フェネック「アライさんのあらい」+ (44)


とあるさばんなちほー


アライグマ「―――――解かったのだ!こたえは【に】なのだ!!」

かばん「……うん。正解です。よく解かりましたねアライさん」

アライグマ「えへへー/////かばんさんの教え方が上手だからなのだ」

かばん「そんな事ないですよ。アライさんが覚えるのが早いからですよ」

アライグマ「そうか…かばんさんがそう言うならそうなのだ!アライさんは覚えるのが早い子なのだ!!」

かばん「ふふ…」


かばん「――――――では。今日はこれくらいでいいですか?アライさん」

アライグマ「うん。もう今日はこれくらいでいいのだ…………」もじもじ…

かばん「ん?どうかしましたか?アライさん」

アライグマ「…………あの…かばんさん。今日のアライさんは、よくできた子だったのだ?」

かばん「はい。良く出来た子でしたよ」

アライグマ「!!」ぱぁ!

アライグマ「…………じゃあ…いつもの―――――/////////」すっ

かばん「はい。いいですよ。アライさん…おいで」ぽんぽん

アライグマ「!!」ぱぁ

アライグマ「わぁい!なのだー」ばっ
ねころり…


アライグマ「えへへ…かばんさんのひざまくらなのだー」ごろごろ

 

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とあるものかげ。


フェネック「…………」じー

フェネック「……………」ギリィ


?「何見てるの?フェネック」


フェネック「!?」びくっ


フェネック「なんだーサーバルかー。いきなり後ろから声がしたからびっくりしたよー」どきどき

サーバル「ごめんねフェネック。でも、こんな物陰でじーって何か見ているから…………あっもしかして、かばんちゃんとアライさんの事見てたの?だったら、こんなところで見てないで――――」

フェネック「サーバル」じっ…

サーバル「えっ?なに!?」

フェネック「サーバルはアレを見て何とも思わないの?」


サーバル「アレ?ソレってかばんちゃんとアライさんの事?」

フェネック「うん」

サーバル「んー……べ…別に……私は―――――」

フェネック「…………そう。サーバルはあのふたりを見て何とも思わないんだ。ならいいけど」


サーバル「それってどういう―――――」

 


かばん「…………」なでなで

アライグマ「かばんさんのアタマなでなでは、すっごく気持ちいーのだ//////」ほゎゎ

かばん「アライさんは…フェネックさんとはあまりこういう事はしないんですか?」

アライグマ「…………フェネックはたまにちょっとイジワルな事をするから……ちょっと怖いのだ。でもかばんさんはイジワルな事を絶対しないから安心・安全なのだ」

かばん「はは……」

アライグマ「それに――――」

かばん「それに?」




アライグマ「その……フェネックはガチだから……」




かばん「え?それってどういう事なんですか?」

アライグマ「前に博士と助手からフェネックはガチなのです。そうなのです。だから気を付けるのです。そうなのです。とか言われたのだ……」

かばん「はぁ……そうなんですか。でも…そのガチってどういう意味なんですか?」

アライグマ「さあ?実を言うとアライさんも、よく分からないのだ。でもすっごくヤバイ?モノらしいのだ」

かばん「そうなんですか……ヤバいんですか」


アライグマ「そうなのだ。ヤバイのだ」



ものかげ。


フェネック「私はガチじゃない…私はガチじゃない……」ガチガチガチガチ

サーバル「………………」



サーバル(とか言って…しっかり歯をガチガチさせてるんだけど……)


 


―――


アライグマ「―――――だから……かばんさんは色々知っていて色んな事を教えてくれるし、いつも優しいし、アライさんはそんなかばんさんをそんけーしているのだ!!」

かばん「アライさん……」

アライグマ「えへへー。だからアライさんはとっても優しくて、とっても賢いかばんさんの事がだーい好きなのだ!!」だきっ
ぎゅー

かばん「わっ!?」

アライグマ「あっ急に抱き付いてしまってゴメンナサイなのだ。びっくりさせてしまったのだ」

かばん「いいえ…大丈夫ですよ。ふふ…アライさんはぼくを随分と買い被ってくれてる気がするけど。でもありがとうアライさん」なでなで


アライグマ「どういたしましてなのだ」




ものかげ。


サーバル「………………」ガチガチガチガチ



フェネック(……サーバル。アナタもしっかりガチガチさせているのだけど)

