兄「触ると時が加速するんだ」妹「なるほど」 (131)

兄「本気で聞いてる?」

妹「意味がわからないからテキトーに聞いてる」

兄「そうか、ならば実践してみせよう」すっ

妹「なにそれ」

兄「ひまわりの種。ハムスターが食うやつ」

妹「知ってるけど」

兄「これを握ります」ギュッ

妹「うん」

兄「手を開くと…」

ボン!

妹「咲いた!」

兄「これが加速するって意味」

妹「うおおっ!凄いね兄貴!」

兄「いや素直に感動しないで。これ、ヤバくない?」

妹「へ? どゆこと?」

兄「めっちゃ超能力じゃん…非現実的じゃん…」

妹「むむむ。確かに…」

兄「なんとなく相談したくてお前に言ってみたけど、どう思う?」

妹「凄いとしか…」

兄(駄目だ相談相手間違ったわ)

妹「というか何時気づいたのコレ?」

兄「さっきだよ。エンドウ豆食ってる時」

妹「変なタイミングだね」

兄「だって急にガッチガチになってピーナッツみたいになったから」

妹とセックスなんてしたら終わる頃には…

兄「これ加速してね? っと思った感じ」

妹「へー」

兄「…むぅ、どうしよう。これじゃあ安易にご飯も食えないぞ」

妹「わかった兄貴、これ誰かにいっちゃ駄目なヤツだよ。きっと」

兄「うん、知ってる」

妹「だからね、これは兄貴とあたしと二人の秘密でってことにしようよ」

兄「そうだな…そうしたほうがいいよな、きっと」

妹「うんうん」

兄「じゃあ今日はもうねるわ。おやすみ、妹」

妹「おやすみー」

パタン

妹(というか、ひまわり持って行かないんだ…)

続きはよ

妹「……」ひょい

妹「時が加速する、ね」

妹(──とうとうこの日が来てしまったんだ…兄貴…)ギュッ

妹(あの日に…あたしが頭をバットで殴って忘れさせたと思ってたのに…)

妹「もう一度消さなきゃ…絶対に…」

次の日

兄「……」もぞ

兄「ふぁ」

バット痛いいいいいい

兄「眠い…もう朝か…」

兄(というか凄く寒いな…なんだちゃんと毛布をかけてたはずなんだが…)

兄「…毛布が散り散りになってやがる!」がばぁ!

兄「なんだこれ…というか繊維がボロボロになってんのかコレ…?」

兄(まさか時が加速した? それで毛布が古くなって散り散りに)

兄「こぇぇ…」

コンコン

『兄貴ぃ? そろそろ朝ごはんっすよー』

兄「あ、ああ。すぐ行く…」

兄(というか寝間着は無事なんだな)ぬぎぬぎ

兄「…こりゃ本格的に考えなきゃ駄目か」

リビング

兄「……」

妹「もっくもっく」

兄(朝飯はパン。牛乳、ハムエッグ…いつもどおりだよな)

妹「食べないの?」

兄「えっ? あ、うん。食べる食べる」ひょい

兄「大丈夫だよな、きっと」

シュオオオオオ!!

兄「ッ!? パンにカビが…!?」

妹「くさっ!?」

手に触れたものが無条件で時が加速するのか

うむ

兄「おおっ!? ちょ! コレ見てみて! 妹!!」

妹「なにそれ…新しいジャム…?」

兄「違うッ! どう見てもカビだろ!」

妹「なーんだカビか~」

兄(なんだこの妹…)

妹「それ食べるの?」

兄「食べるわけ無いだろ…」

妹「だよね」

兄「つかコレ、時が加速したんじゃね…? それでカビが生えた感じじゃないか…?」

妹「な、なるほど」

兄「仕方ない捨てるか…というか他のやつはどうなるんだ?」

あーんしてもらうしかないよね

妹「ふむ。じゃあ試しに牛乳はどうなるのかな」

兄「指先入れてみるか」チャポン

ボコボコボコボコ!!

妹「よ…ヨーグルト…?」

兄「違うだろ、これってただ時が経って固形化しただけだ」

妹「ハムエッグはどうなるの?」

兄「焼けた鶏が出てきたら面白いな」

妹「あははーウケるー」

兄(呑気な妹め…)ツンツン

妹「ん? 変わんない?」

兄「いやメッチャ硬くなってる。ガチガチ」コツコツ

妹「おー」

兄「検証結果が出ました」

妹「なんでしょう」

兄「ものが食べれません」

妹「危機!」

兄「だよなぁ…やっべどうしよコレ…」

妹「……」

兄「普通に問題じゃねえか…これからどう食えってんだよ」

妹「兄貴ぃ?」チラチラッ

兄「なんだよ」

妹「はいっ! あーん」

兄「バグッ!」

妹「ぎゃー! めっちゃ食ったー!?」

俺も腹ペコだよ妹ちゃん

支援

兄「もぐもぐ」

妹「うぅ…ひどい…ハムエッグはあたしの第二の好物…」

兄「ごちそうさまでした。洗い物はお前が当番だろ、きちんとやれよ」ガタ

妹「…あれ? もう行くの?」

兄「日直だしな。それに変なの目覚めちゃったけど、学校は行く」

妹「相変わらずお真面目さんだね」

兄「だろう? んじゃ行ってきます」

妹「いってら~」

すたすた…

妹「…むぅ」

支援

学校

兄「ふわぁ~」

友「あらら~なんだか眠そうだね~」

兄「ん、昨日は寝付けが悪くってさ」

友「なるほどぉ。では、そんな時はこれ…ジャスミンティィイィイイ!」

兄(うるさいな…)

友「これを飲めば一瞬で深い眠りにつけるよ! ゴックゴックボゴォウ! ゲッホ! ゴホガハァッッ…!」

兄「さて昼飯でも食うかな」

友「ッ…ッ…!」ビクンビクン

兄(購買部でパンでも買うか)

購買部

ガヤガヤ ザワザワ

兄「相変わらず人が多い…」

妹「あれ兄貴じゃん。ちぃーっす」

兄「おう。お前もパンなのか」

妹「今日は弁当作らなかったからねー」

兄「珍しい」

妹「たまにはサボりたくなるものなのよっと」ひょいひょい

兄「おっ? すげーなお前、よくこの人混みの中行けるなー」

妹「兄貴なににすんのー? 買ってあげるよー?」

兄「じゃー焼きそばパンでー!」

妹「らじゃー」

妹ちゃんかわえぇ

ささやかな支援

貧乳「もっと先へ『加速』したくはないか、少年」

かと思った

支援

兄(元気だな相変わらず。さて俺はゆっくりとアイツの帰りを…)

兄「ん、なんだ?」ボコン!

