村人「困ったことに俺が勇者らしい」 (395)


村人「どうしよう」

村女「本当ね」

村人「だってさあ」

村人「この村、魔王城のすぐそばだよ?」

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村人「旅する必要ないよね」

村女「経験も積めないわよね。貴方レベル1なのに」

村人「レベルは知らんが戦ったことならあるぞ」

村女「何と?」

村人「腰痛」

村女「農家って辛いわね」

村人「家の庭で適当に野菜作ってるだけだけどね」

村女「聞きそびれたけど、どうして自分が勇者だなんて言い出したのよ?とうとう農家生活に嫌気が差して妄想を口にし始めたの?

村人「酷い言い草だな。証拠ならあるぞ、ほれ」

村女「何このセンスのかけらも無い模様。もしかしてこの腕にある十字架に虫の足が生えたような模様を自分で描いて勇者だーって言い張ってるのかしら」

村人「目が覚めたら浮き出てたんだよ。ほれ、この本のこのページ見てみろよ」

村女「大昔の勇者のことを綴った本…?これ図書館で借りたのね、返却日は?」

村人「…あ、昨日だ。延滞料金払わないと…」


村人「って、そこじゃないだろ。このページ見ろってのに」

村女「あら、貴方の腕にある落書きと同じ落書きが描かれてるわね。これ真似したわけ?著作法って知らないのかしら」

村人「さっきから思ってたけど信じる気ないだろ」

村女「私実は495歳で若い頃は魔法でぶいぶい言わせてたなんて言っても信じないでしょ?」

村人「流石に嘘だろそれ…嘘だよね?」

村女「どうかしら」

村人「思わせぶりな発言はやめてください」


村人「っていうかさ、なんでお前は普通に俺の家にいるわけ?」

村女「ご近所さんなんだから別にいいじゃないの」

村人「目が覚めてからずっといたから気にしてなかったけど明らかにおかしいと思いまして」

村女「好きな男の側には1秒でも長くいたいと思うことの何がおかしいのかしら」

村人「冗談でも軽々しく好きだのどうのだの言うんじゃありません!お父さん怒っちゃうよ!」

村女「あら、本気なのだけれど」

村人「マジか」


村人「待て、本題から相当ズレてるから修正しよう」

村女「なんだったかしら、私が貴方の子供を孕んだことだったっけ?」

村人「せっかく軌道修正しようとしてるのに!てか俺そんなことした覚えないからね!?」

村女「実は貴方が寝ている間にこっそり貴方の上に跨って」

村人「」

村女「冗談よ」

村人「…本当に?」

村女「心臓を捧げられるわよ」バッ

村人「そこまでしなくていい」

期待

村人「さて、本題に入ります」

村女「貴方が勇者だって話よね。信じられないけど信じたふりしてあげる」

村人「突っ込んだらキリないからスルーするけど」

村女「突っ込むなんて卑猥ね」

村人「だから話を逸らそうとするなよぉ!」バンバン

村女「貴方のスルー力を鍛えてあげようと思って。ほら、話を続ける」

村人「…まあ、勇者の紋章が浮き出たわけですよ、俺の右腕に」

村女「一生それ残るのかしら。子供に「おかーさん、どーしておとーさんの腕にはダサい絵が描いてあるの?」って質問された時どう誤魔化そうかしらね」

村人「話が進まないから黙ってくれ」

村女「実は私、ボケ続けていないと呼吸ができないの。さながら飛び跳ねていないと心臓の鼓動ができない生き物のように」

村人「もういいからさぁ!」


村人「でさ、紋章が出たってことは俺が勇者であるってことだよ。この本のページにもあるけど
『この紋章が右腕に浮かんだ奴は勇者だからな、これから過酷な運命とか理不尽な現実がてめーを襲うかもしれないけど、まあ気合と根性と運でなんとか乗り切って見せろよ。精々加護だけはつけといてやるからよ』
って話なんだよ。まあぶっちゃけこの話は俺がしようとしてる話とは関係ないんだけど………
…悪かった。俺が悪かったから喋ってくれ。寄り目してる人間に向かって話してる俺がバカみたいになるから」

村女「わかればいいのよ」


村女「正直貴方の話余計なものが多過ぎるのよ、蛇足ばっかりよ。そんな過酷だとか運命だとかどうでもいいのなら省いて頂戴。さっさと要点だけを言え」

村人「仰る通りで…でさ、勇者ってことは魔王を倒すことを強いられるわけだろ?」

村女「ええ、そうね。幸いにもこの村、魔王城に行こうと思えば徒歩10分だもの。魔王を倒すことを強いられているのよ!」

村人「でもさあ…魔王だよ?」

村女「魔王ね」

村人「めっちゃいい人じゃんよ魔王さん…そんな人倒せって言うの?」

村女「勇者たるもの情け無用、例え幾千の魔物の返り血を浴び、無情な現実に眼球が腐り果てても魔王を倒すがその定め!さあ見事極悪非道極まりない魔王の首を切り落とし人類の栄光を勝ち取れい!」

村人「いい人倒すとか、どっちが悪者なんだよそれ」


村女「魔王ってのは例えどのような世界においても大体の確率で悪者と決まっているのよ。それを討ち滅ぼすことの何が悪いと言うの?」

村人「俺らの知ってる魔王さんは良心の塊でしょうが!」

村女「ごめんなさい、私肌が青白い人って悪人としか思えないのよね」

村人「そりゃまあ魔族だからさ!人間とは肌の色違うけどさ!それ人種差別って言うんだぜ!」

村女「蛇足はいいから」

村人「話逸らしてるのはお前じゃねえかああああ!!!」

村女「こんなのが将来の旦那だなんて。もう少し精神的に鍛えてあげないと駄目ね」

村人「疲れる…」

村女「ほら、元気分けてあげるから」ナデナデ

村人「…ちょっと元気出た」

村女「ん、よろしい」


村人「えーとなんだっけ。そう、魔王さん超いい人って話。俺さ、こないだいつも通り畑仕事してたわけよ。そしたら魔王さんがうちの前通りがかってさ」

村女「貴様!誰の許可を得て我の領土で呑気に畑仕事をしている!許さん!貴様には一生目が覚めた時にドアを開けようとしたらノブから手がズレてドアに激突する呪いをかけてくれる!」

村人「そんなこと言ってないから」

村女「でも、魔族を束ねる長が呑気に出歩くものかしら」

村人「あ、そう思ってその時に質問したんだけど、1日3時間は散歩しないと気が滅入るらしいよ」

村女「健康的ね。でもあの人見た目はただのおっさんよね」

村人「否定はしない。人間で言うならそろそろ40歳だよな」


村女「それで、魔王が貴方の家の前を通りがかって何かしたの?農作物に媚薬効果でも植え付けられた?」

村人「そんななってたら儲かってるわ。単に精が出るねーって声かけられただけだよ」

村女「魔王はホモ…覚えましたし」

村人「どうしてそうなる。でまあ、その数十分後にもまた来たんだけどさ、差し入れくれたんだよ」

村女「何を差し入れたの?食べたら魔物になる暗黒物質?」

村人「そんなものないだろ。牛丼だよ、特盛りの」

村女「差し入れにしては重い…と言うか、貴方まさかその程度で魔王をいい人だと?」

村人「肉をくれる人に悪い人はいねえ!」ドン!

村女「ちょろいわね貴方。なんなら私を食べてもいいのよ?性的な意味で」

村人「お断りします」


村女「貴方のしょうもないエピソードよりも、私の体験談の方がよっぽどマシね」

村人「あれ、お前もなんかあるんだ。なんだか意外…」

村女「スキャンダルなんか起こさない純真なアイドルとでも思ってた?嬉しいけど、これが現実なのよね」

村人「そこまでは言ってないぞ」

村女「まあいいわ。街に買い物に行った時にね、ちょっと沢山買い過ぎちゃったのよ。荷物持ちの貴方もその時は都合悪くて一緒にいなかったから困ったわ」

村人「あの日か、俺が尋常じゃない腹痛起こしてたにも関わらず荷物持ちお願いって頼みに来た。お前ほんと傍若無人というかなんというかさあ」

村女「過ぎたことはグチグチ言わない、男でしょ。それで困ってたんだけど、そんな時に魔王が私の近くに来たのよ」

村人「何してんだ魔王さん、ってか街にまで行ってんの!?あの人が統治してる範囲ってこの村までじゃないの!?」

村女「何してたのかは聞いてないわよ、興味ないし。それにあの魔王の制圧してる領域はこの大陸のほぼ全土よ?まさか知らなかったの…?」

村人「井戸の中の蛙になった気分です…」


村女「で、私の近くに魔王が来てね。荷物をお持ちしましょうか、なんて言うのよアイツ。私の身と心と初めては貴方に捧げるって決めてるのにね。あ、心臓もだったかしら?」

村人「アイツ呼ばわりは良くないだろ…でもまあ、お前のことだから断ったんだろ?」

村女「そうね、私人の手を借りるなんて真っ平御免だし。だから私言ってやったのよ」

村人「魔王さんのメンタル傷つくこと言ってないだろうな!」

村女「あらそう?丁度良かったわ、荷物持ちが欲しかったところなの。あと他にも買いたい物沢山あるから付き合って頂戴。ってね」

村人「人の手を借りるのは御免だってのほ何処に行った何処へ!」

村女「利用できる物はなんでも利用しないとね。例え魔王でも。そこから3時間くらい買い物続けて、私の家まで運ばせてやったわ。買い物途中でチラッと魔王の顔見たら手を出しちゃいけない物に手を出してしまって最早諦め果てた顔をしてたわ、とても滑稽で面白かったわよ。貴方にも見せてあげたかったくらいに」

村人「魔王さんに同情しかできない」

村女「うちに着いた時は、それはもう足枷を外されて自由に飛ぶことを許された鳩のような顔をしてたわ。その顔をまた絶望に塗りたくりたかったけど、丁度いい材料がなかったから諦めざるを得なかったけどね」

村人「お前の方が魔王な気がしてきた。普通の人類目線で言う魔王ね」


村女「それで?貴方は私の隠された過去話までさせて何がしたかったっていうの?まさか勇者の紋章出たんだぜーすごいだろーってだけじゃないでしょ?」

村人「もしそうならお前の人生喰らい尽くしてやるみたいな顔しないでくれ。実際はさ、困ってんだよ。どうしたらいいのかわからなくて」

村女「ああ、貴方相談できる人いないものね。私くらいしか」

村人「クソッ…どうして死んじまったんだよ親父…!アンタが男手一つで俺をここまで育ててくれたことには感謝してる!けど!恩を返す前に逝っちまったら意味がねえじゃねえか!恩を返させろよクソ親父!!!」

村女「お義父さんとお義母さん生きてるでしょ?2人とも魔王城でお役所仕事してるじゃない」

村人「お前がネタを振ったから乗ってやったってのになんなのこの仕打ち。まあいい時代だよな、仕事無いならウチにくる?つって魔王さんが職に就かせてくれるんだから」

村女「魔王様様々ね」

村人「そこは様をつけんでよろしい」

村女「魔王ね」

村人「違う」


村人「まあ、相談できる相手が少ないのは事実だけど、信頼できる人はいるよ」

村女「じゃあ、その人に相談するだけして私はお払い箱ってわけね。散々弄んでおいて飽きたら捨てるのね、人間の風上にもおけないわ、貴方なんて極悪非道の粗野で卑猥な猿よ」

村人「ところでなんで俺はこんなにもメンタルにダメージ喰らわなきゃならないの?泣いてもいいかな」

村女「それは勿論貴方を私のまな板に飛び込まさせるためよ。いくらでも胸を貸すわよ?」

村人「まあお前の言う通りだよ、さっさと相談してしまうか。魔王が統治してる村…大陸か、そんなとこで俺勇者なんだけどって言われても困惑するだろうけどさ」

村女「あら、私は本格的にお払い箱なのかしら」

村人「何をバカなことを…ずっといるってことは朝飯食べてないんだろ。俺も目覚めてからずっと話してばかりで疲れたし、飯食おう。希望は?」

村女「貴方を性的な意味で ~季節の野菜で彩られた淫靡な関係 ~って裏メニューであるわよね?」

村人「ベーコンエッグな、わかった」

村女「チッ」

続きは明日の朝以降にでも。書き溜めなんかないからぐっちゃぐちゃ。
ここからどうしようかな。

おもしろい!期待

>>19
ありがとうございます。稚拙な内容だけど見てくれて幸いです。

さて、スローペースだけど書き始めよう


村人「朝飯も食べたことだし、相談しに行こう、そうしよう」

村女「黄身がカチコチに固まったベーコンエッグなんて食べ物ではない!」

村人「きっちり食べ終わったくせにまだ文句言うのか…俺はカチコチ派なんだよ」

村女「貴方の生涯の伴侶となる私は半熟派よ。ちゃんと覚えて頂戴」

村人「伴侶とかいつまで言うのそれ」

村女「貴方がこのお腹の子を認知してくれるまでかしら。冗談はさておき、相談するアテはあるみたいだけど、誰に相談するって言うのよ?さっき自分でも言ってたけどそうそう話せることじゃないわよ?貴方のご両親は魔王城に務めてるわけだし、今から話に行くなんてバカげた真似は」

村人「そんなバカな真似するかい!話してもいいと思える人だから心配すんな。仮に魔王城に乗り込んで俺勇者だよーって言ってみろよ」

村女「貴方に向けられた弓矢や魔法の数々から私が身を以て守り、貴方はそれを死ぬほど後悔して邪悪な力に目覚めて暗黒勇者となるのね?愛の力で闇の力に目覚める…意外とアリなんじゃないかしら」

村人「死ぬのは」

村女「御免だけどね、なんて言うと思った?貴方のためならこの命、惜しくは」

村人「重いよ!さっきから思ってたけど冗談が一々重いよ!」

村女「冗談よ」

村人「わかってるけどさあ!」


村人「はあ…まあ、俺が相談しようと思ってる人はそうそう出会えないんだけどね」

村女「有名人とか?貴方の作ってる野菜が縁で大陸のアイドルエルフちゃんと出会い、そして男女の仲は次第に深まって言えないようなことをしっぽりとしたって言うのね?泥棒猫めエルフ族を駆逐してやる…1人残らず!」

村人「えっ、エルフちゃんって誰それ」

村女「この大陸では知らない人や魔族はいないと言われる大人気アイドルなんだけど…魔王の領地を知らなかったり、貴方って結構無知よね」

村人「この村から滅多に出ないからなあ。野菜も代理業者に頼んで売ってもらうし、農具は街に行かなくても村でまかなえるし」

村女「便利になると人は動かなくなるものなのね。将来的に貴方、使い魔を使って畑仕事しそうね。太るわよ」

村人「初歩レベルの魔法も使えないからそれはないな」

村女「火を起こすくらい出来たら便利よ」

村人「えっ!?お前魔法使えるの!?すげえ!!かっこいい!!」

村女(きっと初めて魔法使いに出会った時ってこんなリアクションするんでしょうね)


村女「それで、なかなか出会えないと言ってたけど誰なのよ?貴方に有名人とコネがあるとは思えないし、風来坊なんかじゃないわよね」

村人「運が良ければ出会える…かな…」

村女「何よそれ。追尾機能つけときなさいよ。キンセツシティに空を飛ぶを繰り返して、上下左右に近付いたら1/4にかけて何処かに移動して偶然一致を狙うわよ」

村人「何の話してんだよ。でもあの人はどこほっつき歩くかわからないからな。偶然出会えればいいんだけど…あ、いた」

村女「なんという御都合主義…ん?ねえちょっとまさか」

村人「おーい魔王さーn」

魔王「おう!どうした村人君よ!」ビュンッ

村人「速度強化して接近するのやめてくださいビビるから」


村人「ま、たいした用じゃないんですけど…あ、野菜いります?そろそろ収穫し頃ですし」

魔王「いいの?ちょっと待って、転移魔法で城から財布取ってくるから」

村人「お代はいいですよ。俺が呑気に農民やってられるのも魔王さんのお陰ですし。農民援助金で大助かりですよ。はい、トマトときゅうりです」

魔王「そう?まあ自分の政策のお陰で礼を言われるのは悪くないな!そういうことなら遠慮なく受け取るよ、ありがとう」

村人「いえいえ…礼と言ってはなんですけどね、ちょっと相談したいことがあるんですよ」

魔王「相談?自分の領土に住む者の悩みとあればなんでも聞こう」

村人「実は俺」

村女「ゴォッドォフィンガァアアア!!!」ハラパンッ

村人「ゴフゥ!?」バタッ

魔王「えっ!?」


村女「悪は去った。あ、魔王さん。先月ぶりですね」ニコッ

魔王「え?…あっ!ふぁい…オヒサシブリデス…」

村女「実は私ですねー、今度悶絶してるこの人と結婚するんですよ」

魔王「えっ、マジで!?…でも悶絶してるって君が原因じゃ」

村女「ああ、この人腸が弱いんですよ。先月も腹痛で腹がよじれそうだったって言ってましたから」

魔王「…ハイ。それで、結婚するってことは式挙げるの?街1番の式場予約しとこうか?」

村女「それがですね、この人も私もしがない農民じゃないですか?お金にそんな余裕もないし、籍を入れるだけにしようかなって。この人は式を挙げるって聞かないんですけど」

魔王「そうか…なら私に任せてくれ、食事や装飾、式場の使用料とか全ての費用は私が」

村女「お心遣い感謝します。けど、こういうことは自分たちの力でなんとかするべきなんです。なので…」

魔王「そうか…そうだ!援助金だ!結婚援助金というのを作ればいい!」

村女「最近晩婚化が進んでますからね。早期の結婚を促し、男女がズッ婚バッ婚したりして国民も増え、国力も増強出来ますわ」

魔王「また素晴らしい政策を思いついてしまった…ありがとう村女さん、貴女のお陰だ!」

村女「いえいえ、高々一農民として思ったことを言ったまでですわ」

魔王「こうしちゃいられない…っと、そう言えば村人君の相談って何だったんだ?まだうずくまってるけど…」

村女「腹痛関連でしょうね。それくらい自分でなんとかするよう言っておきますわ」

魔王「そう?それじゃまた今度!次は式場とかについてじっくり話そうと言っといてくれ!」ヒューン

村女「はーい。…悪は去った」


村人「うぅ…」

村女「いつまでナメクジのように這いつくばってるのよ。さっさと立ちなさいな」

村人「10割お前のせいなんだけど…」

村女「100%貴方のせいよ。貴方、自分が何しようとしてたのか理解してるの?」

村人「何って…魔王さんにこの紋章のこと相談しようと」

村女「目覚ましビンタしてやろうかしら。まだ寝ぼけてるみたいだし威力も2倍よね」

村人「なんでだよ!魔王さんに相談しちゃいけないのかよ!」

村女「貴方ね…勇者って何をするか知らないわけないわよね?さっき散々喋ってたんだし」

村人「そりゃ魔王を…あっ」


村人「そうだよ、魔王さん魔王じゃん」

村女「やっと気付いたのね。もしバカ正直に魔王に俺勇者だよーって言ってたらどうなってたと思う?」

村人「そうか!貴様が勇者か!まだ目の出る前に刈り取るというのは些か憐れではある!が、それもまた定めよ!ここで勇者に選ばれたことを恨むが良い!とか言ってミンチにされそうだな」

村女「ケッ、汚ねえ花火だ。ってそんなわけないでしょ」

村人「えっ」

村女「えっマジで?村人君勇者なの?えっどうしようあわわと、とりあえずウチおいでよ、茶でも飲もうそうしよう!うん!それがベストだよね!争わずに解決できればそれが1番いいんだ!うん!だからお前を倒すなんて言い出さないでね!お願いだから!」

村女「きっとこんな感じよ」

村人「その光景が目に浮かぶよ。そんな人だったわ」


村人「…それにしても、結婚かあ」

村女「意識吹っ飛ばしてたと思ってたけど、聞いてたのね。間に受けてたの?あんなの、場を誤魔化す為のデタラメよ。次あった時には、互いに好みのソリのデザインが食い違ったから結婚はやめにしたとでも言えばいいのよ」

村人「ソリが合わなかったでいいだろ。それにしてもなあ。俺にはまだ養う能力ないしなあ…いっそ魔王城に就職しようかな」

村女「ねえ、本気にしないでよね。その場凌ぎのデタラメなんだから」

村人「さっきまで散々言っておいてそれも全部」

村女「冗談って言うわよ」

村人「俺は本気だけど」

村女「えっ」


村人「長年一緒にいるけど、飽きないからな。飽きないというかオモチャにされてるだけな気もするけど」

村女「いやその」

村人「お前がウチの隣に引っ越してきたのっていつだっけ?ああ、20年も前か。俺が5歳でお前は4歳の」

村女「逆。私が5歳で貴方が4歳」

村人「どっちでもいいよ。で、まあこの20年だけでも色々あったよな、イヤなこともあったりした。そういやいつからかお前は口が開けば残念美人とか言われてたっけな

村女「…私に言い寄ってくる男達が鬱陶しかったから言葉で追い払っただけ」

村人「見た目と言動のギャップが受け入れられなかったんだろ。俺は全部知ってるけどな?気丈に見えるけど押したらすぐ壊れてしまいそうな所とか、カボチャがオバケだと思ってたことから未だにカボチャが食べられないとか」

村女「それ以上言わないで、その口針と糸で縫い付けるわよ」

村人「10歳まで寝小便してたとか、口が悪いのに実は相手を傷付けてしまってないかどうか凄く気にしてるとか、誰のことも気に留めてないように見えて人一倍気遣ってるとか」

村女「ねえ、いつから私の手を握ってるの?逃げられないじゃない」

村人「あとは…誰よりもまっすぐ。それと、たまに見せる笑顔が眩しい。お前の笑顔見た時からずっと俺は、ね」

村女「こんな顔かしら」

村人「いつもみたいな悪巧みしてるような顔出来てないぞ。頬も緩んでるし赤面してちゃあな」

村女「誰のせいだと」


村女「…それで?」

村人「それで?って何が」

村女「私をこうまでしておいて、これで終わりなんてことないわよね」

村人「そうだな、こうなったら最後まで言い切ってしまおう」

村女「…」

村人「買い物行くか」

村女「ゴッドハンドクラッシャー!!!」メギョォッ

村人「ッ…!……!」

村女「息もできない程苦しい?知ったことじゃないわよ!そこでなんで買い物行くかなのよ!おかしいでしょ!キメ顔で買い物行くか、なんて言われる側の気持ちにもなりなさいよ!このグズ!私を散々弄んでおいてこの仕打ちは酷いわ!冗談にしても悪質よ!いくらなんでも私だってこんなことはね!…ねえ、大丈夫?今日2回目の腹パンだけど…顔色みるみる悪くなってる!?どうしよ、えーとバケツ?布団?婚活?あわわわわ」

村人「ハァ、吐くかと思った…だいじょぶだから落ち着け…」

村女「そ、そう?よかった…って自分のせいでしょうが!」

村人「盛大にテンパってた。頭の中で俺結婚してたよ…」

村女「目の前に私がいるのに未来の私と浮気するなんていい度胸ね、だったら早く未来の私にも言ったであろう言葉を言って頂戴よ」

村人「…くく、やっぱりいつも通りのお前が1番だよ」

村女「これでも不安なのだけれどね。ちゃんと貴方の口から聞かないと」


村人「それじゃ、言います」

村女「聞きます」

村人「昔から、そしてこれから先もずっと愛してる。結婚しよう」

村女「ッ…思ってたよりも良いこと言うのね。喜んでお受けするわ」

村人「なんて言うと思ってた?」

村女「好きだ、結婚しよう、とか?」

村人「それでもよかったけど簡素すぎるからなあ。あー恥ずかしい」

村女「貴方の想いを真正面から受け止めた私もオーバーヒートして特攻ががくっと下がりそうなくらいなんだからね、それくらいは我慢して」

村人「俺、勇者なんだけどね」

村女「その程度の苦難、乗り越えられなくて何が勇者の妻かしら」

村人「ってもなー。隠し通すのは無理だよな流石に」

村女「まあ、あの魔王なら言っても問題ないかもね。あわあわして結局勇者だとかどうでもいいじゃーん?ってなりそうね。または酒の席で暴露してしまうとか」

村人「言ってもよかったのならなんで俺腹パンされたの?」

村女「その時の私はそうするべきと判断したからよ」


村人「それじゃ、買い物行こうか」

村女「了解。手でも繋いで行く?」

村人「そうしようか…なあ、履歴書ってどこで売ってると思う?」

村女「事務用具とか扱ってるところにならあると思うけど…どうしてよ?」

村人「言ったじゃん。養うんだったら魔王城にでも就職しないとなって」

村女「魔王城で働く勇者、ねえ…そう言えばこの大陸じゃなくて、人間達が治めてる大陸とか国の方はどうしてるのかしら。勇者が一向に現れないんじゃ混乱しそうね」

村人「どうでもいいよそんなこと。勇者の使命だなんてものに俺の未来は邪魔させないよ」

村女「かっこいいこと言ってくれるのね、惚れ直したわ」

村人「それはどうも。じゃ、行こうか」

と言うわけでこれで終わりです。書いてみると短いものですね。
SS処女作だからこんなもん?気が向いたら続きでも書こうかな。

乙。魔王様が倒しづらくなりました

乙?
勇者の紋章の謎とか結婚生活とか全然無いのに「プロローグ終わり」だよね?
魔王を倒すだけが勇者の仕事じゃないし、さあ早く続きを書く作業に戻るんだ

おい、魔王が可哀想だゾ

????????????
【魔王城のとある一室】


面接官「それではよろしくお願いします」

村人「アッファイヨロシクオナシャス」

面接官「ふふ、緊張せずに自然体でいてもらって構いませんよ」

村人「ダッジョブス、ヘーキッス」

村人(ヤギの頭蓋骨みたいな顔?骨?人がの面接官とかどうやったら緊張せずに済むんですか、俺普通の人間だよ?勇者だけど。あーやべすっごい帰りたい本当帰りたいでも帰ったらアイツいるしひいん誰か助けて)


面接官「さて、村人さん。貴方は何故ウチに就職しようと考えたのですか?」

村人「エットソノナントイウカ」

村人(落ち着け、落ち着いて素数を、って素数知らねえよ俺!深呼吸だ深呼吸)スーハースーハーヒッヒッフー

面接官(それラマーズ法の呼吸だよね)

村人「ふう…えと、俺…じゃなくて私?恥ずかしながらこの度結婚することになりまして、農夫やってたというか今でもやってるんですけど、農夫やって得られる収入だけじゃアイツ…?妻…?妻…を養ってやれないと思った次第で」

面接官「なるほど。時々いらっしゃいますよ、理由は違えど収入目当ての方がね」

村人「アッソウナンスカ」

面接官「公務員ってだけで収入が安定するイメージがあるのでしょうが…今ここで言っておきましょう。今の貴方が農夫ですね?ならば今よりも生活は多少は豊かになるでしょうが、上流階級に鰻登りーなんてことはないですし、部署によっては仕事も多忙です。
要するに仕事の量が今よりも劇的に増えるのにも関わらず、給金は今貴方が働いて得られる収入に多少色が付くレベルです。それでもここで働きたいと思いますか?」

村人「アッハイオモイマス」

面接官(話聞いてなかったな)
村人(緊張で話が右から左だった、やっべえ)


面接官「…まあいいです、次の質問に行きましょう」

村人(もうこれダメなパターンだ)

面接官「貴方がここd」

魔王「おいーっす」ドアガチャ

面接官「ちょ、魔王様、今面接中なんですけど」

魔王「だから来たんだよ。面接風景って見たことないからさあ、気になっちゃってね」

面接官「面接者の方が貴方を見てどうなると思ってんですか!緊張すっ飛ばして思考停止!フリーズしますよ!?と言うわけでとっとと出てってください。邪魔です」

魔王「そこまで言わなくてもいいじゃ…ん?村人君じゃん!」

村人「ウィッスマオウサンチッス」

面接官「へ?」

魔王「時期外れの就職希望者がいるってのは聞いてたけど、君だったのかー。でもまたなんで?」

村人「いやあの、ぶっちゃけると俺の農夫生活の収入だけじゃ…ね…」

魔王「あー!結婚するんだっけ!もうちょっと待っててな!今議会で結婚援助金の話してるから!それにしても君が就職希望者か。わかった、私の一存で君雇用しちゃう!」

村人「ウィッスマオウサンサスガッス」

面接官「えっ」

魔王「あ、面接終わっちゃっていいよ。じゃあ村人君、また明日来てくれるかな!それじゃ!」ドアガチャ

村人「アッハイ」

面接官「…」

村人「…コネ入社ってことになるんですかね」

面接官「…そうなるね。私の立場って一体」

村人「この世界は理不尽の塊なんですよ。たぶん」


【村人のおうち】

村人「と言うわけであっさりと就職が決まってしまいました」

村女「魔王ね」

村人「様を抜くなよ」

村女「魔王様様々ね」

村人「こないだも同じやり取りした気がする」

村女「ところで貴方、腕の落書き見られてないでしょうね?そんなのがあるのが旦那なんて人様に知られたら私どんな顔して歩けばいいのかしら」

村人「お前が出かける前に俺の右腕にガッチリ包帯巻き付けたままだから。でもなんだよこの巻き方…」

村女「くっ…俺の右腕に封印されし悪魔の力を使う時が来たのか…!ごっこができるわよ」

村人「いい年して誰がそんなことするかよ」

村女「そもそも、生身の人間の中にそんな凶悪なもん封印するんじゃないわよって話よね」

村人「それは言えてる」


村人「でも、悪魔の力はないけど、勇者としての証拠は浮き出てるんだよなあ…」

村女「別に力が強くなったり、死んでも生き返るようになったわけじゃないんでしょ?」

村人「ないな。後者は試してないけど試す気もない。もし試して死んだらどうするんだってな」

村女「この本には加護を与えてやるからキリキリ働け糞勇者。お前の代わりならいくらでもいるんだからなって書いてあるのにね」

村人「それ死んだら代役がいるから安心して逝けってことじゃねーか!ってその本」

村女「貴方が借りてる本ね」

村人「返し忘れてたあ!延滞料金があ!」


村人「返してこよう…そう言えば晩ご飯は?」

村女「貴方の目は節穴みたいね」

村人「いやそういうことじゃなくて」

村女「見ての通り作ってないわよ。面接で盛大に下手こいてああ、俺はなんてダメな奴なんだって項垂れて川縁に体育座りしてるところに私が偶然を装って通りがかって、また次があるわよ。今は美味しいものを食べて元気だしましょ?その後でその元気を色んな意味で私が頂くからってやる計画だったから」

