京子「えっ」
綾乃「えっ…」
京子「いやぁ…あたしはクリスマス一応予定あるんだけど…」
綾乃「予定…?」
京子「結衣ん家でクリスマスパーティやるんだぜ~」
綾乃「…」
綾乃「そう…」
京子「あ、そだ!綾乃も来るか~?」ニシシ
綾乃「行かない」
京子「なんでさー?」
綾乃「行きたく…ない…」
京子「えー…」
綾乃「また…船見さん…っ!」ギリッ
誰か書くのです!
京子「えー きてよー」
綾乃(そうやって船見さんと仲良くしてればいいんだわ……)
綾乃(私なんて……どうせ、私なんて……)
京子「私は綾乃にきてほしいんだけどなー」
綾乃「えっ……」
綾乃「それって……」
京子「だって、人数多いほうが楽しいっしょ?」
綾乃「…………」
綾乃(そうよね……すぐ期待して……悪い癖ね)
綾乃「そ、そんなに言うなら別に行ってあげてもいいわよ」
京子「マジ? やったー!」
つづかない
ふむ、続けなさい
綾乃(ここが船見さんの家ね……けっこう立派だわ……)
綾乃(確か一人暮らしなのよね、船見さんって)
綾乃(どうしよう緊張してきた……)
綾乃「…………」
綾乃「…………えいっ」
ピン ポーン
綾乃「…………」
綾乃(あれ? 留守かしら)
ピンポーン
結衣『……なんで…よ! おい……きょ…こ!』
綾乃(話し声が聞こえる……)
ガチャッ
綾乃「あ、開いてる」
つづかない
綾乃「おじゃましまーす……」
結衣『お前がやるって言ったのにお前が来なくてどうすんだよ!』
結衣『おい、京子!……切りやがった。まったく勝手なやつだな……』
ギィ
綾乃「あの……」
結衣「あ、綾乃。いらっしゃい」
綾乃「今、歳納京子が来ないって」
結衣「ああ、ホント勝手なやつだよな」
綾乃「そう……」
結衣「あ、そういえば千歳は?」
綾乃「それが……千歳も来れないらしいの……」
結衣「……古谷さんと大室さんは?」
綾乃「…………」
結衣「大丈夫! あかりとちなつちゃんは来るから!」
テレレレッテレー
綾乃「あ、レベルアップした……」
結衣「メール、あかりからだ。なになに……『ごっめーん 風邪引いちゃったよぉ』……」
結衣「…………」
テレレレッテレー
結衣「『すみません! 急用入って行けなくなっちゃいました! 残念です;;』」
結衣「…………」
綾乃(もしかして、船見さん、いじめられてるのかしら……)
綾乃「あの、船見さん、気を落とさないで」
結衣「……もうやだ」ボソッ
綾乃「えっ?」
結衣「……綾乃、これを見てくれ」
綾乃「あら、すごい豪華ね。どれもおいしそう」
結衣「このオムライスはあかりのリクエスト……」
綾乃「ケチャップでみんなの名前が書いてあるわね」
結衣「このケーキはちなつちゃんのリクエスト……」
綾乃「チョコケーキね。おいしそう」
結衣「この七面鳥は京子のリクエスト……」
綾乃「すごいわ。照り具合がいい感じね」
結衣「これにお漬物とクッキーが加わる予定だったけど……」
綾乃「…………」
結衣「……食おう」ボソッ
綾乃「……えっ?」
結衣「全部食おう!!!」
綾乃「そんな、無理よ!」
結衣「こうなったらやけ食いだ!!」
綾乃「だってこれ八人分あるのよね!?」
結衣「私は娯楽部の分を食べるから、綾乃は生徒会の分だな」
綾乃「船見さん、落ち着いて!?」
結衣「ガツガツ」
綾乃「パクパク」
結衣「ガツガツ」
綾乃「モグモグ」
結衣「ガツガツ」
綾乃(やだ、すごい……船見さんの食べ方、すごいワイルドだわ……)
結衣「パヤノ!」
綾乃「は、はい!」
結衣「そんなゆっくり食べてたらこの私には勝てないぞ!」
綾乃「いつの間に早食い勝負になったのよ!?」
結衣「これは言わば……ゴクン、娯楽部と生徒会の戦い……!」
綾乃(今日の船見さん、どこかおかしいわ……まるで歳納京子みたい……)
結衣「……なあ、綾乃」
綾乃「なに? 船見さん」
結衣「この勝負、勝ったほうが京子をすきにできるっていうのはどうだ?」
綾乃「!!」
結衣「ガツガツ」
綾乃「だ、だいたい、歳納京子にも自分の意思っていうものが……」
結衣「ガツガツ」
綾乃「で、でも勝負に負けるのは癪だから、受けてたつわ!」
結衣「……ゴクン。もたもたしてると、私、一個目食べ切っちゃうよ?」
綾乃「うそ! 私まだ三分の一しか食べてないのに!」
綾乃(だめ……勝てる気がしないわ……)モグモグ
綾乃(差を詰めるどころか、ひらく一方……)モグモグ
綾乃(もうこうなったらあの手しか……)モグモグ
ドドン!
