(事務所)
奈緒「プロデューサーさんがあたしの『ウェルチ』を勝手に飲みやがったんだ!」バ-ン!
凛「…ふーん」
奈緒「ありえないだろ! ウェルチの! グレープの! 500mlだぞ!? 冷蔵庫に入ってるのを見つけたら『奈緒のだな』って察するだろ普通は! ていうか、ちゃんとあたしのことをわかっとけよ!」バ-ン!
凛「…」
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凛「奈緒」
奈緒「なんだよ」
凛「奈緒ってウェルチのグレープが好きだったんだね。初めて知ったよ」
奈緒「言ってなかったっけ?」
凛「聞いたことないよ」
凛「誰に言ってるの?」
奈緒「プロデューサーさん。よく奢ってもらうし」
凛「ふーん」
奈緒「そっか、悪いな。しょっちゅう言ってるような気がしたんだけどなぁ」
奈緒「で、まだあるんだよ。聞いてくれ!」カッ!
凛「まだ聞かなくちゃ駄目かな」
奈緒「聞いてくれよ!」カッ!
凛「…どうぞ。話して」ハァァァァ
奈緒「この前な。プロデューサーさんと草津温泉行ったんだけどさ」
凛「え、何それ知らない」
奈緒「話さなかったっけ?」
凛「初耳、初耳。ちなみに仕事で? プライベートで?」
奈緒「プライベート」
凛「ふぅーーーーん…」
奈緒「でな、温泉は最高だったしご飯も美味しかったし旅行は楽しかったんだけど帰りのお土産屋さんでプロデューサーさんが『俺この木刀買うわ』なんて言い出したんだよ。信じられるか?」
凛「へー、木刀ね」
奈緒「そうだよ、中学生かっての。紐付きのを肩にかけて背中に背負って『剣士!』とかやり始めるしホント恥ずかしかったんだよなぁ。まったく。いま思い出しても腹が立つ。プロデューサーさんは子供っぽいんだ」
凛「大変だね」
奈緒「そうだよホント。あたしのことも少しは考えて欲しいよ」プンスカ
凛「…」
凛「あのさ。奈緒」
奈緒「なんだよ」
凛「いま話してるのって不満?」
奈緒「不満だけど?」
凛「ふーん…顔がにやけてるのは気のせいかな?」
奈緒「何言ってんだよ?」
凛「あ、うん。やっぱ気のせいかも」
奈緒「でな。それとは別にこの前プロデューサーさんの家でさ」
凛「待って」
奈緒「ん?」
凛「プロデューサーの家?」
奈緒「ああ。ゲームしに行ったり、漫画借りに行ったりするからな。合鍵も持ってるし」
凛「合鍵て」
奈緒「プロデューサーさんはも面倒くさがり屋だからなー。いちいち連絡を入れられてから家にあげるのは面倒だからって貰ったんだよ…って聞いてるのか? 凛?」
凛「吐き気目眩頭痛がしてきたけど大丈夫平気。ブラァックコーフィーを飲んで中和するからどうぞ続けて。ああゲロ甘ゲロ甘」ズズズズズ
奈緒「あ、うん。でさー、あたしがこの前プロデューサーさんの家に遊びに行ったんだけど、普段仕事で疲れてるからってプロデューサーさんはずっと寝てたんだよ」
凛「うん」
奈緒「寂しかったけどそれなら仕方ないと思って漫画読んでたんだ。でも、急にプロデューサーさんが『抱き枕代わりになってくれ』って真顔で言ってきたんだよ。なんだよ抱き枕って!!」バ-ン!
凛「ふんふーん」
奈緒「ていうか! 仮にもアイドルなんだからそんな頼みごとしないだろ!!!」
凛「断ったの?」
奈緒「は?」
凛「奈緒は抱き枕代わりになるのを断ったの?」
奈緒「…」
凛「…」
奈緒「…断らなかったけど」
凛「なんで?」
奈緒「いや、だってさ。嫌だっつーと悲しそうにするし、すごい疲れてそうだったし…///」
凛「ふぅぅぅぅぅぅぅぅん…」ハァァァァァァ
奈緒「な、なんだよその反応は」
凛「別に。ちなみにハグは後ろから? 正面から?」
奈緒「…正面」
凛「ヨカッタデスネー」
奈緒「う、うるさいっ。何も良くないっつーの…///」テレテレ
凛「…」
凛「そういえばさ。この前の撮影の後、私もプロデューサーと一緒にカラオケ行ったんだ」
奈緒「え」
凛「珍しく早く終わったから時間があったんだよ。カラオケの後は2人で中華料理屋に行ってーーー」
奈緒「…」シュ-ン
凛「…」
奈緒「…」
凛「え、何まさかショック受けてるの?」
奈緒「受けてない…」シュ-ン
凛「いやいやいや。私、奈緒がそんな悲しそうな顔してるの見たことないよ。初めてだよ。河原に捨てられたミニチュアダックスフントみたいだよ。切なさと悲しさと愛くるしさの塊でスルー出来ないよ」
奈緒「…ずるい」ボソリ
凛「はい?」
奈緒「なんで凛だけ…ちくしょう…」グズッ
凛「いやいやいやいやいやいや。あの日は奈緒も加蓮も未央も卯月もみんな他の仕事があったからだよ。たまたまだから。別に私個人がえこひいきされてるわけじゃないから。ごく自然な流れで何の下心もなく一緒に遊んだだけだから」
奈緒「…」ズ-ン
凛「(ウワァァァァ…面倒くさいなぁ…)」
奈緒「…」
凛「…ご飯食べてる時さ。プロデューサー、奈緒のこと話してたよ?」
奈緒「…なんて?」
凛「可愛いってさ」
奈緒「…!」パァァァァァァァァァァ
凛「ちょろぉぉぉい」
奈緒「ったく、あたしのいないところでまでプロデューサーさんは〜♪」ニコニコニコ
凛「あ、でも。ツンツンされると悲しくなるって言ってたな」
奈緒「なん…だと…!」
凛「プロデューサー。奈緒に嫌われてるんじゃないかって心配してたよ。このままツンツンされてるようなら奈緒と一度距離を置いてって…」
奈緒「き、き、嫌ってなんか…!!」
凛「ん?」
奈緒「!」
凛「ねぇ。何を言いかけたの?」
奈緒「な、何でもねぇよ…」モニョモニョ
凛「ふーーーーーーーん」フヒュ-ン
奈緒「ツンツンは駄目なのか…」
凛「この疲れ切ったストレス社会ではツンの要素なんていらないんだよ。徹頭徹尾デレってればいいと思うんだ。コマンドは常に『ガンガンデレようぜ!』がベストなんだ」
奈緒「何の話だよ」
凛「デレッテッテー♪」レベルア-ップ
奈緒「雑すぎるだろその誤魔化し方…そうだ。まだあったんだ」
凛「まだ聞かなくちゃいけないの?」
奈緒「聞いてくれよ!」クワッ!
