の底から好きな一夏に嫌われたくないだけだったんだ

私は、他の人たちの邪魔をしてはいけない事に気づいたんだった…

僕もね、本気なんだ

あういう事を言うのは本当は辛かったし卑怯だと思う

でもね、本当に素直になれない鳳さんが許せなかったんだ

ごめんね…


卒業式 前夜 弾との電話

一夏「…ってな事があってさ」

弾「くーっ、憎いねこのモテ男!だから俺の言った通りだろ!」

一夏「あぁ、告白されたよ… 鈴とシャル以外から」

弾「え、あの鈴が?」

一夏「あぁ、二人で遊園地でも行こうかと誘った日に喧嘩になっちゃってさ」

弾「・・・」

一夏「やっぱ、俺の態度が気に入らなかったんだと思う…」

弾「そうか・・・」



弾「で、お前は結局誰の告白を受けることにしたんだ?」

一夏「まだ、決めてない」

弾「だろうな」

弾「お前って鈍いし優柔不断なところあるしさ」

弾「でも、最後に決めるのはお前だぜ 悔いのないようにしろよ」…グスッ

弾「じゃ、切るぜ」 …ヒグッ

一夏「え、ちょっ…」ガチャッ

ツーツーツー

弾「蘭の泣いている所なんて、一夏には聞かせられねえよ」

――――――
弾、なんで電話切ったんだよ

確かに最後は自分で決める事だけれど、いきなりあんな切り方しなくてもいいだろ



昔からそうだ

お前は恋愛の事に関しては物凄く鈍い

そりゃちょっとイライラする位鈍いぜ

まだ小学生だった時の鈴がお前を見る目って友達のそれ、超えていたぜ

―――――
卒業式当日


一夏「箒、セシリア、ラウラ」

箒・セシリア・ラウラ「!」

一夏「卒業式が終わったら、アリーナ前まで来てくれないか?」

一夏「俺、決めたんだよ」

シャル「待って、一夏!」

一夏「シャ、シャル?」




シャル「僕ね、一夏の事がいままで好きだったんだ!」

キャーシャルロットサン、ダイタンネー

シャル「本当はね、もっと早く言いたかったんだけどね…」

シャル「なかなか恥ずかしくて… ね?」モジモジ

シャル「一夏がね、僕の事を女だってわかった時さ」

シャル「僕の事、護ってくれるって言ったよね?」

シャル「僕、一夏にずっと護ってもらいたい」



一夏「・・・」

シャル「確かに、他の女の子を出し抜こうとした事もある」

シャル「皆にとってそれはずるい事に見えるかもしれない」

シャル「でも、僕は… 本気なんだ」

シャル「他の人より、いや千冬さんよりも一夏の事を愛しているよ」

一夏「シャル…」

シャル「放課後、僕もアリーナ前に行ってもいいかな?」

一夏「・・・あぁ、待ってるぜ」


―――――
本当はな、お前が声を掛けてこないなんて信じられなかったんだよな

シャルは明らかに俺に幾度かアプローチをかけてきたからさ

流石の俺でもそれには気付いていたぜ

だから、最後の最後で声をかけてくれて安心したってのはある



僕はね、あのタイミングで言おうって決めていたんだ

あの日だって、鳳さんが告白するのを待っていたんだ

でも、告白しなかった

一夏は鳳さんを呼びに行かなかったから

だからとても不思議に思っているんだ

ねぇ、教えてよ


その日、俺は一人だけ選んだんだ。

俺が言葉を紡ぎ終えた後、皆は泣いていた。

選ばれなかったから泣いているんだと思っていた。

きっと、それだけは間違いない 幾ら俺でもその時の気持ちは解る

でも、解らない事があったんだ



シャルだけが笑いながら泣いていた

――――
一夏「俺には解らなかったんだ」
一夏「どうしてシャルが…」

一夏「どうして、笑っているのかが」

シャル「えへへ…」

シャル「それはね、一夏」

シャル「一夏が鳳さんと遊園地に行こうとした時に気付いていたからなんだ」

シャル「一夏が僕たちに遊びのお誘いをする事なんて滅多に無かったのに」

シャル「あの日は一夏から誘っていたよね」

シャル「しかも、『二人で行かないか』って…ね?」

一夏「・・・」

シャル「僕は解ったんだ」

シャル「一夏が鳳さんの事が一番好きだったって事」

シャル「一夏は知らないけれど、鳳さんにはちょっと酷い事も言っちゃった…」

シャル「それは鳳さんが何時までも素直じゃ無かったから」

シャル「だからハッパをかけてみた」

シャル「けどね、とうとう鳳さんは一夏に告白しなかったよね?」

一夏「あぁ…」

シャル「ねぇ、教えてよ」

シャル「どうして鳳さんを選んだの?」

一夏「それはさ、やっぱり幼馴染ってのがあるのかなぁ…」

シャル「でも篠ノ之さんも幼馴染だよね?」