村人「同じ屋根の下で暮らし始めたのにお前は何も変わらないな!」

村女「え~?それともこっちの方が良かったぁ?はいダーリン♪あーん」キャピルンッ

村人「やめて」

村女「自分でもやってて鳥肌が立ったわ。人には向き不向きってものが本当にあるのね。その本の返却ついでに買い物にでも行きましょ。就職祝ってことでパーッと」

村人「やる余裕はないよ」

村女「知ってるわ。いつも通りにしましょうか」

逆レイプはよ


【街 - 市場】

ワーワーキャーキャーキャーコッチムイテー

村人「…なあ、なんだか今日は騒がしくないか?いつもよりも、こう」

村女「黄色い声が耳障りね。安心して、貴方に言い寄る女狐がいたら腹掻っ捌いて開きにしてやるから」

村人「グロテスクだぞ、やめれ」

村女「全身縄で縛って干し吊るすのならいいのかしら?鮮血が溢れずに済むわよ」

村人「人様の迷惑になることはやめなさい!」

村女「するわけないじゃないそんなこと。冗談を冗談と理解できないとこの苦労するわよ?」

村人「現在進行形で苦労してまーす。それはそうと何の騒ぎ…」

村女「あ、アレが騒ぎの原因ね。見つけたぞ、世界の歪みを!お前がその元凶だ!」

村人「誰指差してんだよ…あの娘か?すっごい迷惑そうにしてる」

村女「エルフちゃんよ」

村人「エルフちゃん?それってお前がこないだ言ってた大人気アイドルの?」


村女「そ。この大陸全土を股にかける超弩級ミラクルスーパーアイドルのエルフちゃん。しかし股にかけるって言い方はどうにかならないのかしら、卑猥ね。あの娘、実は淫乱だったりしてね」

村人「無茶苦茶言ってやんなよ、にしても何でそのグレートハイパーアイドルがこんな所に」

村女「私が知るわけないじゃない、興味ないし。…実物は初めて見たけど、綺麗な金髪ね、羨ましいわ」

村人「…興味ないと言いながら、なんだそれ。というかお前が他の女を見て褒めたりするの初めて見た」

村女「私だって一応女なのよ、女であればあれだけ綺麗な髪を見て、少しも羨ましいと思わないことなんてないと思うわ」

村人「そんなものなのかね…確かに綺麗だけど、俺はお前の茶髪の方がサラサラしてて好きだぞ」

村女「…行くわよ」プイッ

村人「へーへー。なあ、髪撫でてもいい?」

村女「やめて、髪が乱れるから」

村人「諦めてやろう。これ以上踏み込んだら後が怖そうだ」

村女「懸命な判断ね。きっと長生きするわ」


村人「ふうん、この辺は海で獲れた魚介類を扱ってるのか…」

村女「いや、知ってるでしょ流石に」

村人「たまにあるじゃん、わかってても口にしたくなること」

村女「じゃあ私にも言わせて。この後家に帰って、晩ご飯を食べてお風呂も終わった後に」

村人「わかっててもの意味が違う!」

村女「貴方が止めるのをわかってるから、安心して暴走できるわけ」

村人「話の意味が変わって来てる…」

村女「冗談はおいといて。今日の晩ご飯何がいい?ちなみに私が提供できるのは1種類のみ。後はそれのバリエーションだけね」

村人「俺が作るから、お前は何が食べたい?」

村女「そうね、今はこれが食べたいってものはないから貴方に任せるわ。私ちょっとブラブラしてきていい?」

村人「良いけど…騒ぎ起こすんじゃないぞ?」

村女「哀れな雄豚が寄ってきたら彼氏連れだから諦めることね、この糞犬って言うだけに留めておくわ」

村人「よくないと思うなーそれ!っていうかなんで彼氏!」

一旦中断。リアルの方でもご飯の準備。
しかし、なんだかんだで書き続けてしまいますね…この話には核心も何もない予定なので蛇足の塊ですが。

乙、面白い


村人「まったく…まあいいや、俺も俺で見て回るとしようか」

おっさん「ようそこの兄ちゃん!ウチの売りもん見てかないかい!」

村人「なっとう!?びっくりしたなあもう!」

おっさん「納豆は扱っちゃないけどね」

村人「そうじゃないよ、もう…」

おっさん「まあ驚かせて悪かったな!とりあえずでも見てってくれや!」

村人「(声でけえ)まあ見るだけなら…あ、でっかいエビだ」

おっさん「獲れたてホヤホヤだからな!新鮮で活きがいいだろう!」

村人「…獲れたてホヤホヤ?活きがいい?」ツカミ

エビ「ウェーイモウダメッス、ウミガコイシイヨカーチャン」

村人「これのどこが」

おっさん「活きがいいとか言っとけば美味そうだと思うだろ?新鮮だとかそういうワードに主婦とかは弱いんだよ」

村人「客に言っていいのかそれ。…新鮮、ねえ。アイツにそんな話したら」

村女「へえ、新鮮でピチピチだと食い付くように売れるのね?でも貴方は目の前に年中旬の新鮮でピチピチな私がいるって言うのに一向に食い付いてこないわよね。私はいつでもウェルカム、貴方を受け入れる体勢は整ってるから速く飛び込んできなさい!さあ早く!旬が過ぎちゃうわよ!」

村人「って言いそうだなあ」

村女「って言いそうだなあって考えてそうだから言ったわよ。まさに以心伝心ね。今度は心だけじゃなくて身体も繋がりましょうか」

村人「っていつからそこに!?ブラブラしてんじゃなかったの!?」

村女「今来たばかりよ。それにあっちの方は、マグナムサンデーアイドルのファン団子が鬱陶しいから戻ってきたの。まあ私はまだブラブラし続けるから、気にせず買い物してるといいわ」

村人「…はあ」

おっさん「アンタ、苦労してそうだね」

村人「少しでもわかってくれれば嬉しいよ」


村人「…そうだな、おっさんこのエビ2匹ちょうだい」

エビA「コレガセカイノコタエナラ」
エビB「ソレニシタガウガワレラガサダメ」

おっさん「あいよ、毎度あり!他にも何か買うかい?」

村人「そうだなあ…ん?」キャーキャー>

村人(そう言えばアイツはスーパーマスターアイドルファン肉団子が鬱陶しいって…ってことは)

ファンA「きゃー!エルフちゃんこっち向いてー!」
ファンB「エルフちゃん俺の服にサイン書いてー!」
ファンC「エルフちゃん握手してくださいお願いしますなんでもしますから!」
ファンD「結婚しよ」

村人「…うっぜえ」

おっさん「まるで動く肉要塞だなあこりゃ…」


エルフ「いや、あの、お願いっ、だから、道を開けっ、開けてください!」オシクラマンジュー

ファンA「ほら!エルフちゃん困ってるじゃない!アンタらどきなさいよ!」
ファンC「そう言う君は真正面に位置取ってるじゃないか!どの口が言ってるんだ!」
ファンB「テメーだってずっと右手差し出しっぱなしで邪魔になるじゃねーか!」
ファンA「アンタはサインペン差し出してるじゃないの!五十歩百歩よ!」
ファンD「結婚しよ」

エルフ(ただ買い物したかっただけなのに、なんなのこれー!変装したのになんですぐバレちゃうし、芋づる式に人は集まるしー!)

ファンE「いやあ、エルフちゃんの美しい金髪はどの距離からでも見分けがつきますなあ」
ファンF「まったくですね。いやあ、帽子をかぶっていてもお美しい…実物を見れて大変満足です」

エルフ(何か、なんとかしてこの状況なんとかしないと潰されて、押しエルフになって本のしおりにされちゃう!誰か…ん?)


村人「さっきもあの団子見たんだけど、あの娘すっごく迷惑そうなんだよねー」

おっさん「あの娘?ああ、アイドルのエルフちゃんかい。あの娘の他にも有名人がたまーにこの市場に来るんだよ。その度に肉団子なんだけどな」

村人「へえ…」

おっさん「兄ちゃんよ、あの娘助けて男を上げたりしないのかい?運が良ければ落とせるかもしれないぜ?」

村人「冗談はやめてくれ。おっさんもさっき見たでしょ俺の連れ。下手なことして変なことにでもなったら俺何されんの…?就職決まったばかりなのに骨抜きにされちゃうの…?」

おっさん「なっさけねえなあ!男なら女の一人や二人くらい同時に相手にしてみんかい!」

村人「無茶苦茶言うなよ!俺はまだ死にたくない!」


エルフ(…)ジー

エルフ(閃いた!)


エルフ「どいてぇ!」オシノケソコドケ

ファンA「きゃあ!」
ファンB「うおっ!?」
ファンC「うわあ!エルフちゃんが僕の肩を触ってくれた!」
ファンD「結婚した」


村人「俺は普通の人間だから面倒ごとに巻き込まれるのはゴメンだよ。それじゃそういうことで…」

エルフ「待ってよダーリン!置いてかないで!」ウデギュー

ファンA「」
ファンB「」
ファンC「」
ファンD「」
ファンE「」
ファンF「」
おっさん「」



村人「」

エルフ「1人で勝手にどこかに行かないでっていつも言ってるでしょ!?」

エルフ(ごめんなさい!突然で悪いですけど合わせてください!このままじゃ私押しエルフになっちゃいます!)

村人(こいつ…直接脳内に…!?)


村人「アッハイ」

エルフ「はいじゃないよ!もう、次こんなことしたら許さないからね!」

村人「アッハイ」

エルフ「反省してるの!?」

村人「アッハイ」

エルフ(合わせる気あるんですか)

村人(無理言わないでくれ)


ファンA「そんなまさかエルフちゃんに彼氏がイヤでもそんなことありえないでも現に私の目の前にある現実はイヤ信じないこんなのは網膜が生み出した幻想なのよ」
ファンB「アーアーナニモキコエナーイ」
ファンC「うわあああああそんなああああああエルフちゃんに限ってそんなことはあああああ」
ファンD「結婚したかった」
ファンE「…それでも私たちは」
ファンF「ええ、彼女の髪の美しさに惚れたことには変わりない…それでもね?目から汗が…」
おっさん(失望しました…エルフちゃんのファン辞めます)


エルフ「はあ…もういいよ、ほら、行こう?」

村人「アッハイ」

村女「どこへ行こうって言うのかしらんそれとも貴方と私で一緒にイキましょう!Go to heaven!ってことかしら。汚らわしいわね」

エルフ「えっ」

村人(父さん、母さん。元気ですか、あなたたちの息子の命はこれまでのようです。知ってた)


村人「い、いつからそこに」

村女「さっきも訊かれたけど、さっきと同じだと言っておくわ」

エルフ「へっ?えっ?」

村女「ああ、なんてことかしら。少しの間目を離したばかりに何処の誰とも知らぬ泥棒猫に愛しの人を奪われるなんて。この世界は理不尽の塊の様ね。だけど私はこの不条理な現実に立ち向かう。この世界では諦めた者から死んでいく。つまり、諦めたと言うことは死んでいるのと同じこと。だけど私は今ここに生きている。生きている限り諦めることは許されない!私は戦う!負ければ死ぬ、勝てば生きる!戦わなけれは、勝てない!貴女のような泥棒猫に、この人の隣は奪わせない!」

エルフ(えー!?なんか変な人来ちゃったんですけどー!?もしかしてこの人の彼女かなにか!?人選失敗)

村人「何を馬鹿なことを言ってるんだ!俺はどちらか2人を選ぶことのできないクソ野郎だ、だけど!2人が争う姿なんて見たくないんだ!だから落ち着いて、話し合うことで解決できないのか!?」

エルフ(なんか乗っかり始めたー!?)

修羅場か


村女「貴方の頼みと言えども、ここは譲れないの。貴方の隣にいることが許されるのは1人だけ。例えどのような結果になろうとも決めなければならない!さあ、白黒はっきり決めるわよ!」

エルフ「あっ、ふぇ、私!?」

村人「待ってくれ!まだ彼女の意思を確認してないだろ!?」

エルフ「いやその私は」

村女「問答無用…と言いたいけれど、ギャラリーが多過ぎるわね」

ナンヤナンヤケンカカ?
アッアレエルフチャンジャネ
ソウヨワタシハミトメナイワエルフチャンガアンナモヤシナンカト
ケッコンシタカッタ

村女「来なさい!」グイッ

エルフ「えっ?えっ?」

村人「あっ!こら!」


おっさん「…なんだったんだ一体。まあいい、ほらお前ら!せっかく来たんだから見て行きな!活きのいいのがいっぱいだよ!」

おっさん流石


村人「はぁ、はぁ…ここは?」

村女「郊外、かしらね?当てもなく走ってたから。」

エルフ「…あのー」

村女「ああそうだ、白黒はっきりと」

村人「いや、それはもういいからさ。本当はいつから見てたんだ?」

村女「一部始終。あの市場に目を惹かれるものがなかったからね、貴方と合流しようと戻ったらウルトラミサイルパフェアイドルのこの娘が肉団子がら抜け出して、公衆の面前でいきなり激しいことをし始めるんですもの。思わず目を背けたわ」

村人「捏造しなくていいから。それで、タイミングを見計らって…と言うわけか?」

村女「その通りよ。でも貴方、私が声を掛けた時この世の終わりに直面したと同時に悟りを開いたかのような顔付きだったわよ。まだまだ心が通い合ってないのかしら…残念ね」

村人「意図を察知しただけでも褒めて貰いたい」

村女「偉い偉い」

村人「何と言う棒読み」

エルフ「あの、私もいるんですけど」

村人「あ、ゴメン忘れてた」


村女「後は私の知ったことじゃないわ。勝手に生き、勝手に学び、そして勝手に死ぬが良い」

村人「ゴメンなー、コイツ昔から口が悪くて」

村女「女たるもの自衛の手段くらい持ち合わせていないとね」

エルフ「なんだかなあ…とにかく、助けていただいてありがとうございます」

村人「勝手に巻き込まれただけだけどな」

村女「そして私は勝手に乗っかっただけ。だから貴女は勝手に礼を言って、勝手に帰ればいいのよ」

エルフ「う…」

村人「素直じゃねえなあ。ファンなんだからこの程度当然のことよ、くらい言えないのかよ」

村女「ファンじゃないわよ、髪が綺麗だなと思うとは言ったけど、それはファンであるのと同義ではないわ」

村人「めんどくせえな」

エルフ「髪を褒められるのは嬉しいです…えっと、それじゃ私はこれで」スタタッ

村人「あらまあ逃げるように行っちゃって。お前、威嚇しながら話してたりした?」

村女「心の中では脅してたわね。貴方に悪い虫がくっ付いたら困るから。嫉妬の炎で燃え上がっちゃうわよ?最終的には爆発するかも」

村人「もうちょっと友好的にできないのかねえ…」

村女「善処するわ、覚えてたら…寒気がする。何かしら」

村人「風邪でもひいたんじゃないのか?エビだけだけど買ったし、帰ろうぜ。今は市場に戻れる気がしない」

村女「そうしましょうか。そして家に帰ったら貴方が私を暖めてくれるんでしょう?人肌同士を重ね合わせて始まるのは夜の運動会、と」

村人「安心しろ、病人にはお粥ぶちまけてやるから」

村女「えー」


エルフ「あの女の人…毅然としててかっこ良かったなあ…ああいうのがデキる大人なのかな?私もあんな風になれるよう頑張ろっと!」


村女「…嫌な寒気ね」


村人「っはぁ、今日は、なんか疲れたなあ…」フトンダーイブ

村女「面接に買い物に修羅場。お疲れ様」

村人「それに、のんびり畑いじりライフも終わりを告げました!これにてスローライフ終了です!」

村女「お役所仕事の奴隷生活が始まるわけね。奪われた自由を勝ち取るための戦いが幕を開ける!」

村人「そんなブラックな職場なわけ…ないよな…?」


村女「明日からの仕事が不安?しょうがないわね、おいで」

村人「俺のベッドに潜り込んでおいてそれを言うのか」

村女「でもおとなしく抱き締められてるじゃないの」

村人「それは、まあ、そのもにょもにょ」

村女「大丈夫、私は貴方を信じてる。だけど、貴方は自分の信じる自分を信じれば良い。貴方の信じた信念で…手を差し伸べられて救われる人がいるのだから」

村人「今日の、とか?」

村女「………そうね。一応それもね」

村人「なんか明らかに幻滅されてるような気がする」

村女「払拭したければ今すぐ獣のように私を求めることね。晩から朝までフルコースでも構わないわよ?平常心を保てるか不安だけど」

村人「明日から忙しいから寝る」

村女「チッ…ところで私はいつまで抱き締めたままいればいいのかしら」

村人「なんか、落ち着くから…悪いけどこのまま…」

村女「…それもアリね。ちょっと物足りないけれど、貴方の幸せが私の一番の幸せです。お休みなさい、良い夢を」

今日はここまで。
登場予定のなかったエルフちゃんが出て来た!うっひょい!扱いに困る。
一度終わりと言いながらも行き当たりばったりで進めてしまうのはきっと悪い癖。
勇者要素に微塵も触れてないけど気にしたら負けなんだ…そうなんだ…そうに違いない…

乙でした

乙です
エルフもちゃんと伏線回収したと思えば決して無駄ではないはず?

いやほんとイチャイチャしてるの見れるだけで幸せ

ID変わってるのかな?1です。今日も蝉が騒がしいですね。
思いつく限りの行き当たりばったりで更新させていただきます。

ーーーーーーーーーーー

太陽「アサヤデ」


村人(おはようございます太陽さん。今日も良い天気ですね。いや、窓の外見えないから適当にそう思ってるだけなんだけど)

村女「んん…」

村人(俺は一晩中抱き締められてたんでしょうか。どうにもこれじゃ身動きが取れない…って、嘘…抱き締める力強過ぎ…?)

太陽「ナサケネーナオマエ」

村人(なんてふざけてる場合じゃないんだよなあ。今日は魔王城に行かなきゃならんし…っていつ何時に来いとか聞いてないんですが魔王さん。いつ行けば良いの俺。ああ、でもいいなあこの寝顔。邪気の欠片も感じさせない、純真で子供のような。可愛い。もう少し堪能しても罪はないよね)ブツブツ

村女「んー…?」

村人(でもね!きっとのんびりしていちゃいけないと思うんだ!なのでさっさとこの眼前の口悪女神を起こさないと!どうやって起こそうか、そうだ!おはようのキスだな!未だにしたことないけど!いつもは手玉に取られてばかりだからな、たまには俺が逆襲してもいいだろ!そうとなったらいただき)

村女「…」ジー

村人「アッオハヨウゴザイマス」


村女「…」

村人「…」

村女「…」

村人「…」

村女「至近距離で見られてると流石に照れるわね」

村人「アッハイサーセン」

村女「むふふっ」ギュッ

村人「うへあ」

村女「おはよう、私の勇者様。起きて朝ご飯を作りましょうか」

村人「…そうだな、そうしようか」



村女「目の前でボソボソ何か言われてちゃ流石に目が覚めるわよ」モグモグ

村人「悪いな、口に出てたつもりはなかったんだが」アッソーストッテ

村女「口悪女神ねえ…褒められてるのか、貶されてるのか複雑な気分ね」ハイ

村人「割と事実だけど」コレドレッシングダヨー!?

村女「それにしても、寝込みを襲うのは良い判断ね」ゴメンナサイ、ワザトヨ

村人「良い度胸ね、の間違いじゃないのか?」マッタクモウ

村女「寝起きクオリティでそのままなすがままされるがままだったかもしれないわ。それに今もまだ寝起きみたいにボーッとする。どうしよう、貴方に朝から女神の身体を好きなように弄ばれても抵抗できないかもしれない。と言うわけで襲え」

村人「意識ははっきりしてるみたいですね。お薬を出す必要はないでしょう。ご馳走様」

村女「ご馳走様。ところで貴方」

村人「ん?」

村女「目玉焼き、まだ半熟には程遠い」

村人「これでも頑張ってるんだよ…半熟の火加減わからないからさ」

>>69
ひょっとして2ちゃんやここって初心者?
IDは日付が変わると必ず変わるよ
ここに限らず本人証明は酉(名前欄に「◆~」と入ってるやつ)を使うから
ここのスレを10くらいまで読むと大体分かると思う

■ SS速報VIPに初めて来た方へ
■ SS速報VIPに初めて来た方へ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364178825/)



村女「鞄は」

村人「持った」

村女「財布」

村人「入れてる」

村女「筆記用具も」

村人「常備してる」

村女「しおり」

村人「貰ってないけど、ってかないでしょ」

村女「バナナは?」

村人「遠足に行くんじゃないからな!?」

村女「やる気と根性」

村人「…それは足りてる」


村女「生きて家に帰ってくることが作戦目標よ、頑張ってね」

村人「そんな大げさなことじゃなかろうに」

村女「一応心配なのよ、私の財布が財布としての機能を果たす前に使い物にならなくなるなんてことがないか」

村人「貴様!やはりウチの財産が目当てか!」

村女「バカやってないで早く行ったら?」

村人「お前から振っておいて…まあいいや、行ってくる」

村女「あ、ちょっと待って。んっ」

村人「どした?唇突き出して」

村女「行ってらっしゃいのキスに決まってるじゃない。この体勢でいるの恥ずかしいから早くして」

村人「えっいやそのそんないきなり」

村女「度胸があるのかないのか…寝てる私を襲おうとしたのはどこの誰だったかしら」

村人「アッハイヤラセテイタダキマス」


村人「う…」

村女「…」

村人「くっ…」

村女「何を躊躇しているのよ…」

村人「でもぉ…」

村女「でもじゃない。カモーン」

村人(いやしかしこんな風情もロマンもない形で俺達のファーストチッスを済ましていいものなのだろうかもっとこうなんというかそのシチュエーションというのがだな)

村女「早くして」

村人「もうどうにでもなーれ!」


魔王「おっはよー村人くーん!朝だよー!」ドアガチャ


村女「破ァ!!!」ハラパンッ

村人「おふぅ!?」

魔王「えっぎゃふん!」

>>73
基本的に見てるだけだったので、書き込みに関しては初心者ですね。
言い訳するとさっさと終わる予定だってので酉無しでもいいかなーって思ってたのも。
でも、完結予定の目処も立ってないので酉をつけた方が良さそうですね。


村女「ごめんなさい、腹に小虫が止まってたからつい。あ、魔王さんじゃないですかー、おはようございます」

魔王「おはよう…ところでなんで村人君は飛ばされてんの…?」

村人「…今だけ恨んでもいいですか」

魔王「えっ!?あ、朝から押しかけてごめんね!朝の散歩してたら丁度ここまで来ちゃったからつい」

村人「それとは違うんですけど」

村女「こんなのが社長の職場だなんて、不安が渦巻いてるようにしか思えないわね。まあいいわ、とりあえず行ってきたら?貴方の度胸次第でいつでも出来ることよ、あんなこと」

村人「モヤモヤしたまま行くのは気分が悪いけど…行ってきます」

魔王「ねえ、私何かした!?怒ってる?怒ってるよね!?」

村人「怒ってないです」ムスーン


【魔王城】

村人「前々から思ってましたけど、魔王さんの城って本で見る魔王城よりもなんというか、こざっぱりしてますよね」

魔王「如何にも敵意剥き出しみたいな装飾とか嫌いだからねー。勿論、そんな風に改装しよう!って声もあるんだけどさ、私は白くてクリアな感じの方が好みで」

村人「へえ…一応、城って銘打ってあるから城って呼びますけど、そうじゃなかったらコレ、巨大な町役場ですよね。見た目」

魔王「仕事も大体そんなものだよ。町役場と違って、治める範囲が大陸全土だから仕事量も比べ物にならないけど」

村人「…だいじょぶですかね、俺」

魔王「大丈夫大丈夫、なんとかなるよ。従業員の2割は人間だから」

村人「大丈夫な根拠になるのかそれ…?あ、お邪魔しまーす」

魔王「それは別に言わなくてもいいよ」


受付嬢「お勤めご苦労様です魔王様、そしておはようございますお連れの方!」

魔王「うん、今日も頑張ってねー」

受付嬢「はいっ」

村人「ほへぇ、美人っすね」

受付嬢「うへへ、それほどでも」

魔王「受付は看板にもなるからね、それなりに見栄えの良い人をと思って。ちなみに彼女、スライムね」

村人「…スライムってあの液体質だったり粘着体のような?」

魔王「実態がなくてヌメヌメでぶっちゃけるとエロの道具としてよく扱われるあのスライムだよ」

受付嬢「あはは、そんな下卑た連中と一緒にされちゃ困りますよ、中耳炎引き起こしてやりましょうか?」

魔王「ごめんなさい許してください」

村人「…ちょいと失礼」ホッペムニー

受付嬢「うー、なにふふんれすかー」

村人「…ひんやりはしてるけど、実体ありますよねこの人?本当にスライムなんです?」

受付嬢「軟体ドロドロの姿がお好きでしたらそうしますよ?」

村人「いや、それは結構です」


受付嬢「私たちスライムは、1個体として野生に生きる分にはこの姿になる必要はないのですが、社会に従事する身となるとドロンドロンしてちゃ仕事もできないし、人を寄せ付けないでしょう?だからこうやって人間と大差ない姿を形どってるんです」

村人「なるほどね…街を歩いてる人の中にスライムが紛れ込んでるかもしれないのか」

受付嬢「それはないと思いますよ?二本脚で歩くのってめちゃんこ疲れやがりますから。私は少しは慣れましたけど…」

村人(さっきからちょくちょく思ってたけど、言葉使い微妙に変じゃないか?)

魔王「…そろそろいいかな」

受付嬢「あれ、まだいたんですか。私はまだこの方とのお喋りを堪能してますからさっさと業務に戻っちまっても結構ですよ?豪華な椅子に座って威張り散らすだけでいいですもんね、ちょろい仕事だなあ」

村人「えっ、そうなんですか?」

魔王「違うよ!村人君も真に受けないで!」

受付嬢「あら、村人さんって言うんですね。そうだ、私休憩取りますからちょっとそこの人通りの少ない休憩所までご一緒しません?そこでしっぽりとぬめぬめしいことを」

魔王「朝から何言ってんの!?それに彼、妻帯者だから!」

受付嬢「尚更好都合ですわ。決して幸せになることはない、禁忌且つ淫靡な茨の道に身を堕とすのも悪くはねーですね」

魔王「だからあ!」

村人「俺の意思はガン無視なの?」


魔王「って言うか、彼、客じゃないし…後で紹介するつもりだけど、今日からでもウチで働いてもらう人だからあんまり怯えさせないで…」

村人「いや、この感じには慣れてますし」

受付嬢「へえ、新入社員の方でしたの。これは最早天が私に味方してくれちゃってますね、これからじっくりと粘液で包み込むように貴方を攻略してみせますわ。手始めにまずは熱く濃厚なキスを」

魔王「わー!!!わー!!!村人君!次!次ってか部署紹介するから!!!」

村人「アッハイわかったから手を離してください、潰れちゃう」

受付嬢「んもぅ」

村人って実は超絶イケメンなのか?

今はここまで。
魔王城ってんだからきっと他にも魔物や魔族が出てくるんでしょうね。
キャラが増え過ぎて扱い切れなくて爆発するパターンは避けたい…

>>83
超絶イケメンということはないと思います。
けど、人畜無害そうな純朴オーラなら発しているのかと。そしてからかわれたりイタズラされたり。
受付嬢も別に一目惚れしたわけでもありません、断られたり邪魔が入ることが前提のイタズラでしょう。

ん?そうなると村女のはどうなの?ってなってくる。その辺はいつか書きたいなあ。続いてさえいれば…

乙です
ルールの件、でしゃばってすいません
時期的なのもあっておせっかい焼きまくってるおっさんなので
不要だったらサラっと流してもらえると助かりますww

>>86
いやいや、ありがたいです。
夏ですからね…この時期に慌てふためく身でないことは幸いですが。


それじゃ、暑さに負けた亀よりも遅い速度で投下させてもらいます。


魔王「そうだ、村人君は何か希望の部署とかはある?」

村人「いや、そもそもここが何やってるかもよくわからないんで…」

魔王「それもそうか。じゃ、順当に部署を紹介してこうか」


魔王「ここが住民課。と言っても、街役場とかと違って大陸全土の役場の情報もウチに集結するから、国民課って言った方がいいのかもねー。」

村人「段ボール積み重なりすぎじゃないですかね…」


魔王「ここは税務課。街や村単位だけの役場だとそこだけの税金の管理をするけど、ウチは国の機関だからね、国全体での税金の管理を行なってるよ」

村人「さっきも大陸全土ーって言ってましたけど、この大陸そのものが1つの国ですよね?どれだけの金管理してるんだよ…」


魔王「この部屋の中が開発課。今は会議中みたいだね」ンダトコノヤロー!

