※キャラ崩壊注意、序盤だけ地の文注意
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あの日、上層部から第2期特別計画艦の実装が通達された日、俺は彼女に恋をした。
一目惚れだった。
書類の写真には大きな艤装と、不釣り合いな程に儚げな雰囲気の少女が映っていた。
彼女の薄い金色の瞳は俺の心を容易く射抜いた。
その日から、彼女の開発に心血を注いだ。
早く彼女に逢いたかった。
欲を言えば、彼女がヒトとして生を受けて初めて瞳に映す「ダレカ」が自分だったらいいなと思った。
そして開発が完了した。
待ち焦がれた瞬間だった。
彼女を思い、無限と錯覚するほどの時間を超えた。
ついに出逢った彼女には「カンジョウ」が無かった。
しかしそれは、些細な問題でしか無かった。
彼女は「カンジョウ」を知らないだけだ。
焦らなくていい。
ゆっくり理解していけばいい。
いつか彼女が、心の底から感情のままに笑える日が来るまで、俺は彼女に付き添おうと思った。
そして現在……
ガスコーニュ「ガスコーニュ、ただいま帰投した」
指揮官「おかえり。怪我はない?」
ガスコーニュ「うん、平気」ニコッ
指揮官「(ガスコーニュを艦隊に迎えてから1年以上。彼女は『感情』を知り、時には笑顔を見せてくれるようになった)」
指揮官「よし、報告頼む」
ガスコーニュ「はい。今回の出撃では……」
指揮官「(彼女の右手薬指には指輪が嵌められている。無論、俺も同じ指輪を嵌めている)」
ガスコーニュ「以上、報告終わり」
指揮官「うん、順調だな。下がっていいぞ」
指揮官「(この指輪こそ彼女が感情を得た証であり、俺と彼女の間にある確かな絆である、んだけど……)」
ガスコーニュ「ねえ主(メートル)、あのね……」モジモジ
指揮官「ん?」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、出撃頑張った。だから……少しおしゃべりしても、いい?」
指揮官「そうだな。いい時間だし、俺も休憩にしようかな」
ガスコーニュ「ほんと!?じゃあガスコーニュ、アルマニャックを……!」パァァ!
指揮官「まだ勤務時間中だからお茶にしようね」
ガスコーニュ「そっか。淹れてくるから主は座ってて。紅茶でいい?」
指揮官「ん、頼む」
指揮官「(今になって思う、『感情抑制モジュール』とは一体なんなのか)」
ガスコーニュ「主、お砂糖はいくつ?」
指揮官「ひとつで」
指揮官「(モジュールを切り替えれば、昔のような反応になるのか?)」
ガスコーニュ「入ったよ。どうぞごゆっくり」
指揮官「ありがとう」
指揮官「(もちろん今のガスコーニュに不満がある訳じゃない。ただ……)」
指揮官「……んー」ジ-
ガスコーニュ「どうしたの、主?」
指揮官「いやなんでも」
指揮官「(気になる)」
ガスコーニュ「ところで、給湯室におっきなコーヒーメーカーみたいなのがあったけど、あんな高そうなのいつ買ったの?」
指揮官「あぁ、あれなぁ……マインツにせがまれてさ。初めて執務室来た時にインスタントコーヒー出したらすげぇ怒られて。なんだかんだで明石に特注して作ってもらったんだ」
ガスコーニュ「あはは、やっぱり高かった?」
指揮官「そりゃもう。ニーミにバレてこってり絞られたよ。3時間は正座させられた。マインツも隣で正座してた」
ガスコーニュ「マインツさん、意外とお茶目なんだね」クスクス
指揮官「コーヒーの事になるとな。ちなみにコーヒーメーカーの操作方法は俺にもわからん。マインツが淹れてくれたやつはめちゃくちゃ美味かった」
ガスコーニュ「へぇ、私も1度飲んでみたいなあ」
指揮官「(急に『切り替えてみて』と言う訳にもいかないし、何かきっかけがあればいいんだけど)」
ガスコーニュ「お茶冷めちゃう。飲んで飲んで」
指揮官「ああ、いただきます」ズズッ
ガスコーニュ「ど、どう?」
指揮官「ん、おいしいよ」
ガスコーニュ「そ、そっか……んふふ、えへへへ……」
指揮官「嬉しそうだな」
ガスコーニュ「嬉しそう……うん、嬉しい。ガスコーニュ、今『喜び』を実感している」ニコッ
指揮官「(かっわいい……じゃなくて、この流れならいけるか?)」
指揮官「そういえば、お前の感情ってもともとはモジュールで抑制されてたんだよな?あれって今でも切り替えられるの?」
ガスコーニュ「切り替えというより、出力を調整して感情を制御する機能だよ」
