ぽぷら「ちっちゃくないよ」一方通行「あァン?」(273)

杏子「ここが私の店だ」

杏子「正直人手は足りてるからわざわざ新しく雇う必要ないんだが」

杏子「愛穂の頼みじゃ断るわけにはいかないからな」

一方(黄泉川の野郎ォ…! 何がフツーの社会経験をつめだァ?)

一方(この俺、一方通行にバイトしろだとォ…!?)

杏子「心配するな。ここのバイトにはまともな奴はいない」

杏子「お前含めて」

一方「それが初対面の相手に対して言う言葉かァ!?」

 ガラッ

杏子「とりあえずここが更衣室な」

杏子「お前のロッカーはあっち」

一方「…まだこっちが承諾してもねェのに話進めンなよなァ」

杏子「ここに来た時点ですでに採用決定だ」

一方「チッ」

杏子「お前料理とかできなそーだから接客担当な」

一方「…余計なお世話だ」

杏子「今の時間は暇だから、とりあえずシフト入ってる小鳥遊と種島に仕事とかは教えてもらえ」

杏子「あたしよく知らないし」

一方「…テメェ本当に店長か」

杏子「ところでお前」チラッ(履歴書)

杏子「…名前何て読むんだ?」

一方「アクセラレータだ」

杏子(一方通行って書いてアクセラレータ?)

杏子(まあいいか。最近変わった名前多いし)

《とりあえず着替えた》

―休憩室

一方「何だよォ。このダセェ制服はよォ?」

一方「…やっぱそこの窓からにげるかァ」チラ

 カタン

ぽぷら「あ、君が新人さんの…」

ぽぷら「えーと、せくはら・れいたくんだねっ!」ニコッ

一方(なん…だと…)

ぽぷら「私は種島ぽぷらっていうの。君の先輩さんだよっ」エッヘン

一方「おい」

ぽぷら「ん? 何かなせくはらくん?」

一方「ちょっとこっち来い」クイ

トットットッ

ぽぷら「来たよ?」

一方「…」ガシッ(髪の毛)

ぽぷら「へっ!?」

一方「…」ナデナデ

ぽぷら(す、すごく気持ちいいなでなで…)ホワアア

ぽぷら(かたなしくんと同じくらい…!)ホクホク

一方「この店は小学生働かせてンのかァ?」ナデナデ

一方「労基法違反だろうがァ?」ナデナデ

ぽぷら「し、小学生じゃないもんっ!!」ムッ

ぽぷら「私そんなにちっちゃくないもんっ!!」

一方「あァン?」ナデナデ

ぽぷら「それにせくはらくん!」

ぽぷら「先輩に向かってちょっと言葉づかいがよくないよ!」

一方「…」ナデナデ

一方「ベクトル変換」シュパッ

ぽぷら「うわ~んかたなしくーんっ!!」タタタタ

小鳥遊「どうしたんですか先輩!? …そのアフロヘアーは…」

小鳥遊「また調理場の佐藤さんにイタズラされたんですね…」

ぽぷら「違うの~」ウエーン

ぽぷら「今日入って来た新人の子にされたの~」

一方「あ? 何だァそこの三下はァ?」ザッ

小鳥遊(この人が一方通行さん…)

小鳥遊(ていうか先輩バイトに向かっていきなり三下って)イラッ

小鳥遊(店長どこの不良連れて来たんですか…!?)

小鳥遊「それよりあなた…!」

一方「あン?」

小鳥遊「その目つきだけで分かりました…!」

小鳥遊「あなた、ロリコンですねッ!!」キリッ

杏子「…お前が言うな」ムシャムシャ

ぽぷら「あ、杏子さん」

杏子「まあ、こんな奴だが面倒見てやってくれ」

小鳥遊「ちょっ!?」

杏子「伊波のついでだと思えば何とかなるだろ」

小鳥遊「伊波さんだけでも手一杯ですよッ!!」

ぽぷら「それより私の頭直してよ~」エーン

一方「…仕方ねェな」スッ シュウン

ぽぷら「よかったあ! 元に戻ったよ!!」ワーイ

小鳥遊「ちょ…い、今のは一体…ッ!?」

杏子「こいつ手品が上手いんだ。まああまり気にするな」

小鳥遊「て、手品…?」

一方(…上手いこと言いやがるじゃねェか)

杏子「腹減ったから調理場行ってくる」タタタ

小鳥遊「あ、…店長ッ」

杏子「しっかり仕事教えてやれよ」

杏子(もうじき八千代も来る頃か)

杏子(あいつがいないと自分で食いものを取りに行かなきゃならんから面倒だ)

小鳥遊(まったく仕方ないなあ…)

