キーンコーンカーンコーン
亜里沙「あれ、雪穂?」
雪穂「ん?どうかした?」
亜里沙「雪穂のお弁当…」
雪穂「私のお弁当?何か変?」
亜里沙「その赤いのは何?」
雪穂「え?これ?」
亜里沙「うん」
雪穂「あ~そっか。亜里沙は梅干し知らないんだね」
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亜里沙「梅干し?」
雪穂「うん。梅を干したのが梅干し」
亜里沙「雪穂、それは違うよ」
雪穂「え?何が?」
亜里沙「だって、梅は赤色じゃないもん」
雪穂「え?あ、うん。そうなんだけど」
亜里沙「それとも梅は赤いのもあるの?」
雪穂「う~ん。なんて説明したらいいのかな。梅は知ってるんだもんね?」
亜里沙「うん。詳しくは知らないけど知ってるよ」
雪穂「梅干しが赤いのはシソにつけてるから…って言っても分からないよね?」
亜里沙「うん。全然わかんない」
雪穂「う~ん…食べてみる?」
亜里沙「いいの一つしか入ってないのに?」
雪穂「おかずは他にもあるからね」
亜里沙「じゃあ、いただきます」
パクッ
雪穂「どう?」
亜里沙「ん~…雪穂ぉ…」
雪穂「ん?」
亜里沙「これ凄く酸っぱいよ」
雪穂「やっぱり亜里沙には合わないか」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「ねえねえ、雪穂」
雪穂「何?どうしたの?」
亜里沙「今日どこか寄り道して帰ろうよ」
雪穂「え?どこに?」
亜里沙「どこでもいいよ」
雪穂「寄り道したいだけなの?」
亜里沙「うん。日本のハラショーな中学生は放課後友達と寄り道して帰るんでしょ?」
雪峰「えっと…どこの情報?」
梅干しは漬け物
亜里沙「日本のドラマとか漫画に出てくる女子中学生はだいたい寄り道してるよ?」
雪穂「あ~、う~ん…まあ、そうか…うん。まあ、いいよ?どこ行こうか?」
亜里沙「私が読んだ漫画では帰りに日本のお菓子をたべてた」
雪穂「えっと…和菓子かな?」
亜里沙「そう、それ!」
雪穂「和菓子食べたいの?」
亜里沙「うん。せっかくだから。雪穂は嫌なの?」
雪穂「嫌ではないんだけど…私の家って和菓子屋なんだよね」
亜里沙「え?雪穂のお家は和菓子を作ってるの?」
雪穂「うん。だから、普段から飽きる程食べてる言うか…」
亜里沙「え?飽きちゃったの?」
雪穂「まあ、和菓子は好きだよ?」
亜里沙「そっか。じゃあ、今日は何か違う物を食べて帰ろう」
雪穂「いいの?」
亜里沙「うん。和菓子はいつでも食べる機会あるもん」
雪穂「亜里沙…」
亜里沙「だから、これからもずっと仲良くしてね」
雪穂「そうだね。じゃあ、今度家に食べに来てね」
亜里沙「うん!」
キーンコーンカーンコーン
先生「来週の遠足についてですが」
亜里沙「雪穂!一緒の班になれて良かったね」
雪穂「そうだね」
先生「えー、班で回るルートを話し合ってください。じゃあ、机を合わせて」
雪穂「えっと、ウチの班はどうしようか?」
亜里沙「私お寺に行きたい」
雪穂「まあ、そうなるよね」
男子A「寺なんて行ったってつまんねーよ。」
亜里沙「え?どうして?加藤君はお寺嫌いなの?」
男子A「だって、寺なんてじじいみたいじゃん。なあ?」
男子B「別に…俺はどっちでもいいけど」
亜里沙「ほんと?中間くんお寺好きなの?」
男子B「まあ…ちょっと…」
男子A「はあ?嘘だろ?」
亜里沙「じゃあ、3対1だね」
男子A「おい。お前が寺が好きなんて聞いた事ないぞ」
男子B「別に…言う必要もねーじゃん」
男子A「お前、絢瀬の気を引きたいだけじゃねーの?」
男子B「はあ?な、何を言って」
雪穂「どっちにしろ」
男子A「え?」
雪穂「班でレポートを提出しなきゃいけないんだし鎌倉なんだからお寺は外せないでしょ?」
男子A「ま、まあ…」
雪穂「じゃあ、決定ね」
亜里沙「やったー!良かったね!」
男子B「ま、まあ」
亜里沙「遠足楽しみだな~」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「でね、お姉ちゃんがね」
雪穂「へ~亜利沙のお姉さんは凄いんだね」
亜里沙「うん。自慢のお姉ちゃんなんだ。雪穂もお姉ちゃんいるんでしょ?」
雪穂「うん。居るよ」
亜里沙「へ~雪穂にそっくり?」
雪穂「え~似ては…ないかな?」
亜里沙「そうなんだ。雪穂のお姉さん会ってみたいなぁ」
雪穂「うん。まあ、機会があったらね」
穂乃果「ねえ、海未ちゃん。お願い!見逃して?」
海未「ダメです。あなた…ダイエットするって言ってませんでした?」
穂乃果「言ったけどさぁ。別に太ってないよね?ね?ことりちゃん?」
ことり「うん。大丈夫だと思うけど」
海未「1年生の3人が加入してますます気を引き締めければいけないんです。わかりますよね?」
穂乃果「え~でも穂乃果お腹空きすぎて死んじゃうよ~」
海未「それくらいで人は死にません!」
穂乃果「海未ちゃんの鬼~」
雪穂「げっ」
亜里沙「どうしたの?」
雪穂「いや…今日は遠回りして帰ろうか?」
亜里沙「どうして?」
雪穂「た、たまには違う道から帰るのも良いと思うんだよね」
亜里沙「何か食べて帰るの?」
雪穂「あっ!うん。それもいいね!そうしよう!」
穂乃果「海未ちゃん、お願いだよ~」
海未「ダメです」
穂乃果「あ~ん。ケチーーーーー!!!」
亜里沙「なんかあっちの方賑やかだね?何してるのかな?」
雪穂「あっ!あー!なんか子供が駄々を捏ねてるみたいだよ?あんまりジロジロ見るのも良くないからさ。ね?もう行こうか!」
亜里沙「うん。そうだね!そっか、小さい子供だったんだ」
雪穂「う、うん。そう見たい」