村人「会議ってか喧嘩してません?大丈夫なんです?」アア?ヤンノカテメー!

魔王「いつもこんな感じだよ、我が強い人ばかりでねー。決められた区画に於いて、こんな風にしようってのが主な会議内容なんだけど、それぞれの好みの差が激しいから中々決まらないんだよ。1年の8割は会議してばかりなんじゃないかな」

村人「見事な給料泥棒」


【魔王城 - 給湯室】

魔王「あらかた見て回ったけど、やりたいと思った部署はあった?」

村人「…大半が書類仕事でしたね」

魔王「言ってしまえば規模も建物も巨大な役場だからねえ」

村人「一日中文字とにらめっこするのはなあ…」

魔王「まあ、まだ見回ってないところもあるから…ゆっくり考えてなよ。お茶飲む?」

村人「はい…」ションボリ

村人(完全に甘く見てたな…やっぱ畑でえんやこらしてた方が良かったんじゃねーの?いやでもそれじゃ収入がそれにコネ入社しちゃってるわけだし厚意を無碍にするわけにもいやしかし)

「あ、魔王さん何やってるんですか、こんなところで」

魔王「ああ、おとーさん。いやね、今日から働いてもらうつもりの新人君の入れそうな部署が見当たらなくて、彼が気落ちしちゃっててね」

村人(はあ!?おとーさん!?なんなの!?魔王さんの父親が働いてんの!?)ガバッ

魔王「あ、村人君、この人はおとーさん。間違っても私の父親ではないよ皆が皆しておとーさんおとーさん呼ぶから私もつい、ね」

「ん?お前は…」

村人「って親父かよ!!!」

父「私だ」


魔王「え?おとーさんは村人君のお父さんだったの?」

父「そうなんですよ、ってお前はまたなんで魔王城に?はっ、もしや己の使命に目覚め、魔王さんを討ちに来たのか!?」

村人「は?」

魔王「へ?」

父「我らが一族は太古の昔の勇者の血を引く一族、その血に刻まれし使命がお前の中で目覚めたと言うのだな!?だが!今の私はこの魔王さんに仕える存在!例え勇者の血を引いていようと、そんなことは関係ない!さあ、命をかけてかかってこい!」

村人「えい」シッペペシーン

父「ぐぁあああああ!!!よもやこの私が敗れるとはぁああああ!!だがしかし、お前の進む道は修羅の道…幾千の障害が立ちはだかるであろう…精々…血塗られし運命の中で足掻くが良い…」バタッ

魔王「え?え?」オロオロ

「あなた!」バタバタ

村人「Oh…myかーちゃんまで…」

母「あなた!しっかりして!…息をしてない…アンタがやったのね?いつしかこんな日が来るとは思っていたけれど。アンタを誇りと思うけれどその分、怒りや悲しみも覚えるよ。護るべき魔王さんを討とうとするアンタへの怒り、愛した夫を奪われた悲しみ、立派に育った息子を持てる誇り!その全てを!アンタに身を以って教えてあげる!」

村人「えい」デッコピーン

母「かはぁっ!?そ、そんな…こんなところで…でも…私は、嬉しいよ。アンタが、こん…なに強…く…」バタッ

魔王「…えっ?なんなのこれ?」

村人「面倒くさい両親で申し訳ないです、ほんと」


父「いやあ申し訳ない。久し振りに会ったもんだからつい」

村人「2週間前にウチに来ただろうが」

母「もう、まだ反抗期なのかしら。あ、でもアンタがここに就職したってことなら宿舎に入ってまた3人暮らしでもする?」

村人「アンタらが揃いも揃って久し振りに会ったってのに悪ふざけするからだろうが!魔王さん素っ頓狂な顔してたよ!」

魔王「まあ、ビックリはしたけどね、ははは」

母「そういやアンタ、どうしてここに就職したの?私達が家を出る時、俺は畑いじりの方が性に合ってるからって家に残ったじゃない。それがまたどうして」

村人「ん、アイツ絡みで、ちょっとね」

父「アイツ?」

母「…あの娘のことね?アンタ、彼女に何か変なコトでもしたんじゃないだろうね?」

村人「寧ろ俺の貞操の危険がピンチなんだけど」

母「家を出る時にも言ったわよね?絶対あの娘を悲しませるな、幸せにしてやりなさいって。忘れたわけじゃないでしょうね」

村人「別にたいした理由じゃないって」

母「そうやって誤魔化すってことは何かあったんでしょう!言い訳無用!何があったか洗いざらい話しなさい!」

父「ちょっ、母さんそんな風に捲し立てなくても」

母「私はあの娘の為なら阿修羅をも凌駕する存在となるわよ。菩薩なり損ないのあなたは黙ってて」

父「アッハイ」

魔王「ああ、私は理由を知ってるよ。村人君、その娘と結婚するから安定した収入の為にってウチに就職した、んだよね?」

村人「ええ、まあ」

母「」
父「」


母「イヤッフウウウウウ!!!ゴールインktkr!この瞬間を待っていたんだー!」

父「急に立ち上がらないでくれよ…ってか結婚てホント?マジで?」

村人「マジでホント。決めたの数日前だけど」

母「よっしゃあ!こうしちゃいらんねえ!お赤飯炊いてくるぜ!」ドタバタ

父「今勤務時間中なんだけどなあ」

魔王「というか、人が変わり過ぎじゃないの?」

村人「昔からあんな感じですよ。騒がしいったらありゃしない」

父「寧ろ出会った時からあんな感じでした。喜怒哀楽が激しいんだから」

村人「賑やか要員としては優秀だよな」

父「飽きないからね、不思議と」


父「そういえばお前、部署が決まらないんだっけ」

村人「恥ずかしながら。書類仕事とかできる気しないわ…」

父「…魔王さん、あそこはどうでしょう」

魔王「あそこ?でもあそこはねえ…」

父「コイツは頭使うよりも身体動かしてる方が向いてますよ。机に張り付く机の虫になんかなれませんて」

村人「それ貶してんの?褒めてんの?ってーかあそこってどこよ」

魔王「まあ、見るのはタダだしね。一応見るだけ見に行こうか。別に変なとこじゃないから安心していいよ」


【魔王城 - 雑務課】

魔王「ここがさっきから言ってた部署、雑務課だよ。書類仕事以外で、開発課みたいに特化した部署で扱わない用件を扱う…要は何でも課、かな」

村人「文字通りの雑務…雑用ですね。って、親父は?」

魔王「おとーさんはおとーさんで仕事中だったしね。仕事に戻ってったよ」

村人「提案するだけしといて見送りもしねえのか…」

魔王「まあまあ。とりあえず中入ろっか」ドアガチャ

村人「失礼しまーs………中身もごった煮ですね、これ。住民課とは別ベクトルで山が並んでる…」

魔王「魔法具の山と言えば聞こえはいいけど、実際はガラクタの山だよ…というか、皆どこにいるんだろ」

村人「ん、あのガラクタの山の裏に…」


「はい!かーくん引いて!」
「…これだ!ウゲッ!この…ほら!」
「アンタ、ポーカーフェイスって知らないの?…はい」
「この人のわかり易さは今に始まったことではないですよ。はい、お嬢さん」
受付嬢「それは言えてますねーっと、よっしゃあ!私が1番です!」ガッツポ

村人「何やってんですか受付嬢さん」

受付嬢「ふぁい!?あ、さっきの、いや、その私休憩時間でその」


「あ?誰だソイツ?知ってるかチビッコ?」
「知らないよー、初めて見る人だよ」
「だよなあ。シルバーは?」
「知るわけないじゃない。というか、そう呼ぶのやめてって何度も言ってるわよね」
「そうカリカリすんなよ…ロン毛は?」
「右に同じです。それよりも何故、魔王様と一緒に現れたのかが気になりますが」

村人(突然現れた不審者を見るかのような視線が突き刺さってます!もうやめて!俺の精神のライフは0よ!)

魔王「皆、勤務時間中に何呑気にババ抜きしてたの」

「ゲッ!?魔王さん!?いやそのね、やることもないし暇だし退屈だからババ抜きしよーぜーって」

「私はやってません。この馬鹿が1人で盛り上がってました」

「はあ!?お前も普通に参加してたじゃねえか!」

「知らないわねそんなこと」

「彼女と同じです、私も彼が1人でババ抜きをするという悲しい光景をただ見守っていました」

「ロン毛まで何言い出してんの!?」

「わたしもかーくんが1人で遊んでたのを見ました」

「チビッコォオオオ!?」

受付嬢「そんな私は頭の中で行われてた徒競走で1位を取ってました」

「姐さんまで!?俺を除け者にする気かよ!」

受付嬢「巻き込むんじゃねえです、窒息死させますよ」

「なんでー!?おいそこのアンタ!」

村人「へっ?俺?」

「アンタ見てたろ!?コイツらも揃ってババ抜きしてたところをよ!」

村人「えっと、俺は…」


「やめなさいよ、馬鹿。彼怯えてるじゃない」

「かーくん顔が怖いです!」

「元はと言えばお前らのせいじゃねえかよおおおお!!」

魔王「ちょっと黙って」

「アッハイ」

魔王「彼、村人君はね、なんやかんやでウチで働いてもらうことになったんだけど、丁度いい部署が無くて見学してる最中だったんだよね」

「見学…?そうなのか?」

村人「アッハイ、そうです」

魔王「顔もバッチリ合わせちゃったし、そうだね。皆に自己紹介してもらおうか。それじゃトップバッター火龍君」

火龍「了解!と言うわけで俺は龍人の火龍だ、よろしくな!」

村人「龍人…?もしかしてドラゴンになれたり?」

火龍「なれるなれる!つっても、たいした龍にはなれないんだけどな…まだ半人前でよ」

「死ぬまで半人前の間違いじゃないの?」

火龍「んだとシルバー!お前の毛皮焦がしてやろうか!っといけねえ、あの口の悪い女は銀狼のシルバーってんだ」

銀狼「他の人にまでその呼び名広めるのやめて。アンタの鱗一枚残らず剥ぎ散らすわよ」

村人(仇名かなにか知らんけど、シルバーってカッコいいな…獣人か?)

チビ「そしてわたしが自然界のおおいなるいしに仕える守護天使!チビだよー!」フンゾリガエリ

火龍「いや、ただの妖精だろ?盛るなよ」

チビ「あー!かーくんネタバレしちゃいけないんだよ!」

村人「…妖精って、手のひらサイズとかじゃなくて、なんというか普通の子供と変わらないんだな…」

チビ「おとぎばなしに出てくる妖精と同じにすると痛い目見るからね!」


ロン毛「そして私がロン毛です」

村人「…いいんですか、それで?」

ロン毛「皆から散々こう呼ばれてますからね、今更気にしませんよ。ちなみに私は吸血鬼です」

村人「えっ、普通の人間と変わらないように見えるけど…」

ロン毛「ちゃんと吸血鬼ですよ?ほら」イー

村人(うわ、犬歯すげえ)

受付嬢「私は今朝会いましたし、紹介はいらないですよね?」

村人「というか、なんでここにいるんですか」

受付嬢「受付と雑務と兼任してるんですよー。なのでここにいても問題ないわけです!」エッヘン

村人「え、でもさっき休憩時間って…」

受付嬢「…ぎゃあー!?そういえばそうでしたー!細かい話はまた今度です!村人さん!今度もまたトイレでイケナイ運動しましょうねー!」ドタバタ

村人「ええ!?何言ってんのいきなり!?」

火龍「オイコラ新入りィ!どう言うこったぁ!いつの間に姐さんとしっぽりぬめぬめデスティニーしてやがんだァ!」グイッ

村人「ぐえ、苦し」

銀狼「やめなさいよ、どうせいつもの冗談でしょ」

火龍「冗談か!?ホントに冗談なのか!?答えろぉおおお!!」

村人「くる、10割方冗談、かと」

火龍「だよなあ」パッ

村人「ぎゃふっ」


チビ「おにーさん大丈夫ー?かーくん血の気ありすぎてるからすぐ怒っちゃうの」

村人「言われなくてもわかるよ…」

村人(ここはないな、うん。別の部署見に行k)

魔王「それじゃ皆、今日から彼のことよろしく頼むよ!」

村人「なんですと」

火龍「了解!これからよろしくな!けど姐さんに手を出したら炭素の塊にしてやるからな」

銀狼「不安を煽らない」タライハンマー

火龍「ゴフッ、ってえ…」

銀狼「まったく…主にこの馬鹿が迷惑かけるだろうけど、気にしないでいいわ。よろしくね」

チビ「はーい!わたしもー!おにーさんよろしくおねがいします!」

ロン毛「血さえいただければ言うことなしですが…流石にそんなことを求めはしまさんよ。どうぞよろしく」

村人「アッハイヨロシクオナシャス」

村人(もうどうにでもなーれ♪)

今回はここまで。
増えた。
火龍は不憫。彼はきっと報われない。
ちまっこいのも登場。文中にもありますが、身長は小学生低学年程度だと思ってくれれば。

ロリコンではない。


俺はロリコンである

乙。俺はロリコンではない、好きな子がロリなだけだ


つまりペドだな

ロリコン乙



村人「…それで、雑務課に所属が決まってからの初仕事が雑務課の掃除って、ホントに雑務だなあ」

銀狼「無駄口叩かないで黙って掃除する。これでも仕事なんだから」

村人「ハ-イ」

火龍「…でもよ、普通は向こうで能力とかを予め見定められて、配属されるだろ?なのになんで見学なんか」

チビ「まおーさんと一緒に来たのも気になる!」

村人「かくかくしかじかと言うわけで」

火龍「コネ入社かよ!ずりい」

ロン毛「卑怯だと言うよりも、運が良かったのでしょうね。魔王様はあんな性格ですから知った顔を無碍に出来なかったのでしょう」

銀狼「どうでもいいけどね、そんなこと。ウチらは人手が足りないから、1人増えるだけでも助かると思うけど」

火龍「そりゃあそうだけど」

村人「フツーの人間なんですけどね、俺。魔族の皆さんと比べたらお役に立てるかどうか…」

「人間の問題には魔族が割って入るよりも、人間が割って入る方が角が立ちませんから。雑務課はマジで色んな雑用を押し付けられますから人間が1人はいてくれた方が助かりますよ」

村人「…誰?」

受付嬢「あ、ごめんなさい。私です。私アレルギー酷くて、これだけ重装備してないともうクシャミが止まらなくて」

村人「ガスマスク…ってか、スライムなのにアレルギーとかあるの?」

受付嬢「スライムでも、ですよ」


火龍「俺はどんな姿でも姐さんだとすぐにわかりますよ!」

受付嬢「聞いてねーです、んなこたどうでもいいからキリキリ働きやがれこの火蜥蜴」

火龍「蜥蜴(リザードマン)なんかと一緒にしないで欲しいなあ!」

受付嬢「るっさい、文句を垂れる暇があるならその火を吹くしか能のない口を閉じて働くがいいのです」

村人「さっきから思ってたけど…火龍さんには容赦無いですね…」

受付嬢「同期なんですけど、私の方が年上なもんで。主従関係を植え付けてたらいつの間にかこうなっちゃって」

火龍「主従て!俺はペットか何かなの!?」

村人「…あれ、そう言えば受付業の方は」

受付嬢「日が頂点から下がり始めたので交代です。流石に一日中あそこに座ってるわけにもいかないですからね、気分的に。というわけでこの埃の溢れる中、見られてるか見られてないかわからないマニアックな場面で官能的にゅるにゅるデラックスと参りません?」

火龍「俺がいる前で何言ってんの!?ってか手を出したら承知しねえつったよな新入り!」

村人「俺悪くないじゃないですか!?それに俺、妻(予定)いるし!」

受付嬢「うへへ、だからいいんじゃないですか。いけないことだと頭で理解していても本能には抗えず背徳感に身を堕とすわけですよ。ってわけでいらっしゃいませ。私は年中大洪水ですよ?スライムですので」

火龍「俺の存在なかったことにされてる!?ちょっと姐さん!」

銀狼「黙って掃除しろ」バンッ
机「アリガトウゴザイマス!」

3人「アッハイ」


チビ「にゅるにゅるデラックスってなーにー?」

ロン毛「貴女は知る必要のない言葉ですよ」


受付嬢「流石に悪ふざけが過ぎましたね。早く終わらせて2人で人の少ない階段にでも行きましょうか」

村人「出会って1日も経ってない人とおっ始める気なんて更々ないですよ。だけど、早いところ掃除を済ませてしまいましょうか」

火龍「つまりアレか!?1週間や2週間したらストライクねばねばフリーダムってか!?やっぱテメエはここで」

銀狼「チビちゃん、お願い」

チビ「とこしえのやみにおちやがれー!」ホワーン

火龍「なっ、何しやがるチビ、ッコ…しる…ば…てめ、覚え…と…ぐう」

チビ「またつまらぬものを寝かせてしまった…」

銀狼「お疲れ様。ロン毛さん、こいつ適当に転がしといて」

ロン毛「お任せあれ。とりあえず部屋の隅にでも追いやっておきますか」

村人「(扱い酷いな)今のは…魔法?」

チビ「狙ったえものをふかきしんえんのねむりにつきおとす"こだいまほう"だよー!」

村人「なにそれすごい」


銀狼「ただの睡眠魔法よ。原理的には、催眠術と言った方が近いのかもしれないけど」

チビ「ぶー!おおかみさんもネタバレしちゃダメなのー!」

受付嬢「いつ見ても鮮やかな眠らせっぷりですよねえ。不眠症になったらチビちゃんのお世話になろうかな」

チビ「いいのかいおじょうちゃん、わたしにふれるとやけどするぜ?」

銀狼「どこで覚えたのそれ…ところで、貴方は何かしら武器とか魔法は使えるの?」

村人「俺ですか?それがてんで…というか、元々ただの農夫やってましたから。魔法を使おうとも覚えようともしてなくて」

銀狼「…どうしたもんかな」

村人「えっ」

ロン毛「雑務課はですね、ケンカの仲裁やら異種族間の喧騒の解決、飲み会の盛り上げ要員と様々な仕事を押し付けられるんですよ」ハァオモカッタ

受付嬢「要は、なんでもやらされるからなんでもできることにこしたことはないってことですね。今のまんまじゃ村人さん、ケンカの仲裁に丸腰で突入するか、開墾に駆り出されるかくらいしかできませんね。見事に役立たずです」

銀狼「最低でも、言語自動翻訳くらいはできないと支障が出るわね…」

村人「げ、言語自動翻訳…?それ、魔法?」

受付嬢「魔法ですよ。お役所仕事の都合上、様々な種族の方を相手にします。私は受付嬢なので人語からスライム語、龍語エルフ語など魔法無しでもなんでもござれですが、そうじゃなかったら物好きでもない限り異種族の言語なんて覚えてませんよ」

村人「…地味にエリートなんですね」

受付嬢「惚れました?」

村人「そんなことはないです」


銀狼「で、私ら雑務課は仕事柄国中飛び跳ねることが多いから。現地に行って言葉が通じない、じゃ文字通り話にならない」

ロン毛「だから、特別な技量なんてなくてもいいからせめて言語自動翻訳くらいは…と言うわけです。わかりましたか?」

村人「わかりました…けど、俺魔法が使えないも同然なのに、どうしろって」

チビ「まほうを使ったことのない、使えたことのないひとはみーんなそういうけど、まほうが使えないひとなんていないんだよ?」

村人「…そうなの?」

チビ「そーだよ!まほうが使えないひとはただ"まりょく"をちゃんとおいておくことができないだけなの。"まりょく"はフツーにしてれば勝手に自分の中にたまってくけど、"まりょく"のおいておきかたをしらないと穴があいたバケツみたいにじゃばじゃばながれおちちゃうの!」

銀狼「要するに、魔力を維持する手段を知ってればいいだけなのよ。この子はバケツに例えてたけど、魔力を溜めておくプールは人によってそれぞれの容量だけど、それは修行でもすれば増やせるものだしね」

村人「へえ…って、魔力を持ってても、魔法を発動できなきゃ意味がないんじゃ」

受付嬢「魔法ってのはイメージの具現化です。細かい呪文とか魔法陣とか、そんなものは要らねんですよ。イメージを確固たる物にする為に、わざわざ魔法陣を描く変人も世の中にはいますけどねー。強力に、完璧にイメージできちまえば魔法の完成です。新しい魔法だって簡単にできちゃうんですから」

村人「…聞くだけならなんだか簡単そうですね、魔法って」

ロン毛「確固たるイメージを持つことは口で言うほど簡単ではないですがね。それよりも先に、貴方の魔力プールを確認してもらいましょうか」


村人「魔力プールを確かめるって…可視化できるんですか?」

受付嬢「ちょっと違いますね、視える人に視てもらうんです」

銀狼「そう言うこと。連投だけど、大丈夫ね?」

チビ「このわたしのじしょに"ふかのう"の文字はない!」ババーン

村人「またチビちゃんなのか…というか、こっちも地味にハイスペックだな!」

銀狼「妖精って言うのは凄いのよ?文字通り魔力の塊だし、どの妖精も子供のように純真爛漫。信じることを疑わないからこそ、少しでも現実を知った私たちのような大人には使えない魔法が使える。侮ったら本当にとこしえのやみに落とされるかもね」

村人「笑えないですね、それ」

チビ「フォオオ…視える…わたしにも"まりょく"が視えるぞ!視えたッ!」

村人「第三者からすると子供が妄想劇場に入ってるのを見てるかのようですね」.

ロン毛「わかってても言わないのが大人の役目ですよ」

チビ「ぬおおおおっ!?これはあっ!?」

受付嬢「どうしたの!?まさか村人さんは魔力を溜めれるプールすらないの!?だったらなにかしら村人さんに与えたらいいんでしょうか、唾液でも交換します?」

村人「こんな時でも普通にボケてこないでください」

チビ「これはわたしがなくしたと思っていたクッキーの箱だあ!!!やったあ!」

銀狼「マジメにやりなさい」デッコピーン

チビ「ごめんなさーい」


チビ「ミエルモハッケ…ミエヌモハッケ…バツユマ ルタスリク…」

村人(さっきとセリフが違うんだけど、いいのかそれで)

チビ「きょええええっ!!…うわ」ポカーン

銀狼「…?どうしたの?」

チビ「おっきいの、すごく。おねえちゃん(の"まりょく")が30人分入っちゃうくらい」

村人(凄いのかそれ?)

銀狼「何だと!?持って生まれた才能だとでも…?」

村人(凄いらしい)

受付嬢「私が30人…!?私がそれだけいてもボルテージMAXを維持してられるということでしょうか…1人でそれを受け止めるなんて…贅沢極まりねーですね!早速実践しましょう!」

ロン毛「受付嬢さん、ふざけないでくださいね」

受付嬢「わかりましたよーだ」

チビ「…でも、なんかへん。むりやり広げられたような、そんな感じ」

銀狼「無理矢理…?村人、自身に何か心当たりは?」

村人「えっ?と言われてもなあ…」

村人(あっ)チラッ

紋章「ホータイナンカデギューギューシメツケヤガッテ、イキグルシインダヨ」

村人(絶対これのせいだよ!!!!!)

乙、テンポが良くておもしれーです


村人「心当たりは、ないですねえ、あはは…」

銀狼「…本当にそうかしら?さっきも言ってたように、魔力容量を拡張するのは不可能じゃない。けれど急激に、それも知らない内に何もせずに拡張するなんてことはあり得ないの。だから、何かしらの理由が…」

受付嬢「はいストップストーップ!理由なんていいじゃないですか、なんでも。容量がでっけーからって、村人さんが悪者だってわけじゃないですし。きっと自分も覚えちゃいねえ子供の頃に魔石でも食べちゃったんですよ」

銀狼「…魔石を食べたら、魔力中毒で命を落としてると思うんだけど…」

受付嬢「きっと奇跡的になんともなかったり、または生き延びたりしたんですよ!この話は終わりです!村人さんの魔力容量が貧相だったら拡張する手間もかかりましたから、手間が省けてラッキーくらいでいいんですよ!」

ロン毛「受付嬢さんに同意ですね。得体の知れない面はありますが、特別警戒しなくてはならない風には感じませんから」

銀狼「いや、警戒だとかそういう話ではないのだけど…本当に、何もないと?」

村人「…」

村人(とてもじゃないけど言えねーぞ、勇者の紋章のせいだなんて)

銀狼「…誰しも言いたくないことはある、か。わかった。私もこのことに関しては気にしないことにする。そして、以降課長権限を以ってして彼の不自然な魔力容量については干渉無用とする。いいね?」

2人「意義なし(です!)」

村人「…ありがとうございます」

チビ「…はーい」

チビ(おにーさんに"まりょく"がないのはわかるけど、ふしぎなかんじはする。なんだろう)

ハッ!イッフィニットジャバジャバジャスティス!?アノヤロー!
ッテドコダココ!?ガラクタノヤマ!?ダレカタスケテー!!

銀狼「馬鹿も目が覚めた様だ。そう言えば掃除の最中だったか…早く終わらせてしまおう」

ーーーーーーーーーー

魔王「と言うわけで、村人君の就職決定及び所属部署決定、さらに村人君婚約祝いの三つを兼ねて!カンパーイ!」

一同「カンパーイ!」

村人「何がどうなってんのこれ」

>>111
ありがとーです。拙い文ですが、これからも読んで頂ければ幸いです。


【街 - 居酒屋】

火龍「安心しろ、俺も何がどうしてこうなったかわかっちゃいねえから」

村人「の割にはノリノリで乾杯してましたけど」

火龍「長い物には巻かれろ、速い物には流されろってな。急展開に逆らう方が痛い目みるんだよ」

村人(受付嬢さんの急な行動に対応できてない人が言ってもイマイチ説得力が)

ロン毛「掃除が終わったばかりのところに魔王様がやってきて、殆ど説明も無しに転移魔法でヒュンして、ここですからね。逆らえと言う方が無茶ですよ」

父「ははは、実は僕と魔王さんと共謀してね。と言っても、僕はここに予約をしただけなんだけど」

火龍「…なんでおとーさんがいるんだ?アンタ、住民課だろ?」

村人(本当に誰からもおとーさんて呼ばれてんのな、俺の親父)

父「ああ、君達にはまだ言ってないんだったな。コイツ、僕の息子でね」

火龍「マジかよ…ああ、でもなんかわかるわ」

銀狼「顔が似てるわけではないけど…敵意を感じさせないような、雰囲気がそっくりだ」マジマジ

村人「要するに、ぱっと見ちょろいってこと?」

チビ「ネギしょったカモ!」

受付嬢「うへえ、おとーさんはお義父さんということですね。これからもよろしくお願いしますね」

父「ん?うん。言葉だけじゃよくわからないけど承諾したらマズイ気がする」

村人「間違っちゃねーぜ親父。受付嬢さんも変なこと吹き込まないでください、シャレにならないんで」

受付嬢「ちょっと既成事実作ろうとしただけじゃねーですか」

村人「めんどくさくなるからやめて!」


火龍「…あー、姐さん酔っ払ってるな」

村人「へ?いやまだ1杯呑んだだけなんじゃ…」

受付嬢「酔っ払ってなんかねーですう!私はいつでも貴方の側に這い寄る粘着体ですよお!」ベローンベローン

村人「酔ってるわこれ」

ロン毛「彼女は普段人型なので忘れがちですが、スライムですからね。液体はすぐに身体に回り込むのでしょう」

村人「…ん?スライムだったら、何を食べるんだ?肉とか食べるわけ…」

火龍「肉、口にいれてみ」

村人「え?はい」

受付嬢「あーむっ♪」モグモグ

村人「食べてる…!?」

火龍「違う違う。そろそろ出すから」

村人「出すって、何を…」

受付嬢「ごちそーさまー!」ペッ

村人「へっ!?…肉が干からびてる…!?」

ロン毛「スライム族はその様にして獲物を捕食するわけです。もし行為に及んだら文字通り骨抜き…いや、血抜きされてしまうかもしれませんね」

村人「そんな予定はないけど、より一層意思が固まりました」


村人「ところでさっきから視界の端でチラチラしてたんだけど、お袋さんよ」

母「何かしらお息子さんよ」

村人「なんなの、この樽」

母「決まってるじゃない、お赤飯よ」ドヤァ

村人「食べ切れるわけないじょん!?」

母「めでたいことが一度に重なったんだから沢山炊かないとダメじゃないの!」

村人「胃袋には限度ってもんがですねえ!」

銀狼「なるほど、おかーさんは母親なのか」サケウマー

火龍「親子2世代で同じ職場で働いてる訳か。全員同じ部署じゃないだけ気まずくなくていいかもな」mgmg

チビ「せだいとーしゅう!」ゴクゴク

ロン毛「あ、こら、私のトマトジュース飲まないでくださいよ」


魔王「はいはいはいはい!細かい話は抜きにして!呑んで呑んで!」

村人「ちょ、魔王さん注ぎ過ぎ!ジョッキから溢れてるから!」

母「ありゃー、魔王さんも酔っ払ってるわねえ」

銀狼「酒に弱いのに、宴会好きだからな」

受付嬢「うっひょい!村人さん一気飲み行っちまいなー!」

父「そーだそーだ!男ならどーんとやってしまえー!」

火龍「おとーさんもかよ。ダメな大人の典型揃いだな…」

ロン毛「酒は飲んでも呑まれるな。でしたっけね。お酒は節度を守って楽しい飲酒ライフを」

チビ「ロン毛さんおさけ飲まないでしょ?」

ロン毛「それはそうですけどね」

受付嬢「ほーれイッキ!イッキ!」
父「イッキ!イッキ!」
魔王「イッキ!イッキ!」

村人「あーもう!もうにでもなっちまえ!」ゴッキュゴッキュ

火龍「…アイツもダメな典型の仲間入りだな」


※その場の勢いに任せて一気飲みするのはやめましょう。というか一気飲み自体やめましょう



母「まったく、飲み始めて殆どしない内に脱落者が3名なんてね」

受付嬢「うひゃひゃ、まだのめまふ…」ダラーン
父「うぇーい、もうのめまへーん…」グデーン
魔王「いやいや…私はまだ、落ちませんよ…」

火龍「半分リタイアしてる奴もいるけどなー、へへっ」

チビ「どーしておにーさんは右うでにほうたいまいてるのー?」

村人「ふっふっふー、それはな、この右腕に大昔に暴虐の限りを尽くした悪魔の力を封印してるからなんだー!!」カオマッカッカー

銀狼「馬鹿2号…いや、2号予定、かな」

ロン毛「仕事をしてた時とまったく違う…あれが彼の素なのでしょうね」

銀狼「ただ単に緊張してただけだと思うけどね」

火龍「な、そういやこいつの嫁さんってどんなんだ?」

銀狼「知るわけないじゃない…でも気になるわね、魔王さんが婚約云々言ってた割にはこの場にいないし」

母「あら?そう言えばそうね。あなたー、あの娘はどうしたの?呼んでないの?」

父「う…ん…あの娘…?……しまった!すっかり忘れてた!」

母「腹と顔面、殴られたい方を選びなさい」

父「言ってる場合じゃないよ!どうしよ!ここから息子の家までは馬車を出しても相当…」

魔王「よっしゃー!出番だー!転移でちゃっちゃと連れてきちゃうぞー!」

父「魔王さんかっこいー!」

母「とりあえずあなたは今月のお小使い抜きね」

父「」

魔王「それじゃいってきまーす!」ヒュンッ

ロン毛「…転移酔い、大丈夫ですかね。酔っ払ってるのに」

火龍「大丈夫だろ、何も考えちゃいねーさ」



【村人のおうち】

村女「…」

料理「サメチマッタヨ…マッシロニナ…」

村女「ふふ、貴方の為にいっぱい作っておいたのにね。冷めちゃったら美味しくないじゃない」

料理「セヤナ」

村女「でもね、彼は別にいいって言っても全部食べ切るのよ。きっとそう」

料理「マジカ」

村女「…なんで、帰って」

オボロォオオオ!!!ブルゥアアアア!!!!