小鳥遊「じゃあ一方さん、接客の仕方とか備品の扱いとか教えますんで…」

一方「だが断る」

小鳥遊「聞けよッ!?」

ぽぷら「そうだよせくはらくん。私も教えてあげるから」

一方「…仕方ねェなァ」

小鳥遊(こ、この人って人はァ…!)ピリピリ

小鳥遊「言っておきますけどね…!!」

一方「ンだよ」

小鳥遊「先輩は見た目は小さいけど一応高校生なんですよ!!」

一方「はァ? ンなわけねェだろ? 飛び級か?」

ぽぷら「だからちっちゃくないよ!?」ピョンピョン

小鳥遊「いいえ! 正真正銘、17歳の高校2年生ですッ!!」

一方「…!」ガクブル

一方「お、あ、……アアアア」ガタガタ

一方「木ィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン」ズガガガガ

小鳥遊・ぽぷら「「誰!?」」

―10分後

ぽぷら「もう、ダメだよせくはらくん…!」

ぽぷら「いきなり暴れたりしちゃ」メッ

一方「悪ィ悪ィ…反省はしている」シュン

小鳥遊「…バイト初日から備品25点を壊して始末書とは…」

小鳥遊「山田並みの無能さじゃないですか…!」

山田「山田、呼ばれた気がしたので降りてきました…!」ヒョコ

小鳥遊「なんだ山田ァ、お前いたのか」

山田「はい、シフト入ってたんですが忘れてましたっ」キリッ

小鳥遊「仕事しろ」イラッ

一方「使えねェ奴だな」ナデナデ

小鳥遊「アンタが言うな」

ぽぷら「もう~。なでないでよせくはらくん~」プンプン

山田「種島さんばかりなでられてずるいです…!」ムッ

山田「新人さん! 小さくて可愛い山田のこともなでてあげてください…!」

一方「はァ」ジー

山田「…」キラキラ

一方「山田ァ…てめェはダメだ」

山田「何でですかッ!?」ガーン

相馬「山田さんは彼の守備範囲からは微妙にずれてるみたいだね」ニコニコ

小鳥遊「そ、相馬さん!? いつの間に…!?」ビクッ

一方(何だァこいつ? 海原みてェにニヤニヤしてて気持ち悪ィな)

ぽぷら「相馬さん、今日はお休みじゃなかったっけ?」

相馬「そのはずだったんだけど…」

相馬「面白そうな匂いを感じてつい来ちゃったんだあ」

相馬(…ちょっと人の手を借りてね)ニヤ

山田「相馬さん。代わりに不憫な山田をなでてくださいっ…!」

相馬「ごめんね山田さん。すぐに調理場に行って佐藤君を手伝わなきゃいけないんだ~」

相馬「店長のために作るので忙しそうだったからw」タタタ

八千代「あ、みんなこんにちは~」カラン

ぽぷら「あ、八千代さんこんにちは~」

小鳥遊「まだシフトの時間じゃないのにずいぶん早いですね」

八千代「私がいない間に杏子さんがおなかをすかせてるんじゃないかって心配で心配で…」

八千代「だから急いできたのよ~」

小鳥遊「そ、そうでしたか…」アイカワラズダナー

一方(なるほど。あの店長の言った通り、まともな奴がいねェな)

八千代「あなたが新入りさんですね」

一方「…あ、あァ」

八千代「お客さんが来たらばっちり接客できるよう皆でフォローしますから」

八千代「安心してくださいね…!」ニコッ

一方(この女は…問題外だな)

―――

佐藤「お前も暇だな、相馬」ジュウウウウ

相馬「いや~、でもこれから本当に面白いことが起こりそうだからね」ウキウキ

杏子「…」パクパク

佐藤「その新入りってのはそんなに面白い奴なのか?」シャカシャカ

相馬「う~ん、いろんな意味で、すごいよ、彼」ニコニコ

杏子「相馬。何か知っててもあまりしゃべるなよ」パクパク

杏子「面倒だから」パクパク

佐藤「俺は別に仕事さえちゃんとやってくれればどうでもいいが」トトトト

相馬「安心してよ、佐藤君。君は何も悩む必要はないからね」

相馬「小鳥遊くんはいろいろ大変だろうけどw」

佐藤「は?」グツグツ

相馬「それよりも僕は彼と伊波さんとのファーストコンタクトがどうなるのか――」

相馬「今から気になってしかたないね」

杏子「あ、…確かに、ちょっとヤバいな」パクパク

佐藤「だな。初対面だと警戒できないから出会い頭に…やられるな」シュワー

相馬・杏子((普通ならそうなんだけど…))

八千代「杏子さ~ん」タッ

杏子「お、早いな八千代」

八千代「大丈夫、杏子さん?」

八千代「佐藤君に、ちゃんとご飯食べさせてもらえた?」

杏子「ああ、一応な」パクパク

佐藤「全部店の食いものだけどな」シャシャシャシャ

相馬「どう、八千代さん。 一方くんの方は上手くいってる?」

八千代「ええ、彼すごいのよ!」

八千代「すごく計算が早くてレジ打ちなんて機械がいらないくらいなの!」

八千代「その上お掃除も“手品”をつかってあっという間に終わらせちゃうし…!」

八千代「新人さんとは思えないくらい便りになるわぁ」

相馬(だろうね~)

佐藤「…」

八千代「ただ、接客をするのにはちょっと言葉づかいが気になるかなあって…」

杏子「だろうな」

杏子「佐藤、パフェおかわり」

佐藤(…一体どんな奴だ。全く想像できん)ホラヨ

―――

小鳥遊「…驚きましたよ」

小鳥遊「普通にめちゃくちゃ仕事できるじゃないですか」

一方「当たりめェだろ。俺を誰だと思ってンだ」

ぽぷら「でもその口調で接客しちゃダメだよ…!」

一方「ンなこと分かってらァ」

山田「山田の教え方がいいから後輩がしっかり仕事できるのです」

山田「というわけで山田は一方さんに仕事を任せてサボります…!」

小鳥遊「山田、お前はトイレ掃除でもやってろ」

山田「ひどいです小鳥遊さんっ!」

 カラン

ぽぷら「あ、お客さんが来たよ!!」

八千代「それじゃ、がんばってね一方くん…!」

小鳥遊「しゃべり方には気をつけろよ」

一方「分かってらァ」コツ コツ

一方「い、…いらっしゃいませェ」ニターリ

麦野「」

フレンダ「」

滝壺「……」

絹旗「」



一方「」

麦野(…ブラクラを見ちまったようね)クラクラ

フレンダ「うわあ」

滝壺(……)