 



アライグマ「…………………」もじもじ

かばん「どうしたんですか?アライさん。まだ何か気になる事でも?」

アライグマ「―――――あのかばんさん……実は一つお願いがあるのだ」

かばん「お願い?んー。ぼくに出来る事なら」



アライグマ「流石はかばんさんなのだ!あのね―――――」


 



それから。

じゃぱりとしょかん。


―――――


としょかんない。



かばん「―――――そしてスターリングは家の事情でラスカルを生まれ故郷の森に棄てて、都会に引っ越しましたとさ。おしまい」



アライグマ「…………うう、らすかるが可哀想なのだ…………でも――――」

かばん「でも?」

アライグマ「仕方ないのだ。ヒトにも、けものにも、フレンズにも色んな事情があるし、いつナニが起こってもおかしくないのだ……だから…………この悲しいお別れもすたーりんぐは…ううんこれは誰も悪くないのだ」

かばん「成程……アライさんは、思慮深くて賢くていい子なんですね」


アライグマ「そっそうなのだ!アライさんは、しりょぶかくて賢くていい子なのだ!!」えっへん

 
 


ふたりからすこしはなれたところ



アフリカオオコノハズク「としょかんでは静かにするのです」

ワシミミズク「そうなのです」


アフリカオオコノハズク「あとかばんは…ソレが終わったら、われわれに料理を作るのです」

ワシミミズク「作るのです」




アライグマ「ううーごめんなさいなのだ」ぺこり

かばん「はい。分りました。もう少しですから」




アフリカオオコノハズク「だったらさっさと終わらせるのです。われわれはお腹が空いているのです」

ワシミミズク「空いているのです」




かばん「出来るだけ早くしますから、もう少し待ってて下さいね。博士さん。助手さん」


 



―――――


アライグマ「―――――そう…それはアライさんも例外ではないのだ……」

かばん「アライさん?」

アライグマ「もしかしたら…いつかアライさんも、フェネックとお別れする時が来るかもしれないのだ」

かばん「…………」

アライグマ「――――だから……だからいつそうなってもいい様に、アライさんはとしょかんでいっぱいおべんきょーするのだ」

かばん「………………」

アライグマ「そうなのだ。だからいつまでもフェネックに頼ってばっかではイケナイのだ」うんっ

かばん「アライさん………」



?「――――あっ。いた!アライさーん。何してるの?」



アライグマ「フェネック!?今はかばんさんとおべんきょーしているのだ。だからフェネックは、ちょっとアッチにいっててほしいのだ」

フェネック「えっ…………」ズキッ…

かばん「アライさんそれはちょっと――――」

フェネック「そうだよアライさん。のけものはいけないよー」

アライグマ「…………たしかにそうだけど……でもこればっかりはダメなのだ。だいたい、ここに来るのだって、ホントはアライさんとかばんさんだけで良かったのだ」


フェネック「…………」


 



アライグマ「それを、フェネックがどうしてもついて行きたいって言うから、仕方なくみんなで来たのだ。だからフェネックはアライさんのじゃまをしてはいけないのだ」

フェネック「アライさん……」



フェネック(―――――邪魔…………アライさんにとって私は邪魔なんだ―――――)



フェネック「……そ…そーだね。わかったよ……」
くる…
すたすた…



―――――


かばん「…………でも…ほんとに、よかったんですか?フェネックさんにあんな事言って……」

アライグマ「…………たしかにフェネックにはゴメンなさいと思ってるのだ。でもこればっかりは、アライさんがひとりでやらないといけないのだ」

かばん「でも――――」

アライグマ「さっきも言ったよーに、いつまでもフェネックに頼ってばっかじゃダメなのだ。これからはアライさんもフェネックに頼られるフレンズでいたいのだ」


かばん「アライさん……」


 



アライグマ「…………でも…さっきはあんなこと言ってしまったけど。ホントは出来るならずっとずっとこの先もフェネックと一緒に居たいのだ。お互いが信頼し、助け合えるフレンズでいたいのだ」