兄「さっき買ったコーラが…膨れ、てっ!?」

ボコボコボコボコ!!! ボッ──パァン!!

兄「うッ」

ぱっしゃああああああん!!

「きゃー!? なになになんなの!?」

「うおおっ!? すっげー濡れた!?」

「やめろ押すなってお前! なんだよ!?」

兄「………」

妹「ちょ…痛いって! なにがどうして──…兄貴?」

兄「っ……」だだっ

妹「ちょ! 兄貴!? どこ行くの!?」

書きため無いとか脳にカビ生えてんじゃねえの?

屋上

兄「はぁっ…はぁっ…」

兄(一体何がどうなってるんだよ…これ…)ぎゅっ

兄「さっきのコーラはもしかして…炭酸が急激に抜けだしたってことか…?」

兄「それで容器が耐えられずに爆発して…くそ、どういうこったよ!」

キィ…

兄「っ!?」くるっ

妹「…兄貴?」

兄「お、お前か…なんだびっくりした…」

妹「う、うん」

兄「…心配して追いかけてきてくれたのか」

妹「……」コクリ

兄「そっか、ありがとうな」

支援

スレタイ見ておっぱい触って大きくするのかと思ったけどこれじゃむしろ萎んじゃうな...

妹「さっきの騒ぎだけど、もしかして兄貴がやったの?」

兄「…そうみたいだな。どうやらまた加速しちまったようだ」

妹「そうなんだ…」

兄「なんていうかさ、困ったもんだよな。これじゃあ満足に日常生活も過ごせやしない」

妹「……」

兄「手袋すれば問題ねえのかなーこれって」

妹「あ…兄貴! そ、それ!」

兄「うん?」ガタン!

妹「フェンスが崩れて落ちッ…!?」

兄「うおおおっ!?」ぐらぁ

兄(落ちるッ!? やべぇ!)ヒュウ…

がしっ

兄「あっ…あぶねぇ! でもあぶねぇ! ギリギセーフ!!」

妹「でも身体が宙ぶらりんこだよっ!?」だだっ

兄「意味わからんこと言うな! くそッ…さっきのコーラで手が滑りそうにッ…!?」ずるり…

妹「ほら兄貴捕まって! 引っ張りあげるから!」

兄「す、すまんッ!」

妹「うん!」

兄「ッ……いや待て! やめろつかむな!」

妹「な、なんでそんこと言うの!? 捕まんなきゃ死んじゃうって!」

兄「ち、違う…確かにそうなんだが…お前が俺の手に触れると…!」

妹「あ…加速して…?」

兄「お、おうッ…どうなるかわからん! だから自力であがる!」

妹「ッ…でもそれじゃあ落ちちゃうよ! 駄目だよそんなの!」

兄「黙ってろい! 力が入りにくい!」

妹「江戸っ子になってるよっ!」

兄「うるせぇってんだい! ちょっとテンパってるんだよ馬鹿!」

妹「ううっ」

兄(てか強がってみたものの、くそぅ、このままじゃ普通に落ちるぞこりゃ)

妹「やだよ…死んじゃ嫌だからね…っ?」

兄「あ、ああ…任せろ…大丈夫だ、お前を置いて行ったりしないって…」

妹「うん…うんっ…」

兄「独りぼっちにさせるわけないって…だから───」

ずるりっ

妹「あっ」

兄(落ちッ!?)

ヒュウウウウ

妹「兄貴ッ……!?」

俺が受け止める

兄(落下、死ぬ、地面、打つかるッ)

ヒュウウウ…

兄「──……死ねるかこの野郎ッ!!」ババ!!

兄(加速──地面──土──加速──)

兄「いっけぇええええええ!!」



妹「兄貴ッ!? あっ……ああっ…!!」バッ

妹「あ………あ、あれ……?」

妹「あれって……助かって、る…?」



兄「……はぁ~あ」

兄「助かった…下が土で良かった…」

兄(加速させて腐葉土にした。柔らかくもさもさの土、ちとクッションには硬すぎるけどな…)