(帰ったらお説教してやる)
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「今日も雨だね」
雪穂「梅雨入りしたからね」
亜里沙「日本は大変だね」
雪穂「ロシアは梅雨とかなかったの?」
亜里沙「私の住んでる所はなかったよ?」
雪穂「ふ~ん。その言い方だと梅雨がある地方もあるんだ」
亜里沙「ねえ?梅雨ってなんで梅の雨って書くの?」
雪穂「梅が取れる時期だからだと思うけど」
亜里沙「じゃあ、梅干しがいっぱい食べれるんだ?私はあんまり得意じゃないなぁ。お姉ちゃんも苦手って言ってた」
雪穂「それは関係ないんじゃないかな?」
亜里沙「そっか」
雪穂「それにしても、梅雨はジメジメしてるし嫌になっちゃっうなぁ」
亜里沙「え?雪穂は嫌いなの?」
雪穂「いや、亜里沙も嫌いでしょ?」
亜里沙「私はそんな事ないよ?」
雪穂「そうなの?」
亜里沙「うん。むしろ雨の日は好きかもしれない」
雪穂「好きなの?」
亜里沙「だって、雨が降れば傘を使えるんだよ?」
雪穂「出来れば私は傘を使いたくないんだけど」
亜里沙「え~どうして?」
雪穂「手が塞がるし荷物とかあったら大変でしょ?」
亜里沙「う~ん。そっかぁ」
雪穂「亜里沙はなんでそんなに傘を使いたの?」
亜里沙「それはね、お姉ちゃんが買ってきてくれたお気に入りの傘だからだよ?お姉ちゃんとお揃いなの」
雪穂「なるほど。そう言う考え方もあるんだ」
亜里沙「うん。あっ、雪穂も私とお揃いにすれば雨が好きになるかも知れないよ?」
雪穂「そっかぁ。じゃあ、そうしようかな」
キーンコーンカーンコーン
女子A「でね、実は私はサッカー部の大野君が」
女子B「わかる!でも私はB組の杉山君が好きなの」
亜里沙「へ~そうなんだ」
女子A「亜里沙ちゃん好きな子いないの?」
亜里沙「私?私はまだいないよ?」
女子B「え~勿体無い。亜里沙ちゃん凄く可愛いし男子にも人気あるんだよ?」
亜里沙「え?そうなの?」
女子A「そうだよ」
亜里沙「う~ん。そっかぁ…でも、私はそう言うのまだ分かんないなぁ。雪穂は好きな人いるの?」
雪穂「わ、私?」
女子A「あ~そう言えば聞いた事ないかも」
女子B「どうなの?雪穂は好きな人いるの?」
雪穂「私もそう言うのはまだ分かんないって言うか…」
女子A「え~雪穂だって結構人気あると思うよ?」
女子B「うんうん。雪穂はしっかりしてるし可愛いもんね」
雪穂「そんな事ないと思うけど」
亜里沙「そんな事はあるよ。私も雪穂大好きだもん」
雪穂「う~ん。そう?多分亜里沙の好きと皆んなが好きは違うと思うけど」
亜里沙「そうかなぁ?」
雪穂「うん。でもまあ、じゃあしばらくはそれで良いかな?」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「はあ…」
希「あれ?おーい」
亜里沙「ん?」
希「お?気づいたみたいや」
亜里沙「希さん?」
希「亜里沙ちゃん今帰り?」
亜里沙「はい。今お家に帰るところです」
希「そうなんや?…一人?」
亜里沙「いつも一緒に帰ってる友達が風邪でお休みで他の友達も部活とかあるから」
希「そっかぁ。せっかく梅雨がお休みしてくれてるのになぁ」
亜里沙「希さんはどうして中学校の近くにいるんですか?」
希「ちょっと、野暮用でね」
亜里沙「そうなんですか」
希「うん。あっ、そうや!本当は今日お姉ちゃんと一緒にパフェを食べに行く予定だったんやけど」
亜里沙「お姉ちゃんと?」
希「うん。亜里沙ちゃんも行かない?えりちはまだ学校やけどそのうち来ると思うんよ。お姉ちゃんの大好きなパフェなんよ」
亜里沙「行きます。行きたいです」
希「うん。じゃあ先に行ってようか?」
亜里沙「はい!」
希「これで少しはえりちの息抜きになるとええなぁ」
わいわいがやがや
亜里沙「アキバの街は毎日賑やかだね」
雪穂「そうだね。まあ、東京だしね」
亜里沙「ん?雪穂?」
雪穂「何?」
亜里沙「壁クイって何?」
雪穂「壁クイ?壁ドンじゃなくて?」
亜里沙「うん。壁クイって書いてあるよ?あそこのお店」
雪穂「本当だ。壁ドンと似たようなもんじなないのかな?」
亜里沙「壁ドンも私は知らないよ?」
雪穂「壁ドンって言うのは…少女漫画で見た事ない?男の人が女の子を壁際に追い詰めてドンって。まあ、一般女子の憧れだね」
亜里沙「雪穂も?」
雪穂「ん~私は別に…まあ少しは憧れるかな」
亜里沙「ふ~ん」
女の子「…」ジィー
雪穂「ほら、あそこの小学生かな?中学生かな?興味津々でしょ?」
亜里沙「本当だ!女の子の憧れなんだね!」
雪穂「まあ、実際にやられたら驚きの方が大きいかもしれないけどね」
亜里沙「びっくりするの?」
雪穂「だって漫画の中だから違和感がないだけなんだよ」
亜里沙「そっか」
女の子「はっ!そろそろピアノの練習の時間じゃない」
亜里沙「時間を忘れるほどなんだね。壁クイって」
雪穂「人によるだろうけどね」
キーンコーンカーンカーン
亜里沙「雪穂、雪穂、雪穂ー!」
雪穂「あっ、おはよう亜里沙…どうしたの?」
亜里沙「ねえ?雪穂はスクールアイドルって知ってる?」
雪穂「え?…まあ、知ってるよ」
亜里沙「本当に?こないだね、お姉ちゃんに教えて貰ったんだけどねとってもハラショーなの」
雪穂「へ~、亜里沙もアイドルとかに憧れるんだ?」
亜里沙「うん。まさか、まさかだよ」
雪穂「まさかなんだ」
亜里沙「うん。まさにあれだよ。感電しゃったもん」
雪穂「えっと…雷に打たれた様な衝撃って事?」
亜里沙「うん。そんな感じ」
女子A「凄い!」
雪穂「え?」
女子B「雪穂今の分かったんだ」
亜里沙「ん?」
雪穂「あっ、聞いてたんだ?」