絹旗「超悪魔の微笑みです」ガクブル

山田「一方さんの顔超キモイです」

相馬「このシチュだと、むしろ一方くんが女装して百合子さんになってた方が、」

相馬「よりインパクトあったんじゃないかな?」←心の声

杏子「聞こえてるぞ、相馬」パクパク

麦野「解散!」

クルッ ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ぽぷら「あっ!? お、お客さあああんっ!!?」

一方「ま、待ちやがれ第四位ィィィィ!! とその他3名!!」

山田「…逃げられちゃいましたね」

小鳥遊「お前ぇぇ…!! お客さんを追い返してどうするッ!?」ギロッ

一方「あいつらが勝手に逃げたンだろォーがよッ!!」

八千代「ところで、第四位…って? 知り合いなの?」

八千代「お友達って雰囲気じゃなかったけど」

一方「ただ知ってるだけだ」

一方「それにあいつらは、店に入ってロクに注文もせずに長時間居座るようなメーワクな連中だ」

一方「むしろ入って来ねェで良かったというべきだな」

ぽぷら「へぇ~そうなんだあ」

八千代「そういえばたまにいるわよねえ、そういう人たち」

小鳥遊「まあ、一方さんがそういうなら今回は見逃すけど…」

小鳥遊「今後はお客さんとのトラブルとかは止めてくださいよマジで」

小鳥遊「今回は他に客がいなかったからいいけど、客がいたらお店の印象にもかかわりますからね」

一方「分かりましたよォ、…小鳥遊サン」

 カラン

山田「またお客さんです!」

ぽぷら「頑張ってせくはらくん! リベンジだよ」

一方(今度はちゃんとこなさねェとな!…学園都市最強のレベル5としてよォ…!)

一方(ほっ…今度は見知らぬ連中だな)スタスタ

黒子「確かになかなかお洒落なお店ですわね」キョロキョロ

佐天「でしょう?」

佐天「前に友達と来たときにこのお店気に入ったんで、そのうち皆で行こうって思ってたんですよ」

初春「ウェイトレスさんの制服も可愛いですね~」

ゴミがいなくて安心

一方「いらっしゃいませェ」

一方「お、おタバコはお吸いになりますかァ…」

佐天「え…? いや、吸わないですけど…」

黒子(ていうか、私達制服なんですけど…)

初春(? 緊張してるのかなあ…)

一方「そ、そうですかァ…では、お好きな席へどうぞォ」

>>61 予め謝っとくわ。ごめん。

佐天「どこにしよっか?」

初春「窓際の方がいいんじゃないんですか?」

黒子「そうですわね。後でお姉さまが来た時に外からでもすぐ分かりますし」

八千代「お冷やとおしぼりをどうぞ」

佐天「え”」(※前来た時には八千代を見ていない)

初春「あ、どうも~」ニコニコ

黒子「結構お手ごろな価格設定ですの」パラパラ

一方「あァと、…それではァご注文がお決まりになったらまた声かけてくだサィ」ペコ

一方(この俺が三下相手に頭下げるだとォ…!? コン畜生がァァァ!!)スタスタ

ぽぷら「初めてなのに上手にできたね、せくはらくん!」グッジョブ

八千代「ちょっと訛りみたいなのが残ってるけど、これくらいなら大丈夫よ」

一方「ッたり前だろうがァ。なめンじゃねェよ」

山田「山田の華麗な接客に比べれば大したことないです!」

一方「テメェは便所掃除でもしてろ」ギロッ

山田「一方さんまで…!? 山田、可哀そう…!!」

佐天(皆気にしてないのかな…? あの女の人の腰のカタナに…)ゾク

小鳥遊(どうして誰も突っ込まないんだ…ッ!? あの頭の上の謎の花に…!!)ウズウズ

―――

佐藤「あれが一方とかいう奴か」チラッ

相馬「そうだよ♪」

佐藤「…マジシャンには見えんが」

相馬「見た目はね」

佐藤「細い奴だな。体力とか大丈夫か」

相馬「このお店ぐらい軽々とスライドされられると思うよ」

佐藤「真面目に答えろ」

杏子「そろそろ客も増えるし、もうじき伊波がやって来る」パクパク

杏子「おい佐藤、何とかしろ」

佐藤「俺にどうしろと」

佐藤「伊波のあれは…まあ不可抗力だろ」

佐藤「ここでバイトしてる男は大体一度はやられてる」

佐藤「洗礼ってことであきらめてもらえ」

杏子「洗礼か。確かに伊波にも洗礼は必要かもな」パクパク

相馬「自分で痛みを知ることでしか、その危険さを理解できないもんね」

佐藤「…お前らの言ってることがよくわからないんだが」

杏子「そういえば佐藤。何気にお前が伊波に殴られたとこ見たことないぞ」

相馬「そういえば…そうだね」ニヤリ

佐藤「」ギクリ

杏子「お前、一方が殴られそうになったら伊波の前に飛び出して代わりに殴られろ」

相馬「大丈夫、減るもんじゃないし」

佐藤「俺を殺す気か」

―――店の近く

美琴「え~と…佐天さんが言ってたワグナリアってのは、確かこの辺のはず」キョロキョロ

「ワグナリア? ひょっとしてこの近くのファミレスのこと探してます?」

美琴「え、あ、…はい…そうですけど」

美琴「あなたは…?」

伊波「私、そこのお店でバイトしてて、今から向かうところなんですよ」

伊波「良かったら一緒に行きませんか?」

美琴「ちょうど良かったです! 助かります~」

伊波「じゃ、行きましょうか」テクテク

伊波「中学生…ですか?」

美琴「あ、はい中2です」

美琴「今日は友達4人でそちらのお店に行こうって言ってて」

美琴「で、3人はもう店にいると思います」

伊波「そうかあ…中学生かあ…。私は高2なんだけど…」チラッ

伊波(…この子とは3歳も年の差があるのに)

