ざわざわ…
とある駅前
まぞく1「おどりゃあなんしよんならっ、ぶちくらわすぞコラぁ!」
魔法少女1「はああ!?ちばけるなや、おーあんごうがっ、こっちこそぶちくらわすぞっ」
?「ああ、ちょっとちょっと。こんな公衆の面前でまぞくと魔法少女の女の子がそんな方言丸出しの
口汚い言葉で争ってちゃだめじゃない、ちょっと落ち着いて」
まぞく「だれだおめーっ!?私はコイツと話してんだっ、つっかかってくんなら、おめーもぶっしゃくぞっ」
魔法少女1「そうだっそうだっ、わたしもコイツと話してんだからアンタははよういねやっ」
?「はあ、仕方ないな……、あ、もしもし?こっちみえてる?あ、うんうん、了解」
?「ごめんけど、手っ取り早く収めたいから。そっちから何発かおねがいできる?よろしくね、ミカン」
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まぞく「はあ?おめ何言って……、ひいっ!!」
魔法少女1「え……?うわっ!!」
まぞく「あ、あぶねえっ、な、なんで急に矢が…急に目の前にっ!」
魔法少女1「もうちょいで当たるとこじゃった…!けど、どっから打ってきたんだ…、いったいだれが…!」
?「矢を打ったのは私の後輩の魔法少女よ。っていっても、ずうっと遠くから身を潜めて打ってもらってるから、ここからじゃ全然、見えないだろうけど」
?「これ以上、この町でさわぎを起こすなら、次はあなたたちの脳天を打ち抜けって命令するけど、どうする?」
まぞく「う、ぬぬぬ…聞いたことがある…、この界隈で1㎞先からでも標的を打ち抜くことができる正体不明の魔法少女がいるって…」
魔法少女1「…わ、わたしも聞いたことある…確か通り名は…『ストラスレディ』……か!ぐうう、あ、あったことないけど…、
確か、わたしより後輩の魔法少女のくせに…、生意気だっちゃ…!先輩の魔法少女の邪魔すんなんて…!」
?「さあどうするの?私たちは一応、穏健派の魔法少女だけど…、これ以上暴れるっていうなら、どっちも容赦しないわよ?」
まぞく・魔法少女「ぐぬぬ…」
……
?「あー、もしもし?さっきのまぞくと魔法少女。あなたの弓矢さばきにびびって
2人とも喧嘩すんの諦めてどっかいったわ、騒ぎも落ち着いたみたい、お疲れ様、ミカン」
?「あーそれにしてもそんなところから的確に矢を打つだなんて流石ね、ミカン」
?「あ、いやぁ、ここはあなたの通り名であるシトラスレディ、っていったほうがいいのかしら?」
?「それじゃ、あらためて。お疲れ様、シトラスレディ」
…
1㎞先のビルの上
ひゅううう……
ミカン「はあ、先生こそお疲れ様…」
ミカン「って…あの、いや、けど、ごめんなさい…、ビル風がうるさくて聞き間違いだったのかもしれないけど、ん?…あの…ちょっとまって…え??」
ミカン(13歳)「…………シトラスレディって…。誰それ?」
……これは、わたしこと、陽夏木ミカンがまだ13歳だったころ、バリバリ地元にいたころのお話。
ミカンの家
ミカン「し、シトラスレディって…、わ、私そんな通り名で呼ばれてるのっ!?そんなの初耳だわっ、先生っ!」
先生「あれ?知らなかったの?もはや『シトラスレディ』の名は、貴方の魔法少女の活動名として定着したといってもいいわ。
よかったじゃない、魔法少女は活動名をおぼえられてなんぼよ?」
ミカン「やだ…、けどわたし、そんな活動名、自分で名乗った覚えないわ。そりゃ柑橘類は好きだけれど…、いったい誰がそんな活動名を広めたのかしら?」
先生「ああ、それは私が勝手に広めたんだけど」
ミカン「ええ…?何言ってるのこの人…?」
先生「いいじゃない、いまやシトラスレディといったら、この町を守る『正体不明の狙撃手系ミカン好き魔法少女』、として、この辺じゃ有名になってるわよ」
ミカン「そんなややこしいジャンルの魔法少女にカテゴリーされてるの私!?あと正体不明なのに好きな果物がバレてるのがなんだかみっともないわっ!」
先生「いやあ、それにしても、あなたにはホント助かってるわ、ミカン。流石はあの千代田桜さんの弟子ってところかしら?
