「エレン」 (11)
「今日、トロスト区の戦後処理が終わったらしい」
「私とアルミンはさっきまで作戦の聴取だった」
「みんなの安否はまだわからない」
「でも…大丈夫…皆、強い、そこそこ強い」
「ので、皆無事。エレンが心配する必要は無い」
「…じゃあ、また明日、エレン」
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「おはよう、エレン」
「さっき、調査兵団の人間と話をした」
「エレンの件について、近い内に審議が開かれるらしい」
「でも大丈夫」
「エレンは皆の為に戦った。私を巨人から助けてくれた、だから絶対に大丈夫」
「調査兵団の人もエレンの事は絶対悪いようにはしない、って言っていた」
「ただ…あのチビは…大丈夫、エレンに何かあったら私がしかるべき報いを受けさせるから」
「それじゃ、そろそろ時間だから」
「エレン」
「ごめんなさい、昨日は許可を貰えなかったから」
「審議は無事終わった、エレンは調査兵団預かりになるらしい」
「途中であのチビがエレンを殴りに行こうとしたけど、私が止めた」
「大丈夫、思ったより強かったから怪我はしてない筈」
「収容場所も変わるらしい」
「旧調査兵団本部に移るってハンジって人が言っていた…」
「だから、しばらく会えなくなる」
「そばに居られなくなる…」
「ごめんね、エレン」
「久しぶり…だね、エレン」
「面会の許可が一日一人だったから、今まで来れなかったんだ」
「今日は特別だって、ミカサから聞いたかもしれないけど、この地下にエレンがいるのは今日までだそうだから」
「エレンが調査兵団に引き渡される事になって本当に良かったよ」
「憲兵団が君を解剖するって言った時は正直冷や汗が止まらなかったよ…」
「…」
「…あの時、助けてくれて、」
「本当に、ありがとう」
「…僕ってエレンに助けてられてばっかりだね」
「エレンは違うって言うかもしれないけれど、君は僕にとってのヒーローだよ」
「昔、エレンと一緒に読んだ本、覚えてるかい?」
「炎の水、氷の大地、砂の雪原…色々な事を読んで、三人でこの世界に思いを馳せた…」
「エレン」
「僕は調査兵団に行くよ」
「こんにちは、エレン。部屋が変わった気分はどうかな?」
「ごめんね、空気を入れ替えたいんだけど、ここ、地下だからさ」
「おっと、紹介が遅れたね。私の名前はハンジ・ゾエ、一応、調査兵団の分隊長をやってる」
「と、隣に居るこの目つきの悪いむすっとしたのが、リヴァイ兵長」
「…目つきが悪いのは生まれつきだ、クソメガネ」
「そうそう、口が悪いのも忘れてた。彼の戦歴については特に必要は無いよね?」
「これから君にはこの旧調査兵団本部の地下に居てもらうよ、これは私達が君を受け入れる上での条件の一つなんだ」
「明日から君について、色々調べさせてもらうよ」
「大丈夫大丈夫、痛い事はしないから…あんな事やこんな事…うふふ…」
「おい、ヨダレ垂らすんじゃねぇよ、変態」
「変態とは心外だなぁ、ちなみにリヴァイは君の護衛を務めるから。これも引き受けの条件さ」
「…心配するな、寝ぼけて暴れでもしたらすぐ息の根を止めてやる」
「他にも特別作戦班の面々が居るんだけど、その紹介はまた後日するね」
「エレン、これからよろしくね」
寝ます
なんだなんだ
エレン視点なのかな?
期待
乙
「よお、久しぶりだな、エレン」
「憲兵団に入ったと思ってただろ」
「…」
「マルコが死んだ」
「どんな風に死んだかもわからねぇ、誰も見てねえところであいつは死んだ」
「多分、オレや他の奴も、これからそんな風に、人知れずどっかで野垂れ死ぬんだろうな」
「はぁ~っ…なんで調査兵団なんか入っちまったかな」
「…一応、言っておくが、オレが調査兵団に志願したのはな、お前みたいな死に急ぎ野郎の演説に感化されたからじゃねぇぞ」
「マルコや死んだ同期の敵討ちって訳でもねぇ」
「オレはオレなりの考えでここに来たんだ」
「今日はそれを伝えに来た」
「…じゃあな」
「今日も色々とお疲れ様、エレン」
「身体の隅々まで調べておいてあれだけど、私も結構心が痛むからさ」
「さっきお友達が面会に来てたんだっけ、えっと、あの馬面の…まぁいっか」
「分隊長、ジャン・キルシュタインです」
「ごめんごめん、まだ新兵の名前覚えて無くてさ」
「…で、どうだった?何か変化はあった?」
「同席していたんですが、特に何も」
「そっ、か…」
「なら、得られるものは大体得たし、明日からまたソニーとビーンの研究に戻るとしようか。モブリット、馬の手配よろしく」
「了解です、分隊長」
「じゃあエレン、しばらく私はここを離れるんだけど、明日から限定的にはなるけど、面会の許可を出しといたから」
「見知った人間と少しでも会えた方が、君にとってもいいと思うからね」
「それじゃ、おやすみ、エレン」
なるほど、こういう可能性もあったわけか。エレンはユミルとかと違ってその経緯が不明だし
「ちょっと…ダメだってば、勝手に入っちゃ」
「ハッ、巨人になれる人間がどんなツラか拝んでやろうと来たらなんだこいつは、まだガキじゃねぇか」
「エレンとか言ったか、全く…こんなガキの警護とは俺も安く見られたもんだな」
「…好い加減やめなよ、全然兵長に似てないから」
「フッ、笑わせるな…オレが兵長に似せようとしてるのでは無い…兵長がオレに似て来てぅふぐっ!?」
「次は鳩尾狙うから」
「ゲホッオエッ…オイ…構って欲しいなら素直にそう言えよ…」
「…気絶すれば良かったのに」
「ごめんねエレン君、私はペトラ、こっちがオルオ」
「私達はエレン君を護衛する為に招集された特別作戦班の一員なの」
「私達が君を護るから、心配はいらないよ」
「全く…お前みたいなガキごときの為にリヴァイ兵長が動くなんて本来ならありえない゛っ゛!?」
「警告はしたから。行こ、兵長に見つかったら怒られるわよ」
「じゃあね、エレン」
「…まぁ、後輩ってのも悪いもんじゃねぇな」
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