伊波(胸の方はほとんど変わらない…かあ)ハア…

美琴(勝った…ッ! ッて言うほど差はないわね…)

美琴(ていうか逆に、高2でもあれくらいの人もいるってことに将来への憂慮を感じるわ)

伊波・美琴「「はああ…」」



「そこの嬢ちゃん達もワグナリアって店に向かってんのか?」ザッ

ぽぷら「ちっちゃくないよ!

一方「あぁん?・・・ッ!キッツキツじゃねぇか!でも抜かねぇぜ?俺のちんぽも一方通行だからなァ!!

みたいなのをだな

伊波・美琴「「え?」」

木原「おじさんもその店探しててさあ。ちょっと道案内してもらえ(ry」

伊波「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ブゥォォォォォォン

     ドゴンッ―――!!!

木原「か、はァ………………ッ」フラリ

     ドサッ

美琴「」ポカーン

女は膣内動かしてキュキュキュって搾り取れるってフクダーダが言ってた

伊波「―」ハア ハア ハア …ハッ

伊波「ご、ごめんなさい…!!」オロオロ

伊波「わ、私、男性恐怖症で、その…男の人が近づいてきたら…つい反射的に殴ってしまって…」

美琴「と、とにかく応急処置を…!」

木原「だ、大丈夫だ……」ハアハア

木原「こ、これでも体は鍛えてる方だからな、」ヨッコラセ

木原(…驚いたぜ、まさかこんな華奢なお嬢ちゃんにぶっ倒されちまうとは)スー ハー

伊波「ほ、本当に大丈夫ですか?」

木原「ああ、もう大丈夫だ。心配ねえ」

美琴「ワグナリアに向かってたってことは、おじさんもあそこで食事に…ですか?」

木原「いや、そこで食うつもりはねえんだが」

木原「部下の連中がよ、あそこの料理は上手いって言ってたからな」

木原「ちっとばかり持ち帰りで、あいつらに差し入れしてやろうと思ってな」ポリポリ

美琴「そうだったんですか~」

伊波「お客様を殴ったりしちゃって、本当にごめんなさい!!」

木原「いいっていいって。その代わり、案内してもらえるかな?」

木原「ちゃんと、距離あけて付いてくからさ」

伊波「あ、ありがとうございますっ!!」ペコペコ 

伊波「それではお二人とも、こちらです」テクテク

美琴(…さっきのパンチ、まったく軌道を捉えられなかった)

美琴(…あんなパンチ、相当小さいころから体を鍛え上げてない限り繰り出せるはずがない)

美琴(そんなに強いのに…なんで男性恐怖症?)

木原(さっきのこの子の鉄拳…ありゃもはや人間業じゃねえな…)

木原(かと言って能力者ってわけでもないみてえだ)

木原(…俺が長い年月をかけて編み出した、“アイツ”を倒すことができる究極奥義『木原神拳』)

木原(あるいはこの子ならば…! その奥義を受け継ぐことができるかもしれない…!)

―――ワグナリア

黒子「お姉さま遅いですわね~」

佐天「メールしてみたらどうです?」

黒子「さっき『もうすぐ着くから』って連絡があったばかりですのよ」

初春「もうすぐ着くのなら取りあえず先に私達の分は注文しておきましょうよ~」ウズウズ

佐天「まったく初春は食い意地が張ってるなァ」ニヤ

初春「そ、そういうわけじゃないですよ…///」

黒子「まあどの道もうすぐお越しになるでしょうし、お先に注文させてもらいますか」

佐天「すいませーん」

一方「はァい」スタスタ

一方「注文はお決まりでしょうかァ?」

初春「え、えっとですね、私はこの…」

カラン

小鳥遊「いらっしゃいま…ひィッ!?」ビクッ

美琴「―」ビリビリビリビリ

 スッ(コイントス)

 ドキュ―――――――――〈超電磁砲〉――――――――――――――――――ン!!!!!!!

一同「」

一方「あン!?」シュパーン

キュオオオオオン(ベクトル変換により反射、誰もいない屋根にレールガンを放射)

ド―――――――――――ン(屋根、吹っ飛ぶ。犠牲者なし、山田のねぐらは消失)

シュウウウウウウウウウウウウウウ

一方(危ねェ危ねェ…危うく店が吹っ飛ぶトコだったじゃねェか)

一方「なあ? オリジナルよォ」ニッ

美琴「…私の友達から、離れろ」ギリッ

相馬「日光浴には最適な空間になったね」ニコニコ

杏子「つーか何かヤバいな」パクパク

八千代「はい杏子さん、あ~ん」

佐藤「お前ら少しは動揺しろよ」ガクブル

黒子「お、お姉…さま…?」ポカーン

佐天「み、御坂さん…?」ポカーン

初春「…ど、どうし…て…」ポカーン

美琴「どうして貴様は、私の大切なものばかり奪おうとするのよ…ッ!?」ウルウル

一方「…何か、勘違いしてねェか?」

一方「俺はここでな、ちょっと事情があってバイトしてんだよォ」

一方「さっきからな」

一方「つうわけで、俺は店員、こいつらは客」

一方「店員が客の注文を聞いて何が悪いってンだ?」

美琴「嘘よ」キッ

美琴「私の知ってる一方通行は、こんなところでおとなしくバイトなんかする輩じゃないッ!!」

美琴「何を企んでいるのッ!?」ギロッ

一方(聞く耳持たず…か)