指揮官「操作は自由にできる?」
ガスコーニュ「うん。自由に調節できるよ」
指揮官「なるほど、じゃあその出力を最大にしたら昔みたいになるのかな……」
ガスコーニュ「うーん、主の希望で感情を解放して以来、1度も最大出力を試してないから、私にもどうなるか分からない」
指揮官「じゃあ実験しみようか」
ガスコーニュ「実験……するの?」
指揮官「いざって時に何かあったら困るし、機能調査ということで。嫌なら無理強いはしないけど」
ガスコーニュ「嫌、じゃなくて……あのね、主」
指揮官「うん」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、生まれたばかりの頃すごく無愛想だったと思うの。今みたいに笑うことも無かったし、主がなぜ戦闘以外の話をしてくるのか分からなかった」
ガスコーニュ「感情抑制モジュールの出力を最大にしたら、きっとまた感情が失くなると思う。また無愛想だったあの頃みたいになると思う」
ガスコーニュ「でもね、もしそうなってもね、あの……」
指揮官「うん」
ガスコーニュ「ガスコーニュのこと、嫌いにならないで……ください」ウルウル
指揮官「!」ドキッ
ガスコーニュ「主?」
指揮官「……っ!いやっ大丈夫!深呼吸を、すぅー……はぁー。…………よし、もう平気」
ガスコーニュ「なら、いいけど。それで、その、ガスコーニュは……」
指揮官「別に戻れなくなるわけじゃないだろ?」
ガスコーニュ「そうだけど……」
指揮官「(やっぱり無理か?いや、なんとか安心させられれば)」
指揮官「いいか、ガスコーニュ」
ガスコーニュ「は、はい」
指揮官「俺はお前を絶対嫌いにならない。お前のこと絶対見捨てたりしない」
ガスコーニュ「!」
指揮官「俺はお前とずっと一緒にいるって決めたんだ。指輪を渡した時じゃない、初めて逢ったときに決めたんだ」
ガスコーニュ「うん、うんっ……///」
指揮官「俺はお前のこと、心から愛している。だから安心しろ」
ガスコーニュ「……///」カァ
指揮官「ガスコーニュ?」
ガスコーニュ「主、なんか……ぷ、プロポーズ、みたい……///」プシュ-
指揮官「え、あれ?///」
ガスコーニュ「……///」テレテレ
指揮官「……///」テレテレ
指揮官「と、とりあえず実験始めるか!」
ガスコーニュ「う、うん!」
ガスコーニュ「ところで実験って具体的に何をするの?」
指揮官「お前がモジュールを最大出力で機能させる。俺がちょっかい出してあからさまに感情が出たら俺の勝ち」
ガスコーニュ「勝ち?」
指揮官「ゲームっぽくした方が楽しいかなって。もしお前が勝ったら何でもひとつお願いを聞いてやろう」
ガスコーニュ「なんでも?」
指揮官「俺の力を超える願いは叶えられないからな」
指揮官「では、ただいまより実験を始める。感情抑制モジュールの出力を最大値に設定せよ」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、準備完了。指示確認、感情抑制モジュールの出力を上昇。最大値に設定。『カンジョウ』及びその周辺機能を一時停止」
指揮官「やったか!?」
ガスコーニュ「感情抑制モジュール、最大出力で安定を確認」
指揮官「おお、成功したみたいだな」
ガスコーニュ「状態良好。ガスコーニュ、命令の遂行が可能」
指揮官「そうだな……記録のために身体状況等を随時報告するように」
ガスコーニュ「了解」
指揮官「(さて、ガスコーニュの感情を揺さぶるようなことをしなければ)」
指揮官「(感情を揺さぶる、例えば彼女が抑制できないほど喜ぶようなことをすればいいわけだ)」
指揮官「(もちろん感情が大きければいいから悲しむことや怒ることでもいいけど、そんなこと彼女にはできない)」
指揮官「(いやしかし……)」
ガスコーニュ「……?」
指揮官「(何したら喜ぶのか全然かんねえ!)」
ガスコーニュ「主、現在の『見つめ合う』状況はこれ以上不要と判断。実験項目の移行が必要と認む」
指揮官「ああ、うん」
指揮官「(ど、どうする!?あ、そうだお茶!味をほめたら喜んでたみたいだしこれなら!)」
指揮官「ガスコーニュ!お茶、おいしいヨ」カタカタ
指揮官「(なんかカタコトになった!てかめっちゃ手震える!)」
ガスコーニュ「お茶の味についての評価は先程受け取った。さらに今回の評価も先程と相違なしと判断。同様の評価を述べる意義はなしと認む」
指揮官「ごもっとも!」ガ-ン!
