【安価】天ヶ瀬冬馬「なんか荷物が送られてきたな」 (36)

冬馬「差出人は…書いてねぇな、住所もねぇ。怪しすぎるぜ…」


冬馬「とりあえず中身を見てみるか。見るだけなら害はないだろ」


ガサゴソ


パカッ


冬馬「こ、これって>>3じゃねぇか!」

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小鳥さんのヘッドセット

大量のもやし

首の春香が生えた植木鉢

冬馬「こんなにもやし送り付けるなんて、一体誰の仕業だ!なんかの嫌がらせか!?」


冬馬「こんなにもらってどうしろって言うんだよ!食えばいいのか!?」


冬馬「ったく、どこの誰かも知らない奴に大量のもやしとか…怪しすぎるってレベルじゃねぇ」


冬馬「農薬たっぷりとか虫に食われてるとかそんなんか?」


冬馬「意味わかんねぇ」


冬馬「……」


冬馬「見た感じただのもやしだよな」

グツグツグツグツ…


ゴォオオオオオオオオオオッ!!!


ジュウウウウウウ!!!




冬馬「まあ、食い物を粗末にしちゃいけねぇからな。もらったものはちゃんと食うぜ」


冬馬「とりあえずもやし炒めでも作ってみたから早速食うか」


冬馬「いただきますっと…」


パクッ


冬馬「うん、うめぇ」


ムシャムシャ


冬馬「だがやっぱもやしだな」


ムシャムシャ


冬馬「もう少し味付けを濃くするべきだったな」

ゴックン


冬馬「ごちそうさんっと」


冬馬「しっかし、結構多めに作ったはずなんだが、こんなに食ってもまったく減ってねぇ」


冬馬「これ全部食べ切るのに一体どれくらい」


ドックン!


冬馬「ぐおっ!」


冬馬(な、なんだ!?腹が……身体が…いてェ!)


冬馬(まさか、さっきのもやしに何か……ぐっ!)


冬馬「があああああああああああああっ!」






北斗「それで今に至ると」


冬馬「ああ…」

翔太「もう、冬馬君ったら貰ったものは何でも口にするんだから」


冬馬「ファンから貰ったものを食わなかったら悪いだろ」


翔太「もやし送った人はファンかどうかもわからないし、大体ファンにしたって髪の毛大量に入ったクッキー喰わされたことあったじゃん」


冬馬「ぐっ…」


北斗「やれやれ、不用心だな冬馬は」


翔太「そんなんだから今>>11になってるじゃん冬馬君」


冬馬「うるせぇ!」

体型的な意味でのもやし

安価遠い

髪の毛がもやし

翔太「髪の毛がもやしになるんだよ」


冬馬「うるせぇ!」


翔太「うわっ!もやし星人が怒った!もやしにされる!」


冬馬「テメェ!他人事だと思って好き勝手言いやがって!」


北斗「だけど頭がもやしだったら仕事に思いっきり支障がでるね。何とかしないと」


冬馬「何とかってどうしたらいいんだよ。頭もやしだぞ、黒くしても隠し切れねぇよ」


翔太「やっぱ食べればいいんじゃない?もやしだから」


冬馬「ふざけんなよ仮にも俺の髪だぞ!全部食ったら禿げるだろ!」


翔太「じゃあ頭もやしとハゲどっちがいいの?」


冬馬「ぐっ…」


北斗「とりあえず医者に診てもらわないと」


冬馬「あぁ…」

病院


医者「これは……後天性もやし新生物ですね」


冬馬「何ですかそれ?」


医者「わかりやすく言うと髪の毛が総てもやしになることです」


冬馬「いや見りゃわかりますよ、俺は病名より治す方法が知りたいんですけど」


医者「これは最近見つかった方法でね、治す方法は二つしか見つかってないんです」


冬馬「二つだけ!?」


医者「ああ、一つは物凄く高価な薬を1か月間摂取すること」


医者「もう一つは>>15です」

尻をバンバン叩きながら「びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!」と叫ぶごとにもやしが1本髪の毛に戻る