一夏「あぁ、でも箒との仲って剣道で繋がっていたようなもんだからさ」

一夏「女として見れないわけじゃないんだけれど、俺の中では鈴の方が印象強くてさ」

一夏「鈴と俺が初めて会った時な、なんでか知らないけれど俺の顔にパンチしてきたんだぜ」ハハハ

一夏「俺ってさ、仲良くなる人とは全員何らかのいざこざがあるんだろうな セシリアとかラウラの時もそうだったし」

シャル「うん…」

一夏「でもな、やっぱり一番の理由は…」

一夏「約束、かなぁ…」

シャル「約束?」

一夏「シャルは知らなかったっけ?将来、鈴が俺に酢豚を食わせてくれるっていう…」

シャル「あぁ… 懐かしいね」

一夏「あの当時はただ単に美味い飯が食えるんだなーとしか、思って無かったけどさ」

一夏「改めてそれ聞いた時、解ったんだよな 本当の意味が」

一夏「そこから、ちょっとずつ俺の中で鈴の事を思う気持ちが大きくなり始めてさ」

一夏「でも鈴って気難しい所があるだろ?すぐ暴力振るってくるしさ」

シャル「確かにね まぁ照れ隠し何だろうけれど」クスッ

一夏「で、最後の最後でアプローチ掛けたら玉砕したんだよな」

シャル「遊園地だね」

一夏「正直、ショックだったぜ 初めて勇気を出して誘ったらこれだ」

シャル「それは、一夏が今までやってきた事が跳ね返ってきたんだよ」ニコッ

一夏「うぅ… もうその話は勘弁してくれよ…」

シャル「でも、一夏がどうして鳳さんが好きなのかって解った気がするよ」

シャル「一夏… 僕の事を護ってくれるって約束は覚えてるかな」

一夏「勿論、覚えているさ」

シャル「それって今でも有効かな…?」

一夏「・・・」

少年?「もう着替えたから大丈夫(ニッコリ」

一夏「着衣じゃなくて裸を見せろ!花火中止ィ~!宴会中止ィ~!(両手を振りながら)」

一夏「何で見てな、うまそうじゃないデスかぁコレェ…あスイマセンちんこコレ?ちんこ?」(ちんこ?をパクーする)

少年?「(片手を差し出し)お金」

一夏「お金ぇ?お金じゃない、それよりも尻を掘れって言ってんだよ!何で掘れないんだよアヌスぇ?」

少年?「いいじゃん、たくさん女いてる女いてる」

一夏「男いなくてもいいじゃん♪ って、ふざけるなぁ~!」

一夏「裸の付き合いの時間だああああああああwwwwww」

(ここで例の音楽スタート一夏、性別間違える)

シャル「・・・」

シャル「駄目だよ、一夏 自分で決めたんだから断らなきゃ」

一夏「あ… なんだよ、からかうなよぉ…」

シャル「優しい所は一夏の良い所だけど、悪い所でもあるね」

一夏「…肝に銘じておくよ」

シャル「それでよし!じゃあ僕は戻るね!」

一夏「おう、ありがとうな!」
ガチャ

シャル「…一夏のバカ」ボソッ

コンコン
一夏「どうぞー」

一夏「千冬姉…」

千冬「ふん、なかなか様になっているではないか」

一夏「ありがとうな」

千冬「今思えば、あの小娘共とお前がギャーギャー騒いでいたのは10年前になるんだな」

一夏「あぁ、早いもんだぜ」

千冬「お前は本当に鈍い奴だったからな、私でさえイライラする位にな」

一夏「千冬姉、いつもイライラしていただろ?」

千冬「ほう、そう見えていたのか」ゴゴゴゴゴ

一夏「嘘嘘、嘘だって」

千冬「・・・」

千冬「私の家族はお前だけだった」

一夏「・・・解ってるって」

千冬「お前には色々迷惑をかけたと思う」

千冬「一番遊びたいであろう中学生の頃、家の事を任せてしまって悪かった」

一夏「気にするなって」

一夏「俺の家族は千冬姉だけだったからな」

千冬「・・・」

千冬「・・・そろそろ戻るな」

一夏「おう… ってあれ?千冬姉… 目が…」

千冬「…ふん、お前が余りにも情けなかった事を思い出して涙が出ただけだ」

千冬「また、後でな」ガチャ

一夏「千冬姉…」

千冬(お前の家族は私だけだと思ってたがな…)

千冬(どうやら私も一夏に振り回されていたようだ)

千冬「あの小娘たちのようにな」


ソロソロジュンビシテクダサイネー

鈴「あ、はーい」
ガチャ
一夏「鈴… おぉ、可愛いな…」

鈴「なっ…!何言ってんのよ!」カァーッ

一夏「何って… ドレス似合ってるぜ、鈴」

鈴「~っ!!!!!!」

一夏「ははは、いつも通りだな」ナデナデ

鈴「…馬鹿」ギュ

一夏「お前、いつもそれ言うよな」ギュ

鈴「それは一夏が大バカだからよ…」ギュ

ア、アノー…

一夏「あ、あぁ…」

鈴「ご、ごめんなさい////」

イエイエ、ソレデハコチラニキテクダサイ

ソレデハ、シンロウシンプノ ニュウジョウデス!