ガスコーニュ「加えて時間経過により温度が低下していることから、味も低下していると判断」
指揮官「しかも冷静!」ガガ-ン!
ガスコーニュ「時間経過後も味の評価に変更がなかったことから、主の味覚に異常が発生している可能性を考慮」
指揮官「その心配はメートルちょっと傷つくかも!」ガガガ-ン!
指揮官「(お茶はダメか……!なら次は……)」
指揮官「こ、コーヒー!飲みたいって言ってたろ?俺コーヒーメーカーの使い方覚えるからさ。今度ご馳走するよ!」
ガスコーニュ「所属艦隊の構成員マインツが用意する方が味の質が高いと推測。主が用意する意義を判断しかねる」
指揮官「返す言葉もねえ!」ガ-ン!
ガスコーニュ「また、過度に高性能な設備の導入は不要と判断。艦隊運営への支障を認む」
指揮官「それは言わないでくださぁい!」ガガ-ン!
指揮官「(まだまだぁ!)」
指揮官「お前の休み4日後だったよな。俺もそこ休みにしようと思うんだ。一緒に買い物でもしないか?」
ガスコーニュ「主が艦隊指揮の中枢を担っている以上、休日の日程は早急に決定すべきと判断。細かな日程調整の都合上、急な申請は通らない可能性が高いと認む」
指揮官「仰る通りだよちくしょおおおお!!!!」orz
指揮官「はぁ、俺ダメだな。同じ指輪をしてるパートナーだっていうのに、お前が喜ぶような気の利くことひとつ言えないなんてさ」ポム
指揮官「(そういえばガスコーニュの頭を撫でるのは初めてかもしれない)」
指揮官「(駆逐の子たちにはせがまれてやることもあるけど、戦艦になってくるとそういうことは言ってこないし、中には嫌がる子もいる)」
指揮官「(なにより彼女には触れれば消えてしまうような儚さがあったから、これまで避けていた)」
指揮官「(指輪を渡しはしたけど、彼女にとっては感情解放の側面が強いだろう)」
指揮官「(過去を持たないという開発艦の性質と遅れた感情の発露。もしかしたら彼女はこの艦隊で最も幼いのかもしれない)」
ガスコーニュ「主、不用意な身体的接触は不要と判断。現在の行動の中断を求む」
指揮官「あぁ、嫌だった?ごめんな、すぐ辞めるかr……ガスコーニュ?」
指揮官「(撫でるのをやめようとしたら吸い付くように頭を手に押し付けてきた)」
ガスコーニュ「……///」カオマッカ
指揮官「(これは……)」
指揮官「ガスコーニュ、現在の身体状況を報告せよ」
ガスコーニュ「へ、平常時と相違なく……」
指揮官「正確に」
ガスコーニュ「体温の急激な上昇を確認。この接触における『カンジョウ』を分析し『ヨロコビ』と判断」
指揮官「それで?」
ガスコーニュ「……頭部への継続的接触を求む///」
指揮官「よくできました」ナデナデ
ガスコーニュ「……んん」
指揮官「……」ナデナデ
ガスコーニュ「……」
指揮官「……」ナデナデ
ガスコーニュ「んー……」
指揮官「……」ナデナデ
ガスコーニュ「♪」
指揮官「(かわいい)」ナデナデ
指揮官「さて、撫でるのはこの辺にして次行くか」
ガスコーニュ「あ……」
指揮官「ん、なにか?」
ガスコーニュ「なんでもない」
指揮官「そうか」
指揮官「今のところ直接触れるのが1番効果的みたいだし、この方向で実験を進めるか」
ガスコーニュ「了解」
指揮官「(とは言ったものの、どこをどう触ればいいんだ?嫌がらなさそうなところってどこだ?何やっても裏目に出る気がする……)」
指揮官「とりあえず手から行ってみるか。俺の手、適当に触ってみてよ」
ガスコーニュ「『適当に』……具体的な指示を求む」
指揮官「えっと、なんかこう……にぎにぎする感じ、とか?」
ガスコーニュ「指示確認。主の手をにぎにぎする」ニギニギ
指揮官「おお、どうだ?」
ガスコーニュ「……」ニギニギニギニギ
指揮官「あのぉ……」
ガスコーニュ「……」ニギニギニギニギニギニギ
指揮官「ガスコーニュさん?」