村女「…なるほど、アレが諸悪の権化の最期の言葉ね。いいわ、死ぬほど後悔させてあげる」


村女「酔いは冷めたかしら?」

魔王「ふぁい…ばっちりでふ…」ボロボロ

村女「思い付きで行動するなとは言わない。けれど後先は考えて頂戴。無駄にした分の料理代、あと庭の掃除費用、ちゃんと払ってもらうから」

魔王「ふぁい…わかりまひた…」

村女「よろしい。それじゃ、さっさと転送してもらおうかしら。同情の余地はないから早くしろ」

魔王「ふぁい…それじゃ、行きますよ」

村女「…ッ!…変な感じね、空間を跳ぶのって。頭がグラグラする…」

魔王「…」

魔王(また吐きそう)


【街 - 居酒屋】

村女「ここかしら?ねえ…ちょっと、黙ってないで何か言ったら?」

魔王(すいません、今口開けたら素敵な吐瀉物がスプレッドする予感しかしなくて)コクコク

村女「…まあいいわ、入ればわかることよ」ガラッ

店員「ラッシャーセー」

村女「かくかくしかじか」

店員「ああ、そちらの団体様でしたらあちらの席に」

村女「ありがと」スタスタ

店員「なんだあ…?あ、魔王さん。何してるんですかそんなとこで」

魔王「…っはー!よかった、吐かずに済んだー!」

店員「よくわからんけどお疲れ様です」


火龍「…魔王さんおせーな!転移って行ってまたすぐヒュンすりゃ良いだけだろ?何を時間食ってるんだか」

ロン毛「彼の奥さんは気の難しい方なのかも知れませんね、宥めるのに時間がかかっているとか…」

チビ「ねーねー、これ外してもいいー?」

村人「しょうがないなあ!気合で封印されてる力を押さえつけちゃうからいいよー!」

銀狼「旦那の方はこれから嫁が来ることも気付いてないみたいだけど」

母「明日、職場で見かけたら小一時間説教してやるわ」

村女「おばさま!」

母「え?あらあ!やっと来たのね!」

村女「お久し振りです…!」ギュウッ

母「本当に…何年振りかしら?あの子の家に寄るたびに会えないかなーとは思うけれどタイミングが絶妙に悪くて…あなた!起きなさい!来たわよ!」


父「えっ!?何が!?地震!?」ガバッ

受付嬢「ふええ!?地震!?」ガバッ

村女「おじさまも…相変わらずですね」

父「ああ!あの、ゴメンね!僕が連絡するのすっかり忘れちゃってて…」

受付嬢(誰ですかね、この人)

村女「いいんです、そんなこと。お二人に会えただけでも…」

受付嬢(話の流れ的に、この人が噂の嫁さんでしょうね)

村女「…!」

村女(誰かしらこの人…あの人の同僚?美人で、髪も瑞々しい…けど、)

受付嬢(容姿端麗、栗色の髪も悪くないですね。決して私が劣っているということはないと思いますが…どうしてでしょうね、)

村女(この人には)バチバチ

受付嬢(負けたくない!)バチバチ

火龍「姐さん何してんだよ、目覚めて早々メンチ切ってよ」


受付嬢「…私、魔王城で受付をやらせていただいてる者です。受付だけでなく、ご主人とは同僚になりますけど。どうぞよろしく」

村女「こちらこそ、主人がこれから世話になります…けど」

受付嬢「…けど?」

村女「私は彼に身も心も心臓すら捧げている。貴女にはこの意味も、重さも理解はできないでしょう。だから、余計な手を出さずに、黙っていて」

受付嬢「…勘違いしないで欲しいわね、私は彼に、貴女が考えているような情を抱いてはないわ。けど…そうね、不思議とだけど、貴女には負けたくない。そういう意味では、彼を振り向かせるのも悪くはないかもね」

村女「奪うつもり?」

受付嬢「奪うんじゃないわ、選ばせるのよ、彼に」

村女「それは略奪と認める」

受付嬢「そうね、けどより彼に興味が出て来たわを貴女のお陰でね。一体彼の何が貴女をそこまで本気にさせたのか」ゴゴゴゴゴ

村女「…好きにすればいい。それでも彼は。あの人は、私を選ぶ。そう信じてる」ズズズズズ

火龍「女ってこええなあ…」

銀狼「言ってる場合じゃないでしょ、 修羅場じゃないの…止めないと」

ロン毛「適任に任せましょう、他者が口を出しても効果はありませんよ」


村女(そう言えばあの人は?)ハッ

村人「ぐおー!そろそろ巻き直さねばー!」

チビ「たいへん!早く巻かないと!」

村女(あそこに…子供と遊んでる?職場と何か関係が…って)

チビ「あれ?なにこのもよう?」

村人「ん?ああ、これかー?」

村女「ちょっと待って」

受付嬢「えっ何?」

チビ「あー!これしってるー!おとぎばなしで見たよー!ゆーしゃのもんしょー!」

村人「そーだよー!実は俺勇者なんだー!」エッヘン


火龍「」
銀狼「」
ロン毛「」
受付嬢「」
父「」
母「」

店内「」

魔王「」

村女(どうしてこうなるのかしら)

今日はここまで。日付変わっちゃったけど!
受付嬢は村人に対して好意はないと言ったな。あれは事実だ。でもどうしてこうなった
酒は飲んでも呑まれるなとはロン毛の弁。隠し事を暴露してしまう可能性があるのです。
気になってるのは、村女が進撃の巨人のミカサもどきになりつつあること。敬礼!とか言ったらきっとあのポーズ取りやがりますよ。

そしてロリコンでなければペドフィリアでもない。


俺はロリコンだ!

乙!
面白いし、キャラもかわいいなー



俺の中では村女のイメージは化物語の戦場ヶ原だった

乙でした

乙乙面白い

マルキュウゴーマル。というわけでおはようございます。
8月ももう終わり。いつ始まったんでしょうね、8月。
それにしても、面白いと言ってくれる方がいたりしてびっくりしてます。マジか。
ちなみに、先の話ですが一旦終わらせる予定ではあります。完結ではなく。
では、今日もちまちま更新させてもらいます。

追いついた乙!って言おうとしたらリアルタイム遭遇でござるwwktk



【村人のおうち】

火龍「へー、狭い家だな。宿舎の方が快適じゃねえの?」

銀狼「私はこっちの方がいいと思うけどね。殺風景と言えば悪いけど…周りは広々としてるし」

父「何年か前まではこの家で3人で暮らしていたんですよ。はは、懐かしい」

母「懐かしいわねえ、ほんと。昨日のことのように思い出せるわ」

ロン毛「…ところで、魔王様は?」

チビ「みちばたでおえーってしてたよ!てんいよいだって!」

<ゲホォオロロロロ

受付嬢「…なんで私だけ窓から中を覗く形なんですかー」ムスーン

村女「この家、そんなに客人を収容できないから諦めて。本当なら貴女だけでも敷居を跨がせたくもないのだけれど、今はそういうわけにもいかないから仕方なく我慢してあげてるのよ」

村人「…」ビンタサレタアトガイタイ

火龍「…酔いは覚めたようだな」

村人「コレよりも、氷河が具現化したかのような表情が網膜に焼き付いてて…」


村女「全てにおいて貴方が悪いんだから。それにしても、たった1日でここまで面倒なことになるとはね。前途多難は覚悟の上だったけど、ここまでだともうそれ、紋章って言うより呪いか何かなんじゃないのかしら」

村人「俺は縄で掴まれてぐるんぐるん振り回されてる側なんだけどな」

受付嬢「緊縛プレイがお好みですか?覚えますよ?」

村女「貴女は黙ってて」

受付嬢「貴女に私の口を塞げる権利はありませんね」

村女「聞こえなかったの?命は見逃してやるから情けない姿を晒してさっさと失せろと言ってるの」

村人「お前ら仲良くしろよ…なんで俺の知らない間に喧嘩なんか」

村女「貴方は黙ってて」
受付嬢「村人さんは引っ込んでてください」

村人「アッハイ」

ロン毛「すぐに引っ込まないでください。それにお二人とも、今は痴話喧嘩よりも重要な話を済ませるべきですよ」


村女「…それも、そうですね。彼の、腕にある、落書き」

村人「落書きじゃないよ!?」

火龍「いや、落書きだろどう見なくても」

チビ「わたしでもかけるよー!」

父「いや、ちゃんと紋章には見えるけどね…しかし、コイツが勇者とはねえ…」

母「昼間の悪ふざけが現実になっちゃったわね。うちの家系は別に勇者だとか英雄だとかとは無縁なのに」

銀狼「…ああ、魔力容量が拡張されてるのって、それが原因なんだろうな…その落書きみたいな紋章」

ロン毛「ああ、勇者は昔から武術や魔術、どちらにおいてもトップクラスであるという話ですからね。伝記にあるような勇者達もきっと、紋章の力でパワーアップしていたのでしょう」

村人「散々な言われようだな、これ…」

紋章「ヒデーレンチューダゼ」


村人「ってかさ、俺が酒に酔って暴露しちゃったってのはコイツから聞いたけど…皆、別に獲って食おうってことはしないんですね」

火龍「信じちゃいないって方があってるかもな。お前ヘタレてるし」

銀狼「悪いけど、この馬鹿に同意する。威厳も無いし、魔法も使えないし、敵愾心を感じないし、それにこの国で生まれた人間となると、ちょっと」

チビ「おにーさん悪いひとじゃないから!たぶんね!」

ロン毛「私としては、勇者の血を吸ったらどうなるのか…おやおや奥さん、そんな目で見られたら私は死んでしまいますよ。そのような真似はしませんよ」

受付嬢「悪い意味で皆さん警戒しなさすぎですね!ちなみに私も警戒心皆無なので突然背後から発情されても逃げる前に捕まっちゃいます!あーれー」

村女「人前でよくもそんなことを…」

村人「お前も似たようなもんだよ。で、親父達は?」

父「びっくりしたけどべつにどうでもいいかなっておもいました」

母「右に同じ。それよりも問題は…」

受付嬢「…魔王様、なに庭の隅っこで体育座りしてるんですか。さっさと話に参加してくださいよ、でないと鼻の穴から入って口から出たり入ったりを繰り返してやりますよ」


魔王「…ええ」

火龍(大の大人が、酷いイタズラして数人の大人に叱られてる子供みたいになってやがる)

ロン毛(こちらもこちらで威厳の欠片もありやしませんね。元からですが)

魔王「ええと…村人…じゃなくて、勇者…さん…?」

村人「村人でいいですよ。勇者って感覚もないし、そのつもりもないですし」

魔王「…その、紋章…?が出たのって…いつ…」

村人「つい最近ですね。なあ」

村女「ええ。このおっさんに結婚報告をした後に、貴方にプロポーズされたあの日」

魔王「へ、へえ…そう…」

受付嬢「うわ、汗びっしょりじゃないですか。近付かないでください」

チビ「よーかいあせダルマ!」

銀狼「こら、静かにしなさい」

魔王「…」

母「…魔王さん、黙ってちゃ何もわからないでしょ?ちゃんといいなさい」

火龍(お母さん…)
ロン毛(お母さんですね…)
銀狼(完全に母親ね…)

村女(思ってたのと全然違うことになったわね)ヒソヒソ

村人(ん?ああ、ここまで縮こまるとは…)ヒソヒソ

魔王「ゆっ、む、村人君!」バンッ

村人「えっ!?ひゃい!?」

魔王「あのっ、そのっ、た、どうか倒さないでくださいお願いします!!!」ドゲザァッ

村人「へ」


村人「倒すも何も、俺は戦えるだけの技量がないんですけど…」

受付嬢「魔王様も戦ったことはねーらしいですよ?実践経験皆無のペーペーです」

村人「えっ、そうなの?」

火龍「…ああ、そういや俺、魔王さんが魔法使ってるのって、転移してるか身体強化して走ってるとこしか見たことねーわ」

銀狼「そう言えばそうね…チビちゃん、魔王さんの魔力容量って」

チビ「ちょっとまえに視たことあるよ!かーくんとおんなじくらい!」

火龍「なんか複雑だな」

ロン毛「武勲を挙げることだけが王ではないということですよ。代わりに魔王様は少し実力を身につけた相手には勝てない貧弱さですが」

父「言っちゃ悪いですけど、見た目はただのおっさんですからね…」

母「2mを越す大男というわけでもないし。息子と変わらないんじゃない?」

村女「そんなことよりも、魔王が人の庭で土下座してるという事実がとても滑稽だわ。笑っていい?」

村人「やめたげて」


村人「とりあえず魔王さん、顔あげてくださいよ。欠片も残らぬ塵芥と成り果てよ!ってやるわけでもないですし。それに、魔王さん良い人じゃないですか。そんな人を倒せるわけないでしょうに」

魔王「…本当に?」

村女「しつこい、この人が本当と言ったのなら本当なんだから黙ってその少ない味噌の詰まった頭をあげなさい」

魔王「アッハイ」

受付嬢「うわ、急に頭をあげないでくださいよ!髪の汗がついたらどうしてくれやがんですか!」バシッ

魔王「ぎゃふん」ビターン

銀狼「…一件落着、かしらね。だけどこれからどうする?隠しておくことは出来ないわよ」

ロン毛「居酒屋にいた客人全員の口を封じる…というのは不可能でしょうね。情報の拡散も止められないでしょう。国内のことは後でいいですが、この事実が国外に漏れると面倒でしょうね」

火龍「マスコミ共に情報統制かけねえとなあ。こんな特ダネ見逃す奴らじゃねーよ。明日から忙しくなるぞ、ったく」

母「そう言った情報とか、政治に関することは政治部の方で勝手にやるんじゃないの?」

ロン毛「国内全土に情報統制を伝達するには、政治部だけでは人数が足りないでしょうね。自分で足を動かすことを嫌う偏屈達ばかりですし。ので、我々も駆り出されるでしょう」

父「偏屈達って…言っちゃいますね」

ロン毛「事実ですから」

魔王のイメージが紳士なおじさんからマダオに変化してきた


チビ「ねーねー、明日からおしごとなのー?」

銀狼「まだそうと決まってないけど、チビちゃんには別のお仕事を頼むからよろしくね」

チビ「はーい」

火龍「っしゃ!そうと決まったら居酒屋での続きを」

村女「お酒なんてウチにはありませんよ」

火龍「…」

村女「というか、夜分遅くまで人の家に上がり込んどいて何様のつもり?常識と言うものを少しは学んだらどうかしら」

火龍(何故だろう、既視感が)

母「はいはい!この娘の言う通りよ!お邪魔虫達はさっさと撤収して、2人きりにさせてあげましょ!」

受付嬢「えー。私は残って大乱闘ねっちょり野外ブラザーズと洒落込みたいんですが」

村人「いや、俺も休みたいし…皆さんも疲れてるでしょう?掃除やらなにやらで…」

ロン毛「そういうことです、ほら、行きますよ」

受付嬢「ぶぅ」


父「魔王さん、帰りますよー?…気絶してる?うわあ…どうやって運ぼうか」

チビ「まかせてー!ふはは!見ろ!まおーさんがチリのようだ!」フワァ

父「うわあ、浮いた」

銀狼「そのまま城まで運んでくれる?」

チビ「わかったよー!おにーさんまたあしたー!」

火龍「遅刻すんなよなー!」

母「寝ないで朝まで続けて、腰が抜けないようにねー!」

村人「バッ、何言ってくれてんだよ!俺もう寝るから!…ん?」キュッ

村女「…」

村人「…」

村女「反省会」

村人「アッハイ」

諸事情により一旦中断。たいした用事じゃないんですけどね!

乙です
投稿の区切りを教えてもらえるのはコメントしやすくてありがたい


村人「…反省会って何すんの?

村女「こっち」

村人「こっちもなにも引っ張ってるじゃ」

村女「ふん!」

村人「んかぁ!?」ベッドニドーン

村女「よっこらせっと」ギシッ

村人「…え、覆い被さってなにしてんの。まるで俺が押し倒されたみたいな状況じゃないですかHAHAHAってこれは確実に100%貞操の危険がデンジャラスだよ!何が目的なの!?乱暴する気でしょう!?」

村女「寂しかったわ」

村人「へ」

村女「ずっとずっと待っても貴方が帰って来ないから」

村人「…それは…すまん」


村女「料理も作って待ってたわ。普段料理なんかしないから味は保証しないけど」

村人「…明日食べよう。一緒に」

村女「いいのよ別に、諸悪の権化に弁償代要求したから」

村人「それで、気が済むのか」

村女「…済まない」

村人「なら食べる」

村女「冷めてるけど」

村人「温めれば問題ない」

村女「…やっぱり。そう言うと思ってたわ」

村人「以心伝心だ、ってこないだ言ってたな」


村女「欲を言えば、帰って来た貴方にお帰りなさいって出迎えたかったわね」

村人「今でもいいぞ」

村女「だけどごめんなさい、今の私にそれを言う資格は無いの」

村人「そりゃまた、どうして」

村女「私は貴方を信じてる。心の底から」

村人「知ってる」

村女「そう、例え全世界を敵に回しても貴方を信じてる、筈なのに、」

村女「もしかしたら、帰って来ないんじゃないか、って」


「一緒に暮らし始めてまだ数日だけど、以前よりも、一緒にいる時間が増えて、それと同時に待つ時間も増えた」

「独りで待つというのは、私にとっては中々に堪えるものがあったわ、精神的にね」

「信じているのに"もしも"と考える」

「信じているから"もしも"と考える」

「そうしているうちに、私の頭の中は貴方のことばかりになっているのに気付いて、ふと思ったの。貴方がいなくなったら私は壊れてしまうんじゃないか、って」

「また私の側から大事な人がいなくなる」

「そう考えただけで私のまな板は割れそうになったわ。あ、笑ってもいいのよ?」

「…だけど、一つ再確認出来たこともあるの」


村女「私は貴方のことが好きです」

村女「世界で一番、私が貴方を愛してる」

村女「だから、お願い、私を捨てないで」

村女「この理不尽な箱の中で、私を独りにしないで…!」

村人「…」ハァ

村人「話が長い!!!!!」

村女「うぇっ!?」ビクッ


村女「え、えと、あの、その、ごめんなさい、あの、嫌いにならないで」オロオロ

村人「ならないよ!俺がお前を見捨てる?裏切る?そんな瑣末な心配をするんじゃありまっせん!」ドン!

村女「あわわ、落ち着いて、ね?」

村人「落ち着けるかあ!でも、散々心配かけてぐるぐる頭悩ませたのは謝る!ごめんなさい!」ダキシメッ

村女「わっ」

村人「だけど、これだけでも覚えとけ。全世界が滅んでもお前の手だけは離さない」

村女「…大げさね」

村人「先に大げさなこと言ったのはどっちだか。そうだ、言っておくか」

村女「何を?」

村人「決まってる。ただいま」

村女「…お帰りなさい、私だけの勇者様」

今回はここまで。
暴露しながらも、適当にあしらわれる勇者の紋章。威厳ないですねあなた。
思い付いた端から適当に殴り書いてると小っ恥ずかしいことになる。なんだこれ。
ってーかもう何なんだよこの2人。書いてるこっちが恥ずかしい。末長く爆発しろ。

末長く乙

乙です

末長く爆ぜろ乙乙

作中に関する蛇足、もとい妄想の垂れ流し。読まなくてもいいのです。
ただ、作中で言及するのが面倒くさいだけとも言う。

●この世界での魔法について
魔法とは、体内に蓄積した魔力を頭の中にあるイメージした通りの物、現象に変換する技術である。
魔法を使う条件は「体内に魔力が存在すること」のみ。
複雑な呪文や魔法陣は必要ないが、逢えて使うことでイメージを厳格にする手法も存在する。
勿論、魔法名を叫んだり、一々何かを言う必要もないがイメージを強固にするのに一役買うので、一概に無駄とは言えない。とこしえのやみにおちやがれー!
要するに、ちゃんとイメージできれば何でも出来る凄い技術。召喚!とか言ってぼくのかんがえたさいきょうのせいぶつを出すことも不可能ではない。
しかし、少しでも不純なイメージが混入すれば、貧相だったりあっけなく崩れたりもする。大人には到底真似できないが、子供では現実味がなかったりするので、召喚(ではないが一応)は不可能とされる。
魔力の消費量については、単に変換量の違いだけである。雷一本と数十本では当然、後者の方がより消費する。
同じ魔法であっても、使用者の心持ちによっても違ったりする。転移魔法を例とすると「空間転移とか大変だから魔力も沢山食うんだろうな」と心の何処かで思っていれば多く消費するし、「俺が行きたいだけなんだから魔力なんざそんないらねーよ」と心の底から思っていれば全然魔力を使わずに転移できる。
ちなみに魔王様は前者型。


●魔力について
魔力とは、世界において、自然に発生する正体不明のエネルギーである。発生原理も不明だが、まあ使えるんだったら別にいいじゃん?と誰も気にしていない。
そして、魔法を扱うのに必須の存在。
大気中に漂っている魔力は、人間や魔族、植物といった全ての生物の中に勝手に流入する。
しかし、魔力は対策を講じなければ勝手に漏れ出て行く。穴が空いたバケツに水を入れても零れるように。
なので、対策を講じていない者は常に魔力が枯渇しているも同然なので、魔法を使うことができない。
魔力の流出を防ぎ、維持することで初めてまともに魔法を発動できるようになる。維持する方法は様々。道具に頼ったり、魔法をかけてもらったり。
と言っても、魔力を保持出来る容量は人によってまちまち。容量皆無の人もいる。
これは先天的な面が強いが(魔族とのハーフなど)、後天的に容量を拡張することも可能なので、とりあえずは頑張ってみる者は多い(そして大抵諦める)。

正体不明で且つ不安定なエネルギーなので、自然界に存在する魔力は勝手に変質することが多々ある。人に害を成す魔瘴気となったり、摂取するとなんか良い気分になれる魔イナスイオンになったり。
ちなみに、魔力を便に充填したものを「魔法瓶」と呼ぶ。便の蓋を開ければ大体は、開けた者の中に流入していく。

乙でした

え?
タイガーの魔法瓶だって?

タイガーまで読んだ

。 までよんだ

よんだ
まで詠んだ

なんだ呪文か

タイガー魔法瓶まで読んだ。
というわけで、思いつく限りの投下をするのです。

ーーーーーーーーーー

【翌日・魔王城】


村人「うわーい、おなかが苦しいなー…ん?何かあそこで、揉めてる…?」


受付嬢「しつけーんですよ、このドーラクカラス!こっちからは答えられることは何もねーつってんじゃねーですか!」

「そらそうですわな、都合の悪いことは隠しとかなあきまへんからな!でもそこをど~にかとお願いしてるんやないですか!」

受付嬢「真実の奴隷だーなんて言ってましたけどね!アンタらみたいなゴシップ誌に少しでも教えてみろってんですよ、教えたことの9割は捻じ曲げられるわ、おまけに根も葉も実もない嘘が付属するわで!何の利益もないっちゅーんじゃわかったかこの猛禽類のなり損ないめがです!」シャーッ

「あもあったまきたわ!さっきから下手に出て頭下げてまで必死に頼んどるのにその口の利き方は無いわ!余計な不純物の何が悪いっちゅんじゃい!ウチらみたいなゴシップを読むような連中が糞真面目なかったい話を求めるわけないやろが!少しでも目を引く為に多少話を盛ることの何が悪いっちゅーんじゃい!」ギャーッ

受付嬢「その多少じゃ済まない鯖読みでこっちがどんだけ苦労して残業してクレームに対応するハメになるんかちった考えやがれってんです!よくよく考えてみれば真実どころか中身もないですよねお宅の雑誌の記事!こないだなんかアリの行列に関しての考察、ってんなもん学会の連中に任せりゃいーじゃねーですか!資源の無駄使いしてんじゃねーかい!ゴミみたいな文章印刷された紙さんに謝んなさい!」

「言うたな!?今ゴミ言うたな!あーもーわかりましたわ!ほんなら有る事無い事書いてこの魔王城転覆させたるさかいな!覚悟せえよ!」

受付嬢「んなもんこっちのセリフよ!こっちゃ国家だかんな!国家権力駆使しててめーらの会社ぶっ潰してもいーんですよ!物理的なのが好みならそうすんぞ!」


村人「なんなのこれ、修羅場なの」

そして早すぎる投下中断なのです!
はは、戦場が俺を呼んでいるんだ…

乙です
「俺……帰ってきたら続きを書くんだ……」と書き忘れてますよ?

フラグを建て損ねたわりには燃え尽きました。HAHAHA。
今はきっと死んだ焼き魚の目をしているかと。
というわけで、本日の投下はここまでで。続きを考えることの出来る思考状態じゃないので…明日本気出す

おつ

乙でした

追いついた乙

1つだけ、私との約束をしてください、、、
たまに、たまにでいいので長く掛かりそうなら、、、

生存報告だけはしてください。。。

8月も終わりですね、おはようございました。
一応、一日に一回は投下するつもりではありますので…もし話の続きが浮かばなくてもストーリーと関係のない蛇足的な小話を落とす予定です。予定。主に最近出番のない村女を出したい。

今日は生意気にも書き溜めちゃったりなんかしたので、書き溜めがある内はボリボリ早く投下させてもらいますの!
たいした量ではないですがね?