結衣(なっ……あれは……!?)
結衣(皿を持って……かきこみはじめただと……?)
結衣(恥を捨てたか、綾乃……)
結衣(その意気や良し!)
結衣(だったら、私もそれ相応の心意気で応えなきゃな)
結衣「いくぞ!!」
シャキーン バッ クルクル シュババッ
綾乃(あ、あれは……まさか……)
綾乃(ダブル・スプーン!!)
綾乃(両手を使うことによって通常の二倍の速さで食べ物を口に運ぶことができるという口伝の奥義!!)
綾乃(しかし、咀嚼するスピードは変わらないから、結局、普通に食べても同じという……)
綾乃(早速勝負をつけに来たわね……)
綾乃(でも負けないわ……)
綾乃(絶対に私が勝って、私が歳納京子を……)
結衣「っぷは! もう無理だ、限界」
綾乃「まぁ、普通に考えて無理よね。オムライスを4つも食べるなんて」
結衣「あはは、綾乃、口の周りケチャップだらけだよ」
綾乃(あ、船見さんが笑った……初めて見るかも)
綾乃「ふふっ、結衣だって……あ」
結衣「やっと、名前で呼んでもらえた」
綾乃「ち、違うの。これは……」カァッ
結衣「名前で呼ぶの、嫌?」
綾乃「そ、そういうわけじゃないけれど」
結衣「じゃあ、呼んでよ」
綾乃「…………」
結衣「ねえ、綾乃」
綾乃「……ゆ、結衣」ボッ
結衣「京子がヤキモチ焼くかもな」
綾乃「どうして?」
結衣「あいつ、綾乃にフルネームで呼ばれるの、結構気にしてるから」
綾乃「そう……だったの……」
結衣「でも、大丈夫だよ」ニコッ
綾乃「えっ?」ドキッ
結衣「私のことも名前で呼べるようになったから」
結衣「いつかは、京子って呼べるようになる日がくるよ」
綾乃「なんだか、今日一日だけで、ずいぶん結衣と仲良くなった気がするわ」
結衣「うん、私も」
綾乃「これって、みんなからの私たちへのクリスマスプレゼントかもね」ウフフ
結衣「綾乃はポジティブだなぁ」アハハ…
ピンポーン
結衣「ん、誰か来たな」
ガチャッ
結衣「…………」
京子「メリークリスマース!!」
結衣「帰れ」
京子「あーん、待って結衣! せっかくサンタの格好までしてプレゼント持ってきたのに!」
結衣「煙突から来い」
京子「待ってよー……って、結衣もサンタのコスプレ? 赤いお髭なんて珍しいね」
結衣「お前のせいでこんなことになってるんだよ」
綾乃「結衣、誰かきたの?」
結衣「ああ、サンタが来たよ」
京子「んん!? ちょっと待って、今、結衣のこと下の名前で呼ばなかった!?」
結衣「ああ、それがどうした」
綾乃「あ!! 歳納京子!!」
京子「そんなずるい!! ねぇ綾乃、私も名前で呼んでよ~」
綾乃「そ、そんなことできるわけないでしょ!」
京子「いったいどんなマジックを使ったんだよ、結衣」
結衣「別になにもしてないよ」
京子「教えろよ~」
結衣「まあ、クリスマスを二人っきりで過ごすような仲になったら、呼んでもらえるかもな」
京子「…………?」
綾乃「…………///」ボンッ
おわり
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