女子A「うん。よく分かったよね」
女子B「うん。私なんて横で聞いててはてなマークだったもん」
亜里沙「流石雪穂」
雪穂「う、うん。ありがと」
ミーンミンミンミン
雪穂「すっかり夏になったね…まだ、夏休み前なのに暑いもんね…」
亜里沙「雪穂!ファイトだよ!μ’sも暑いけど練習頑張ってるんだから」
雪穂「まあ、そうだね」
海未「………」
雪穂「あれ?噂をすれば?」
亜里沙「海未さんだー!」
海未「ふっ、ふふふ」
雪穂「え?一人で笑ってる?」
亜里沙「何か良いことでもあったのかな?」
海未「ふふっ…ふふふ」
雪穂「な、なんか声掛けにくいね」
亜里沙「海未さーん」
雪穂「え?亜里沙?」
海未「はっ!?…亜里沙?雪穂?」
亜里沙「こんにちは」
雪穂「こんにちは」
海未「学校帰りですか?」
亜里沙「はい。海未さんは今日は練習はないんですか?」
海未「ええ。今日は穂乃果もことりも練習に出れないので」
雪穂「え?お姉ちゃん何かあったの?」
海未「補習です」
亜里沙「え?テスト期間じゃないのに?高校生は大変ですね」
雪穂「しっかり勉強してないからだよ…」
亜里沙「ところで海未さんは」
海未「何ですか?」
亜里沙「なんで笑ってたんですか?」
海未「え?」
亜里沙「さっき一人で笑ってましたよね?何かいい事あったんですか?」
雪穂「あ、亜里沙…」
海未「え?…何の話でしょう?」
亜里沙「さっき一人で笑ってたじゃないですか?」
海未「…どこから見てました?」
亜里沙「え?笑ってる所だけですよ?笑顔の練習してたんですか?スクールアイドルだから?」
海未「え?ま、まあ…そんな所です」
亜里沙「ハラショー!流石海未さんです」
海未「い、いえ」
雪穂「本当は何をしてたんだろ…」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「ねえねえ、皆んな」
雪穂「ん?どうしたの?」
女子A「何かあった?」
亜里沙「私ね教えて欲しい事があるんだけどね」
雪穂「何?」
亜里沙「わびさびって何?」
雪穂「え?わびさび?」
亜里沙「お姉ちゃんに聞いてもね」
絵里『あ、亜里沙にはまだ早いかな~』
亜里沙「って教えてくれないの」
雪穂「なるほど…」
女子A「わびさびって言われても…」
亜里沙「二人とも知らないの?」
雪穂「なんとなく雰囲気でしか。言葉で説明するとなると…」
亜里沙「そんな?そんなになの?それは私が子供だから理解知らないの?」
女子A「亜里沙のお姉さんが説明出来ないんじゃ私達にはもっと無理だよね?」
雪穂「うん」
亜里沙「え?お姉ちゃんは説明出来ないんじゃなくてまだ早いって言っただけだよ?」
雪穂「あ~うん…私達にはまだ早いんだね」
ザーッ
亜里沙「梅雨が明けたのに雨は降るんだね」
雪穂「うん。梅雨だけ雨が降るわけじゃないよ?」
亜里沙「あれ?」
雪穂「ん?どうしたの?」
亜里沙「あれってC組の人だよね?」
雪穂「あっ、素行が悪いで有名な鬼塚君だよ」
亜里沙「素行?素行って何?」
雪穂「う~ん、ちょっと悪い事したりとか…」
亜里沙「ふ~ん、そうは見えないけどなぁ」
雪穂「そうかな?私には怖く見えるけど」
亜里沙「だって、ほら?猫に傘差してあげてるよ?」
雪穂「え?あっ、本当だ…捨て猫?」
亜里沙「でも、あれじゃあの人が濡れちゃうよね」
雪穂「そうだね。どうするんだろ?」
亜里沙「私行ってくる」
雪穂「え?亜里沙?」
タッタッタッタッ
タッタッタッタッ
亜里沙「傘貸してきたよ」
雪穂「亜里沙がびっしょりだけど?」
亜里沙「うん。私は雪穂に入れてもらうから大丈夫」
雪穂「もう手遅れな気がするけど…」
ミーンミンミンミン
雪穂「ん…んん…誰?朝から…」
亜里沙「雪穂ーーー!」
雪穂「亜里沙?」
亜里沙「雪穂ーーー!カブトムシ捕まえに行こう」
雪穂「カブトムシ?」
亜里沙「うん。日本の夏休みはカブトムシを捕まえに行くんだよね?」
雪穂「また間違った知識を…ここは東京だし一応私達受験生だからね?」
亜里沙「それは大丈夫だよ。ですよね?」
凛「うん。任せるにゃ!東京にだってカブトムシはいるよ」
雪穂「えっと…μ’sの…凛さん?どうして?」
穂乃果「それは私が呼んだからだよ」
雪穂「お姉ちゃん…随分と早起きだね?練習は?」
穂乃果「今日は休みなんだよ」
亜里沙「雪穂ーー!早く捕まえに行こうよ」
雪穂「いや、行かないよ」
亜里沙「どうして?」
雪穂「だっていい歳して虫捕りなんてしたくないもん」
穂乃果「虫捕りに歳なんて関係ないよ」
凛「そうだよ。気にする事ないにゃ~」
亜里沙「雪穂早くーーー!」
雪穂「いや、本当に行かないよ?夏休みの宿題やるよ」
亜里沙「あっ!そっか。私も宿題やらなきゃ」
雪穂「でしょ?私も準備するから宿題持ってきなよ?一緒にやろう?」
亜里沙「うん。家に取りに行ってくるね」
穂乃果「…穂乃果の妹とは思えないよ。どうする?穂乃果達も宿題やる?」
凛「まさか…二人で取りに行こうか?」
穂乃果「そだね」
シャリシャリシャリ
亜里沙「ハラショー」
雪穂「美味しそうでしょ?」
亜里沙「雪穂?これがかき氷?」
雪穂「うん。でもこれで終わりじゃないからね」
亜里沙「え?そうなの?まだ何かあるの?」
雪穂「うん。これじゃあただの氷と変わらないでしょ?」
亜里沙「確かに!雪穂は鋭い!」
雪穂「う、うん。ありがと」
亜里沙「それで?どうするの?」
雪穂「これをかけます」
亜里沙「…それは何?」
雪穂「シロップだよ。これはレモンでこっちはイチゴ。どっちがいい?」
亜里沙「え~…じゃあ、イチゴ」
雪穂「了解!」
亜里沙「ハラショー…なんか宝石みたい。食べるのが勿体無いよ雪穂」