恐らく手袋をしても、その手袋の時が加速して
さっきの布団みたいにボロボロになってしまうだろうから無理だな

江迎ちゃんかよ

~~~~

妹「あ、あにきぃー!!」だきっ

兄「お、おお…」

妹「なんなのそれっ…めっちゃ死んだって想って…うわぁああんっ!」

兄「だから死なないって言ったろ」

妹「ばか!」

兄「…すまんかった。心配させたな」

妹「うん…」

兄「ほら、もう離れろって。もしかしたらシワシワの婆ちゃんになるかもだぞ」

妹「……」すっ…

兄「あー痛ぇ…無理するんじゃなかった、ちょっと保健室行ってくるわ」

妹「だ、大丈夫なの? 平気っ?」

おっぽい揉んでおっきくなったとかかと思った

兄「大した怪我はないと思う。お前も気にし過ぎ、ほら、教室戻ってパンでも食ってろ」

妹「っ……」

兄「おれは大丈夫。平気平気」

妹「…わかった」

保健室

兄「痛!」

先生「はーい動かないでねー」

兄「…ちょっとは優しくしてくださいよ」

先生「怪我に優しさは要らぬのだよ。知ってた?」

兄「知りません」

先生「あららーそっか。君も相変わらず怪我が多い子だねー、はい終わり」

展開が気になる

はよ!

密かに好きだぞこれ

兄「……」

先生「今日はどうしたの? また猫でも助けた?」

兄「違います。ちょっと屋上から落ちただけです」

先生「なるほど、君も冗談が言えたんだねぇ。先生はびっくりさんですよ」パタン

兄「そういえば先生。今日は仕事をしてるんですね」

先生「舐めちゃ困るよ教師を。これでも十数年、真っ当に保健教師努めてますよ」

兄「煙草の灰が服に付いてますけど」

先生「なぬっ!」

兄「嘘です。ありがとうございました、では」すたすた

先生「………」

パタン

兄「…さて、そろそろ五時限目が始まるか」

兄が恐い

pap   ___      
/ ̄ヽ/ \ / \/ ̄ヽ    人人人人人人人人人人人人人人人人人

|   /  (゚) (゚)  |    |  <     ふむ・・・ふむふむ‥・       >
|   |   三    |    |    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
\_ノ\∩_∩_ノ\_ノ       
    / \ /\     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
   |  (゚)=(゚) |   < . 右脳詰めはいやだ…右脳詰めはいやだ…  >
   |  ●_●  |    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
  /        ヽ 
  | 〃 ------ ヾ | 
  \__二__ノ 


     ____
/ ̄ヽ/ \ /(゚)\/ ̄ヽ   人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人

|   /(゚ッ)       ヽ ノ( |   <                 ‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ | |  >
|   ( 、_   三      | ⌒ |   <  …ファンタジスタッドォ./,| /,| ./,| /,| /,| ./,| .・ ・   >
|  | ) r‐      ノ( |   |    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
|   ヽ         ⌒ ソ    |
\_ノ\__|   |__,/\__ノ
       |  |
    ((  (_,、_) ))
      ノ ( `ー── - 、_ノ^ヽ         人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人

    γ(゚)。ゝ ̄ ̄ ̄ ヽ-、 )ヽ  \      <    _|_l__       ┼─‐      //// >
  (( ノ ●ヾ0{      )゚ノ (゚)   ヽ ))   <      |   ) _   / ─  ー─ //// >
   ノ =  ● \    | __○__っ |    <      |     _)  / (___  ・・・・ >
  (  丶、_ ,, ヽ )) \ヾ . .:::/つノ    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY

   \        )     Uuν
 ヾ\ `ー二__ノ

終わり?

放課後 下駄箱

兄「ん?」

妹「あ…」

兄「よお、帰りか?」

妹「…うん」

兄「じゃあ一緒に帰るか。買い物も手伝ってやるよ」

妹「あ、ありがと」

~~~

兄「……」すたすた

妹「……」すたすた

兄「…なんだよ、変に大人しいな」

妹「だって、あんなことがあったし…」

兄「気にし過ぎだろ。当の本人がそろそろ慣れ始めてるってのに」

妹「慣れちゃってるの?」

兄「うん。まぁ色々と今日でわかったことがあるしな」

妹「どんなこと?」

兄「まず一つ。教科書やシャーペン、あとは人に触れても時は加速しない」

妹「えっ? ほんとに?」

兄「多分だけどな。だけど屋上のフェンス、突然崩れたのは加速して老朽化したせいだろうけど」

妹「…その違いってなんだろう」

兄「それはわからん。けど、違いがあるってのは十分な判断材料だな」

妹「色々と…大変になっちゃったね、兄貴」

兄「だなぁ」

妹「でもさ、加速するって何だろね」

兄「どいうこと?」

妹「変だなって思って。ひまわりとか、パンとか、卵とか」

妹「それって加速したからってまとめちゃってるけれど」

兄「…他になにかあるんじゃないかってことか?」

妹「うん。なんだかそういう気がするんだ…特に理由はないけど…」

兄「お前にしては真面目に考えるんだな。なにか知ってんのか、この加速について」

妹「うぇっへっ!? し、知らないよっ!?」

兄「おい、その反応は何だ」

妹「…シラナイヨー」

兄「こっち見て言え」

妹「しっ…知らないと言ってるってばよっ!!」だだっ

兄「お、おい!」

妹「にゃー!」だだだだ

兄「逃げたな…なにか隠してるのかアイツ…?」

兄(いや、でも何か思い出せそうなんだよな。確かに、変な話だ)

兄(昔から慣れてるっていうか、随分と前からこの加速を使ってたような───)


キキィ! ドン!!


兄「──え……」

兄「ちょ…えっ? 妹!?」だっ


妹「……」

妹(あ、あれ…? なんだこれ…周りが真っ暗? 夜?)

急展開

妹おおおおおおおおおお

ハムエッグやパンや牛乳は放置しても同じ結果が得られただろうから時が加速したのかもしれないが手に握ったひまわりの種はどれだけ放置してもひまわりにはならないはず
つまり時は加速していない!!!!!!!!!ぴゅー!

妹(早いな夜来るのー…というかご飯食べてない! びっくり!)

「──い──もうと──じょうか──」

妹(あれ? 声が聞える、なんだろう、もうあたし寝るのに…)

「──…おい! お前っ…妹! 目を開けろよ!」

妹(兄貴? うるさいなぁ…もう寝る時間だよ…)



兄「おいって! くそ、早く救急車呼べよ!」

「は、はい…! 今呼んでますっ!」

兄「馬鹿野郎っ…何やってんだお前、なに車にはねられて…!」

兄「血がこんなに出てるっ…おい、やめろよ…死ぬなよ!? おいって!」

兄「どうすんだよッ…コレッ…!」

これ加速じゃどうにも

加速したら死が迫る

兄「……ッ…!」ズキン!

兄「痛ッ…なんだ、急に頭痛が…?」

兄(あ、あれ? まてよ? ちょっと待て落ち着け、俺)

兄「……怪我をしている…」

兄「ッ……動くなよ、妹! 兄貴に任せろ!」ババッ!



