エレン「ライナー」(41)

※ライナーが人気

……

エレン「ライナー」

ライナー「おはようエレン、早いな」

エレン「おはよう。お前こそ」

ライナー「いや、俺は起きたばかりだ。お前は朝から自主訓練か、大した奴だ。」

エレン「いや、まあ自主訓練っつっても大したことやってねえけど。軽いウォームアップ程度だ」

ライナー「十分だろう。今日だって普通に訓練あるんだ。あんま朝から飛ばし過ぎると倒れるぞ」

エレン「おう、ほどほどにはしてる。でもやっぱりなるべく鍛えておきたいからなあ、バランスが難しいんだよな…」

ライナー「まあ訓練に支障が出ない程度に、適度に基礎部分を補ったり、または細かい技術を練習したり、っていうのが良いんだろうけどな」

エレン「ん、一応そんな感じでやってるつもりだ」

ライナー「実際お前は努力で凄い成績伸ばしてるからな、尊敬するぜ」

エレン「やめろなんか照れる。…あまりはっきりした特技ねえからよ、やっぱ頑張らねえと…。そうだ、ライナー今度自主訓練付き合ってくれよ。そんで、アドバイスとかくれると助かる」

ライナー「おお、もちろんいいぜ」

エレン「よっしゃ、ありがとな。頼りにしてるぜ」

……

クリスタ「ライナー」

ライナー「く、クリスタ!どうした?何か用か?」

クリスタ「うん、お礼を言おうと思って」

ライナー「?」

クリスタ「この間は、資料運ぶの手伝ってくれてどうもありがとう。終わった後ライナーすぐに他の子に呼ばれて行っちゃって、ちゃんとお礼言えてなかったから、改めて」

ライナー「あぁ、あの時か。そんな、わざわざ礼なんか言いに来なくてもいいんだぞ」

クリスタ「ううん。だって、すごい助かったもの」

ライナー「気にしなくていい。…困っている仲間がいたら助けるのは当然だからな」

クリスタ「…ライナーは、自然に『いいこと』ができる人なんだね」

ライナー「『いいこと』?」

クリスタ「あっ、ううん、なんでもない。ええと、ライナーって凄い人なんだなって」

ライナー「そんなことはないと思うが…。まあ、でも何か困った事があったらいつでも声を掛けてくれ。大抵のことなら任されるぞ」

クリスタ「ありがとう。ふふっ、やっぱりライナーって頼りになるよね。憧れるなあ」

ライナー「そっ、そうか!?はは、照れるな…!」

ライナー(…かわいい)

……

ユミル「ライナー」

ライナー「おお、ユミルか」

ユミル「お前何クリスタに色目つかってんだよ」

ライナー「は!?身に覚えがないんだが…。なんなんだいきなり」

ユミル「とぼけんなよな、この前は器具整備手伝って今度は資料運び手伝ったらしいじゃねえか」

ライナー「あ、ああ、まあな…。だがアレは別に下心があったわけでは…。というか何で知ってるんだ」

ユミル「んなことどうでもいんだよ。私が近くにいない時に見計らったように手ぇ貸しやがって」

ライナー「なんだかよく分からんが…、いちゃもんつけに来たのかお前」

ユミル「…いや、違う。まあ、アイツにあんま『いい人』見せつけんのは確かにやめてもらいたいが…。」

ライナー「?」

ユミル「あー、アレだ、とりあえず…クリスタ手伝ってくれてありがとよ」

ライナー「……」

ユミル「オイなにゴリラが豆鉄砲喰らったような顔してんだ」

ライナー「ゴリラじゃない!人を何だと思ってんだ!…いや、お前が礼を言うとはな、と驚いただけだ」

ユミル「お前こそ人を何だと思ってんだよ!…まあ、無理して怪我とかされても困るからな」

ライナー「…お前保護者か」

ユミル「はっ、別に保護なんかしてねぇっての。お前こそ、ガキどもの兄貴分として、それこそ頼られまくりの保護者やってるだろうが」

ライナー「いや、そんなつもりは…」

ユミル「そっちにその気がなくてもそう見える。…ま、頼られてることは誇ってもいいんじゃないか?どうでもいいけどな」

ライナー「なんだそれ」

……

アルミン「ライナー」

ライナー「よおアルミン」

アルミン「ちょっといいかな、聞きたいことがあるんだ」

ライナー「ああ、いいぜ。なんだ?」

アルミン「この前の山岳訓練でライナーたちの班のルートのとり方についてなんだけど、ちょっと気になる部分があって」

ライナー「そうなのか…?なんかお前に指摘されると凄い不安になるんだが」

アルミン「あ、ごめん。悪い意味じゃないんだ。むしろあの班であのルートは良かったと思うよ。だからこそ、想定されたいくつかの中からあのルートを選ぶ判断を下せた要因とかって何なのかなって思って」