雪穂「でも、早く食べないとこの暑さだから溶けちゃうよ?」
亜里沙「じゃあ、食べる」
雪穂「うん。どうぞ」
パクッ
亜里沙「ハラショー。ハラショーーー!雪穂!これ美味しいよ!」
雪穂「あっ、亜里沙、そんなに急いで食べると」
亜里沙「イタタタ」キーン
雪穂「ほら言わんこっちゃない」
亜里沙「う~ん。綺麗な薔薇にはトゲがあるってこう言う事を言うんだね」
雪穂「いや、違うよ」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「おはよ~」
雪穂「おはよ」
女子A「おはよう!ひさしぶりだね」
女子B「おはよう!ねえ?皆んな夏休みどこか行ったの?」
雪穂「私の家は自営業だからどこにもだよ」
女子A「あっ、そっか。雪穂ん家は大変だね」
女子B「亜里沙ちゃんは?」
亜里沙「私もお姉ちゃんと二人暮しだから。でも、お姉ちゃんが合宿に行ってる間雪穂のお家に泊まりに行ったよ!」
女子A「へ~そうなんだ」
亜里沙「雪穂のお父さんが作ってくれた」
雪穂「ほむまんね?」
亜里沙「そう。ほむまんがとっても美味しいの」
女子A「あ~穂むらのお饅頭は美味しいもんね」
女子B「ここら辺でお饅頭って言ったら雪穂ん家だもんね」
亜里沙「そうなの。お姉ちゃんもハラショーって言ってた」
雪穂「ずっと思ってたけどハラショーって便利な言葉だね」
春~夏、完
とてもかわいらしい
いいね~
秋~
先生「という事でうちのクラスはロミオとジュリエットをやります」
男子A「えー、俺たち中3だぜ?」
女子B「いいじゃないロミオとジュリエット」
亜里沙「ねえ雪穂?演劇ってお芝居の事だよね?」
雪穂「うん。そうだよ」
亜里沙「ハラショー。お姉ちゃんもロミオとジュリエットのお芝居をやるって言ってたよ」
雪穂「あ~絵里さんならジュリエットにぴったりだもんね」
亜里沙「え?お姉ちゃんはロミオの役だよ?」
雪穂「え?あっ、そうか。女子校だもんね」
亜里沙「ジュリエット役は希さんがやるんだって」
雪穂「あ~なんかわかるかも」
亜里沙「ね?」
先生「とりあえず配役を決めます。ジュリエット役やりたい人」
女子C「あっ」
雪穂「ん?」
女子A「はい!ジュリエット役は亜里沙ちゃんがいいと思います」
亜里沙「え?私?」
女子B「確かに亜里沙ちゃん可愛いしクウォーターだから適役かも」
亜里沙「でも私ロシアのクウォーターだよ?」
女子B「そんなのわかんないって」
亜里沙「ん~そうかなあ?」
雪穂「はい!私は山本さんが良いと思います」
女子C(山本)「え?」
女子A「いや、でも亜里沙ちゃん」
女子C「私…やってみたいです」
雪穂「亜里沙は?」
亜里沙「私は…私は他の役でもいいよ!一番やりたい人がやるのがいいと思う」
先生「それじゃあ、ジュリエット役は山本さんでいいですか?」
はーい
雪穂「ごめんね、亜里沙」
亜里沙「ううん。山本さんがやるのが一番いいと思う」
先生「それじゃあ、次。ロミオ役を」
亜里沙「はい!王子様は雪穂が良いと思います」
雪穂「え?なんで?」
キーンカーンカーンカーン
亜里沙「雪穂~」
雪穂「どうしたの?」
亜里沙「ねえ?お芋ってどこで掘れるのかな?」
雪穂「お芋? …さつまいもって事?」
亜里沙「え?焼き芋の事なんだけど」
雪穂「うん。だから…さつまいもの事だと思うよ?」
亜里沙「そっか。お芋を焼いてるから焼き芋だもんね?」
雪穂「うん。そうだね」
亜里沙「それでそのお芋はどこで掘れるのかな?」
雪穂「え?なんで?」
亜里沙「さっきね、相沢君がお芋掘りしたって言ってたの。日本は秋にお芋を掘るんだって」
雪穂「あ~なるほど」
亜里沙「どこに掘りにいけば良いの?」
雪穂「畑だと思うけど。勝手に生えるものじゃないと思うし」
亜里沙「なるほど。どこに行けば畑はあるかな?」
雪穂「農家?」
亜里沙「え?それじゃあ、農家の人に頼まなきゃいけないって事だよね?私農家の人に知り合いいないよ?」
雪穂「そうだね。どっちにしろ都内じゃ畑自体そんなないだろうしね」
亜里沙「そっか。残念」
雪穂「芋掘りは出来ないけど食べたいならうちに来たらいいよ。多分お店用にあると思うから少しは食べれると思うよ」
亜里沙「ほんと?」
雪穂「うん」
ヒュー
雪穂「今日は風が強いなぁ。あれ?絵里さん?」
絵里「…」
雪穂「こんにちは」
絵里「き、きゃあ」
雪穂「え?そんなに驚かなくても」
絵里「ゆ、雪穂ちゃん?こ、こんにちは。こ、こんな所で奇遇ね?」
雪穂「まあ、帰り道ですから」
絵里「そ、そうね。亜里沙は今日は一緒じゃないのね」
雪穂「さっき別れましたよ?そこの道でいつも通り」
絵里「そうよね?家に帰ったんだもんね。そりゃそうよね」
雪穂「はい」
絵里「あの…」
雪穂「はい?」
絵里「穂乃果の様子はどうかしら?」
雪穂「え?お姉ちゃんの様子ですか?いつも通りの調子ではけど?」
絵里「そう?ほら?生徒会長になって一週間経つからどうなのかなって思ったんだけど」
雪穂「なんら変わらないですよ?むしろ元気です」
絵里「そう。学校でも元気だから大丈夫だと思ったんだけど。もしかしたら、お家で悩んでたりしてないかなと思ってね。そう。なら良かったわ、ありがとう」
雪穂「いえ。こちらこそお姉ちゃんの心配をしていただいて」
絵里「それじゃあ、私はこれで」
雪穂「なんか、絵里さん感じ変わったなぁ。って言うか、もしかしてこれだけの為に私を待ってたのかな?」
キーンコーンカーンコーン
国語先生「はい、今日はこれまで」
男子A「あー、やっと終わった」
男子B「そうだな」
亜里沙「ねえねえ、雪穂?」
雪穂「どうしたの?」
亜里沙「セリヌンティウスはこの後どうなっちゃうのかな?」
