医者「落ち着いて聞いてください、今大崎甜花さんは危険な状態です。
運良く一命を取り留めましたが脳へのダメージが特に深刻です、もう目を覚ますことはないかもしれません」
甘奈「そんな…嘘…」
P「甘奈!一体何があったんだ!」
甘奈「プ、Pさん!私…私はなんてことを……!!」グズゥ
P(それから、ぼそぼそと甘奈は語りだした。
久々のoffだったから二人でショッピングに行ったこと。帰り道で突然トラックが歩道に突っ込んできたこと。甜花が甘奈を突き飛ばしたおかげで自分はかすり傷で済んだこと。
全て語り終わると甘奈は生気を失った目でこう言った。)
「どうして、私を守ってくれたの…?甜花ちゃん…」
それから三日後
283プロにて
P「凄いファンレターの数だな…。人気だっただけに余波も大きい、か。」
はづき「ところで甘奈さんは?」
P「病院ですよ、あれからほぼ毎日病室に行って手を握って上げてるらしいです。
千雪も付き合ってあげてたらしいんですが、今日は前々から入ってたテレビ番組の収録で夜に行くそうです」
はづき「体壊しちゃいますよこのままじゃ…大丈夫なんですかね…。」
~夜~
甜花の病室にて
千雪「甘奈ちゃん…ずっとここに?」
甘奈「あ、千雪さん!こんばんはー☆
……元気なさそうだけど大丈夫?」
千雪(意外と元気そうね…昨日まではひどいクマだったのに)
甘奈「いまね、甜花ちゃんとお話してたんだよ!ねー甜花ちゃん?」
千雪「!?(甘奈ちゃんが…甜花ちゃんの毛布を着て…)」
甜花(甘奈in)「うん…。甜花、なーちゃんと一緒にいっぱいお話した…、ゲームしなくても、楽しいな…!」
甘奈「フトンヌギー ほんと!?甘奈感動~!!じゃあ甜花ちゃんが退院したら~、その日の夜ご飯は甜花ちゃんの大好きなものにしちゃおうかな~☆」フトンパサー
甜花(甘奈in)「ほんと!?にへへ……甜花、嬉しい…」
千雪「甘奈ちゃん、今日はもう帰ろ?
そろそろ面会時間も終わっちゃうし」
甘奈「あ、もうこんな時間!じゃあまた来るね!甜花ちゃん!」
千雪「甘奈ちゃん…いくら心配でも三日間も病室にいるのはよくないと思うわ。Pさんも仕事に支障が出るから顔だけは出してくれって言ってたよ?」
甘奈「あちゃー、それは後で謝らないとな~。Pさん、怒ってた?」
千雪「いや、怒ってはなかったけど…
Pさんかなり心配してるみたいだったから…。」
甘奈「ほら、私ってすごい心配性でしょ?今回甜花ちゃんが倒れたって聞いてすごいびっくりしちゃって…
甜花ちゃんひとりじゃ寂しいかな~って思ってたけど、アイドルの方に支障きたしちゃダメだよね…。うん、私明日いくよ!千雪さん伝えといてくれる?」
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~翌日~
283プロ
P「なるほど…、かなり深刻ですね…」
はづき「無理もないですよ…、自分を庇って甜花さんが意識不明になっちゃうなんて、きっと私たちには想像できないくらい辛いと思います。」
千雪「ごめんなさい…私、あの子のことを考えると何も言えなくて…」グスッ
P「誰でもそうですよ…自分を責めないでください。ん?」ラーイン
甘奈《おっはよー☆、ごめんね、Pさん。私、三日間もお仕事休んじゃった…。でも!今日からはまたバリバリ働いちゃうからよろしくね!
その矢先に申し訳ないんだけど…ちょっと寝坊しちゃって…、少し遅れちゃいます!ごめんなさいPさん!!》
P「甘奈からLINEがきました。少し遅れるそうですが、ちゃんと来るそうです。」
はづき「ほんとですか!」
千雪「あの子に泣いてる姿なんて、見せられないわね。」
P「湿っぽい感じは抜きにして、もうそろそろ始業の時間ですよ!座ってないでたちましょy」
???「お、おはよう…プロデューサーさん…。」
一同「!?」
千雪「……」
はづき「嘘…」
甜花?「みんな…ごめんなさい!甜花、お仕事サボっちゃった…。なーちゃんに起こしてもらったんだけどずっと寝ちゃってて…」
P「甘奈…だよな?」
甜花?「どうしたのPさん?なーちゃんじゃなくて
、私は甜花だよ?
