僕の許嫁はかわいいけど冷たい Part1 (13)
注意
・スレ主が中高時代に妄想していたイタい話です。「ああ、いたいいたい。」とでも思ってください。
・この物語はオリジナル創作物のカテゴリーに入ります。きっちり登場人物にも名前がついているので、スレ主の文才も相まって感情移入しづらいかもしれません。
・作者は漢字が苦手です。変な間違いがしてご指摘していただいても、直さない場合が多いと思います。
完全に日が沈み、都会の方は昼とは少し違った雰囲気を醸し出す夜の街へと変貌を遂げる。しかし、そんな中一人の男が様々な光を放つ地域とは真逆の方向・・・
ただの暗闇が支配する山へと走っていた。高校卒業以来、久しぶりに全力で走っている男は歳のせいもあり、油のような汗を額から流しながら狭い小道を進んでいた。
「ひぃひぃ!!・・・ここまで来れば大丈夫か。」
男は立ち止まり膝に手をついて息を整える。肩は大きく上下へと動き、汗は髪を伝って地面へと落ちる。そのわずかな水滴の音でも驚くように肩をビクつかせて、彼は
後方に目を向ける。後ろはただの闇で冷たい風が通るだけ。何も見えないのだがほっとした。今彼は見えてしまうことに怯えている。自分を追いかけてくる何者からだ。
「このまま山に入って、隣町に・・・。」
「どこへいくんだ。」
後方から前へ向き直り走り始めようとした瞬間、男とは違った別の声が聞こえた。その声は男の正面。男は反射的に後ろへ飛んだ。しかし、男の顔面を何か冷た
く長いものが捉えた。
男は言葉にもならない声を上げて吹き飛ぶ。男の身体は塀にぶつかり無情にも地面にたたきつけられる。会社へ入り、ろくな運動はしてこなかった彼の身体はもろく、
骨折は確実な勢いだった。
「―――――――――――ッ!!!???」
男は痛みで絶叫し、それに耐えきれず意識を手放す。彼が目を閉じる際に見たのは、黒いローブを着てフードで顔の見えない人物。その右手には刀が握られていたのだった。
男が気絶したことを確認するとローブを着た人物は、何もない宙に向かってまるで誰かがいるように話し始める。
「オレだ。ぬらりひょんの覚醒者を確保した。支部に戻る。警察への明け渡しは任せた。」
声質からしてローブの人物は男・・・声変わり後の声ではあるがどこか若々しさを感じさせることから中高生くらいだろうか。ローブの少年は話し終わると、刀を左手に持って
いた鞘へ戻した。
「あー眠いよ。」
少年は今度は先ほどまでとは違う覇気の抜けた言葉で、独り言をつぶやくのであった。
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Part1ってなに?
そんなに長く続けるつもりなの?
まぁ少しは期待するから続けて
>>1の痛い妄想は現在進行形だお
~僕の許嫁は可愛いけど冷たい~
小鳥が気持ちよくさえずいている清々しい朝。昨晩の暗闇は面影もなく、空には太陽がキラキラ輝いている。そんな朝をぶち壊すように、とある家の固定電話が少しうるさく呼び出し音を
鳴らし主を呼び出している。それに伴いドタバタと忙しい足音が大きくなってくる。
「うげぇ!?」
変な声と同時に何かが床に落ちた音が家中に響いた。しばらくして、その音を出した張本人がリビングに入ってきて電話の受話器を取った。
『お~優。ずいぶんと出るのが遅かったが風呂にでも入っておったのか?』
「ごめんね、おじいちゃん。寝起きでボーとしながら階段を下りたらものの見事に床に叩きつけられちゃってね。」
車に轢かれた蛙のように床に叩きつけられた樹 優は苦笑いをしながら電話の向こう側にいる祖父、樹 岳と話をする。
『そ、そうか。気を付けるんじゃぞ。せっかくの一人暮らしなんじゃから。』
「うん。僕ももう高校生だから大丈夫だよ。」
優のそのセリフに岳は安心し、言葉を続けた。
『そういえば優、お主に許嫁が出来た。』
「そうなんだ。」
『今日の晩頃にお主の家に着くと思うから迎えてやるのじゃぞ。美人だから楽しみにしておくといいぞ。』
「うん分かった。それじゃあね。」
優は落ち着いた口調で岳にさよならを言って受話器を置いた。そのまま彼は台所へ向かい、菓子パンを取りだし袋を開け・・・
「ちょっと待って!?」
菓子パンをテーブルに置いて再び祖父へ電話をかけ直す。その表情は何か鬼気迫るようなものであり、こめかみが痙攣を起こす程
動揺をしている。
『どうしたんじゃ、優。』
「どうしたじゃないよ、おじいちゃん!!僕に許嫁が出来たってどういうこと!?」
岳は優とは対照的に面白そうな口調で話し始める。
『つまりお前に彼女が出来たんじゃよ。』
「それは分かっているよ。なんでそうなったの、っていうか色々と段階がフライアウェイしているよ!!」
『ワシ、英語はよう分からんから日本語で話してくれんか?』
「とりあえず説明を!」
優は息を切らして、肩で揺らして息を整える。未だかつてないほど彼の顔は赤く染まり、心臓はバクバク動いている。
『まあ今から9年前にじゃが、ワシが当時持っていた剣道の道場に通っていた弟子の一人の娘との婚約を結んだんじゃよ。』
「・・・。」
岳が説明を始めたので、優はまだ激しく鼓動する心臓の音を聞きながら話を聞く。
『まあこの9年間、お主は色恋沙汰が全くなかった。これっぽちといっていいほどに。』
「うぐっ。」
少し気にしていることを突かれて思わず優は声を漏らす。彼は祖父から体力づくりと精神力を鍛えるためとして、剣道を習っていた。まあもっとも今はまったくそういった技術は
