【進撃SS】ナナバ「シュールストレミングと不帰の英雄」(73)

CPもの注意、キャラ崩壊注意

ミケナナです
多分短いよ


ゲルガー「おはようございます!ミケさん!」

ミケ「…おはようゲルガー、リーネ、ヘニング」

リーネ「ミケ班長、おはようございます」

ヘニング「おはようございます」

ゲルガー「うへ、食堂もう混んでますね…」

ミケ「ああ、みんなもこれから食事か?」

リーネ「ええ、ミケ班長も一緒しませんか?」

ミケ「…俺は良い」

ヘニング「?何か用事でもあるんですか?珍しいな」


ミケ「…いやそういうわけでは―――――ゲルガー「お、ナナバー!遅いぞー!」

ミケ「!!!!」ピク

ナナバ「…おはよう、ゲルガー」

リーネ「おはよ、ナナバが寝坊なんて珍しいね」

ヘニング「よう、…?ナナバなんか目が腫れてないか?」

ナナバ「…!!おはよ、リーネ、ヘニング。何でもないよ…」

ナナバ「…」チラッ

ミケ「…おはよ、う。ナナバ」


ナナバ「…」スタスタ

ナナバ「…みんな何してるの?早く行こう?」

ゲルガー「へ、ちょ…ナナバ、ミケ班長がおはようって…おいナナバ?ナナバー!」

スタスタスタ…バタン

リーネヘニング「」ポカーン

リーネ「なんなのあれ…?」

ヘニング「ど、どうしたんですかね…ナナバのヤツ…」チラッ

ミケ「…………」

――――食堂

ハンジ「ふーん、ミケとナナバが喧嘩ねぇ…」ズズー

リーネ「最近何も話してないし…ナナバが一方的に避けてるんだけど」

ヘニング「いやぁ、いつも仲良いからビックリって言うか」

ハンジ「ミケがドンヨリしてたけどそれが原因かぁ」モグモグ

リーネ「落ち込んでたんですか!?ミケさんが?」

ハンジ「そりゃもう気の毒なくらいに、でっかい体から哀愁のオーラ漂ってたよ」ムシャムシャ

ヘニング「ハンジさんは心あたり無いんですか?二人が喧嘩するような…」

ハンジ「んー…心あたり、心あたり…んー…あぁ!!」

ハンジ「あった!!そういえばこの前ね!!」

――――――――――
――――――――
ナナバ「どういうこと?」
ミケ「…ナナバ?どうしたんだ?」

ナナバ「私、ミケの班を希望したんだけど?」

ミケ「…ああ、それか…」
ナナバ「転属希望先に記入したけど、班長からの意見により拒否って書いてあるね」

ミケ「…」フイッ

ナナバ「こっち見て、ミケ。理由を言って、納得出来るやつを」


ミケ「…理由は、どうしてもだ。俺はナナバを所属させたくない」

ナナバ「…!!」

ナナバ「私が…弱いから足手まといになるからって?」

ミケ「違う」

ナナバ「私はミケの足手まといになんかならないよ?ミケが一番私が強いのだって分かってる筈だよ!」


ミケ「違うんだ…そんな理由じゃない、俺はお前が弱いだなんて思ったことはない」

ナナバ「じゃあどうして!リーネだって…入れたのに……」

ミケ「…とにかく、俺はお前を班に入れるつもりはない」

ナナバ「!!ミケ!!待ってってば、まだ話が――――」
ミケ「…話は以上だ、じゃあな」


ナナバ「ミケ!」


バタン


ナナバ「…も、良い」

ナナバ「ミケなんか、知らない」ゴゴゴゴ


物陰のハンジ(うわ…やべ…修羅場キタコレ…)

――――――――
――――――
ハンジ「ってな具合でさ?」

リーネヘニング「「…」」

リーネ「どう考えても原因それでしょ、ハンジさん!!」

ヘニング「というか見てたんならなんで止めないんですか!?」

ハンジ「いーやぁ、止めたかったけど、どーでもよかったっていうか、巨人の研究中だったからさぁー」ハハハ

リーネ「はぁ…まあ、原因が分かっただけでも…」

ヘニング「ナナバがそんなことでなぁ…」

ハンジ「まさか拒否されるとは思わなかったから傷付いたんじゃない?」

リーネ「あの様子じゃあ結構、というかかなり怒ってるみたいね…」チラリ

ヘニング「ああ、まずいな…」ウン

ハンジ「??」


ハンジ「なになに?ナナバが怒ってるとまずいの?二人とも大人だし、時間が経てば仲直りすると思うんだけどなぁー。
というか、ミケが恥ずかしがらずに理由をちゃんと言えば――」

