これは、パラディ島の人々がウォール・マリアを奪還し
マーレの義勇兵達と親睦を深め少し経った頃のお話である。

イェレナ「今日は新しい品を仕入れてきました」

ハンジ「これは何だい？」

リヴァイ「デケェ箱だな…物を収納するにはちょうど良さそうだ」

イェレナ「それがこれは収納箱ではないのですよ」

リヴァイ「ほう？」

イェレナ「パソコンというものです。使い方は後程説明しましょう」

ヒストリア「そのぱそこんという物も、我々壁内人類の生存に必要な道具なのですか？」

イェレナ「はい、使い方次第では強力な武器になります」
イェレナ「ただ、まだこの１台しか手に入りませんでした」

リヴァイ「ほう」

イェレナ「とりあえず、女王様に管理してもらいましょう」

ヒストリア「わ、私が…ですか？」

リヴァイ「まあ、まだガキとは言えお前が壁内のトップだからな…やるしかねぇ」

ハンジ「私にも後で触らしてくれよ、ヒストリア！」

１週間後…

ヒストリア「では、今日の会議はここまでにしましょう」ｶﾞﾀｯ

ザックレー「ところで陛下、私の作品を展示したいのですが…」

ヒストリア「まだ言っているのですか？却下です、聞きたくもありません」

ザックレー「なんじゃい、ケチ」

ヒストリア「ふ～………」

ーヒストリア自室ー

ヒストリア「はあ…」ボフッ

ヒストリア「疲れた…女王は疲れるよ…」
ヒストリア「…」ﾁﾗｯ

パソコン「…」

ヒストリア「…さて、と…」ｻﾞｯｻﾞｯ

ｶﾞﾀｯ
ﾋﾟｯ

ヒストリア「今日も息抜きの時間だ」ｶﾁｶﾁ

ｶﾁｶﾁ ｶﾁｶﾁ
ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…

『とある島で女王様やってる１０代の女の子だけど質問ある？』


ヒストリア「…よしっ」ﾀｱｰｯﾝ

ヒストリア「ふふ、イェレナさん達から聞いた話によると島国も色々あるみたいだし…そして何より○ちゃんねるでこんな書き込みをしたところで女王様だとか簡単に信じる人はいないよね」

ヒストリア「このスリル…たまらないなぁ……」

ヒストリア「さて私の立てたスレにレスがつくまで他のスレでも…」ｶﾁｶﾁ


『ヒィズル国 キヨミ様ファンクラブ』（315）

『（世界中の皆集まれ～）悪魔の民族エルディア人を叩くスレ part51』（899）

『私の巨人が不細工で辛い…』（25）


『エルディアクソワロタwwwww』（158）

『エルディア人とか存在する価値あるの？』（630）

『エルディア人を擁護するスレ』（15）


ヒストリア「おいおい、私ら（エルディア人）嫌われすぎだろ」

ヒストリア「特に今日はヤバイな…休日だからかな」ｶﾁｶﾁ

ヒストリア「擁護してくれる人も居るけど流石に辛いよ…」ｶﾁｶﾁ

ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

ヒストリア『確かにエルディア人は過去に多くの罪を犯してきました。その敵対感情を一方的に悪だと断じ批判するつもりはありません』

ヒストリア『しかし、だからと言って民族全てが悪かのように叩くのは良いこととは思えません、世界中のどの民族でも…様々な個性や性格、考え方を持った人間がいるのです』

ヒストリア『叩くべきは人ではありません。その罪深き醜い歴史を正そうとせず、繰り返そうとする者達…それを見てみぬふりし思考停止した者達、血を流し続けても止まることなく繰り返される人類全体の争いの歴史』

ヒストリア『皆で冷静にこの現状を認識し、今一度どうすれば人の歴史が良くなるのか考えるべきではないのでしょうか？民族叩きをしたところで戦争はなくならない…むしろ悪感情が更に蔓延するばかりで何も解決はしないのです』ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

ヒストリア「ふ～……言ってやったぞ」ｶﾁ

ヒストリア「さて、これで皆少しは冷静に…」


ヒストリア「お、さっそく大量の返信レスが」

『↑くっさwwwww長文乙wwwww』

『悪魔の民族擁護するとかwwwww』

『うっせぇんだよ、エルディアの回しもんが黙れカス去れ』


ヒストリア「くっそ、何だこいつら！！」バンッ

ヒストリア「…くぅ～…っ、悔しい～～………っ！！！」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

ヒストリア「こういうスレには下手に書き込まない方がいいな…！」ｸﾞｸﾞｯ

ヒストリア「気を取り直して…」ﾌｰｯ

ヒストリア「私のスレ…」



『とある島で女王様やってる１０代の女の子だけど質問ある？』（7）

ヒストリア「お、レスがついてる！」

ヒストリア「でも思ったより今日は少ないな…前に立てた、しりとりスレや好きな本スレはもっと短時間でいっぱいレスついたんだけど。別のスレに人が集中してるんだろうか。皆どんだけ私ら（エルディア人）の話がしたいんだよ…」

ヒストリア「一周回って人気者かよ」ｶﾁｶﾁ

『とある島で女王様やってる１０代の女の子だけど質問ある？』


『ネカマ乙』

『妄想乙』

『これは分かりやすい釣り』

『１０代の女の子クンカクンカ』

『証拠うぷ』

『パンツ見せろ』

ヒストリア「…」


ヒストリア「何だろう、昨日だったら『何だこいつら！』って思っていただろうけど…」

ヒストリア「さっきまで本当の人間の悪感情が蔓延したスレに居たせいか凄く平和で愉快な奴等に見える…」ﾌﾌﾌｯ

『早く証拠見せてみろネカマ』

『クンカクンカ』

ヒストリア「ん～～………」

ヒストリア「…顔見せなければ問題ないよね？」


ヒストリア「イェレナさんから貰ったこのカメラで…鏡、鏡」ﾀﾀｯ

ﾊﾟｼｬｯ


ヒストリア「これでどうだ！」


女王様は自撮り写真（お祭りで貰ったエレン巨人のお面装備）をupした。

『綺麗な金髪だ…』

『クンカクンカペロペロモフモフ』

『結婚しよ』

『結婚しよ』

『結婚しよ』

『結婚しよ』

『結婚しよ』


ヒストリア「わぁ……」

ヒストリア「何だか全部ライナーに見える…」



ヒストリア「…っと」

ヒストリア『年齢的にもお飾りな面が強いとこがたまに凄く辛いし～』ｶﾀｶﾀｶﾀ

『それは辛いねー』

『結婚しよ』

ヒストリア『あと、兵団トップのじいさんが男の裸を弄んで喜ぶ変態だし～』ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

『なんだそれw』

『こんな感じ？（参考画像）』

ヒストリア『そうそう、まさにそんな感じwww』ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

『やめろw』

『結婚しよ』

ヒストリア（…なんだこいつ、さっきから結婚しよしか言わないな…）ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