響「さて、今日も張り切って行きますか」 (125)

響「おはよう、電。」の人です、まーた性懲りもなく書こうと思います
今回は書き留めじゃないんで、書くのに時間かかると思います、お許しください!
世界観も少し壊れている所があるかもしれません、ご了承を。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382517015

前回までのあらすじ
第六駆逐隊は自分たちで作ったご飯を食べ、英気を養い。
これから遠征へ行く事となった。

響「さて、今日も張り切って行きますか」

駆逐艦s「おー」

響「司令官、私たちはどうすれば良いんだい?」

提督「お前達には今日も遠征に行ってもらう」

雷「また遠征?私もそろそろ前線に出たい!」

提督「そう言いたいだろうけど、お前達に轟沈されちゃ困るんだよ」

電「戦力が減るから、ですか?」

提督「いや、それ抜きで俺が悲しくなる」

響「だから遠征なんだね?」

提督「ああ、資源も手に入るし、お前達は轟沈しない。正に一石二鳥だY!」

暁「いやでも、襲われる可能性がないとも言えないでしょ?」

提督「まあな、しかしさほど問題はないだろう」

響「無責任すぎる…」


響「それで、どこに行けば?」

提督「今回は、ボーキサイト輸送任務に付いてもらう」

響「輸送任務か……敵に襲われるかが心配だね」

提督「まあ天龍と龍田が居るから大丈夫だろう」

電「私達自身もなんとか戦えますし」

暁「むー…結局其の時は其の時ってことね」

提督「そうだ、気にする事はない」

響「じゃあ、行ってくるよ」

提督「宜しく頼むぞー」


ーー資源集積地


響「司令官が言うには、ここからボーキサイトを採掘するらしい」

雷「…結構キツそうね…」

暁「なんの!一人前のれでぃーとしてがんばるのよ!」

電「皆、ピッケルは持った?」

響「ここに」

雷「もってきてるわ!」

暁「あ、忘れちゃった」

電「よーし!採掘開始なのです!」

駆逐艦s「おー!」







電「……って、え?」

電「忘れちゃったの…?」

暁「……うん」

天龍「じゃあ、そこで待ってろよ…ったく…」

暁「ごめんなさい……」

電「気にしなくて良いよ、暁ちゃんがそう言う所で鈍いの昔からだもんね、分かってるよ」

暁「うっ」グサッ

電「ごめんね?行ってくるから…」

暁「気をつけるのよ…?」


響「電、姉さんは?」

電「うん…ピッケル忘れて来ちゃったんだって…」

響「…!背負ってる碇で採掘すれば良いんじゃないかな?」

電「そうだ!それだよ!ちょっと行ってくる!」


暁「その手があったわね!!」

電「その分傷付けないようにしないと…」

暁「大丈夫よ!碇の扱いには慣れてるもの!」タタター

電「あ、待ってよー!」


???「…」


ーーー

響「だいぶ採れたね」

天龍「もうそろそろ良いんじゃないか?」

龍田「天龍ちゃんもこう言ってる事だし~」

響「それじゃあ、帰投しますか」

???「…!」バッ

>>5
何が出てきた?


ミス、安価は直下にします。

天龍「なんだぁ?コイツは…」

ピカチュウ「ピカ?」

暁「か、かわ…」

響(なんだ!?もの凄く可愛い!!」ワタワタ

龍田「あら~響ちゃん半分声に出てるわ~?」

響「ちょっと姉さん、それを触らせてくれないかい?」ソワソワ

暁「いいわよ?はい!」

響「こ、これは……!」

響(落ち着け響、落ち着くんだ。素数を数えて落ち着くんだ…)

電「可愛いのです!(響ちゃんが)」

ピカチュウ「ピーカチュウ!」

響「!!!」

天龍「……なんだこいつ?無茶苦茶可愛いじゃねえかよ!」

響「決めた、この子持ち帰る」

暁「えぇ!?でもこの子野生のじゃ…」

ピカチュウ「ピカ?」チョコン

響「ほら、この子だってこう言ってるじゃないか」

電(頭の上に乗ってる…)



天龍「ん?コイツ何か持ってるぞ?」

龍田「ちょっと出してくれるかな~?」

ピカチュウ「ピカ?」つ古びたお守り

響「ん?なんだいそれは?」

雷「何かのお守りのようだけど…」

ピカチュウ「ピカ、ピカピカ!」アッチ

暁「あそこから出てきたの?」

ピカチュウ「ピカ!」

響「…あそこも採掘してみようか?」

電「ええ!?でもボーキサイトは十分採れた筈だけど…」

響「お土産だ、少しぐらい持ってっても怒られはしないだろう」

電「大丈夫かなぁ…」

天龍「…お?」ガキン!

>古びたお守りを入手しました

天龍「おい!その黄色いのが持ってたのと同じだぞ!」

響「こっちも出たよ」

暁「私もよ!」

雷「これはどうかな?」

>歪んだお守り

響「な、なんだい?その歪んだお守りは…」

雷「採掘したら出てきたの!」

響「いや、それは知ってるけど…」

電「はぁ…はぁ…助けて~!!」

???「…」ゴロゴロゴロ

響「お、親方ぁ!斜面から車輪が!!」

暁「なんですって!?」

雷「デカっ!」

???「…」ガキンッ!!

電「きゃあ!」

響「電!!」ガシッ

電「あ…ありがとう…」

天龍「なんなんだコイツは!」

龍田「ちょっと待っててね~…生き物図鑑、起動!」

/Users/hayakawamiduki/Desktop/uragankin.gif

ウラガンキン ばくついりゅう

こうせきを ねりあわせて せいせいした
おおあごのいちげき は いんどぞうをもころばす
車輪 のようにころがっていどうする

響「ウラガンキン…?」

雷「変な名前ねー」

龍田「よく鉱石を掘り当てようとする人たちからは、主任って呼ばれてるんだって~」



天龍「どう見てもヤバい雰囲気じゃねえか!帰ろうぜ!!」

響「なんだよ天龍、ビビってんのか?」

天龍「いやビビるとかそんな生易しい物じゃないからあれ!」

雷「とにかく、さっさと帰投しないと!」

ウラガンキン「ゴァァアアアア!!!!!」ガキン、ガキン

暁「いやーー!!!食べないでー!!」

電「電は食べても美味しくないのですーー!!」

龍田「大丈夫よ~あの子は鉱石しか食べないから♪」

響「そう言う問題じゃない!逃げるよ!」




ーーー簡易式移動船(広い)

響「全く……嫌な目にあった…」

ピカチュウ「ピーカ」

龍田「結局連れて来たのね…」

天龍「あんなのが居るなんてな、世界はまだまだ広いな!」

電「出来れば、もう見たくないのです…」

暁「うん、うん」

雷「まったく皆して……あら?」

響「どうしたんだい?」

雷「ねえ…天気がおかしくない?」

響「そんな事は…?」

見上げると、確かに天気がおかしかった。
雲から不規則に注ぐ光が、まるで海の中のようであったからだ。
その光景は幻想的で、不安を煽る。

響「なんだろう…?」

天龍「こんな空見た事ないぜ…」

電「記念に写真を撮るのです」パシャパシャ

雷「綺麗……」

ーーーその光景に、一つの闇が刺した……


天龍「ん?…オイ、なんだよあれ!?」

それは、深海棲艦。何れも通常の物とは違う、
全体的に黒く、羽として使っているもう一つの腕。
そしてそこから棚引く翼は、正に外套。
慟哭のような咆哮の意味は、嘗ての故郷に戻りたいからか。それとも

???「…」ズン…

天龍「なんなんだよ…もう訳わかんねぇ!」

電「深海棲艦…?」

響「あるいはそれと同等の物か、しかし…」

雷「とにかく…追い出せば良い訳でしょ?」

響「ああ…今分かるのはコイツに敵意がある事だけだ」

ピカチュウ「ピカ!」

天龍「ああ…今はコイツを撃退しねえとな!」

???「……ーーーーーーー!!!!」

そして、闇は形容しがたい叫びを上げる






BGM:http://www.youtube.com/watch?v=BOY6ZDdK224&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI

電「電の本気を見るのです!」

電は、背中に背負っていた碇を奴の無骨な頭部目がけて振るった
しかし、もう一つの腕のような物で防がれてしまう

雷「ってー!」

雷も続いて砲を放つ、しかしそれも防がれてしまう

雷「甘いわ!」

しかし雷は急接近し、碇を頭部へと振るう
あまりの出来事に謎の深海棲艦は対応できず、そのまま命中してしまった

???「っ!」

天龍「まだ終わりじゃねぇぞ!!」

続いて天龍も攻撃する、自らの刀を用いた戦法で攻めまくる
当たってはいるものの、効果は薄い、だがしかし…

龍田「追撃するね~♪絶対逃がさないから~」

防壁が薄くなった所に龍田がその長刀を突き刺す、
これこそが、信頼し合っている二人のコンビネーションである

響「いくよ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピカチュウ!」

響「ピカチュウ、10万ボルト!」

ピカチュウは、その深海棲艦に向けて放電を行い、正確無比に当てた。
その威力は折り紙付きで、腕のような物の爪を破壊した



???「ーーーーーーーー!!!!!!!」

かの深海棲艦は激昂した、咆哮も怒りに近い物となっている

暁「うんしょっと…みんなー!こっちこっち!」

どこから持って来たのか、爆弾を設置した暁は皆を呼びかけた

響「姉さん!」

???「ーーー!!!!」

当然相手の方も黙って引っかかる訳もなく、そのまま暁に向かって突進を仕掛けた。
あわや衝突してしまうというところで…

電「ダメぇっ!」

電がジャンプの勢いで碇を振り下ろし、そのまま相手に当てた。
するとどうだろう、相手は転んでしまった。
そしてそこに、電が背中に飛びかかった

???「!?ーーー!!」

電に乗られてしまった深海棲艦は、電を振り落とそうと必死に暴れている、
電も振り落とされまいと必死にしがみついている

暁「電!爆破するわよ!」

電「うん!」

電がそのまま深海棲艦から降りたのを見計らって…

雷「ってー!」

暁「お子様言うなぁー!」

響「ピカチュウ!10万ボルト!」

皆が一斉に攻撃した。



刹那、もの凄い轟音が鳴り響いた、爆発した証拠である。


???「…!」バサッ

さすがの相手も耐えられなかったのか、そのまま飛び立った。


暁「やったぁ!撃退したわ!」

雷「あ~!疲れた~!」

天龍「電、お前のお陰だ、ありがとな!」

電「そ、そんな事ないのです…」

天龍「何言ってんだよ?お前が居たからアイツを撃退できたんじゃねぇか」

響「お疲れさまだね、」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

しかし、それは束の間の喜びであった…、
何と先ほどの相手が戻って来たのである、それも暁目がけて

雷「えぇ!?」

天龍「畜生!まだやるってのか!!」

響「姉さん!危ない!」

暁「あ、やっ…」



神は言っているーーーここで死ぬ運命では無いとーーーー


???「!?」ドガァン!!!

なんと、味方である筈の深海棲艦に巨大な駆逐イ級が突撃した!
そのイ級にはヲ級などが乗せられていた!

???「…!!」バサッ

幾度に重なるトラブルに流石の相手も不利と判断し、そのまま逃げ出した
しかし、先ほどの一撃で既に船は沈没寸前となっていた。



暁「…!?」

ヲ級「ヲッ!ヲーー!!」

暁達に、手を差し伸べるヲ級、暁達はどうなってしまうのか……!!


すこし、休みます。支援よろ


ーーー深海棲艦の城ーーー


暁「ん……ここは…?」

目を覚ますと、そこは無機質な部屋だった。
助かったのか?あるいは敵に捕らえられたのか?
拘束が無い事を確認する限り、前者の可能性が高いが…
天井を見てても変わらないので、取り敢えず横を向くと…

電「暁ちゃん…大丈夫……?」

そこには電の姿があった、暁は安堵する。

暁「うん…なんとか…」

そんな事を話している間に、何かが歩く音がした
誰かが来る、そう思った暁は、ベッドから降りる


ヲ級「…」ウィーン

暁(コイツ、確か…)

暁「あなたが…私達を助けてくれたの?」

ヲ級「ヲッ」

暁(ヲ?)

電「あの…響ちゃん達は?」

ヲ級「THIS WAY…FOLLOW ME…」コッチ

暁(付いてこいってことかしら?)

