女騎士(まさか先日遭遇したゴブリンの集団にあそこまで手間取るとは)
女騎士(私も腕が落ちて来たな、ギルドの依頼ばかり受けていたからか?)
女騎士(まあいい。怪我が治ったら暫くは訓練所に通うとしよう……さて)
女騎士「足が暫く使えない、探索と護衛以外で頼む」
斡旋屋「はいよ」
斡旋屋「……あー、あんたさ。何か書類仕事に向いた技能は持ってたかなあ」
女騎士「戦闘職なら」
斡旋屋「なるほどなるほど」
斡旋屋(仕事なんてねーよゴリラ)
女騎士「むう、何故だ。冒険者組合に比べれば遥かに就活難度は低いと思っていたのだが」
女騎士(斡旋屋に追い返された以上、手ぶらで帰るわけにも……どうしたものか)
女騎士(……ん?)ピタ
女騎士(撮影に協力すれば25G! これなら食事付き宿五日分だ、怪我が治るまで充分)
女騎士「決まりだな」こくん
<「ままー、あのお姉さん真っ暗なおうちに入っちゃったよ?」
<「し! ああいうお仕事の人なのよ」
怪しい男「はあ、聖騎士さんね……本当に騎士団所属の人じゃないの?」
女騎士「私は聖騎士であって、貴族のような人間社会に縛られた者ではない。神に仕えし使徒である」
怪しい男(扱い辛さナンバーワンじゃねえか)
女騎士「それで、どうだ? 腕力なら自信がある。撮影の手伝いなら出来るが」
怪しい男「生憎だけどカメラマンは揃ってるし、カメラを持ってりゃいいわけじゃないからね」
女騎士「そ、そうなのか……」
怪しい男(聖騎士は男女共に美人が多いよなやっぱ、この女騎士も中々だ)
怪しい男(雇いたいのは山々だが戒律を犯すと凡人以下になる連中だからなぁ、面倒くせえな。やっぱ帰らせるか)
女騎士(真剣な表情で私を見ているな。やはり神の恩恵を受けし私は気になるか)
怪しい男「おたく、不採用」
女騎士「OH……」
女騎士「やはり足の包帯が全ての不幸の元凶だ」
女騎士「所持金が足りないから神殿で治療を受けていなかったが、こうなれば借金でもするか……」
女騎士(銀行は戒律に反する。ここは金の流れが不純な闇金に頼るとしよう)
女騎士(む! 流石は私だ、さっそく融資を請け合ってくれる会社のビラを発見したぞ)ペラ
女騎士(どこかで見たような名前の組織が運営しているようだが、まあ気にするほどでもないだろう)
女騎士(そろそろ腹が減って来た。膳は急げだな)スタスタ
>膳は急げ
誰がうまいこと言えと
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