鈴「一夏のお嫁さん、かぁ・・・」

一夏「なんだー、鈴 今さらやめるとか言うなよ?」

鈴「・・・」

一夏「お、おい…」

鈴「・・・・ね」ボソボソ

一夏「?」

鈴「これからもよろしくねって言ったのよ!!バカ一夏!!!!」


END

アツクナラナイデマケルワ

-弾と一夏の雑談-

弾「お前さ、何時鈴に告ったわけ?」

一夏「箒、セシリア、ラウラ、シャルに鈴が好きだって言った後に」

弾「かー、お前も中々エグイなぁ」

弾「女の子の泣き顔見た後にお前は好きな女の所に行ったのか」

一夏「おいおい、そんな悪者見たいに言うなよ」

弾「でも、あの鈴がどうして今ではデレデレなんだよ?」

一夏「そりゃ苦労はしたぜ…」

弾「だろうなぁ」

――――――
アリーナ前
一夏「そういう事なんだ」

箒「・・・」ポロポロ

セシリア「・・・ひぐ…」

ラウラ「・・・」ツー

シャル「・・・」ポロポロ

一夏「お前らの事は友人として、今後も仲良くして貰いたい」

一夏「決して嫌いだってわけじゃないからさ」

一夏「俺、鈴に伝えてくるな」

シャル「…頑張ってね、一夏」ボソッ

鈴(結局、一夏に言えなかったなぁ…)

鈴(一夏、今頃どうしているんだろう…)

鈴(一夏…)
ガチャ
一夏「鈴、入るぜ」

鈴「い、一夏…」

一夏「どうした、浮かない顔して お前らしくないぜ?」

鈴「う、うん…」

鈴「ね、ねぇ!」

一夏「んー?」

鈴「だ、誰と付き合う事にしたの…?」

一夏「・・・」

鈴「・・・」

一夏「・・・」

鈴「ね、ねぇったら!答えなさいよ!」



一夏「・・・お前と」

鈴「へ…?」

一夏「お前と付き合う事にしたよ、鈴」

鈴「ななな、何言ってんの!?」

鈴「べべべ、別にアンタに告白してないし!」

一夏「知ってるよ」

鈴「じゃ、じゃあなんで…」

一夏「それはさ、鈴が好きだからって事以外に何か理由はいるか?」

鈴「べ、別に… いるわけじゃないけど…」

一夏「じゃあ、それでいいじゃん」

鈴「で、でも私いつも一夏に暴力振るうし、他の子みたいに可愛くないし、クラスだって違うsふぇ?」

一夏「鈴、もういいんだ」ギュ

鈴「・・・」

一夏「ここには俺しかいないんだ 誰もいない」

一夏「恥ずかしがらないで甘えろって」ニカッ

鈴「…うん」ギュ

一夏「素直じゃない鈴も可愛いけど、俺はこっちの鈴の方が好きだぜ」ナデナデ

鈴「…バカ一夏」ギュ

―――――
一夏「てなわけだ」

弾「くーっ、憎い!憎いねぇ!お前がそんな臭い事言うとは思わなかったぜ!」

一夏「お前、酔ってるんじゃないか?」

弾「いやいやいや、あの唐変木の一夏がそんな臭い事言うなんてテンションあがらずにいられっか!」

一夏(思いっきり酔ってるじゃねーか…)

弾「でさ、なんで結婚するまでこんな時間かかったわけ?」

一夏「それも、ちょっとあってさ…」

―――――
織斑宅

一夏「・・・・・」

鈴「・・・・・」

千冬「・・・・・で、話と言うのは何だ?」

一夏「あ、あのさ千冬姉…」

千冬「お前は黙っていろ」

一夏「は、はいっ!」

千冬「鳳、言ってみろ」

鈴「…あのですね、今一夏さんとお付き合いさせていただいています…」

千冬「・・・で?」

鈴「・・・はい?」

千冬「それでどうしたのだ?」

鈴「えっと… それだけです…」

千冬「そうか…」

鈴「・・・・・」

千冬「・・・・・」ズズズズズ

千冬「茶が美味いな」

一夏「あ、あの」

千冬「黙っていろ」

一夏「はいっ!」

鈴(やっぱり千冬さんは苦手だなぁ…)