ヲ級「ヲ」コクッ


取り敢えずヲ級に付いて行く事にした暁と電。


ーー広場ーー


響「姉さん!」

ピカチュウ「ピカ!」

雷「電ぁー!」

天龍「お、やっと起きたか!」

龍田「私は大丈夫よ~♪」

広場に出ると、響達が出迎えてくれた。
暁は、皆の無事を確認して少し泣きそうになった

暁「…皆ぁっ…無事だったのねっ…ひっく…」グス

ヲ級「ヲッ」

響「でも…どうして敵が僕たちを助けてくれたのかい?」

ヲ級「ヲーヲーヲッ」パタパタ

雷「アイツは一体なんなの?」

ヲ級「ヲッヲッヲッヲー!」

響「ヲだけじゃ良く分からないよ」

上手く気持ちを伝えられないヲ級に代わり、敵の姫と思われる者がが少しだけでも説明しようとこちらにやって来た

装甲空母姫「…アレハ、ワタシタチトハコトナルモノヨ」

電「え?」

装甲空母姫「ベンギジョウニワタシタチトオナジブンルイニシテハイルモノノ、ワタシタチトチガウコウドウシテイタノ」

響「……ねえ、『あれ』は一体なんだい?」

装甲空母姫「……イマハソレヲシルトキデハナイワ、トキガキタラオシエル」


少なくとも、情報を隠蔽しようとしている訳では無さそうだ、
そして、アイツの正体というのは?
謎が深まるばかりであったが、とにかくこの深海棲艦達は敵意が無い事を確認し、再び安堵した


響「これからどうすれば良いんだい?」

装甲空母姫「…イマハアナタタチノコキョウニモドリナサイ」

故郷、というのは多分私達の司令官の元だろう

響「……」

装甲空母姫「ソシテ、ソノトキガキタラワタシタチガジカニアナタタチノトコロニオモムク」

響「その時に話す、と…」

暁「…でも、どうやって戻れば良いの?」

装甲空母姫「アナタタチヲカイジョウニフジョウサセ、ソノママジブンデカエルカ」

装甲空母姫「ワタシタチガオクルカ、ドッチニスル?」

電「じゃあ…送ってくれますか?司令官達が心配してるかもしれないので」

装甲空母姫「ワカッタワ、アソコデマッテルカラ、ワスレモノハシナイヨウニネ」

電「忘れ物……?」

電が振り向くと、そこには自分たちが発掘したボーキサイトや、お土産用のお守りなどが入っていた袋があった

電「…」

ーーー横須賀鎮守府ー


装甲空母姫「ココネ?」

響「うん、ここで降ろしてくれ」

電「そんなタクシー降りるときみたいに言わなくても…」

暁「でも、なんで敵がこんなにしてくれるの?」

装甲空母姫「…アノセンカンハ、ワタシタチノテニハオエナイ、トイッタラワカルカシラ?」

暁「…まあ大体は」

装甲空母姫「ソレジャアワタシタチハモドラセテモラウワ、マタイツカアイマショウ」

響「うん、またいつか会おう、ダスビダーニャ」


なんとか鎮守府に帰投できた暁達。
帰った時に提督から無茶苦茶怒られたのは言うまでもない。


寝まーす、支援よろー

前回までのあらすじ
ボーキサイト(+α)を採掘した第六駆逐隊(+天龍龍田)は
帰投する所を、どの形状にも一致しない深海棲艦に襲われてしまった!
皆のコンビネーションにより、一時は撃退できたと思われたが、
何と敵はそのまま暁に目がけて突っ込んで来たでは無いか!
危うく、負けたッ!『響「さて、今日も張り切って行きますか」』完ッ!!になる所を空母ヲ級に助けられた。
その後はなんやかんや有って装甲空母姫に横須賀鎮守府に送ってもらい、そのまま帰る事が出来た。


wiki調べたら電が末っ子なんだ…まあこのssの響は最後に建造されたと脳内変換しておくれ。


響「司令官、今日はどこへ行けば?」

提督「ああ、今日はお前達に前線に出てもらう」

響「へぇ…」

提督(あれ?)

響「大変だ皆!提督が私達を前線に出すって!」

提督「そこまで驚かれると逆に傷つくな」


雷「遂に私達の出番ね!」

暁「一人前のれでぃーである事を皆に認めてもらうんだから!」

天龍「どこに行くんだ!?提督!!」

提督「今回は、カムラン半島に行ってもらう」

響「カムラン半島?」

提督「ああ、何でもそこに出向した船が深海棲艦に悉く沈められている」

提督「しかし、襲う際の深海棲艦の姿を見た者は居ないらしい」

雷「…そいつを倒せって訳ね?」


提督「いや、出来ればで良い。なんせ相手は正体の掴めない奴だからな」

提督「正体を掴んでさえくれば良い」

響「…奇襲に対する警戒が必要だね」

雷「そうねー…龍田さんがいるから大丈夫だろうけど…」

天龍「悩んでても仕方がないだろ?早く行こうぜ」

響「そうだね…戦いの勘を少し思い出したいしね」

北上「あ!私は?このスーパー北上様ならそいつなんて楽勝だと思うけど…」

雷(い、居たんだ)

ピカチュウ(みたいだね)

雷(お前もかい……ん?)

ピカチュウ(ん?)

響(北上さんのヤバい所はすぐに調子に乗るけど、口だけじゃなくて本当に活躍する所)

ーーー


電「司令官さん、行ってくるのです!」

響「出撃するよ」

提督「気をつけてな!」


ーーーカムラン半島周辺海域

北上「…むむむ」

電「どうですか?北上さん」

北上「いや全然ダメ、索敵しても見つからないって相当だよこれ」

電「うー…やっぱり地道に探さなくちゃいけないのかな…」

北上「ま、見つかったらこのスーパー北上様におまかせ!」

電「あはは……?」ヌチャ

電は何かネトネトした物を踏んだ、
思いの外粘着力は強く、足がなかなか抜けない。

電「やっ…何これ……べとべとしてて気持ち悪いよ…」

北上「ちょっと待ってて、今抜いてあげるから!」

北上の奮闘もむなしく、電が踏んだ物体が抜ける事は無かった。
そうこうしているうちに…

北上「…!?」

隠視マ級「…」ビシャア

蜘蛛のような深海棲艦が糸を浴びせた。

電「!?」

北上「電ッ!」ガシッ

北上は電が引っ張られると思い、咄嗟に腕を掴んだ。
その予想は当たる、当たるのだが、引っ張る力がもの凄くて掴んだ北上もろとも電が捕らえられてしまった



電「やぁぁ……何これぇ…」

北上「…っ!コレなかなか外せないよっ!」


チャンスと睨んだ深海棲艦、海の中から鋏角を伸ばして補食しようとする

北上「っ…!」

電「嫌ぁっ!誰か助けてっ…!」

その助けを乞う声に答えるかのように、電はその場から消えた。
否、瞬間移動したと行った方が正しいだろう。なぜならば、

響「…」

電「ひ…響ちゃん…」

響が電光石火の早さで電を助け出していたからだ。
その早さたるや、とある駆逐艦涙目必須の物だ。

陰視マ級「…」

獲物を逃したマ級、最早実力行使で捕らえる他無いと判断したのか、
海の中から姿を現す。その姿は蜘蛛の頭に女性の上半身が生えたような姿で、
蜘蛛のような下半身の背中に青い水晶が突き出ている。


北上「…コイツだね?」

響「恐らく、今から皆に呼びかける」



雷「響!コイツがお尋ね者の深海棲艦ね!」

暁「うぇっ…なんか蜘蛛みたいで気持ち悪い…」

響「…来るよ!」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=LUf3dU3P2SA&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI



陰視マ級「…」

マ級は糸を吐き出し、海面に設置した。

暁「なんて分かりやすいトラップ…」ドォン

雷「そんなのに引っかかると思う?」ダダダダ

響「無駄だよ」ガスッ

マ級はそんな猛攻にも関わらず、ただただ背中の青い水晶を光らせているだけだった。

雷「水晶ばっかり光らせても何もならないわよ!ってー!!」

雷は砲を放つが、手応えは全く感じられなかった。
傷が全くつかなかった訳では無い、本当に当たった感覚がしなかったからである、
それにもかかわらず、マ級は変わらずそこに居た。

雷(どういう事…?ちゃんと当たったわよね…?)

そんな事を考えていたら、自らのの足下からマ級の鋏角が飛び出た。




おーい、誰か居るかー?

おるよ。
楽しみにしてる


雷(噓ッ!?)

電「雷ちゃん!!」

あまりの出来事に雷は驚愕した、なぜなら目の前に敵が居るのに自分の足下から相手の鋏角が出てきたからだ。
雷は咄嗟に碇で鋏角を殴打した。

マ級「!?ーーー!!」

マ級は思わぬ反撃に驚き、海の中から飛び出てしまった

雷「まさか、さっきのって幻影!?」

響「どうやらそうみたいだね、しかしあの水晶を使って幻影を作り出した瞬間に海に潜るなんて…」

天龍「悪ぃ!遅れちまった!!」

龍田「遅れてゴメンね~?」

響「どうしたんですか?」

龍田「天龍ちゃんがね~?お尋ね者は海に潜んでるって聞いて釣りをしてたから遅れちゃったの~」

響「天龍さん…あんた何やってんすか」

天龍「う、うるせぇ!」

>>29
おお!一人でも居てくれると嬉しいです!



マ級「ー!!」

マ級は口から鋏角を放り出し、そのまま挟もうとした。

天龍「にゃあん!?」

北上「的をー狙えば外さないよー♪」

忘れた頃の北上さん、クロスボウでマ級を的確に射抜く

龍田「うふふ♪」

龍田がマ級の口に手を突っ込んで鋏角を圧し折る。

マ級「ーーー!a:@r];@p!?」

天龍「えげつねぇ…」

瀕死寸前に陥ったマ級は、最後の悪あがきとして自らの幻影を大量に生み出した。

雷「え!?これじゃあどれが本物か分かんない…!」

マ級は響に圧し折られた鋏角を口から取り出し、響に切り掛かるが…

響「ダスヴィダーニャ(さよならだ)」タァン

響に見切られ、隠し持っていた拳銃で止めを刺される。

マ級「ギュ……グア…」ズズゥン…

雷「…倒したのよね…?」

響「幻影が消えたからね、間違いないだろう」


電「ごめんなさい…足手まといになっちゃって」

北上「…別に、足手まといなんて思ってないし?気にすんな♪」

電「私……ダメな子なのです…」

響「電は…ダメな子じゃないさ」

電「え…?」

響は電に励ましの言葉を送る、その眼差しは優しかった。


響「電の事をダメな子と言うような奴は、私が断頭台送りにするさ」

優しい言葉遣いとは裏腹に結構怖い事を言っている。
ロシアの殺し屋おそロシアとはよく言ったものだ。

電「響ちゃん…」

北上(……響の事は怒らせないようにしよう)

天龍(ああ、それが賢明だ)




響「司令官、帰投したよ」

提督「おお!どうだったんだ?」

響「やはり深海棲艦だったよ、でも私達が討伐したからもう大丈夫だと思う」

提督「そうか、お疲れさん、ゆっくり休んでくれ」

電「あの…」

提督「?どうした?」

電「あとで…話があるのです…」

提督「?ああ…」


ーーー提督室ーーー

提督「電…話ってなんだ?」

電「司令官さん…その…私って…足手まといですよね…?」

提督「何を言い出すかと思ったら…冗談はやめろ」

電「冗談じゃないのですっ!電は本気で悩んでるのです!!」

提督「…訳を話してごらん」


電は提督に今日の出来事を話した

提督「そうか…それで電は、引け目を感じているんだな?」

電「はい…私なんか…なんにも役に立ってないんじゃないかって…」

提督「あのな電…お前がそう思ってても、他の皆はそんな事思ってないんだぞ?」

電「それは分ってます…でも…」

提督「それにボーキサイトの輸送任務でも、帰り際に襲って来た深海棲艦に乗って隙を作ったんだろう?」

電「それは…そうですけど…」

提督「だったら足手まといなんかじゃないさ、良く分からない相手に勇気を持って立ち向かったんだ、恥じる事なんか無いさ」

電「……」

提督「…さあ、もう遅いから自分の部屋に戻りなさい」

電「…失礼します」

ガチャ バタン…

提督「ふぅ…」




提督(電…)

>>31でとんでもないミスを犯してしまいました

×マ級は響に圧し折られた鋏角を口から取り出し、響に切り掛かるが
○マ級は龍田に圧し折られた鋏角を口から取り出し、響に切り掛かるが

ここからちょっと注意、
1:ポケモンとのクロスが一時的にあります。
2:ポケモンが喋る。
3:ぶっちゃければ透明少年探偵アキラをポケモンと艦これでやりたいだけです。

それでも良い方のみご覧下さい


ーーー翌日




響「おはよう」

ピカチュウ「ピカ!」

雷「おはよ~響~」

響「…電は?」

雷「ん、なんか今日はRCの人たちがやってくるから挨拶してくるんだよって司令官に言われて出かけたけど…」


「RC」ロケット・コンツェルンの略


響「そうなんだ、後で追いかけようかな」


ーーー

丁度その頃、横須賀鎮守府前にRCの会長が乗った車が到着していた

五十鈴「どうぞ」

サカキ「いや、どうも」


電(あ、あれがRC財閥の会長さん…きちんとしなくちゃ)

サカキ「…君が、第六駆逐隊の電だな?」

電「は、はいっ!」

サカキ「ふむ…」ジロジロ…



電「あっ…あの…あんまりジロジロ見ないで欲しいのです…///」

サカキ「う~む、何度見ても駆逐艦は、正に傑作だY!」

電「こっ…光栄です!」

サカキ「いやしかし、ここは少しばかり空気が悪いね」キィィィ

電「え…?あ……眠く…」ドサッ


サカキは電を催眠術で眠らせると、付きの人たち全員がガスマスクを装着した!(眠らせた電にも着けてます)

赤城「おや?どうしたんだろう?」

サカキ「それでは諸君!初めなさい!!」

すると、謎のガスが噴出した!