「まだかよ救急車はっ…くそ、居眠り運転なんて私はぁ…っ」

「…ん? なんだ?」くるっ

「な、なんだこれ…!? ちょ、ちょっと君!? なにをしてるんだっ!?」



兄「ちょっと…黙っててくれ…集中している…からッ…」

「君は…その匂いは…っ?」

これは精液の匂い!

何か腐らせてんじゃね

兄「えっ…? ああ、制服が腐ってる匂いかも知れない…っすね…!」

「腐る…?」

兄「制御、出来てないんで…近づかないでッ…くださいね…お願いですから…!」

「こ、これは…!」


兄「待ってろ…すぐに助けてやるから…ッ」

兄「…人の怪我ってものは…ッ…治るもんだろ…大小の違いがあるだろうけど…!」

兄「治癒力とかッ…治療でも良い! 〝時〟が経てば傷や病気は治る…ッ!」

兄(そうっ! 俺が保健室で治療してもらった傷! それすらも…時間が経てば治る!)

兄「だからッ…〝加速〟させるんだッ…傷だけを…怪我だけを…!」

兄「お前を加速させずにッ…怪我だけを加速させる!!」

じゅぐっ…ぐじゅぐじゅ…ペキ…パキパキ…ゴキン!

効果音おかしいwwwwwww

兄「うっ…怪我が酷くなって…るのか、これ…?」

妹「………」

兄(骨がボロボロと頭から出てッ…ううっ、やめろ! 違うだろ治すんだ!)

兄(止まれ! 血が止まれ、肉も治れ、そう加速させろ…!!)

ぐじゅるぐじゅる…

兄「生きてくれっ…お願いだッ…」

キィン! キィイイイイイイイイイイイイン!

~~~~

妹「ハッ!?」がばぁ

妹「……あ、あれ? ここどこ…?」

妹(見知らぬ天井……真っ白、てか暗い!)

「すー…すー…」

妹「…あ、あれ…兄貴…?」

兄「すぅー…すぅ…」

妹「………痛っ」ズキン

妹(頭が痛い…ううっ…なんだろあたし…どうしてこんなところで寝てるんだろ…)

妹「…あ、あー! 撥ねられたんだあたし!」ぽんっ

妹「あれ? それからどうしたんだろ? んっ?」

兄「…すぅ…すぅ…」

妹「…そ、そうだ…そうだよ…兄貴が…抱きしめてくれて…」

妹(あたしは見たんだ…掠れた視界であの手を…)

妹「もしかして…兄貴が助けてくれたの…?」

兄「……んっ…んがっ? あっ? うおおおっ!?」ガタタン!

妹「うおおおっ!?」びくぅ!

兄「お、おまっ! おままっ!」グイグイグイ!

妹「あわわわわ」グラグラグラ

兄「ばっ」

妹「…ばっ?」

兄「ばっかやろう!」ぎゅうっ

妹「きゃっ」

兄「なにっ…なに車に撥ねられてんだよお前っ…! 死ぬほど心配したんだぞ…っ」

妹「お、おう…」

兄「おうじゃない! この腐れ脳みそが!」

妹(ひ、ひどい…)

兄「…ううっ…ぐすっ…」

妹「…泣いてるの?」

兄「な、泣いてないっ」

妹「ごめんね…心配かけて…」

兄「本当に何やってんだよ馬鹿妹…心配させんなよ…!」

妹「うん…でも、兄貴助けてくれたんでしょ…?」

兄「一か八かだったけどな! 救急車来たの三十分後だったんだぞ!?」

妹「そうなの…?」

兄「お、おう…医者が言うには頭を強く打っただけ…なんて阿呆みたいな事言いやがって!」

妹「……」

兄「ま、まぁその通りの外傷なんだろうけどもさ…」すっ

妹「凄いね。加速…させたの?」

兄「…怪我だけな、本当に賭けだった。ていうか、すまん…勝手にやっちまって…」

妹「ううん、ありがと。兄貴に助けてもらったほうが…あたしも嬉しい」

兄「そ、そうか? そう言ってもらえると…助かる」

妹「…あ、絆創膏剥がれかけてるよ」

兄「え? ああ、昼の怪我か。いいよもう、治ってるし」ビッ

妹「あ。ほんとだ…」

兄「…今日は良いからもう寝とけ。明日には色々と検査があるらしいぞ」

妹「わかった。兄貴も、もう帰ってもいいよ」

兄「いや、それは駄目だ。今日は泊まる、明日も付きそう。絶対だ」

妹「…真面目さんだね。じゃあお言葉に甘えさせてもらおっかなー」

兄「良いから早く寝ろって」ポン

妹「うん」なでなで

~~~

ガララ…ピシャ

兄「…はぁー……よかった」

ほう

兄「無事に加速が出来て良かった。あのままだったら…絶対に…」ぎゅっ

兄「……死なせるかよ」

兄(もう血の繋がりはお前しかいないんだ。家族は、お前だけなんだ…)