ガスコーニュ「……はっ!」
指揮官「報告を……」
ガスコーニュ「……『カンジョウ』『ショウドウ』の発生を確認。分析の結果、『カンジョウ』は『タノシイ』と判断。『ショウドウ』は『更なる身体的接触』」
指揮官「触りたい場所とかある?」
ガスコーニュ「腕、肩、首、胸、腹……」
指揮官「多いな……」
ガスコーニュ「以上の結果から情報を更新。『ショウドウ』を『抱擁』と判断」
指揮官「抱きつきたいの?」
ガスコーニュ「……はい」
指揮官「(まじか)」
指揮官「(抱きつかれるの?ガスコーニュに?今から?俺死なない?)」
ガスコーニュ「……」ジ-
指揮官「(でも断るとか無理だし……ええいままよ)」
指揮官「ど、どうぞ」バッ
ガスコーニュ「ガスコーニュ、実験を遂行する」スッ
指揮官「(はっきりしたセリフとは裏腹に、恐る恐るといった様子で腕が伸びてくる)」
指揮官「(俺の脇の下を通った両腕は折れ曲がり、背中を抱くような形になる)」
指揮官「(さらに彼女の身体が近寄り、やがて密着する)」
指揮官「(彼女の頭が俺の胸にぴったりくっついた)」
指揮官「(まるで心臓の鼓動を聞いているようだ)」
指揮官「(っていうか……)」
ガスコーニュ「……ん」ギュ-
指揮官「(めっちゃいい匂いするぅぅぅぅ!!!あとなんかやわらかいのが当たってるぅぅぅぅ!!!)」
指揮官「(たまに擦り付けるみたいに頭動かしてくるし!その度にやわらかいのが形を変えて密着するし!)」
指揮官「(この子の身体が何でできてんの!?あの青くて固いナタデココみてーなのからは考えられないやわらかさなんですけど!?)」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、抱擁は抱きしめ合う必要があると判断。主からの抱擁を求む」
指揮官「あっはい」ギュ
ガスコーニュ「んぅぁ……んっ、はぁ……」ギュ-
指揮官「(やばい俺死んだ)」
指揮官「そ、そろそろ次の実験に……」
ガスコーニュ「ふぁすほーにゅ、ほのままのしょーふぁいおひししてつひのしっへんにいほうふるへきほはんらん」ギュ-
指揮官「なんて?」
指揮官「(頭うずめたまま喋ってるから何言ってるかわからん。なんかもふもふ言っててかわいいけど)」
ガスコーニュ「めーほるとぎゅーふるのすほくひもひい」ギュ-
指揮官「(ダメだ全然わからん)」
指揮官「一旦離れて」グイッ
ガスコーニュ「……む」
指揮官「次はどうしようか。何かしたい事ある?」
ガスコーニュ「これまでおもに触覚を用いた実験内容であったため、別の感覚器による実験を提案。聴覚もしくは嗅覚が適当であると判断」
指揮官「聴覚はさっき惨敗したから置いといて、嗅覚ってなんか好きな匂いとかあるの?好きな食べ物とか?いやそれだと味覚になるか……」
ガスコーニュ「……」スッ
指揮官「……ガスコーニュさん、その指が指す方向にはメートルしかいないんですけど」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、実験を開始する」グイッ
指揮官「ストップストォーップ!さっき似たようなことやったでしょ!?」
ガスコーニュ「だから先程の実験中、抱擁状態のまま次に移行すべきと提案した」
指揮官「そんなこと言ってたんかーい!!!」
指揮官「とにかく本当にストップ。一旦落ち着こう」
ガスコーニュ「……むむ」
指揮官「(また抱きつかれたら理性とサヨナラすることになりかねん)」
ガスコーニュ「嗅覚での実験を中止した場合、聴覚での実験を推奨する」
指揮官「そうは言っても、さっき散々だったしなぁ」
指揮官「(結構頑張って考えたけど尽く撃沈したし。他に何かあるだろうか。彼女が喜びそうなこと……)」
指揮官「(そういえば、彼女が嫌われることを危惧していた時に言ったあの言葉。あれもしかしたら喜んでたんじゃないか?)」