雪穂「さ~…どうなるんだろうね?」
亜里沙「助かるのかな?どうなのかな?次の国語の時間まで気になっちゃうよ」
雪穂「先に読んじゃえば?」
亜里沙「ダメだよ。次の楽しみに取っといてるんだもん」
雪穂「それだと予習出来ない事になるけど?」
亜里沙「確かに」
男子A「予習なんて普通しないよな?」
男子B「まあ…」
雪穂「って言うか女子の会話に勝手に入ってくるんだね」
男子A「別に~聞こえてきたから。な?」
男子B「まあ」
男子A「だいたい、メロスは酷いやつだよな?友達を身代わりに置いていくなんて」
雪穂「まあ、それは確かに…」
男子A「だろ?」
亜里沙「そんな事ないよ。メロスとセリヌンティウスは親友なんだよ?」
男子A「いや、ならなおさら」
亜里沙「私が同じ立場だったら絶対に親友の身代わりになるよ。頼まれなくたってそうするもん」
男子B「俺もそうかも。親友の為なら」
男子A「おまえ…」
男子B「それに結果的にメロスは間に」
雪穂「おっと。それ以上はネタバレになっちゃうよ」
亜里沙「あっ、危ない所だった」
亜里沙ちゃんはピュアだなぁ
心配性な絵里ちゃんかわいい
キーンカーンカーンコーン
雪穂「ふぁ~今日も一日終わったぁ」
亜里沙「ふふっ、雪穂のそういう所穂乃果さんにそっくりだよね」
雪穂「えっ?…そうかな?」
亜里沙「うん。お姉ちゃんから聞く穂乃果さんの話のイメージにぴったりだよ?今のセリフ」
雪穂「…亜里沙も言うようになったね。絵里さんはどんな話しをしてるんだろ」
亜里沙「え?雪穂は穂乃果さんにそっくりって言われるの嫌なの?」
雪穂「だってお姉ちゃんのだらしないところと似てるって言うんでしょ?」
亜里沙「ん~私は雪穂の事だらしないとは思った事ないよ?」
雪穂「え?じゃあ…どういう事かな?」
亜里沙「のほほんとした所が似てるのかな?」
雪穂「あんまり変わらないんじゃ?」
亜里沙「そうかな?」
雪穂「私、そんなにのほほんとしてる?」
亜里沙「たまに」
雪穂「そっか。気をつけなきゃ」
亜里沙「え~そのままでいいのに」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「ねえ、雪穂?」
雪穂「どうしたの?」
亜里沙「鈴虫って知ってる?」
雪穂「うん。知ってるよ?」
亜里沙「ハラショー!雪穂は何でも知ってるね」
雪穂「ん~何でもは知らないけど」
亜里沙「鈴虫の鳴き声って凄く綺麗なんでしょ?」
雪穂「うん。綺麗だと思うけど。あの、都内じゃ聴けないと思うよ?」
亜里沙「え?そうなの?」
雪穂「まあ、デパートとか行けば聴けるかもしれないけど」
亜里沙「本当に?じゃあ、放課後聴きに行こうよ?」
雪穂「いいけど。いるかな?」
亜里沙「楽しみだな~チンチロリンって鳴くんでしょ?」
雪穂「ん~それは…」
男子A「なあ、鈴虫なら飼うのはやめといた方がいいぞ」
亜里沙「え?どうして?」
男子A「夜うるさいから」
亜里沙「あっ、そうなんだ」
男子A「おう」
い~しや~きいも~
亜里沙「雪穂!お芋だよ!畑がなくてもお芋売ってるよ」
雪穂「ほんとだ。ここら辺で珍しいなぁ。どこから聞こえるんだろ?」
亜里沙「あっ、あっちからじゃない?」
凛「い~しや~きいも~」
雪穂「え?凛さん?」
穂乃果「違うよ凛ちゃん。こうだよ。いしぃやぁぁきぃいもぉぉ」
雪穂「げっ、お姉ちゃん?」
凛「何が違うの?」
穂乃果「声の出し方だよ。もっとこぶしを効かせるの」
雪穂「あ、あの二人は一体何をやってるの?」
希「ちっちっちっ、二人ともまだまだ甘いなぁ。スイートポテトより甘いわぁ」
穂乃果「じゃあ、希ちゃんやってみせてよ」
希「いぃぃぃしぃぃぃやぁぁぁぁきぃいいもぉぉぉ。おいもぉぉぉぉ」
穂乃果「くっ、悔しいけど完敗だよ」
凛「μ’sのお芋担当は希ちゃんに譲るにゃ」
希「ふふっ、そやろ?」
雪穂「…亜里沙?」
亜里沙「ん?」
雪穂「ああいう高校生にならないようにしようね?」
亜里沙「え?どうして?」
雪穂「恥ずかしいから」
豆腐担当は誰に
ニャーニャー
雪穂「猫だ」
女子A「猫だね」
亜里沙「ハラショー。とっても可愛い」
雪穂「野良かな?」
女子A「鈴も首輪もしてないからね」
亜里沙「何してるのかな?」
ニャ~
亜里沙「お腹すいたって言ってるのかな?」
雪穂「どう考えてもあくびしてたでしょ?眠いんだよ」
亜里沙「そうかな?」
女子A「あっ、あっちからも猫が来た」
にゃあ~
雪穂「なんか怯んでるよね?」
亜里沙「怖いのかな?」
女子A「先輩が来た!みたいな感じ?」
雪穂「じゃあ、ちわッス先輩って的な事を言ってたのかもね」
亜里沙「ハラショー!二人ともよくわかるね?凄い!」
女子A「いや、あくまでも想像だよ?」
雪穂「あっ、あの猫二匹ともメスだよ」
ヒュ~
雪穂「最近寒くなってきたね」
亜里沙「そうだね」
雪穂「亜里沙はロシアに居たんだし日本の冬なんて大した事はないんじゃない?」
亜里沙「ん~私は日本の冬も寒いよ?」
雪穂「そうなの?」
亜里沙「うん。確かにロシアの方が寒いけど日本も寒いは寒いよ」
雪穂「う~ん。そうかぁ。寒いもんは寒いのか」
亜里沙「うん。寒いものは寒いの」
雪穂「そっか…でも、日本にはいいものがあります」
亜里沙「え?いいもの?何?こたつ?こたつかな?」
雪穂「こたつじゃないよ。コンビニで中華まんを買って帰ろ?」
亜里沙「中華まん?」
雪穂「うん。この時期の中華まんは格別だよ」
亜里沙「本当?」
雪穂「うん」
亜里沙「じゃあ、中華まん食べて帰ろ」
キーンコーンカーンコーン
雪穂「やっと一週間終わったね」
亜里沙「明日は何しようかな?」
雪穂「そうだね。たまにはアイドルショップに行くとか?」