全員「ゲホッゲホッ!」

赤城「くっ……しまった…」


憲兵「その子を離せー!…うっ!?」

サカキ「甘い」

憲兵「うわあああああ!!」ドサッ


サカキ「入れろ!」

付きの人「はっ!」


付きの人たちは慣れた手つきで電を大きめのスーツケースに収納した。



五十鈴「どうぞ」

サカキ「いや、どうも」

憲兵「おい!大変だ!皆やられて、電が攫われたぞ!」

隼鷹「なんだって!?」

時既に遅し、サカキは車に乗り込んでいた。
そのまま走り去ると思いきや車の屋根が取れ、そこから気球が現れたでは無いか!
そのまま飛んで行くサカキをただただ見つめるだけの艦娘達…

サカキ「フッフッフッフ…」ビリィッ

サカキは自分の顔を掴むと簡単に破けた、どうやらただの変装だったようだ。
そして、気になる中身は…?

カラマネロ「ワッハッハッハッハッハッハ!!」

カロス地方に生息するポケモン、カラマネロだったのである!

カラマネロ「電は頂いた!さらば、艦娘諸君!」



『透明忍者探偵ゲッコウガの巻!』


ちょっと休憩しまーす


パキラ『ここで臨時ニュースを申し上げます』

暁「あら?」

雷「ん?」

パキラ『横須賀鎮守府でとある海軍が所有している駆逐艦電が、先程RC財閥のサカキ会長に変装した何者かによって誘拐されました』

雷「えぇ!?」

響「何ィ!?」バダン!!

暁「響、大変!!電が攫われたの!」

響「くそっ!」

パキラ『電と同じくとある海軍が所有する空母、赤城はその時の様子をこう話しておられます』

赤城『顔も声もサカキ会長そっくりでした、全く不覚の至りです!』

パキラ『また、本物のサカキ会長は』

サカキ『とにかくとある海軍の軍事力補助の為にも1日も早く電を取り戻し、私に化けたという不届き者を捕らえる事です!』

雷「しかし…大胆な犯罪ね…」

暁「司令官の事だからきっと日本政府に100億円くらい賠償金を出してくると思うわ」


響「なんて事だ…すぐに助けに行こう!」

雷「でも…居場所が分からないとどうにもならないわよ?」

響「確かに…とにかく現場に行ってみよう!」

暁「雷!響!」

雷「大丈夫よ!絶対電を助けてくるから!」

ーーー

雷「響、これが落ちてたわよ!」

響「…何か手がかりになりそうだ!龍田さーん!」

龍田「は~い!その羽を見れば良いのね~?」

響「頼むよ」

龍田「ん~…」ピピピピ

雷「ど、どう?」

龍田「間違いないわ~これは奇怪岬にしか生息しない怪奇鳥の羽よ~しかもまだ新しいみたいよ~」



響「まだ新しい……という事は!」

雷「犯人は奇怪岬ね!」

ーーー


???「……ゲッコウガ、駆逐艦誘拐事件の事なんだが…」

自分の古くからのパートナーに語りかけるポケモントレーナー、カルム。

ゲッコウガ「……如何様になされた?」

カルム「…犯人を捕まえる為に、攫われた電の仲間が自力で助けに入りそうなんだ」

ゲッコウガ「…それはどういう事でござる」

カルム「その仲間ってのが年端も行かねぇ子供らしいんだ」

ゲッコウガ「…電殿の二の舞になる前に電殿を助けよ、という事でござるな?」

カルム「ああ、ゲッコウガ、先回りして誘拐された電を救出してくれ。オレも後から追い付く」

ゲッコウガ「御意」ピシュン


ーーー奇怪岬

響「ここか……」

雷「響!鎮守府に落ちていた羽と同じ物よ!」

響「雷、あの山荘が怪しい」

雷「…もし1時間経っても戻ってこなかったら、乗り込んでいいから」

響「分かった!」

雷「てぇい!」バッ

雷は山荘に向かって進んだ、しかし敵のトラップに嵌ってしまう。

響「雷!」

そしてロボットアームにキャッチされ、そのままアジトに引きずり込まれてしまう。

響「雷っ!!」

ーーーアジト内


敵のトラップに嵌って以来、ずっと何処かに向かって上がっているような気がする。
捕まってしまった、そんな考えが頭の中をよぎると誰かが私に質問をして来た

カラマネロ「貴様何をしに来た、ここを我等の基地と知っての事か!!」

誰?ピカチュウと同じような物?じゃあなんで喋ってるの?

カラマネロ「何をしに来た!」

雷「…」

カラマネロ「よし、答えられないのなら答えさせてやる!」

そういうと、私を拘束している台座の上部分が競り上がった。
そして、下の部分から変な物が出てきた。


カラマネロ「海軍精神注入棒DA☆これをお前に差し込む!」


雷(えぇ!?差し込むって…アレを!?)

カラマネロ「貴様の大事な物を失いたいか!?」

い、嫌だ、初めてだけは絶対に司令官にあげたいのに…!

カラマネロ「どうだ?さぁ、言え!何の為に此所に来た!!」

雷「……電を…」

そう言おうとした所で、急に言葉が遮られた。
その目は、妖しく光っていた

カラマネロ「良し、犯れい☆」キュピーン

雷(理不尽だーーーっ!!??)

そう言っている合間にも、アレは近づいてくる。

カラマネロ「早く白状しろ!」

雷「くっ……言うから止めて!!」

私がそう叫ぶと、きちんとアレがこの場から消えてくれた

カラマネロ「さぁ、言え!」

雷「あなたが攫った電を取り返す為よ!」

カラマネロ「なんだと?ワッハッハッハッハ!!身の程知らずめ!!」

カラマネロ「貴様に我等が最高のもてなしをしてくれるわ!!触手地獄の刑だ!」

寝ます、申し訳ない…


私は檻で運ばれ、触手の真上まで来た。

雷「ねえ…ちょっと、冗談だよね?」

そんな問いかけにも応じず、私は触手に向かって真っ逆さまに落とされた。


雷「きゃぁぁぁっ!!」

そして、触手に捕まってしまう。

雷「や…やだ…離してよ…」

そんな事を言っている私を尻目に、触手は私の服の中に入り込み、
色んな所を弄ってくる。

雷「っ…こんな所でっ…負けるもんかっ…」

「その意気でござる!」

雷「へっ?」

次の瞬間、私は触手から離れていた。

ゲッコウガ「大丈夫でござるか?雷殿」

雷「な…なんとか……(やだ…なんかかっこいい…)」

ゲッコウガ「なら良かった……電殿は拙者が助ける、雷殿は110番通報するでござるよ」

雷「あ、あの!あなたは誰なの?」

ゲッコウガ「……主に仕える以上、現時点で拙者の名前を申す事は出来ぬ」


私は檻で運ばれ、触手の真上まで来た。

雷「ねえ…ちょっと、冗談だよね?」

そんな問いかけにも応じず、私は触手に向かって真っ逆さまに落とされた。


雷「きゃぁぁぁっ!!」

そして、触手に捕まってしまう。

雷「や…やだ…離してよ…」

そんな事を言っている私を尻目に、触手は私の服の中に入り込み、
色んな所を弄ってくる。

雷「っ…こんな所でっ…負けるもんかっ…」

「その意気でござる!」

雷「へっ?」

次の瞬間、私は触手から離れていた。

ゲッコウガ「大丈夫でござるか?雷殿」

雷「な…なんとか……(やだ…なんかかっこいい…)」

ゲッコウガ「なら良かった……電殿は拙者が助ける、雷殿は110番通報するでござるよ」

雷「あ、あの!あなたは誰なの?」

ゲッコウガ「……主に仕える以上、現時点で拙者の名前を申す事は出来ぬ」

上ミスったっす、連投しちまったっす。


そういうと、カエルのような忍者は飛び立った。

ゲッコウガ「たぁーーっ!!」

あろう事か、透明になってしまった。

雷(えぇ!?透明になるなんて!?)

透明になった忍者はそのままアジトに向かった…

ーーーアジト内

パキラ『引き続き、先程発生した駆逐艦誘拐事件のニュースを申し上げます、』

パキラ『ただいま入った情報によりますと、ポケモンの団と名乗る一味からありとあらゆる木の実を要求して来たとの事です』

ニャオニクス♀「…?」

マニューラ「慌てているアッーー!!」

その他「HAHAHAHAHA!」

ゲッコウガ(ふふふ…リンゴを食べて驚かしてやる)

ゲッコウガはリンゴの皮を剥いて食べた。
その光景は、端から見ればリンゴが消えているようにしか見えなかった。

ニャース(ロケット団のニャースとは別人)「ん?」

すかさずゲッコウガは、リンゴを投げつけた!

ニャース「うわぁっ!!」

リンゴに当たったニャースは盛大にずっこけた

ニャース「りりっりんごが!りり、りっりっり」

マニューラ「ど、どこだ!!」

間髪入れず、リンゴを拾う

マニューラ「ああ、透明人間だ!」


マニューラ「くそっ!」

氷を飛ばして来たが、楽々回避

マニューラ「ど、どこだ!」

ニャオニクス「…そこよ!」ビシュ

ニャオニクスはナイフを投げつけた!
ゲッコウガに当たった!

ゲッコウガ「うっ…しまった!」

マニューラ「あ、あそこだ!」

ゲッコウガは刺さったナイフを投げ返した!
マニューラに当たりそうになった!

マニューラ「ひゃぁん!」

そのままゲッコウガはボスの部屋に直行した。

ーーーボスの部屋

カラマネロ「フッフッフッフ…」

電「…」

マニューラ「た、大変です!透明人間が現れました!」

カラマネロ「何?それでそいつはどうした?」

ゲッコウガ「此所だ!」

カラマネロ「んぁ?」

マニューラ「透明人間が出たぞ!」

ゲッコウガ「動くな!全員武器を捨てろ!さもなくば此奴の命は無いぞ!」

電(あ…あの…)

ゲッコウガ(話は後、拙者が透明にするからその隙に此所から逃げられよ)


カラマネロ「くそっ…ばああああ!!」

カラマネロはゲッコウガを跳ね退けた!

マニューラ「撃てぇ!」

ポケモン達は、一斉に攻撃しだした!

電(ひゃあ…あそこに居たままだったら、アウトだったのです…)

ゲッコウガ「ふっふっふ…」

マニューラ「あ!!電が居ないぞ!!」

ゲッコウガ(…やはり悟られたか…!)

マニューラ「どこだ!出てこい!」

カラマネロ「ここだ!!」

カラマネロは、目からこうせんのような物を放った!
すると、電の足が見えた!!

マニューラ「あ、足が見えたぞ!!」

電(見つかった!?)

ゲッコウガ(止まるな!そのまま走れ!)

電「はぁっ…はぁっ…」

カラマネロは走った電に向かって振り向いた
すると、今度はは全身が見えてしまった!

カラマネロ「フフフ…」ニヤリ

電「っ…」

マニューラ「捕らえろぉ!」

ゲッコウガ「電殿!」

電「ひゃあっ」

ゲッコウガの素早い動きにカラマネロは電を見失ってしまった!