「な、国家権力て!流石にそれは権力の濫用ちゃいますか!?横暴や!」

受付嬢「べーだ!悔しかったらおとなしく尻尾巻いて帰りやがれってんだい!あー、巻く尻尾ないですね!羽にでもパーマかけていきやがりますか?法外な値段でぼったくりますけど」

「知るかい!もうええわ、覚えとけよ!いつかぎゃふん言わせたるからな!」バタバタ

受付嬢「またのご来店をお待ちしてねーですので二度と来ないでくださいねー。ってーか覚えとけって言われて律儀に覚えとくわけないじゃない、記憶容量の無駄よ、無駄」

村人「…なんだったの、あの鳥っぽい人」

受付嬢「あら、村人さんおはようございまーす。今のやり取り見ちゃってました?いやねえ、私普段はもっとお淑やかなんですが」

村人「お淑やかじゃないのはとっくに知ってますのでご安心を」


受付嬢「ですよねー。さっきの鳥頭ってか、鳥ですけど。あの未来の唐翌揚げ野郎…不味そうですね」

受付嬢「ともあれ、手羽先さんはゴシップ誌の記者なんですよ。臭う所へはどこまでも!スクープの為なら他人のプライバシーも厭わない!クズですね」

村人「記者、ねえ。要するにスクープになりそうなことがここにあったってことなんですか?」

受付嬢「馬鹿ですか貴方は。鈍感という文字が頭に突き刺さってたりしません?」

受付嬢「貴方ですよ、噂の種となってるのは」

村人「…俺が?そりゃまたなんで」

受付嬢「自覚無いんですか貴方。昨日自分が何をやったか知らねーわけじゃないでしょうに」

村人「居酒屋で大声で勇者発言してましたっけね!すっかり忘れてたよ!」

受付嬢「この鳥頭」

村人「ごめんなさい」


受付嬢「勇者がこの大陸にいる、それどころか魔王城で働いてるーなんて話が鳥速で飛び回ってやがりますから」

村人「昨日の今日でか!?ってか、超速、じゃないの?」

受付嬢「鳥速でもあながち間違いじゃないです。やたらめったらに糞尿が如く情報を垂れ流しにしやがりますからね、連中は」

受付嬢「さっきの反応を見る限り、面までは割れちゃいねーみたいですけどね。けど、暫くは周辺を張り込みやがるでしょうね、あの害鳥ども」

村人「張り込むって、そんな大げさじゃ…」

受付嬢「舐めちゃいけねーんですよ。奴ら、ハンターですから」

村人「ハンター?」

受付嬢「金目当てや特ダネの独り占めなど、目的は個人個人でちげーみたいですが、情報を得る為になら手段は選びやしませんよ、奴ら」

村人「うわハンターこわい」


受付嬢「金目当ての連中はまだ、時間をかけるだけの価値がないと踏んだらさっさと引っ込みますけど、俺はこのスクープを死んででも取り上げるんだーって奴はしつけーです、1ヶ月2ヶ月3ヶ月半年1年場所も問わずしつっこく付きまといやがってクソッタレな連中共め…馴れ馴れしく今朝何食べた?トイレ行った?ていうかスライムでもトイレ行くの?性欲あるの?だのどうのだの答える義理なんかねえっつーの!やっぱり絶滅させるべきだあの連中、駆逐してやる…!一羽残らず水没死させてやる…!」ガルルルル

村人「わ、わかったから落ち着いてください、ね?」

受付嬢「あちらの物陰でもう何も考えなくても良いんじゃないかなというくらいに激しくドンスコドンスコしましょうか、そうすれば落ち着きそうです」

銀狼「朝っぱらから何言ってんのよ貴女は」

受付嬢「いつも通りですよ?」

銀狼「余計にタチが悪い」


村人「あ、銀狼さんおはようございます…って凄い荷物ですね、これから何処かに?」

銀狼「出張よ。ほら、貴方が勇者だって話が一日もせずに拡がってるでしょ?」

村人「う、面目ない」

銀狼「反省してるなら構わないわ。まあそれで、新聞社とかに出向いてその話を国外に漏らさないよう忠告しに行くわけ。本当は政治部の連中に任せたいところなんだけど」

受付嬢「動きたくないでござる!絶対に動きたくないでござる!って性根の奴ばっかですからねえ。だからって他の誰もやりたくないって感じですから、勇者である貴方の関係者であるってーかそういうことになってる私達に押し付けられたわけですよ。この国広いですから、あちこち走り回りたくないんでしょうね」

村人「…配属されて早々、面倒なことを引き起こして」

銀狼「別にいいのよ、最近外に出るような仕事なかったし。倉庫の整理や各階層の掃除なんかよりは気分が晴れるわ」

受付嬢「そうですか?私は好きですよ、お掃除。汚れてるのがピカピカになるのって気分がいいじゃないですか」

銀狼「私はダメ、狭いところに閉じこもっての作業なんて…おっと、立ち話してちゃダメね。それじゃ2人とも、また今度」


村人「…あの、ちょっといいですか?」

銀狼「ん?何か?」

村人「別に銀狼さんが行かなくてもいいんじゃ…」

銀狼「さっきも言ったけど、頼んだところで誰もやってくれないわよ。こんな広い国を奔走するなんて考えただけで」

村人「そうじゃなくて、魔王さんとか」

銀狼「魔王さん?あの人なら頼んだらやってくれそうだけど…一応ウチの、ってか国のトップだし。そんなのが長期不在してたら何かとねえ」

村人「あの人、転移魔法使えるでしょ?」

受付嬢「あ」

銀狼「…その手があったか」ニヤァ


【魔王城 - 魔王の自室】

魔王「ふああ…よく寝t」

側近「よく寝た、じゃない」バキィ

魔王「痛ッ!?なにすんの側近ちゃん!朝から暴力だなんてお父さんそんな子に育てた覚えはありませんよ!」

側近「育ててもらった覚えもないですね。ていうかアンタ、何を呑気に重役出勤してんですか」

魔王「実際重役じゃん…てか、ここ私の部屋じゃん…別にいいじゃん…」

側近「じゃんじゃんうるさいじゃん」

魔王「側近ちゃんもじゃんじゃん言ってるじゃん」

側近「ギャグですじゃん」

魔王「それなら仕方ないじゃん」


側近「まあ、先程は特に理由もなく暴力を振るって申し訳ございません。眠ってなくて気が立ってたので、つい」

魔王「つい、で暴力を振るわないで欲しいなあ!って、何で寝てないの?」

側近「5割は魔王様のせいです」

魔王「えっ!?もしかして私イビキかいてる!?」

側近「私の寝てる宿舎まで轟くイビキってなんですかそれ。そんなのが魔王やってたら即座に暗殺してますよ」

魔王(イビキかいてなくてよかった)

側近「まあ、魔王様のせいって決まったわけじゃないんですがね。昨日の夜から勇者がこの国にいるってどういうことだー!とか、勇者が魔王城で働いてるってほんとかー!ってね、押しかけてくる人が多いったらありゃしない」

魔王(村人君のことじゃん10割私のせいじゃん)

側近「実際、勇者はウチにいるみたいですけどね。誰なのか洗い出したいところですが、それより先に私の独断で勇者の存在を内外に漏らさぬよう各情報機関に通達してもらうことにしましま」

魔王「しましま?」

側近「失礼、噛みました」

魔王「わかりましましま」

側近「声帯引きちぎって差し上げましょうか」

魔王「ごめんなさいじゃん」

側近「許さないじゃん」


魔王「でもねー、それ私のせいだと思うんじゃん」

側近「それはまたどうしてそう思うんじゃん」

魔王「一昨日面接したじゃん?その」

受付嬢「しっつれーしまーすってか失礼してまーす」ドアガチャ

銀狼「せめてノックくらい…あ、失礼します」

側近「おや、まだいたんですか貴女。てっきりもう行ったものかと」

魔王「雑務課に頼んだんだ?」

側近「暇そうでしたので」

受付嬢「実際暇ですけどね?も少し柔らかく言ってもいいんじゃねーです?」

側近「事実じゃん」

受付嬢(じゃん?)

側近(口が滑った)


銀狼「無駄話はおいといて、魔王さんにお願いがありまして」

魔王「私に?」

銀狼「ぶっちゃけると、私の他にも情報機関に通達しに行く者がいますが、その者の分も含めて魔王さんに代わりに通達しに行って欲しいなーと」

魔王「なんと」

側近「何無茶苦茶なこと言ってるんですか貴女は。上司にってか魔王様に仕事を押し付けるなんて」

受付嬢「魔王様は転移魔法ができるんじゃん?だったら魔王様にやってもらった方が仕事もぱっぱと終わるし事態の収束も早く済むんじゃん?ってわけでじゃんじゃん働いて欲しいじゃん」

側近「じゃんじゃんうるさいじゃん」

受付嬢「否定はしないんじゃん」

側近「事実ですからね、と言うわけで魔王様」ニッコリ

魔王「うっわあ…笑ってるのかどうかわからないけど絶対嫌な笑みしてるよ…」

村人「提案したの俺なんですけどねじゃん」

魔王「あれ、村人君いたの」

村人「実はいました。じゃん」


側近「おや、貴方は」

村人「あ、面接官のヤギの頭蓋骨頭の人」

受付嬢「魔王様の側近さんですよ、彼」

村人「マジで」

側近「マジです。というかどうして貴方がここに?」

村人「いや、この事態引き起こしたの俺なんで…」

側近「は?」

魔王「言っちゃっていいよね?」

村人「どうせ時間の問題ですし、どうぞ」

魔王「彼が件の勇者なんだ」

側近「はあ?」

村人「勇者でーす」

側近「はあああああ!?」

受付嬢「驚いてますね」

銀狼「これが至極真っ当な反応なのかもね」

今はここまで。途中からナチュラルに書いてました。
ちゃん呼ばわりされてましたが側近ちゃんは男です。ついでにロン毛も男です。
そんにしても登場人物増えてきましたね。一度まとめようかなあ。

じゃん。

乙じゃん

乙ですじゃん

面白くなってきたじゃん。

乙でしましま

かわいい

HAHAHA、よもや昨日の投下も1度だけになろうとは。おはようございます、まだ5時ですね。
どうでもいいけどキュアマリンとキュアピースが好きです。どうでもいいけど


村人説明中…

側近「はあ、納得出来たような出来ないような…というか、本当に5割くらい魔王様のせいですね」

魔王「HAHAHA」

側近「逃げんな」

受付嬢「でも別に、脅威となる前に狩り潰すとかはしないんですね。側近さんさっすがあ」

側近「考えなくもなかったですけどね」チラッ

村人「ひっ」

側近「…彼は外部から来たわけではなく、国民ですし。貴様が魔王か!その首持ち帰ってくれる!なんてやりだしそうにもないですし。ヘタレてますし。問題ないでしょう」

村人「すっごいボロクソ言われてるけど事実だから言い返せない」

側近「ま、その全てが偽装工作で、見事魔王様を討ち倒したとなったらもはや完敗、天晴れとしか言いようがないですけどね?」

魔王「ひっ」

村人「しませんよそんなこと…」

側近「可能性ですよ、この人誰でも信用しちゃうんだから。暗殺され放題でしょうね」

銀狼「背後から寄ってきゅって絞れば即殺出来そうですしね」

受付嬢「貴女が言うと現実味ありますねー。流石シルバー」

銀狼「そうやって呼ばないでって何度も言ってるじゃない」

村人「何なんです?その呼び名。昨日から気になってたんですけど」

魔王「ところで私はどうしたら」

側近「さっさと通達しに行け」


銀狼「別にわざわざ言うほどのことじゃ」

側近「彼女は元々暗殺者でして」

銀狼「おい」

村人「なんと」

側近「そしてその時の通り名が白銀の暗殺者"アサシン・シルバー"とかなんとやら」

銀狼「今だけそのなんとやらに戻っても良いのだけれど」ツメギラーン

側近「おお怖い怖い」

受付嬢「で、まあ、なんの因果が紆余曲折を経てウチに流れ着いたわけですね。すっかり丸くなっちゃって」

銀狼「スライムって細切れにしても大丈夫なのかしら」

受付嬢「やめて欲しいじゃん」

村人「どうして魔王城に就職したんです?」

銀狼「五体不満足になりたければ答えるけど」

村人「あ、やっぱいいです」


【魔王城 - 雑務課】

受付嬢「と言うわけで今日も暇になりました」

火龍「んだよ、出張の準備してたってのに」

ロン毛「別にいいじゃないですか、暇なのはいつものことです」

火龍「そらそうだけどよ」

銀狼「やることがないわけじゃ、ないけどね」

火龍「お?なんかあんのかシルb」

銀狼「言ったら[ピーーー]」

火龍「え、なんかいつもより怒ってないか?」

銀狼「いつも通りよ、心臓をくり抜かれたくなければそれ以上言うな」

火龍(やっぱ怒ってんじゃねーか)

チビ「やることってアレでしょ?おにーさんのまほうきょうしつ!」

村人「俺?魔法教室?」


銀狼「昨日も説明したけど、貴方は容量が凄いだけで、魔翌力を貯めて維持しておくことが出来てないから。だから今日1日使って少しでも魔法が使えるようにするわよ」

受付嬢「覚悟するじゃん」

火龍「姐さんがさっきからじゃんじゃん言ってるのはなんなんだよ」

受付嬢「教える必要がないじゃん。だから黙ってればいいですじゃん」

火龍「なんなんだよ2人揃って、変なの」

ロン毛「私達がいない間に何かあったと考えるのが妥当なんじゃん」

火龍「お前もかよ!?」

ロン毛「ふざけたくて、つい。じゃん」

チビ「しょうがないじゃん!」

村人「これが世界の摂理なんじゃん」

銀狼「アンタは馬鹿だから理解出来ないのよ。…じゃん」

火龍「チビも新入りもシルバーも揃ってなんなんだよ!俺も言えばいいのかよ!じゃん!」

ジャン…ジャン…ジャン…

受付嬢「ないわ」

銀狼「ないわね」

村人「悪いですけど擁護出来ないです」

ロン毛「かける言葉もありませんね」

チビ「だからおまえはアホなのだ」

火龍「もうやだ!!!!!」

ーーーーーーーーーー


父「こんにちはー。ん、なんだこれ、氷?でかっ」

火龍「あ、おとーさんじゃん」

チビ「おとーさんじゃん」

父「おとーさんじゃん。って2人ともなにそれ」

ロン毛「気にしなくてもいいですよ。何か御用で?」

父「いや、単にウチの息子の仕事ぶりを見に来ただけでね。特に用事はないんだ」

銀狼「…仕事ぶり、ですか」

受付嬢「彼は犠牲になりました」

父「へ?」


火龍「いい奴だったぜ、あいつは…」

父「かーくんどこ見てんの?天井のシミの数でも数えてるの?」

ロン毛「我々が少しでも止めていれば、こんなことには…」

父「今日って雑務課は特に血生臭い仕事してるとは聞いてないんだけど」

チビ「おにーさんは役に立ったんだよね…?なにかちょくせつのてがらはなくても、おにーさんのぎせいはしゃかいのこうけんかてになったんだよね?」

受付嬢「そ、それは勿論!…いや…今回の仕事で我々は、いや、今回も…うっ、何の成果も得られませんでしたああ!私達が無能なばかりに!!ただイタズラに時間を費やし、彼が犠牲となるのを防ぐことが出来ませんでしたああ!!」ウワーン

父「ちょっ、ねえ、なにごと!?」

銀狼「…それを」クイッ

父「それって、これ?そういえばなんで氷の塊があr」

村人「」カッキーン

父「息子だこれえええええええええ!!?」



村人「生きた心地がしなかった」クチビルムラサキ

銀狼「悪ノリしすぎたわ、ごめんなさい」

受付嬢「いやねー、村人さんが魔法を使えるように特訓してた筈なんですけど、いつまで経ってもそよ風ひとつ、火の粉の欠片すら起こせないもんだからこの馬鹿火蜥蜴が業を煮やして彼を燃やしちゃいまして」

父「氷達磨の前に火達磨になってたとは」

村人「せめて心配しろよ」

火龍「そしたらコイツうわちゃちゃちゃ!くらいで済んでやんの。オマケに炎もすぐに消えたし」

ロン毛「魔法耐性が強いのでしょうね。そしていつの間にかどの程度までなら大丈夫か、という私達側の実験みたいになってしまって」

チビ「そくしまほーもきかなかったよ!」

村人「」

父「」

銀狼「いつの間にそんなものを」

ロン毛「単にそれは、この子の中に明確な死のイメージがなかったから失敗したのだと思いますが…」

受付嬢「そうじゃなかったら村人さん、ほぼ化け物ですね。おっかねーじゃん」

火龍「氷漬けにされて生きてる時点で怪しいけどな。あ、氷漬けにしたの俺な」

受付嬢「普段じゃ使いもしないような魔法が出来て楽しかったですよね。雷撃なんてそうそう使いませんよ」

父「サンドバッグじゃないんだからさあ…」

銀狼「反省してます」


火龍「そんにしても丈夫だよな。勇者ってことが関係してんじゃねえの?」

村人「逆に、それくらいしか心当たりがない。魔翌力容量が拡大されてるってならそれくらいされてもおかしくはないしな」

火龍「あれ、敬語は」

村人「なんかもう、いいかなって」

火龍「どういう意味だそれ」

受付嬢「私との関係がワンステップ進みましたね!ところであんなことしといてなんですがまだ試したい魔法があるんですよ、媚薬魔法つってかかったが最後もうそれは獣が如く雌の身体を激しく追い求めて私が骨抜きにされてしまうと言う、いやん」

父「反省しなさい」

受付嬢「アッハイ」

村人「疲れるなあ、もう」

銀狼「ごめんなさいね、面倒なのがいて」チラッ

火龍「なんでこっち見るんだよ」

受付嬢「右に同じです」

村人「いやまあ、ウチのも大体こんな感じだから慣れちゃいるんですけど」

村女「そうね、正直言って私かなり欲求不満だからその媚薬魔法とやらでもかけてもらえば?そして常人の域を凌駕するほどの夜の立体機動で思考するのが馬鹿だと思うくらいに激しく狂いたいわ」

村人「こんな感じに」

銀狼「」ポカーン

村人「待て、何故いる」

村女「おべんと持って来たの」

村人「おべんと?」

村女「おべんと」


村女「いやね、魔界原産プロテインとか食べさせられてないかなって不安になって」

村人「そもそも魔界なんてないだろ」

村女「存在しないことの証明は不可能よ、この世界全ての場所が人の目が行き届いてるわけではないわ」バリバリ

村人「そういう話をしたいわけじゃないんだけど」

火龍「ってか普通に煎餅食べ出したんだけどこの人」

チビ「わたしもたべるー!」

村女「いいわよ、余ってるし」

火龍「それウチのなんだけどなー!」

銀狼「…彼女に妙な既視感を覚えたわ。貴女に似てるんじゃないの?」

受付嬢「似てるわけねーです、私の方が愛嬌があります」ムスーン

ロン毛「突拍子もない下ネタを繰り出すところはそっくりですけどね」

父「昔からあんなんだよあの娘」


村女「まあおべんと届けに来ただけじゃないんだけど。貴方の仕事振りを拝見しようかなと」

村人「本当は」

村女「独りが暇で退屈でっていうか貴方に会いたくてしょうがなくて」

村人「帰りを待つのもいい女のお約束だぞ」

村女「…善処するわ」

村人「まあ、仕事ぶりと言ってもなあ。まず火達磨にされるじゃん?」

村女「ほう」

村人「んで錯乱魔法くらうじゃん?」

村女「ふむ」

村人「電撃翌浴びせられるじゃん?」

村女「へえ」

村人「即死魔法(らしいのを)もやられるじゃん?」

村女「じゃん?」

村人「他にも色々あるけど最後は氷漬けにされるじゃん?」

村女「なるほどね、要はフルボッコにされただけと」

村人「Yes」

村女「彼、いいかしら」

受付嬢「止めません」

銀狼「いいですよ」

ロン毛「問題ないですよ」

チビ「ふのれんさはくりかえされる」

父「やってしまいなさい」

火龍「えっ」

村女「チェストォ!」ミゾオチィ

火龍「おふっ!?」


村女「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」ドドドドド

火龍「あばばばばば、いたっ、ちょ、とめ、止めろよあいてっ」

村人「やだ」ムスーン

受付嬢「犠牲は付き物なんです」

銀狼「アンタが犠牲になったことくらいは覚えといてあげる」

火龍「酷っ、ぬっがっもべっ」

チビ「フルボッコなのです」

ロン毛「愛の力でしょうか、恐ろしい」

父「昔から怒ると怖いからなあ、あの娘」

ロン毛(そういう次元でもないと思いますが)


村女「ああ、スッキリした」ハレバレ

火龍「」ボロッ

村人「大丈夫か?生きてる?」

火龍「誰のせいだと思って」

村女「まだ息の根があるのね、それじゃもう一度」

火龍「やめてください勘弁してください」

村人「なんというかまあ、アレだよ。炎とか風とかさっぱりイメージ出来なかったけど、これなら出来る気がする」

村女「ん?」

村人「いたいのいたいのとんでけー」ユビヒョイッ

火龍「いやそんな冗談が」

受付嬢「…怪我治ってるよ」

火龍「マジだ」

村人「回復魔法大成功」ブイッ

銀狼「魔力は?魔法を使ったってことは魔力を維持出来てるんでしょうけど、どうやって…」

村人「いやあ、さっきの魔法フルボッコの時に、俺は何も出来ないのにどんどこどんどこやられてさ、ぐるぐると俺の中でやり場のない憤りとか恨みとかが募ってくのを感じてて…そのお陰かね、ははは」

受付嬢「目が笑ってねーですよ」

ロン毛「結果オーライということにしましょうか」

チビ「けがのこうみょう!」


村女「回復魔法、ねえ…」

村人「ん、どうかしたか?」

村女「1ラウンド終わった後に自分自身に回復魔法かけて貴方のイェーガーを再び怒張させてらめえ!そんな凄いのを連続でなんてあひい!ってされるのかしら。いいわねそれ、今すぐ帰って出来るのか確かめましょうか」

受付嬢「それでしたら私がまず実験台になりますよ?スライムですので疲れ知らずとは言いませんが、人間の貴女よりは長持ちすると思いますし。それでも腰が抜ける程ヤられるんでしょうか。想像するだけで私のウォータースプラッシュが止まらねーです、さっさと貴方のイェーガーで栓して止めてくれませんか?今この場でもいいですよ」

村人「なんでお前らそういう発想しか出来ないの」トオイメ

村女「決まってるでしょ?」チラッ

受付嬢「決まってますよね」コクッ

2人「私が女に生まれて来たからだ!」ドンッ

チビ「なんでわたしはみみふさがれてるのー?」

銀狼「聞いちゃいけないからよ」

ロン毛「やっぱり似てますよ、あの2人」

父「美人2人に迫られるなんて果報者だなあ」

村人「お袋にバレたら殺されそうなんだけど」

今はここまで。
いつにもまして下ネタが酷い。なんだ、いつも通りか。
2人の下ネタは酷いですが、そういうシーンの収録予定はありません。ので、パンツは穿いていいのです。

そもそも経験がない(白目)

乙でした

乙です
ただまあ……こう連続と言うかそればかりだし
受付嬢の下ネタってそろそろクドさのほうが目立って来てるね

ガチ恋愛とガチ告白をすれば良いんだよ

下ネタは自重していきましょうかね。見ていて気持ちのいい物ではないですし
それにしても、話がグダグダしている感じが。早いとこ話を進めたいですね。

進む方向性が決まってないとかいうのは、その、はい


村人「…というか、元々何の為に魔法使えるようになろうとしてたんだっけ」

銀狼「ああそうね、自動翻訳。目的を見失ってたわ」

チビ「ほんまつてんとーだね」

銀狼「魔法の使い方はなんとなくでもわかってきてるみたいだから、あれこれ言わなくてもいいと思うけど」

村人「お前の言ってることが全てわかるぜ!って思えばいいのかな」

銀狼「そんな感じ。それじゃ、私は翻訳魔法解くから」

村人「えっ」

火龍「俺も解くぜ」

村人「えっ」

チビ「わたしもー!」

村人「ちょっ」

村女「私も解くわ」

村人「お前は元々使っちゃいないだろ」


村人「てか、自動翻訳て相手の言ってることがわかる魔法なのかと思ってたんだけど…」

ロン毛「正確には意思疎通を便利にする魔法、ですね。私の場合は一定範囲内にいる人物の言っている言葉を理解でき、同じく範囲内にいる人物は私の言っていることを理解できるという風にしています」

村人「そんな感じじゃねーじゃんよ銀狼さん!!!」

銀狼『何を言ってるの?わかる言葉で話して』

村人「…え、今の何」

火龍『おら、さっさと翻訳しろよ。でねーと一生このままだぞ』

村人「えっ!?何語それ!?なんて言ってんの!?」

チビ「うわはははー、わたしの言ってることがわかるまいー」

村人「うわはははー私の言ってることがわかるまいー」

チビ「あれっ」

ロン毛「人語を喋っては意味がないじゃないですか。ちなみに私と御嬢は人語が主言語ですので」

受付嬢「エルフ語で喋ってもいいんですけどね」

村女『私もエルフ語なら多少は』

受付嬢「マジですか」

村人「俺を蚊帳の外に追いやらないでください、寂しくて死ぬぞ」

ーーーーーーーーーー


月「コーンバーンワー」

受付嬢「お月様がすっかり輝いてますねー。だと言うのに」

銀狼「あっ!わかった!今エビフライって言ったわね!」

村人「惜しい!エビチリ!次、火龍!」

火龍「ドンと来いや!ってかいつの間にか呼び捨てられてないか俺」

村人「生麦生米生卵!」

火龍「生麦生そば生ナマコ!」

村人「惜しいなあもう!」

村女「端から見れば遊んでるだけにしか見えないわね。職務怠慢。給料泥棒よ」コノオチャオイシイワネ

ロン毛「そう言わずに。漸く周りが何と言っているのかわかるようになったんですから」ソコラヘンニアッタチャバヲツカッタノデスガネ

受付嬢「それにしても上達が早いですよねー。勇者が故に為せちまうことなんでしょうか」ッテカアタリマエノヨウニイスワッテマスネ、アナタ

村女「魔王城で必死こいて魔法の勉強してる勇者ってのもね。勇者ってなんだったかしら」ベツニイイジャナイノ

村人「キラキラ輝く未来の光!」

チビ「めちゃんこひかるフューチャーズライト!」

村人「独自解釈をしないの!!!」


村人「1 1は!」

銀狼「2!」

村人「さざんが!」

火龍「9!」

村人「君の名前は」

チビ「チビちゃんです!」

村人「よっしゃあ!」ガッツポ

銀狼「はあ、長かったわね」

火龍「ま、明日までもつれ込まなくてよかったじゃねえか」

チビ「わたしはたのしかったよ!」

村人「今なら誰とでも対話が出来る!何も怖かねえ!」

火龍「それ言っちゃいけない言葉な」

チビ「しぼーフラグけんせつかんりょうなのです!」

村女「…あのチビちゃんて、妖精なのよね」

ロン毛「妖精ですね」

村女「あの子、終始人語しか喋ってないように思えるんだけど」

ロン毛「瑣末な問題です。気にしなくてもいいのですよ」


村人「いやあ、これで俺も魔法が使えるようになったのかあ。なんか勇者らしいなあ」

火龍「回復と言語翻訳だけだろ。攻撃系魔法を使わない勇者ってのも変な話だな」

村人「うるせーやい」

銀狼「でも、魔法で回復できる人って結構貴重なのよね。そういうイメージって中々難しいから」

村人「そうなの?なんかこう、ほわーんって感じというか」

受付嬢「魔王様と同じですねー、理屈じゃなくて感覚で魔法を捉えるタイプです」ズイッ

銀狼「急に割って入らない。けど、そうね。そんなだったら転移も出来ちゃうんじゃないかしら」

火龍「いや、流石にそれは無理だろ…」

村人「転移…」

フッ

火龍「」
銀狼「」
受付嬢「」
チビ「おにーさんが消えちゃったです」

村女「えっなにそれどう言うこと」


村人「あーびっくりした、いきなり俺の家に跳んじまったからびっくりした」ドアガチャ

受付嬢「手品じゃないんですから普通に外から入ってきやがらないでください」

銀狼「冗談だったのに」

火龍「パシリ役が決定したな」

村人「やだよパシリなんて」

村女「凡人だった私だけの勇者がどんどん超人になっていくのを見てるともう何と言えば」

ロン毛「人間の領域を超えてますよね、すでに」


村人「そんな難しくないんだけどな…跳びたい場所をイメージしてさ、目を閉じてピョンって跳ねると」フッ

火龍「また消えたぞ」

村女「覚えたことを披露したい子供みたいね」

村人「わっ」

村女「っ!?」ガタタッドテーン

村人「こんな風に」

村女「…後ろから急に驚かさないで」

村人「悪い悪い。ほら、手」

受付嬢「転移を得意とする犯罪者とかはこれまではいなかったですけど、いたらどんなに恐ろしいか想像がつきますね、これ」

火龍「やりたいことやるだけやって、文字通り高跳びされちゃ捕まえようがねえよな…」

村女「ヤりたいことヤるだけヤって、ですって。こんなのが同僚で大丈夫かしら」

受付嬢「奇遇ですね、私もそう思いました」

火龍「理不尽すぎるだろ!そういう意味じゃねえから!」


銀狼「ぴょんぴょん好きに跳べて、回復も出来る…貴方、前線で救護兵でもやったらいいんじゃない?」

村人「…救護兵?前線?どっかと戦争でもしてるような言い方ですね」

ロン毛「いや、してるじゃないですか」

村人「えっ」

火龍「今じゃ、してるってーのかはちょいと怪しいけどな」

チビ「いっしょくそくはつききいっぱつ!」

村人「えっ、えっ?」

村女「…まさか、知らないの?エルフちゃんを知らなかったり魔王の統治範囲を知らないといい、貴方の了見はどれだけ狭いのよ」

受付嬢「失望しました、村人さんのファン辞めます」

村人「えっ!?戦争って、え!?どこと、誰が!?えっどういうことなんだよ」

銀狼「本当に知らないのね…数年間、互いに膠着状態だけど戦争してるのよ、一応。人間達と」


村人「人間達と…って、俺も人間ですけど」

銀狼「正確にはこの大陸以外の人間達。人間が治める国達との戦争よ」

村女「私ですら知ってるんだけど。貴方、24年間何して生きてたのよ」

村人「畑耕してました」

村女「そうじゃなくて」

銀狼「まあまあ。知らないようなら私が知ってる範囲だけでも話しましょうか?」

受付嬢「いやいや、ここはインフォメーション役の私が」

ロン毛「私にお任せください。一応、ここにいる誰よりも長命なのでね」

村人「あ、じゃあロン毛さんお願いします」

受付嬢「出番奪われた…」

銀狼「貴女が説明するとどうにも調子が狂うからいいじゃないの。チビちゃんはまだ子供だし馬鹿は馬鹿だし」

チビ「こどもじゃないよ!!!」

火龍「馬鹿は馬鹿ってなんだよそれ!馬鹿って言う奴が馬鹿なんだって知らねーのか!」

受付嬢「私の説明の何が悪いってんですか!魔王城内人気投票上位組は伊達じゃねーですよ!」

銀狼「ロン毛さん、どうぞ」

受付嬢「納得いかねーです!」

ロン毛「異論は認めませんよ」

そんなわけで今もここまで。
さて…必死こいて戦争のことについて考えよう…

>>213
銀狼さん……掛け算の1の段も出来ないだなんて……

>>220
1と1の間のプラス記号が抜け落ちてしまってるだけです(震え声)
表示されないんですかね、これ。
掛け算もできなかったら常識人が減ってしまう…

>>220
次が「さざんが!」だから怪しいのは判るがちょっと待とう
銀狼さんの答えに他の誰も間違いと指摘してないと言うことはそれが正しい答えだったんだよ
本当に間違ってたなら、あの場にいる全員が掛け算を理解していないと言うことに……

