「機神装甲」 (1)
各国の軍事力を飛躍的に向上させたのは、他ならぬ『機神装甲』の発見だった。
事の発端は、南島の少数民族によって祀られていた古い筐体。
見つけたのは布教のために島へと渡っていたエルメスという名の宣教師と、その従者オットーの2名である。
民族との邂逅と和解を経て、苦心の末にたどり着いたその祭壇は、苔の下におびただしい数の失われた技術を眠らせていた。
『エルメス様、これは……』
『私たちは軍事技術の専門家ではないから、詳しいことは分からない。 だがこれはハッキリと「人を殺すための道具」だ』
もちろん、それを祀っていた人々は知る由もない。
神の一種としてあがめられている物体が、殺戮の兵器であるとは。
『神よ……』
宣教師エルメスは、震える手で筐体に触れた。
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