雪乃「早めに授業が終わったので来てみれば……まったく、部室を仮眠室か何かと勘違いされているのですか? 椅子はベッドではありませんよ」
平塚「許してくれ……最近疲れてるんだ。職員室は教職員連中がうるさくてな、タバコの一つもろくに吸えやしない」
雪乃「またタバコですか……体に悪いですよ」
平塚「吸ってる連中は皆理解してるさ――っと」ムクリ
雪乃「それならいいのですが……ああ、もう少しゆっくりしていっても構いませんよ。比企谷君も由比ヶ浜さんも今日は遅れるそうなので」
平塚「そうか……不純異性交遊じゃあるまいな」
雪乃「嫉妬は見苦しいですね」
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平塚「そういえば、比企谷は上手くやれているか? アレであの男、中々に友人想いだからな。行き過ぎて反感を覚えていないか心配だが」
雪乃「…………一時期は、すれ違いもありましたね」
平塚「一時期、か。含ましげだな?」
雪乃「ノーコメントで」
平塚「ふふ、上手くやれているようで何より。ああ、教え子たちの仲睦まじい話を聞いているとタバコが進むんだが…………」チラッ
雪乃「……ふぅ、まったく。由比ヶ浜さんが部室に来たら、すぐに消してくださいよ」
平塚「ああ、言われるまでもないさ」
平塚「……雪ノ下」
雪乃「何でしょうか」ペラ
平塚「構ってほしい」
雪乃「子供ですか」ペラ
平塚「あと寒い」
雪乃「抱きついて暖めろと?」
平塚「やめろ、スマホを取り出さないでくれ」
平塚「それにしても、今日は本当に寒いな。部室や職員室はともかく、廊下なんぞ人の住む空間じゃないぞ」
雪乃「それはまあ、行き来するだけの場所ですからね。住むところではありません…………あっ」
平塚「おい待て雪ノ下。勘違いだ、普通に家で寝泊まりしているからな。憐れむような目を向けるな、おい」
雪乃「……冗談はさておいて、お仕事は大丈夫なんですか? 結構サボってるように見受けられますが」
平塚「ああ……あまり大丈夫じゃないけど、今日は休ませてくれ。結構マジな感じで疲れてる」
雪乃「若者言葉が出るくらいには、ですか――――まあ、今日くらいは優しくしてあげますよ」
雪乃「どうでしょう」モミモミ
平塚「悪くない……と言うよりも、良い。かなり良いぞこれは。願わくば由比ヶ浜のような大きな……いや、敢えては言うまい。まだ両腕は惜しいからな」
雪乃「賢明ですね」モミモミ
平塚「あー……たまらん」
雪乃「淑女の声じゃありませんね」モミモミ
平塚「君くらいだ、私を淑女と言ってくれるのは」
平塚「雪ノ下……」
雪乃「何でしょう」トントン
平塚「……君は奉仕部に入って、何か変わったか? 入って良かったと思えているか?」
雪乃「……」トントン
平塚「……」
雪乃「分かりません」トントン
平塚「……」
雪乃「でも、何かは変わったと思います。以前の私なら、平塚先生は追い出してるでしょうから」トントン
平塚「ふふ、そうだな」
完
きっとこんな一幕もあるのではないだろうかと思って書いた
山無し谷無しオチ無し
おやすみ
乙
乙です
いいな
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