兄「…もう誰も死なせはしない」

二週間後

妹「ねぇーつまんなーい」

兄「んだよ。さっき指相撲しただろ」

妹「兄貴人差し指使ってくるじゃん。あれマジで卑怯だって」

兄「お前もやっただろ」

妹「ねー退院まだーあたし桃鉄したいー」

兄「…今日だろうから少し待てって」

妹「そうだっけ? じゃあ帰ったら五十年コース?」

兄「百年だ」

妹「…フッフッフ、関東シェルター計画実行だね!」

兄(そのうちにモモタロマン使って無双してやろう)

~~~

兄「そういえば報告なんだが」すたすた

妹「なになに?」すたすた

兄「俺、ずっとご飯食べてない」

妹「…えっ?」

兄「色々と試したんだが、箸でもスプーンでもフォークでも」

兄「何使っても腐ってそこから食べ物も腐る。ボロボロ、マジで腐る」

妹「じゃ、じゃあ…兄貴…今までどうやって生きてきたの…光合成…?」

兄「馬鹿か。がっつり口で食べてた、それもどうかと思うけどな」

妹「じゃあ食べてるじゃん。びっくりさせないでよもー」

兄「食べてねーよ。口で直接食べるって、お前犬かよって落ち込むから」

妹「気持ちの持ちようでしょ?」

兄「気持ちの持ちようだよ。文明人が手を使わずに食べてたら、ほとんど食欲もわかないって」

妹「…じゃあ帰ったらあーんしてあげようか?」

兄「不服だが、そうしてもらうしかないな」

妹(えらく素直だ…本当に困ってたんだね…)

兄「ん?」

妹「どしたの? あ! あれって…」

にゃーん

兄「猫だな」

妹「猫だね。降りれないのかな…」

プッチ神父かと思ったら違ったでござる

プッチ神父「にゃーん」

兄「猫って馬鹿だよな。お前みたいに」すっ

妹「そうだよねーう、うるさいよっ」

兄「仕方ないな」ぎゅっ

妹「なにしてるの? 木なんて触って…」

ズギュギュギュギュ!

妹「…っ…!?」

兄「加速させてる。猫が登ってる木の時を…」

妹(生えわたっていた葉っぱが枯れて、落ちて、また伸びて──)

兄「もう少しか」ギュッ!

ペキペキ…ミシ…ボフゥ!

妹「枯れた…」

パラパラパラ…

兄「さあ降りれたぞ、逃げろ逃げろ」

にゃん! シャー!

妹「めっちゃ威嚇されてるよ…あはは」

兄「恩知らずめ」

たたたたー!

妹「…なんか扱えるようになってない兄貴?」

兄「ん? ああ、最近ハイロウぐらいは出来るようになったな」ぐっぐっ

妹「ハイロウ? ああ、ピーマンとかいれる…」

兄「回鍋肉だろそれ。違う、強弱付けれるようになったってこと」

妹「し、しってるもん! ちょっとボケかましただけだもん!」

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。

親死んでたのかよ

>>75
つまんねーから消えろ

うーん、物書きとして許せないんだが
何この稚拙な文章

物書きワロタ歌い手さんの親戚ですか

兄「……」

妹「それでっ? ハイロウ出来るようになってどうなったっての?」

兄「…うん? えっとまぁ凄くなったかな」

妹「意味がわかりませーん」

兄「わからなくていいよ。つか、はやく帰ろう」

妹「うん?」

兄「腹減って死にそうだから」

妹「…はいはい、わかったよ」すっ

兄「うむ」

妹「それで、ごめんね兄貴」

兄「まだ謝るのか。良いって言ってるだろ──」

ガン!

>>79
コピペにマジレスワロタ新参さんですか

兄「──っ……えっ…は…?」

妹「違うよ。今からすることに謝ったんだよ」すっ…!

兄「なにする、やめ」

ガン!!

妹「…………」

妹「…ごめん、兄貴」

~~~

兄「………っ…」ビクン

兄(ここは…俺の部屋…?)

兄「むぐぁ…うぐぅ…」

兄(口に何か挟まって…猿轡か…?)