もやし好きな人に食べきってもらう

やよいおりと一週間無人島で過ごす

毎日1時間以上頭のもやしに強い光を当て続ける

医者「もやし好きな人に食べきってもらう」


冬馬「食べきるってそんなことをしたら…!」


医者「禿げる…そう思うでしょう?」


医者「ですが違うんですよ。まだ原理は不明ですが本当にもやしが好きな人が食べきるとにふと何もなくなった頭から一気に髪の毛が生えてくるんですよ」


冬馬「そ、そうなんっすか?」


医者「ええ、まだ21回しか例がありませんがその3回とももやし好きの人に食べて貰ったら解除されました」


医者「ちなみにもやしが好きでもない人が食べたらその人の頭ももやしまみれになりました」


冬馬「ま、まるでもやしの呪いッスね」


冬馬(もやし好きか…、誰かいるかな?)

翔太「もやし好きの人に食べて貰えって?」


冬馬「ああ、それくらいしか治す方法がないんだってよ」


翔太「なんか馬鹿馬鹿しいね、本当に効果あるの?」


冬馬「さあな、だがやってみる価値はある」


冬馬「翔太」


翔太「いややめてよ僕それほどもやし好きでもないし好きだとしても頭から生えたもやしなんて食べる気すら起きないよ」


冬馬「じゃあ北斗!」


北斗「残念ながら俺もそれほどもやしには興味がなくてね」


冬馬「クソッ!」

冬馬「他にいねぇのか!他に…」


翔太「僕たちの事務所にもやし好きの人っている?」


北斗「そんな話は聞いたことないな」


冬馬「こんなにアイドル揃っているのにもやし好き一人もいねぇのかよ!」


冬馬「クソッ…俺は一生この頭で過ごさなきゃならねぇのか…!」


北斗「いや、宛はあるよ」


冬馬「何!?」


北斗「俺は今まであってきたエンジェルちゃんのデータをちゃんと集めている」


北斗「もちろんもやしが好きな女の子も一人知っている。けど…」


冬馬「何だっていい!俺に会わせてくれ!この際プライドなんか捨ててやる!」


北斗「わかったわかったから話してくれ、ちょっと連絡してみるから」


翔太「もやし好きな女の子って結構変わってるね」

やよい「話は聞きました!」


冬馬「た、高槻…?」


北斗「というわけでやよいちゃん、冬馬の頭のもやし畑、食いつくしてくれないかな」


やよい「うっうー!わかりました!」


冬馬「身近なところにいるんだな、もやし好き…」


やよい「それにしても本当に凄い数のもやしですねー!」


北斗「ああ、人間の髪の毛は平均で10万本生えていると言われているんだ」


北斗「つまり冬馬の頭は10万本のもやしが生えているということになる」


やよい「じゅ、10万本!?それを全部タダで食べさせてくれるんですか!」


北斗「もちろん、な、冬馬?」


冬馬「え?あ、おう!好きなだけ食っていいぞ!」


やよい「うっうー!ありがとうございまーす!」

やよい「それじゃあ早速いただいますね!」ガシッ!


冬馬「えっ?」


ブチブチブッチィッ!


ギィャアアアアアアアアアアアアアッ!



北斗「うぇっ……」


やよい「もやし炒めにもやしラーメン、もやし丼にもやしカレー!」


やよい「こんなにもやし料理作ってもまだたくさん余ってるなんて…大もやしフェスティバルの開幕です!うっうー!」


北斗「よかったじゃないか冬馬、お前のもやしで一人のエンジェルちゃんを喜ばせているぞ…くくっ……」


ハゲ冬馬「ありがたさと悲しさが入り混じって複雑だぜ…速く生えて来ねぇかなこの頭…」


やよい「いっただっきまーす!」


パクッ!