ライナー「うーん、そうだな、あまりうまく説明できないが…。班のメンバーそれぞれの能力やそのときのコンディションとかは一応気にするようにしている。あのときは、ミリウスの調子があまり良さそうではなかった」

アルミン「うんうん」

ライナー「あとは、それぞれのルートを取った時に起こり得る事態を考えようとは思っているが…この辺りはどっちかっていうとお前とかマルコとかの得意分野じゃないのか」

アルミン「いや、僕の場合はちょっとまだ知識的な方面から考えてしまう部分が強くて…。実戦のことも考えられるようになりたいから、色々聞きたいんだ。マルコにも聞いてみるつもりだし」

ライナー「なるほどな。…まああとは、班のメンバーで起こり得る事態にどれだけ対応できるかとか、そういったことを考えたり、とかだろうか」

アルミン「なるほど。…うーん、やっぱりもうちょっと突き詰めて考えたいな。悪いんだけど、今度時間とってもらっていいかな?」

ライナー「ああ、もちろんだ。いまいち上手く言えなかったからな、俺も説明の仕方を考えておく」

アルミン「良かった、ありがとう。やっぱり頼りになるね」

……

マルコ「ライナー」

ライナー「どうしたマルコ」

マルコ「ごめん、本当に申し訳ないんだけど、今日水汲み当番ちょっと手伝ってもらえないかな。忙しいならいいんだけど…」

ライナー「ああ、構わないが…」

マルコ「本当かい?ありがとう、助かるよ。ライナーが手伝ってくれれば早く終わる。今度何かお礼するね」

ライナー「いや、いい。いらん。だいたい、…マルコお前だって、今日当番じゃないだろ」

マルコ「あれ、知ってたのか。はは、そうなんだ。今日の担当者が負傷と体調不良でさ、代わりにやってやろうかと」

ライナー「…お前、お人好しだよな」

マルコ「ん、そうかな?」

ライナー「ああ」

マルコ「うーん、自分ではそうは思わないんだけど…。まぁ、仮にそうでもライナーほどではないと思うな」

ライナー「はぁ?」

マルコ「ライナーは周りをよく見ているし、助けを必要としている人がいれば手を差し伸べるだろ?でも決して過剰にはしないし、恩着せがましくもない。仲間のことをよく考えてる。頼りになる奴だよね、全く」

ライナー「…そう言ってもらって凄く光栄なんだが、それはそっくりそのままお前に返すぞ」

マルコ「いやいや」

ライナー「いやいや」

……

ミカサ「ライナー」

ライナー「ミカサ、なんだ?…まさか」

ミカサ「そう。格闘訓練、ペアを組んでほしい」

ライナー「…またか」

ミカサ「ええ」

ライナー「…ええとな…」

ミカサ「嫌?」

ライナー「いや、普通にやる分には全然かまわないんだが…」

ミカサ「では何故渋るの?」

ライナー「…お前、アニとエレンが組むと何故か俺に一気に容赦ない攻撃してくるだろ。あれなんとかしろよ」

ミカサ「それは…すまないと思っている、けど、あれはそもそもエレンを痛めつけようとするアニがいけない。ライナーへの攻撃が強くなってしまうのはうっかりなので、悪気はないことは分かってほしい」