+乙

ちょっとうだうだしてたら日付けが変わってしまった。
くっそペースが遅いけど書き始めます。

+は半角だと表示されない…覚えましたし


ロン毛「さて、どこから話始めましょうかね。戦争の始まった経緯からにしましょうか」

「と言っても、国同士云千年前からの悔恨がーとかいう大げさな話ではないですが。大体20年前でしょうか、東の海から見慣れない船が沢山来たーと思ったら人間達の…この国にも人間はいますが、まあ、異国の船がやって来たわけです」

「それも、何の前置きもなしに砲撃しながらね」

「砲撃の被害に遭った漁村は、それはもう酷かったと生存者から聞きましたよ。船から降りて来た人間は自分達の知っている人間と違う、話し合おうともせず無慈悲に殺戮を行っていたと」

「同じ人間ですら殺していたとも。蟻の様なものなのでしょうね、同じ種類の蟻であっても違う巣の蟻であれば殺し合う」

「彼らからすれば、魔族も人間も同じだったのでしょう。悪い意味でですが」


「突然現れた未知の敵に国は大混乱ですよ」

「自分達の知っている人間とは違う人間が理由もわからずに攻めて来ましたから。当時この国には軍隊がありませんでしたから、守るも攻めるも出来ずされるがままでしたね」

「なので一応は国のトップである魔王様にーーあ、当時から魔王様は魔王なんですよーー意見を仰いでみたんですよ」

「貴方も知っていると思いますが、あの方は戦うことが嫌いですからね、怯えるくらいですし。それでも意見を仰ぐのは酷でしょうが、指揮する人があの時は必要だった。そしたら必然的に権力の象徴というわかり易い存在である魔王様に、ということになったんですよね。」

「今でも覚えていますよ、この城の前の大広場に龍族も巨人族も、ほぼ全国民が集まっていて壮観でした」

「そんな中、魔王様は皆の前でオロオロしてましたけどね。でも、ちゃんと指示はしてましたよ」

「相手を殺さないように応戦しろとね」


「一部の者達は猛反対してましたよ。同胞が殺されたと言うのに何故同じ目に遭わせないのか。報いを与えないのか。見たところ連中は魔法も使えない、武器を振り回すだけの貧弱な人間だ、圧倒的な力で薙ぎ払えばどうと言うことはないだろう。理由は様々でしたがね」

「私も思わなかったわけではないですが。分かり合うことを放棄して暴力に走った存在になど生きる価値はない、とかね」

「でもね、魔王様はどうしても蹂躙することを認めませんでした。それにこうも言ってましたね」

「恨みを恨みで返していたら恨みはいつまで経ってもなくならない。それどころかより大きくなって、必ず返って来る」

「その度に返していたら必ず、今のままではいられなくなる。犠牲が出るどころか心の平穏が殺される」

「だから、恨みで心が苦しくても我慢しなくてはならないのだと。自らの心の平穏の為に」

「あの方は割と普通の生まれの筈なんですけどね…一体何処からあんな言葉が出たのやら。今でも不思議ですよ」

「この言葉は賛否両論でしたが、それでも出来るだけ殺さず、双方の被害を抑えつつ抗戦するという戦いにおける方向性は確定しました」


「それまで異国の人間達の侵攻は凄まじい物でしたよ。大陸の東端からどんどん領土を奪われていきましたからね」

「ですが、我々が本腰入れて戦い始めたとなると立場は逆転しました」

「龍の鱗には矢は刺さらず、巨人の鋼の肉体に剣はなまくら同然、獣人の速度の前では槍は物騒な物干し竿です」

「ちなみに私は夜限定でぶいぶい言わせてましたよ。貧血を起こす程度に血を頂きました」

「それからと言う物、異国人達の最初の勢いは何処へやら。人間と魔族の運動能力の差や魔法への知識の無さ。たったそれだけで彼らは大陸の東端へと追いやられてしまいました」

「もっとも、追い出すとまでは行ってないのですがね。今も彼らは東端に居座っていますよ」


「東端に追いやられてからも、彼らは侵攻を止めようとはしませんでしたがね。彼らの国から増援も次々と来ていたようですし」

「なので戦いだけはいつまで経っても続いていましたね。いくらこちらが不殺を心掛けていても、彼らはこちらを殺そうとする。中には不殺を良いことに暴れ狂う猛者までいたとか」

「海も近かったので、船からの砲撃も脅威となってましたねえ。目の前で巨人の方が目も当てられないようなミンチになった時は流石に血の気が引きましたよ。というか、夜なのに闇雲に撃つなと言うね」

「そのうち、こんな戦いを続けていてはこちらの被害は増える一方だ、せっかく奴らを追い詰めたのだから殲滅してしまえと言う人が出てきました。先程言った、魔王様の意向の反対派ですね」

「ここで殲滅してしまえばこれまでの犠牲や意思が無駄になる。けれどもこのままでは被害は増える一方だと言うのも事実でした」

「魔王様はかれこれ3日は飲まず食わずで考えてましたよ。異国人達は日が落ちても昇っても攻めて来ましたからね、時間が惜しかったのでしょう」

「ですが、気になったので一つ訊いてみたんですよ。争いが苦手だと言うのにどうして誰かに押し付けたり、任せたりしないのかと」

「そしたらね、言われましたよ。よくわからないと。ただ、怖いから、苦手だから、そんな理由で目を背けていることは良くないことだから。私が戦えないせいで代わりに戦ってくれる皆がいるのに逃げては駄目だろう、と」

「いや、話を盛ってなどいませんよ?たぶん。決して記憶があやふやだったりはしませんよ。たぶん」


「魔王様が3日3晩考えて、出した作戦はこんなものでしたよ」

「異国人を、彼らを全力で脅かす」

「魔王様が作戦を公開した時の、魔王軍全体に行き渡った何言ってんだこの人という空気は忘れられませんね」

「作戦の内容は至って簡潔でしたよ。とにかく派手で目立つ魔法を乱発して彼らの目を奪い、心をへし折ろう。そのまま帰ってくれれば儲け物、というものです」

「彼らは魔法が使えなかったようですから、魔法での脅しであれば効果的だろうと言うことだったのでしょう。厳密には魔法が使えないと言うより、使える者がごく少数と言った感じでしたが」

「巨大な龍にすら怯まなかった彼らが、そんなことで気勢を削がれるとは思えませんでしたがね」

「ところがどっこい、大成功したんですよこれが」

「雲を裂き、大地を穿つ極大で幾千の雷。その合間を縫うように降り注がれる無数の炎弾」

「極め付けに、見る者の目を奪った、水平線に向けて放たれた煌めき輝く魔力砲。アレは驚かせると言うより綺麗でしたねえ」

「相当遠くの海面に着弾したにも関わらず、眼前を覆い尽くすほどの水柱が上がった時は驚きましたが」


「結果として、彼らの戦意を喪失させることには成功しました。その日を境にピタッと攻撃が止みましたからね」

「彼らは帰ってはくれませんでしたが。どれだけ逃げてもあの魔力砲撃されたら意味ないんじゃないか、と思ってしまったんでしょうね。アレ、千人掛かりで撃ち放ったそうなのでそうそう撃てやしませんがね」

「魔王様としては別に追い出せなくてもよかったみたいで、攻撃が無いうちにさっさと防壁作っちゃおうか、と言って東端を防壁で封鎖する作業が始まりまして。ちなみにその防壁、相当長いですよ。いつか皆で観光にでも行きましょうか」

「一部の者達は納得してなかったようですが、防壁作り終わったらこっちの勝ちも同然だーみたいな空気ではありましたね」

「ですが数週間して、防壁を建造している時にまた攻めて来たんですよ、彼らが」

「規模は小さかったので、撃退自体は難なく行ったのですが、戦意を喪ったと思っていた彼らが攻めて来たという事実がね。奴らを殲滅するべきだーって五月蝿く吠えるようになっちゃいまして」

「別にたいした規模で攻めては来てないから気にしなくていいじゃないか、と言っても聞かないので軽く締めて黙ってもらいましたがね。何故彼らは再び攻めて来たのかという話になったのですが、ちょっとした仮説を挙げてみたんですよ」

「彼らは恐怖すら原動力としているんじゃないか、と。我々からすれば普通ですが、祖国の民をこんな恐怖に遭わせるわけにはいかないーーとかね」


「実際は知りませんよ?捕虜として捕らえて聞き出すとかいう判断もなかったですし、捕虜して捕らえるということもしてませんでしたからね」

「そんなわけで、防壁を作りながら攻めて来る彼らを撃退してを繰り返して」

「防壁が出来上がってからは攻めて来る頻度が落ちましたが、それでも時々やってくる彼らにお帰り願って」

「その結果、交流を一切しない奇妙な隣人の出来上がりですよ。今では月に1度攻めて来るくらいです」

「この約20年間でまともに意思疎通を図れた試しはありませんよ。様子を見に行っただけで卵を護る龍の如く反撃して来ますから」

「どうしようもなくて、手をこまねいてる状況です。放置するしかまともな手立てがないと言うのがなんとも…」


ロン毛「と言うわけで、私からの歴史の授業は終わりですが、質問は?」

村人「…俺の知らない間にこんなことがあったなんてなあ」

村女「私も詳しく知ったのは先月頃だからとやかく言えないけど、何で微塵も知らないのよ貴方は」

村人「だってただの農夫だったもん」

銀狼「と言うか、ロン毛さんが戦争に参加してたことが驚きなんだけど」

火龍「俺も初耳だぜ、前々から何処か達観してる感じしてるなとは思ってたけどよ」

ロン毛「わざわざ言う必要のあることではないですからね。聞かれれば答えましたが」

受付嬢「驚愕の事実発覚!ですね。このネタブン屋に放り込めばいくらで売れますかね…あー、顔も合わせたくなかったんだった、あんな連中。嘴割れちまえばいいのに」

村人「受付嬢さんは記者ってかマスコミに親でも殺されたのか…?」

受付嬢「親いませんよ、私?スライムって自然発生するものみたいなので」

村人「そういうことじゃなくて」

チビ「わけわかんなかった!」

ロン毛「今は理解出来なくても、後で理解すればいいのですよ」

というわけで今回は終わりなのです。
ある程度は考えてましたが、途中から即興なので今わかんないところとかあるかもです。何故こういう時に書き溜めしないのか。
そしてロン毛さんの相当なセリフ量。出番を他のに奪われがちなので別にバチは当たらない筈。しかし今後はどうなるやら。頑張れロン毛。

乙でした

乙です
気楽な路線で行くかと思ってたらかなり大きな伏線張っちゃいましたね
全部を解決すること無いのにこういうのを全部何とかしようとして
限界感じて投げる人が多いのでちょいと不安が……

乙です面白いなー

一日一回更新が怪しくなってきた今日この頃。
とりあえず思い付くだけのそのそと更新していきます。

>>236
話としては大掛かりな話をしましたが、たいした伏線じゃないと勝手に思ってます。気楽路線も変える気がありませんからね。
大真面目な話を書けるなら書いてみたいです…


村人「しっかしなあ。話してもらっておいてなんですが、ピンと来ない…」

ロン毛「それでも知っておく事が大事ですよ。いずれは解決しなければならない問題ですから」

火龍「ま、俺達には関係のない事だよな。いきなり連中と戦えーなんてことになるわけねえし」

銀狼「じゃあアンタはある日突然、防壁が壊されて異国人に侵入されて殺されても文句を言わないのね」

火龍「いや、そんなわけ」

銀狼「防壁があるからと油断してたら北から、南から攻められても文句は言わないと」

火龍「んなわけねえだろ!?そんなことされて黙って見てるわけねーだろ!」

銀狼「アンタはそう言うことを言ったのよ。自分とは関係ない、自分の知ったことではない、目の前の現実を否定して自分を正当化しようとする」

銀狼「何かがあってからでは遅いのよ。こんな問題、いつまでも残しておくべきじゃないんだから」

火龍「うっ…それもそうだけどよ…」

村人「なんだか話が重くなってしもうた」

村女「誰のせいだか。まあ、無知であることは罪よ。知ることが出来て丁度良かったんじゃない?」


受付嬢「そんなことよりもねー皆さん、お月様が相当高く登ってますよ。もう今日は帰りません?」

ロン毛「おや、本当ですね。どうりで身体が疼くと」

村人(本当に吸血鬼なんだなこの人」

村女「声に出てるわよ」

火龍「あ、提出する書類あるんだった…なんで健康診断とか受けなきゃなんねんだよ、ったく」

銀狼「アンタが健康診断サボったからでしょうが」

チビ「ツケが回ってきたわけだよー!じごーじとく!」

火龍「へーへーへーへー。そいや姐さん、今日はずっと入り浸ってたけど受付の方大丈夫なのかよ」

受付嬢「それなら後輩に押し付けてますから。アレからきっと何度も鳥頭共が勇者を出せーって来たんでしょうね。顔を見たくもねーからよかったよかった」

火龍「いや、明日も来るだろ」

受付嬢「アーアーキコエナーイ」

村人「それじゃ、仕事した気がしないけど帰ろうか。晩飯なんか食いたいのある?」

村女「あ・な・た」ウインクッ

村人「やです」

村女「チッ」

ーーーーーーーーーー

【魔王城 - 入口前広場(の物陰)】

村人「うっわあ、記者っぽいのがわんさかいるよ」

村女「馬鹿正直に正面から出てたら間違いなく捕まってたわね。質問攻めの揉みくちゃにされそう」

村人「銀狼さん、隠し通路の存在教えてくれてありがとうございました。こうして俺と妻は平和に生きてます」

村女「何言ってんのよ、お家に着くまでが仕事よ。早く帰りましょ」

村人「なんで俺のボケは殺されるんだろう。まあいい、帰ろうか」

「そうですなあ、ほな歩きながらでも話を聞かせてもらいますわ」

村人「そっすねー、って誰d」

村女「あら小ハエが」スッパーン

「いったあ!?」

村女「ほら行きましょ」

村人「えっあっはい」

「ちょっと!?無視は酷ないですか!」


村女「あら、まだ退治できてなかったのね。それじゃ今度は首を切って、ちゃんと血抜きして…私、鶏を捌いたことってないのよね」

村人「慣れればなんとかなるもんだぜ。首を切り落とすのは慣れないけどな」

村女「そう、私の旦那が鶏の首を切り落とすことに興奮を覚える猟奇的な人じゃなくて良かった」

村人「どんな趣味だよそれ」

「夫婦漫才しとらんでええから少しは話を聞いてくれんかなあ!」

村女「鬱陶しい。唐翌揚げになりたくなかったら私達の眼前から姿を消して。薄汚いブン屋にくれてやる時間なんてないの」

「そんな冷たいこと言わんで…魔王城にいるっちゅう勇者について、何か知ってること聞ければそれでええんですわ」

村女「腰痛持ち。それじゃ」

「それだけ!?いや他にもなにか!なあ!」

村人(俺要らないなあ。あ、この人今朝受付嬢さんと騒いでた人じゃん。人じゃないか、唐翌揚げ…カラスっぽい人?鳥?)


「あーもー!埒が明かん!旦那さん!アンタはなんか知っとりますか!」

村女「貴方ー、答えなくていいわよー。ていうか相手にしなくていいから帰りましょ」

「だまらっしゃい!さあほら早く!」

村人「…あなたーの瞳に狙いを決ーめてー」ユビサシッ

「は?」

村女「?何をして…」

村人「永久の闇に堕ちるがいい!」ドヤァアアアア

「…は?何をわけのわからん…」バタリ

村人「永久の闇つえー…」

村女「え、貴方何したの?中二病こじらせ過ぎちゃった?」

村人「チビちゃん直伝の古代魔法、永久の闇」

村女「なにそれ凄い」

村人(ほんとは見たままの物をパクっただけなんだけど。目の前で見たからイメージし易かったぜ!)


村女「…あら、眠ってるだけなのね、これ。てっきり即死魔法か何かかと」

村人「そんな物騒なもん使うもんかい」

村女「というか、貴方魔法使えるようになったのね。ということは魔法を使ってあんなことやこんなことをされちゃうのかしら私」

村人「そんなことをする予定はないから安心しろ」

村女「つまらないわね。さっきから何度も言ってるけど帰りましょうか。ぎゃーすか1人で騒いでたのがいたから、他のが集まってくる前に」

村人「もし他にも来たら闇に堕とすだけだよ。ほれ」スッ

村女「ん?ん」ギュッ

村人「なんか良いなこういうの。月明かりが照らす道を2人で歩く」

村女「手まで繋いじゃってね。こうして歩くの何年振りかしら」

村人「子供の頃を思い出すなあ」

村女「童心に帰って夜更かしでもしてみる?」

村人「明日も仕事…まあいいけどさ。あんまりすることないよな?」

村女「窓から星を眺めながら話したり…そんなものでいいのよ。今夜は私もおとなしくしてるから。ふふ、ちょっと楽しみになってきちゃった」

今回はこれで。前回投下分が無駄に重厚だったのでさらっとしたかった。
それにしても村人が一度魔法を覚え始めたら止まらない。とこしえの やみって すげー!
そして名前の出ないブン屋の鳥さん。いつ名乗れるんでしょうね彼。



魔法はジブのイメージを具現化させるんだよな・・・
お、俺の嫁も召喚出来るのかなゴクリ

ーーーーーーーーーー

【おうち】

村人「ん…」ムクリ

村女「ぐう」

村人(寝てる)チラッ

太陽「マダネタリネーヨ」

村人(夜更かししておきながらやたら早く目が覚めてしまった)

村人(…庭の畑の手入れでもしようか)


村人(昨日はアイツがほぼ丸一日家にいなかったわけだが)

野菜「オハヨーゴゼーヤスダンナ」
野菜「キョウモアッシラハゲンキデヤンスヨ」

村人(わざわざ手をつける必要がなさそうだ)

村人(目に見える雑草だけでも抜いとくかね)プチプチ

村人(そう言えば、昨日は魔王さん帰って来ないままだったけど大丈夫だろうか。過労死してなきゃいいけど)


村人(次は朝飯のターン)

村人(これまでの俺は、マッチを使って火を起こしていたわけだが)

村人「…」

薪「ナニガハジマルンデス?」

村人「ファイヤー!」ボッ

薪「ギエピー!」

村人「ははは!俺は火を起こすことにも成功した!恐れるものは何もないぞ!」

村人「いつでもどこでも自炊ができるよ!やったね!」


村人「と言うわけで朝飯が出来ています」

村女「目覚めたらご飯が出来てるっていいわね」

村人「今日は俺が早起きしたからそのまま流れで作ったけど、逆パターンがあってもいいんだぞ」

村女「女体盛りなら自信が」

村人「やっぱ俺が作るわ」

村女「お前まな板だから乗せやすいしなとかくらい言えばいいのに」

村人「朝から平常運転お疲れ様です」


村人「さて、そろそろお勤めにでも行こうかね」

村女「別に急がなくてもいいじゃない。せっかく早起きしたのに」

村人「早起きしたからだよ、早めに動いて損はないの」

村女「いつもより早く出られると私が寂しい」ムスーン

村人「我慢しな。ってかいつもって言う程じゃ…まだ就職して3日目だぞ」

村女「しょうがないわね、ならこうするわ」ダキツキッ

村人「…あのー、これは?」

村女「エネルギー充填中。私が満足するまではこのままね」

村人「しょうがない、って俺の台詞だよなあ…」

村女「細かいことは気にしないの。今はおとなしく抱きつかれときなさい」

村人「えー」

寝落ちとかあり得るんですね、たまげたなあ。
気分的にも中途半端になってしまったので一旦ここまでにしておきます。内容も中途半端。

寝落ちとかあり得るんですね、たまげたなあ。
気分的にも中途半端になってしまったので一旦ここまでにしておきます。内容も中途半端。


まぁ値落ちくらいだれでもあるでしょうよ
気分が乗らない時もあるだろうし、気ままに行こう

乙乙
まあよくあるよね……
そんなことばっかりだよー

乙です
大事なことはよく判りました

乙でした

こんばんはでした。一日終了前に滑り込みセーフ。
くっそくだらない短編で場を繋いでも良いんですが、そんなわけにもいくまい。
夜も遅いですが、お付き合いくださいませ。



【魔王城 - 雑務課】

村人「ーーと言うわけで昨日よりも遅れて出勤して来たわけですが、ロン毛さんしかいないのであった」

ロン毛「私しかいませんよ」

村人「他の皆は?全宿舎住まいって聞いてますけど、宿舎にいて遅刻するなんてことはそうそう…」

ロン毛「寝坊してるか、昨日から城の周りにいる記者にでも捕まってるのでは?しつこいですからね、彼らは」

村人「火龍が寝坊してるのは想像つくけど、銀狼さんが捕まってるのは…」

ロン毛「宿舎を出たところに突撃された、とかだと回避のしようがなさそうですがね。ところで貴方はどうやって記者を追っ払ったので?城に入るまでに10人くらいには捕まると思いますが」

村人「来た端から闇に堕として来ました」

ロン毛「闇?」

村人「闇」

ロン毛(何を言ってるんですかねこの人)

村人「眠らせて来ただけですよ、とこしえのやみーって」

ロン毛「ああ、そういう意味ですか」


ロン毛「というか、昨日の今日で既に魔法を乱用しているのですね」

村人「今朝からバリバリですよ、火を起こすのが楽なことこの上ない」

ロン毛「流石は勇者、と言ったところでしょうか」

村人「いやあそれほどでも」

村人「…そう言えば魔王さん、まだ帰って来てないんですかね」

ロン毛「ああ、話には聞きましたよ、国中を転移で奔走させられてるとか」

側近「魔王様ならまだ帰って来ていませんよ。どこで油売ったんだかあの方は」

村人「あ、側近さん。おはようございます」

ロン毛「わざわざこんな所に…何か御用で?」

側近「見た所いつも通り暇そうでしたので、同じく暇な私もお邪魔しようかと」

村人「仕事しなくていいんですか」

側近「同じく仕事をしていない貴方には言われたくないですね」


側近「それにしても、今朝から記者達がギャーギャーうるさいのなんの。彼らのしつこさはなんなのでしょうね、ほんと」

村人「カラス除けに水入りのガラス瓶でも並べて置きましょうか」

ロン毛「同族の遺骸を串刺しにして置いとけば良いのでは?」

村人「怖いよそれ」

側近「威嚇にはなりそうですが、それはそれで政権が叩かれるでしょうね。良い案だと思いますが」

村人「物騒だなこの2人」


側近「まあそれも大体貴方のせいですがね。何で勇者なんですか貴方」

村人「無茶苦茶な。目が覚めたら紋章が浮かび上がってたんだからしょうがないでしょ」

ロン毛「そもそも勇者の選定基準はどうなっているのでしょうね。明らかに人選ミスでは?」

側近「魔王を無条件に悪と思わず、そもそも本人にその自覚がない。別にこれと言った特技もない。何で選ばれたんですか貴方」

村人「なんでボロクソ言われてんの俺」

側近「しょうがないと諦めなさい。貴方は勇者という肩書きがあるだけの一般人でしかないですから」

ロン毛「本当、驚くほど無個性ですからね。あ、魔法耐性だけは強いみたいですが」

村人「泣いていいかなあ俺!」


側近「ふむ、無駄話も程々にしておきますかね。一応仕事が無いわけではないですし」

村人「じゃあなんで俺のメンタル虐めてたんですかほんと。仕事しろ」

側近「言ったじゃないですか、やることがなくて暇だと」

村人「さっきと言ってることが矛盾してんぞ」

側近「はっはっは。それではまた」ドアガチャ

村人「せめて虐めてごめんねくらい言ってけー!」

ロン毛「必要でしょうか、それ」


村人「はあ…なんだったのもう」

ロン毛「文字通り、暇なのでしょうね。急ぎの仕事もないみたいですし」

村人「こっちは仕事自体が無いじゃないですか」

ロン毛「それもそうですがね。それでは片付けでも」

村人「一昨日したじゃないですか。散らかってもないし」

ロン毛「ふむ…では、互いにいつまで微塵も動かずにいられるかという暇潰しでも」

村人「ほんっとに暇潰しですねそれ!時間無駄にしすぎじゃねえの!?」

ロン毛「長年生きていると、暇潰しにも苦労するのですよ」

村人「…ところでロン毛さんは何歳で」

ロン毛「120歳位でしょうかね、数えていないのでアバウトですが」

村人「なんというか微妙な年齢ですね、それ」

ロン毛「よく言われますよ」



銀狼「はあ…参った、まさか何十人にも囲まれるとは思ってもなかった…」ゲッソリ

チビ「カラスのぎょーすいだったねー、とりくさくてやんなっちゃう」

銀狼「それは違うような…あ、2人ともいたの?遅れてごめんなさい…って何してるの」

村人「」

ロン毛「」

銀狼「…おーい」

村人「」

ロン毛「」

チビ「へんじがない、しかばねのようだ」

銀狼「…」ズイッ

村人「」

銀狼「くらえ」ヘンガオッ

村人「ブッフォゥ」

銀狼「きゃー!ツバがー!」

チビ「オオカミさんなにしてんのほんと」


ロン毛「ふふ、どうやら私の勝ちの様ですね」ドヤァ

村人「いや、今のはノーカンでしょうに!銀狼さんもいきなり何してんですかね!」

銀狼「それ私のセリフなんだけど…顔洗ってくる」

チビ「なにしてたのふたりとも?」

村人「先に動いた方が負けゲーム」

ロン毛「そして負けた方は勝者に奢る運命なのです。と言うわけでトマトジュースをお願いしますね」

村人「はいはい。まったく、とんでもない介入があったもんだよ」

銀狼「私コンポタね」

村人「銀狼さん関係ないじょん!?」

銀狼「ツバぶっかけられたから、その報いよ」

チビ「わたしぎゅうにゅうがいい!」

村人「うええええ…わかりましたよお…」

受付嬢「私はミネラルウォーターで」ドアガチャ

村人「いきなり出て来て便乗しないで欲しいなあ!!!」




村人「てーか受付仕事は良いんですか。休憩時間じゃないでしょ?」

受付嬢「後輩に押し付けました。昨日から引き続いてクソカラスがしつっけーんですよほんと。激おこぷんぷん丸ですよ」

村人「なんですそれ」

銀狼「後一週間もすれば少しは落ち着くわよ…きっと」

チビ「それまでおねーさんのこーはいのストレスのきけんがピンチ!」

ロン毛「嫌な先輩ですねほんと」

受付嬢「配属早々私の服に盛大にコーラブチまけた恨みは一生忘れませんから、これでいいんですよ」

村人「…その後輩さんも、スライムだったりするんです?」

受付嬢「そんなわけないですよ、獣人ですよ。猫耳の」

銀狼「素直で可愛くていい娘よね。どこかの先輩と違って」

ロン毛「仕事をサボったりしませんからね。どこかの先輩と違って」

チビ「しょくむたいまんのごんげ!」

受付嬢「なんですかその言い草。それにあの娘は絶対そんなんじゃねーです、あざとくて計算高い猫被りに違いねーです!猫耳だけに!」

村人「そこまで言われてるのを聞くと、見たくなってくるな」

受付嬢「あ、今は真面目によしといた方がいいですよ。クソカラスがわんさか受付にいるでしょうから、あぶれた奴がグイグイ聞きにくると思いますし」

村人「うえーい、ちょっと残念」

受付嬢「それにしたって、可愛さであれば私だって負けちゃないと思うんですけどね?」

銀狼「貴女は残念なのよね、何かと」

お嬢が残念というところで今回は終わりなのです。
またキャラを増やすフラグを建ててしまった。でも暫くは登場しないでもらおう。
にしても側近さんて何してんでしょうね、普段。世話かけられる魔王様いなかったら仕事なさそう。
と言うか雑務課連中、お前ら仕事しろ。火龍は起きろ。

乙でした

ネコミミ!ネコミミ!