ガチャ

兄「……!」

妹「あ。起きたんだ」

いもちゅしえん

兄「……っ? …?」

妹「意味がわからないって顔してるね、兄貴」パタン

兄「……」

妹「大丈夫。頭が混乱してないなら、全部本当のことだから」

妹「──あたしが後ろから殴って、気絶させて、ここまで運んだの」

兄「…っ…」

妹「殴ったのは石だよ、もう治ってるみたいだけど。やっぱりすごいね、兄貴は」ぐいっ

兄「ぷはぁ! お、おまえっ…」

妹「一応縛らせてもらってるから。無理に動かないほうがいいと思うよ」

兄「どういうつもりだ。一体、何を考えてる」

妹「兄貴こそ何を考えてるの?」

兄「質問を質問で返すな」

妹「…そっか、じゃああたしから答えようかな」

妹「あたしはね、兄貴の加速…昔から知ってるんだよ」

兄「なにっ?」

妹「それは小学校ぐらいかな。もっと昔から使えてたかもね、兄貴自体は」

兄「小学校…?」

妹「そうだよ。よく昔はあたしに自慢するように加速して見せてた…」

妹「花をいっぱい咲かせたり、卵を孵化させてニワトリにしたり、急に雨を降らしたりとか」

兄「…全然憶えてないな」

妹「うん、だってあたしが忘れさせたから」

兄「どういう意味だよそれ」

妹「今日みたいにね、ボン! って頭を殴ったの。そしたらすっかり忘れちゃってたよ」

兄「人間の頭は、んな簡単なもんじゃないぞ…」

妹「簡単だよ。人の身体って本当に簡単、すぐに忘れちゃうし…」

妹「…すぐにぽっくり死んじゃうんだもん」

ぎしっ…ぎしぎし…

妹「ねえ…兄貴、どうして兄貴は…」

兄「……」

妹「お父さんとお母さん、殺しちゃったの?」

兄「…は?」

妹「そのままの意味だよ。あたしたちの両親のこと」

兄「何言ってるんだ、お前、二人は事故で死んだろ…?」

妹「…そうだね、みんなで旅行中。あたしたちがまだ小学校の頃だったよね」

イオタと同レベル
SSはどれもくそだが

兄「車が事故で横転してそれから…」

妹「そう。車体がべっこんべっこんに潰れちゃって。助かったのは…あたしと兄貴だけ」

兄「…そうだろ、だから俺が…」

妹「違うよ。本当はそれだけじゃない、ちゃんとお父さんもお母さんも生きてた」

兄「ち、ちがう! 二人は……ちゃんと苦しまずにっ…即死だったはずだ!」

妹「…違うよ二人は生きてたの。確かにもう死んじゃうかも知れなかったけど」

妹「そこに…兄貴は加速させて、死なせた」

兄「っ……憶えてないぞ、そんなこと」

妹「あたしは憶えてる。二人が一生懸命に叫んでたこと、助かろうと必死だったこと」

兄「なんだよそれ…」

妹「結果だけ言うね、兄貴。兄貴は…その時あたしに言ったんだよ」

『助けようとしたんだ。けど、無理だって分かった、だから…』

『…早くさせた』

妹「当時はよくわからなかったよ、兄貴が言ってたこと。けど、すぐに理解したの」

妹「ああ、兄貴は二人を殺したんだって。加速させて、死亡を早めてたんだって」

兄「違うッ! 俺はそんなことはしないッ! それに、そんなのはでたらめだ!」

妹「忘れてるだけだよ。きっと、あたしが頭を殴った時と一緒に、忘れてるだけ」

兄「殴ったって…」

妹「兄貴。あたしは兄貴にとって、どう見える? 可愛い妹? 一人だけの家族?」

兄「なにが言いたいだ…?」

妹「あたしはね兄貴、ずっとずっと兄貴のこと…怖かった」

妹「あたしもお父さんやお母さんみたいに、加速させて、殺されちゃうんじゃないかなって」

妹「無理だって思われたら死ぬまで加速させられて。そして、殺される」

妹「それが怖かった。だから、あたしは…兄貴を殴った。本気で殺すつもりで」

兄「……」

妹「…そしたら忘れてるんだもん。色々と、自分の加速することとか」

妹「事故のことも忘れてて、自分だけすっかり被害者気取りだった」

兄「俺は…」

妹「だけど思い出し始めてる。その加速を、あたしのお父さんお母さんを殺した力を」

妹「だんだんと扱えるようになってきてる。だから…こうするしかないじゃない」

兄「…なんだよずっと閉じ込めておくってか」

妹「……」

兄「馬鹿かお前。時期に警察とか来るぞ絶対、いや、それとも…」

妹「……………」

兄「殺すのか、俺を」

妹「…どうなんだろうね、わかんない。あたしには」

兄「相変わらず思い出せないが…仮に俺が両親を殺した、とするけど」

妹「……」

兄「それがお前にとって苦痛になって、恐怖に感じてる原因になってるとして…」

兄「…俺が死んで助かる、という方法しかないのか?」

妹「……」

兄「俺は…お前に苦しんでほしくない。むしろ笑って生きて欲しい、これは本心だ」

兄「たった一人の家族だから。お前は俺の妹で、俺は兄貴で、一緒にご飯食べて…」

兄「…大変でも楽しく幸せに生きていければそれだけでいいって、思ってる」

妹「……」

兄「もし…本当にそれだけなら…俺が死んで助かるなら…」

兄「俺は…喜んで死んでやるよ、バカ妹」

妹「…本当に真面目さんだね、兄貴」

兄「……」

妹「フツー言わないよそんなこと。絶対に」

兄「…そっかな」

妹「別にね、あたしは別にあにきに死んで欲しいわけじゃない」

妹「ただ、その力を忘れて欲しいだけ。もう一度だけ、その加速を忘れて欲しいだけ」

兄「また殴るのか」

妹「…それで済むならいいんだけど、今回でわすれてないみたいだし。どうなんだろう、無理じゃなかな」

兄「じゃあどうする。やっぱ死ぬべき?」

妹「ううん違う。そうじゃなくて…あたしを加速させて」

兄「えっ?」

妹「あたしの脳を加速させるの。今の兄貴なら出来ると思うけど、記憶の部分だけを加速させて、細胞をいくつかプチプチって」

妹「死滅? させるみたいな感じ」

きもい展開やめて

兄「…本気で言ってるのかそれ」

妹「うん。どっかで見た気がするけど、細胞って時が経つと死ぬんでしょ?」

妹「それをうまーく使って、記憶の部分だけを死滅させる。そしたら…」

妹「…兄貴の加速のことだけを忘れられるかもよ?」

兄「お、おい! ここまで来て最後が運頼みかよお前!?」

妹「しかたないじゃん。どうするの? 他になにかやり方ある?」

兄「っ…思いつかないけどさ!」

妹「じゃあやって。兄貴、頭を触って加速させるの」ぎゅっ

兄「ま、待て待て待て! じゃあこうしよう! 俺がこの家を出て行くってのは!?」

妹「駄目! 絶対ダメ!」

兄「なんでだよ…! それなら解決だろ!?」

妹「……一人になりたくないもん」

兄「ワガママかお前ッ」

妹「うるさいっ」

兄「…恨んでるならそれぐらいやり切れよっ」

妹「うっ…うー! いいじゃん、やってみてよっ!」

兄「馬鹿! 簡単に行くかそんなの! 下手したら今よりもっとアホになるわ!」

妹「あほじゃなーい!」

兄「き、記憶の細胞だけ…? 加速させる…? 無理無理! 絶対に無理!」

妹「じゃーあたし、このまま警察に見つかるまで甲斐甲斐しく世話する方向になるけどー!?」

兄「めんどくせーなお前!」

妹「いいじゃんいいじゃん。やってよ、ね…?」

兄「やってよって…うぐぐ」

妹「大丈夫、きっと出来るって兄貴だったら。平気平気」

兄「本当にそれしかないのかよ…」

妹「うん」

兄「…前から相当馬鹿だって思ってたが、本当に馬鹿だったんだな」

妹「…うん」

兄「なんだよ、俺、さっきからびっくりしすぎてるぞ。ったく…助けたと思ったら、これだよ」

妹「……」

兄「お前、本当にやるのか」

妹「やってほしい。兄貴になら任せられるから」

兄「…信頼してるのかしてないのか、どっちだよお前」

妹「信頼はしてるよ? ただ、自分に自信がないだけ」

兄「どういうことだよ」

妹「…兄貴のことずっと信用できる自分が自信がない。だけど、今だけは本気で信じてる」

おっぱい触らせて加速させて膨らむエロ展開かと思ったのにシリアスかよ

兄「都合のいい妹だなまったく」

妹「そういう妹さんなのですよ」

兄「…ま、そういう妹だってことは知ってるよ。昔から」

妹「……」

兄「わかった。加速だな、お前の記憶の細胞…それを加速させる」すっ

妹「うん。そしたらあたしは…兄貴の加速を忘れられる」

兄「それがお前の望み。そうすれば俺を恐怖することもないってことだな」

妹「そゆこと」

兄「…じゃあ行くぞ」

妹「いってくださいな」

兄「…加速」

ミチ…ミチミチ…

kskst

ミチミチ

妹「………」

兄(怖がってるか…知らなかった、これだけ近くにいたってのに)