千冬「・・・・一夏がねぇ…」

千冬「まぁ、鳳を含めあの小娘5人組は随分と一夏に熱があったそうだが」

鈴「こいつのどこが良いのだ?」

ミス
鈴「こいつのどこが良いのだ?」

千冬「こいつのどこが良いのだ?」

鈴「そ、それは…」

千冬「特に理由もなく、男のいない環境でこいつがいたからってだけか?」

鈴「いや、そういう事では…」

千冬「だったらはっきり言え」

鈴「優しい所… です…」

千冬「・・・ふっ」

千冬「お前、苦労するぞ?この唐変木は女の気持ちに気付けない」

千冬「例えば…そうだな デュノア辺りが言い寄ってきた時に一夏を信用できるのか?」

一夏「お、おい… 千冬ね…」

千冬「・・・・・」ギロリ

一夏「・・・・」


鈴「はい、信用できます」

一夏「・・・・・鈴」

鈴「一夏は私を選んでくれたんです」

鈴「他の人達はそれぞれの想いを一夏に伝えていました」

鈴「だけれど、私は伝えられませんでした 恥ずかしくて…」

鈴「それでも一夏は私を選んでくれたんです」

鈴「私は一夏を信用しています」

千冬「・・・ふむ」ズズズズ

千冬「宜しい、一夏との交際を認めよう」

鈴「ほ、本当ですか!」

千冬「だが、勘違いするな まだ家族では無い」

千冬「家族と呼ぶのは、この愚弟が鳳を養えるようになってからだな」

鈴「そ、それって…////」

千冬「だがな、鳳」

千冬「一夏を裏切るような事をしたらそこで終わりだ 織斑家の敷居は二度と跨ぐな」

鈴「大丈夫です」

千冬「宜しい」

一夏「・・・・・」

――――――
一夏「そんなこんだで職の安定と貯蓄その他うんぬんで10年」

弾「うわー、千冬さんも意外と厳しいんだなぁ…」

一夏「でも、俺は感謝してるぜ」

弾「ん?」

一夏「ほら、今の仕事も千冬姉がいるからやってるみたいなもんだし」

弾「あ、IS学園で教員やってるんだって?」

一夏「まぁな、男でIS動かせるのって俺だけだしまだまだデータがいるんだってよ」

一夏「その一環さ」

弾「つまり、お前は今もハーレム街道まっしぐらってことかよ!」

一夏「ま、一生鈴一筋だって」

弾「その言葉が、聞きたかった」ニヤリ

弾「ほら、飲めよ」

一夏「そろそろやめとけって…」


-弾と一夏の雑談- 終

-鈴と一夏の休日-
鈴「さ、ご飯にしましょうか」

一夏「うーん…」

鈴「どうしたの 一夏?」

一夏「いや、さ」

一夏「酢豚の事なんだけれど」

鈴「何よ」

鈴「もしかしてもう飽きたって言うの?」

一夏「いやいや、そういう事じゃないんだけどさ…」

一夏「パイナップル、入れるのやめてくれないか?」

鈴「・・・はぁ?」

一夏「パイナップルだよ、パイナップル」

鈴「アンタ、何もわかって無いわね…」

一夏「・・・・・」

鈴「酢豚にはね、肉を軟らかくする効果があるのよ!」ドヤァ

一夏「それは知ってるんだけど、どうも俺は苦手なんだ」

鈴「何よ… 私の料理が食べられないって言うの!」

一夏「いや、そうじゃなくてパイナップルだけを…」

鈴「駄目、食べなさい!」

一夏「・・・いただきます」

鈴「はい、どうぞ」ニコッ

一夏(くっそ… どうすれば…)

一夏(! 閃いたぞ!)

一夏「ほれ、鈴 あーん」

鈴「!!!!!!!!」

一夏「そういや、結婚する前は千冬姉がいて、こういう事やって無かったな」

一夏「あーん」

鈴「あ、あーん…/////」パクッ

一夏「どうだー 美味いかー?」

鈴「あ、当り前よ!私が作ったんだからね!」

一夏「まぁ、それもそうだな」

一夏(このままパイナップルだけ食わせ続ければ…)

鈴「一夏がパイナップルくれたから私もあげるね!あーん」

一夏「」

-鈴と一夏の休日- 終

-鈴と一夏の甘~い日常-

一夏「行ってくるなー」

鈴「あ!ちょっと待って!」

一夏「ん?どうした鈴」

鈴「わ、忘れ物あるでしょ!」

一夏「忘れ物? あ、今日会議じゃん!資料持っていくの忘れてたわ!」

鈴「」

鈴「って、ちがーう!」

一夏「な、なんだよ…」

鈴「そ、その…」

一夏「…?」

鈴「い、行ってきますのちゅー…」

一夏「・・・・」

一夏(可愛いな)

鈴「ほ、ほら!早くしないと遅れちゃうでしょ!」

一夏(ちょっといじめてやるか)

一夏「んー?鈴はそんなにちゅーして貰いたいのかなー?」ニヤニヤ

鈴「ば、バカ!そんなんじゃないんだから!」

一夏「ん?良いのか、行ってきますのちゅーは?」

鈴「そ、それは…」

一夏「朝からちゅーしたいなんて鈴はエッチなんだなー」ニヤニヤ

鈴「!!!!!!」

鈴「ば、バカバカバカ!バカ一夏!」ポカポカ

一夏「なんてな」チュ

鈴「え…?」ポッ

一夏「じゃ、行ってくるな!」

鈴「…うん」

-夜

一夏「ただいまー」ガチャ

鈴「あ、一夏!お帰りなさい!」

一夏「結局遅刻して千冬姉に滅茶苦茶怒られたよ」ヌギヌギ

鈴「あ、アンタが勿体ぶるからでしょ!」

一夏「だって、鈴が可愛かったからさー」

鈴「//////」

一夏「あーつかれたっ!」

鈴「あ、あのね一夏?」

一夏「ん?」

鈴「お風呂にする?ご飯にする?」

一夏「勿論、お前だ」

鈴「え、えええ!!!」

一夏「なんてな、風呂からだ」

鈴「・・・バカ一夏」

-寝室

鈴「ね、ねぇ一夏…」

一夏「・・・・・」

鈴「寝ちゃった…?」

一夏「・・・・」

鈴「・・・・・」モンモン

鈴(その…)

