智絵里「今度のライブのお疲れ会で何かできたらなぁって思って……」

笑美「智絵里はん、お笑いに興味ある言うとったからなぁ。よっしゃ！ ウチが一肌脱いだるわ！」

智絵里「ほんと！？ ありがとう、笑美ちゃん」

智絵里「お笑いってどうしたら面白くなるのかな？」

笑美「お笑いの永遠のテーマやな。まあ、一つには期待を裏切ることやな」

智絵里「私はみんなの期待に応えたいです……」

笑美「いや、あのそういうわけじゃなくて……例えば、昔話みたいに、『お爺さんは山へ芝刈りに』ってきたら『お婆さんは川へ洗濯に』ってくると思うやろ？」

智絵里「うん」

笑美「そこが期待や。それを裏切ることで面白くなるねん」

智絵里「へぇー。お婆さんは川へ泳ぎに……みたいな？」

笑美「そうそう。ツッコミも大切やで。『いや、何遊んどんねん！』みたいな感じで。でも川で泳ぐのはあんまり意外性がないかもな」

智絵里「うぅ、お笑いって難しい……」

笑美「他には何か文脈を無視してみたりとかやな」

智絵里「む、無視……？ 私のこと、見捨てないで下さい……」

笑美「いや、智絵里はんを無視してるわけやなくて……ってこれがその『文脈を無視してみる』そのものやな」

智絵里「えへ……上手にできましたか？」

笑美「おぉ！？ 智絵里はんのネタやったんか。ちゃんと拾えんかったわ……ウチもまだまだやなぁ」

智絵里「あ、笑美ちゃんは悪くないですよ。私のボケがわかりにくいのがいけなかったんです……」

笑美「いやー、でもそれを拾えるようにするのがお笑いやからなぁ」

智絵里「ツッコミって難しいんですね？」

笑美「慣れれば智絵里ちゃんでも大丈夫や。それより肝心なのはネタをするときは笑わないことや」

智絵里「お笑いなのに笑っちゃダメなんですか？」

笑美「ウチらは笑わせる側や。笑わせる側は真剣にやってるからお客さんも笑ってくれるんや。要は演技力の問題やな」

智絵里「演技力……！」

笑美「まあ、百聞は一見にしかずや。実際にやってみよっか。カモン！ 鈴帆っち、亜季はん！」

ザッ！

鈴帆「やったるばい！」

亜季「お任せ下さい！」

笑美「あぁ！ お客様、お客様！ どうされましたか！？ 大変お客様が倒れて……」

笑美「お客様の中でどなたかお医者様はいらっしゃいますかー？」

鈴帆「はい」

笑美「あ！ お客様が──」

鈴帆「トイレ行ってきていいですか？」

ズゴー
笑美「こんな時に何言うてますねん！ トイレぐらい勝手に行って下さいよ！ 全くもー。どなたか！ どなたかお医者様はいらっしゃいませんかー！」

亜季「手を上げろ！ 動くと撃つぞ！」

笑美「うわぁ！ ハイジャック！ どないすんねんこんな状況でー」

ポンポン
笑美「どうされましたか？ お客様」

鈴帆「ほらお医者さん、いっぱいいちょるばい」

笑美「いやそれ違うー！ みんな脅されて手ぇ上げてるだけー！ なんでやねん！ ハイジャック犯見えへんのかいなー」

鈴帆「これがホントの……お手上げ」

笑美「うっさいわ！ どうもありがとうございましたー」

笑美「みたいな感じや。どうやった？」

智絵里「う、うん。みんな真剣ですごかったよ？」

笑美「しけてるやん！」

智絵里「ごめんなさい……お笑いは真剣にって言ってたから、笑わないように……」

笑美「いや笑ってー！ 智絵里ちゃんお客さん！」

智絵里「嘘です♪ 面白かったですよ」

笑美「よかった。今度はこっちもちゃんと拾えたわ。智絵里ちゃんもだんだん、お笑いがわかってきたんちゃう？」

智絵里「本当ですか！」

笑美「モチロン！ よし、このまま特訓や！ 次はなんでかわからんけど面白いやつや！」

智絵里「はい！」

お疲れ会当日

杏「で、特訓ばっかりで肝心のネタを作ってこなかったと」

智絵里「ううぅ……」

かな子「だ、大丈夫だよ！ またチャンスはあるよ！」

智絵里「ありがとう。かな子ちゃん」

杏「で、智絵里ちゃんは出し物なにするの？」

智絵里「とりあえず、歌でも歌おうかなって」

