おめでとうございます。
あなたはとある世界に誕生致しました。
文明は中世前後のファンタジー世界です。
この世界でコツコツ経験を重ねていき、アナタは最強の冒険者になることを目指しましょう。
このスレッドでは場面にそぐわない【安価】が行われた場合はすぐ近くの最近安価に選択権が移動します。
また戦闘等の際は 04:15:08.(15)← ( )内の数字で成功失敗を決めます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495739740
こんな時間に立てるのか
現在のステータス
体力10(アナタがいかに体力があるか示す)
筋力10(アナタがいかに筋力があるか示す)
器用10(アナタがいかに器用であるか示す)
賢さ10(アナタがいかに賢いヒトかを示す)
精神10(アナタがいかに精神強いかを示す)
敏捷10(アナタがいかに俊敏であるか示す)
アナタが冒険者となる前は何をしていましたか?
安価→5
主婦だ!
なるほど。アナタは以前は主婦(主夫)をしていました。
今、現在は訳あって主婦(主夫)をしていません。
▼ステータスに変化が起きました。
体力+2 筋力+2 器用+2 精神+1 されました。
現在のステータス
体力▲(12)
筋力▲(12)
器用▲(12)
賢さ(10)
精神▲(11)
敏捷(10)
そうですね。そもそも、アナタの性別はどちらでしょうか?
安価→7(男or女のみ)
♀
アナタは女性ですね。畏まりました。
つまりは主婦をしていた、ということですね。
アナタの現在の年齢はいくつでしょうか?
安価→9
18
あえて若くして闇を深くしてみる
18歳ですね。まだまだ若く伸び盛りとなります。
女性・18歳・元主婦 と確定。
レベル0からレベル1へとレベルが上昇しました。ステータスに変化が起きます。
体力・筋力・器用・賢さ・精神・敏捷のいずれかに自由にポイントを割り振れます(レベルポイント1点+作成時の為5点)
計6ポイントをステータスに割り振りましょう。
例:体力+2 筋力+3 敏捷+1
安価→11
賢さ3
精神3
▼ステータスに変化が起きました。
賢さ+3 精神+3 されました。
現在のステータス
体力(12)
筋力(12)
器用(12)
賢さ▲(13)
精神▲(14)
敏捷(10)
さて、主婦となると、夫が居た事になります。
何故、今は主婦を止めて、冒険者をしているのでしょうか?
安価→13
夫が行方不明になったから探している
アナタが冒険者となった理由は「夫が行方不明になったから探している」からです。
行方不明になったのは突然であり、また理由は不明です。
アナタは夫探しの目的を持ち、冒険者となりました。
初期所持金 現在のコンマ1の位(1→金貨1枚 0→金貨10枚)
はい
所持金 金貨10枚(この世界では金貨1枚=銀貨20枚 銀貨1枚=120銅貨となっています)
初期装備→「一般的な服」・「片手用剣」・「ダガー」・「レザー製の防具(胴体・腕部)」・「食器一式」・「財布(金貨10枚入り)」・「背負い袋」
さて、最後にアナタの名前を決めましょうか。アナタのお名前は……?
安価→17
トレイシー
▼名前が「トレイシー」と決定しました。それでは、No.001として登録致します。
名前「トレイシー」 性別・女 18歳 冒険者(元主婦)
現在のステータス
体力(12)
筋力(12)
器用(12)
賢さ(13)
精神(14)
敏捷(10)
装備
主武装:片手用剣 副武装:ダガー 防具:レザー製「胴部」「腕部」防具 服装:一般的な服
所持品:「背負袋」「食器一式」「財布(金貨10枚入り)」
現在の所持金:10G(G=金貨、S=銀貨、P=銅貨)
では、これよりのアナタ「トレイシー」の冒険は始まります。
彼女がどこまで最強に近づけるか、あるいは途中で朽ち果てるか。
残酷であるも美しい世界での冒険が今、始まります。
* * *
アナタは今現在、この付近でも一番大きな町「エアスト」に向かう途中です。
夕方。「エアスト」にも近い、ということで野営はせずに、無理に「エアスト」にへと向かっていました。
しかし、向かう途中にアナタは群れからはぐれた、あるいは元々一匹で行動している狼と遭遇しました。
確か以前にも遭遇した事はあります。
灰色の毛並みからしてグレイウルフ。群れならキツいですが、一対一なら勝てなくもない相手です。
空腹なのか、狼は口から涎を垂らし、アナタを獲物と見ています。
アナタは、どうしますか?