鈴(前、一夏が一人でやってるの見ちゃったんだよね…)

――――
鈴「ただいまー」

鈴「一夏、いないの?」チラッ


一夏「・・・・くっ」シコシコ

鈴「きゃ!」

一夏「!?」バッ

鈴「・・・・」

一夏「よ、よぉ鈴」

鈴「ただいま…」

一夏「お、おかえり」ニッコリ

―――
鈴「こ、こういうのも妻の務めよね…?」

一夏「・・・んー鈴ー」ダキッ

鈴「ちょ、ちょっと一夏!」

一夏(寝たフリ寝たフリ)

一夏「りんー…」

鈴「一夏…」

鈴「寝てる…よね?」

鈴「・・・・・」ジー

チュ

一夏「鈴、何してるんだ?」

鈴「!!!!!!!!」

一夏「ははーん、毎日俺が寝た後鈴はこういう事をしてるんだなー」ニヤニヤ

鈴「ち、ちがっ」

一夏「でも、今したよね?」

鈴「で、でも…」

一夏「したよな?」

鈴「う、うん…」

一夏「するか…?」

鈴「な、何を…」

一夏「何って… エッチ…」ボソッ

鈴「っ//////」ボンッ

一夏「ははは、照れるなよ鈴」

鈴「」プシュー

一夏「だめだこりゃ」

・・・ん

り・・・ん・・・

鈴「ん・・・」

一夏「鈴、大丈夫か?」

鈴「あ・・・ うん・・・」

一夏「悪かったな、からかって…」

鈴「や、やめてよね…///」

一夏「じゃ、真剣になるよ」チュウ

鈴「んむっ…!」

一夏「ちゅ・・・んちゅ・・・」

鈴「ん… んはぁ…////」ハァハァ

一夏「可愛いよ、鈴」ナデナデ

鈴「いちかぁ…///」

一夏「鈴… いいよな?」

鈴「一夏のここ、こんなになっちゃってる…」サワサワ

一夏「ちょっ… くすぐったいって…」

鈴「へぇ、くすぐったいんだ」ニギニギ

鈴「して、貰いたいんでしょ?」

一夏(これが甘攻めか…)

一夏「あ、あぁ… 頼む…」

鈴「お願いします、でしょ?」ニギッ

一夏「くっ、いきなりパンツの中に手入れないでくれよ…」

鈴「でも、気持ち良いよ?して欲しいでしょ?」

一夏「…お願いします」

鈴「よろしい」

鈴「特別に脇でしてあげるね」

一夏(わ、脇ですとぉ!)

鈴「どう一夏?あったかいでしょ?」ヌコヌコ

一夏「あぁ… 鈴の脇やわらかくて良いよ…」

鈴「ふふーん やっぱり良いんだ」ヌコヌコ

一夏「あぁ、鈴… いいよ鈴…」

鈴「えへへ 早くイっちゃえ!」

一夏「くぅっ!」ビュル

鈴「ひゃん/////」

一夏「はぁはぁ…」

鈴「一夏… こんなに出しちゃって…」

一夏「さ、最後まで良いか?」

鈴「い、いいよ…?」

こうして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ

終わり

眠いんや

ガチャリ
一夏「ただいまー」

鈴「あっ、おかえり!」

一夏「……ん、今日は何だ?」

鈴「へへ、今日は麻婆豆腐よ!自信作っ!」

一夏「おっ、そいつは楽しみだな! ……っと、ごめん」ピリリリリリ

ピッ
一夏「はい…… ……!え、そ、そうか……」チラリ

鈴「?」

一夏(すまん鈴、ちょっと待っててな)

