本作品は博多弁と関西弁の練習用に書いた作品です。
なので言い回しに間違いが多々あると思いますので、その旨をご了承の上、お読みください。
それでは以下、本編です。
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「あのな、うちな」
「どうしたの?」
「さっきからめっちゃうんちしたいやんかぁ」
いや、知らないし。
「でもな、この辺トイレないやんかぁ」
「そうだね」
「せやからな、覚悟決めよう思うてな」
勝手に覚悟を決められても困る。
「もう少し我慢して」
「そんなん言われても無理やんかぁ」
「無理じゃない。頑張って」
「言うのは簡単やけどなぁ、もう限界なんよ」
「大丈夫。あんたならまだ耐えられる」
「またそんなこと言って焦らすんやから……」
焦らしているつもりは全くない。
「そや!」
「どうしたの?」
「とりあえずパンツ脱いどこう思うてなぁ」
スルリと脱いだパンツをこちらに手渡す。
「いや、要らないんだけど」
「ええやんかぁ、せっかくうちが貰って欲しくてあげたんやから、とっときぃや。な?」
「そこまで言うなら……」
いそいそとパンツを仕舞ったら、おもむろに。
「やっぱりもう無理やぁ!」
いきなりその場にしゃがみ込んだので慌てて。
「ちょっと! なんばしよっと!?」
「何って、うんちやけど?」
「こげんなとこで糞するやつがおるか!」
「せやけどうち、もう限界で……ふぇ~ん」
「泣きたいのはこっちばい!」
あまりのわがままについ方言が出てしまった。
「なあ、ちょっと聞きたいんやけど構わん?」
「よかよ」
「その喋り方、おかしない?」
「あんたにだけは言われたくなかとよ!」
指摘されて言い返すとヘラヘラ笑って。
「あはは。うちらふたりともおかしいなぁ」
「何がそげんおかしかと?」
「だってなぁ、ふたりともうんちしたいやんかぁ。それがなんだかおかしくてなぁ」
こちらの便意を見抜かれていた。
「いつから知っとったと?」
「ん~だいぶ前からやなぁ」
「くっ……一生の不覚ばい」
「せやからうちも付き合おう思うてなぁ」
その優しさに思わずジンと来たが強がって。
「ばってん、うちはまだまだ余裕たい!」
「もお、強がりはやめとき?」
「強がりやなかばい!」
「せやけど、お尻ムズムズするやろ?」
「ちょっ!? ひとのお尻触らんで!」
お尻を撫でられたので距離を取ったのだが。
「なあ、仲ようしよ?」
「そげんなこと言われても……」
「そんな心配せんでも大丈夫やから、な?」
「うぅ……ばってんばり恥ずかしいかけん」
羞恥に悶えているとこちらに目線を合わせて。
「あのな、うちな」
「何ね?」
「あんたが好きや」
「……!」
真剣な眼差しで告白されて、胸が高鳴った。
「やから、うちと一緒にうんちせぇへん?」
「がっかりばい」
胸の高鳴りを返せ、ばかやろー。
「そんならうち独りでするけどええの?」
「よかわけなか」
「せやったら、一緒にしようやぁ」
「絶対に嫌ったい」
「もお、わがままなんやから」
「あんたにだけは言われとうなか!」
憤慨すると、ちょいちょいと手招きされて。
「耳貸してーな」
「何ね?」
「好き」
「ぶっ!?」
耳元で好きと囁かれて盛大に噴き出したら。
「あはは~ほんとかわいいなぁ」
「か、からかわりなしゃんな!?」
ケラケラ笑われて揶揄うなと憤慨すると。
「揶揄うつもりはなかったんやけどなぁ」
「すらごとつかんで」
「ううん。うち、本気やから」
「……そ、それなら、よかばい」
何が良いのかさっぱりわからないけど許した。
「あんたはうちのこと好き?」
「別に……どうでもよか」
「どうでもいいわけないやんかぁ」
じっと目を見つめられてしまい、仕方なく。
「……好いとっとよ」
「えっ? 全然聞こえんかったなぁ」
「やけん、好いとーってば!!」
とぼけられたので大声で好意を伝えたところ。
「えへへ……めっちゃ嬉しいなぁ」
すごく可愛くはにかむのは、ずるいと思った。
「……あんたは愛らしゅうて羨ましかばい」
「そっちだってごっつ可愛いやんかぁ!」
「うちはちっとも可愛くなかと!」
「そやったらうちだって可愛ない!」
分からず屋と睨み合っていると、不意に。
「キス、せーへん?」
「ふぇっ!?」
距離を取る。危ない。こういう奴だった。
「そんな拒否せんでも……傷つくわぁ」
「いきなりやったけん……ごめん」
「うちとキスするのそんなに嫌なん?」
しょんぼりした表情で聞くのは本当にずるい。
「……嫌じゃなかとよ?」
「……その喋り方、ほんまずるいなぁ」
「それはお互いさまばい」
その日、初めてキスをした。幸せだった。
「あっれー? おかしいなぁ」
「なんしょっと?」
「キスしたらうんち出るかと思うたんやけど」
キスの最中に出てたまるか。
「そや!」
「何ね?」