ゲッコウガ(今のうちでござる!)

電「…」


電(このまま…役に立てずに終わっちゃうのかな…)

電(足手まといのまま…終わっちゃうのかなぁ…)


電「…嫌だ」

電(そんなのは絶対に嫌だっ!)

ゲッコウガ「電殿!?何を為されるつもりか!?」



電「うああああっ!!!」

電はカラマネロに向かって飛びかかった!

カラマネロ「何ィ!?うわぁっ!!離れろ!」

電は忍ばせた砲を取り出し、カラマネロに突きつける。

電「全員…投降して……!もう抵抗は無駄だから!」

マニューラ「くそっ!」

電「さあ!早くして!」

ーーーアジト外

電「さあ、早く歩いて!」

カラマネロ「くっ…」

雷「…電!」

響「電っ!」

ゲッコウガ「仲間の皆さん…電は無事です、最後は犯人に勇敢に立ち向かいました!」

雷「心配させちゃダメでしょっ!」ダキッ

響「……良かったっ……」グスッ




「みんな……ご苦労様じゃんよ」

電「……?」

サザンドラ「ボス!!助けに来ました!!」

サザンドラは竜の波動を放った!

電「皆!!伏せてっ!」

もの凄い轟音が響き渡る、山荘も跡形も無く砕け散ってしまった

カラマネロ「ハッハッハッハ…」

カラマネロはサイコパワーを使い、そのままサザンドラに乗った。

カラマネロ「さらばだ電!また何時の日にか会おう!さらばだ!!ハァーッハッハッハ!!」

そのまま飛び去るカラマネロ……

ゲッコウガ「拙者と電殿達が居る限り、絶対にお前達の好きにはさせぬ、何時でも来い!」


電「…」

響「…なんだったんだろうね…」

雷「さあ……」

『透明忍者探偵ゲッコウガの巻!完ッ!』

次からは平常運転でーす。

ハヤカワさんって結局誰なの?

塾に行かんと行けなくなりました、楽しみにしてた方申し訳ございません。
か、帰ったら書くから…



>>53
誰って言われても…ねぇ?



>>12
>/Users/hayakawamiduki/Desktop/uragankin.gif
これな

>>56
見なかった事にしてください


ーーー横須賀鎮守府ーーー

提督「なあ、響」

響「なんだい?司令官」

提督「響ってなんでそんなに強いんだ?レベリングした覚えは無いぞ?」

響「……少しの間、私がロシアに貸し切りされた事あったよね?」

提督「ああ、一体どうなってしまうのかが心配だったんだが」

響「その時にね、私の大事な物を守りたいって思ってたら…」

『守りてぇんなら……強くなるしかねぇ』

響「って言って、私を鍛えてくれた人のお陰だよ」

提督「へぇ…そうなのか、ちなみにその人はどんな人だったんだ?」

響「えっとね、キレやすくて、キレたら手がつけられないけど、根はしっかりしてるウサギの兄弟さん」

提督「う、ウサギ?」

響「うん」


響「たしか二人とも名前の字数が5文字で、最後の三文字にネンコって付いてた気がする」

提督「ますます分からんなぁ…」

響「そうだよね…外見もほぼそっくりでさ」

提督「そうなのか…」

響「はい、この話し終わり!早速今回の話行ってみよう!」

提督「ちょっ、待ってくれ!まだ聞きたい事とかいっぱいあるんだからな!?」

響「それでは、スタート!」

ーーー
前回までのあらすじ、
前回見ろ、終わり

暁「いや、そんな事言っちゃダメよ!」

響「あれ特に物語に関わらないもん」

暁「メタ発言は視聴者に嫌われる元なのよ!?」



響「司令官、今日はどうすれば?」

提督「今日も君たちに出撃してもらわなければならない、いつもすまないね」

響「なに、気にする事は無い」

雷「司令官の役に立ててるだけで、とっても嬉しいもん!」

提督「今回は寒冷地に赴いてもらう、とても寒いからハンターズギルド支給のホットドリンクを忘れないように」

電「寒冷地って言っても、どこなんですか?」

提督「んー…オホーツク海だ!」

暁「ウホー突く?」

ピカチュウ「ピーカピカ」(違う違う)

提督「北海道とロシアの間にある海域だ」

響「ロシア……師匠元気かな…」

雷「そこで何すれば良いの?」

提督「どうも最近その海域で化け海豚の目撃報告が多発していてね」

提督「ある時は鏃のような角を生やした状態で発見されたらしい」

電「海豚って付いてるのに全然可愛らしそうじゃないのです…」

提督「ある時は、腹を膨らませてゴロゴロ転がって移動していたらしい」

暁「ますます特徴が掴めないわね…」


提督「百聞は一見に如かず、現地に行って確かめてくると良い」

響「わかった、出撃してくる」

雷「行ってくるね!」

提督「そうだ、北海道は結構遠いから飛行機で行く事をお勧めするよ……って行っちゃった…」

ピカチュウ「ピカチュウ」(大丈夫だよ、たつたさんやてんりゅうさんもついてったから)

提督「そうか…なら安心だ!」


ーーー

暁「そう言えば、北海道ってどこ?」

響「さぁ…」

電「あ、そこに居る人に聞いてみるのです、すいませーん」

「あァ?」グデーン

電「北海道ってどこですか?」

「…こっからだと結構遠いぜ?俺も一度知り合いと行ったンだけどよォ、音速旅客機でもなきゃ今日中には辿り着けねェよ」ゴロゴロ

電「そうなんですか…有り難う御座いましたー!」

「…」

電「やっぱり遠いみたい」

暁「うーん…やっぱりか…」

響「私達では、飛行機に乗れないし…」

雷「歩いて行くにも、凄い時間がかかるし…」



「お前等、北海道に行きてェのか?」

電「あっ…はい、そこに用事があるもので…」

「…深くは聞かないでやるよ、俺の能力でそこに飛ばしてやろうじゃねェの」

響「え?」

「知らねェのか?俺は学園都市の第一位、一方通行(アクセラレータ)なンだぜェ?」

響「知らない」

暁「ごめん、知らない」

電「初耳なのです」

雷「ゴメンね?知らないんだ…」

一方通行「ま、そりゃそうだろうなァ」グデーン

響(やる気が無さそうだ…)

暁「だ、大丈夫なのかしら…」


一方通行「まァとにかく、北海道に飛ばしてやるよ」

暁「だ、大丈夫なんですか?」

一方通行「あァ……シュワッチ!!」バシューン

ーーー北海道

暁「」

電「」

響「ほう…これは良いな…」

一方通行「だろォ?」フフン

雷「何気にオホーツク海の近くだし…」

一方通行「お前等の事はテレビで見たからよォ、艦隊が北海道に行きたいと言ったらオホーツクだと思ったンだァ」

電「そ、そうなんですか…」

一方通行「用事が終わるまで待ってるからよォ、さっさと済ませろ」

響「どうして…そこまでしてくれるのかい?」

一方通行「どうしてって…そりゃァお前……」




一方通行「俺は、第一位でもあるし、なンでも屋さンなンだよ…」


第六駆逐隊「かーっこいい!!」

一方通行「別にィ、たいした事じゃねえもン」グデーン

電(ギャップもまた…)

ーーー

天龍「おぉーい!!どこだぁーー!!」

龍田「出ておいで~?酷い事しないから~♪」

ちょっと休憩しまーす


ーーーオホーツク海 海上ーーー


雷「結構凍ってる所もあるのね!」

響「そこの氷が厚い場所に行こうか」

暁「なんで?」

響「多分氷を突き破って出てくるだろう、そこを叩く訳だよ」

電「待ち伏せ?」

響「待ち伏せ」ウン

暁「それじゃ面倒よ!釣り上げるとかは?」

響「それだ!」ソレダ!

雷「ちょうどいい感じの魚が居るから、それで釣ってみない?」

響「なかなか良いな…」

ーー釣りを始めよう

響「……」

雷「…」

電「スピー…スピー…」

暁「さ…寒い…」カタカタ…

響「ホットドリンク飲んでこなかったのかい?」

暁「違うの、電が寝たふりしてスピードってドが聞こえないように言ってたから…」

響「…!来た!」

電「スピー…」

暁「何時まで寝るの!早く起きる!」

雷「助けるわ!」



ザッバーーン!!

潜鮫ヱ級「~♪」

響「おぉ…!」

暁「こ、これが報告にあったって言う…」

雷「化け海豚ね…」

電「おっきい…」

釣り上げた深海棲艦…又の名を、潜鮫ヱ級は厚い氷の上に着地した。
力強く、そして華麗に。

暁「……これも深海棲艦なの!?」ピピピ

装甲空母姫『ソウヨ、カキュウニオサカナバカリタベサセテタラコンナカンジニシンカシチャッタノヨ』

確かに、よく見たらバンドウイルカに蛙の足を着けてバンドウイルカの胸びれをそのまま前足のひれにした感じの姿をしている。
ちなみに背びれはこれでもかというほど発達している

暁「…まさかお肉ばっか食べさせると…?」

装甲空母姫『ゴメイトウ、シャチノヨウナスガタニナルワ』

暁「怖い…何か弱点とかは?」

装甲空母姫『オナカガキュウゲキニフクラムコトガアルカラ、ソコニキッタリスルコウゲキヲスレバイインジャナイ?』

暁「ありがとう、お礼はちゃんと言えるし…」

装甲空母姫『ガンバッテネ』ガチャ

響「姉さん……誰と電話してたんだい?」

暁「深海棲艦の装甲空母姫さんだけど?」

響「え?」

暁「この間助けてくれた時に、電話番号を交換したの!」

響「この際もう突っ込まないよ…で、あれも深海棲艦なんだね?」

暁「そうよ、アイツはお腹が急激に膨らむ事があるからそこに切ったりする攻撃を当てれば良いって!」

響「ほう……そいつは良い事を聞いたね…」シャキン

暁「まさか…膨らんだ状態のアイツを捌くとかおっしゃりやがるつもりでせうか?」

響「おっしゃりやがるつもりでせう」ギランッ

暁(怖い、目が怖い)

響「行くよ……皆……」(フカヒレ…フカヒレ…)

電「う…うん!」(なんだろう…目が怖いよ…)


BGM:http://www.youtube.com/watch?v=fV_aEoIrryc&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI

潜鮫ヱ級は外見に似合わない甲高い咆哮を上げた。

電「やぁっ!!」ブン!

電は碇を振り上げ、深海棲艦の頭部に叩き付けた。

雷「あんまり聞いてなさそうね…」ドォン!

暁「今はとにかくダメージを与えるのよ!」ダダダ

響「ああ…」


潜鮫ヱ級は、大口を開いて電に飛びかかった!