かばん「………………」

アライグマ「だから、どんな事になってもいい様に、いっぱいお勉強するのだ。その為に…アライさんはジャパリパークを生き抜く、知恵と心と技。それが知りたいのだ」

かばん「アライさんは何も考えて無い様で、そんな事を考えていたんですね。その気持ちがフェネックさんに伝わるといいですね」

アライグマ「うんなのだ。その為にひとりで頑張って アライさんの立派になった姿を早くフェネックに見せてやりたいのだ!!」

かばん「アライさん立派です……ん?ってあれ?ひとりでやる?ぼくもいますけど?」


アライグマ「あったしかにそーだったのだ。かばんさんがいないとダメなのだ」てへ

かばん「アライさん。やってしまいましたねー」


アライグマ・かばん「「あははははー」」


  



かばん「でもぼく自身…正直に言ってアライさんが思うほど、色んな事を知っている訳ではないし、ひとりじゃ出来ない事もいっぱいあるって事も分っています」

アライグマ「えっ?かばんさんでも知らない事ってそんなにあるの?なのだ」

かばん「ええ勿論。寧ろ知らない、知りたいって思っている事の方がずっとずっと多いです。だからぼくもこの機会に、アライさんと一緒にたくさん勉強できたらなって思ってるんですよ」

アライグマ「そっか……そうなのだ。だったらかばんさんもアライさんともっともっとおべんきょーするのだ!そしてふたりでフェネックやサーバルもびっくりするくらいの、りっぱなフレンズになるのだ!」


かばん「はい。そうなれる様に一緒に頑張りましょう」にこ


 



―――――

としょかんのそと。


フェネック(アライさんが……あのアライさんが、私にあんな事を言うなんて考えられない……)

フェネック(そうだ……これは何かの間違いなんだ。それか他に何か理由があって……)

フェネック(そうじゃなきゃおかしいよ……私のアライさんは私と別れるなんて言うはずがない―――――)


フェネック(…………やっぱりこんなの絶対おかしいよ。こんなの私の知ってるアライさんじゃないよ)



フェネック(だから――――もう一度アライさんの真意を確かめないと―――――)うん


 



―――――


アライグマ「―――――ふー。お勉強もしたし、もうこれでアライさんはフェネックがいなくてもだいじょーぶなのだ」えっへん

かばん「ふふ…アライさんたら。またそんな事言って」

アライグマ「ホントーの事なのだ。アライさんはもう、いちにんまえ?になったのだ」えっへん

かばん「はは……」

アライグマ「だから―――――」
ぽふっ


かばん(アライさんがぼくの膝の上に座った!?)


アライグマ「でも頑張ったご褒美に、アライさんのアタマをなでなでして欲しいのだ///////」

かばん「またですか?まったくしょうがないですね」くすっ
なでなで


アライグマ「やっぱりかばんさんのナデナデはいちばん気持ちいーのだ。かばんさんだーい好きなのだ///////」

かばん「ふふ…まったく甘えん坊なところはかわりませんね」
ねでなで



アライグマ「えへへ…かばんさんと二人っきりの時だけなのだ/////////」


 




すこしはなれたものかげ。


フェネック「――――――――――――――――――」



フェネック(…………アライさんは…いつでも私と別れてもいい様にべんきょうをしていると云うの――――?)
ブルブル…

フェネック(ダメだよアライさーん。どんな理由があっても、じりつしん?を持ったとしても私から離れるなんて絶対に――――――――ユルサナイカラ)


フェネック(アライさんはこのままでいいんだよ。何も考えずに、あさっての方向に全力疾走していれば……)

フェネック(そんなアライさんを私がずっと隣りで支えていればいいの。そうずっとずっとソノママデイイノ――――)


フェネック(…………でも、そんなアライさんに、余計な知恵を授けようとするかばんさん……)


フェネック(アライさんはそんな事する必要なんて全くないんだよ。でもアライさんは一度決めたら止まらない…私には止められない……)


 



フェネック(…………アライさんがこうなったのも…それもこれも全部…かばんさんの所為……あのヒトが生まれてから、本当にたくさんの事が変わってしまった……)

フェネック(でも……どうすればいいの?どうすればアライさんは元のアライさんに戻るの……)