兄(忘れてた記憶…確かにそうだったのかもしれないと、今では俺も思えてる)

兄(俺が両親を殺したんだ原因だったと…)

兄(…この加速で死を早めた。怪我を加速させて治す、なんて範疇じゃなかったんだろう)

兄「なにやってんるだろうな俺…」

兄(なにも変わってないみたいだ。本当に、昔から俺は…)

兄「…でもよ妹」

妹「…?」

兄(俺は…何があっても危険な目に合わせないって決めてるんだ)

兄(お前には絶対に悲しい思いをさせないって。俺の目の前では…絶対に)

キィイイイイイイイイイイイイン!

兄「…加速」

ミチミチ! ミチ…!

妹「ふぇぁ…ぁっ…ぁう…?」

兄(そう信じてる──信じて、俺は生き抜くことを絶対に誓う──)

妹「なにっ…これっ…兄貴…なにして……?」

兄「信じきれないんだろ、お前は」

妹「っ……?」

兄「俺のことを信じきれない。だから〝視せて〟やろうかと思ってな」すっ

兄「加速した先の──その『未来』が…」

兄「どうなってるか、ちょっとズルして見てようぜ。二人でよ?」

ミチィ!

妹「うぐっ!?」

~~~

妹「んー」

兄「…なんだよ」

妹「だから、んー」

兄「っはぁ~…また? さっきしたじゃん」

妹「もういっかいだけ…だめ?」

兄「しょーがないなー」

ちゅっ

妹「へへへ」

兄「あんだよ」

妹「むふふ」

兄「…だからなんだよ」

妹「好きだよ、兄貴っ」ぎゅっ

~~~

兄「……ハッ!?」

兄「い、今のは…!? えっ、なにいまの!?」

兄「いや…やったのは俺だけど…脳の細胞を加速させて…」

兄(その脳が記憶するだろう〝未来の記憶〟の細胞まで加速させて──)

兄(──未来の記憶を映し出したんだが……えっ? どいうこと?)

兄「い、妹…今のって…」

妹「………」

兄「妹…?」

妹「ぶはぁ」

兄「うぉっ!? は、鼻血!?」

妹「っ…っ……」ボタボタボタ

兄「お、お前! 大丈夫か!?」

かわいい

兄「何が言いたいだ?」

不覚にもワロタww

妹「……兄貴…今の…って……」

兄「あ、うん…できたんだけど…ちょっとやり方を変えてみた感じで…」

妹「うん…なんかすっごい光景が見えた気がする…てか、記憶してる…」

兄「その、うん…なんかめっちゃキス…」

妹「やめて!」バッ!

兄「は、はい」

妹「…えっと、つまりどゆこと?」

兄「その…簡単に言うとですね、記憶を加速させて未来を見せたというか…その…」

妹「…あれが未来?」

兄「う、うん…あれが未来…」

妹「兄妹で…き、きっすするのが…?」

兄「そうみたいです…?」

あいでーかわたね

妹「っ…んー! んー!!」ポカポカポカ

兄「ちょ、やめろって! 俺拘束されてるから…! 防ぎきれないから!」

妹「なっなにそれ!? なんでキスしてるの!? やだやだやだ!」

兄「だっからやめろって…あーもう!しらねーよんなもん! ってかお前からキスしてたじゃん! 俺じゃないもんねー!」

妹「ハァー!? 兄貴だって受け入れてたじゃん!?」

兄「しょうがなくって感じだったろうが!」

妹「違うもんねー! めっちゃ違うんもんねーだ!」

兄「…好きって言ってたぞお前」

妹「んにゃー!!!」ポカポカポカ

兄「や、やめろって…すまん…ごめんごめん…」

妹「ううっ…な、なにあれっ…ほんっとなにあれっ…信じらんないっ…!」

モバイルだから変わるんよ すまね

兄「…俺も信じらんないわ」

妹「あれが…未来っ? あたしたちの未来ってワケ…?!」

兄「多分な…」

妹「…うっ…」きゅぅん

兄「へっ? どした?」

妹「えっ? あ、いやそのっ…えっと……」キョロキョロ

兄「ま、まさか具合悪いのかっ? そうだよなっ! 変に頭を弄ったし…」ずいっ

妹「あ…」ドキドキ

兄「熱でもあんのか…? 吐き気とか大丈夫か?」

妹「う、うん…大丈夫…あたしは平気だけど…」ドッドッド

兄「…顔が赤いぞ?」

妹「………」

兄(どうする!? 勢いでやったが体に異常があった場合はどうにも…)

妹「………」すすっ

兄(ここはまた病院で検査をして……ん?)

妹「あにき…」すっ…

兄「っ…うぉおおい!? 顔近い! なにやってんだ妹!?」

妹「へっ? あ……ああっ! 違う違う違うもんねー! キスなんてしようとしてないもんねー!?」

兄「キス…しようとしてたの…?」

妹「っ…!」かぁああ

妹「ちっ……ちがう、もん…」ぷいっ

兄(な、なんだこの反応…急にもじもじとして……ハッ!? まさか!?)

兄(あの『キスをした頃の記憶』を持ち合わせてるからっ…感情がそのままってことか!?)