乙っす
1はネコミミ出せば喜ぶとでも思ってるのか?
次回からレギュラー、受付嬢とチェンジで

猫耳と思っていたら狐耳だった、なんてことは

一日が終わる前に滑り込むように更新するようになって来ました。どうにかならんかなあ
猫耳後輩は暫らくは出ません。出ないったら出ない。というか存在だけいることにしようか…
てなわけでだらだらとその場で考えながら垂れ流して行きます。



村人「…ほい」

ロン毛「ふむ、では」

受付嬢「はいな」

銀狼「チッ、パス」

チビ「はいっ」

村人「…パス」

ロン毛「右に同じく」

受付嬢「以下同文で」

銀狼「言うまでもないわ」

チビ「んとね、それじゃーかくめー」

村人「あひい」

ロン毛「なんと」

受付嬢「」

銀狼「よっしゃ。チビちゃん後で飴あげる」

チビ「わあい!」


チビ「はいっ!これであがりっ!」

村人「革命の置き逃げとは卑怯な…まあ大損害ってわけじゃないからいいけど。ほい」

ロン毛「私の被害は大きいですね…はい」

受付嬢「私はウルトラ大損害ですよ、破産してますよ。パスです」

銀狼「私とは真逆ね、私は負ける気がしない。はい」

村人「あー、パス」

ロン毛「同じく」

受付嬢「聞くまでもないでしょ」ムスーン

銀狼「はいはい。それじゃ私はこれで」

村人「ありゃあ、あっという間。ほいさ」

ロン毛「はい」

受付嬢「パス」

村人「へーい、あっがりー」

ロン毛「おやおや。2人だけになってしまいましたね」

受付嬢「降参でいーですよ、もう。勝てる気しねーですし。ほら」

ロン毛「なるほど。革命下でこの手持ちでは勝ち目なしですね」

チビ「わたしのてのひらの上でおどるがいい!」

受付嬢「踊らされましたよ、面白いように」


村人「な、そろそろ昼じゃないですかね?腹も減ってきたし」

銀狼「もうそんな時間?まあ、大富豪も飽きてきたから丁度いいわね」

チビ「そーいえばかーくんまだきてないね」

ロン毛「いいんですよ。来たら来たで十字架にでも貼り付けておきますから」

受付嬢「もちろん逆さ吊りですよね」

村人「目の前に美味そうな肉でも吊るしとけば効果も絶大じゃないかな」

銀狼「さらにその前で私達は食事をとると」

チビ「せいだいないきごろしのけい!」

ロン毛「早く来ないでしょうかねぇ」

受付嬢「必死に許しを請う姿が目に浮かびますね、ざまあないじゃん」

村人「ちょっと冗談に乗ってみただけなのに…怖いなあ皆」

銀狼「あら、冗談だったの?」

村人「えっ」


火龍(ヤバい会話が聞こえてきてるんですけどー!?俺入れないじゃんよ!!)


火龍(そりゃあな!寝坊した俺も悪いよ!)

火龍(けどさ!いつもよりちょっと寝過ごしただけなんだよ!間に合う筈なんだよ!)

火龍(だってのにマスコミカラス共に捕まってさ!?)

火龍(こっちゃ急いでるってのに、奴らこっちの都合なんざ構いもしねーわ話も聞かねーわでさ!)

火龍(かと言って有る事無い事言ってやり過ごすのは後々面倒だから出来ねーしさ!)

火龍(ってーかなんであいつら宿舎前でおしくらまんじゅうしてんだよ!近所迷惑って言葉はねーのか!ねーよな!迷惑考えられるなら突撃取材とかしないよな!)

火龍(まあ、あれだ!俺は悪くない!つーわけで今日は臨時休暇の申請でも出してくるとしようか!そうしよう!それがいい!)クルッ

受付嬢「みいつけた」ニタァ

火龍「おぎゃああああああああああああああああああああああ」

村人「うるさい」


火龍「なばばばばなんで扉閉まってるのに外、廊下にいんだよ!?」

村人「やー、転移魔法って便利だよねー」

受付嬢「ねー、触れてる人物も一緒に跳べるんですねー。魔王様のに便乗したことないからわからなかったですけど」

火龍「いや、ていうか、なんで廊下に」

村人「扉からブツブツ声が聞こえてきたから」

受付嬢「まあ誰なのかはわかりましたし、どうせなら驚かせてやろうと」

火龍「龍なのに鳥肌立つくらいビビったわ!」

受付嬢「まあまあ、お楽しみはこれからですよ?」

火龍「えっ」

受付嬢「磔逆さ吊るしが貴方を待ってますから」ニコッ

火龍「嫌だあああああああ!!」

村人「はいはい無駄な抵抗はしない」ガシッ

受付嬢「言い訳は中で聞いてやります」ズルズル

ーーーーーーーーーー


魔王「ふひー…やあ…」

村人「ありゃ、魔王さん。エラく疲れてますが」

受付嬢「重役出勤とはいい御身分ですね。もう日も傾いてますが」

魔王「いや、私実際重役…じゃなくて、報告に…」

銀狼「報告?まさか金を使い果たして給料が払えなくなったとか」

魔王「冗談言わなくていいから…村人君の話だよ、あちこち飛び回って、なんとか不要な拡大を防ぐように念を押してきたから…」

村人「ああ、そんな話もありましたね」

ロン毛「そう言えば魔王様はそれで昨日からいないんでしたっけね」

チビ「けいひでいくこくないりょこうはみつのあじ!」

魔王「そんなことしてないから…って」

火龍「」ブラーン

魔王「何あれ」

銀狼「干し蜥蜴です」

受付嬢「罰は誰にも等しく与えられるべきです」

魔王「すごい、まったく理解出来ない」


村人「まあまあ。そんなことより今日はもうあがっちゃいましょうよ」

銀狼「そうね、昨日みたいに歴史の授業やってるわけでもないし」

ロン毛「今日はただの無駄話しかしてませんからね。目玉焼きに何をかけるかとか」

魔王「無駄話?」

村人「塩コショウでしょ。ベーコンエッグにゃソースだけど」

チビ「ケチャップだよ!」

受付嬢「いや、マヨネーズだって」

銀狼「何もかけなくていいじゃないの、別に」

ロン毛「結論が出ませんねえ…いつまでたっても議論が平行線じゃないですか」

銀狼「ロン毛さんのが一番おかしいけどね。なんで砂糖なのよ」


魔王「あー、うん。皆ちょっといいかな。ちなみに私は塩コショウ派だけど」

村人「さっすが魔王さん」

魔王「皆は今日一日、何してたの?」

5人「…」

火龍「」ブラーンブラーン

5人「…」

村人「…そんなことより今日はもうあがっちゃいません?」

銀狼「そうね、昨日みたいに歴史の授業やってるわけでもないし」

魔王「皆始末書、きっちり書いてねー。火龍君も叩き起こして」ドアガチャ

受付嬢「デスヨネー」


【村人のおうち】

村人「そんなわけで今日は遅くなりました」

村女「何をしてるのよ本当」

村人「大富豪」

村女「自業自得ね」

村人「まあこうして抱きつかれてやってるんだから」

村女「逆。貴方が抱きつかれて貰ってるの。勘違いしないように」

村人「大差ないじゃんか」

村女「気の持ちようの違いよ」


村女「というか、どうして仕事が無いのよ」

村人「同じこと訊いたけどさ、基本、仕事が舞い込んでくるのを待ってるらしいんだよ。何もなけりゃ暇を潰すか掃除をするからしい」

村女「何それ。なんでそれでやっていけてるのよ、雑務課って」

村人「俺に訊くなよ。まあ果報は寝て待てって言うだろ」

村女「仕事は寝てても来ないわよ」

村人「おっしゃる通りです」


村人「まあ、さ。いい加減仕事をしたくはある。これじゃ何の為に就職したのかわからない」

村女「魔王を欺いて潜入し、暗殺する為じゃなかったかしら」

村人「いつから刺客になったのかな俺」

村女「ついこの間でしょ?」

村人「これは勇者の紋章なんだけどなー」

村女「ただの落書きだけどね」

村人「落書き言うんじゃないやい」


村女「そうやって心配しなくても大丈夫よ、いつかちゃんと仕事が来るわ」

村人「さっきはあんなこと言っといて、今度はそれかい」

村女「貴方は良い人だからね。善人にはそれ相応の良いことがあって然るべきなのよ」

村人「なんだそれ。俺は何処にでもはいないけど、こないだまでは普通の一村民だよ。今は勇者でもあるけど」

村女「それよりも先に私の夫。私の夫が不幸な目に遭う筈ないじゃない」

村人「なんだそのよくわからん根拠。しかも良い人関係ないし」

村女「関係、大アリなんだけどね」

村人「まったく、何のことやら」

村女「忘れた、覚えてないとは言わせないけど?」

村人「…恩を押し付ける気はないと言ったんだけど」

村女「私が勝手に恩返しを押し付けるから。昔にもこう言ったわ」

村人「いきなり昔の話をしなさんな」

村女「思い出しちゃったんだもの。仕方ないじゃない」


村人「ところで、そろそろ離してくれませんかね。晩飯食べてないだろ?」

村女「それもそうね。今なら私が美味しく仕上がってるから」

村人「たーまご、たまごー、卵はあるかなー」

村女「あ、こら、話は最後まで聞く」

村人「…な、目玉焼きに砂糖って…アリかな」

村女「ないわね」キッパリ

今回はこれで。
火龍はやっぱり不憫。不憫の星の元に生まれているだけに。そんな設定はないけど
軽く2人の過去のことを仄めかしてみたりなんかしたり。まあ、何かなきゃ村人に執着と言えるほどの態度は示しませんよね、そりゃあ

ちなみに目玉焼きには塩コショウ派です。


一気読みしてきたけどすごく面白い
村女がガハラさんで脳内再生余裕

乙です
目玉焼きは当然塩コショウだよね

夜間更新がデフォになりつつある。こんばんはでした。
いつも通りの牛歩更新。

ーーーーーーーーーー


村人「さて、今日は休日です」

村女「仕事始まってから、一度も仕事していないのに休日だなんていいご身分ね」

村人「休日は万人に平等に訪れるもの!だからいいのです!」

村女「悪平等って感じもするけど。でもまあ、確かに休日ね。貴方は」

村人「休日…だけどさあ」

村人「やることがないんだよなあ」


村人「どうしよっか」

村女「一日中運動会でもいいんだけど」

村人「馬鹿を言うな、何が悲しくて休日に疲れなくちゃならないんだ」

村女「突かれるのは私の方だけど」

村人「あーもーなんか久々な感じだなー!このやり取り!」

村女「貴方が外で女を作ってるからね」

村人「同僚です、人聞きの悪いことを言わない」

村女「同僚があんなこと言うかしら」

村人「…気にしない」

村女「気にされたらされたで困るけどね」


村女「それで、どうするの?私は別に構わないのだけれど、一日中こうして猥談してるつもり?」

村人「猥談に持っていってるのはお前だろ。ただまあそうだよなあ」

村人「さっきも言ったけど、やることないし」

村女「そうね」

村人「したいこともないし」

村女「そうね」

村人「かといってだらだらしてるわけにもいかないし」

村女「そうね」

村人「昼飯何食べたい?」

村女「そうね」

村人「えっちらオットセイ」

村女「そうね」

村人「話聞いてないだろ」

村女「そうね…あっ」

村女「私の中で貴方が次々と現れて、柵を越えていくのをただただ眺めていたわ」

村人「俺は羊じゃないんだからさ」


村女「だって退屈じゃないの」

村人「人が話してるのに退屈って」

村女「同じ話題の反芻よ、聞き飽きたわ」

村人「ぐうの音も出ない」

村女「ぐう」

村人「いや、そうじゃなくて」


村女「今気付いた、というか前から思ってたけど」

村人「なんでしょ」

村女「私達ってまだ結婚してないわよね」

村人「まだ書類提出してないからな」

村女「まあそれはいいのよ、事実上夫婦みたいなものだし」

村人「お前もお前で式挙げたいって言ってるしな。まあ金はまだ待ってくれよ」

村女「急いでないから別にいいわ。それよりも重大なことが」

村人「なんざんす」

村女「せっかく同居始めてからと言うものの、イチャイチャしてないわよね、私達」

村人「いや、してるだろ。(お前が)朝まで抱き付いてたり、帰ってきたら抱き付いてきたり」

村女「あんなのはスキンシップよ」

村人「嘘だろ」


村女「だってまだキスもしてないし」

村人「恥ずかしいじゃん」

村女「まだアイアンメイデンだし」

村人「いやなんといいますかその」

村女「どんだけヘタレなのよ貴方」

村人「はい」

村女「はいじゃがいも」ブンッ

村人「いてえ!?どっから取り出したの!?」

村女「そこらに転がっていたので、つい!」

村人「つい!じゃないだろ」


村女「まあ、いいわよ別に。私の方から無理矢理押し倒して既成事実作る気はないし」

村人「信じていいんでしょうか、それ」

村女「貴方は信じてくれていると信じているから、それでいいのよ」

村人「なんだそれ」

村女「単なる自己満足ね」

村人「自己満足て。しょうがない、信じてやるよ。これで確信になるだろ」

村女「あらカッコいい。その調子で私の唇も奪ってみましょうか」

村人「ああ、そこまでは踏み込める気がしないなあ」

村女「なんでよこのヘタレ」


村人「まあまあ。そーいうのはまた今度と言うことでさ」

村女「いつでもウェルカムだって言うのに、どうしてそこまで奥手なのかしらね、貴方は」

村人「いや、その、なんでなんだろうね」

村女「前言撤回。やっぱり襲ってやろうかしら。強引にでもないとこの牙城は崩せる気がしないわね」ガタッ

村人「なにその顔怖い今まだ朝だよ奥さん!」

村女「善は急げって言うでしょ?と言うわけでファーストキスいただきまーす」

村人「やめてー!」


【魔王城 - 受付】


受付嬢「ぷぇー、くっそ暇です」ダラーン

ロン毛「見たら分かりますよ」

受付嬢「だったら何か暇を潰せる何かを提供してくださいよ」

ロン毛「一応貴女は受付の仕事をしている身なのですから、他のことをしていては職務怠慢でまた始末書を書かされますよ?」

受付嬢「どぅあーってー、今日は休日だってーのにあのメス猫、昨日と一昨日し後と押し付けられたからーって私に今日押し付けやがったんですよー乗り気じゃないですー」

ロン毛「自業自得ですね、自分のした業は必ず自分に返ってくるんですよ。身を以て知る事ができて良かったじゃないですか」

受付嬢「よくねーです」ムスーン


受付嬢「ってーか、なんでロン毛さんいるんですか。休日じゃないんですか」

ロン毛「宿舎でただ転がっているのも暇でしてね。城でもブラついていようかと思ったら貴女が暇そうにしてたわけですよ」

受付嬢「…まあ、話相手がいないよりはマシです」

ロン毛「尤も、これ以上職務を妨害するわけにもいかないので、私は城の探索に戻りますがね」

受付嬢「おにー!あくまー!裏切り者ー!」

ロン毛「吸血鬼ですよ?」

受付嬢「そゆことじゃないわい!」


【魔王城 - 魔王の部屋】


魔王「んごおおおお…」

側近「…」

魔王「おおお…ぷーひゅるる」

側近「…」

魔王「ぶひゅぅううう…」

側近「…」

魔王「もんじゃ焼き食べたい…むにゃ」

側近「せめてイビキで統一しろよ」


【街 - 中央広場】


銀狼(まだ朝だけど、ここは活気があるわね)

銀狼(市場が近いのも関係していると思うけど)

銀狼(あ、あの人ただ者じゃないわね)

銀狼(あっちの人、今なら誰にも気付かれずさっくりやれそう)

銀狼(…)

銀狼(誰もいないとついこんなこと考えちゃうわね)

銀狼(あ、ホットドッグ売ってる。買お)


銀狼(美味しい)ムグムグ

銀狼(5個は少なすぎたかな)ペロリ

銀狼(さて、これからどうしようか…ん)

キャーキャーワーワー
サインクレヨー
アクシュシテー
ケッコンシヨ

銀狼(何、あの肉団子)


エルフ「…」トオイメ

ファンA「やっぱりね!こないだのは何かの間違いだったのよね!というわけでエルフちゃん可愛い!」
ファンB「そう、こないだのは俺の目が何か間違って生み出した幻覚なんだ!というわけで俺の服にサインしてくれー!」
ファンC「握手…握手してくれれば…もう、それでいいんだ…」
ファンD「結婚しよ」
ソノタモロモロオシクラマンジュー

エルフ(なんで私が買い物に来ただけでこうなるんだろう)

エルフ(これじゃ、せっかくのオフなのにゆっくり出来ないじゃない)

エルフ(どこからどう見ても私だとわからないようなファッションの筈なのに…)ウツロナメー

ファンE「エルフちゃんのバレまいとする必死な変装姿も美しいですね」

ファンF「しかし哀しいかな、我々はあの美しい髪一つですぐに見分けがついてしまう」

ファンE「見かけたが最後、見えなくなるまで追うのがその運命ですから」

ファンF「仕方のないことなのですよ」


銀狼(あ、あの娘知ってる。有名なアイドルか何か)

銀狼(アイドルでも普通の街に買い物に来たりするのね…意外だな)

銀狼(あんなんじゃ、とてもじゃないけど買い物なんて出来そうにもないけど)

エルフ(…こないだは、助けを求められそうな人がいたからいいけど)

エルフ(流石にそう都合良くまたいたりしないよね…)チラッ

銀狼(ん)チラッ

エルフ(あ)

銀狼(目が合っ…何か嫌な予感がする、逃げよ)

エルフ(視線を逸らした、逃がさないわ!)

エルフ「待ってくださいお姉様!」トテトテ

ファン共「」
銀狼「」


【職員宿舎】


火龍「いやあ、なんか悪いスね!朝飯いただいちゃって!」ガツガツ

チビ「ちっともわるびれてないけどね!」パクパク

火龍「るせっ。お前も食べてるじゃねーかよ」

母「おほほ、いいのよ。どーせだらしない旦那と私の分作るだけよりも作りがいがあるし」

父「その言い方は酷くないかな」

母「それに、昔みたいで。賑やかでいいじゃない」

父「あーうん、それはその通りだね」

火龍「でも俺、お裾分けに来ただけなのにこんなに食べちまって」

チビ「えんりょのかけらもないね」

父「気にしなくていいんだよ、厚意は黙って受け取るのが正解さ」

母「それに、こんなにお肉戴いちゃっても私達だけじゃ食べ切れないからね!ほっほっほ」


火龍「…なんでオヤジは朝っぱから肉を届けたんだろ。しかもまだ余ってるんですよ」

母「雑務課の皆で焼肉パーティでもしちゃえば?」

火龍「ああ、いいっスねそれ!」

父「いいのかなあ、そんな簡単に決めちゃって」

チビ「かーくんはあとさきかんがえないから」

火龍「俺を馬鹿扱いすんなよな。なんで馬鹿みたいな扱いされてんだよ俺」

母「気にしたら負けよ」

今回はこれで。
今回は皆の休日編。前編ぽくなった。思い思いの休日を過ごせていない奴ばかり。
そして何の因果か、エルフちゃん再登場の巻。どうする銀狼、君の休日はどこへ向かうのか。
いやあ、皆楽しそうですね村人さん…死、死んでる!?なんてことはない。でもどうなる。

乙でした


最近の楽しみだこれ

こんばんはでした。キス島撤退作戦は強敵でしたよ…
艦これのSSも書いてみたいな、と思うけれどこっちがある以上手が出せないという。ほんとはすぐに終わるつもりだったのにね!

ちなみに更新は日付が変わってからの予定なのです。進撃の巨人のせいじゃないのです。そういうことにしてください

>>311
まさか提督だったか……
キス島クリアおめでとう、スレも楽しみに待ってる!

>>312
2週間ずっとキス島通いでやっとでして…うへえ



なるほど、今回の進撃の巨人は精神を殺すだけの話か。
ははは。アニメ製作兵団も酷いことしてくれるなあ…あ、気分は滅入ってますが、一応書き始めます。


【魔王城 - 受付】

受付嬢「ぷぇー」ムスーン

受付嬢「どこもかしこも休日だからなんでしょうか」

受付嬢「うぜえマスゴミ共すら来ません」

受付嬢「メガトル暇です」

受付嬢「ロン毛さんには裏切られるし」

受付嬢「ていうかどうして受付嬢役って2人しかいないんですか」

受付嬢「暇潰しにくっちゃべることも出来やしねーとか」

受付嬢「…」

受付嬢「愚痴っても虚しいだけです、ぷぇ」


ロン毛「本当に退屈そうにしてますねえ」

受付嬢「ここで会ったが百年目!今こそ積もりに積もった恨みを晴らしてくれようぞ!」

ロン毛「おや、元気そうですね。なら私はこれで」

受付嬢「あー行かないでくださいまた私を捨てるんですかロン毛さん見捨てないで」

ロン毛「人聞きの悪いことを。私は貴女が職務怠慢扱いにされないように、あまり話さずにここを去ったと言うのに」

受付嬢「どーせ誰も見ちゃねーですよ、気にしない気にしない」

ロン毛「あ、魔王様」

受付嬢「いらっしゃいませぇー!」

ロン毛「嘘です」

受付嬢「鼻穴から侵入して内部からぶっ壊してやりましょうか貴方」

ロン毛「ああ、右腕と上半身だけを残して吹き飛ばされた時は死ぬかと思いましたよ」

受付嬢「この程度じゃ死にそうにないですね、流石吸血鬼」


受付嬢「…はあ」

ロン毛「何ですか、いきなり溜め息なんて」

受付嬢「やあ、やっぱり暇だなあと」

ロン毛「貴女いつもどうやって受付やってるんですか」

受付嬢「いつもこんな感じですよ。毎日来客があるわけでもないし」

ロン毛「座ってばかりいるわけですか…辛くはないので?」

受付嬢「けっこー辛いです」

ロン毛「ああ、やっぱり」

受付嬢「時々は後輩がいたりするんで、しりとりとかしてますけど」

ロン毛「やっぱり職務怠慢ですね」

受付嬢「座ってるだけのチョロい仕事です」


【魔王城 - 魔王の部屋】

魔王「んがー…ぎゃおー…」

側近「じゃんけんほいっ」

魔王「ぐるるるるる…」

側近「あいこでしょっ、あいこでしょっ」

魔王「ズャァ…」

側近「あいこでしょっ、あいこでしょっ」

魔王「すぴー」

側近「あいこでしょってあ、負けちゃったよ、せっかくの1人じゃんけん連続あいこ記録更新が」


側近「て言うかいい加減起きろよ」ハラパァン

魔王「パァン!?おふっ、なんでおなか…」

側近「おはようございました魔王様。とっくのとうに昼です」

魔王「え、あ、おはよう側近ちゃん…でもも少し寝かせて…」

側近「許さないじゃん」フトンハガシーノ

魔王「ああん!酷いじゃん!」

側近「国のトップが呑気にグータラ過ごしてんじゃねえぞ」

魔王「だって今日休日…」

側近「何を甘えたこと言ってるんですか、そんなもの貴方にある筈ないでしょう」

魔王「そんなことないでしょ」

側近「あると言ったら」

魔王「魔王権限で休み増やす」

側近「職権濫用にも程がある」


側近「貴方が呑気にゴロゴロ惰眠を貪っている間にどれだけ仕事か滞ると思ってんの?」

魔王「今日休みだから仕事は進まないよ…」

側近「働いてる職員もいますけど」

魔王「マジかよ」

側近「貴方の目の前にもいます」

魔王「それは側近ちゃんの趣味なんじゃ」

側近「両手足縛って火山の火口に突き落としてやりましょうか。どうせ転移出来るんだからいいですよね」

魔王「よくないよ!?てか、その転移で疲れ果ててるんだから休ませてよ!」

側近「それ一昨日帰って来たから昨日おもっくそ休んでたじゃん」

魔王「別にいいじゃん」

側近「よくないじゃん」

魔王「そんな細かいことどうでもいいじゃん」

側近「別に寝てもいいですけど、その間に両手足縛って」

魔王「さーて今日も元気にはたらこー!」

側近(休日なんですけどね)


【街 - 商店街】

銀狼「…どうしてこんなことに」ハァ

エルフ「あはは…ごめんなさい」

銀狼「理由は聞いたからもういいけど、まだ着いて来てるわよ、貴女のファン」チラッ

ナニヨアノオンナワタシノエルフチャントテナンカツナイジャッテムキー
オレニハナニガオキテルノカサッパリワカラン
アクシュ…
ケッコンシタイ

エルフ「ファンっていうかストーカーって言うか…変装して街に出てもいつの間にやら10数人に取り囲まれるんですよ、いつも」

銀狼「変装が甘いんじゃないの?」

エルフ「そんなことないです!今日なんてパッと見じゃアイドルとは思えない庶民ルックですし!」

銀狼「まあ、そう言われればそうね。そうなると私にはわからないけれど」

エルフ「はあ…私が平穏に買い物出来る時はいつ来るんですかね?」


銀狼「とか言ってるけど、既に買い物結構してるわよね」

エルフ「それは言わない約束です」

銀狼「…それに、意外にも普通に食材ばかりを」

エルフ「安いですし」

銀狼「貧乏なの?」

エルフ「倹約ですよ、デキる女の心得の1つです!」

銀狼「私は貴女のことよく知らないけれど、貴女の路線的にはもっとこう、キャピキャピしてなんというかあざとい感じの方が」

エルフ「いやあ、それでも良かったんですけどね?売れるだけなら…ただ」

銀狼「ただ?」


エルフ「この間もさっきと同じように、ファンの人におしくらまんじゅうされまして」

エルフ「やっぱり助けを求めたんですけど、その時に出会ったあの人に、なんでしょうね?運命的な?シンパシー?とにかく感銘を受けたと言うか」

銀狼「さっぱりわからないわね」

エルフ「まあとにかく!クールビューティというか!大人のふいんき!そこにズキュンと来たわけです!」

銀狼「"ふんいき"、ね」

エルフ「そしてわたしは思ったわけです、クールビューティ…つまりデキる女になるにはどうしたらいいかと」

銀狼「なれるような物かしら、それ」

エルフ「あの人のように、自然と身体から滲み出るオーラを一朝一夕で得ることは叶いません、けれども生活スタイルを真似ていればいずれは身に付けられると!」

銀狼「その人には助けて貰っただけなんじゃ…」

エルフ「そうですが」

銀狼「それなのに生活スタイルなんて…」

エルフ「妄想で補ってます」

銀狼「ダメじゃないのそれ」


エルフ「私の妄想力を舐めちゃいけないですよ!これでもその妄想が当たったことはあるんです!」

銀狼「何回くらい?」

エルフ「100回中3回くらいですかね」

銀狼「アテにならないわね」

エルフ「気にしないことにします。にしても、あの人は彼氏さんと一緒でしたけど、お互いに何も言ってないのに、互いが何をするのか理解し合っていて…羨ましいですねえ、凄いですねえ、何年一緒にいるんでしょう」

銀狼「話、逸れてるけど」

エルフ「あ、そうでした。何の話でしたっけ」

銀狼「今日の晩ご飯」

エルフ「あー、あー、そうですそうです。何にしようかなあ、今日の晩ご飯」

銀狼「魚にでもしたら?物覚えが良くなるらしいから」

エルフ「まだピチピチの18歳ですー!ボケなんか始まってないですー!またお姉様って呼びますよ!?」

銀狼「それはやめて」

今回はここまで。
ここまでは話がぽんぽん出てきたんですけどね。残りをどうしよう。てかどう纏めよう。

いつも通りの時間。
話を思いついてないんですが、投下していこうかと。


【村人のおうち】


村人「ハッ」ムクリ

村人「私はどこ、ここは誰…ん」

村女「すう…」

村人「…寝てやんの。よっこらせと」ダキアゲッ

村女「んー…?」

村人「寝るならベッドで寝ろよな…身体痛めちゃうだろ」

村女「どの口が言えたことかしら」パチクリ

村人「ウヒャァ」

村女「お姫様抱っこって、意外と顔が近くに来るのね。そうだ、貴方一応勇者なんだし、それらしいこと言ってみたら?」

村人「おはようございます」

村女「0点」


村人「ってか、どの口がってどういう」

村女「それよりも先に降ろしてくれる?」

村人「アッハイ」スッ

村女「ん。言っておくけど、先に寝た…というか失神したのは貴方の方だから」

村人「マジで」

村女「覚えていないの?」

村人「ちょい待ち、うぇーと俺の最後の記憶は…ああ、思考がオーバーロードしたんだ」

村女「単にヘタレな意気地無しの根性無しに加えて、玉無しなだけでしょ。カッコつけるな」

村人「酷い言い様」

村女「事実をありのままに述べただけよ」


村女「大体、どうして貴方は性欲が皆無なのよ、普通あれだけこんな美人に迫られたらヒャア我慢出来ねえ!ってなるもんでしょ」

村人「自分で美人言うか。事実だけど」

村女「えっああうん」

村人「しかしそう言われましてもね、無いもんは無いんだから仕方ないじゃんかよ」

村女「普通、少しでもムラッとはくるもんでしょ」

村人「と言われもうしても」

村女「それとも何か?まな板じゃ自慢のマイサンは反応しないって?そういうことなの?あのただ無駄に肥え太っただけの脂肪の塊がいいと?そう言うのかしら貴方は」

村人「落ち着け、取り敢えず落ち着け」

村女「…どうして私はこう、崖みたいな凹凸すらない、まな板なのかしら」サスサス

村人「俺は気にしてないけどな」


村人「そう言えば話がなんか逸れてるような」

村女「貴方が気を失ってから、私が貴方をベッドに放り投げてから暇だからジッと観察してたら私も寝ちゃってたって話?どうでもいいわよそんなこと」

村人「寝てる間にそんなことが、ってどうでもいい言っちゃったよ」

村女「貴方の周りにはでかい人がいるわよね。あの受付嬢のはでかいし、獣人の人のは並程度にはあるし」

村人「火龍もでかいけどな」

村女「身長が、でしょうが。話を聞いてないでしょ」

村人(だってどうでもいいからなあ)