フェネック「じゃぁ――――」



フェネック(ドウスレバドウスレバドウスレバドウスレバドウスレバ―――――――)



フェネック(そうか――――――)
ギラリ――――


フェネック「そうだよ―――――なぁんだ……トテモカンタンナコトダッタンダ」

フェネック「ソウ―――――」




フェネック(アノヒトサエイナケレバ――――――――――)




フェネック「……………………」
くるっ…
すたすた……


 



――――


かばん「でも……あの時アライさんからボクと一緒に図書館に行って本を読んでほしいって言われた時は、少しびっくりしたんですけど」

アライグマ「じつは前から【ほん】というのでおべんんきょーしてみたかったのだ。でも…ジャパリパークで本が読めるのはかばんさんだけだし……あと――――」

かばん「あと?」

アライグマ「…………【もじ】にも興味があったのだ。だから…かばんさん。アライさんに【じ】を教えてほしいのだ」

かばん「字を…ですか?いいですけど、でも…どうして急に?」



アライグマ「それは―――――//////////」もじもじ


 



――――


としょかんのそと。


サーバル「―――――フェネックどうしたの?すごーい貌してるけど」

フェネック「サーバル……」

サーバル「ん?なになに?」

フェネック「サーバルはホントにいいの?かばんさん…ずっとアライさんとずっと一緒にいるけど?」

サーバル「えっ?どういう事?」

フェネック「だから、かばんさんをアライさんに、としょかんに来てからずっと独り占めされて、いらいらするとか、もやもやしてないかって事だよー」

サーバル「うーん……よく分かんないけど、かばんちゃんがそれでいいなら私もいいよ」

フェネック「えっ?」



サーバル「私は…かばんちゃんが、たのしかったり、笑ってくれたりしてくれたらそれだけでいいよ。私にとってかばんちゃんのたのしーは、私のたのしーだし。かばんちゃんのうれしーは私のうれしーだもん」

フェネック「――――――!!」

サーバル「だから私は…かばんちゃんがどこの誰と仲良くしてたっていいんだ……それがかばんちゃんの望みなら……かばんちゃんがどこで誰と何をしていたとしても――――」




サーバル「タトエドンナコトガアッタトシテモ、ワタシハタダ…カバンチャンノスグソバデ、ズットズットミマモリツヅケルダケダカラ…………」



フェネック「サーバル……」

サーバル「…………あっ!かばんちゃんが、としょかんから出て来た!!フェネック。お話しはもういいの?」

フェネック「ええ…もういいよ」


サーバル「わかった。じゃあ私行くね――――」
タタッ――――

 
 



フェネック「………………」

フェネック(凄いなサーバルは……その純粋で透き通った、全てを包み込み、見守り、そして全てを赦す様な眼差し…………)

フェネック(まるで前になにかで聞いた聖母(マドンナ)ってヒト?みたい…………」

フェネック(ほんとーならそれが一番いいんだろーけど……でも私は――――――)






フェネック「私は聖母になんてなれない――――――――――」





 



とあるさばんなちほー。

うしみつどき。



かばん「……………」すぅすぅ



ものかげ。


フェネック「…………」

フェネック(かばんさん……寝てる。ヒトは夜行性じゃないって聞いてたから、夜は寝てるんじゃないかと思ったけど、やっぱりその通りだったみたい……)


フェネック「…………」きょろきょろ

フェネック(サーバルもいないみたいだし…………)ぐっ


フェネック(ごめんねサーバル……このヒトがいる限り、アライさんが誑かされていつか私から離れて行って終う……)

フェネック(かばんさんもゴメンナサイ。かばんさんにはイロイロお世話になったけど…………でもかばんさんがいる限りアライさんは―――――)

フェネック(だから―――――――)
キラッ



フェネック(そうなる前に、せめて…このツメでヒトオモイに――――――)ググッ
たっ…



?「何してるの?フェネック」



 



フェネック「!?」ビクッ!!!!

フェネック「さっ…サーバル…………こ…これは…その―――――」


サーバル「ねぇ…………」



サーバル「フェネックはそのツメでかばんちゃんに何をしようとしてたの?」



フェネック「!!!?」ギクッ!!