「お尻の穴にキスしよ思うてなぁ」
「そげんこと許さんばい!」
魔の手から逃れ、徹底抗戦の構えを見せると。
「そんならまずはうちにお尻にキスしてーな」
「は? なんば言いよっと?」
「やから、うちのお尻の穴にキスしてーな」
完全に頭がおかしい。断固拒否する。
「絶対に嫌たい!」
「まあまあ、とりあえず見てみぃや」
ペロンとお尻を晒して穴を見せつけられた。
「どや!」
「……愛らしゅう尻穴ばい」
「ふふん! せやろー? キスしたいやろ~?」
ゴクリと生唾を飲んで、先制攻撃を仕掛けた。
「ちゅっ」
「んにゃああああっ!?」
ちっ。キスしたのに漏らさない。苛々する。
「何でうんち漏らさなかったと?」
「だってなぁ……」
問いただすと気まずそうに目を逸らしながら。
「顔にかかったら可哀想やんかぁ」
「そげんな気遣い要らんとよ!」
「せやけど、うちのうんちくっさいからなぁ」
誰だってうんちは臭い。そんなの当たり前だ。
「本当にうちのこと好いとっと?」
「ほんまに好きや! 嘘やない!」
「だったら遠慮のうかけて欲しかたい!」
そう真摯に訴えると、少し逡巡して。
「……うちのこと、嫌わん?」
「嫌うわけなかとよ」
「ほんま?」
「当たり前ばい!」
すると安心したように微笑んで、頷いた。
「ありがとうな」
「……気にしぇんでよか」
「ほな、かけるで?」
「うん……きんしゃい」
脱糞の瞬間を今か今かと待ち望んでいると。
「やっぱり無理やぁ!」
「てれーっとせんと、しゃきっとせんね!」
「そんな見られたら出るものも出ぇへんて!」
ここぞという時にヘタレられて苛立ちが募る。
「そや!」
「今度は何ね?」
「同時に脱糞すれば解決やん!」
それはそれで難易度高いし、そもそも。
「やっぱりうちも脱糞せんといかんと?」
「当たり前やん!」
「ばってん、うちのうんち臭いけん……」
「誰だってそうやろ! アホか!」
そっちだってついさっき同じこと言った癖に。
「……わかった。やるだけやってみるたい」
「よっしゃ! そんなら今度はうちの番やな!」
「へ? あ、ちょっ、待っ……」
「ちゅっ」
素早く回り込まれてお尻の穴にキスされた。
「い、いきなりなんばしよっと!?」
「さっきのお返しやけど? ちゅっちゅっ」
「ひゃああああんっ!?」
「そろそろやなぁ。出そうなら言ってな?」
「で、出るけん! もううんち出るけん!?」
「ほんならうちも出すでー!」
ぶりゅっ!
「ああっ!?」
「フハッ!」
ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅぅ~っ!
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「わ、嗤いなしゃんなああああああ!?!!」
高らかな哄笑と愉悦が排泄音と入り混じった。
「いやぁ~おもろかったなぁ」
「ちっとも面白くなかとよ!」
涙目で抗議すると、ポンポン頭を撫でられて。
「めっちゃ可愛くて惚れ直したわぁ」
そう言われるともう何も言えず、苦し紛れに。
「あんたの方が100倍愛らしゅうけん!」
「ならそっちは1000倍可愛いことになるなぁ」
「ぐぬぬ……ばりむかつく!」
なんて軽く返され、憤っているとキスされた。
「んっ……落ち着いた?」
「……キスで誤魔化すのは卑怯っちゃ」
「せやけどこれが一番手っ取り早いからなぁ」
その言い方は酷い。まるで面倒な女みたいだ。
「どうせうちは面倒臭い女やけん」
「うちはうんち臭い女やからなぁ」
「うちのうんちの方が臭いけん!」
「うんちの臭さなら負けへんで!」
そんなこんなで上手く丸め込まれてしまって。
「本当にあんたはせからしか女たいね」
「そんなうちのことが好きなんやろ~?」
「うん……ちかっぱい好いとうよ」
「えへへ……うちもめっちゃ大好きぃ~」
それでも両想いになれて幸せだとそう思った。
【関西便女と博多便女】
FIN
なんていえばいいのかビジュアルが……ですね……女の子2人であってほしいのに
どうしても別の性別で別の年代で思い浮かんでしまってですね……大変困っております
>>10
やっぱりそうですか
はがないの小鳩と灰と幻想のグリムガルのユメの口調をイメージして書いてみたのですが、難しいですね
特に関西弁のおっさん臭さを減らすのが非常に難儀です
もっと精進して可愛い方言女の子を書けるように励みます
オチがあまりにも綺麗なのと博多弁に「ばい」を使いすぎてる点がちょっと気になるけど良い作品だと思う
博多弁の可愛さは宇宙一だって、それ一番言われてるから
>>12
博多弁可愛いですよね
なんとか文章化したい今日この頃
ネイティブの方が本当に羨ましい
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