ガスコーニュ「……」ジ-
指揮官「(もしかしたらあの言葉を待ってるんじゃないか?)」
指揮官「いいか、ガスコーニュ」
ガスコーニュ「!」
指揮官「俺はお前を絶対嫌いにならない。お前のこと絶対見捨てたりしない」
ガスコーニュ「……」
指揮官「俺はお前とずっと一緒にいるって決めたんだ。指輪を渡した時じゃない、初めて逢ったときに決めたんだ」
ガスコーニュ「……」
指揮官「俺はお前のこと、心から愛している。だから安心しろ」
ガスコーニュ「……」
指揮官「お前、これもう1回言って欲しかったのか?」
ガスコーニュ「め、主の想像に一任する……」プイッ
指揮官「あはは、そっか。なんか力抜けた。お前ほんとにかわいいなあ」クスクス
ガスコーニュ「ふみゃっ!?///」ポンッ
指揮官「えっ?今感情が……」
ガスコーニュ「出てない」キリッ
指揮官「いやでも耳真っ赤……」
ガスコーニュ「出てない」キリッ
指揮官「そうか……」
指揮官「(ふむ……)」
指揮官「かわいい」
ガスコーニュ「……」
指揮官「かわいい」
ガスコーニュ「……」
指揮官「かわ」
ガスコーニュ「主待って。ほんとに待って///」プシュ-
指揮官「面と向かって言ったことあんまりなかったもんな。いやーいいもん見れた」
ガスコーニュ「もー!///」カァ
指揮官「これからはちゃんと言うから」
ガスコーニュ「主のいじわる!///」
指揮官「ごめんって。でも感情出たし俺の勝ちだな。データ十分集まったしそろそろ実験は終わりにするか。感情抑制モジュール切っていいぞ」
ガスコーニュ「え」
指揮官「ん?」
ガスコーニュ「いいの?」
指揮官「ああ、実験ももう終わりだし、切っていいぞ」
ガスコーニュ「……」
指揮官「ガスコーニュ?」
ガスコーニュ「…………だからね」ボソッ
指揮官「なんて?」
ガスコーニュ「………………主がいいって言ったんだからね?」
指揮官「え?」
ガスコーニュ「めーとるぅ♡」ガバッ!
指揮官「は!?な、なに!?!?」
ガスコーニュ「めーとるめーとるぅ♡んー、やっぱりいい匂い♡さっき嗅げなかったから我慢してたんだよ?スリスリしていい?めーとるにガスコーニュの匂いいっぱいつけるね♡」スリスリクンクンス-ハ-
ガスコーニュ「ねぇめーとる、抱擁実験続きしよ?ガスコーニュ、まだぎゅーしたりないもん!ほらはやく、ぎゅってぎゅぅって♡」ギュ-
指揮官「ど、どういうことだ!?ちょっと待って!」
ガスコーニュ「うん、わかった」
指揮官「思いのほか素直!」
指揮官「(一体どういうことだ!?何故こうなった!?)」
ガスコーニュ「ねーぇ」ギュ-
指揮官「(俺が感情抑制モジュールを切っていいと言ったからか!?いやでも普段の彼女はこんな感じじゃないし)」
ガスコーニュ「めーとるぅ」スリスリ
指揮官「(いやもし仮に、普段からモジュールを使い感情を制御していたなら……)」
ガスコーニュ「ねぇってば」
指揮官「なに」
ガスコーニュ「もーいーかい?」
指揮官「もーいーよ。え、なにが?」
ガスコーニュ「はむはむ」
指揮官「ほわっち!?」
指揮官「(耳噛まれた!?甘噛みされた!?)」
ガスコーニュ「いい感じに塩っけあっておいひい♡」ハムハム
指揮官「あばばばばば」
指揮官「(この状況はさすがにまずい!誰かに見つかったらやばい気がする!誰見つかったらやばい?誰でもやばい!)」
指揮官「ががガスコーニュ!これだけ教えて!なんでこうなった!?」
ガスコーニュ「めーとるが我慢しなくていいよーって言うから、我慢やめたら今までの分全部出ちゃった♡」
指揮官「出ちゃったかー」
ガスコーニュ「うん!だから満足するまでぎゅぅってするね!」ギュ-
>>34
「ガスコーニュ、このままの状態を維持して次の実験に移行するべきと判断」
「主とぎゅーするのすごくきもちー」
で合っとる?