フェネック(サ…サーバル……なんて眼と貌で私を見てるの?)ゾクッ―――

サーバル「まさか…フェネックがそのツメで、かばんちゃんを狩ろうとしてたわけじゃないよね?」



フェネック「い…いやそれは―――――――」


 


サーバル「カバンちゃんはね…すっごいんだよ。色んな事知ってるし、やさしーし…私が…ううん、パークのみんなに何かあったも必ず助けてくれるし……だから私もかばんちゃんに何かあったら。ぜったいに護りたいって思ってるんだ」

フェネック「…………」

サーバル「私より強いフレンズはいっぱいいるけど……それでもフェネックよりは――――ううん、かばんちゃんを護る為なら、どんなフレンズにだって、ぜったいに敗けないんだから!」

フェネック「…………」

サーバル「でも…フェネックはどうしてかばんちゃんを狩ろうとしたの?」

フェネック「それは…その…………あ…アラ――――――」

サーバル「まぁそんなのはどーでもいいんだけど」

フェネック「え?」

サーバル「ダレがどんな理由でかばんちゃんを狩ろうとしたとしても、私はただただ…かばんちゃんを護るだけだから……たとえどんな理由だったとしても――――――」

フェネック「サーバル…………」


サーバル「フェネック。今回だけだからね?もしもう一回、かばんちゃんに何かしようとしたら――――」



サーバル「狩りごっこじゃなくて……このツメで本当に狩るから」キラッ



フェネック「!?」ビクッ!!


フェネック(こっ…このサーバルの目……本気だホンキで私を―――――)ガクガク…
ブルブル…


フェネック「わっ分かったからサーバル。もっもう帰るね……」ずさ…
たたっ―――



サーバル「…………………」


―――
――


 


フェネック(…………ダメか。かばんさんをどうにかすればどうにかなる…………って思ってたけど)

フェネック(私なんかじゃ…【あの】サーバルには勝てっこない――――)

フェネック(それに……サーバルがあんなに想っているかばんさんを、サーバルから引き離すなんて…私にはちょっとできないかな…………)


フェネック(でも……このままじゃ…このままじゃアライさんは―――――)


フェネック(じゃあ―――――)




フェネック(ドウスレバドウスレバドウスレバドウスレバドウスレバ――――――)はっ




フェネック(…………………あっ。そういえばもう少ししたら……)


フェネック(確証はないけど……もしかしたら―――――)


フェネック(そっかぁ……アハハ。なぁんだ…簡単な事だったんだ)


フェネック「だったら――――――――――」




フェネック(モウ…コウスルシカナイヨネ―――――――)ニタァ……



 



それから


じゃぱりとしょかん。


としょかんない。



フェネック(うーん…やっぱり【もじ】?も読めないし…どうしようかn―――――!!)

フェネック(でもこの【ほん】?にひとつくらいは…………)

フェネック「……………」じっ…
ぺらぺら…

フェネック(もしかしたら私にも出来そうなものがあるかも…………)


フェネック(うーん……ぱっと見、やっぱりどれも私には出来そうにないなー―――――――ん?)


フェネック(あっ!これは!!――――これなら…たぶん私にも…………)ゴクリ…


――――

きょろきょろ…
フェネック(…………えっ…と。あっいた―――――)


――――


フェネック「ねぇ博士。コレはなんていうのか読める?」

アフリカオオコノハズク「ふふん。私もかばんに教わって、大抵の【もじ】は読める様になったのです。ふむふむ…これくらいは朝飯前なのです」どやっ

フェネック「分ったから、早く教えて」イラッ




アフリカオオコノハズク「そう焦るな、なのです。いいですか?これは――――――」



――――
―――
――


 



とあるひ

とあるせいりゅうのほとり



アライグマ「どうしたのだ?フェネック。急にひとりでとしょかんに行ってしまって、やっと帰って来たと思ったら、アライさんをこんなところに連れ出して?」

フェネック「ごめんねぇアライさーん。いろいろあったんだよぉ」

アライグマ「でもフェネックがいなかった間、アライさんはひとりだったけど、ぜーんぜん大丈夫だったのだ」えっへん

フェネック「…………………」

アライグマ「これもみーんなかばんさんのおかげなのだ!!」


フェネック「………………………………………ふーん。そう」


アライグマ「えへへ…もうアライさんはフェネックがいなくても大丈夫なのだ」

アライグマ(ホントはちょっぴり寂しくてツライさんになってしまってたけど、これはフェネックには内緒なのだ///////)