鈴「え、うん……」

バタン
鈴「……?」

一夏「おい、あまり掛けてくると困るって言っただろ?」ボソボソ

シャル『えへへ、ゴメンね一夏?でもどうしても声が聞きたくなっちゃって……』



ま、一夏は不倫なんかしないわな

明日またスレ立てるので落として大丈夫です
保守ありがとうございました


―三ヶ月前 織斑一夏宅寝室にて


鈴「……一夏」ギュッ

一夏「ん?どうした鈴?」

鈴「あ、いや……何でも、ない」

一夏「はは、変なヤツ」

鈴「むっ……。……ねぇ一夏、二人で住み始めてからどれくらい経つ?」

一夏「ん。二年……は経ってないか?結構長いような気もするけど……」

鈴「もうそんなにかぁ……。ふふ」ギュゥ

一夏「そうだな……早かった、かな……」

鈴「うん……」

一夏「……」


一夏「……な、なぁ鈴」

鈴「ん?」

少し書くけど時期設定は結婚前ということでよろしく


一夏「えと……俺達結構長いって事も分かったし、そろそろ……」スッ

鈴「あ……いや……え、と……」ササッ


一夏「……スマン、鈴。無理になんて言うつもりは無かったんだ。ごめん」

鈴「あ……。私こそ、ゴメン……」

一夏「いいって。時間はいくらでもあるから。ゆっくり俺達のテンポで行こう」ギュッ

鈴「う……うん、ありがとう……一夏!」


―数日後 織斑一夏の勤務先(IS学園)にて

「よう、おはよう」スタスタ

一夏「ああ、おはよう」

「最近調子はどうよ?大将」

一夏「んー、良くも無く悪くも無く……かなぁ」

「おいおい嘘はよくないぞ?生徒にも同僚の先生にも大人気って話じゃないか。さすがだねぇ」

一夏「周りがいい人ばっかりだからさ」

「羨ましいですなぁ。何でも結婚も決まったとかいうじゃないか?んん?」

一夏「なっ、どこで聞いたんだ!?」

「風の噂でだよ。なんでも近々結婚だそうじゃないか、しかも料理上手でかわいい奥さんだとか。できる男は違うねぇ」

一夏「う……」

「まぁ何にせよおめでとう。あ、でもお前近々研修赴任決まったらしいぜ。これも噂だけど」


一夏「え、出向?」

「そんな感じだな。有力な協力企業なんだが、何でも向こうがお前を強く希望してるんだとか。詳しくは知らないけど」


「まぁ準備しといたほうがいいぞ?何せ相手はあのデュノア社だからな」


一夏「え?」

「何だ、お前知らないわけじゃないだろう?フランスのデュノア社。お前はその日本支社に行くらしいぞ」

一夏「そう、か…… デュノア、か……」

「……? まぁ、頑張れよ。じゃ」スタスタ



一夏「……懐かしいな……。    ……シャル……」


―二週間後 「デュノア・ジャパン」ビル内にて

一夏「本日よりお世話になります、織斑一夏です。よろしくお願いします」

「こちらこそ。世界唯一の存在であるあなたにご挨拶できて光栄です」

一夏「いえ、そんな……」

「協力先からの研修ということで、今回部長があなたを強く希望されまして。突然の話でご迷惑をおかけしました」

一夏「そんなことはありませんよ。でも今回……

ピーッ
「おっと失礼。 ……はい。え、部長が?はい、はい……分かりました」ピッ

「織斑さん、部長が来られているそうです。ご挨拶いただいてよろしいでしょうか」

一夏「は、はい」

ガチャッ

一夏「はじめまして、今回からお世話になりますIS学園教諭の織斑一夏と……



「はじめまして、じゃないよね?」

支援


一夏「……え、あ……!?」

シャル「久しぶりだね、一夏?」


一夏「あ、シャ……!! ……いえ、デュノアさん。お久しぶりです」




シャル「あ……。うん。久しぶり、ですね。織斑、一夏さん……」

―――
――


「それでは、今日はこの辺で……。明日以降、よろしくお願いします」


一夏「こちらこそ。ありがとうございました」

シャル「えっと……私は少し話があるから、先に戻ってもらっていいかな?」


「わかりました。それでは失礼します」パタン…



一夏「? えっと、話って……」

シャル「一夏……久しぶり、だね……」スッ

一夏「え、ちょ、シャル!?」ガタッ

シャル「えへ、やっとシャル……って呼んでくれた。もう、さっきはどうしたのかと思って……」ススッ

一夏「さすがに会社の人がいる所で名前呼び棄てはまずいだろ。ってか、近い近い!」


シャル「えへへ、久しぶりの本物の一夏……」ギュッ


一夏「!!?」

シャル「ふわぁぁ……一夏、前よりもっとかっこよくな ……  ガタンッ!!



一夏「シャル、えと、久々に会えて俺も嬉しいけど……。いきなりこういうのは、その……」

シャル「あっ、え、えへへ……ゴメンね、つい嬉しくて……」パッ

シャル「そうそう、一夏これから暇なら食事でもどうかな?色々話したいこともあるし……」

一夏「あ、ああ。まぁ積もる話もあるからな……。行こうか」

シャル「決まりだね!すぐ近くに美味しいお店があるから!行こっ!」グイグイ


一夏「お、おい!?」

―――
――





―二十分後 高級レストラン個室内にて

一夏(な、何だここ……こんなとこ入ったこと無い……)