兄「つまりはっ…未来の記憶まで加速したから、記憶と感情が呼応したって…ことか…?」

妹「…その兄貴…」チラッ

兄「うっ!」きゅぅん

妹「えっと…そのね…」

兄(あ、あれっー? おかしいなぁ? 俺も何だか心臓が酷く高鳴って…!?)ドッドッドッ

妹「兄貴は…今のあたし…変だって思うかもだけど…その、ね」

兄「い、いや!」

妹「えっ…?」

兄「そ、その…何を言おうとしたんだ俺…違う違う!」

妹「なにが違うの…?」

兄「えっとだなぁ!? そのー…うん! だから信じろ!」

妹「…はい?」

しぇん

兄「見ただろっ? あの未来を…俺とお前、一緒に幸せそうに暮らしてた!」

妹「キスしてた…」

兄「そこはいいっ! だ、だからよ? お前は大丈夫ってことだよ!」

妹「…どうみても大丈夫そうには見えなかったけど」

兄「良いんだよ! とにかく、お前は…俺を信じきれてた」

妹「……」

兄「怖がらずに、そして俺を信じて頑張ってた。きちんと俺のことを…」

兄「…兄貴として見てくれていた」

妹「だけど、あれは忘れてしまったあたしかもしれないし…」

兄「んなことないはずだ。俺はそう思う、そしてそう思え…お前もだ」

妹「……」

兄「大丈夫なんだよ。お前は強い子なんだ、きっと頑張れる子なんだよ」

妹「そうなのかな…?」

兄「ああ、保証してやる。あんな未来なんだぞ? そう安々となるもんじゃないだろ、きっと」

妹「……」

兄「忘れてはい、おしまい。だったら絶対にならない未来だって」

妹「好きって…」

兄「えっ?」

妹「好きって…言って、あの後どうなったのかな…」

兄「わ、わからん」

妹「ううん。あれはちゃんと知っておくべきだったと思う…兄貴が」

妹「兄貴がどう答えてたんだろうて。それで、あたしは…もっと…もっと」

はよう

続き気になる

追いついたー
さるさんか?

兄「もっと?」

妹「……」すっ

ブツン!

兄「おっと、手枷を…」

妹「ごめん兄貴。こんなことして…あたし、馬鹿だった」

兄「お、おお」

妹「多分もっと考えなきゃダメなんだよね、これって…安易に忘れちゃダメなんだよきっと…」

兄「…おう、そうだって」

妹「うん…ごめん…殴っちゃって…痛かったよね…?」

兄「いいや、いいさ。大丈夫、治ってるし気にもしてない」すっ

妹「!」

兄「お前の本音を聞けたんだ。それでチャラってことにしよう」ぎゅっ

妹「…なんだか兄貴、妙にくっついて来てない?」

兄「……」ばっ

妹「まさか…?」

兄「違う、疑うな。全くもって違う!」

妹「まっ、まーあ? あたしはべっつにどーってことないけどー?」

兄「なんだそのテンション…」

妹「うるさい! っはぁ~あ、なんだか疲れちゃったよ兄貴ぃ」

兄「俺もだ…」

妹「…その、ごめんね」

兄「いいよ。さて、桃鉄でもすっか」

妹「ハンデは?」

兄「なし。殴ったから」

妹「ぎゃー! ごめんなさいー! 本当に許してください~!」

兄「ははは。だめだー」

次の日

妹「はい、あーん」

兄「ぱくっ」

妹「美味しい?」

兄「なかなか」

妹「素直が一番だって思うけどなー」

兄「美味しいって」

妹「んふふ」

兄(ごきげんだな妙に…)

妹「はてさて、学校の時間だけど兄貴ぃ」

兄「ん。もうそんな時間か」

妹「どうする? 今日はサボる?」

兄「は? 久しぶりの登校だろお前…」

妹「勉強したくないっす…」

兄「駄目だ駄目だ。ちゃんとやれよ、そして立派に育って俺を養ってくれ」

妹「えー!? なにそれー!?」

兄「俺はこんなんだからな。仕方ないじゃろうて」

妹「なんで老人に…」

兄「ほっほっほっ」

妹「まー学校にいは行くけど。でも! 兄貴も無茶したらダメだからね?」

兄「うむ」

妹「それじゃーいってきまーす」ぱたぱた

兄「……。さて、洗い物済ませるか」

兄(あれから二人で桃鉄しながら話し合った。これからのことを)

兄(確かにあの未来は、言葉にしにくいものがあったが…)

兄(…それでも妹が納得出来る事であったらしく、今後はこのようなことはしないと決めたらしい)

兄(俺は嬉しかった分、少しだけ複雑だった。結局は妹を不安させていたことは変わりないのだから)

兄「そして加速させるという──この力…一体なんだって言うんのかね、コレ」

兄「小学生の頃から使えてたって言うが…全然その記憶が無いぞ俺…思い出す様子も無いし」

兄「まぁ、いつの間にか使えてたってのが一番ありえそうな───」

ズキン!

兄(痛…なんだ、頭痛か…最近多いな全く…)

兄「っ…変な感じがする…これ…あれ…?」



『すぅー…はぁー……なるほどね、君がその力を目覚めたってことは』

『色々と面倒なことになるかもね。うんうん、頑張らないとダメだよぉ君は』



兄「これって…昔の記憶…?」

兄「この煙草を吸ってる人…どこかで見た気が───」

兄「──…だめだっ、思い出せない。これ以上はモヤが掛かって…」チョンチョン

兄「ん、なんだ?」くるっ



ちゅっ


妹「えへへ」

兄「お前っ!?」ガタタ!

妹「それじゃー先に行ってるよーん」びゅーん

兄「なにやって…オイ! また撥ねられるぞ!」

妹「そんときはまた助けてくれるでしょ?」

兄「そりゃ…助けるけども…」

妹「むふふ。じゃあ平気だよ、んじゃねー」

兄「って違う! そうじゃなくって今のは…!」

パタン

兄「……なんだよ全く」

兄(キスってお前…ほんっとなに考えてんだか…)

兄「ま…でも、ははは」

兄「何だか悪い気はしねーな、うん」

ねっむいのでこれで

一応終わり
支援ありがとざます

ではではノシ

最近のSSは、大抵最後まで終わらせネーで投げ出しやがる。

死ねよw糞どもwww!!!!

大層乙であった

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