かな子「智絵里ちゃんらしくていいと思うよ？」

周子「はーい、次は笑美ちゃんのお笑いショーだよー」

パチパチパチパチ……

笑美「どうもー難波笑美でーす！」

智絵里「あ、笑美ちゃん！ 待ってください」

笑美「智絵里はん？ どうしてん？」

智絵里「私も……参加させて下さい！」

笑美「えぇ！？ 無茶やで！ ネタ合わせも何もしてないやん！」

智絵里「アドリブで頑張ります！ やっぱり私諦めきれなくて……！」

笑美「あかんあかん！」

智絵里「そこをなんとか……！」

笑美「あかんって！」

智絵里「お願いします！」

杏（ち、智絵里ちゃん……）

かな子（そんなにやりたかったんだ……）

笑美「こんだけ言うてもわからんのかい？」

智絵里「わかりません！」

笑美「あかん言うとるやろ」ドリザッパ用意

智絵里「そこをなんとか──」

パァ───ン！！

智絵里「ワァーオィ！」

一同（！？）

周子（まさかの乳首ドリル）

服を脱がされる智絵里

智絵里「怖い怖い怖い怖い！」

杏「ちょっ！？」

かな子「水着ぃ！？」

パァーン！
智絵里「ワァーォイ！」
パァーン！
智絵里「ワァーォイ！」
パァーン！
智絵里「ワァーォイ！」

スッ

智絵里「ワァーって来ないんですかい！」

智絵里「来るのかと思ったらこっち来ないんですかい！来るのかと思ったらこっち来ないんですかい！」

パン！
智絵里「つま先やめてください！」
パン！
智絵里「つま先やめてください！」

パーン！
智絵里「顎やめてください！」
パーン！
智絵里「顎やめてください、笑美ちゃん」

パン
智絵里「脇やめてください」
パン
智絵里「こら。脇やめてください」
パン
智絵里「脇やめてください！ 毛細血管がいっぱい詰まってるところ、わーきー！」

笑美「？」

智絵里「毛細血管がいっぱい詰まってるところ、わ──き──！」

笑美「？？」

智絵里「毛細血管がいっぱい詰まってるところ、わ───き───！」

笑美（ごめんもう一回！）

智絵里「毛細血管が──ってなんで聞こえないんですか！ この距離ですよ！？」

笑美「毛細血管がいっぱい詰まってるところ、脇っていうところがちょっと聞き取りづらかった」

智絵里「そう言ったんですよ！」

ツン
智絵里「乳首ドリルしないでください」

美穂（え、ええぇえ！ そこもやるの！？）///

ツン
智絵里「乳首ドリルしないでください！」
ツン
智絵里「やめてください！」
ツン
智絵里「やめてください！」

李衣菜（お笑いだからセ、セーフなのかな？）

ツン
智絵里「やめてください！」
ツン
智絵里「やめてください！」
ツン
智絵里「ん……? や、やめてください！」///

李衣菜「あ、ああアウトじゃん！」///

李衣菜「プロデューサー、これ──！」

P「」

李衣菜「し、死んでいる……！」

パン！パン！パン！
智絵里「つま先、顎、脇やめてください！」
スッ
智絵里「ドリル、ドリル、ドリル──」
智絵里（あわわわわ……焦ってすごく飛ばしちゃったよぉ！ どうしよう……ってバランスが！）ぐらっ

笑美「あ」

グリッ
智絵里「んふううぅ?」

杏「スト────ップ！！」///////

李衣菜「アウトアウトアウト！！！」//////

美穂「//////」ドキドキドキドキ

まゆ「プ、プロデューサーさんが！」

加蓮「早く救急車！」

智絵里「あわわわわ……た、大変なことに！」

笑美（どうしてこうなったんやろうな……）

周子「はい」

かな子「どうしたの！？ 周子ちゃん！」

周子「トイレ行ってきていいですか」

智絵里 笑美「なんでやねん！」

おわり

蘭 子「混 沌 電 波 第170幕！（ち ゃ お ラ ジ第170回）」
蘭子「混沌電波第170幕！（ちゃおラジ第170回）」 - SSまとめ速報
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さては>>1は社会学とか心理学畑の人間だな
乙