シャル「いつものをお願い。二人でね。それからワインも」


「かしこまりました」


一夏「」ソワソワ

シャル「……? ふふ、リラックスしていいよ一夏。ここは私がいつも来てるところだから」

一夏「そ、そうか。シャルはいつもこんなところに来てるんだな……」

シャル「って言っても会社の人ととかだけどね。あ、一夏もワインどう?」

一夏「う、お酒か……」

シャル「? 美味しいよ?」


一夏「それじゃ、少し……」コポポ…


シャル「あんまり一夏はこういうところ来ないのかな?」

一夏「そう、だな……。鈴と一緒になってから外食はあんまり……」

シャル「……え?」

一夏「それにこんな高そうなところなんて……ワインなんてのも滅多に……」

シャル「ちょっ、ちょっと一夏?もう一回言って?」

一夏「こんな高そうなレストランなんて来たこと……」

シャル「その前!」

一夏「え、鈴と一緒になってから外食はあんまり行ってない……」


シャル「……凰さんと、一緒に……?」


一夏「そういや言ってなかったっけか。俺と鈴、覚えてるだろ?二人で少し前から住んでるんだ」

シャル「……へ、へぇー……。結局、一緒に住むことになったんだ……」


一夏「近いうちに……結婚もしようと思ってる。あはは、何か改まって言うと恥ずかしいな」

シャル「!!?  ……けっ、こん……?」

一夏「ああ……。……? どうしたんだ、シャル?」



シャル「…………ううん。何でも、ない……」




一夏「そうか?ならいいんだけど……。おっ、料理が来たぞ!」

シャル「……一夏、ゴメンね、ちょっと先に食べてて? 私、電話してこなきゃ……」ガタッ

一夏「いいのか?いやー実は腹へって死にそうだったんだよ!ありがとな!うわぁ美味そう!」



シャル「ううん……。気にしないで……」フラフラ

最初から読み返したら色々矛盾してるな
鈴ちゃんの態度とか

ごめん

好きに書けばいいよ


パタン
シャル「……どうして? 一夏……?」



シャル(あの後……実家に帰ることは無かったけど、デュノアの端くれとして日本支社に勤めることになった)

シャル(何も無くした私……。そんな私にとって、あの学園の日々はとっても輝かしい時間だった……)

シャル(特に、一夏……。私の大切な人……)

シャル(一夏と離れ離れになってからはほとんど毎晩泣いてた……。寂しくて、悲しくて……)

シャル(あの時、諦めたつもりだったけど、本当は後悔ばっかりしてた……)

シャル(……でもあの時、書類にたまたま一夏の名前があって……)

シャル(会社の人、びっくりしてたなぁ……私があんなに必死に頼んだの、初めてだったもんね……)

シャル(それからは逆に、嬉しくて嬉しくて眠れなかった……また一夏に逢えるって)

シャル(本当は今日逢ったときも、抱きつきたいくらい、泣きそうなくらい、嬉しかった……)



シャル(なのに……)


―そういや言ってなかったっけか。俺と鈴、覚えてるだろ?二人で少し前から住んでるんだ

シャル(なのに……)

―近いうちに……結婚もしようと思ってる。あはは、何か改まって言うと恥ずかしいな

シャル(なのに、どうして?)


シャル(一夏が凰さんと結婚するって聞いて、言葉にできないぐらい悲しい、けど)

シャル(一夏と鈴が幸せなら、それなら私は祝福してあげるべきなんじゃないのかな?)

シャル(それなのに全然そんな気持ちにならない。泣きそう。吐きそう)

シャル(やっぱり……)


シャル「やっぱり私、一夏が好きなんだ……。一夏が欲しい、一夏が他の誰かのものになるなんて絶対嫌だ……!」ギリッ


シャル(……!? わ、私何言って……?)




シャル(……私…………)


一夏「おうシャル。ずいぶんかかったんじゃないか?大事な用事なら……」

シャル「ううん、大丈夫。うわぁ、お料理来てるね!食べよっ食べよっ!」

一夏「これなんか美味いぞ!なんか上手く言えないけどとにかく美味い!」


シャル「え~、どれどれ? ……ん!おいしい!」

一夏「だろ?それにこっちも……」




シャル(ねぇ一夏、私決めたんだ。私やっぱりどうしても一夏が欲しい。一夏がそばにいるなら他に何もいらない。一夏にまた逢えて、また離れるのはもう絶対に嫌だ。だから)

シャル(これから一夏を、奪っちゃうね?)