リーネ「ハンジさん…」

ハンジ「?」

ヘニング「ナナバは…」

リーネ「一度キレると手が付けられないタイプなんですよ…」


――――――――――
――――――――
ミケ「……」ドヨーン

ミケ(ナナバのやつ…今日も怒ってたな…)

ミケ(あれから何度も班員にしてくれと言ってくる以外、目も合わせてくれないし…説明するべきか…)

ミケ「…ん」

ミケ「なんだ、これ…手紙と、缶詰め?」カサリ

『ミケへ
無視しちゃってごめんね。
私も悪かった、お詫びのしるしにこれ食べてください。
ナナバより』


ミケ(…)

ミケ「…俺も明日、謝ろう」

ミケ(良かった…ナナバと仲直り出来て)

ミケ(それにしても、手紙とは…意外と可愛い所もあるんだな)フッ

ミケ(怒ると変なスネ方だし…と、)

ミケ「缶詰め…これか」

ミケ「缶切りは…と」

ミケ(それにしても何の缶詰めだ?見たことが無いな)

ミケ(まあ開けてみるか)スッ
――――――――
――――――
ハンジ「あれ?あれれえ?」ガサゴソ

モブリット「ハンジ班長?どうしました?」

ハンジ「っかしーなぁ…ここに置いといた缶詰めが無い!!」

モブリット「缶詰めですか?私は見てませんが…」

モブリット「部屋がこんな有り様だし、どっかいっちゃったんじゃないですか?」

ハンジ「こんな有り様言うな!!っかしーなぁ…絶対ここに…あーもうアレがないとあの子たちに実験出来ないよ!」

モブリット「実験?おやつでは無くてですか?お腹が空いたなら私のをあげますが…」

ハンジ「違う違う、『シュールストレミング』って呼ばれるニシンの缶詰めでね、古い文献にも載ってた珍しいヤツなんだ」


ハンジ「その缶詰めは世界一臭いと言われてて、開けた瞬間に缶詰めが爆発して中身の超臭い汁が飛び散るっていう…」


∠ア゙ァ゙ァァァァァァァァ!?イヤダァァァァァァァ!!!


ハンジ「――――で、それをあの子たちに嗅覚があるかのじっけ…今の何!!!???いやに野太い悲鳴が!!!」

――――――――
――――――
エルヴィン「まったく…兵士同士の個人的な諍いに首を突っ込むつもりはないが…」

ナナバ「…」フイッ

エルヴィン「ミケの友人として言いたい、あれは酷い。極悪非道だと」


ナナバ「…反省してるよ」

エルヴィン「かなり爆発で汁が飛び散ったみたいだし…罰としてナナバにはミケの部屋の後片付けを命じる」

ナナバ「…はい…ミケは?」

エルヴィン「気分が優れないからまだ医務室にいるよ」

ナナバ「…そう、ありがとう」シュン


エルヴィン「じゃあ、私はこれで」

バタン

ナナバ「……」フキフキ

ナナバ「……」ジャー

ナナバ「…天井までしぶきが飛んでる」

ナナバ(さすがにやり過ぎだったか…ごめんねミケ)