ガスコーニュ「そうだ、お休み合わせてくれるって言ってたやつ。一緒にお出かけ、約束だからね?絶対だからね?」
指揮官「それ難しいのはお前が説明したじゃん!」
ガスコーニュ「知らないもん!ガスコーニュ、めーとるとお出かけしたいもん!」
指揮官「いやでもなぁ……」
ガスコーニュ「めーとるは、ガスコーニュとお出かけ……い、いやなの?」ウルウル
指揮官「んなわけあるかぁい!!!」バンッ
ガスコーニュ「!!!」パァァ!
>>46
マインツ「どうした?褒めてほしいのか?」
ごめんなさい調子乗りましたそれで合ってます
もうちょいで終わる予定なんで楽しんでいってください
ガスコーニュ「めーとる好き、大好き♡ぎゅぅってするの気持ちよくて好き。いい匂いがして好き。優しくって好き」ギュ-
指揮官「ああ、ありがとう。俺も好きだよ」ギュ-
指揮官「(あーもーどうにでもなーれ☆)」
ガスコーニュ「でもね、主」
ガスコーニュ「主の好きなところいっぱいあるけど、1番好きなのは眼なんだよ」
指揮官「ガスコーニュ……」
ガスコーニュ「私が生まれた時、初めて見たもの。初めて見た人。初めて私を見てくれた人。主の全部が私の初めて」
ガスコーニュ「ねえ主、さっきの勝負、私負けちゃったけど、1個だけお願い聞いてくれないかな?」
指揮官「お願い?」
ガスコーニュ「それはね……」
指揮官「(それからというもの……)」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、ただいま帰投した」
指揮官「おかえり。怪我はない?」
ガスコーニュ「うん、平気」ニコッ
指揮官「(大きな変化はなく、平穏な時が過ぎていた)」
指揮官「よし、報告頼む」
ガスコーニュ「はい。今回の出撃では……」
指揮官「(あの後、彼女との約束を果たすため急な休みを取り、それが原因でニーミに怒られたりはしたけど)」
ガスコーニュ「以上、報告終わり」
指揮官「うん、順調だな。下がっていいぞ」
指揮官「(いつもと同じ景色、いつもと同じ彼女)」
ガスコーニュ「ねえ主、あのね……」モジモジ
指揮官「ん?」
指揮官「(しかし、ひとつだけ明確な変化がある)」
ガスコーニュ「ガスコーニュ、出撃頑張った。だから……甘えさせてね♡」
指揮官「ああ」
指揮官「(ガスコーニュが俺の膝の上に座り、正面から抱きついてくる)」
ガスコーニュ「……んぅぁ♪」ギュ
指揮官「(彼女は出撃後等、こうして甘えてくるようになった)」
指揮官「(定期的な感情抑制モジュールの完全切断。それが彼女のお願いだった)」
ガスコーニュ「んんー♪めーとる頭撫でてぇ♡」
指揮官「ああ」ナデナデ
指揮官「(少々心臓に悪いけど、あの時ほどじゃないから何とかなっている)」
指揮官「(実験結果に『ガスコーニュの感情抑制モジュールを完全切断すると超デレる』と記載したレポートは最高機密として封印した)」
指揮官「(残る問題は……)」
指揮官「ガスコーニュ、結婚しよう」
ガスコーニュ「するー♪」
指揮官「(もう結婚済みの彼女に何度も求婚してしまうこと)」
おしまいです
読んでくださった方ありがとうございました
筆が遅くてすいません
感想、質問等あれば是非に
おつー
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