亜里沙「あれ?雪穂…これ」
ブラーん
雪穂「え?あっ、ミノムシだ。うわぁ、初めて見た」
亜里沙「ミノムシ?」
雪穂「うん。こうやって木の屑とかを集めて巣を作るんだよ。寒さをしのぐためなのかな?」
亜里沙「へ~珍しいの?」
雪穂「たぶん。なかなか見れないよ」
亜里沙「ふ~ん。なんかお姉ちゃんみたい」
雪穂「え?絵里さん?」
亜里沙「うん。お姉ちゃん寒いと家の中じゃずっと布団にくるまってる。まるでミノムシだよ」
雪穂「へ~意外だなぁ」
亜里沙「そうかな?わりとウチのお姉ちゃんはそんな感じなんだよ?」
雪穂「へーまあ家くらいは絵里さんもだらけたいか」
ミノムシはほんと見なくなったなぁ
わーわーぎゃーぎゃー
にこ「本当に高校生ですって」
警察「じゃあ、なんで私服なの?学校は?」
にこ「今日は半日授業なんで」
警察「本当に?」
にこ「うちの高校もそうなんです」
雪穂「あの~」
警察「ん?」
にこ「あっ」
亜里沙「にこさんは本当に高校生ですよ?」
警察「え?そうなの?てっきり中学生が学校をサボってるのかと…君達は違うよね?」
雪穂「今日は半日授業なんです。テスト期間中なので」
警察「あっ、そうか。それは悪かった。ごめんね?」
にこ「いえ…」
雪穂「あの」
にこ「お願い。穂乃果や絵里には黙ってて」
雪穂「だ、大丈夫ですよ。そんな言いませんて。ね?」
亜里沙「はい。にこさんが中学生と間違えられた事絶対に言いません」
にこ「うん。ありがと。お願いばかりで申し訳ないんだけど…繰り返し内容を言わないでね?」
亜里沙「はい」
雪穂「気にしてるんだなぁ…」
中学生というか小学生
カキーン
亜里沙「小学生が野球やってるね」
雪穂「うん」
亜里沙「アキバじゃ誰もやってないよね?」
雪穂「そんな事はないと思うけど」
亜里沙「流石足立区」
雪穂「それは違うと思うけど」
亜里沙「でも私日本シリーズ見るの初めてだよ」
雪穂「えっと?なんの話?」
亜里沙「こないだお姉ちゃんが言ってたの日本の野球は日本シリーズって言うんだって!」
雪穂「また勘違いしてるよ。日本シリーズはプロ野球だよ?」
亜里沙「そうなの?じゃあ、あれは?」
雪穂「ただの少年野球だよ」
亜里沙「そっか。ただの少年野球」
英玲奈「それは違うな」
雪穂「え?」
英玲奈「あの子達はああ見えても名門のリトルの子達だ。実力で言えば下手な高校生より上だ」
亜里沙「ハラショー」
雪穂「あの…」
英玲奈「将来あの中の誰子達が日本シリーズに出てるかもしれないぞ」
亜里沙「凄い!それは凄いね、雪穂?」
雪穂「う、うん」
英玲奈「ふっ、あの子達を見てると私も頑張らねばと言う気持ちになる。それじゃ」
亜里沙「あの人かっこよかったね」
雪穂「いや、アライズだよ」
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「ふぁ~」
雪穂「なんだか眠そうだね?」
亜里沙「うん。昨日の夜にテレビで心霊特集やってたでしょ?」
雪穂「あ~やってたね。うちのお姉ちゃん怖がるくせに見たがるんだよね」
亜里沙「そうなんだ」
雪穂「うん。私も得意じゃないからやめて欲しいんだけどさ」
亜里沙「私のうちは基本見ないんだけど昨日たまたまチャンネル回してたらやっててね」
雪穂「あ~なるほど!それで怖くて眠れなかったんでしょ?」
亜里沙「うん。怖かった。けど気づいたら寝てたよ」
雪穂「そうなんだよね。気がついたら寝ちゃってるんだよね」
亜里沙「でもね、やっと寝たのにお姉ちゃんがトイレに行こうって起こしに来たからそれからまた寝るのに時間が掛かっちゃったの。ふわぁ~だから眠いよ~」
雪穂「ふ~ん。そうなんだ………え?絵里さんが?絵里さんをじゃなくて?」
亜里沙「うん。お姉ちゃんが怖くて一人でトイレに行けないから起こしに来たの」
雪穂「え?そうなの?」
亜里沙「うん」
雪穂「へ~絵里さんが…なんか私の中の絵里さんのイメージが完全に崩れたよ。聞きたくなかったなぁ」
亜里沙「雪穂はお姉ちゃんを何だと思ってたの?」
雪穂「クールでカッコよくて頭が良くて美人な憧れのお姉さん的なイメージだよ?私の中では」
亜里沙「え?私もそう思ってるよ?」
雪穂「そ、そうなんだ」
ロボ姉さん海未ちゃんみたいなとこあるよな
てんごーくへのーぼるおじいさん とけいーともおーわかれー
キーンコーンカーンコーン
男子A「なんで中三にもなって音楽の授業で古時計の歌なんか歌わにゃいかんの?」
男子C「だよなー」
亜里沙「ねえ、雪穂?この歌悲しい歌だよね?」
雪穂「ん?まあ、そうだね」
亜里沙「おじいさんと古時計は離れ離れになっちゃったんだよね?」
雪穂「さあ?どうだろ?」
亜里沙「生まれた時からずっと一緒だったのに離れ離れなんて寂しいよ」
雪穂「でも、それは仕方ない事だし…」
亜里沙「それはそうだけど」
雪穂「それに天国でおじいさんと時計は一緒かもしれないじゃん」
亜里沙「う~ん。そっか」
雪穂「でしょ?」
亜里沙「うん」
妹にすがる怖がりえりちかわええやん
大きな古時計悲しいけど俺は好き
大きなのっぽの古じいさん
ヒュー
雪穂「風が強いね」
亜里沙「うん。こう言うの木枯らしって言うんだよね?」
雪穂「そうだよ。亜里沙も日本語に詳しくなってきたね」
亜里沙「うん。日本語覚えるの面白いもん」
穂乃果「よし!ここまでくればもう大丈夫だね!」
凛「うん。まさか、にこちゃんのかわりに海未ちゃんが引っかかるとは思わなかったにゃ」
希「そうやね。今海未ちゃんに見つかったらなんて考えるだけで恐ろしいなぁ」
亜里沙「何してるんだろ?」
雪穂「さあ?」
海未「雪穂?亜里沙?」
亜里沙「あっ!?海未さん?」
雪穂「どうしたの?」