ナナバ「……」ドヨーン

――――――――
――――――
ナナバ「こんな所かな…」
ナナバ「…」スンスン

ナナバ「…うーん、まだ微かに臭いがするくらいだけど、ミケにはまだ駄目かな」

ナナバ「もう少し換気を…あ」

ハンジ「…やぁ、ナナバ」

ナナバ「…何か、用?ハンジ」

ハンジ「いっやぁー、話は聞いたよ。痴話ゲンカしてナナバがミケを完備無きまでに打ちのめしたって」ニヤニヤ

ナナバ「…やり過ぎたよ…あと、缶詰め持ってっちゃってごめんよ」

ハンジ「あっは、良いよ良いよ。まだたくさんあるし!!」

ナナバ「…」


ナナバ「同じ班に入ったら…」

ハンジ「?」

ナナバ「その、一緒にいられる時間も長いし…ミケだって同じ気持ちなんだろうって、自分一人で浮かれてて…」

ハンジ「……」

ナナバ「バカみたいだよね、私」

ハンジ「…あーあ」ヤレヤレ

ナナバ「!!べ、別に言い訳なんかじゃないんだよ!!
ミケにこんなことしたのはこれからキチンと謝りに行くんだから!」

ハンジ「じゃなくて、ミケがこれ言っちゃった方が良いのに私が言っちゃってもなあーって思って」

ナナバ「?何、」


ハンジ「『第43条13則
班員を構成する時、恋人ならびに親兄弟を入れて構成してはならない』」

ナナバ「え…?」

ハンジ「まったく…ナナバはたまに抜けてるから可愛いんだね、規則はよく読んどきなよ」

ハンジ「どう?ミケがあなたを班員に入れたく無かった理由」

ナナバ「!!!!!…そん、」

ハンジ「わぁー、顔真っ赤になってきたよナナバ」ゲラゲラ

ナナバ「????!!!そ、そんな規則あるなら…早く言いなよ、ミケのバカ!」

ハンジ「ミケは照れちゃっただけだよー。あーあ、コレミケが言った方がロマンチックだったのにさぁ『お前を恋人だと思ってるから…』ってあの低い声で囁かれんの」ブハッ


ナナバ「も、もうだまりなよハンジ!」


ハンジ「ふぃー…まあ、冗談はさておき」

ハンジ「この規則にだって意味があるのはナナバもわかってるでしょ?」

ナナバ「…」

ハンジ「巨人をくい止めるため…自分の判断ミス…目の前で」

ハンジ「目の前で恋人、家族…大切な人が死んだら、誰だって冷静ではいられなくなる」

ハンジ「私だって…昔」

ナナバ「…」

ナナバ「ああ、分かって、る」

ハンジ「本当に?」

ナナバ「いつ死ぬかなんて分からない状況で、大切な一緒にいない方が辛くないかもしれないんでしょ?」
ナナバ「調査兵団に入って、目の前でたくさんたくさん人が死んでいって…」

ナナバ「壁の外ではみんな、目の前にいない大切な人のことを心のどこかで考えてるんだ。」


でも、ミケはさ

私…ゲルガーとか、リーネとか、ヘニングもみんなだけど、大切な人と壁外から帰ってきて会うとさ
「ああ、お前たちの匂いが消えてなかったから、生きてたって分かってたよ」
って


ナナバ「ずるいよねぇ」

ナナバ「私達はミケは生きてるかな、怪我してないかな、ってずっと考えてるのに不公平じゃない?」

ハンジ「ずるいね、ミケは」

ナナバ「ちょっと匂いに敏感になれる薬作ってよ、ハンジ」

ハンジ「あは、無茶言うなよ」


ナナバ「だからさぁ、ゲルガーとかリーネとかヘニングとも話し合ってさ、私達だってミケのことが分かるよう同じ班にしようってさあ、決めたんだ」

ハンジ「決めたんだ」

ナナバ「うん」

ハンジ「まあ、さ…」

ハンジ「…とりあえず、謝りに行けば?そろそろ、部屋の匂いもだいぶ取れてきたし」

ナナバ「…ん」

ハンジ「そこで思いの丈ぶつけてさ、駄目だったら…」

ナナバ「…」

ハンジ「シュールストレミング…貸してあげよっか?、はは」

ナナバ「…あは、ありがとう…ハンジ」


ミケ「…ん?」パチリ

リーネ「あ!!ミケ班長!」
ミケ「…リーネ?ここは?」

リーネ「医務室です…班長はシュールストレミングにやられて」

ミケ「!!…そうだった」

リーネ「気分はもう大丈夫ですか?」

ミケ「ああ…大丈夫だ、問題無い」

リーネ(シュールストレミングにやられるミケさん…いやいやいつもは格好いいし)