一方(…まァ、コイツが俺の言うことなんざァまともに聞くわけねェか)

杏子「痴話喧嘩か?」パクパク

八千代「痴情のもつれっていうのかしらね、こういうの」アラアラ

相馬「他にお客さんがいなくて良かったね♪」

佐藤「俺早退していいか」ガクブル

小鳥遊「…ま、待ってくださいお客さんッ!!」

小鳥遊「よ、よく分かりませんが…」

小鳥遊「うちの一方通行が、何かあなたに対して非礼な行いをしたというのなら…」

小鳥遊「その責任はこのワグナリア全体にあります」キッ

小鳥遊「だから、僕が代表して謝罪させていただきますッ!!」

小鳥遊「申し訳ありませんでしたッ!!!」ペコリ

美琴「…」

ぽぷら「かたなしくん…」

小鳥遊「この僕に免じて、この場はどうか静粛にしていただけませんでしょうか…?」

小鳥遊「勿論、彼に対しては今後厳しく指導していきますので…!」

美琴「あなたたちは…知らないのね」

美琴「そこにいる第一位が、どれほど残酷な人間であるかを…!!」ギリッ

一方「…」

杏子(あちゃー…)

相馬(大変な事態になったね)ゴクリ

他一同「…??」



山田「殺伐とした修羅場に、山田登場っ!!」バッ

(山田、単身でにらみ合う両者の中間地点に颯爽と躍り出る)

山田「山田、ケンカは良くないと思います!」

山田「そこで、提案があります」

山田「天使のような山田がお二人の愛のキューピッドになって、仲人役を駆って出ます!」

山田「ですから2人とも、山田の頭をなでなでして、きれいさっぱり仲直りしてくださいッ!!」

山田「そして、天に召されて逝った哀れなデイジーにきちんと謝ってください…!!!」ウウッ

美琴「邪魔よ」ギロッ

一方「失せろ」ギロッ

山田「ひっ!!?」ビクッ

山田「山田、邪魔なので失せます…ッ!!」ダダダ

山田「相馬さ~んっ!」バッ

相馬「よしよ~し、怖かったねえ」(抱っこ)

山田「山田、自分の無力さを痛感しました…」ウウッ

山田「――奇跡も魔法も、ないんですね」ガッカリ

相馬「ダメだよ山田さん、そんなこと言ったら杏子ちゃんが泣いちゃうよ」ヨシヨシ

杏子「は?」

八千代(相馬くんが杏子さんをちゃん付け…!? 一体いつからそんなに親しい間柄に…!?)

佐藤(もう何も怖くねえ…)イガイタイ

ぽぷら「待って! お客さん!!」

美琴「うるさいわねッ」キッ

美琴「コイツが悪魔のような血も涙もない人間だってことは私が一番良く知っているわ」

美琴「たった1日コイツとつきあってただけで、何が分かるってのよッ!?」ポタポタ
黒子「お姉さま…」

一方「どうとでも言え。お前の言うとおり、…俺は悪魔だ。最低のクズ野郎だ…!」グッ

ぽぷら「そんなことないよ!!」

小鳥遊「先輩…」

ぽぷら「確かに、私達がせくはらくんと出会ったのはたった数時間前のことだよ…」

ぽぷら「あなたの知っているせくはらくんの過去に比べれば、私達が知っているのはそのほんの一面だけだと思う」

美琴「…」

一方「…」

ぽぷら「だけど、そのほんの一面っていうのはね」

ぽぷら「…不器用で、自分勝手で、ちょっぴり怖いけど」

ぽぷら「本当はやさしい心をちゃあんと持ってる、血の通った人間だったよ」

一方「……………、種島…」

ぽぷら「…だから」グスッ

ぽぷら「お願い、もう傷つけあうのは止めてよぅ」ウワーンウワーン

小鳥遊(こ、こんなこと考えてる場合じゃないのに…!!)

小鳥遊(泣いてる先輩もとてつもなく可愛いですッ!!!!!)ウワアアアアアアア




美琴「…ごめんなさい」

美琴「あなたが言ってることが真実だとしても…!!」ウルウル

美琴「コイツを前にして私は…!!」ポタポタ

美琴「自分を抑えることができないのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ビババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ

一方「テメェ」ギン

一方「よくも種島を泣かせやがったなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

小鳥遊「先輩危ないッ!!」ガシッ ダダダダダダダダダダダダダダダダダ

佐藤「さすがにやばいだろ! 俺達も逃げるぞ!」シーン

佐藤「誰もいない…だと…」ポツーン

佐藤「…俺の人生もこれで終わりってことか」ガクリ

佐藤「もう遺書書いてる暇もねえな」イップク




佐藤「…好きだったぜ、八千代」

黒子「そのひと言は」シュタッ

佐藤「お、お前…ッ!?」 

黒子「直接本人の前で言ってやりなさいな」ニッ

佐藤「…まだ、三途の川は渡ってないよな」ゴシゴシ

黒子「無論、この世でですわよ…ッ!」ガシッ


シュタッ \ドッカ―――――――――――――ン/ ゴオオオオオオオオオオオオオ


(調理場、殲☆滅)