1.狼と戦う(→戦闘開始) 2.逃げる(→逃げ切れたかどうか狼と敏捷対決)
安価→22
sage(21と記入し間違えました)
アナタは、どうしますか?
選択肢
1.狼と戦う(→戦闘開始) 2.逃げる(→逃げ切れたかどうか狼と敏捷対決)
再安価→23
1
1が選択されました。グレイウルフと戦闘開始です。
▼戦闘ルールが開示されます
・戦闘はその場の戦闘に参加した敏捷力順に行っていきます。また、安価PC「トレイシー」以外をNPCと呼称。
※味方NPCは指示に従う者も居れば、自分勝手に行動する者も居ます。
まず早い者から順番に行っていき、最遅敏捷力の持ち主が行動終了した時点で1ラウンド終了です。
今回例:)トレイシー → グレイウルフ
また、戦闘は「参加している者の戦意が1人でもある」と発生します。戦意喪失した時点で戦闘は終了です
基本的にNPC側は判定が必要な行動を取った現在レスのコンマの位で判定。
安価PC側は指示安価のコンマの位で判定を行う。
・戦闘中に行える行動は1手番に1回です
「攻撃(近接・射撃・魔法)」「逃走(敏捷力で対抗判定)」「道具の使用」「その他安価」
攻撃はその手段が無ければ選択する事はできません。従って安価の際は下安価を優先する。
※特定スキルを手に入れた場合、戦闘中に回復魔法や回復治療を行う事もできるようになります。
・安価PC身体の状態は 「健康>手傷>軽傷>重傷>瀕死」 の5段階で表示されます。
各状態によってはステータスにマイナス補正がかかります。
・攻撃を与える場合
近接・射撃攻撃を与える場合、器用を使って判定する。コンマの位で判定。
また手加減して攻撃する事もできます(その場合、相手は特定以上のダメージが発生しても、生死判定が発生しないようになる)
・攻撃を受けた場合
攻撃を受けた側は直ちに回避行動を取る事となる。これは敏捷力で回避を行う。回避に成功したかは敏捷をコンマの位で判定。
判定は数字を下回れば成功となる。
※特定スキルを手に入れた場合、回避判定は別の値で回避する事が可能になるかもしれない。
・対抗判定
相手側と対抗する判定を指す。相手との差分値で成功率が上下する。
差分値次第では行動を行おうとすれば、自動的成功 / 自動的失敗 となり、判定はせず、自動的な成功/失敗となります。
・生死判定
特定以上の大きなダメージを受けた時、あるいは瀕死状態から更にダメージを受けた時など死んだかどうかを判定する。
これは体力で行う。判定に成功すると「生存」となる。判定に失敗すると「死亡」となる。
※敵エネミーによっては生死判定を省略し、即座に死亡する場合があります(円滑な行動サイクルの為)
第1ラウンド。トレイシーの手番です
チュートリアル戦闘、又逃走を選ばれなかった為に「逃走」手段は選択肢から省かせて頂きます
※そのため、今回の戦闘では「近接攻撃」が手番毎に自動的に選択されます(次回の戦闘からは自由に選択肢を選べます)
指定レス先のコンマの位にて判定を行います
判定先→26(01~80 成功 81~00 失敗)
あ
トレイシーの攻撃は成功ました!
グレイウルフが回避を行います。
判定→現在コンマ(1~20 成功 21~00 失敗)
グレイウルフの回避は失敗しました。
トレイシーの攻撃は命中です。
グレイウルフは状態が《軽傷》となりました。
グレイウルフの反撃です。
グレイウルフの攻撃!