海未「穂乃果達を探してるのですが。見てないですよね?」
雪穂「あそこ…」
穂乃果「いや~でも正直海未ちゃんには悪いけど引っかかった時のあのリアクションは面白かったね!」
凛「海未ちゃんってリアクション芸人に向いてるかもしれないにゃ」
希「表情がコロコロ変わるからなぁ」
海未「ほう?では、今私がどんな表情してるか…分かりますよね?」
穂乃果「え?…ひぃ」
凛「う、海未ちゃん?」
希「わ、笑ってる様には…見えないね?」
海未「正解は…」
雪穂「帰ろっか?」
亜里沙「良いのかな?」
ワイワイ ガヤガヤ
雪穂「凄い人だね?」
亜里沙「なんの行列かな?」
雪穂「さあ?秋葉は色んなイベントあるからね?」
亜里沙「あれ?あの先頭に並んでる人…花陽さんじゃない?」
雪穂「ほんとだ」
「それではただ今より新米試食会を開催します」
雪穂「新米試食会?」
真姫「かれこれ3時間は並んでるわよ」
亜里沙「あっ、真姫さん?」
雪穂「え?一緒に並んばないんですか?」
真姫「並んでたけど付き合いきれなくって凛なんてどっか行っちゃったわ」
iPhoneみたい
雪穂「それにしても…新米の為に3時間も」
真姫「多分花陽ならもっと長い時間並べそうな気がするけど」
雪穂「そうなんですか?なんかイメージないけど」
亜里沙「そうだね」
真姫「まあ、私も最初はびっくりしたけど。花陽のお米に対する情熱は本物よ」
雪穂「へ、へぇ」
花陽「真姫ちゃ~ん。お米買っちゃいました」
真姫「え?試食だけじゃなかったの?どうやって持って帰るのよ…」
花陽「手で運ぶしかないよね?」
雪穂「あの?手伝いましょうか?」
花陽「あれ?雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん?二人もイベントに参加してたんだ?」
雪穂「いえ…たまたまで」
花陽「そうなんだ。それで凛ちゃんは?」
真姫「さあ?」
米を運ぶためだけに鍛えたかよちん
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「うふっ」
雪穂「何やってるの?次移動教室なんだけど?遅れるよ?」
亜里沙「笑顔の練習だよ」
雪穂「ええ?いきなりどうして?」
亜里沙「スクールアイドルになる為だよ。アイドルに笑顔は必要でしょ?」
雪穂「まあ、そうだけど」
亜里沙「情報によるとμ’sもやってるんだって」
雪穂「どこの情報なの?うちのお姉ちゃんやってるところ一回も見た事ないけど?」
亜里沙「うん。穂乃果さんは違うかも」
雪穂「そうなんだ…絵里さんはやってるの?」
亜里沙「ううん。お姉ちゃんもやってないよ。お姉ちゃんは最近パズルばっかりやってるよ」
雪穂「そ、そうなんだ。えっと…じゃあ…にこさん?」
亜里沙「海未さんだよ。情報によると海未さんが笑顔の練習をやってるんだって」
雪穂「ええ?本当?」
亜里沙「うん。海未さんはアイドルの鏡だよ」
雪穂「まさか…とは完全に否定できない。たまに家に来てお姉ちゃんの部屋で一人になった時アイドルになりきって何かやってるからな~。私の部屋に声が漏れてるの気づいてないのかな?」
ワイワイ ガヤガヤ
亜里沙「ねえ?」
雪穂「何?どうかしたの?」
亜里沙「あそこ!ケバブ売ってるよ!」
雪穂「本当だ!」
女子A「美味しそうだね」
亜里沙「うん…ケバブって何のお肉を使ってるのかな?」
雪穂「え?さ、さあ?知ってる?」
女子A「私も知らない」
亜里沙「和食じゃないよね?」
雪穂「うん。これだけは絶対に違うって言い切れるよね?」
女子A「うん。100パーセント違うね」
亜里沙「ロシア料理でもないよ」
雪穂「だろうね」
女子A「ロシア感0だもんね」
雪穂「それもわかんないけど…」
亜里沙「ケバブってそもそもどう言う意味なんだろう?」
雪穂「さ、さあ?」
亜里沙「私達、ケバブについて何にもしらないね」
雪穂「…そうだね」
女子A「うん」
かよちんが来たときもラブアローしてたからな
キーンコーンカーンコーン
亜里沙「雪穂ー!」
雪穂「どうしたの?」
亜里沙「わたし分かっちゃったの」
雪穂「何が?」
亜里沙「私ね、日本に来て衝撃的な事がたくさんあったの」
雪穂「そうだろうね。そう考えると亜里沙も随分と日本に馴染んできたよね」
亜里沙「えへへ、そうかな?」
雪穂「うん。そうだと思うよ」
亜里沙「そっか!でもね、それは置いといて」
雪穂「う、うん」
亜里沙「日本のお笑いってすごく面白いでしょ?」
雪穂「うん。まあ、ロシアのお笑いが分からないけど」
亜里沙「いつもお姉ちゃんと笑いながら見てるの」
雪穂「絵里さんもお笑い番組なんて見るんだね」
亜里沙「うん。たまに呼吸困難になってるよ」
雪穂「ええ?そんなに?」
亜里沙「でね、なんでそんなに面白いのかなって考えたらね分かったの」
雪穂「そうなの?」
亜里沙「カツラだよ!」
雪穂「え?」
亜里沙「日本のお笑いはカツラを被ったら絶対に面白いんだよ。お姉ちゃんもいつもカツラで笑ってる」
雪穂「それは…どうだろ?」
亜里沙「ちがうかな?」
雪穂「まあ、笑いのツボって人によって違うだろうし」
亜里沙「そっか…笑いは人それぞれ!幸せと一緒だね!」
ガチャン
亜里沙「雪穂ー、飲み物買ってきたよ」
雪穂「あっ、ごめん。ありがとう」
亜里沙「はい!雪穂の分」
雪穂「ありがとう…ん?亜里沙のそれ…」
亜里沙「おでんだよ?」
雪穂「うん…おでんは飲み物じゃないけど…大丈夫?」
亜里沙「うん。知ってるよ!前にお姉ちゃんに教えてもらったもん」
雪穂「そうなんだ」
亜里沙「前に食べた時美味しかったんだ~」
雪穂「そっか。喉渇いたって走って行ったのに…良かったのかな?」