雷「へっ?」

電「危ないっ!」ドン

潜鮫ヱ級は電に食らい付き、丸呑みした。


暁「噓……電が……」

雷「食べられちゃった…!」

潜鮫ヱ級は飲み込んだ電を咀嚼していた、膨らんでいる腹を見るに咀嚼してもあまり意味は無いと思われるが…。

響「…」

雷「響…?……!?」

雷が響の顔を見た時、一瞬背筋がぞくっとした。
なぜなら人間の、それもか弱い少女がするような表情ではなかったからだ。

響「グルルルルル………」

その口からは、地獄からやって来た怪物の唸り声が聞こえて来た。
少なくとも、激昂していても人間が発する声では無い。



響「グガァァァ!!」

潜鮫ヱ級「!?」ボグシャ

響はこの世の物とは思えない力で潜鮫ヱ級の膨らんだ腹目がけて拳を突き立てた。
あまりの威力で潜鮫ヱ級は飲み込んでいた電を吐き出してしまった。
響は吐き出された電を受け止めた。

電「ひ…響ちゃん…?」

響は電に今の自分の顔を見せまいと帽子で隠し、電をそっと地面に置いた。

潜鮫ヱ級「ギョァーーーー!!」

潜鮫ヱ級も相手の完全な敵対を理解し、自らの体を氷の鎧に身を固めた。

暁「あ、あれが鏃のような角を生やした状態…?」

電「響ちゃん!!危なっ…!?」

響「グガァァァ!!!!」ボ

潜鮫ヱ級「ギィ!?」ボ

響はとんでもない瞬発力で潜鮫ヱ級の氷の鎧の一部を破壊した

電「響ちゃん……?」

暁「見ない方が良いわよ……」

響「グォアアアア!!」

潜鮫ヱ級「ーーーー!!!」

潜鮫ヱ級は響に対して氷の光線状ブレスを吐きかけた。
しかし響はそのブレスに突っ込み、氷の角を叩き割った。


雷「」ポカーン

電「暁ちゃん…」

暁「大丈夫だから、私がついてるからね…」

潜鮫ヱ級は激昂した響を弾き返そうと腹部を膨らませた。

響「!?」

予測通りな事に、響は膨らんだ腹に弾き飛ばされてしまった、弾かれた響はそのまま氷の地面に叩き付けられる。

電「!!響ちゃん!!」ダッ

暁「あ!ちょっと!」

電が響に駆け寄る。

電「響ちゃん、大丈夫!?」

響「…ん?」

膨らんだ潜鮫ヱ級を見て自我を取り戻した響、当初の目的を果たす為に料理用の包丁を取り出す

響「待ってるんだよ、美味しい魚料理作ってあげるから」

暁「あ、大丈夫そうね」

雷「電、遠くの方で待ってよ?」

電「う…」


響「さあ、化け海豚のキャビアと大トロとフカヒレだよ。暖かいうちにどうぞ」

注意:潜鮫ヱ級は外見こそ海豚に似ていますが、部位や繁殖方法は鮫に似ています。

電「あ、ありがとう…」パク

暁「食べれるの?」パク

雷「ってかエプロンどっから持って来たのよ…」パク

暁・雷・電「!?」

電「美味しいのです!!」

雷「これ行けるわよ!」

暁「う~ん!れでぃーにふさわしい味ね!」

響「お誉めにあずかり、ブラゴダリャ」

電「?すぱしーばじゃないの?」

響「ロシア語以外の言葉も覚えないとね、因みにブラゴダリャはブルガリアって言う国では、「ありがとう」って意味だよ」

雷「響って天才なのね!」


装甲空母姫『ドウダッタカシラ?タオセタ?』

暁「もぐもぐ……ゴクン…あ、装甲空母姫さん?」

装甲空母姫『ドウシタノ?サイチャレンジ?』

暁「ううん、響が料理にしてくれたからそれ食べてる所」

装甲空母姫『エッ』

暁「結構美味しいよ?こんど一緒に食べようよ」

装甲空母姫『エ?エエ……ソウネ、イツカネ』

暁「じゃ、また後ほどー!」ガチャ


装甲空母姫「……イキタママリョウリサレルッテドンナキモチナノカナ…?」

ヲ級「ヲ?」

南方棲鬼「多分、痛いでしょうね」

装甲空母姫「ア、ナンポウセイキ、ドウシタノ?」

南方棲鬼「…あいつの事をそろそろ話しても良いんじゃないかしら?」

装甲空母姫「…ソレハダメ、イマノアノコタチニワタシタチノシンジツハツラスギルモノ…」

南方棲鬼「だったら……せめて名前だけでも」

装甲空母姫「ソウネ……コレヲミテイルヒトタチダケデモ」









「黒逐ゼ級の名を…」


ーーー横須賀鎮守府ーーー


響「帰投したよ、司令官」

提督「あれ!?早くね!?」

響「早くちゃいけなかったのかい?」

雷「司令官!また一人でエッチな本読んでたのね!そういうのは私が付き合ってあげるのに!」

提督「そうじゃない!北海道からなんで1時間足らずで戻って来れたんだ!?」

響「学園都市の第一位を名乗る人に手伝ってもらった」

提督「あー…アイツねー……あとでお礼言っとこ」

響「知り合いなのかい?」

提督「まあそんな所だ」


提督「今日はどうだったんだ?」

電「かくかくしかじか」

提督「なるほど、まるまるうしうしなわけだ」

響「便利やな~かくかくしかじか、めっちゃ便利やん?」

暁「なんで京都弁…?」

ガチャ

天龍「……お~まえらぁ…」

龍田「……」

響「なんだい?」

天龍「なんだい?じゃねえよ!何の為に探したと思ってるんだ!」

龍田「……」

響「え?私には全く分からないんだけど…」

天龍「とぼけんじゃねぇ!お前等の事だからあれだろ?どうやって行くのか分からなくてそのまま帰ったってオチだろ!?」

響「それはちがうよ!」


ーーー事情の説明……完了

天龍「そうか……すまねぇ…」

響「分かってくれれば良いさ」

電「ふぁ~…少し眠くなっちゃったのです…」

暁「そうね~…夜更かししたらいけないし、そろそろ寝よっか!」

雷「それじゃあ司令官!お休みなさ~い!」

提督「終わり方が適当な気が…まあ良いや、お休み」

天龍「まあ良いか…じゃあ龍田、俺は寝るからな?」

龍田「ま、まって~…」ボロッ



今日はもう寝ます、御休みなさい。


ビーッ!!ビーッ!!
『緊急事態が発生しました!第六駆逐隊は至急作戦会議室に来てください!繰り返します…』


電「き、緊急事態!?」

響「早めに行った方が良さそうだね」

雷「そうね!」

ーーー作戦会議室ーーー

雷「司令官!一体何があったの!?」

提督「来てくれたか!実はな、遠征に向かった艦隊が深海棲艦に襲われたんだ!」

響「なんだって!?その深海戦艦の種類は!?」

提督「非常に困った事に、ボーキサイト輸送任務の時に襲って来た謎の深海棲艦と同じ物らしい…」

電「あの時襲って来た物と同じ…?」

提督「ああ、しかし今回は謎の存在が相手という事もある、だから撃退してくれれば良い」

響「…存分に準備を整えた方が良さそうだね…」


暁「……もしもし?聞こえる?」プルルル

装甲空母姫『ドウシタノ?』ガチャ

暁「あの時襲って来た奴を撃退することになったんだけど、装甲空母姫さんはアイツが何者なのかは教えてくれないの?」

装甲空母姫『イマハ『黒逐ゼ級』トイウナマエデアルコトトシカココデハオシエラレナイワ』

暁「……戦法などは現場でしか教えられないって訳ね…」

装甲空母姫『イッコクヲアラソウンデショ?ダッタラハヤク!!』

暁「わ、分かったわ」ピッ


提督「暁?誰と電話しているんだ?」

暁「…今は教えられないわ、ごめんなさい…」

提督「…まあいい…この際気にはしないさ」

響「それで、どこに行けば?」

提督「ああ…」

ーーー

皐月「な……なんだよこれ!?」

菊月「分からない…新手の深海棲艦か?」

天龍「その認識で会ってるぜ、俺も別の奴と遠征に行った帰りに襲われた」

黒逐ゼ級「…」

その深海棲艦……「黒逐ゼ級」は遠征に行った駆逐艦に対し、禍々しい威圧感を放っていた。
翼からは謎の黒い物質が溢れており、翼の模様は少し青みがかって来た

文月「あたしが引き受けるから、みんなは逃げて!」

天龍「ふざけんじゃねぇ!!お前はその後どうするつもりなんだよ!」

文月「…頑張って逃げる」

天龍「結局ノープランかよ…」


龍田「ダメよ……危ないからぁ…はぁっ…」

天龍「龍田!もう喋るな!」

天龍に担がれている龍田は黒逐ゼ級にやられ、息も絶え絶えの状態に陥ってしまっている。

文月「やぁっ!」

天龍「あ!おいバカ!」

龍田「はぁっ…はぁ…」

文月は黒逐ゼ級に向かって突進した。
黒逐ゼ級は目の前の文月を蹴散らそうと前足で攻撃する。
しかし文月は急停止し、それを華麗に回避。

黒逐ゼ級「ー!」

文月「きゃぁっ!」ベシッ

しかし足がもたついた所に攻撃を食らってしまう。
黒逐ゼ級は追撃として文月に向かって突進した。

天龍「危ないっ!」

天龍は刀を投げつけて黒逐ゼ級の気を逸らす、文月はその刀を持った
黒逐ゼ級は天龍に向かって突進する。

天龍「はぁ…はぁ…クソっ…」

龍田「天龍ちゃん……私の事は良いから…」

天龍(クソっ…もうダメなのかよ……っ)


「たぁぁっ!!」

自分達の人生の終わりを確信した時…聞き覚えのある声が響いた。
天龍が振り向くとそこには…

電「お待たせっ!」

黒逐ゼ級に乗っている電の姿があった。

天龍「電……!?こんな所で何やってんだ!?」

電「みんなを助ける為なのです!」

天龍は何かを言おうとしたが、口が開かなかった。
そうこうしている合間にも、黒逐ゼ級は電を振り落とそうと暴れている

電「電はっ…そう簡単には振り落とされないのですっ!」

黒逐ゼ級「!」

黒逐ゼ級は何かを閃いたのか、背中にある翼腕で頭部の邪魔者を払うように電を弾き飛ばした

電「うあっ!」

文月「電ちゃんっ!」

文月は電を受け止めようと短い手を必死に伸ばした。
しかし電はそのまま地面を滑った後に立ち上がる、その時の電は非常に格好いい。


雷「みんな!もう大丈夫だから!」

暁「私達が居る限り!」

響「この世に闇は栄えない!」

電「なのです!」

天龍「……?」

龍田「奇麗…」

暁「ここは私達が引き受けるわ、みんなは…頑張って鎮守府まで帰るのよ!」

皐月「で…でも…」

響「大丈夫」

雷「私達を信じて」

電「……」コクッ

皐月「……分かった」

菊月「ここは引く、皆は後から追いかけてくれ」

文月「絶対無事でいてよね!」

天龍「帰ってこなかったら承知しねぇからな…」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=BOY6ZDdK224&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI

黒逐ゼ級との二度目の対面、暁が先制に出た。

暁「食らえっ!!」ドドン

暁は黒逐ゼ級に向かって砲撃する。
弾は的確に黒逐ゼ級の頭部に当たった。

雷「行くわよ!電!」

電「了解なのです!」

雷と電は二人で黒逐ゼ級の周りを回りながら敵の頭部に攻撃を当てた。
黒逐ゼ級は回りつつ攻撃を当ててくる電と雷に対応が出来ない。
そして…

雷「私達の協力技!」

電「行くのです!」

電と雷は息を合わせ、碇で相手の頭部を挟むように叩く。
続いて下から突き上げ、止めに上から碇を思い切り振り落とす



響「まだまだ終わりじゃないさ」ドォン!

響は黒逐ゼ級に対して拘束弾を放つ、先程のコンビ技で黒逐ゼ級は意識がもうろうとしていたため、
放った全ての弾が当たる。

響「徹甲榴弾、一斉掃射!!」

響は黒逐ゼ級の頭部に向けて徹甲榴弾を掃射した。
さすがにこれは躱されたが、全弾当たらなかった訳では無い。

黒逐ゼ級「ーーー!!!!!」

黒逐ゼ級は敵対する物に牙を向けるべく、自らの感情を高ぶらせた。
周囲には黒い物質もまき散らされている

暁「装甲空母姫さん!あの黒い物質って何!?」

装甲空母姫『アレニフレタラ、スグニテキヲコウゲキシテ!』

暁「どうして?」

装甲空母姫『アノブッシツニフレタラウイルスニオカサレテシマウ!』

装甲空母姫『ダカラソレヲコクフクスルタメニアイテニコウゲキヲアテルノヨ!』

暁「分かったわ!」

装甲空母姫『サラニタチノワルイコトニ、ソノウイルスニフレルトアイテノカンチノウリョクガアガッテシマウノ』

暁「感知能力?あれが上がっちゃうとどうなるの?」

装甲空母姫『アットウテキニフリニナッテシマウワ、ダカラソレマデナントカゲキタイシテ!』

暁「了解!」


暁「みんな!何としてでもアイツを撃退するのよ!」

響「分かっているさ」

黒逐ゼ級はウイルスを纏ったブレスを三方向に吐き出した。

暁「皆!あれは絶対避けるのよ!」

雷「そうは言っても!こいつ不規則に動くから避けづらいのよ!」

電「ふぎゃぁぁ!!」

ブレスに被弾してしまったのは電、着弾したブレスからウイルスが円形状に広がる。


黒逐ゼ級「ーーーー!!!!」

感知能力が高まった黒逐ゼ級は触角を生やし、背中にある翼腕を足のように突き立てた。
まき散らしたウイルスの影響で、空模様が変化する。

暁「行ってるそばから来ちゃったわよ!」

電「ごめんなさいっ!」

響「くっ……どうする!?」




暁「くっ……とにかくあの触角を圧し折らなきゃ…!」

響「どうやって叩き折るか…?」

電「…任せて!拘束なら自信があるよ!」ダッ

雷「ちょ、何をするつもり!?」

電は黒逐ゼ級に向かって走り、響の方を見た。

響「!…よし分かった…」

響は雷の砲台を掴み、電に向けて投げつける。

響「雷、失礼するよ……電、受け取れ!!」ブンッ

電「ありがとう!」パシッ

黒逐ゼ級は電を捕獲しようと翼腕を突き出す、しかし電は横ステップで回避。
受け取った砲台の砲塔を地面に刺して、自分も砲台に向かってジャンプする。
と同時に砲台が弾を発射し、その反動で砲台も跳躍する。
電は飛び上がった砲台を踏み台に、さらにジャンプの高度を高める。