―――安全な場所

杏子「おー佐藤、遅かったな」パクパク

八千代「はい杏子さん、あ~ん」

山田「佐藤さん、どうしたんですか!? そんな死にそうな顔して」

相馬「無事で何よりだよ♪」

佐藤「テメェらいつか必ずコロス」

ぽぷら「私の言葉は…2人には届かなかったのかな」ウウッ

小鳥遊「…届いたからこそ、2人は戦わざるを得なくなった」

小鳥遊「そう僕は思います。自分を責めないでください、先輩」

ぽぷら「かたなしくぅぅん…」ウエ~ン

小鳥遊(ああ、先輩。小さくて可愛い~)ギュッ

佐天「御坂さんのあんなに思いつめた顔、始めて見た…」

初春「間もなく応援の風紀委員とアンチスキルが到着します」

初春「ただ、レベル5同士の戦闘であるため、お店の無事は…保証できません…」

音尾「…ですよねえ」ガクリ

山田「あ! おとおさ~ん(はあと)」

杏子「おお、音尾、久しぶりだな」

音尾「ちょうど今戻って来たところなんですが…店のほうは…」

杏子「形あるものはいつかは壊れるものだ。あきらめろ」

音尾「―」ガックリ

黒子「ところで店の中にいた店員はこれで全部ですの?」

小鳥遊「ええ、そのはずですが…」

相馬「さすがにここまで来て、実は松本さんが店の中に潜んでいたっていう展開はきついからね」

佐藤「お前が言うとメタな発言がメタに聞こえないから困る」

八千代「ああっ!?」

杏子「どうした八千代」

八千代「そういえば、ちょうどまひるちゃんがシフトに入る時間だわ!!」

八千代「もしかしたら更衣室にいて見つからなかったのかも…!」

黒子「了解ですわ。早急に調べてきますの」シュッ

佐天「大丈夫かな、白井さん…」

初春「大丈夫ですよ、白井さんですから」

杏子「そういや伊波ってキャラもいたな」

小鳥遊「あんまり出番が少ないのですっかり忘れてました」

小鳥遊「ていうかもともと彼女は飼い主にかみつく飼い犬であって、それ以上でもそれ以下でもありませんが」ソワソワ

佐藤「でも心配なんだろ」

相馬「小鳥遊く~ん、体は正直なんだよ~」

小鳥遊「そ、そんなわけ…」

ぽぷら「でも、放っておけないんだよね」

小鳥遊「せ、先輩…」

ぽぷら「行ってあげなよ、かたなしくん」ポン

小鳥遊「先輩…!!」キッ

小鳥遊「行ってきます!」ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

初春「ま、待ってくださいッ!? 危険ですよ!!」アタフタ

小鳥遊「風紀委員さん…!」クルッ



小鳥遊「あなたの頭の上、お花畑じゃないですかあああああああああああああああああ」



ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

初春「?????」キョトン

相馬「見事にフラグを回収していったね」クスクス

初春「フラグ、ですか?」キョトン

佐天「…あたしはもう回収しないでいいや」ヤレヤレ

八千代「どうしたの?」

山田「今度建てるお店には、ちゃんと山田専用の部屋も作ってください!」ワクワク

音尾「それよりも今は保険が降りるかどうか心配で心配で…」ウウッ

佐藤(今月分の給料がちゃんと払ってもらえるかなんて聞ける状況じゃないな…)

杏子(もし小鳥遊が死んだらあいつの妹を使えばいいな。人件費削れるし)

―――廃墟と化す寸前のワグナリア

美琴「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

一方「無駄だつってンだろォがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

美琴(ダメだ…私にはやっぱり、コイツの能力を打ち破ることなんてできない…ッ)グッ

美琴(コイツを…)

美琴(この、最強の能力者を倒すことなんて)

美琴(アイツくらいにしかできやしないんだ…)ウルウル

一方「こっから先は(出口へ)一方通行だッ!」グオン

一方「シミッたれたプライド何ざかなぐり捨てて―」

一方「―とっとと元の居場所へ帰りやがれェ!!」

一方(もう帰れ、オリジナル。…あいつらの元によォ)

一方(そっちから帰ってくれねェと…俺も引っ込みが利かねェンだよ…!)




「おい」ザッ

一方・美琴「!」

木原「さっきから客がレジで待ってるっつーのに―」ニヤリ

木原「挨拶もできねェのか?」グッ

木原「店員さんよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

  
              ドゴッ


一方「がッ…!!」

ヒュルルルルルルルルルルルルルル(店員専用出入り口の方へ投げ出された一方通行)

―そして、すべては全く同じタイミングで発生した

ガタン

伊波「遅れてすいません~! ちょっとトイレ行ってて…って!!?」

伊波「ひィ!?」

伊波「男おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ブウォン

美琴「危ないッ!!(店員さんが)」

木原「やめろーッ!!(殴るのを)」

黒子「見つけましたわっ!!(伊波の目の前へ空間転移)」(※最初に調理場跡に転移して更衣室を探したため伊波の発見が遅れた)

小鳥遊「危なぁぁぁぁいッ!!(一方通行が)」(とりあえず伊波の元へつっこむ)

   ゴツン      グシャッ     ガスッ     ドサッ     バタッ

 

