【ミリマス】薄切り揚げ芋と優等生の堕とし方 (23)

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 琴葉にポテチを食べさせたい。琴葉にポテチを詰め込みたい。
 琴葉をポテチまみれにしたい。ポテチのせいで脂っこくなった指先を、お行儀悪くぺろりと一口舐めさせたい。

「と、言うワケで琴葉ちゃん!」

「ポテチを食べてくれ、お願いだ!」

 松田亜利沙とプロデューサー。

 二人に迫られた田中琴葉は、ただ曖昧な笑顔を返すことしかできなかった。

「あの、どうして私なんですか? ……というより、なぜ、その……ポテトチップスを?」

「そんなの決まってるじゃないか!」

「優等生が気を許し、ついつい誘惑に負けるその瞬間!」

「ああ、堕落する姿は美しい!」

 力説する二人の姿に「わ、分かりません、そんなこと……」と琴葉が後ずさりながら距離を取る。

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 だが、二人は抜群のコンビネーションで彼女の逃げ場を素早く塞ぐと。

「ほらっ!」

「さあっ!」

 持っていた大きな段ボール箱を押しつけた。
 中身はもちろんポテトチップスの袋たち。

 薄くスライスしたジャガイモを、パリパリの食感に揚げた魔性のお菓子。
 飽きが来ないうえ美味しくて、おまけに味のバリエーションも豊富である。

 しかし、琴葉は先ほどよりも強く首を振り。

「い、嫌です! 私、だ、ダイエット中ですから!」

 拒絶の意思を見せたのだが、それでも二人は諦めない。


「だからこそだろ!」

「なおのことです!」

 亜利沙が「プロデューサーさん!」と一声叫べば、
 彼は「おう!」と応えて琴葉の背後に回り込んだ。

「な、なにをっ!?」と驚く彼女を後ろから羽交い絞めにすると、「今だ!」と亜利沙に合図を送る。

「ふっふっふ……。さぁ! お楽しみの始まりですよぉ~」

「や、やめて! 今ならまだ、冗談ですませられるから!」

「最初はオーソドックスに、うすしお味から始めますかねぇ~」


 琴葉が手に持つ段ボールから、亜利沙がうすしお味のポテチを取り出した。
 ピリッと音を立てて袋を開けると、食欲をそそる独特の油臭さが辺りに広がる。

「さぁ、あーんしてください♪」

 形の良い一枚を袋の中から選び取り、亜利沙が琴葉の顔にソレを近づける。

「ん、んぅ!」口をしっかり固く閉じ、首をフリフリ抵抗するが、
 無慈悲にも彼女の柔らかな唇に押しつけられる薄切り揚げ芋お塩味。


「むふふ、いつまで我慢できますかね?」

「早く口を開けないと、顔中油まみれになっちゃうぞ~」

 だがしかし、田中琴葉は屈しない。

 顔を右斜め下の角度に背けると、
 いやでも口を開けるものか! という意思を体全体で表現した。

 ……が、この程度の抵抗など、プロデューサーたちは既に予測済みだ。

「プロデューサーさん、プランBです」

「ラジャー」

 亜利沙の指示に従って、プロデューサーが動き出した。

 そっと琴葉の耳に顔を近づけると、彼女の白い耳たぶに、
「ふーっ」と息を吹きかける――プランB、極悪非道の『Breath作戦』


「ひゃんっ!?」


 瞬間、室内に甘い喘ぎ声が響き渡った。

 くすぐったい感触を我慢する為、思わず琴葉は首を縮こまらせて……
 と、同時に開いた口の中に、一瞬の隙をついてねじ込まれるうすしおポテチ。

 反射的にかみ砕かれたその芋は、彼女の口内にうま味成分を撒き散らす。

「この期を逃すな、叩き込めっ!」

 プロデューサーの一声に、亜利沙が次弾をねじ込むねじ込む。

「ふうぅ~!」といやいやする琴葉の口に、休みなく与えられる芋、芋、芋。

 彼女は時折「えふっ!」と苦し気にえずいたが、それでも吐き出すことだけはしなかった。
 食べ物を粗末にしてはいけないと、琴葉の生真面目さがそれを許しはしなかったのだ。