リーネ「お風呂入った後すぐ仮眠を取られて…あ、先生呼んできます」

ミケ「大丈夫だ、もう気分も戻った」

リーネ「じゃあ、私はこれで」

ミケ「すまないな、リーネ」

リーネ「…あ、班長。そういえば…」

ミケ「?」

リーネ「照れ臭いことも、キチンと言わなくちゃいけない時もあるんだからね、班長」

ミケ「…そうだな」

ミケ「…?」スンスン

ミケ「…!!」ビクッ

ガチャリ

ナナバ「…やぁ、ミケ」バタン

ミケ「ナ、ナナバ…」


ナナバ「そんなビクビクしなくて良いよ、もう二度とあんなことしないから…」


ミケ「そうか…なら良い」

ナナバ「…ごめん、なさい」

ミケ「…怒ってはいない、それよりナナバに言わなくちゃいけないことが―「待って」

ナナバ「もう聞いたんだ、ハンジから…そんな規則があったんだね、知らなかったよ」

ミケ「…ナナバは変なところで迂闊だからな、調査兵団じゃあみんな知ってる規則だ」

ナナバ「ゲルガーとかリーネは知らなかったよ?」

ミケ「…そうなのか?まあ、暗黙の了解らしき面もあるから…」

ナナバ「ねえ、ミケ」


ナナバ「私はそれも知った上で言いたいんだ、ミケと同じ班になりたい」

ナナバ「…たとえ、最後を目にすることになっても良いから」

ナナバ「それでも駄目なら諦めるよ」

ミケ「…」

ナナバ「やっぱり嫌かい?」

ミケ「嫌…じゃないな、ただ…」

ミケ「俺は弱い人間だ、ナナバだって知ってるだろう?俺が臆病者なのを。」

ミケ「動物が一つの感覚を秀でさせるのは、それが生きる術になるからだ」

ミケ「俺が鼻が利くのも、人一倍死に怯えてるからなんだろう」


ミケ「最後まで、一緒にいたい…そう思っていても、お前を守れなかった時が来れば、俺は」

ナナバ「なに言ってるのさ、ミケ」

ミケ「?」

ナナバ「守られる?私がミケに?」

ナナバ「私はミケと同じ場所で、戦って、戦って、戦って…戦い尽くしてから死にたいんだよ…」

ナナバ「守ってもらいたいんじゃない!」

ミケ「……ナナバ」

ナナバ「ミケが弱いのだって知ってるよ、でも強いってことだって知ってる。」


ナナバ「『戦い続ける限り負けてない』…あれって要は負けを認めなければ勝負はつかない、往生際が悪いってことでしょ?」

ナナバ「私も、ミケくらい往生際が悪くなれるよ?そんぐらいミケと一緒の班になりたいんだから」

ミケ「………フッ」

ナナバ「!!な、なに?」

ミケ「…くく、ははははは、いや、あまりにナナバが熱弁するものだから…おかしくてな…」クスクス



ナナバ「な…真面目に聞いてよ、ミケ」

ミケ「…まったく、舌戦ではいつも俺の負けだな、ナナバ。」

ナナバ「…!!じゃあ!」パァァ

ミケ「…ああ。同じ班員として、歓迎しよう…」

ナナバ「…やった!…ありがとう、ミケ!!」


ミケ「……(やれやれ)」

ミケナナとは珍しい、支援
シュールストレミングは凶器だからな…w

ミケが班長ってことは結構過去の話?