判定→現在コンマ(1~40 成功 41~00 失敗)
グレイウルフの鋭い牙がトレイシーにへと襲いかかります。
トレイシーは回避行動を取ろうとします。
果たして、回避できるかどうか…?
判定→30(1~60 成功 61~00 失敗)
これはあんこ?それとも直下コンマ?
判定取る時は下1とか直下の方が
ミスが少なくて良いと思う
(次回からは下1、下2と表示させて頂きます)
トレイシーは遅い来る刃から身を翻し、回避することができた。
グレイウルフとトレイシーは今も睨み合っている。
夕暮れはドンドン下がっていく。
第2ラウンド。
トレイシーの手番です。
トレイシーは再び、剣を手にグレイウルフにへと切りかかります。
判定→下1(01~80 成功 81~00 失敗)
う
トレイシーが再びグレイウルフに切りかかると見事命中し、
グレイウルフは痛みから鳴き声を上げました。
グレイウルフの状態は《重傷》になりました。
グレイウルフは痛みのせいか、あるいは恐怖のせいか。
噛み付こうとはせず、トレイシーを睨みつけています。
グレイウルフは何もしません。
第三ラウンド。続けて、トレイシーの手番です。
グレイウルフに剣を振り下ろすでしょう。
判定→下1(01~80 成功 81~00 失敗)
あ
では、再三、トレイシーの持つ剣はグレイウルフにへと攻撃を加えましたが、命中しました。
グレイウルフの腹を抉る刃は致命傷となりました。
グレイウルフの状態は《瀕死》となりました。
ここでグレイウルフが完全に戦意を喪失しました。
戦闘は終了です。
身体を横たえ、床に倒れ伏しているグレイウルフ。
虚ろになり、ぼんやりと彼、あるいは彼女は虚空を見つめている。
あなたは……
1.トドメを刺し、この場を去る
2.放置し、この場を去る
3.自由
安価→下2
ksk
3 止めをさした後、狼の皮を剥いで持っていく
トレイシーは狼をそれ以上苦しませないように、首にさくり、と剣を押し込む、とそのままグレイウルフは息を引き取った。
手の中で確かに命が奪われる感触をトレイシーは感じてから、剣を抜く。
それから剣の血を拭い、立ち去ろうとする。
が、その前に狼の皮を剥いでおこう、という気分が湧き上がってきた。
せめてもの命を奪ったモノとして、狼への手向けか。
あるいは、狼の皮は売れるのではないか、という俗物的な気持ちか。
しばらく時間をかけて、丁寧に狼の皮を剥いでいき、やがて狼から毛皮を剥ぎ取った。
それを丁寧にくるみ、背負袋に仕舞って、改めて町「エアスト」にへと向かった。
もう陽は暮れていた。
夜に町にへとたどり着くと、まず関所で止められた。
「こんな夜更けにどうしたんだい?」
猫背気味な黒髪の守人の男はジロジロとトレイシーを見ながら怪しそうな目で訪ねてきた。
トレイシーは懐から「冒険者」の証を差し出し、守人に見せつけた。
この世界では冒険者は組合(ギルド)の元で登録しており、大抵は組合で貰えるその証を見せる事でほとんどの町に立ち入ることができるフリーパスのようなものとなっている(例外はある。例えば何らかの事情によって封鎖されている町もある。その場合は関所で立ち往生だ)。
D(錫色)>C(銅色)>B(銀色)>A(金色)> といった風に階級と色が順序付けられている。
トレイシーはC級。つまりは銅色だ。
駆け出しの冒険者にはD級の錫色の冒険者証が渡される。
しばらく経つと誰でもC級にはなれる。
そこから先は実力者の世界だ。
ある程度の功績が認められることでB級。
さらにそのB級の中から更なる功績を伸ばすことでA級となる。