亜里沙「うん」
プシュ
亜里沙「…あれ?」
雪穂「どうしたの?」
亜里沙「前に食べた時と違うよ?」
雪穂「あ~具が違うんだね?それは…つみれだね」
亜里沙「つみれ?ハラショー!美味しそう」
パクっ
亜里沙「雪穂!美味しい!それにあったかい!今の季節にちょうど良いかも知れないよ?」
雪穂「そっか」
亜里沙「うん。でもこれ喉渇くね?」
雪穂「だろうね…一口飲む?」
亜里沙「うん」
ワイワイ ガヤガヤ
雪穂「やっぱり今日は人が多いね?」
亜里沙「うん。人がいっぱい」
雪穂「亜里沙は良かったの?絵里さんと一緒に」
亜里沙「お姉ちゃんも行っておいでって」
雪穂「そっか」
亜里沙「うん」
真姫「あら?雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんじゃない」
亜里沙「真姫さん!こんばんは」
雪穂「あれ?一人ですか?」
真姫「さっきまで凛と穂乃果と一緒だったんだけど…どこに行っちゃったのかしら?買出ししなきゃいけないのに」
雪穂「あっ!μ’sでパーティーするんですか?」
真姫「ええ、そうよ」
雪穂「そうだったんだ。お姉ちゃんなんにも言ってなかったな」
亜里沙「私達もこれからクラスのお友達とパーティーするんです」
真姫「そうなんだ。でも、あんまり遅くまで遊んでちゃダメよ?夜更かしする子の所にはサンタさんが来てくれないんだから」
雪穂「はい。あまり遅くならない様にします。ね?」
亜里沙「うん」
真姫「そう。それじゃあ、私は行くわね?」
雪穂「はい」
亜里沙「それじゃあ」
雪穂「真姫さんも冗談とか言うんだね?ちょっと意外かも」
キーンコーンカーンコーン
雪穂「ふう。なんか学校に来るの久しぶりで疲れたね?」
亜里沙「え?そうかな?私は大丈夫だよ?だって半日だもん」
雪穂「まあ、そっか。こう言うところがお姉ちゃんみたいだって言われちゃうんだろうなぁ。気をつけなきゃ」
亜里沙「え~、どうしてぇ?」
海未「何をしてるのです?」
亜里沙「あっ!海未さんだ!」
雪穂「なんか怒ってるね?お姉ちゃんまた何かしたのかな?」
凛「か、勘弁して欲しいにゃ~」
希「こんなのアイドルのする練習とちゃうやん…軍隊やん」
海未「何を言っているのですか?何事も基礎が大事でしょう?」
希「いや、それはそうなんやけど」
海未「なら黙ってやる」
凛「なんで凛と希ちゃんだけなの~」
海未「仕方ないでしょう?他のメンバーは遅れてくるのですから」
希「だったら大人しく待ってようよ」
凛「そうだにゃ」
海未「…」ピタッ
希「え?」
凛「なっ、何?」
海未「時間があるとあなた達はすぐにふざけるでしょう?」
希「そ、そんな事…ないやん?」
凛「うんうん。絶対にふざけないにゃ~」
亜里沙「μ’sって凄いね?」
雪穂「う~ん。μ'sって言うか…ね?」
わー わー
亜里沙「サッカーやってるね?」
雪穂「うん。小学生のサッカーチームだね」
亜里沙「私サッカーってあんまりやった事ないの」
雪穂「私もあまりないかな。子供の頃近所の公園でお姉ちゃん達とやったくらいかなぁ」
亜里沙「へ~。小学生なのにあんなに動けるの凄いね」
英玲奈「彼等のチームは基礎に力を入れているからな」
亜里沙「え?」
雪穂「あっ!アライズの…」
英玲奈「神経系の発達がめざましいこの時期に基礎練習をしっかり行う事によってベストパフォーマンスに繋がるんだ」
雪穂「な、なるほど」
英玲奈「しかし、小学生と言うものは地味な練習は嫌がるからな。そこで監督やサポーターの真価が問われることになる」
亜里沙「ハラショー。何事も基礎が大事なんですね!」
英玲奈「そうだな。それはスクールアイドルにも言える事だな。おっと、そろそろ時間だな。それじゃあ、私はこれで」
雪穂「はい」
亜里沙「サヨウナラ~」
雪穂「好きなのかな?スポーツが」
亜里沙「う~ん。μ'sが勝ち進めて嬉しかったけど本戦でパフォーマンスをするアライズも見たかったね?」
雪穂「そうだね」
ジャラーン
男「何かリクエストはあるかい?」
亜里沙「え?雪穂?」
雪穂「この人ストリートミュージシャンだよ」ボソボソ
亜里沙「ストリートミュージシャン?」
雪穂「うん。とりあえず知ってる曲をリクエストしてみたら?」
亜里沙「あの…じゃあ、snow halationをお願いします」
男「えっと…」
雪穂「亜里沙…流石にそれは分からないと思うよ?」
亜里沙「そうかな?演歌の方が良いかな?」
雪穂「演歌もどうだろう?」
ジャラーーーン
男「不思議だね今の気持ちー空から降ってきたみたいー」
雪穂「え?出来るの?凄い…」
亜里沙「ハラショー」パチパチ
男「え~次は演歌かな?」
ジャラーン
男「北~の~酒場」
亜里沙「凄い!何でも弾けるんですね!」
雪穂「確かにこれは凄い」
キーンコーンカーンコーン
女子A「でね~なんだよ」
亜里沙「ハラショー」
雪穂「凄いね」
女子B「ねえねえ?ずっと思ってたんだけど…」
亜里沙「何?」
女子B「ハラショーって何?」
亜里沙「え?ハラショー?えっと…ロシア語だよ?」
女子B「うん。それは分かるんだけど。驚いた時に使うの?」
亜里沙「えっと、素晴らしいとか了解とか…」
女子A「え?素晴らしいと了解って全然違くない?」
亜里沙「ん~なんて言えば良いのかな?」
女子B「日本でもなんでもヤバいって言う人いるけどそんな感じ?」
亜里沙「うん!それが一番近いかも」
雪穂「え?それでいいの?」
完!
乙
まきちゃん
ありゆきの日常良かったわ
乙
ワレワレハヒトツさんで笑うわ
おつおつ
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