電「食らえぇっ!」

そしてその勢いを利用して碇を敵の触角に叩き付ける。
触角の一本が破壊されると同時に黒逐ゼ級は転倒し、そこに電が背中に飛びかかる。


黒逐ゼ級は背中に飛びかかって来た電を振り落とそうと暴れる。
電は背中にしがみつき、振り落とされないようにしている。

暁「かっこいい…!」

響「僅かな間に……随分成長したね」


黒逐ゼ級の動きが止まった時を見計らって、電は碇で敵の背中を何度も殴打する。

黒逐ゼ級「!?」ベキッ

敵は思わず怯み、大ダウンしてしまった。

電「今だよっ!!」

雷「ええ!」

雷は触角に碇を叩き付ける。

響「…ふふっ…」バーン

暁「なんだか嬉しそうね?響!」ドォン

響「そうかな?」ボボボ

暁「そうよ!なんだかほくそ笑んでるもの!」ボーン

響「さすがに…恥ずかしいな///」

そうこう話しているうちに相手の触角の二本目が圧し折れ、感知能力もリセットされた



黒逐ゼ級は瀕死に陥り、逃げようと足を引きずりながら歩いている。

暁「やった!追いつめたわよ!」

響「撃退できそうだね…良かった」

電「…あれ?」

電は近くにある亀の甲羅を見つけ、自分の近くに置いた。

響「電、何をしているんだい?」

電「へ?」ポコッ

雷・暁「あ」

何を思ったのか、電は近くに置いた甲羅を黒逐ゼ級に向かって弾いた。
甲羅は黒逐ゼ級の足にぶつかり、足下を跳ね返りながらダメージを与えている。

黒逐ゼ級「グッ……ウギュゥゥ…」

甲羅が足下を何回も跳ね返った所為で、黒逐ゼ級は倒れてしまった。

響「」

雷「」

暁「……えー?」

電「やったぁ!倒したのです!…ってあれ?みんなどうかしたの?」


雷「……なんか、張り合いが無かったような…」

響「しょぼい方法で倒されたからね、仕方ないね」

電「あの……ごめんなさい」

響「いや、気にしてないさ」

暁「あ、もしもし?あーうん、倒しちゃった」プルルル

装甲空母姫『エ?ドノイロノトキニ?』

暁「え?ああうん、黒かったけど……何か気になる事があったの?」

装甲空母姫『……ナンデモナイワ』

暁「なんでもない?なら良いけど……じゃあね?」ピッ

雷「装甲空母姫さんに電話?」

暁「うん、なんか様子が変だったけど…」

響「そうなのかい?」

暁「うん……それより、亡骸をこのコンビナートに放置しちゃって良いのかな?」

響「まあ……大丈夫でしょ」

暁「大丈夫かなぁ…」


ーーー横須賀鎮守府ーーー

響「帰投したよ…」

天龍「お前ら…無事だったか!」

提督「撃退できたのか?」

雷「それが……」

ー事情説明中

提督「」

天龍「」

龍田「すぴ~……お布団が幸せ~…♪」

響「という訳なんだ」

天龍「まあなんだ……その…お疲れさん…」

提督「ともかく……今日は皆が無事だったし、アイツも倒せた」

提督「終わり良ければすべて良しとも言うだろう、盛大にやろうぜ!」

雷「えっ!?夜戦を!?////」カァァ

提督「違う違う、祝勝会だ!」

天龍「良いんじゃねえの?」


一方その頃…

とあるコンビナートにて……

従業員「ん…?」

黒逐ゼ級「グ……」

従業員が見たのは、倒れ臥した黒逐ゼ級。

従業員「なんだあれは…?見た事の無い生き物だ…」

暫く見ていると、黒逐ゼ級の鱗が次々とはがれ始め……

黒逐ゼ級?「ギゥァァァーー!!!!」

禍々しい黒からいっぺん、神々しい白へと変異した。
そして、鋭い咆哮を上げる「黒逐ゼ級」だったもの…


続く


ーーー翌日

暁「ふわぁぁ…」

暁(昨日は…楽しかったな…)

暁「ん……メールだ」

ーーーーーーーーーーーーー

from:第六駆逐隊の暁ちゃん

件名:私と楽しも?

By:南方棲鬼

ーーーーーーーーーーーーー


東部オリョール海で待ってるんだから!

ーーーーーーーーーーーーー


暁「東部オリョール海ニテ待ツ…てことかな?」


休憩します、お待ち下さい






天龍「おーっす」

響「おはようございます」

提督「おはよう!」

響「司令官、今日はどうすれば良いんだい?」

提督「今日は休みだ、戦闘も無ければ遠征も無いからな?」

天龍「なんだってー!?くそぉぉ!」

響「いや、そんなに悲観する事は無いと思うけど?」

天龍「だって……だってよぉ…グスン」

提督「外に出るとかあるだろ?例えば街に出るとかさ」

天龍「祖国を守る海軍の戦艦としていろいろ写真撮られるから嫌なんだよぉ…」

提督「あ~…それはあるかもな~」

響「まあ、どこか散歩してます」

提督「おう、遅くなる前に戻ってくるんだぞ?」

響「ああ」

ーーーー

暁「あら、響じゃない!」

響「姉さん?どうしたんだい?」

暁「ねえねえ、このメールを見て欲しいんだけど…」

響「南方棲鬼から……東部オリョール海にて待つ…?」

暁「今日は暇じゃない?だからオリョール海に出ても誰も文句は言わないと思うけど…」

響「いや、そのりくつはおかしい」


暁「だから、まずオリョール海に行くじゃない?」

響「うん」

暁「帰って来た時に、人集りが出来て大変だったって行っときゃ良いのよ」

響「寝る」

暁「ああ!待って!!最後まで話を聞いて!」

響「断る」

暁「お願いだから!れでぃーからのお願いよ!」

響「分かった分かった、行けば良いんでしょ?…今日はのんびり散歩する予定だったのに」

暁「じゃあ決定ね!電と雷も呼んでくるわ!」

響「ちょ、待って…」

ーーー東部オリョール海

暁「というわけで!やってまいりました!」

雷「東部オリョール海!」

響「やけにノリノリだね…」

電「今日は、南方棲鬼さんが来て欲しいってメールがあったんだよね?」


暁「そうよ、内容が私と楽しも?って感じだったから、たぶんお手合わせだとおもうわ!」

電「戦うのかな?だったら南方棲鬼さんって強そうだな…」

雷「激しい戦闘ばかりにかり出されて、困っちゃうわ」

暁(なんだろう……台詞を盗られた気がする…)ズーン

響「ここには居ないみたいだね、もうちょっと進んでみる?」

暁「そうね…」

ーーー東部オリョール海 深部ーーー


響「だいぶ深くまで来たね…」

電「ここに南方棲鬼さんが居るのかな…?」

暁「たぶんね…あ!あの人じゃない?」

南方棲鬼「……」

響「おーい!」

南方棲鬼「あら?暁ちゃんと……妹さん達?」

暁「そうよ!今朝のメールの通りに来てやったわ!」



南方棲鬼「来てくれたのね?嬉しいな~♪」

響「普通に喋ってる…」

暁「今日は何の用で呼んだの?」

南方棲鬼「今日はね?暁ちゃん達と戦ってみたいのよ」

響「やはり手合わせ願いたいか…」

南方棲鬼「当然よ?あなた達の実力に興味があるもの、特に電ちゃん」

電「え?」

南方棲鬼「とっても勇気がある子だって聞いたわよ?」

電「えへへ///」

響(電が勇気を持ったのは私としても鼻が高いよ)

雷(そういえば、戦艦の鼻ってどこにあるのかしら)

南方棲鬼「…そろそろ始める?」

暁「ええ!一人前のれでぃーとして頑張るんだから!」

南方棲鬼「一人前とれでぃーはともかく、早速行きましょうか♪」


南方棲鬼「では……すぅーー…」

響「?」

暁「?」


南方棲鬼「がおーーーーーーっ!!!!!」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=1X4CkFmeCl8&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI

南方棲鬼は息を吸った後に耳を劈くデスボイスを放つ。
その音量は凄まじく、第六駆逐隊全員が思わず耳を塞ぐ程。

暁「うぅっ……鼓膜が割れる…」

響「あれがデスボイス…?」

南方棲鬼「違うわよ!チャーミングデスボイスなんだから!」

響「結局デスボイスなんだね?」

電「隙有り、なのです!」ドォン

南方棲鬼「きゃあ!不意打ちなんてズルいわよ!」

雷「いっきますよーっ!」ババン!

南方棲鬼「あぁん!痛いってば!」



南方棲鬼「よくもやったわね!?喰らいなさい!」

南方棲鬼は自分のえげつない形をした爪で相手を引き裂こうと爪を振り下ろす、

暁「そんな攻撃当たらないわよ!」

南方棲鬼「なんちゃって」

暁「!?」

南方棲鬼は肩についている砲台で砲撃した!

暁「きゃあっ!!」

南方棲鬼「引っ掻くだけの脳筋だとおもわないことね!」

電「暁ちゃん!!魚雷装填ですっ!!」

魚雷ガール「行くわよ!」

響「えっ」

魚雷ガールは南方棲鬼に向かって超スピードで突撃した。

南方棲鬼(ちょ、避けられないっ……!!)

当然の如く直撃した、続いて雷が南方棲鬼の腕に向かって碇を振り下ろす

南方棲鬼「痛っ!それ結構痛いんだからね!?」バスッ

腕を覆う甲殻のお陰で大ダメージは免れたものの、やはり相当な痛みが来るようだ。

何で…休憩してもすぐに疲れるんや…
また少し…お時間下さい…


ちょっと味気無いのでこれ投下したら休みます。

電「てやああああ!!」

電はジャンプの勢いで碇を振り下ろす
不幸にも頭に直撃してしまった

南方棲鬼「ぎゃーーー!!??」ガイ~ン


南方棲鬼は思わず踞る、非情にも電はそこに飛びかかる

南方棲鬼「痛い痛い痛い!!離して離して!」

電「ポカポカしてやるのです!」

電もさすがに碇で背中を殴打するような事はせず、よくアニメとかでぽかぽかするときのアレの要領でポカスカ叩いた

南方棲鬼「~~~っ!!~~~っ!!!」ゴロゴロ

南方棲鬼は頭の痛みが収まらない為、電に背中乗られている事を知らない。
尚も電はまだぽかぽかし続けている

南方棲鬼「や…やっと痛みが引いて来た…」

電「すぅー…わっ!!」

南方棲鬼「ひぃっ!?」

電は南方棲鬼を驚かし、大ダウンさせた。


南方棲鬼(何だろう……今日は調子が悪い……)

暁「大丈夫?もう止める?」

南方棲鬼「……大丈夫よ、まだ行ける」

電「無理はしないで欲しいのです」

南方棲鬼(散々フルボッコにしておいてよく言うよ…)

ーーー

天龍「はー…休みの日に折角何かあると思ったのにさ、各自自由に過ごせってなんなんだよ!」

天龍「歩くだけじゃぁ退屈しかしねーよなー…なあ龍田?」

龍田「そんな事無いわよ~?私、天龍ちゃんと一緒にお散歩するだけでも楽しいもの~♪」

天龍「そりゃよござんした……ん?」

龍田「あら~…誰かが戦っているみたいね~?」

天龍「あれは……深海棲艦に……あいつら!?」

龍田「あら~…響ちゃん達は、深海棲艦に挑んでるのね~」

天龍「龍田!どうすりゃ良い?」

龍田「…今は、見守るだけにしようね~…」


南方棲鬼「ほらほら、じっとしてちゃいけませんよ?」

響(彼女は、本当に大丈夫なのか……?)