A級以上の存在にS級(ここまで来ると証は白金色だ)というものも存在するが、もう何年もS級に達するような者は出てない。
5年前に俗に「勇者」と呼ばれるような人物がS級指定を受けてから、それ以降は耳にしない。
なので、A級が冒険者たちが目指す実質的な頂点だ。
「なんだ、銅証。C級様かよ。通りな」
銅証、C級様、というのは蔑称だ。
ああやって守人や兵士達の間では囁かれている。
C級冒険者だと分かるや否や、あからさまにトレイシー態度を露骨に変えた。
トレイシーはいつもの事だとわかっているので特に気にも留めず、町に入り、酒場に向かった。
往々に酒場と宿屋は兼ねていて、大きな町では酒場は複数ある。
酒場はジョッキに並々と注がれた酒のマークの看板がある。
子供でも知っている常識であり、文字が読めない奴でも入れるから気軽だ。
共通することもある。
どこも酒の味も五十歩百歩。
あっちの店はあれが不味い、こっちの店はマスターが怒りっぽい、そっちの店は酒を薄めているぞ。
何かしらの欠点とかがあって、それが気に入らないやつは他の酒場に行って、そこを何となしに気に入るものだ。
つまり、居着いたお気に入りの場所が極楽の天国なのだ。
酒を飲めればだいたいハッピーになれるからお気楽なものだ。
ジョッキに並々と注がれた酒のマーク。酒場が目に止まった。
そのマークの上に 《折剣と野鹿》亭 と書かれている。
今夜はここにしよう。
「いらっしゃい」
入るなり店主からかけられた言葉はそれだけだった。
無愛想なマスターである。
しかし、お喋りなマスターも何だかな、とは私は思う。
夫くらいが一番だ。
そうとも、一番だ。
店内では他の客がギャーギャー騒いでいて、酒で陽気に酔っている。
仲間と陽気に酔えて、気分も有頂天と来ている。
それだけに騒ぎも最高「頂」だ。
カウンターに座ってみて一息をつく。
何か腹に入れたい所だ。
無愛想なマスターにおすすめを、と頼む。
しばらくするとオススメがやってきた。
オニオンパイと黒麦パン、くるぶし肉のハム。
なんとも美味そうだ。腹が鳴る。
そうだな。
これを胃に流し込む飲み物。
飲み物は。
1.山羊のミルク。酒なんて飲めやしない。
2.エール酒。やはり酒に限る。
3.自由安価
安価→下1
3 ここは度数の高い「蒸留酒」といこう
蒸留酒だ。
少し酔いが欲しい気分となった。
もしかすると先の戦闘で気分が高まっているかもしれない。
「蒸留酒も」
マスターに再び注文すると、しばらくしてから彼は琥珀色の液体が注がれたグラスを持ってきた。
「ウイスキー」
やはり無愛想だ、このマスターは。
注文通りだ、と言わんばかりにグラスを置くと、それ以上は言ってこなかった。
パンをむしり、
パイを咀嚼し、
ハムを平らげ、
ウイスキーで流し込んでいく。
良い気分だ。
少しずつ酒が……
トレイシーが酒に強いかどうか体力で判定。
判定→下1 (結果:01~10とても強い 11~30強い 31~60普通 61~90弱い 91~00とても弱い)
あ
私は酒に強くも弱くもない。
人並み程度には酒を嗜む。
▼トレイシーのステータスが変化しました。
酒への耐性は「普通」となりました。
程々に酒が回ってきて、腹も夕食で膨れてきた所だ。
そこへ見計らうかのようなタイミングで栗毛の男がやってきた。
その男はカウンターの私の隣にへと座る。
首からは銅証を下げていて、私の顔を見るなり、ニヤリ、と前歯が抜けた何ともマヌケな笑みを浮かべる。
銅証のおかげで、ひと目で彼が冒険者なのはわかった。
「ここらでは見ない顔でゲスね。エアストは初めてでゲス?」
……ゲス?