   シュ―――――――――――


美琴「な、にが起きたの…!?」

木原「3人が、…倒れた」

木原「そして、一人だけが、…無傷で残った」

木原「ただ、それだけのことだ」フゥ

伊波「…え?」

伊波「ごごごごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!!????」

小鳥遊「」チーン

黒子「」チーン

一方「」チーン

相馬「説明しよう!」シュッ

美琴「なっ!? あんたは…!」

木原「その服装からしてこの店の店員…だな」

相馬「その通りさ、察しがいいね♪」

美琴「ていうかなんでただの店員が虚空から姿を現すわけッ!?」

木原「能力者か?」




「私が運んで来たのよ」スタッ

美琴「そ、その声はッ…!!」

結標「…また会ったわね、超電磁砲の御坂美琴」ニヤリ

木原「ここまで来て新キャラ投入かよッ!?」

相馬「ご心配なく。結標さんの表立った仕事シーンはこれが最初で最後だからね」

相馬(実を言うと、僕の初登場時も、彼女が影で『座標移動』を使ってくれたんだ)

相馬(だからいきなり、何の前触れもなく僕が登場したんだよ)

相馬(あの時点で気付けた人がいたら、実に察しがいいと思うな)

相馬「結標さんも、お客のフリをして店に入ったらよかったのにね」ニコニコ

結標「…その必要はなかったわ」

結標「だってこのお店には、私が興味をそそられそうな男の子なんて一人もいなかったもの…!!」キリッ

一同(…ショタコン乙)

結標「ちなみに、調理場にいた人間のうち、金髪以外を移動させたのも私よ」

結標「白井さんの能力では、あの短時間に全員を退避させるのは不可能だったからね」

結標「レベル5の2人が暴走した瞬間に、白井さんはまず直近の友人2人をすぐさま瞬間移動で安全な場所へ送り―」

結標「―すぐに戻ってきてエントランスから脱出した従業員2人を保護」

結標「更に今度は調理場へ転移して、最後の一人と思われた金髪を保護した」

結標「…まあ、お手洗いに行っていたあなたのことを見落としちゃったのが、彼女の最大の失策だったわね」チラッ

伊波「は、はあ…///」タジッ

結標「正直私の見せ場が少なすぎるのは納得いかないけど…」

結標「まあ、目の前で白井さんが無様にぶっ倒れる光景が見れたから良しとするわ」ウフフ

美琴「な、なんであんたがワグナリアの一店員と関わりがあるのよッ!?」

結標「むしろ逆ね。彼が関わりがあるのよ…あの人とも、ね」

木原(…そういうことか)ニッ

美琴「どういう意味よ?」



相馬「結標さん。おしゃべりはこの辺までにしてもらえるかな?」ニヤリ

結標「…わかったわ。ごきげんよう」シュッ

美琴「何よ…煮え切らないわね」ムスッ

木原「―お嬢ちゃんは、知らない方がいい世界の話だ」

伊波「あの~、私だけ置いてきぼりなんですけど…」タイキチュウ

相馬「あ、ごめんね伊波さん、それじゃあさっき何があったか説明するよ♪」

晩飯食ってくるんで保守お願できますか?
30分程度で戻りますんで

相馬「保守してくれてありがとう♪ それでは再開するよ」

相馬「まずは先に倒れた2人から」

相馬「伊波さんの目の前に突っ込んできた小鳥遊くんの目の前に、ぎりぎり重ならない座標軸で空間転移してきた白井さん」

相馬「そのまま2人は伊波さんの目の前で、おでことおでこがゴッツンコ♪」

相馬「その直後に伸びてきた伊波さんの拳が2人の頬骨を直撃してグシャリ!」

相馬「左右にはじき飛ばされた2人はドサッと落ちた」

伊波「???」←記憶なし

美琴「え、それじゃあ…?」

木原「一方通行は何で嬢ちゃんの前で倒れてんだ…?」

木原「俺が一発ぶったとはいえ、あの程度で気絶するほどヤワな奴じゃねえだろ」

相馬「勿論一方くんをKOしたのも、他でもない、伊波さんだよ♪」

美琴・木原「「ええッ!?」」

相馬「2人をはじき飛ばした彼女の拳はね」

相馬「その勢いを一切失うことなく吹っ飛んできた一方くんの顔面を直撃(ガスッ)」

相馬「そして、バタッと倒れた。これが事の真相だよ」

美琴・木原「「ということはッ!!?」」クルッ

伊波「え、な、何!?」ビクッ

相馬「既に伊波さんは、『木原神拳』の継承者だったのさ―――――ッ!!!!」

美琴・木原「「な、なんだって――――――――――ッ!!!???」」

伊波「そ、そうだったんですかっ!!?」

美琴・伊波((…ってノリで叫んじゃったけど木原神拳って何?))ウ~ン

相馬「まあ、細かいことは置いといて」

相馬「伊波さんは幼少時から、無意識のうちに筋力の強化に励んでたよね」

相馬「…お父さんのせいで」

伊波「え、ええ」

相馬「それに加えて、長年に渡り、星の数ほどその鉄拳を振るってきた」

相馬「その中で彼女の拳はある能力を身につけたのさ」

相馬「ターゲット(※男限定)を確実にKOできるパンチを繰り出すことのできる能力をね」

相馬「但し。本人には無意識のうちで、ね」

相馬(じゃあ何故山田さんのお兄さんは伊波さんの拳を受け止められるかって?)

相馬(それは伊波さんが、彼に対しては意識的に殴りに行っているからさ…!)