もしかして、お家でゲームしてたりしてたの、怒ってる?」
P「無理をするな甘奈…、甜花はいま病院で寝てるはずだ、さっき電話してみたけどまだ治ってないって。俺だってまだ現実を受け止めきれてなくt」
甘奈「嘘だ!まだ甜花ちゃんは死んでない!!!!」
千雪「甘奈ちゃん…」
甘奈「私が甜花ちゃんになるよ…私が!
双子だから頑張って似せればきっと私も甜花ちゃんになれる!!甜花ちゃんはまだ死んでないのに、どうしてみんなそんな顔してるの!!!」
P「そしたら今度は甘奈がいなくなる。」
甘奈「!」
P「3人揃ってのアルストロメリア、じゃなかったのか?」
甘奈「プロデューサーさん…」グスッ
千雪「甘奈ちゃん、一人で抱え込まなくてもいいのよ?私達はユニットメンバーじゃない。
甜花ちゃんが帰ってくるまでアルストロメリアを支えなきゃ!」
甘奈「ち、ちゆきさん…」ポロポロ
はづき「そうですよ!千雪さんの言う通りです!
甜花ちゃんの意識が戻った時にアルストロメリアがなかったら、きっと甜花ちゃん悲しみますよ!」
P「頑張ってアイドルやれば、きっと甜花にも届くさ」ダキシメッ
甘奈「み、みんな…ありがとう…
うわああああああああああああああ」ボロナキー
P(この日を境に、アルストロメリアは一層人気のあるユニットとして頭角を現し始めた。
あえて歌を出さず、テレビやラジオなどでソロで売り込んでいくことでここの力を存分に出していった。
そして、3ヶ月後)
テレビスタジオ
D「ハイカット!いや~甘奈ちゃん演技上手いね~。月九の主役に大抜擢されて緊張とかしてると思ってたけど、演技中はまるで別人だよ~」
甘奈「ありがとうございま~す☆
私、頑張らなきゃ行けない理由があるんです!
そのためには演技も上手くなきゃ!」
D「ハハッ、将来有望だな~
今日早く終わったから、もう帰っていいよ!」
甘奈(あれから3ヶ月、か…
甜花ちゃん…見ててくれてるのかな…)
P「甘奈!甘奈!」
甘奈(スケジュールパンパンで最近お見舞いにもいけてないしな~、今度のoffいつかPさんに聞いてみようかな)
P「おい甘奈ったら!おい!」カタユサユサ
甘奈「!?…あっPさん!ごめん考え事してt」
P「ちょっと車乗れ!早く!」
甘奈「えっ、ちょっとまっ…」
~30分後~
病院前
はづき「もう!Pさん遅いですよ!」
P「いやすいません、急な連絡だったから直ぐに出られなくて」
甘奈「え…なんで?病院にきたの?
何かあったの?Pさん?」
P「詳しいことはあとだ、行くぞ!」
甘奈(言われるがままに手を引かれ私は何回も登った階段を登る。
そしてまたもや見慣れた角を曲がり再奥の部屋に向かって駆け足。
扉の近くには既に同じ事務所のアイドルが何人か集まっていた。)
P「さあ、準備はいいか?甘奈」
甘奈(扉の前にたった私。周りの皆は全員笑顔で、大体のことは察した。
けどどうしてだろう、いつも軽々開けてた扉が嫌に重く感じる。視界もボヤけてまともに前が見えなくなってる)
P「…」スッ
甘奈(Pが手を添えてくれた。そしてゆっくり、ゆっくりと扉が開いていく。
いつもカーテンがかかっていた窓からは光が漏れてるのが分かった。
そして、私が何度も、何度もみたベッドにはいつもと違う光景があった。)
???「アッ…」
甘奈(人影はこちらに気づいたようにこっちを向く。
鏡を見ているかのような、でも鏡じゃない。
私が1番見たかった笑顔がそこにはあった)
甜花「なーちゃん、おはよう!」
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