しばらくしてから、ゲスというのは、どうやら男の語尾だと言うことはわかった。
なんとも変わった男だ。
だが、こういう手合の男は軽くあしらっておいた方が良いだろう。
「おっと、これは失礼。自分はゲニスでゲス。よろしくでゲス」
「……そのゲニスさんが私に何の用?」
「おっと、これは手厳しいでゲスね。いやあ、見かけないお嬢さんが居れば、つい気になってしまったゲス。で、こうして話したわけでゲス」
「……そう」
「そう、ってお嬢さん……」
「別に私はアナタに用事はないもの」
「冷たいでゲスね!?」
心からの本心で本音だ。それ以上言うまでもない。
「いやあ、ゲニスは少しでもお近づきになりたいだけでゲス」
「……、……はぁ。これでも夫がいるのお生憎様」
む、少し口を滑らせてしまったようでならない。
つい、このゲニスという男の会話に乗せられてしまったようでならない。
「夫がいる! そりゃあそうでゲスね。お嬢さんを放っておく男も少ない筈でゲス」
それからペラペラと彼はおべっかを並べている。
身持ちでも口説けるのではないかと期待しているところだろうか。
しかし、私は軽い女ではない。ゲニスの思惑にはのらないつもりだ。
世間話で茶を濁し、さっさとこの場を後にしよう。
ゲニスの歯の浮くような言葉を耳にしていると、他からの二つ視線に私は気がついた。
そちらの方を見ると、前から後ろへと一定のラインの髪を立たせた赤い髪のモヒカンヘアーの男が居た。
どこか色目を含んだ、下卑た視線を向けてくる。
もう一つの視線は黒い長髪の男からのものだ。
確か東洋の「ワフク」というモノだったか。
腰には見慣れない豪華な作りの柄を持つ剣を提げている。
こちらは人物を品定めするようなもので、下劣な前者の視線よりも、人となりを見定めるようなものだ。
「気づいてるでゲス?」
私に視線が送られてきている事に、ゲニスも気づいていたようだ。
「二人共、この町ではそれなりに有名な冒険者でゲスよ」
ゲニスは丁寧に説明してくれた。
赤いモヒカンヘアーの男が"赤熊"ドミニク。
B級。銀証持ち。
数々の化物を退治した功績はこの町で認められてはいるが、その反面に性格に難あり。
冒険者になったのは腕っぷしに自信があったかららしい。
何ともそれらしいテンプレートな冒険者だ。
ワフクに黒い長髪の男が"サムライ"ヤマモト。
こちらもB級。銀証持ち。
東洋から大陸にやって来て、強者を求めて渡り歩いているらしく、口数が少ないが腕は一級品。
冒険者になったのは自分の剣の腕を更なる磨く武者修行に最適らしい。
こちらもよく聞く冒険者の理由といって良いだろう。
「ドミニクに目をつけられると何かと面倒でゲス」
ドミニクが赤い熊と呼ばれるのもなんとなくうなずける。
大きい図体に赤毛。
確かに熊だ。
「ヤマモトは強い奴に突っかかってくるので、なかなか絡んでくる事は無いでゲス。だから心配いらないでゲス。」
武者修行で腕を磨くのに強者と戦うのは最適だろう。
サムライ、というのは東洋の国で言う剣士を指すらしい。
「親切にどうも」
「それほどでもないでゲスよ」
ふむ。
この町の情報について何かと詳しいゲニスと親しくなっておくのも有りかもしれない。
冒険者仲間としてだ。
「トレイシーよ」
「へ?」
「私の名前」
「! へー、トレイシーちゃん。良い名前でゲス」
ようやく名前を聞けて、嬉しそうに歯抜けの笑みをゲニスは浮かべる。
さて、私の主目的である夫について何か知っているか聞いてみた。
見たことはあるか。
聞いたことはあるか。
私は夫の特徴を並べてみる事にした。
夫は……。
安価→下1(名前 何歳 どういった人物かを記載する)
私は夫の特徴を並べてみる事にした。
夫は……。
再度安価→下1(名前 何歳 どういった人物かを記載する)