フェネック「……………………」

アライグマ「それもこれもぜーんぶ、かばんさんのおかげなのだ。かばんさんが大事な事をいっぱい教えてくれたからなのだ」

フェネック「………………………………」



アライグマ「だから今までは、フェネックに頼りっきりだったけど、もうアライさんフェネックに頼りっきりにならなくても大丈夫なのだ」



 



フェネック「…………………」サー



フェネック(…………………………もう何も聞きたくない。訊く気も起きない。アライさんは私の知ってるアライさん。ううん私の望むアライさんではなくなってしまった…………)



アライグマ「だからこれからは、フェネックもいっぱいアライさんに頼って―――――――」

フェネック「……………………」
ざっ…ざっ…


アライグマ「フェネックどうしたのだ?そんな怖い貌して近づいて来て、ちょっと怖いのだ?」


フェネック(――――――――――――――――)ギラッ


アライグマ「よく分からないけど、きげんを直してほしいのだ……あっそうだ!フェネックがひとりでとしょかんに行ってる間に、コレを作ったのだ」ばっ

フェネック「……………板?板に何か書いてるみたいだけど」

アライグマ「えへへ…そうなのだ。コレは板に文字を書いたモノなのだ。かばんさんに字を教えてもらってガンバって書いたのだ」どやっ


フェネック「…………………そう。【また】かばんさんに…ね」


アライグマ「こ…これはフェネックにアライさんのキモチを書いたモノなのだ///////だからうけとってほしいn――――――」



フェネック「もう…………もういいんだよアライさん」



 



アライグマ「えっ!?」
がしっ

アライグマ「フェネック?いきなりアライさんの肩を掴んでどうしたのだ?」





フェネック「…………………………ごめんね」
ガパァ…
ガブッ!!!!





アライグマ「!!!!!?」

アライグマ(くっ頸を咬まれ―――――――)


フェネック「………………」

アライグマ「い…痛いのだ!!こんなことは…やっ…やめるのだフェネック……」


フェネック(………………後はこうやって引き千切れば―――――――)
グイッ!!
ブチィッッッ―――――


アライグマ「!!!!!?」
ブシュ――――――



アライグマ「―――――――――――」


 



アライグマ(ど…どうしてアライさんはフェネックに頸を咬れているのだ?)

アライグマ(またフェネックに、アライさんまたやってしまったねぇ。みたいな事をしてしまったのかな?)

アライグマ(ごめんなのだフェネック…………フェネックにもうおんぶにだっこしなくてもいい様にがんばってみたけど…やっぱりダメみたいだったのだ…………)

アライグマ(ああ…だんだんと頭がぼーっとして、頭の中も真っ白くなってきたのだ…………)



アライグマ(―――――もしかしてアライさんは死んでしまうのかな?)



アライグマ(こんな事になってしまったけど、それでもアライさんはフェネックと一緒に居られて楽しかったのだ、幸せだったのだ)

アライグマ(たまにちょっとイジワルな時もあるけど、それも全部ひっくるめて、アライさんはフェネックの事が大好きなのだ)

アライグマ(だから何があってもフェネックとずっとずっと一緒に居たかったけど……それももう無理っぽいのだ…………)



アライグマ(でも…それでも最期にフェネックに…これだけはどうしても伝えたいのだ…………)


 




アライグマ「あ…ああ………ふぇ…フェネ…く…………よ――――r…――し……――――ね……………なの…d―――――…――・―――…………」
がくん――――――



フェネック「………………」



フェネック(しね……か…………)



フェネック(そうだよね…別れたかった相手にこんな事されちゃったんだもん。あはは…そう言われても仕方ない…………よね)


アライグマ「―――――――――――――」
すっ…

フェネック「………………」

            




『ふぇねっく だいすきなのだ これからもずっとずっとよろしくね なのだ』





フェネック(アライさんが書いたこの【もじ】?。あはは…私【じ】?が読めないから、何て書いているのか、ぜんぜん判らないや)