===

 結局、彼女は二人の悪にされるがまま。

 数十分が経つ頃には膝をがくがくと震わせて、
 自力では立つことすら困難な琴葉の姿がそこにはあった。

 床には空になったポテチの袋が散乱し、彼女がどれほどひど……
 いや、旨い拷問を受けたのかが一目瞭然見て取れる。

 食べるのを拒んでは「ふーっ」とされ、咀嚼を拒否しては「ふーっ」とされ、
 終いには亜利沙に顎を支えられながら、口にポテチを咥えさせられると特に意味も無くふーふーされた。

「頃合いだな……。亜利沙、例の物を」

 彼女を羽交い絞めにしたままで、
 プロデューサーが最後の仕上げだと言わんばかりに亜利沙に向けて目配せした。

 すると亜利沙は驚愕の表情を浮かべ「ま、まさか!? 本気なんですかプロデューサーさん!」

「ああ、そのまさかだ。このチャンスを逃してなるものかよ!」


 戦慄、である。

 亜利沙は事ここに至って、自分がどれほど恐ろしい計画に
 加担していたのかを思い出したのだ。

 準備段階では確かにそんな話もしたが、まさか本当に実行する気でいたなんて……!

「何をしている、早くするんだ!」

 プロデューサーに強い口調で急かされて、亜利沙はごくりと唾を飲み込んだ。

 もはやここまで来れば一連托生。
 かつて自分が言った言葉を思い出す。


『ありさ……ありさどこまでもプロデューサーさんについて行きます! 
 それが例え破滅の道、アイドル界の冥府魔道でも!!』


 ああ、今がその時その魔道! 

「な、何の……こと……?」と息も絶え絶え尋ねる琴葉を無視すると、
 非情にも亜利沙は隠し持っていたソレを彼女に見えるよう取り出した。

逮捕だ


「あ……あぁ……!?」

 琴葉の目が、絶望に大きく見開かれる。

 それは黒く、太く、雄々しき飲み物。
 俗に"コーラ"と呼ばれる炭酸飲料。

「こういうジャンクなフードを食べる時には――」琴葉の耳元で囁くように、プロデューサーが言葉を綴る。

「飲み物だって、ジャンクじゃなきゃなぁ?」

「い、いやああぁぁぁーーーっ!!」

 乙女の、絹を裂くような叫び声。だが悲しいかな、
 助けに現れるヒーローなどどこにもいない。

 いや、彼女がこんなピンチの際、
 助けを求めたいヒーロー足りえる者がいるにはいたが……。

 なんの運命の悪戯か、男は今、琴葉を責める立場にあった。


「お願いです! やめてくださいプロデューサー!」

「ふふ、ダメだぁ。俺を誘惑する琴葉がイケナイのさぁ」

「そんなっ!? 私、誘惑なんてした覚え……んっ!」

 お喋りに開いただらしない口に、コーラの入った黒光りする瓶の先端が当てられる。

「歯を立てるんじゃあないぞ?」プロデューサーに耳元でそう囁かれ、
 琴葉が涙目でこくこくと頷いた。


 一部始終を見ていた亜利沙が、瓶を押し当てたままで言う。

「ごめんなさい。でも、ありさはこの人について行くって決めたから」

「あ、ありひゃ……」

 亜利沙は琴葉の繊細な部分を傷つけないように注意しながらゆっくりと、
 先っぽで彼女の唇を押し広げて行った。

 ここまでの責め苦によって渇き切っていた琴葉の喉奥には生ぬるい液体がこくりこくりと流し込まれ、
 彼女は舌先でそれを受け止めると、苦し気な嗚咽を静かに漏らす。

 顔を上げたのは、なるべく床にこぼさぬために。

 口内から溢れたべたつくソレが、唾液と混ざって琴葉の美しい顎から首のライン、
 そして鎖骨のくぼみに向けてつぅっと音もなく伝い落ちて行く……。


「――安心しろ、炭酸抜きだ」

 耳元で優しく囁くプロデューサーの、ああ、その気遣いは返って琴葉を苦しめた。

 ここでむせて吐き出せた方が、どれ程楽なことだったろう? 