相馬(『彼なら私の拳を受け止めてくれる』ってね)

相馬「もはや伊波さんの拳の前では常識も非常識も通用しないのさッ!!」ビシッ

(以下、戻って来た人たち)

佐藤「有り得んが伊波なら有り得るな」

ぽぷら「やったね伊波ちゃん」バンザーイ

山田「山田の能力は、お店の中のエントロピー(乱雑さ)を高める能力です!」キリッ

杏子「さっさと凌駕(掃除)しろ」パクパク

八千代「はい杏子さん、あ~ん」

佐天「拳ひとつでレベル5を倒す能力かぁ…」

初春「佐天さんなら妄想力が強いから、いつかきっと習得できますよ(笑)」

音尾「…私は行方不明の妻を探し出せる能力が欲しいです」

杏子「無理だ。あきらメロン」ゴクゴク(メロンソーダ)

美琴「すごいじゃない伊波さん!!」ガシッ

伊波「えっ、あ、ありがとう…」タジッ

美琴「今のあなたなら、あのタラシの第二位も、軽く叩きつぶせるわ…!!」

美琴「もうあなたは、男なんて怖がる必要はないのよ…!」

美琴「だから、自分に自信持って、ね!」ニコッ

伊波「う…、うんっ!」

木原(…こんな嬢ちゃんが、ねえ)シミジミ

木原(おっと、俺もまだまだフけちゃいられねーな)

木原(もう一度、基礎の体力作りから始めるとするか…)フフ

杏子「よし。一件落着したところで、全員でメシにするか」

杏子「佐藤、早く作れ」

佐藤「お前の胃袋は宇宙の神秘か」

佐藤「つか調理場ェ…」ボーゼン

杏子「おいお前ら。いつまで寝てるんだ、早く起きろ」

小鳥遊「」シーン

黒子「」シーン

一方「」シーン

(その後、ワグナリアの修繕費用は第一位と第三位が折半して賄うこととなった)

エピローグ―――半壊したワグナリアの裏口

山田「たとえ山田のおうちが元に戻っても…」

山田「相馬さんが買ってくれたデイジーが戻ってくることは有りません」

山田「傷ついた山田の心は、二度と晴れることは無いのです」ショボーン



「その、…デイジーっていうのは、もしかしてこのお人形さんのことなのかしら?」

山田「そ、それは…!!!」パアアア

山田「デイジーッ!!!」タタタタ ガシッ

山田「間違いありませんっ!!」

山田「これは相馬さんが山田にくれた…世界でたった一つの山田のデイジーです!!」スリスリ

結標(超電磁砲がお店に向かっているのに気付いた時点でピーンときたのよ)

結標(もし彼女が店内で超電磁砲を使った場合、一方通行は何処へ向けてそれを反射するかってね)

結標「あなたの寝具一式も引き揚げておいたわ」

結標「中の休憩室に置いておいたから後で取りに行けばいい」クイッ

山田「あなたは誰なんですかっ! どうやってデイジーを助けてくれたんですか!?」

結標「…どういう経緯があろうと、そのお人形はあなたの手元に戻って来た」

結標「それだけで十分だと思わない? ――山田さん」

山田「はい! 山田、それだけで十分です!!」

山田「ありがとうございました!!」ペコリ

山田「相馬さ~ん!! 山田のデイジーが帰ってきましたーっ!!!」タタタタ

結標(大事にしなさいよ…………デイジー)シュタッ

エピローグ2

相馬「大体の伏線は回収し終えたはずだね」

相馬「初春さんが呼んだはずの風紀委員とアンチスキルがどうして来なかったかは…まあ、察して欲しいな」

相馬「最後はメルヘンチックな能力設定で無理やり押しきっちゃったけど、まあギャグということで大目に見てもらえると助かるよ」

相馬「ここまで読んでくれてありがとう」

相馬「僕自身はまずまずエキサイティングな体験をしたつもりだけど、画面の前の君はどう感じてくれたかな?」

相馬「同じ気持ちを共有してくれたのならば、それはとっても嬉しいなって」

相馬「じゃあね。また会おうね」

相馬「バイバ~イ」プツンッ

【※画面の前】

まどか「こんなの…絶対おかしいよ」(いろいろと)

QB「そうかな。うまくまとめたつもりなんだけどね」キュップイ

杏子「まどかー、腹減った」パクパク

                               お し ま い

―――とあるスーパー

垣根「…ムカついた」

上条「何に?」

垣根「どこのどいつか知らねえが、この俺をdisってやがる…!」

上条「…そういや俺の右手って、結局は非常識なことしかぶち壊せねえよな」

上条「銃で撃ち抜かれたら一貫の終わりじゃねえか…」

垣根「それより俺とテメェって面識あったか?」

上条「ああ、これは単に>>1が次回作で書いてるSSの主人公が俺達だからだよ」

上条「半額弁当をめぐる闘いに巻き込まれた俺達は、“暗黒駕籠(ブラックホール)”と呼ばれるチート能力(レベル5相当)をつかう敵と闘うらしい」

垣根「それでスーパーなのか」

上条「お前手に入れた弁当をすぐに冷蔵庫にしまえるから便利だな」

垣根「コロスぞ」

上条「舞台は学園都市だけど作中のノリはベン・トーのあの雰囲気だと思ってくれ」

上条「第二位の二つ名は『未元物質』から『未元変態』に変更だ」

垣根「おいやめろ」

上条「ちなみにヒロインは初春さんの予定」

垣根「実は腐女子だったとかいう変な設定付けるんじゃねえだろうな…?」

上条「それは無いから安心してくれ。いやマジで」

上条・垣根「「ご精読ありがとうございました」」

(以上、ただの宣伝でした)

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