フェネック「でも……やっぱり読めない方がいいんだろうな……………」はは…


アライグマ「―――――――――――」



フェネック「アライさんはそうじゃないかもしれないけど、私はアライさんの事が大好きだよ。もう食べちゃいたいくらい―――――――」



フェネック「だから――――――――」



 



――――――

じゃぶじゃぶ…


フェネック「…………これくらいでいいのかな?では―――――――」

フェネック「いただきます」


くちゃ…くちゃ…


フェネック「おいしい…おいしいよアライさん。ジャパリまんよりずっとおいしいよ…………/////////」





フェネック「アライさんのあらい」





フェネック「―――――――っていう料理……」



 



フェネック(私は【じ】?も読めないし、火も使えないから料理なんて、やっぱりできないって思ったけど。しゃしん?で見る限り、この【あらい】っていう料理なら、火も使わないし、身を水でじゃぶじゃぶするだけだから、これなら私にも出来るって思ったんだよ)

フェネック(それに……アライさんは何でもよく洗ってたから、この料理はアライさんを料理するのにぴったりだと思って)フフ…



くちゃ…くちゃ…



フェネック(この赤い身も、カラダのナカのプルプルしたところも、お腹のナカのヒモみたいなところも、全部…全部すっごくおいしい…………)


グちゃ…ぐちゃ…
ムニィ…ブチッィ――――




フェネック(嗚呼―――――アライさんを食べれば食べる程、アライさんが私のナカの隅々まで染み込んでいく気がする…………////////)ぽわぁ……


 



ぺろり…………


フェネック(―――――ふーおいしかった。でもちょっと赤とか黒とか黄色のアライさんのお汁でべとべとになっちゃったけど……)べたべた


フェネック(舐めたら取れるかな?)ぺろぺろ…

フェネック(でも…………このニオイと感触―――――――)ハァハァ…


フェネック「…………これは……ん?あっそうだ!」

フェネック「フフ…でもこうやって………」
ぬりぬり…

フェネック(アライさんのお汁を体中に塗るのって、とってもベタベタして、すごいニオイがするけど・…………)くんくん


フェネック(アライさんをより全身で感じる事が出来るみたい。嗚呼…このニオイ、この感触……まるでアライさん色に染まってイクみたいな感覚――――――)





フェネック(アハハハハハーーーータマラナイ!!とってもたーのしー!!!!)


 


―――――
――――
―――
――



フェネック(…………だいぶアライさんを堪能できたねー…………)ふー


フェネック「でも…また……食べたいな――――――」じゅるり…


フェネック(ホントは体毛も骨もアライさんの全てを、もっともっといっぱい食べたかったんだけど…………そういう訳にはいかないよね)


フェネック「だって私は…………」




フェネック(それでもアライさんがいない世界なんて考えられないから――――――――)


 



とあるひ

とあるさばんなちほー




キラキラ…



キラキラ……



フェネック(この日を私はずっと待っていた……)


フェネック(サンドスターが、再びこのジャパリパークに降りそそぐこの時を――――――――)



アライグマの死骸「――――――――――――――」



ぱぁぁぁ―――――




フェネック(そう…………サンドスターがアライさんだったものに降り注ぐ)




フェネック(この時を――――――――――)



 




――――――


ぱぁぁぁぁ――――――



?「………………………………」むく…



?「…………………こ…ここはどこなのですか?わたくしは一体――――――」きょろきょろ



フェネック「こんにちは。アライさん。ここはさばんなちほーだよ」



?「…………さばんなちほー?それに…アライさんって?あの…もしかして、わたくしはアライさんと云うのですか?」





フェネック「ええ。アナタはアライグマ。アライグマのアライさんっていうの」



 




アライグマ「そうだったのですか……ではアナタは―――――――」



フェネック「はじめまして。私はフェネック」



フェネック「【アナタのフレンズ】よ」にこ



フェネック(…………そう…駄目だったら最初からやり直せばいいだけ)ペロ…



フェネック(だから私は何度でも繰り返す)







フェネック(アナタノ…アライサンノスベテガ、ワタシダケノモノニナルマデ―――――――)



おしまい。



 