ナナバ「…あ、そうだ」

ミケ「…?」

ナナバ「ミケの部屋、シュールストレミング臭がまだするんだよねえ」

ミケ「!!」

ナナバ「当分は臭い取れないかもなぁ…いやあごめんねミケ」

ミケ「ナナバ…まったく…もう二度とやるなよ、頼むからな」

ナナバ「お詫びとして…ミケは私の部屋で寝なよ」

ミケ「!!?…どうしてそうなる…いや…分からんな…」

ナナバ「嫌?」

ミケ「…ゲルガーの部屋に泊まる、それか空き部屋に」

ナナバ「…そうか、ちょっとゲルガーの部屋にこれ放りこんでく「やめろ、話聞いてたかナナバ」

ナナバ「…」ムスー

ミケ「…やれやれ」

ミケ「部屋を駄目にしたのは、ナナバの責任だからな」

ミケ「…しばらく、ナナバの部屋で厄介になろう」


ナナバ「…ふふ、やった」ポスッ

ミケ(…やれやれ)ナデナデ


ナナバ「…あ!」
ミケ「?」

ナナバ「ハンジに借りたシュールストレミング、返してこなきゃ」ゴソゴソ

ミケ(…ハンジが何いってもあの大量破壊兵器は全部処分させよう。ナナバの手に永久に渡ることがないようにしないと俺の鼻がお陀仏になる)ダラダラ

ナナバ「これからよろしくね、ミケ」

ミケ「それは捨てろよ、お願いだからな」

※ここから10巻までのネタバレあり※

今更ながらナナバさん女性扱いです

シュールストレミング参考…http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0


―――――――――
――――――――

ナナバ(……あ)

ナナバ(ゆ、め?随分と、長い…)

――――バ
―――――ナナバ!

ゲルガー「ナナバ…?ナナバ!!」

ナナバ「…ゲル、ガー…」
ゲルガー「良かった…良かった…ナナバ…!先生!早く、ナナバが目を覚まして…!」

ナナバ(病院…そうだ、私はウトガルト城で…)

ナナバ(いたっいたたっ、でも…いきてる…助かった…良かっ…)


リーネ「ナナバ!!ナナバ…良かった…神様…」

ヘニング「やっと目を覚ましたか…もう3日も眠ってて、駄目かと…良かった…本当に…」

ナナバ(ゲルガーも、リーネも、ヘニングも…みんないきてる…よかった、よかった…)ジワ


―――あれ?

――――彼は?

ナナバ「…ケ…は?」

ヘニング「ナナバ!まだ動いちゃ駄目だ!!怪我が治ってな…」

ナナバ「ミケ、は…」

リーネ「!!…ミケさん、は…」

ゲルガー「まだだ、ナナバは今は怪我のことを考えてくれ!」

ナナバ「お願い、教えてくれ」

ナナバ「ミケ、は」


ヘニング「…ナナバ、取り乱さずに聞いてくれ…ミケさん、は」


ゲルガー「オイヘニング!ナナバはまだ目覚ましたばっかりだぞ、後にしろよ!」

ナナバ「ゲルガー!」

ゲルガー「!!」

ナナバ「…良いよ、言ってくれヘニング」

ゲルガー「ナナバ…」

ヘニング「…」

ヘニング「…ミケさんは、まだ帰ってきてない」

ヘニング「ウォールローゼの南で別れてから、もう4日が経ってる。…馬も帰ってきてない」

ヘニング「…ミケさんは多分、もう…」

リーネ「……」

ゲルガー「……ま、まだ分からねぇだろ!?ミケさんは、リヴァイ兵士長に継ぐ実力者だ!!」

ゲルガー「きっと、そのうちひょっこり…」


ナナバ「…そう、か」

ゲルガー「な、なあ!ナナバだってそう思うだろ!!ミケさんは…」

リーネ「行くよ、ゲルガーほら」グイッ

ナナバ「ごめんみんな…しばらく一人にしてほしい」

ゲルガー「あ、ああ…ごめん…ナナバ」

バタン

ナナバ「…」


彼が死んだ?

ナナバ「???!………ぅあっ…っ…あっ…」ポロポロ

彼がもういない?