ライナー「悪気が無くても、毎度毎度痛めつけられる俺の身にもなれ!」

ミカサ「…ライナーは強いし、体が丈夫。あと心も広い。ので、私が感情をコントロールしきれなそうなときに組んでも安心できる。ありがたい」

ライナー「どういうことだそれは」

ミカサ「…信頼している、ということ」

ライナー「…褒めれば何してもいいってもんじゃないんだぞ」

……

ジャン「ライナー」

ライナー「なんだジャン、どうかしたか」

ジャン「どうかしたか、じゃねえよ。最近ミカサと格闘訓練のペア組みまくりやがって。羨ましい!」

ライナー「そんなことわざわざ言いに来たのか…。なんだったら代わるぞ?身の安全は全く保証できないがな」

ジャン「…いや、やっぱ遠慮しておく」

ライナー「おい」

ジャン「ていうか本題は違う。…さっきコニーが探してた。会ったか?」

ライナー「いや、会ってないな。何の用だって?」

ジャン「いや、知らねぇけど」

ライナー「そうか…。まあ、伝えてくれてどうもな」

ジャン「おう」

ライナー「…にしても、なんだろうな」

ジャン「さぁな。どうせ、頼みごととかじゃね―の」

ライナー「あー…。当番とかの手伝いは、先客がいるから無理なんだが」

ジャン「もう先客いんのかよ。はっ、頼れる人気者も大変だな」

ライナー「なんだ褒めてくれてんのか」

ジャン「違えよ嫌味だ!…まあ、頼りになる奴だってことは認めてやるけどな」

ライナー「…明日は雨か」

ジャン「おいコラどういう意味だ」

いいなこれ

ベルトルさんは冷や汗タラタラだろうな。

夢なのか

皆がライナーに話しかけてる間隣で冷や汗かいてるベルトルトが目に浮かぶ

……

コニー「ライナー」

ライナー「お、コニーか。なんの用だ?俺のこと探していたらしいが」

コニー「ああ、ちょっと頼みがあって。お前、今日の夜って暇か?」

ライナー「ん?ああ、水汲みやるんだが、それ以外は今のところ特に予定はないな」

コニー「おお、良かった。あのさ、悪ぃんだけど、俺とサシャに勉強教えてくれねーかな?」

ライナー「は?いやいいけどよ…。突然どうしたんだ?テストはまだ先だというのに」

コニー「いや、それがよ、なんか俺とサシャ、座学の成績やばいらしくて、一週間後に小テストされて結果が悪かったら特別補習みたいなの組まされることになるらしいんだ」

ライナー「そうなのか?…訓練兵団意外と親切なんだな。開拓地送りとかじゃないのか」

コニー「縁起でもないこと言うなよ!」

ライナー「すまん、怒るなよ。…いいじゃねえか補習受ければ。ありがたい話だろ」

コニー「嫌だよ!ただでさえ少ない自由時間が全然無くなるんだぞ!勉強で!無理だ!卒業前に脳みそ爆発するわ!」

ライナー「大げさな奴だな。まあ、別に構わんが…。しかし俺でいいのか?アルミンとかマルコとかのほうが頭いいし教えるの上手いだろ」

コニー「やー、なんかその小テスト座学成績下位組には軒並み課されるらしくてさ、気付いたらアルミンもマルコも予約いっぱいだったんだよな」

ライナー「あー…」

コニー「それに、お前だって頭いいし教えるの上手いだろ。前に勉強聞いた時もすげえ丁寧に教えてくれて助かったんだ」

ライナー「…そんなことあったか?」

コニー「あったろ。何だよ照れてんのか?…ま、頼りにしてるぜ!よろしくな!」

ライナー「お、おお」

ライナーが幸せなSSはええなあ

だがその代わりにベルトルトがハゲ増す

……

アニ「ライナー」

ライナー「どうしたアニ、珍しいな」

アニ「…今日の夜、サシャとコニーに勉強を教えると言っていたみたいだけど」

ライナー「ああ、頼まれてな。…ん?お前は座学成績いいだろ?」

アニ「一緒に教えて貰おうと思ってるわけじゃないよ、馬鹿にしないで。…そうじゃなくて、だいぶ前から、今日は話があると言っていたはずなのだけど」

ライナー「えっ、そうだったか!?す、すまん、忘れてた…!」

アニ「……」

ライナー「まいったな、アニとの約束のほうが先だったか。…どうするか。うーん、…あいつらには悪いが事情を説明してまた今度にしてもらうことにでも…」

アニ「いや、いい。別に、その後でいいよ」

ライナー「しかしそれじゃあ遅くなっちまうだろ」

アニ「構わないよ。もともとあんまり早い時間の予定ではなかったから」

ライナー「そうか、すまんな」

ライナー「…しかしお前が俺に話あるって…。一体どういう風の吹き回しだ?」

アニ「蹴るよ?」

ライナー「すまんやめろ」

アニ「…私だって一応、あんたのこと頼りにしてるんだ」

ライナー「そうなのか?」

アニ「…そう、頼りにしてるんだよ」

ライナー「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」

アニ「だから…だから、ちゃんと戻ってきてよ、ライナー」

ライナー「…?おう、ちゃんと勉強会の後に行くって」

アニ「……うん。…待ってる、から」

……

エレン「ライナー」

アルミン「どうしたの、ぼーっとして」

ライナー「ん、ああ、すまん。俺、ぼーっとしてたか?」

アルミン「うん。心ここにあらず、って感じだった」

エレン「調子悪いのか?大丈夫か?」

ライナー「ああ、大丈夫だ。なんだエレン、心配してくれてるのか?」

エレン「なんだそれ。仲間なんだから当たり前だろ」

ライナー「…そうか…」

アルミン「それにエレンはライナーのこと凄い尊敬してるからね」

エレン「えっ、おいやめろアルミン、本人の前で言うなよ!」

アルミン「えー、でもこの間だって『ライナーって凄えよな、オレもあいつみたいになれたらな』とか言ってたじゃない」

エレン「あああもうやめろって恥ずかしい!ていうかそんなこと言ったらお前だって『ライナーって凄いよね。彼みたいなのが理想的な兵士なんだろうな』とか言ってただろうが!」