使わないのだが。中学の部活動も剣道部に所属していて、特別結果を残したわけではなかった。しかし、中学の時間のほとんどはそれに注ぎ込んでいた。そんなこともあり、彼は周
りで起こる色恋沙汰は9年間指をくわえて眺めているだけであった。
『せっかくなんじゃ、どうせうまくはいかんじゃろうが将来のために女性に慣れておくというのも悪くはないじゃろ。』
「まるで、婚約が成功しないみたいな言い方だけど。」
『いや、お主鈍いっていうかアホじゃもん。』
実の祖父にアホといわれて衝撃の走る優。彼は学業は悪くないのだが、会話において謎の解釈や飛躍をしたりすることがある。ある人は普段がアホすぎるといい、ある人は異世界
から電波でも受信しているのではと言う。
『まあそういうわけじゃから、うまくやるんじゃぞ。』
「えっ、ちょっとまって・・・。」
優の静止も空しく、通話は切れてしまった。急いで再び電話をするが出ない。5回ほどかけ直してみたのだが、今度は電源を切られたようで電子音声が聞こえてきた。
「どうすればいいんだろう・・・。」
とりあえず朝ご飯にしようと、優はテーブルに置いた菓子パンを手に取って食べ始める。
「どうしよう・・・オシャレとかしたほうがいいのかな。部屋はちゃんと片付けているし。後で晩ご飯の食材を買いに行こう。」
今夜は鮭のムニエルかなと、暢気なことを考えながらテレビをつけた優はまだ知らなかった。これから始まる出来事を。
『はい、私白鳥 黎は本日より婚約者が出来ました。』
点いたテレビはニュース番組、そこには美しく長い黒髪と強い意志の宿った赤い瞳をもつ少女が報道陣との会話をしている場面であった。
今日はここまでです。
再開します
昼頃に商店街へ買い物へ行き、夕食の食材の買い出しを終えた優はこれから来るだろう許嫁の女性に心を躍らせながら夕食を作っていた。
「どんな人が来るのかな。」
今の時代、許嫁なんてアニメや漫画のような古臭い手法を取るのだ。それなりに良いところの出身であると優は予想する。最近友人から借りたものでいうと、
金髪ツンデレお嬢様や和服のお淑やか系お嬢様がヒロインだった漫画が頭を過ぎるのだが、あくまであれはフィクションであると思いながら料理をする手を
進めていく。
彼自身今まで色恋沙汰に巻き込まれることがなかったこと、そして気の優しい性格をしていることから先述したもののうちどちらかと言えば、お淑やかな性格
をしている人がいいなと思う。そのまま彼は頭の中で自分の女性の理想像を作り上げていく。
「やっぱり黒髪ロングが王道かな・・・。」
如何せん自分の周りには変な髪色の人が多い。高校に入ってからの友人となった2人は銀髪と赤みがかった茶髪であり、後者はまだ染めたというのは分かるのだ
が、銀髪の彼女はどうしてその色なんだろうか。以前遺伝によるものかと尋ねてみたときに
『気づいたらなってた。アッハハハハハハ。』
と、返されたのは記憶に新しい。着々と優の頭の中で許嫁の理想像が出来上がっていくのと並行して料理は出来上がっていく。火の通り具合を確認していると、
玄関についているインターフォンがリビングに響く。
一気に緊張が優の心を満たし、溢れ出そうになる。震える手をもう片方の手で抑えながら火を止める。もう完全に火は通ったので後はさらに盛り付けるだけ
である。すぐさまエプロンを冷蔵庫にマグネットでくっついているフックに引っ掛けて玄関の方へと向かう。途中テーブルの脚に躓いて転びそうになるのだが
足を前に出して体制を整え直す。鳴り響く心臓の鼓動を抑えつつ、玄関の扉を開ける。
「・・・。」
扉を開けた先には一人の女の子がキャリーバックを片手に立っていた。異性との関わりが豊富だったとは言えない優は、彼女をどこかで見たことがあるよう
な気がするという考えを放棄して、何かかける言葉を考える。
「や、にゃあこにちわ。」
「・・・」
噛んだ、思いっきり。緊張で呂律が回っていないことに恥ずかしさで顔が赤く染まる。何でこんなことになったのか・・・おじいちゃんのせいだと責任転嫁を
しようとするが、やっぱり脳の回転がいつもの7割増しでアホになってしまっている。こちらをジトついた赤い瞳で見てくる彼女はついにしびれを切らしたのか、
その長い黒髪を揺らして口を開いた。
「いい加減家に入れてもらえないかしら、庶民。」
「手首からサザエさんが出てくる」
「床に引き出しがある」
瞬間、優には後頭部をハンマーで殴られたかのような衝撃が走る。いや、トラックに轢かれたレベルだろうか。
「あ、ごめ「いつまで来客を玄関に立たせているつもりなのよ。」・・・ホントすみません。」
たった2回話しただけなのだが、すでにメンタルがズタボロになってしまう。剣道で精神力を鍛えるとはいったいなんだったのかと思いつつも、最悪の事態になってしまったと優
は汚名返上の一手を打とうとする。
「よかったら荷物持つよ、重かったでしょ?」
「別にいいわ、庶民の汚い手で触れないで。」
優の精一杯の言葉も空しく女の子に手を払われて、無理やり家の中へと入っていってしまった。
「(拝啓おじいちゃん、早くも僕の心はへし折れそうです。)」
これからどうなるのかと思いながら、玄関の扉を閉めて優はリビングへと向かったのだった。
今日は早く寝ないといけないのでここまで。
くっさ
山田悠介かな?
最初の注釈ですら日本語誤字ってるから期待ゼロだな
酉とsagaと文章のルールを覚えよう
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