hosyu


―数時間後 織斑一夏宅にて

ガチャ
一夏「ただいま~……」

鈴「一夏、おかえり。遅かったじゃん」

一夏「あぁごめん……ちょっと会社の用事が長引いて……」

鈴「そっか、遅くまでお疲れ様。夕飯作っておいたけど、どう?」

一夏「ごめん、食べてきたんだ。風呂、貰うよ」

鈴「うん。沸いてるからゆっくりしてね」

一夏「ありがとう鈴……」


鈴「気にしないで。 ……ん?」




鈴「一夏、どうしたのコレ?」


一夏「え?」

鈴「この首筋の辺り……赤くなってる。どこかにぶつけたの? あれ?こっちも」

一夏「あれ、本当か?覚えは無いんだけど……」

鈴「そう。痛くない?」ソッ

一夏「あぁ、痛くない」


鈴「ん。少しでも変だったら言って?」サスサス

一夏「分かったよ。ありがとう鈴」グイッ

チュッ

鈴「ん、む……っ。  もう、ほらさっさとお風呂に入って来て」ポンポン



鈴「……ふふ、一夏ってば……」


―約二時間前 ホテルの一室にて

シャル「んしょ、んしょ……っと。ふぅ」ドサッ

一夏「……zzz」

シャル「ふふ。一夏ってば……。お酒弱いならそう言ってくれればいいのに」

一夏「……むにゃ」

シャル「……。一夏?」


一夏「……ぐぅ」

シャル「一夏、起きなよ。ほら、起きないと……」ユサユサ

一夏「……すぴー」

シャル「……キス。しちゃうよ?」

一夏「……ぐー……」



シャル「……起きない一夏が、悪いんだよ?  ……ん、ッ……」

チュ…ッ


シャル「……っ、はぁ。一夏にキス、しちゃった……」


一夏「……ん、むにゃ……」


シャル「も、もう一回……」チュッ


シャル「……ん、もっと、いいよね……」チュッ


シャル「これで、これで最後…… んっ」チュッ

シャル「……はぁ。一夏の唇、おいしい……」


シャル「……一夏の、カラダ……」



ポフッ

シャル「すごい、一夏の胸の中……。広くて暖かくて、逞しい……」


シャル「……んっ……」チュッ

シャル「えへへ、こんなところにもキスしちゃった……」



シャル「……もっと、いいよね……」

ピチャ…チュッ…

シャル「ん、あ……ごめん一夏ぁ……。痕、付いちゃった……」トロッ…




シャル「でもこれで、少し私のモノになったかなぁ……」

シャル「……よし。もっと頑張ろう……。ん、む……っ」

―――
――


一夏「……ん?あ、やばい俺寝てたのか……?」ムクリ


シャル「ふふ。おはよう一夏」

一夏「シャル……。俺、どれくらい寝てた?」

シャル「んー、一時間くらいかな?」

一夏「そうか……。ごめんな、実は俺お酒弱くて……」

シャル「大丈夫だよ。一夏の寝顔、可愛かったし♪」

一夏「う……。恥ずかしいから忘れてくれ……」

シャル「やーだね♪ あははっ」


一夏「ぐっ……。 ……あ、やべっもうこんな時間か!帰らなきゃ……!」

シャル「……そっか。鈴も待ってるんだもんね?」


一夏「ああ。あ、今日シャルに逢えたこと鈴にも教えて……」

シャル「あー……。えーと、鈴には秘密にしておいて欲しいかなぁ」

一夏「? どうしてだ?」

シャル「今度僕が直接行って、びっくりさせたいからさ。お願い!」

一夏「そうか。そうだな、シャルと鈴も直接会っていろいろ話したいだろうし。今度鈴には秘密で招待するよ」

シャル「うん。よろしくね?」

一夏「ああ。じゃあ帰るよ。えっと、明日からは……」

シャル「ウチの会社に来てくれればいいよ。受付に言ってくれれば案内するように伝えておくから」

一夏「そうか。よろしくな」

シャル「こちらこそ。じゃあね、一夏」


パタン……


シャル「鈴……。ごめんね?」



シャル「でも、久しぶりの一夏……すっごくおいしかったよ」



シャル「やっぱり、独り占めは良くないよね。鈴……?」ペロッ








第一部 完

        . -―――-  .
      ≠    _      、
     /    く <⌒      . \
    /  /    \\      ヽ. ヽ
.    '   ′   、  \\.  ヽ  ヘ '
   |   |     |ゝ   \\  V } |
   |   |.  T寸ー\ \ー< |  |
   |   |  |丐弌ミ.\ヽ\\|  |
   /   ハ.   |弋zリ    {ゝ__ノノ }.|
.  /.イ   (ヘ   、''      ー―イ  /リ
 〃|    ヽ ミ.__∩_ . ィ ./ |  
 {{ .|     .>、斤{ヽ>rイ>. /// |

. 、 ハ   .// , ィ Ζ≧Xス.ヽ   ハ

.  V      \>\}  }:  :}}.ヘ.   |
  |     .l  ヽ彳.)==i==rュ=i彡  l |
  | l  .|   /^ヽ  ノ  リ ヘリ  | |
  | |  」 -〈ミ> ノ :  Y  .:Y. 」乂
  乂Y ´     \ヽ>、__人_ノ
           T. T  T. T
              L 」   L 」

セリフ忘れてたorz

        . -―――-  .
      ≠    _      、
     /    く <⌒      . \
    /  /    \\      ヽ. ヽ
.    '   ′   、  \\.  ヽ  ヘ '
   |   |     |ゝ   \\  V } |
   |   |.  T寸ー\ \ー< |  |
   |   |  |丐弌ミ.\ヽ\\|  |
   /   ハ.   |弋zリ    {ゝ__ノノ }.|
.  /.イ   (ヘ   、''      ー―イ  /リ とりあえずこのSSのヒロインは私らしいぞ
 〃|    ヽ ミ.__∩_ . ィ ./ |  
 {{ .|     .>、斤{ヽ>rイ>. /// |

. 、 ハ   .// , ィ Ζ≧Xス.ヽ   ハ

.  V      \>\}  }:  :}}.ヘ.   |
  |     .l  ヽ彳.)==i==rュ=i彡  l |
  | l  .|   /^ヽ  ノ  リ ヘリ  | |
  | |  」 -〈ミ> ノ :  Y  .:Y. 」乂
  乂Y ´     \ヽ>、__人_ノ
           T. T  T. T
              L 」   L 」

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