ナナバ「そん、な―――」


先生「ナナバさん、…頭の怪我は大丈夫ですか?」


ナナバ『はい、ありがとうございます』パクパク

ナナバ『…?、??』

ナナバ『…あれ?どうして、声、が…』

先生「どうしました?大丈夫ですか?ナナバさん?ナナバさん!!」


ハンジ「失語症か…」

先生「ええ…壁外から帰ってきた兵士によくある症状です…ご存知でしょう?」

ハンジ「勿論。精神的な絶望からくるってこともね。」

エルヴィン「彼女達の怪我の状態は?」

先生「リーネさんとヘニングさんは肋骨の骨折くらいで、ゲルガーさんは…両足の複雑骨折、ナナバさんは腕と片足の骨が…」

ハンジ「ちょ、ちょっとエルヴィン?まさかあなた…」

エルヴィン「…兵士としての復帰の望みは?」

ハンジ「エルヴィン!!私は反対だよ、ナナバだって心も体もボロボロで…」

エルヴィン「ハンジ」

エルヴィン「…今調査兵団は未曽有の危機だ」

エルヴィン「リヴァイも怪我で動かず、女型戦で精鋭を失い過ぎた」


エルヴィン「ミケも今回の戦いで命を落とした…戦えるならば、彼等にも戦ってもらわなければならないんだよ」

ハンジ「…私は、反対だ」

エルヴィン「…」

ああ……

コンコン、ギィー

エルヴィン「起きていたか…」

ナナバ『…エルヴィン団長』

エルヴィン「少し…話しても?」

ナナバ『』コクン

エルヴィン「ミケの、話を聞いたよ…」

ナナバ『…』

エルヴィン「巨人を惹きつける為に囮になったんだってな…あいつらしい」


エルヴィン「責任感があって…初対面の時は実力があるのに変わったやつだと思ったな
握手しようとしたらいき手の匂いを嗅がれて…しかも私の時だけ何故か五分間くらいずっと爆笑してた。正直ぶん殴ってやろうかと思ったよ」

ナナバ『』クス

エルヴィン「見た目がマトモなのにな、ビックリしだ」

ナナバ『…』


エルヴィン「…明日、私達はローゼの調査に向かう」

ナナバ「!!」

ナナバ『団長、私も』

エルヴィン「駄目だ」

ナナバ(!!)

エルヴィン「君は多分自分も着いていくと言いたいんだろうが…絶対に駄目だ」

ナナバ『でも!!…でも』

エルヴィン「そんな怪我で、馬に乗せる訳にはいかない。…君をそんなことで死なせたら、ミケに私が顔向け出来なくなる」

ナナバ『…分かったよ』

エルヴィン「それからもう一つ話があるんだ…」
エルヴィン「調査兵団は今…深刻な人材不足だ」

エルヴィン「怪我が治っても立体機動が出来なくなったとしても…どんな形でも良いから人材が欲しい」

エルヴィン「すまないね、君に今する話じゃないと分かってるが…」

ナナバ『…分かってる、出来るだけ協力しよう』コクン

ナナバ『その代わり、お願いがある――――』サラサラ

エルヴィン「…これは?」ペラ

エルヴィン「…ああ!ありがとう…ナナバ…大丈夫だ…必ず、彼を連れて帰る…手足でも、立体機動の一部でも…絶対、に…!!」


ナナバ『……』

最後にとりつけ
すいませんが今日はここまで、続きはちまちまと…
見てくださった方、ありがとうございます

>>36
うわああああ!!見落としてましたごめんなさい…
五年前よりもっと前、ナナバさん新兵時代からちょっと後くらいの設定です
ナナバさん20くらい、ミケさん20代後半くらいで…


ナナバ『……』

ナナバ『目が覚めて、2日』

ナナバ『彼が居なくなって、5日が経った』

私は無理を言って一度、兵舎に帰ることにした
車椅子と松葉杖で…でも負傷してる者でも駆り出さなければいけない程に状況は逼迫している。

ナナバ『一度戻って自分の身の振り方を考えろってことか…』

ナナバ『よいしょ、と』

ナナバ『やっと着いたね』

ナナバ『…久しぶりな気がするなあ、部屋に戻るの』
ナナバ『壁外調査が終わって…休む間もなく104期生の監視だったからね』

最近ミケナナ増えてきたな
支援!