電「あわわわ…来ないで来ないで~!」アタフタ

南方棲鬼「すぉぉっ……ぎゃおーーーーーー!!!!」

電「ふにゃああああ!?」

南方棲鬼は再びデスボイスを発声した、あまりの音圧に電は吹き飛ばされてしまった。

響「電っ!!」

電「きゅぅぅ…」

南方棲鬼「どうよ!!これが私の実力よ!」

暁「凄いね……南方棲鬼さん」

南方棲鬼「ふふん…どんなもん…よ……?」ガクッ

南方棲鬼は突然倒れ臥した、駆け寄る第六駆逐隊。

暁「!?南方棲鬼さんっ!!」

ーーーー

天龍「おお!?どうしたんだよ!!」

龍田「響ちゃん達が倒したのかもね~…?」

天龍「マジか!よし!行ってくる!!」

龍田「あ、待って天龍ちゃ~ん!」

すまんねぇ…風呂入ってくるよ…


暁「大丈夫!?しっかりして!」

南方棲鬼「はぁっ……はぁっ……!」

響「やっぱり無茶してたのか…!」


天龍「お~い!!」

暁「げっ!」

天龍「そいつを四人で倒したのか!?」

暁「違うのよ!お手合わせしてたら急に倒れちゃって…!」

天龍「は…?どういうことだよ…?」

響「だから南方棲鬼と戦ってたら、急にぶっ倒れて…」

南方棲鬼「はっ……早く…ここから…逃げっ…がっ…!」

南方棲鬼の口から、黒く毒々しい息が溢れる。

暁「!これって…黒逐ゼ級が出してたウイルスと同じ色…!?」

響「何だって!?」

南方棲鬼「あっ……ゃ………」

ウイルスが南方棲鬼の体を完全に廻り、南方棲鬼が立ち上がる。

南方棲鬼「………」

ウイルスに侵された南方棲鬼は、見るからに禍々しい雰囲気を醸し出している


電「っ…!!」

暁「南方棲鬼さんっ!!!」

天龍「どういう事だよオイ……」

龍田「……ちょっと拙いかな?」

響「何故?ゼ級は倒したというのに…」

雷「…とにかく今は戦うしか無いわ!」

暁「……ごめんなさい、南方棲鬼さん…」

電「大丈夫…ウイルスを無力化すれば、まだ可能性はある筈…!」

天龍「うっしゃあ!丁度暇だったからよ、モチベーションが上がるぜ!」

龍田「良く分かんないけど、あの子に取り付いているウイルスを無力化すれば良いのね~?」

暁「皆……行くわよ!」

南方棲鬼「スゥー………ギャォォォォォォォォォッ!!!」


南方棲鬼はデスボイスを放った、しかしウイルスに侵されているものが使うそれは、最早真似事ではない。


南方棲鬼「ガァァッ!!」

南方棲鬼は狂ったかのように暁に向かって突進した。

響「姉さん!避けろ!」

暁「分かってる!」

暁は逃げようと横ステップをするが、僅かに南方棲鬼が勝っており、暁は足を掴まれてしまった

暁「きゃあっ!!」

間髪入れずに南方棲鬼は暁を引き裂こうと爪を力ずくで振り下ろす。

響「……させるかぁぁ!!」ドゴォ

南方棲鬼「!?」

響は瞬発力を生かし、南方棲鬼に肘鉄を浴びせる。

暁「あ…ありがとう…」

響「気は抜けないよ、何せ相手が相手だしね…」

暁「!危ない!」

南方棲鬼は腕で響を強引に掴んだ。

響「っ……しまった…」

暁「っ……響を離してよおっ!」

電「響ちゃんっ!!」



南方棲鬼は腕に力を込め、響を握り締める。

響「うっ…ぐぁぁぁっ!!!」ギリギリ

暁「今助けるから!」

暁は響を掴んでいる腕を碇でとにかく殴打した、南方棲鬼がもう片方の腕で振り払おうとするも…

雷「そうはさせないわ!!」

電「~~~~~っ!!離さないからっ!」

左腕には雷、またまた背中には電が乗っかっていた。
そして……

天龍「よお、右腕がお留守だったぜ?」

龍田「うふふ♪」

暁「……」

響「けほっけほっ…」

南方棲鬼が気を取られている隙に、響が解放されていた。



南方棲鬼「グガァァァァァァァァッ!!!!!!」

天龍「のわぁっ!?」

暁「っ……」

激昂した南方棲鬼が発声したデスボイスは、最早大咆哮の域に達していた。

響「危ないっ!」

南方棲鬼は目の前にあるもの全てを薙ぎ倒すと言わんばかりに腕を振り回しながら狂ったように暴れ回る。

電「きゃあっ!危ない所だった…」

天龍「あいつ…何もあんなに暴れなくても…」

龍田「ちょっと怖いな~」

暁「お尻がお留守よっ!!れでぃーとして恥ずかしくないのかしらっ!?」ボボォン

天龍「そう言いつつ攻撃してる時点でレディーもジェントルもあったもんじゃねぇよ」

龍田「追撃するね~♪」

南方棲鬼「グルゥア!」

天龍「龍田!危ないっ!!」

龍田「へ?」ムニュン

南方棲鬼は龍田の胸を鷲掴みにしてしまった!

暁「!?」

天龍「あ」

龍田「…ふ~ん?」

南方棲鬼「?」


龍田「…許さないからぁ」ギラン

南方棲鬼「!?」

目の前の凶悪な威圧感に、流石の南方棲鬼を取り付いていたウイルスも身震いした。

暁「突撃っ!」

響「行くよっ!」

雷「私達のっ」

電「本気を見るのです!!」

一瞬の隙をつかれた南方棲鬼、後はフルボッコタイムなので省略。

ーーーフルボッコタイム終了後ーーー

南方棲鬼「あっ……がはっ……」

南方棲鬼に取り付いていたウイルスが南方棲鬼の体から消え、正気を取り戻した南方棲鬼

暁「大丈夫っ!?南方棲鬼さんっ!!」

南方棲鬼「………」

暁「南方棲鬼さんっ!南方棲鬼さんっ!!」

南方棲鬼「……すー……すー…」

南方棲鬼はすーすーと可愛らしい寝息を立てていた。

暁「良かった……良かった…!」


天龍「へぇ…そんな事が…」

響「ゼ級は討伐した筈なのに、なぜゼ級と同じウイルスが南方棲鬼さんに遷っていたんだろう?」

天龍「俺が知りてーよ、てかなんで南方棲鬼を届ける時に深海棲艦と仲良さそうにしてたんだ?こっちだって助けてもらった借りはあるけどさ」

天龍「他の奴らが知ったら大混乱するんじゃねえの?」

暁「……多分、この事件で明日にでも深海棲艦が私達の所にやってくると思うわ…」

電「でも敵意は無いから、大丈夫だと思う…」

天龍「…?」

雷「だから…混乱を抑えるのに天龍さんの統率力が必要なの」

天龍「とうそつってなんだ?」

暁「沢山の人をまとめ上げる事」

天龍「何で俺が?」

暁「私達の遠征に付き合ってる時に、なんだかんだで面倒見が良いじゃない」

天龍「そんな理由で?」

暁「うん」

天龍「分かったよ……龍田も呼ぶけど、保証は出来ないぞ?」

暁「ありがとう、お礼はきちんと言えるよ?」


提督「お~い!一大事だ!すぐに来てくれ!」

響「どうしたんだ?」

雷「行ってみるっきゃないわね」

ーーー作戦会議室ーーー

暁「なんなの?」

那珂「あ、暁ちゃん!なんだか提督から発表があるみたいだけど…」

足柄「もしかして……私と籍を入れるのかしら」

暁・那珂「無い無いそれは無い」

提督「あー…君たちに、重大な発表がある……」

「何々?新しい子?」

「夜戦ね!?」ガタッ

「提督が好きな艦娘ランキングを発表するとか?」

提督「昨日、第六駆逐隊の皆が討伐してくれたこの「黒逐ゼ級」についてだ」

響「お?」

那珂「えぇー?」

提督「昨日も発表した通り、この黒逐ゼ級は第六駆逐隊の皆によってコンビナートで討伐された……と話したよね?」

金剛「それがどうしたんデスカー!」

提督「昨夜、そのコンビナートを散策していたら討伐された遺体はなく、そこには抜け殻があるだけだった」

「な、なんだってー!?」

暁「嘘ッ!?」

響「エ”エーッ!?」


提督「その抜け殻は、脱皮したものによると推測している」

初春「脱皮とな?その瞬間を見たものはいるのかや?」

提督「いるさ、従業員のPさん(仮名)!その時の様子を詳しく話してくれませんか?」

従業員のPさん「あ…ありのまま、その時の様子を話すぜ!」

暁「なになに?」

従業員のPさん『仕事が終わった後、コンビナートを見て回って黒い生き物を発見したと思ったら白い生き物へと変異した。』

従業員のPさん「な…何を言っているか分からねーと思うが、俺も何が起きたのか分からなかった…頭がどうにかなりそうだった…」

従業員のPさん「羅針盤だとか、猫だとか、そんなチャチなもんじゃあ、断じてねぇ…もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったぜ……」

金剛「oh…」

暁「白い生き物に変異した……なんだかもの凄い気になるなぁ…」

提督「脱皮した後そいつはウイルスを散蒔き、沖ノ島海域の最深部に移動したと考えられている」

提督「その後の情報が入り次第また発表をする、それでは解散ッ!」

ーーー提督室ーーー

電「あのー…失礼します」

提督「おお、電か!随分と凛々しくなったな?」

電「えへへ……あのですね、落ち着いて聞いて欲しいのです」

提督「なんだ?言ってみろ」


提督「ふむ……明日あたりに黒逐ゼ級の事で深海棲艦が来るかもしれない…と」

電「はい、深海棲艦達がここに来たら皆混乱しちゃうと思うので…」

提督「混乱を防げ……という事だな?任せておけ」

電「本当ですか!?」

提督「ああ、俺もお前達に隠してある事があるし、ちょうど良かったよ」

電「…隠してる事…?」

提督「……明日あたりに話す、今日はもう寝ろ」

電「……分かったのです、明日必ず話してくださいね?」

提督「ああ…」

電「それじゃあ……失礼します」ガチャ










提督「本来なら、あの子達も知っておくべきだからな…」

提督が艦娘たちに隠している事とは!?
続く!!


お休みなさーい


ーーー翌日 鎮守府正面海域ーーー

装甲空母姫「ソロソロ、アノコトヲツタエルトキガキタワネ…」

南方棲鬼「思えば、ヲ級があの子達を助けた瞬間から、運命は決まっていたのかもね…」

ヲ級「ヲ~?」

南方棲鬼「ヲ級には内緒の話だからね」

ヲ級「ヲッ!」

装甲空母姫「モウスグチンジュフニツクワ……ミンナ、ヨウイハイイ?」

南方棲鬼「何時でも行ける」

ヲ級「ヲッ!」

南方棲鬼「すぅー…おっはよーございまぁーーす!!」

艦娘s「!?」

金剛「あ、あれは深海棲艦の中でもベリーグレェートな奴ネー!!」

霧島「な、何の用ですか!?まさかここを滅ぼす為に来たんですか!?」

南方棲鬼「違う違う!話をしに来ただけだから!」


球磨「お話(物理)はしたく無いクマー…」

南方棲鬼「物理じゃないから!!ちゃんと口から話すから!」

皐月「くっ……もうすぐ司令官からの通達があるというのに…」

提督「お前ら、落ち着け」

天龍「そうだぞ?そいつ等は話をしに来ただけなんだからよ」

皐月「あ、天龍さん!司令官!」

霧島「どういう事ですか!?話って!」

提督「……作戦会議室に来い、無論深海棲艦の者もだ」

金剛「What!?」

皐月「どういうつもりなのさ!?」

提督「……俺からもお前達に隠し続けていた事があるからな、深海棲艦の話と合わせて聞いてもらう」

電「お……遅れてごめんなさい!」

暁「司令官!深海棲艦の人たちは!?」

提督「ああ、ちゃんとここに居るよ」

電「そっか……司令官さん、約束通りに隠している事を話してください」

提督「作戦会議室で話す、皆はそこに集まるように」


ーーー作戦会議室ーーー

提督「皆、良く来てくれた」

南方棲鬼「今回は、脱皮した黒逐ゼ級の事について話すわ」

提督「しかしその前に、私から隠している事を話す」

電(来た……!)