あなたの遠距離からの狙撃能力、魔法少女としての才覚にあふれてるわ」
ミカン「そんなことないわ、先生。わたしが千代田桜さんの弟子になれたのは、単に今かかってる呪いを抑えてもらった時の
成り行きであっただけで、…別に才覚があったわけじゃ全然ないと思うの」
ミカン「それに、わたしって遠距離からの狙撃が得意というより、単にわたしがあがり症で臆病だから、近距離だとテンパって
呪い出ちゃってポンコツになっちゃうだけだし…」
先生「まあ、どっちにしても私は助かってるわ、ミカン。あなたと組んでからというもの、私は楽しまくりだわ」
ミカン「は、はあ…まあ、わたしは、先生の、町のみんなのお役に立ててるのならうれしいのだけれど」
……
幼少のころ。
私は、とある出来事がきっかけで知り合った魔法少女・千代田桜さんからの勧めで、自分も魔法少女になった。
魔法少女として、桜さんのもとでしばらく下積みを経験したわたしは、今は地元であるこの町を守る活動を続けている。
そして、さっきから私が先生って呼んでるこの人は、この町を一緒に守っている同僚の魔法少女。
魔法少女としてわたしより先輩で、桜さんと別れた今はこの人がいろいろ教えてくれるし、私にとっては第二の師匠といったところかしら。
だから、わたしは尊敬の念をこめて、この先輩のことを、『先生』、と呼んでいる。
先生は、どことなく桜さんによく似てて、ちょっといい加減な所はあるけど…、とても親切でいい人。
私の特技である狙撃の腕をとても買ってくれているし…、
それに、……呪いに関しても寛大だし…、正直、助かっている。
呪いっていうのは…、わたしにかかっている可笑しな呪いのことで…、話せば長くなるのだけど…、その…、
ああ、ごめんなさい。
私ったら、自分にかかっている可笑しな呪いのこと考えると、正直、へこんじゃってテンションがた落ちになっちゃうのよね。
うまく克服しようと頑張っているのだけど、なかなかね。
ここは話題を変えて、明るい話題をっ!そう、私が住んでいるこの町について紹介させてちょうだいっ。
あのね、わたしにシトラスレディって魔法少女としての活動名があるように(正確には周りがそう呼んでるだけだしまだ認知していないわ)、
私の町にも、二つ名があるの。そう、ここは、別名「晴れの国」、そう呼ばれているの。
なぜだかわかるかしら?ちょっと考えてみて?
ええ正解よっ!
もちろんそれは、晴れの日がとっても多いから!
太陽の光をふんだんに浴びたこの町の柑橘類の味はさいこうよっ!!
……
ザアアアアアアアア……
ミカン「あれぇ……?」
ある日のこと。
ミカンの住む町の郊外
ミカン「あめ…あめ。今日も雨」
ミカン「なぜかしら。最近ずっと雨ばかりだわ…」
ミカン「本当ならこの季節は晴れの日が連チャンで続いてもおかしくないはずなのに」
ミカン「こうして傘を差しながらの買い物もたまになら悪くないけれど、こうも毎日だと気がめいるわ…一体どうしたのかしら…ん?」
ぱちゃぱちゃ…
ミカン「あれ……、あそこ…、小さな子がせまい路地に入っていったような…ねえ、ちょっとあなた。待ちなさい」
ミカン「ねえ、あなた、こんな雨の中どうしたの、小さい子が雨のなか、こんな暗い路地に一人で入ったら危な…、え!?」
路地裏で倒れている小さな少女
ミカン「ちょ、ちょっとあなた!ねえ、大丈夫!?しっかりして!」
少女「はあ…はあ…」
ミカン「や、やだどうしよう…、意識が朦朧としてるみたい…!早く救急車を……、って、やだ、焦って呪いがでちゃうかも…、
…ん?……って、あ、あれ…?」
少女「……」
ミカン「この子……、ひょっとして…」
今日はここまでで。時間があるときに少しずつ書いていきます
>>2 ストラスレディではなくシトラスレディの間違いでした。
シトラスが訛ってるからストラスになってたわけじゃなかったのか
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