モブ1「おい…早く出てってくれよ…ナナバさんがもうすぐ帰ってくるんだから」

ナーン

モブ2「もう良いだろ、窓から放り出しちゃいなよ」

モブ1「いやいや…さすがに可哀想だろー、それにしてもここは二階なのにどうやって入ったんだろうな、こんなでっかいの」

ナナバ『?』

ナナバ『どうした?』ヒョイ

モブ1、2「「!!!?」」

モブ1、2「ナナバさん、お帰りなさい!!」バッ

ナナバ『ただいま…あ、』パクパク

モブ1「あ…ナナバさん、そうか…声が」

ナナバ『あは、忘れてた』
モブ2「お帰りなさい…ナナバさん…戻ってきてくれて良かった…本当に」グス

ナナバ『猫、か』

猫「にゃーお」

モブ1「どっから入ってきたんでしょうね?…今の所は粗相してないようですが…」

モブ2「すぐにほうきを持ってきますね、叩き出しときますよ」

ナナバ『良いよ、放っておいて。野良みたいだからそのうちどっかに行くだろうしさ』サラサラ

モブ1「しかし…」

ナナバ『良いから良いから』ヒラヒラ

モブ2「分かりました…その、仕事の方は無理はなさらないでくださいね」


ナナバ『ありがとね』サラサラ

モブ1「これが、書類になります…くれぐれも無理はせずに!あ、あと」

ナナバ『?なに?』

モブ1「エルヴィン団長の命令です、30分に一回程負傷してるのに働いて下さる人達の気分が悪くなってないか、巡回の兵が回りますからね」

ナナバ『面倒臭いなぁ』

モブ2「鍵かけちゃダメですよ、ナナバさん!」

ナナバ『はいはい』


モブ1「…では、これで失礼します」

バタン

ナナバ(さて…)ペラ

ナナバ(うへ、エルヴィン…これただサインすれば良い書類ばかりじゃないか)


ナナバ(左腕でサインしにくいなぁ、と)カキカキ




ナナバ(…)モクモク


ナナバ(…)モクモク

ナナバ(…んー、もうすぐ30分か…)

ナナバ(ココアでも頼もう)


コンコン

ギィー

リヴァイ「…久しぶりだな」


ナナバ『リヴァイ?巡回の兵って…あんただったのか。』

リヴァイ「俺が巡回で驚いてるみたいだな…」

リヴァイ「俺は今役立たずだからな、これぐらいしか仕事がねぇ」

リヴァイ「…ローゼの調査に付いていきたかったが、エルヴィンの奴が許さなかった。」

リヴァイ「こんな所であぶれてるってわけだ」

ナナバ『はは…私と同じ状況だね』

リヴァイ「…気分はどうだ?」

ナナバ『平気さ、つまんないサイン書くだけの仕事もやってると痛みも紛れるもんだね』サラサラ

リヴァイ「そうか」

リヴァイ「何かあったら言え、負傷した奴らの為の医者もいる。…お前は、声が出ないんだったら花瓶でもぶん投げろ、俺が見にきてやる」


ナナバ『はは』クスクス

ナナバ『じゃあ、ココアをお願いしようか。兵長殿?』サラサラ

リヴァイ「ん?」ペラ

リヴァイ「…了解だ」

――――――――――

リヴァイ「淹れてきたぞ」カチャン

ナナバ『ありがとね』サラサラ

ナナバ『…二つも?』

リヴァイ「俺の分だ、別にここで飲んでも悪くないだろ」

ナナバ『もちろん』サラサラ

支援ありがとうございます、ミケさんが好きなのでミケナナ増えてるのは嬉しい
今更ながら、『』欄は筆談及び相手が表情で察してくれているということです


リヴァイ「…」ズズズ


ナナバ『…』コクコク

ナナバ『…美味しいな、リヴァイはココア淹れるのが上手いね。何か工夫でも?』サラサラ


リヴァイ「…あ?企業秘密だ…」

ナナバ『…なんだそれ。こんなに、良い香りがするし…何か秘訣が――』

トタトタ…トタトタ

ナーン

リヴァイ「?」

リヴァイ「猫?」

猫「にゃあ」

ナナバ『あ、忘れてた』

リヴァイ「お前の飼い猫か、随分とでかい猫だな」

ナナバ『違うよ、この子は野良猫だ。なんか私がいない間に居着いちゃったんだってさ』サラサラ

リヴァイ「…野良猫か、チッ…」

ナナバ『おや、リヴァイは猫嫌いなのか』

リヴァイ「…野良猫は薄ぎたねぇから嫌いなんだ」

ナナバ『酷いな』

リヴァイ「コイツは毛並みが清潔そうだが…」

リヴァイ「いや、よく見たら斑模様が薄汚い。駄目だ」

ナナバ『そうか?私は綺麗だと思うけどね』

猫「…なーん」ヒョイ

リヴァイ「!!…ソファに登って来やがった」

猫「…スンスン」

支援

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月29日 (金) 06:52:49   ID: UwspGL2w

ミケの執念がこわい…

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