sage進行だと気づきにくいよね……
安価なら
ドーガ 〔21歳〕 力自慢の好青年
「ドーガ、という名前に聞き覚えはあるだろうか?」
「ドーガでゲス?」
私はゲニスに夫の特徴も踏まえて心当たりがあるかどうかを訪ねてみた。
もちろん、夫である事は伏せてだ。
だが、彼は首を横に振るばかりであった。
「うーむ、知らないでゲス」
「……そうか」
肩を落として落胆する。
とはいえ、仕方ない。
必ずしも手がかりがあるわけでもないだろう。
その後はエアストについてゲニスが教えてくれた。
この周囲一帯では一番大きな町。
人探しをしているならば、他に町へ行って調べるよりも、この町で探した方が良いとの事。
中央市場。様々な商人が市場へ集まり、露店ではたまにレアなものが見つかるときもあるそうだ。
冒険者組合の場所。この酒場からそんなに距離は無く、近い距離にあるようだ。
オススメの雑貨商店。キーナの雑貨店が近辺で良い品を扱っているとの事。
魔法学校。魔法を学びたい場合はここへ有料で通えば良いとの事。
光神教会。この大陸で信仰されている唯一神にして光神「リヒト」を信奉する者はそこへ。
武防具店。様々な店が連なっており、人によって扱う武器が違ってくる為に自分で行って確かめるべきと助言を受ける。
スラム。大通りとは打って変わり、貧困層が住む地区。アウトローな人物達が集中している箇所があり、近づくべきではないらしい。
大まかな情報はわかってきた。
ゲニス自身はこの町に居着いて3年になるらしい。
特に住居を持たずに宿屋暮らしの生活だとか。
特定の住居を持たず、宿屋暮らしで雨宿を凌ぐ冒険者も少なくはない。
いつ命を落とすか分からない稼業でもあり、依頼で家を空ける事も多いので家無しの冒険者達の気持ちも分からなくも無い。
「こんな所でゲスね」
酒場での騒ぎもいつの間にか収まってきていた。
視線を感じていた方向に向けてみるとドミニクとヤマモトはもう既に居なかった。
ここいらが退き時だろう。
疲労と眠気がやって来ていた。
一通りの事を教えてくれたゲニスに感謝の言葉と、酒代を奢り、私はこの場を去る事にした。
「ありがとう、ゲニス」
「いやいや、この町に来たばかりで右も左も分からない新人ちゃんにレクチャーしただけの話でゲス」
歯の抜けた笑みは間抜けだが、親切な人物には変わりないだろう。
だが、あくまで親切止まり。
好意があろうとも私にはドーガという夫がいる。
私は悪女なのかもしれない。
「それじゃあ、ね」
「またでゲス」
ゲニスはひらひら、と掌を振り、宿屋にへと向かう私を見送っていた。
▼宿屋と食事代・酒代、5S分が支払われました。現在の所持金は「9G 15S」となります。
(一日の食事代と宿代で4Sが減っていきます)
宿屋には個室と共同宿泊の2つがある。
風呂もまた個室と共同のものがある。
共同の方はどちらとも安く、男性は特に気にしなくて人気だが、女性からは不評だ。
私もできるならば個室の方が有り難い。
私は個室の風呂でここまでの疲れと汚れを落とし、さっぱりとした所で薄着でベッドにへと横たわる。
個室には鍵をかけてある。
警戒する事もなく安眠できる為、ゆるやかに私は眠りにへと落ちていった……。
私は夢を見た。
ドーガと一緒に暮らしていた夫婦生活時代の夢だった。
私は絶対にあの日々を取り戻す。
▼トレイシー、一日目 が 終了しました。
▼トレイシー、二日目。
私は朝起き、身支度を整えると、下の酒場で朝食を取った。
侘しく冷たい行動食ではなく、温かいご飯が食べれるだけで人間は心が温かくなるものだ。
昨日より固いパンを白シチューにへと浸し、柔らかくしてからシチューの染み付いたパンを頬張っていく。
美味しいものだ。
さて、朝食を終えた所で、今日はどこへ行ってみようか、あるいは何をしようか?