アルミン「わあああやめてよエレン!確かにこれ本人の前で言われるの恥ずかしかったごめん!謝るからやめて!」

ライナー「…というか俺が凄い恥ずかしいんだが…。ああもうお前らときたら…。」

ライナー「…ありがとな、凄く嬉しいぜ」

……

ベルトルト「ライナー」

ライナー「ん?なんだベルトルト」

ベルトルト「あっ……。ごめん、やっぱり今はいいや」

ライナー「おい、気になるだろ」

ベルトルト「いや、なんでもないから」

ライナー「声掛けといてなんでもないはないだろ。なんかあったのか?」

ベルトルト「本当になんでもないんだ、ごめん、大丈夫」

ライナー「嘘つけ、顔色悪いぞ。…なんか悩みでもあるのか?」

ベルトルト「……」

ライナー「黙るってことは図星なんだろ」

ベルトルト「…えーと…」

ライナー「長い付き合いなめんな。…俺でよければ、相談くらいいくらでも乗るぞ」

ベルトルト「…じゃあ、後で、話いいかな」

ライナー「今じゃなくていいのか?」

ベルトルト「うん。今はいい。後で、お願いするよ」

ライナー「そうか、分かった」

ベルトルト「…昔から、ずっと頼ってばっかりで、ごめんね」

ライナー「何言ってんだ、水臭い」

ベルトルト「…うん、ありがとう」

モブA「ライナー」

モブB「ここにいたのか。コニーとサシャが探してたぞ」

モブA「さっきマルコと一緒に今日の水汲み当番代わってやってたのに、今度はあいつらに勉強教えてやるんだろ?忙しい奴だな」

モブB「やっぱ頼れる兄貴だねぇ」

モブA「まあ取りあえず早く行ってやれよー」

ライナー「おお、すまん、今行く」

ライナー「…後でちゃんと言えよ?」

ベルトルト「…うん」


バタン


ベルトルト「…後で、言うよ」

ベルトルト「……ごめんね、ライナー」

……

コニー「ライナー」

サシャ「じゃあ、よろしくお願いします!」

ライナー「ああ。で、どこが分からないって?」

コニー「……だいたい全部だ」

サシャ「私もです」

ライナー「はぁ!?いやせめて範囲絞れよ」

原作で訓練兵時代はあんまり描かれてなかったから
実際ライナーはこんな感じの頼れる兄貴分だったのかなぁ、と思うと辛いなぁ

サシャ「絞りようがないくらいには広範囲で危ないので…」

コニー「同じく」

ライナー「あーもう…じゃあとりあえず問題出してみるから答えろ。それでやばそうなところから対策立てていくぞ」

サシャ「了解です!」

コニー「答えられっかな…」

ライナー「頑張れよ?いくぞ、まずは──」

……

サシャ「ライナー」

ライナー「あー、そこはだな、これをこっちに当てはめて考えるんだ。さっきの応用だな」

サシャ「ああ、なるほど」

コニー「ライナー、こっちは…」

ライナー「ん?ああ、それはこのパターンとこっちの考え方を組み合わせて──」

コニー「ふむふむ」

ライナー「…と、もうこんな時間か。すまんがお前ら、続きはまた今度でいいか?」

コニー「ん?なんだ、なんか用事か?」

ライナー(アニの奴、名前出したら怒りそうだな…)

ライナー「ああ、ちょっと他の奴に呼び出されててな」

サシャ「ライナー人気者ですねー」

ライナー「いや、そういうんじゃ…」

サシャ「またまたー。ライナーは頼りになりますからね!」

コニー「ま、そういうことなら仕方ねえな。また今度頼むぜ?」

ライナー「おお、悪いな」

……

アニ「ライナー」

ベルトルト「……」

ライナー「すまん、またせたなアニ。…と、ベルトルトもいるのか。珍しいな、お前らの組み合わせ。」

アニ「……そう、かな」

ベルトルト「……」

ライナー「で、どうした?何があったん──」

ベルトルト「ライナー」

ライナー「ん?」

ベルトルト「…ライナー」

ライナー「なんだよ」

ベルトルト「ライナー」



ベルトルト「……君は、兵士じゃない」



ベルトルト「君は、僕らは、……戦士なんだ」

おしまい
オチちょっと弱かったかな
読んでくれた方コメントくれた方ありがとうございました

>>18
ある意味夢みたいなもんですよね
>>22
す、すまぬ…

これだけ頼られちゃ人格も割れるよなぁ

SSでの扱いは悪いけど実際はこんなかんじで人気だったと思う

兵士ライナーの一日

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