金剛「一体何を隠しているんデスカー!?怒らないから正直に言ってくだサーイ!」

提督「ああ…皆は轟沈してしまった艦娘がどうなるか知っているか?」

暁「へ……?知らないわよ?」

雷「そのまま沈むんじゃないの?」

提督「実はな……沈んだ艦娘は深海棲艦になってしまうんだ」

暁「!?」

雷「えっ!?」

響「…!」

金剛「What!?」

皐月「じょ……冗談はよしてよ…」

提督「冗談なんかじゃないさ」

雷「嘘だッ!!!じゃあ私達が今まで沈めた深海棲艦は…皆元々私達と同じ存在……?」

電(……)

提督「悲しいけど、これ現実なのよね」

暁「そん……な…」ガクッ


電(……今までここに襲来して来た深海棲艦って……ここに戻りたかっただけなのかな…?)

響「……」

天龍「…なあ、そんな重大な事をなんで今まで話してくれなかったんだ?」

提督「……」

天龍(提督には提督の考えがある……今はそう考えるしかないか)

提督「…これから深海棲艦が話す事は、私がの隠し事を話したという前提のもとに成り立っている」

提督「故にこんな中途半端な状況で話す事になった、申し訳ない」

電「……包み隠さず…話してくれて、有り難う御座います」

雷「……」

提督「……では、深海棲艦の皆さん、脱皮した黒逐ゼ級について話してください」

南方棲鬼「……あの子も、元々あなた達と同じ艦娘だった…」

南方棲鬼「だけど今まで見た事のない形状に誰もが恐れを抱き、倒そうとする事は愚か撃退すらしてくれなかったの…」

電(今まで……拒絶されて生きて来たんだ…)

金剛「oh…」

南方棲鬼「でも、たとえ曲がり形だったとしても、第六駆逐隊の皆が自分と向き合ってくれた」

南方棲鬼「だから、今は第六駆逐隊の皆を信じて、沖ノ島海域の最深部に移動した」

南方棲鬼「ようやく…私を解放してくれる……その一心で第六駆逐隊の皆を待っている」

雷「……ペチペチ」

南方棲鬼「そこで、第六駆逐隊の皆にお願いがあるの…あの子を助けて…」

南方棲鬼「あの子を……お願いします」



雷「……分かったわ、私達に任せなさい」

電「その子を…助けてくるのです」

暁「…私だって…レディーだから…頑張らなくちゃダメよね…」

響「…助けてもらった恩があるしね、ここで返すよ」

南方棲鬼「皆……ありがとう」

皐月「…初めて聞いたときは信じられなかったけど、今落ち着いて考えると…事の辻褄が合っていた気がする」

天龍「言われてみれば…コイツ等、あたし達そっくりの奴も居るもんな」

ヲ級「ヲッ♪」

提督「あの子も…ただただ自分の居るべき所に戻りたかっただけだ……」

提督「幾多の空を廻り……海を亘る…」

提督「天を廻りて戻り来よ、海を亘りて戻り来よ…か…」

暁「司令官……」

提督「…あのは…天を廻り、海を亘りて戻り来る、艦娘なんだ」

提督「だから…あの子の事を、黒逐ゼ級改め海亘ゼ級と名付ける」

雷「海亘ゼ級……素敵な名前じゃない」

暁「絶対に……あの子を助けよう…!」

龍田「…私達も…出来るだけの事はやります」

天龍「第六駆逐隊だけとは言わず、俺達も着いてってやるよ」



電「ううん……私達だけで行かせて」

天龍「!?」

龍田「何言ってるのかな~?私達も着いてった方が良いと思うけどな~?」

天龍「……どういうつもりだ」

電「あの子には……私達だけで向き合いたいんです!」

雷「私達を待ってるんでしょ?だったら私達だけで向き合わなくちゃ」

暁「私だってもう、一人前のレディーなんだから!」

響「心配ご無用、何時ものように帰ってくるさ」

天龍「……」

提督「…ああ…行ってこい、私は何時ものように待っているからな」カタカタ

暁「…はい!」

電「……行ってきます!」


ーーー沖ノ島海域 最深部ーーー

沖ノ島の最深部に浮かぶ一つの小島、地面には金色の草が生えており、
黒逐ゼ級の時と同じ空模様が、ここに海亘ゼ級が待っている事を証明していた。
そこにたどり着いた第六駆逐隊。

電「海亘ゼ級って……どんな姿をしているのかな…」

暁「純白ってことは分かるんだけど…」

話していると、黒い瘴気のような物が一点に集まっていた。
それを外套のような翼が付いた翼腕を開き、吹き飛ばすは海亘ゼ級。

電「来た……」

響「うん…」

海亘ゼ級「……」

自らの信じていた存在が、ここまで来てくれた事をその眼で確認する海亘ゼ級。
海亘ゼ級の姿は四つん這いだった黒逐ゼ級の時とは違い、完全に二足歩行に進化していた。
早い話、艦娘に黒逐ゼ級の翼を着けただけである。

暁(奇麗…)

電「…約束通り、来たからね」

海亘ゼ級はその声に答えるが如く一気に飛翔し、そのまま翼を蝶の羽のように広げ、そのまま辺りを照らす。
電達は、その光景を眼に焼き付けていた。

響「……美しい」

電「……うん」



BGM:http://www.youtube.com/watch?v=mgTK2jffviY&list=SPldNgdLVBzhL8-7ERNhSh_1odiAfvX6PI

海亘ゼ級は急降下し、そのまま着地する。

暁「きゃあっ!?」

響「…随分と乱暴な出迎えだね…」

睨み合う第六駆逐隊と海亘ゼ級。

海亘ゼ級「ーーーー!!!」

海亘ゼ級は咆哮を上げた、第六駆逐隊もそれに応え臨戦態勢に入る。

電「……てぇっ!」

電は三連装魚雷を発射した、全ての弾はを的確に命中する。

海亘ゼ級「…!」ボッ

海亘ゼ級は手からウイルスの集合体の球を放つ、着弾地点からは当然の如くウイルスが散布する

電「くっ……前より強くなってる!」

暁「焦らないで!」

響「ふんっ!」ゴスッ

響は海亘ゼ級を碇で殴打するが、海亘ゼ級は全く気にしていない様子。

休みます、毎回毎回良いとこで止めてごめんなさい…


海亘ゼ級は暁を狙って、翼腕を叩き付ける。

暁「ひゃあっ!…見た目に似合わないわねぇ…」ブン!

暁は翼腕を叩き着けた時に生じた隙を逃さず碇を頭に叩き付ける。

海亘ゼ級「っ!?」

響「うわぁ……痛そう」

電「ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね?」

電は最近得意になって来たジャンプの勢いを利用した碇の叩き付けを浴びせようとするが、躱されてしまう


海亘ゼ級「ーー!!」ガシッ

電「ひゃあっ!?」

海亘ゼ級は右の翼腕で電を掴む。

電「た、助けて~!!」

響「電っ!!」

響は拘束された電を助けようとするが、もう片方の翼腕で蹴散らされてしまう。


響「うわぁっ!!」

暁「響っ!」

海亘ゼ級は掴んだ電を地面に何度も叩き付け、そのまま投げ捨てる

電「かはっ……」

雷「電っ!」ガシッ

雷は落ちて来た電を受け止める。

雷「大丈夫!?電!」

電「げほっ…な……なんとか…」

響「こっちが相手の注意を逸らす、電はその隙にもう一度攻撃を試みるんだ!」

電「分かった!」

響は海亘ゼ級の後ろに回り込む、海亘ゼ級は響の方に体を向けた

電「えいっ!!」

電は海亘ゼ級に生えている尻尾を引っ張って転ばす。

海亘ゼ級「!?」ズコッ

電「今なのです!」

電は転んだ海亘ゼ級の背中に乗り込む。


海亘ゼ級は電を振り落とそうと暴れる、当然の如く電もしがみつく。

暁「良いわよ!やっちゃえ!」

電に何度も殴打され、大きく転倒した海亘ゼ級。
ここぞとばかりに第六駆逐隊が攻め続ける。

海亘ゼ級「ーーーーー!!!!!」

激昂した海亘ゼ級は空を垂直に飛び上った後、
翼を蝶の羽のように展開し、小島一帯を包む程のウイルスを散蒔きながら咆哮を上げる。

響「…遂に本気を出したか!」

暁「皆気をつけるのよ!」

雷「了解!」

海亘ゼ級は両手でウイルスのエネルギーを凝縮した後、急膨張させて横方向に爆発を起こす。

暁「きゃあっ!!」

響「こいつは凄いな…!」

しかしそれだけでは終わらず、海亘ゼ級は矢継ぎ早にエネルギーを凝縮し、目の前に叩き付ける。
刹那、大規模な爆発が発生し、周囲に居た四人を吹き飛ばす。

雷「きゃぁっ!!」

暁「っ!」


しかしその攻撃には自らを傷付ける可能性が高い、正に諸刃の剣となり得る攻撃。

海亘ゼ級「ふぅ……ふぅ……」

大爆発の反動で、海亘ゼ級も深いダメージを負ってしまっている。

暁「痛たたた……皆大丈夫!?」

響「どうにかね……けどアイツもダメージを受けているようだ」

電「あともう少しかな…?」

雷「さ、もう一踏ん張りよ!」

海亘ゼ級「ーー!!」

海亘ゼ級はエネルギー弾状のウイルスを投げつける、着弾した後その場に留まり三方向に拡散する。

響「うっ!?」

暁「ちょ、そういうの止めて!」



海亘ゼ級は手から次々とエネルギー弾状のウイルスを生み出し、次々と投げつけて行く。

響「何であんなに沢山生み出せる!?」

暁「あたしが知りたいわよ!」

電「てぇっ!!」

海亘ゼ級「っ!」

電は碇で海亘ゼ級の足に叩き付ける、海亘ゼ級は大きく転倒してしまった。

暁「今よ!一斉攻撃!」ダダダ

響「食らえ!」ボッ

雷「ってー!!」

一斉攻撃を仕掛ける三人、再び海亘ゼ級に深いダメージを負わせた。
そこに砲台を持った電が…

電「……ずっと、苦しかったよね…」

海亘ゼ級に優しく語りかける。



電「誰にも見てもらえなくて…独りぼっちで…辛かったよね……」

海亘ゼ級「……」

電「自分を戻してくれる人を捜して……何年も旅して来たんだよね…」

暁「電…」

電「でももう大丈夫だよ、あなたには」





電「私達が着いて居るから!」

電は海亘ゼ級に向かい、渾身の一撃を放った。

ーーー


海亘ゼ級「…ーー…」ドサッ

渾身の一撃を受けた海亘ゼ級は地に倒れ臥した、
刹那、海の中のようだった空模様が一変し、太陽の光が小島一帯に照りつける。

電「はぁ…はぁ…」

響「……」

暁「……終わったのね…」

雷「……うん…」

電は倒れ臥した海亘ゼ級の体をそっと抱き上げる、
抱き上げられた海亘ゼ級の翼腕は照りつける太陽の光に混じって消滅した。
深海棲艦から、艦娘に戻った瞬間である。

電「大丈夫だよ……側に居るから…」

「……」





島風「……ありがとう……」



気がつくと、私は艦娘に戻っていた。
私はただ鎮守府に戻りたかっただけなのに、今まで出会った人たちは例外無くこちらに砲を向ける。



だけど、この子達は私に砲だけでなく、慈悲を向けてくれた……


ーーー横須賀鎮守府ーーー

響「……帰投したよ」

南方棲鬼「……お帰りなさい…ずっと信じてたんだから……」

装甲空母姫「ヨカッタ……」

ヲ級「ヲ~ッ!ヲッヲッヲッヲ~~!!」

天龍「……心配かけんじゃねぇよ!!俺がっ……どんだけこいつらに泣く所見られたと思ってんだよっ!」

龍田「天龍ちゃんが泣いてる所、可愛かったよ~?」

天龍「う、うるさい!」

提督「お前達……無事で何よりだった……」

雷「元気ないわねー?そんなんじゃダメよ!」

暁「せっかく電が新しい子を連れて来たのに!」

南方棲鬼「新しい子?どんな子なの?」

電「えへへ……紹介するね…この子が島風ちゃん……かつて海亘ゼ級だった物なんだ…」





島風「駆逐艦島風です!スピードになら誰にも負けません!早きこと島風の如し、です!」


おしまい。
まさかノープランでここまで来れるとは思ってなかった……
時間があれば続きも書こうかと思います、ではでは。

最後に凡ミス。
×電「えへへ……紹介するね…この子が島風ちゃん……かつて海亘ゼ級だった物なんだ…」
○電「えへへ……紹介するね…この子が島風ちゃん……かつて海亘ゼ級だった子なんだ…」

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