凛「コーヒー2杯目淹れてくるよ。砂糖ミルク抜きのエスプレッソああびっくりするほど苦そう飲みきれるかな」コポコポコポ
奈緒「この前のライブん時さ、張り切りすぎてあたし倒れたろ?」
凛「うん。アンコールが終わって楽屋に戻った後だったね」
奈緒「そーそー。あの時、凛も加蓮も先に帰ってもらってプロデューサーさんと病院行ってたじゃん」
凛「行ってたねぇ…苦ぁぁぁぁぁ」ズズズズ
奈緒「あたしが点滴を受けてる時、ずっと隣にプロデューサーさんがいてくれたんだけど」
凛「だんだんと苦味がマイルドになってきた」ズズズズ
奈緒「座ってる間、あの人あたしの髪の毛モフりまくってきたんだよ。本っ当にありえないだろ。無抵抗の病人をさー」
凛「甘々甘々甘々」ズズズズ
奈緒「そのうちほっぺたとか引っ張り始めるし…ったく…ああいうところが嫌なんだよなー…えへへ♪」ニコニコ
凛「…」
凛「奈緒」
奈緒「ん?」
凛「付き合ってるわけ?」
奈緒「誰と?」
凛「プロデューサー」
奈緒「付き合ってないけど?」
凛「あそ」
奈緒「…」
凛「…」
奈緒「え、何その質問?」
凛「深い意味はないよ」
奈緒「…///」カァァァァァァァァ
奈緒「…つ、つ、付き合うとか…ありえないだろ!!!」バ-ン!!
凛「さっき間が空いたのはなんでよ」
奈緒「り、凛がいきなり変なこと言うからだろっ!!」バ-ン!!
凛「あ、プロデューサー」
奈緒「はぁ? いきなりそんな嘘ついて誤魔化そうったってそうはいか…」
P「おはよう。凛。奈緒」
奈緒「」
凛「おはよう。私、そろそろ行くね。奈緒が話したいこといっぱいあるみたいだから、あとよろしくプロデューサー」
P「おう?」
奈緒「ちょ! 凛!?」
凛「じゃあまた」
テクテクテク...パタン
奈緒「…」
P「で、何の話?」
奈緒「いや…あたしのウェルチ勝手に飲むなとか…そういう話だけど…」モニョモニョ
P「ああ、冷蔵庫のやつ?」
奈緒「そ、そうだよ。知らなかったなら仕方ないけど…今度からはちゃんと確認して…」
P「いや奈緒のだって知ってたよ」
奈緒「は?」
P「知ってたけど、まあ奈緒のだからいいやって思って飲んだんだ」ド-ン
奈緒「はぁぁぁぁぁっ!?!?」
P「はっはっは」
奈緒「あー! もー! そういうところがありえないんだっての! ちょっとはあたしのことを考えろよ馬鹿っ!!!!」バ-ン
P「はっはっは」ワシャワシャ
奈緒「だー! 髪の毛わしゃわしゃすんな! 笑ってんな! もっと丁寧に扱えよぉぉぉぉっ!!」ギャ-!!
奈緒「ちくしょう!!! プロデューサーさんなんて大っ嫌いだぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ギャー!!
(1時間後)
奈緒「ったく…じ、じゃあ、また今度、一緒に旅行な…///」
P「もちろん」
奈緒「2人でだぞ」
P「はい」
奈緒「約束破るなよな」
P「はい」
奈緒「なら、許す…♪」エヘヘ
(別の場所)
凛「何かわからないけどコーヒーが飲みたい。飲みます。がぶ飲み」ズズズズ
加蓮「また? 今日飲みすぎじゃない?」
凛「飲まないとやってられないんだよ」ズズズズズ
終わり
乙
イチャイチャしやがって!
しぶりんそんなにコーヒー飲むとおしっこ止まらなくなるよ(爆)
コーヒー臭いしぶりんのおしっこは
俺が飲んどくから大丈夫
乙
乙
おかしいな、噛んでたサルミアッキから程よい甘みを感じる
凜さん、目がハイライトオフ通り越して白目と黒目が逆になってそう。
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