村女「どうでもいいって考えてるでしょ?分かるんだから」

村人「なんですと」


村女「私としては結構死活問題なのだけれどね。見た目に女らしさがないから。大体ここのせいなんだけど」バンバン

村人「他の所は微塵も問題ないけどな。肌綺麗だし太ももには挟まれたいし余分な肉ないし髪綺麗だし美人だし可愛いし俺の嫁だし」

村女「性欲が皆無と言ったけど撤回するわ。意外と私のこと見てるのね、色んな意味で」

村人「いや、目についた部分だけで言ったから、探せばもっと」

村女「やめて頂戴。恥ずかしいから」

村人「恥ずかしがる所とか最高なんだけど」

村女「いつの間に立場が逆転してるのかしら」

村人「フハハ!精々耐えてみせるんだな!」

村女「自分の嫁を悩殺する勇者ってなんなのよ、もう…」

村人「止めはしないのな」

村女「えっ猶予あったの?」

村人「それじゃいっきまーす」

村女「ちょっと待って今ので心の準備が」

今日はちょっぱや。投下終わり。
眠いのです。寝落ちするくらいなら先に終わるべき。

乙可愛い

乙でした

いつもより早めに。
そう言えばMH4が今週発売ですね。武器、何を使おうかな


【職員宿舎】

火龍「んごっ…あ?ここは?」

チビ「あ、かーくんおきたの」

母「あら、やっと起きたの。もう夕方よ」

火龍「夕方…?うわ、マジだ。俺いつから寝てた?」

母「お昼食べて、横になるーって転がってから、ずっとね」

チビ「くっちゃねざんまい!ふとれ」

火龍「うげえ。朝から人の部屋に上がり込んで、朝昼と飯食ってそんで寝るってなんだよもー…すんません」

母「そんなこと気にしなくていいのよ、細かいこと気にしてるとハゲるわよ?うちの人みたいに」


火龍「おとーさんまだ完全にハゲちゃねーだろ…そういや、そのおとーさんは?いねーけど」

母「皆を呼びに行ってるわよ」

火龍「…皆?なんで?」

母「やあね、ほら焼き肉パーティするからに決まってるじゃないの。言ったじゃない」

火龍「はあ!?えっ、今朝のアレ、ええ!?」

母「ちなみに場所は、ウチの息子の家ね。外で食べる方が美味しいからね」

チビ「タダメシさいこう!」

火龍「えっ、ええー…」


母「ほら、いつまでも座ってないで準備を手伝って。君には肉を運んでもらうからね」

チビ「てーこーするだけむだだからね!」

火龍「うええ…せめてさ、アポくらいはとって」

母「ないわよ?なんで息子の家に行くのにアポがいるのよ」

火龍「ひっでえなあ!てーか出掛けてたりしたらどうすんだよ」

母「勝手にやってりゃか帰ってくるでしょ」

火龍「行き当たりばったりにも程があるんじゃねえの!?」

母「ピーピーうるさいわねえ。もうちょっとタダの馬鹿かと思ってたけど、結構神経質なのね」

チビ「かーくんはふだんからさんざんなめにあってるから、たぶん、そのせい」

火龍「なんだろうなあもう、どこ行っても振り回されてばっかりだ、俺…」

チビ「きのうはつるされたけど、ふりまわされてないよ?」

火龍「そーじゃなくてなあ!」


【街 - 中央広場】


エルフ「はー、買った買った!数年分くらい一気に買い物した気分!そんなに買ってないけど!」

銀狼「…倹約はどこに行ったのよ」

エルフ「そんなものはあくまで心得です、守れればいいなー程度のものです、そんなもの」

銀狼「貴女、宿題とか絶対後回しにして遊ぶタイプでしょ」

エルフ「…」フイッ

銀狼「顔を逸らすな」

エルフ「違います、私は悪くありません、解けない問題を宿題にする教師が悪いんです」

銀狼「そうやって他のもののせいにする方が悪い」

エルフ「ぶー!お母さんみたいなこと言わないでくださいよー!」プンスコ

銀狼(本当に言われてたんだ…)


エルフ「…でも、今日は本当に楽しかったです。こんなに長く遊んだのは久し振りで」

銀狼「そうなの?私としては振り回されただけな気がするんだけどね。それもかなり強引な始まり方で」

エルフ「あはは…それはそれ、ということで」

エルフ「でも本当に、今日は楽しかったです」

銀狼「何回言うのよそれ」

エルフ「大事なことです!本当に楽しかったんですからー!」

銀狼「はい3回目ー」

エルフ「数えなくていいですー!」プンスコ

銀狼「はいはい」


エルフ「…休日に外に出れば、ファンの人に取り囲まれるし、気の合う友達もいないですから、こうやって遊ぶこと自体久し振りなんですよね…」

銀狼「ねえ、一人語り始めるんだったら帰ってもいいかしら、私」

エルフ「酷くないですか!?人参ってものが貴女にはないんですか!?」

銀狼「人参…」プスー

エルフ「にんじっ…人情!人情だからぁ!そうやってもー!」

銀狼「あはは、ごめんなさい、つい、ね」

ピンポンパンポーン

銀狼「ん?」

エルフ「なんでしょ、タイムサービスのお知らせとか?」

銀狼「そんなことわざわざ街中に放送しないでしょうに…迷子の案内か何かでしょ」


『えー、魔王城にお勤めの、迷子の銀狼さん。魔王城にお勤めの、迷子の銀狼さん』

『お連れの方達が探しています。西部の交番までお越しください。繰り返します、魔王城にお勤めのーー』

イイトシコイテマイゴカヨー
ドンダケホウコウオンチナンダヨソイツ


銀狼「」

エルフ「…予想、的中ですね?ってか、お連れの方?私?」

銀狼「…こんなことするのはっ」ダッ

エルフ「へ?ああ!ちょっとぉ!」



アレ、サッキノホウソウデイッテタヒトジャネ?

タブンソウジャネーノ

マイゴダッテネー、オトナニナッテカラハヨビダサレタクナイネー

サラシモンダナア、オレナラシニタクナルワ


銀狼「どう、いう、つもりかしらねえこれは!」カベドンッ
交番の壁「アヒイ!ウレシクオモイマスゥ!」

受付嬢「だってこの広い街で人1人探すのなんてめんどくせーじゃないですか、こうすれば勝手に来てくれると思いましたし」シレッ

銀狼「んのっ、他にも方法があるでしょうが!!」ガーッ

受付嬢「こっちの方が手っ取り早いじゃん?ね?」ウインクッ

銀狼「ね?じゃ、ない!!」


ロン毛「止めはしたんですがね…街にいるとも限らないと言うのに」

魔王「と言うか、止める間もなかったよね。勝手にどっか行ったと思ったら時既に遅し」

受付嬢「ま、探す手間も省けてさっさと見つかって結果オーライってことで」

銀狼「んっとに、もおおおお!!!」

受付嬢「貴女、狼でしょ?牛じゃないですか、その鳴き声」

銀狼「違あああう!!!」

受付嬢「えっ狼じゃなかったんですか」

銀狼「そうじゃなくてねえ!!!」

父「あ、交番に来てる」ノコノコ

側近「探しに出た意味がありませんでしたね。まあ、あんな放送を流されては…」


受付嬢「あ、2人ともおかえりなさい。無事にこの迷子の狼…じゃない、迷子の雌牛なんは見つかりましたよ」

銀狼「喉を潰してもその減らず口が治らないか実験してもいいのかしら」

受付嬢「いやん怖い」

父「すっごい怒ってる…やっぱり人海戦術で探した方が良かったって」

受付嬢「街にいなかったら時間の無駄になるじゃないですか」

銀狼「身体が無事でいられるかは考えなかったのかしらね」

魔王「ところでさ、そっちの子は?本当にお連れの方かいるとは思わなかったけど」

銀狼「はあ?」クルッ

エルフ「あ、はは…」

銀狼「…なんでいるのよ貴女は」

エルフ「いや、その…つい」


魔王「私らこの後焼き肉パーティするんだけど、良かったら君も来ない?」

エルフ「よっしゃータダメシ!(えっ、いいんですか?)」

銀狼「心の声出てるけど…って、焼き肉パーティ?」

ロン毛「火龍さんの実家から肉が大量に送られて来たので、ということらしいですよ。私達はおとーさんに招待されている身で」

側近「それで、唯一宿舎や城にいなかった貴女を探していたわけですけどね」

銀狼「…一日中部屋に篭ってれば良かったとこれ程思ったことはないわ」ガクッ

エルフ「いや、それをされてたら私が困ってます」

魔王「あ、今気付いたけど君ってアイドルのエルフちゃんじゃん。うわー、本物初めて見たよ」

エルフ「あっ、はいそうです」

銀狼「ん…唯一いなかった、って、彼は…村人君は?城に来てたの?」

父「いや、アイツの家でやるから。だったら別に探したりする必要もないわーってウチのが言ってたから…」

銀狼「…いいのかしら、それ」

魔王「それじゃ、銀狼君も見つけたことだし、早速行こうか!」

側近「歩きで?」

魔王「え?違うの?」

受付嬢「転移してくださいよ、面倒ですし」

魔王「人使い荒いなあ…ここに来る時も転移じゃん…」

ーーーーーーーーーー

【村人のおうち】


村人「ーーでな、俺はガキの頃からずっとお前を見てきてるわけだがな、1年刻みでお前の体型を思い返せるくらいにはお前の姿を完全に網膜に、脳裏に刻んでるわけだよ。勿論、お前に好意を抱いてない時はおぼろげだけど、12、3歳頃からかな。そっからは完全完璧ですよ奥さん。お前はしょっちゅう俺のこと大好きアピールしてくるけど、俺はそれに劣らないくらいにはお前のこと好きだからな?OK?さて、話を戻そう。戻るのか?まあいいや。俺がお前に惚れ始め、13くらいの時だな。お前は14か。あの頃は大変なこともあったけどなー。まあ、あれがきっかけでね、俺の中ではそれまでただの幼馴染で友達ってだけだったお前のことをね、意識し始めたわけですよ。不謹慎だけどさ、泣いて俺に抱きつくお前を見てね、守ってやらなくちゃなって思ったんだよ!あとついでに子供から大人に脱皮しかけてる感じのお前のね!なんというかね!うっひょいひょいなわけだよ!昔からいい女だなあ!俺が5人いたらあの場面で5人とも落ちてる。断言できる。でもさ、1番綺麗なのは今のお前だよな。うん、出来ることなら1日中撫で回していたいけどそれは出来ないからな。流石に我慢してる。あとな、お前まな板なの気にしてるけど気にすんなよ?俺の脳内メモリーによればこの20年でお前のまな板は確実に成長してるからな、問題ない。ちなみに10年前からは1cmの変化です!おめでとう!さて次はなんだ、何にしようかな…」

村女「」ユデダコー


村人「そうだな、俺の20歳の誕生日の時のことでも話そうか。あの時はさ」

受付嬢「おい」

村人「…」

村人「…?」クルッ

一同「…」ジトーッ

村人「…」

村人「Oh」

母「Oh、じゃないわよこの馬鹿息子」

村人「どこから聞いてた?」

銀狼「1年刻みで体型を思い返せる…くらいから」

受付嬢「ていうか、よく思い出せますね、なんかもう呆れるどころか素直に驚嘆するしかないです」

エルフ「そんなことないです、気持ち悪いだけですけど」


ロン毛「はあ…どこから、言葉にしていいやら」

魔王「言葉にしない方が正解かもね…」

側近「普通に見たらとてつもなく危ない人種ですね、貴方」

村人「なんで俺呆れられてんの?」

父「それくらい自分で考えなよ」

火龍「邪魔すんぞー。おーい、アンタ大丈夫かー」

村女「お父さん…お母さん…今私も逝くから…」

火龍「おい、あの世逝きかけてんぞ」

村人「キスすれば治る」

村女「してくれるの?」ガバッ

村人「嘘です」

村女「なによ…ん?いつの間にかお客さんがわんさか…というか、もう夕暮れ!?」

村人「うわ、本当だ。気付かなかった…」

母「いつからやってたの、アレ」

村人「ん?昼前…いや、昼過ぎか?」

受付嬢「うわあ」

うわあ。ってところで今回は終わり。
それにしても村人がどうしようもねえ奴だった。

うわあ


これはただの農民にしとくにゃ惜しい人材だ

乙でした

3-4攻略出来る気がしないなあとか思いながらこんばんはでした。投下開始の時間なのです。
にしても、メガガブリアスってなんだよ…

ん?


村人「ていうかさ、なんで皆いるのさ」

魔王「火龍君の実家から大量に肉が送られて来たからーって聞いてるけど…」

母「で、この片田舎な村の中でなら、いくら煙を出しても誰に怒られることもなし!ということでアンタんちに来たわけ」

村人「俺の家はバーベキュー場じゃないんだけどな?ってか、ここそんなに田舎か?」

銀狼「城と街に挟まれてるくせに何故発展していないのか不思議になるくらいには」

側近「しかも、村というか集落というか…単に民家が疎らに集まってるだけな気しかしないのですが」

受付嬢「んなこたどーでもいいです、さっさと肉焼いて食べましょ。正直あんなもの見せられてある意味お腹いっぱいなんですが」

火龍「食いたいのか、食いたくないのかどっちなんだよそれ」


村人「肉か…そうだな、野菜、庭から穫ってきてくれ。肉を焼く鉄板は俺が出すから」

村女「わかったわ、適当で良いわよね」

村人「任す」

父(夫婦してるなあ)

魔王「あ、鉄板運ぶの手伝おうか?」

村人「?いや、ウチに鉄板なんて無いですよ」

魔王「へ?いやでも今」

エルフ「なんですか?私のタダメシはここでお預けですか!?これから街に行って買いに行ってくるとか!?それまで待てと!?」

村人「買いに行くなんてことしない…って、君こないだのスーパーウルトラギャラクシーアイドルの娘じゃん、なんでいんの?」

エルフ「そんなことどだっていーからはよ!肉!鉄板!」

魔王「転移して買いに行ってもいいんだけど」

村人「その必要はないですよ。いでよ、鉄板ッ!」カシワデッ

鉄板「ヨビマシタカマスター」ボンッ

エルフ「うひゃっ」

魔王「…へ?なにこれ」


村人「どう見ても鉄板じゃないですか、取っ手付きの。いやあ、出せるもんなんですね。魔法ってすげえなあ」

火龍「つい最近魔法を覚えた奴のすることじゃねーだろ…」

魔王「これ…どういう風にイメージして…?」

村人「ん?鉄板は鉄板でしょう?どこにイメージを悩んだり凝ったりする必要が…」

魔王「いや、無機質な物であっても物体を出すのってすっごい難しいことだと思うんだけど」

側近「これ、本当に鉄板ですね。そこらで売ってるような物と大差ない…何もない所から形ある物を生み出しましたよ、この人」コンコン

受付嬢「私も以前に、クシが欲しくなって魔法で作ってみたけど、えらく2Dでヘニョヘニョした変なのが出来ましたよ」

受付嬢「そんくらい、形ある物を具現化するのが難しいってわけなんですが…勇者だからなんでしょうかね」

エルフ「ゆうしゃ?それって最近」

銀狼「あーあー!まあとにかく?鉄板は用意出来たんだし?焼きましょうそうしましょう!ほら貴女お皿とか出すの手伝って」グイグイ

エルフ「あっちょ押さないでよ」

チビ「ねーねーわたしいつまで耳ふさがれてるのー」

ロン毛「おや、失礼しました。とっくに聞かせるべきでない話は終わっていましたね」

チビは男だと思ってたよ

ーーーーーーーーーー

村人「そう言えば、さっきはうやむやにされた気がするけど、なんで君がいるのさ」

エルフ「それはかくかくしかじかと言うわけで。私としては、こないだ助けを求めた人がまさか変態だったとは…」

村人「誰が変態だ」

村女「私としてはまた貴女に会うとは思ってもなかったけど」

エルフ「綺麗だなあ(偶然って凄いですね)」

村女「えっ」

村人「えっ」

エルフ「えっ」


エルフ「それはそうと、お二人はどんな関係なんです?やっぱりカップル?うっひゃー羨ましいなあ」

村女「夫婦よ」

村人「夫婦だな」

エルフ「なん…だと…」

村人「どうでもいいけどさ、この娘前に会った時と性格が違う気がするんだけど」

村女「こっちが素なんじゃないの?」

エルフ「夫婦ってことはアレですか!豊富!人生経験が何かと!波乱万丈、徹頭徹尾に風林火山!波浪警報!」

村人「馬鹿なのはよーく分かった」

村女「天然馬鹿アイドルで売り出せばそこそこ売れるんじゃないかしら。今でも人気だけど」


エルフ「お姉様にも似たことは言われましたが、今の私の心の中のブームはデキる女なんですー!」

村人(さっきも聞いたけどお姉様ってなんだよ)

村女(私もそう思う)

エルフ「というわけで!私の目から見て、完全無欠にデキる女な心の師匠に!秘訣をご教授願いたいのです!」

村女「弟子入りを許した覚えなんてないけど?」

エルフ「そこをなんとか!師匠、人生経験が豊富そうですし!色々と!」

村女「悪いけど、結構乏しいのよねえ、私の経験って」

村人「こら、そう言う話は食事中にするもんじゃないの」

エルフ「へ?ふいんき的にはオーラがダンチなんですが…」

村人「"ふんいき"、な」

村女「それがそうもいかなくて。この人がヘタレなチキンもやしでねえ」

村人「だからそういう話はね」

エルフ「そう言えば赤ちゃんもいないですもんね。やっぱり大変なんだなあ、バハムートを呼ぶの」

村人「へ」

村女「…はい?」


村人「ごめん、ちょっと上手く聞き取れなかったんだけど…なんてった?」

エルフ「バハムートですよ、バハムート。あの伝説の巨龍とか神獣とか呼ばれてる、神話上の」

村女「いや、関係ないでしょそれ」

エルフ「?大アリじゃないですか、赤ちゃんってバハムートが連れてくるんでしょ?召喚の儀式は夫婦で行うらしいですし」

村人「Oh…」

村女「よくわかった、貴女は馬鹿で常識知らずね、超弩級の」

エルフ「私は何か変なこと言いましたか…?」

村人「超弩級に変なこと言ったよ」

今回はここで。次には休日編終わらせたいなあ。
ちなみに連中は鉄板を囲んで適当に立ち食いしてます。箸で。


バハムートで腹筋崩壊したww

乙でした

今日も今日とて投下。
エクシアリペアってカッコいいよね!



魔王「そろそろお肉焼けたかなー、いただきまs」

側近「サンダートルネェエエエエエッド!!!」ヒュゴォオオオ

魔王「うわああああああああああ!?」テンコモリーン

父「何と言う箸捌きだ!狙い澄ましたかの様に野菜だけが魔王さんの皿にてんこ盛り!」

母「凄いわねえ、どうやってるんです?それ」

側近「気合ですよ」

魔王「なんでさ!お肉!お肉食べさせてよ!」プンスカ

側近「この腹で何を言うかぁっ!」グニョォ

魔王「あっ、そこ、優しく…して…?」

側近「死ね」

魔王「厳しすぎるじゃん」


母「しかしまあ、お二人を見てるとまるで親子ですねえ」

父「魔王さんが息子で、側近さんがお母さん?ピッタリだ」

側近「こんなおっさんみたいな息子はお断りですよ」

側近「と言うかせめてお父さんにしてくれませんか、そこ」

魔王「食べたいものも食べさせてくれないお母さんは嫌だよ…」

側近「自業自得ですよ、馬鹿ですか貴方。先月医者に酒と余計な肉は控えろって言われてたじゃないですか」

父「そこまで付き添ってんの?」

側近「そういう仕事なので、一応」

側近「ってーか1日3時間仕事をサボってまで散歩をしていると言うのに、なんでその駄肉は引っ込まないんですかねホント」

魔王「ぽっこりはしてないよ」

側近「でも掴めますよね」ギュモォ

魔王「いだだだだ強引強引」


父「ははは、魔王さん、正しい運動と正しい食事が大事ですよ」

母「貴方も笑えないわよね」ジー

父「どこ見て言ってんのそれ、この話題で上の方に目線が行くのはおかしいでしょ」

母「ねえねえ、アンタのとこの野菜て、増毛作用とかある?」

村人「あ?んな都合の良い話あるわけねーだろ、諦めな親父」

母「だってさ」

父「まだ大丈夫だもんねー!!うっすら地肌見えてるけどセーフだもんねー!!」

母「ここで判定を」

魔王「ギリギリセーフ」

側近「セウト」

母「アウト」

父「うわあん」


父「ぐすん…あ、そう言えば、息子はちゃんとやってますかね?仕事…」

魔王「…知ってると思うけど、雑務課って仕事がない時はホントにないから」

魔王「そもそも私の管轄じゃないというか責任者じゃないから詳しくは知らないけれど、最近これといった仕事は入ってないみたいだから…」

母「給料ドロボーね」

側近「ホントですね」

父「どういうことだァ!」

村人「さっきからちょくちょく俺の方を向くなよ…魔法使えるようにしたり、歴史の授業で忙しかったの、俺は」

父「授業?学校にでも行ったのか?」

村人「いやそうじゃないんだけど」


母「まあ、このまま仕事してないとアンタ間違い無くクビよね」

側近「反論の余地も与える間も無くクビですね」

村人「だって仕事無いし!無いし!無いし!」

魔王「いや、村人君ピンポイントで無いわけじゃないんだけど…仕事…」

村人「えっ、マジですか」

魔王「あ、口が滑っ、違うよ!無いよ!無いからね!」アタフタ

村人「仕事仕事仕事仕事仕事仕事」

魔王「問い詰めても無駄だから!口を割るつもりはないから!」

村人「なんか知りませんか側近さん」

側近「さあ、ね?」

村人「うわ、知ってんのか知らないのかわからない態度腹立つ」


魔王「まあまあまあまあ、仕事の話なんて無粋なのはおいといて焼肉!肉食べようお肉!」

側近「だから食い過ぎるなってんだろうが」

村人「はぐらかそうったって無駄ですかんね、忘れませんよ」

魔王「なんのことかなーHAHAHA」

父「さーて食べるぞー」

母「あなたも体脂肪率とか結構ヤバいみたいだからお肉控え目ね」サンダートルネェエエエド

父「うわあああ」テンコモリーン


火龍「ん、うめえなこの肉」モグモグ

銀狼「本当ね、全然脂っこくないし」

ロン毛「ところでこの肉、一体何の肉なんでしょうか?」

火龍「知らねーけど。親父がいきなり送り付けて来ただけで、俺は何も…」

受付嬢「貴方のお父さんって何者なんですか。肉を送り付けて来たーったって、どこにあんなデカい肉塊送り付けて来る親がいるんです」

肉塊「タベテモイイノヨ」ドーン

チビ「100人たべてもだいじょーぶ!」

火龍「別に…商社経営してるだけの親父だよ。豪快ではあるけど」

銀狼「ボンボンだったのアンタ」

ロン毛「社長の息子…いえ、ドラ息子でしょうか」

火龍「んだよそれ!肉分けてやんねーぞ!」


受付嬢「しっかし、こんな馬鹿でかい肉の塊なんて売ってますかね?」ペタペタ

火龍「素手で触んなよ姐さん」

ロン毛「いえ、もしかしたら買ったのではなく、狩ったのでは…」

銀狼「言葉じゃわかんないわね。まあ、判るけど」

火龍「狩る…?ああ、俺の親父、猛獣の1匹や2匹くらい平気で狩りそうなツラしてるわ…」

受付嬢「ぐわはははーとかって笑うんじゃないですかね」

銀狼「そして酒豪」

ロン毛「恐れる物など何もないのでは無いかと言うくらいに豪胆で」

チビ「だけどいがいとやさしいおっさん!」

火龍「なんなの?お前らはいつ俺の親父に会ったの?ってーかそう言う話じゃないだろ」


ロン毛「ま、いくらなんでも巨大な猛獣を1匹狩り潰してその余った肉を…なんてことはないでしょう、きっと牛か何かですよ」

銀狼「牛ってこんな巨大な肉塊になるかしら…」

受付嬢「頭と四肢を切り落とした牛は見たことないですからね、判別が出来ないです」

火龍「いや、見たくもないけどそんなの」

チビ「ベヒーモスだと思うよ、これ」

ロン毛「なんですと」

銀狼「ベヒ?」

火龍「イ?」

受付嬢「モス?」

チビ「わーい、つながったねー!」

受付嬢「いやそこじゃなくて」


銀狼「ええー…ベヒーモスって、あの?頭部の双角から電撃を放ったり、大岩をも砕く圧倒的質量の腕、駿足の馬すら逃げ切れない脚力…地上最強魔獣ランキングでトップクラスの?」

チビ「そうだよー」

火龍「おいチビッコ、お前まさかベヒーモス食ったことあんのか?無いって言ってくれよ」

チビ「たべたことはないよ?けどあったことならあるよ!おしごとで」

ロン毛「仕事で…?そう言えばいつしか、ベヒーモスが住み着いて困ってるからとかいう依頼がありましたね。その時に?」

チビ「そうだよー!そのときはねー、ベヒーモスさんとおともだちになって、もっといいばしょにおひっこししてもらったんだー」

受付嬢「いつの間に魔獣を手懐けてるんですかこの子」


火龍「いや、でもそれとこの肉塊と何の関係が」

チビ「このおにく、まりょくがのこってるんだけどそれがベヒーモスさんとそっくりなの」

火龍「わあ…」

受付嬢「ぐわはははーとか言いながら」

銀狼「互いに血塗れになりながら」

ロン毛「魔獣と素手で取っ組み合う龍人の姿が目に浮かびましたよ」

2人(なんで素手?)

火龍「…今度帰ったら訊いてみるわ」

火龍「せめて挑むなら怪鳥にしとけよな…」

銀狼「いや、そう言う問題じゃないと思うけど」


村女「しかしねえ、何度見ても綺麗よね、貴女の髪」

エルフ「え?そうですか?私としては別に…」

銀狼「そうよね、私は髪に気を使ったことなんてないけど、ちょっとこれは羨むレベル…」

受付嬢「アイドル補正なんですかね…私は他にもエルフ族の方を見たことがありますけど、ここまで、こう、美しいと言う単語すら惜しみなく言えるのは…」

エルフ「そこまで気を使ってないところが褒められると何というか、微妙…複雑な気分です」

チビ「おねーちゃんかみのけキレイ!」

エルフ「はは…ありがとうね」

母「良いわよねえ、若い子は。お肌もスベスベじゃないの」ニノウデナデナデ

エルフ「えっちょっ」


受付嬢「あらゆるステータスが高いですよね…肌の瑞々しさであれば負ける気はしませんが」ペタペタ

銀狼「肌の色も、健康的な白色よね。私は病的に白いというか、青白だからなあ…褐色とか、ちょっと憧れるけどね」ペタペタ

村女「…年下にも劣るのね、私は」ペタペタ

母「そんな物は飾りよ。…ああシワ一つない。羨ましいわねえ…」ペタペタ

エルフ「やっ、ちょっと皆して触らな」

受付嬢「わー、ほっぺ柔らけーですねー」モニョーン

エルフ「やうぇふぇくらさいよー」


村人「…女子会が始まってしまった」

火龍「女子会って言うのか?アレ」

父「まあ、普段はいない娘だからね、興味はあるんだろうね」

側近「それに加えてアイドルらしいですからね。何かなくても関われる人ではないですから」

ロン毛「今の私達に出来ることは、この光景をしかと目に焼き付けておくこと」

魔王「我が城の華ともう2つの華が戯れている光景」

父「1人、ちょっと余計だけどね」

村人「眼福」

火龍「異論ねえな」

側近「成る程、これが伝説と呼ばれた桃源郷でしたか」

ロン毛「天上の楽園…Wonderful Heaven」

魔王「眼前に咲く、一面の花…」

チビ「なにいってんのみんな」

何言ってんだこいつら。と言うところで終わりです。
休日編を終わらせると言ったな、あれは嘘だ。
…次回、次回には終わらせますから

乙でした

夜遅くにこんばんは。と言っても今日は投下しませんが。
一日一回は投下するーとかほざいてましたが、流石にモチベーションの維持が難しくなってきまして…
かと言ってもう止めるーとかじゃなくて、週に1、2回くらいの投下ペースに落とそうかと思います。
投下を待ち望んでいるという人がいるとは思いませんが…自分勝手ですが、今後ともくだらない世界と稚拙な話にお付き合いくだされば幸いです。

いくらでも付き合ってやんよ

御託はいいから投下して頂けませんか?

はよ!

これは打ち切りかな。

(´・ω・`)まだー?

待っているよ

まだ狩りは終わらんのか?

待ちくたびれたわよ

そして二ヶ月……

ソロソロですかね?

あけおめ!

あけてしまったなぁ

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