やよい「~~~~~~~~~~~~~///」

やよい「おいっしいですう!」


北斗・冬馬「マジで?」


やよい「まるでもやしたちが生きているかのように口の中で踊っています!」


やよい「味も私の味付けと相性がとてもよかったみたいです!噛んでも噛んでもまだ味がします!」


やよい「こんなおいしいもやし、久しぶりです!」


やよい「冬馬さん!こんなにたくさんのおいしいもやしを分けてくれて本当にありがとうございます!」


冬馬「いや、例には及ばないぜ」


ファサッ…


冬馬「ん?」

北斗「冬馬…これって!」


冬馬「生えた…生えた!髪が!俺の髪が生えた!」


やよい「良かったですね!冬馬さん!」


冬馬「ああ!高槻のおかげだぜ!本当にありがとな!」


やよい「はい!あ、そうだ!せっかくなのでこのもやし料理、一緒に食べませんか?」


冬馬「え、だが仮にも俺の頭から生えた…」


やよい「大丈夫、とってもおいしいですよ!」


北斗「冬馬、女の子のせっかくの誘いを断るなんてあんまりだと思うよ」


冬馬「じゃあ、一つくらいは…」


冬馬「う、うめぇ!こんなうめぇ料理と比べると俺が作ったもやし料理が豚の餌に思えてくるぜ!」


北斗「こんなにおいしいものだったなんて…凄い才能を持ってるんだね!」


やよい「えへへ!それほどでもないですよ!」


冬馬(そうか、この頭のもやしの病気は、もやしのおいしさを知らない奴らに対する呪いだったのか)


冬馬(そして、もやしの真のおいしさを知った人と巡り合ったら、呪いは解かれるんだな。わかったぜ)


冬馬「高槻、もしよかったらレシピを教えてくれないか?」


やよい「うっうー!もちろんいいですよ!」


冬馬「サンキュ!」




パクッ!


冬馬「うめぇ!」


冬馬「味付けを変えるだけでこんなにうめぇなんて!高槻すげぇぜ!まだまだ俺も勉強しないとな!」


冬馬「それにしてもこの大量のもやしを送ったのは一体誰なんだ?」


冬馬「…まあいいか!」


パクッ!


冬馬「マジでうめぇぜ!」

あまとう…そのもやし食べたから頭がもやしになったのに…
健気なやつだ…

ファサァ……


黒井「か、髪が……髪が元に戻った…」


黒井「ぃやったぞおおおおおおおおおおお!!!!」


黒井「なぜだか知らんが髪が元に戻ったぞ!恐らく冬馬が何かやったんだろうがでかした!」


黒井「だがこれでもうもやし社長と言われずに済む!」


黒井「ふふふっ、とってもいい気分だ!この解放感は一体なんなんだろうな?まあいいか」


黒井「さて、気晴らしにどこかで飯を食いに行くか。もちろんもやし抜きでな!」



しかし特にもやしが好きになったわけでもなかったため数日後再び発症した

765プロ


やよい「おはようございまーす!」


春香「おはようやよい、その箱何?」


やよい「これ、もやしなんですけど。4万本くらい入っているんです」


春香「よ、4万!?」


やよい「はい、だけど私たちだけじゃ食べきれないので、みなさんにおすそ分けを」


春香(凄い量…やよいと兄弟たちこれ全部食べようとしてたの…?)


やよい「ダメですか?うっぷ……」


春香「ダメじゃないよ!せっかく分けてくれるんだからありがたく貰っておくね!」


やよい「春香さん…ありがとうございます!」



春香「って、あの時つい言っちゃったけど」


春香「私それほどもやし好きじゃないんだよね」


春香「でも貰ったものだしちゃんと食べないと」





パクッ


モグモグ


春香「う~ん、やよいの作るもやし料理はおいしいのになんで私が作ると普通になるんだろう?はぁ…」


春香「ごちそうさま、さて…」


ドックン!

春香「うっ!」


春香「がっ…ヴぁ……」ガクガク




ガアアアアアアアアアアアアアッ!!







翔太「あれ?冬馬君最近調子よくなってるね?」


冬馬「ああ、これももやしのおかげだぜ!身体全体が軽くなってるんだ!」


北斗「もやしは栄養価高いからね」


冬馬「ああ!もやしのよさ、この年で気づけて良かったぜ!」


冬馬「お前らも毎日もやし食べろよな!へへっ!」


終わり

もやし業界の闇を感じる

掛け値なしにいいSSだった

乙ー

オチもついてすごいきれいにまとまってるな
乙!

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