おまけ+


とあるさばんなちほー。


アライグマ「じゃぱりまん美味しいですね」もくもく

フェネック「…………そうね」

アライグマ「どうされました?あまりお口に合わなかったのですか?」

フェネック「い…いえ。そういう訳ではないから。気にしないで」

アライグマ「そうですか……それならいいのですが」

フェネック「あっ。アライさん…ほっぺにじゃぱりまん付いてるよ?」

アライグマ「あっ…済みません。今とr―――――」ぱっ

フェネック「ちょっと待って」すっ
ぺろ…

アライグマ「!?」ドキッ

アライグマ「あっ…//////////」かぁぁ

フェネック「フフ…取れたよー」ペロリ…

アライグマ「あ…ありがとうございます……/////////」どぎまぎ…



フェネック(ふふ…顔を真っ赤にさせちゃって、かわいいねー)



 



――――


アライグマ「――――あの…この間連れて行っていただいた、ジャパリカフェ。とっても楽しかったです。カフェ?もとってもおいしかったですし」

フェネック「それはよかったよぉ。苦労してアソコまでイッたカイがあったよ」

アライグマ「はい。行く途中に、ごんどら?をキコキコするのも楽しかったです」

フェネック「そうなんだ。じゃあ。今度はおんせん?に連れて行ってあげる」

アライグマ「本当ですか!?ありがとうございます。おんせん?とっても楽しみです」ぱぁぁ

フェネック「ふふ。アライさんはこーきしんがおーせいだねぇ」


フェネック(このへんは前のアライさんとそっくりだねー。ま、そこがいいのだけど…………)



アライグマ「はい。わたくし、いろんなところに行って、いろんなことをしてみたいんです。なんか新しい事を知ったり、聞いたりするとカラダがうずうずしてしまうんです」うずうず

フェネック「それで、あさってのところに飛び出してしまったり?」

アライグマ「それは……////////そのたびにフェネックさんに、ふぉろーして頂いてしまって済みません」しゅん

フェネック「いいよいいよー。それはそれで、たのしーしねー」


アライグマ「フェネックさん……」


 


アライグマ「わたくし……まだ何も知らなくて、何も出来ないから、もっとたくさんの事を覚えて、勉強したいんです。そしていつかフェネックさんに…いちにんまえになったわたくしを見せ―――――」

フェネック「そんなコトはしなくてもいいよ?」

アライグマ「えっ?」

フェネック「アライさん。アナタはそのままのアライさんでいいんだよ。勢いであさっての方向に走っちゃう。そんなアライさんで」

アライグマ「でも……」

フェネック「私はそんなアライさんがイイの。何があってもずっとずっといつまでも私がふぉろーしてあげるから。アライさん【余計な事】は覚えなくていいんだよ」


アライグマ「フェネックさん……」


 


アライグマ「――――でも…フェネックさんはどうして、わたくしにこんなによくして下さるのですか?」

フェネック「それはねぇ……私がアナタの事が好きだから」

アライグマ「えっ!?/////////そ…そんな好きだなんて―――――/////////」かぁぁ

フェネック(フフ…このアライさん…前のアライさんと違って大人しくて控えめで、恥ずかしがり屋だけど、それはそれでカワイイよぉ……)


フェネック(―――――それに…………根っこのトコはいっしょだし…………ね)じ…


アライグマ「ど…どうしたんですか?フェネックさん。私の顔なんかじっと見つめて……」どぎまぎ

フェネック「フフ……アライさんはホントにカワイイねぇ」
ぎゅっ…

アライグマ「えっ!?そっそんな事――――/////////」かぁぁ

アライグマ(ふぇ…フェネックさんに抱き締められ――――――///////////)ドキドキドキドキ…


フェネック「そんな事あるよ。私はそんなアナタの事が大好き。そう――――――」





フェネック「アナタの全てを食ベテシマイタイくらい」




フェネック「ね―――――――――――――」ペロ…




おまけのおしまい。


 

本当の愛はここにある

という事で書かせて頂きました

これで全部お終いです。

ありがとうございました。

やべぇよ……フェネックやべぇよ……

ガチのヤンデレだった

フェネックとかいうガチ
おつ

このフェネックにアライさんの本当の気持ち録音したやつ聞かせてあげたい

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