 しかし、全ては遅いのだ。そう、何もかもがもう遅すぎる……。

 崩壊しかけた理性と言う名の束縛が、彼女の心から外される。

 今、琴葉は涙で滲む天井の染みを数えながら、ただただ悦びに震えていた。


「……おいし……い……♪」

===

 ぐったりと、してしまった。

 コーラを飲み終えた琴葉は力なくうなだれて、
 その口からはポテチの欠片を伴った黒い唾液が垂れている。

 ……なんて煽情的なんだろう。

 亜利沙はそんな彼女の姿を写真に収めながら、
 その妖艶な美しさに心打たれていた。

 知らず知らずに涙を流し、それでもシャッターは切り続ける。


「当初の予定とはちょっと違ったが、これはこれで中々オツだったな」

 満足そうに頷いて、プロデューサーがそっと羽交い絞めしていた腕を解くと、
 ぺたり、琴葉はその場にへたり込み、お腹を押さえてうずくまった。


「ごほっ、こほっ!」

 それから二度、三度とむせた後……肩を震わせて小さく呟く。


「……もう、お嫁にいけない」


 ――当然である、彼女は辱めを受けたのだ。

 それも最も信頼する人物と、仲間のうちの一人によって。

 ぐすぐすと鼻をすすりながら、琴葉は声を押し殺して泣いていた。


 人間冷静になってみると、自分のしでかした事の重大さを感じ出すものだ。

 それはいわゆる罪悪感であり、「こうなるとは思わなかった」と言う逃げの台詞を人から引き出す。

 今回の場合も例にもれず、プロデューサーはそんな琴葉の反応に、
「お、大袈裟だなぁ琴葉」なんて後ろめたそうに声かけた。


「や、やり方は確かに乱暴だったけど、俺たちはただ、琴葉に旨い物を食わせたかっただけで……」

 ここで「俺」ではなく「俺たち」と複数形で語る辺りからも、
 責任逃れの魂胆が見え隠れして非常に卑劣だと言えよう。

 だからこそ彼は罰を受けるのだ。
 自分の犯した罪の重さと同等の、逃れられない運命の罰を。

「……ますよね?」

「えっ」

 琴葉がゆっくりと振り返る。
 男を見上げて訴える。

 その言葉を聞いた時、亜利沙はとんでもないことになったぞとその身を震わせ慄いた。


「責任、取ってくれますよね? ……私の心を踏みにじり、体を汚した責任を」


 さて――この後に迫る修羅場に好奇の思いを馳せながら、
 ひとまずはこれでおしまいどっとはらい。

 とにもかくにも765プロの、ある日における一幕の話。

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 以上おしまい。言いたいことは冒頭で述べた。
 でもその通りには話が進まなかった。そんな感じのお話です。……けど楽しかった(ボソッ)

 後今更ながらに薄切り揚げ芋とか書いたんだから、
 エミリーも出せば良かったかなぁなんて思ったり。

 とはいえみんんさにも楽しんで頂けたなら幸い。
 お読みいただきありがとうございました。

またやらかしたのか
乙です

>>1
田中琴葉(18) Vo
http://i.imgur.com/xUswnEt.jpg
http://i.imgur.com/5cGQanJ.jpg
http://i.imgur.com/nWx3NuB.jpg
http://i.imgur.com/NrT5jgW.jpg

松田亜利沙(16) Vo
http://i.imgur.com/xEyU3V8.jpg
http://i.imgur.com/5aEZqrf.jpg

乙です
指先舐める琴葉見たかったぁ…

乙乙いいぞいいぞ

おつおつ
でも無理矢理ではなくて誘惑に負けてしまう琴葉も見たいです

みんんさ?


美少女は 堕ちる姿も 美しい

書き方でそうかなと思ったが飴の人だったか
真面目な子が堕落する様子いいよね

責任とらなきゃ…

❤ฺ

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