行き先(あるいは行動)
1.冒険者組合
2.雑貨商店
3.魔法学校
4.光神教会
5.武防具店
6.自主訓練(戦闘をせずに経験を溜める)
7.その他自由安価
安価→下1
1 連取駄目だったら安価下
(まだまだ人が少ないですので連取は特に制限をかけておりません)
ひとまず一度は冒険者組合に顔を出してみる事にしよう。
そう思い立った私は装備を整えると、個室の部屋を後にして、冒険者組合にへと向かった。
冒険者組合。
大凡、小さい村でなければ大抵の町には冒険者組合が存在する。
冒険者の起源は、百年程前に万事を解決し、報酬を得ていた集団が起源とされている。
冒険者ができる以前は国王の元に様々な人々が現れ、国王に悩みを願い出て、王令の元に悩みを解決していた。
しかし、ある時、解決できないくらいにたくさんの悩みが出た年があった。
その年にどう対処すべきか、と悩んでいた王が上記の集団の活躍を耳にし、当時の大臣と共に国から援助出し、組合の設立に至った。
冒険者組合とその集団が既得権益でぶつかりあったのはまた別の話だ。
組合には様々な依頼が舞い込んで来る。
D級の内はゴブリンや害獣退治、薬草集め、手紙を届ける、雑用雑務等、簡単な依頼しか出来ない。
報酬も微々たるものだ(主に3S~4Sと、一日の宿・メシ代の稼ぎになるくらいだ)。
流石エアストの町。
これまで見てきた冒険者組合でも一際大きい建物だ。
今日の午前の冒険者組合はそこそこの入りだった。
入れば一フロアで組合内部をほぼ見通せるようになっている(組合人用の部屋は別にある)。
知っている人物が居るかと見渡す。
ゲニスが居るかな、と思ったが、特に見当たらなかった。
ヤマモトもドミニクも居ないようなので、知っている人物は特に居ない。
首から錫証を提げたD級の冒険者が依頼が貼られた依頼書掲示板の前で大挙している。
その様子をいつもの光景か、と受付の組合人は眺めている。
私は大挙しているD級の隣のC級用の掲示板前にへとやってきた。
基本的に依頼は受けた本人が受ける形となっているのが原則だ。
既に受注している冒険者が他の依頼を受注する事はできない。
但し、依頼をこなしている最中に、他の冒険者が受けた依頼を協力する事はできる事になっている。
単独募集と複数募集の二種類がある。
単独募集は受けれる人は一人まで。
複数募集は何人も受ける人を募集しているものを指す。規定人数に達した時点で募集は取りやめになる。
同時に依頼をこなす場合や、別々に依頼をこなす場合もある。
(依頼③は前者、依頼②は後者を指す)
掲示板は朝と夕方に更新されるようになっている。
朝に来て特に無ければ、夕方に冒険者が顔を出すのはよくある事だ。
さて、今現在は四枚の依頼書が残っている。
せっかくここに来たのだ。
どれにしようか…?
依頼①「ホブゴブリン退治」
報酬:4G
内容:村と町の間に最近現れているホブゴブリンを退治して欲しい。
依頼②「薬草採集」(複数募集)
報酬:2G
内容:エア山にある薬草を取ってきて欲しい。
依頼③「調査」(複数募集)
報酬:3G
内容:明後日の午前、魔法学校前に集合。近辺の森で突然変異体の魔物の報告が上がっているので、その調査。
依頼④「実験体協力」
報酬:1G
内容:私こと、デニーロが開発した魔法薬の実験体になってほしい。
受ける依頼(あるいは受けない)
1.依頼①「ホブゴブリン退治」
2.依頼②「薬草採集」
3.依頼③「調査」
4.依頼④「実験体協力」
5.今回は受けない。
安価→下1
4
なんとなく私はこの依頼の中でも一際目立つ、実験体協力の依頼書を手に取った。
他はありふれている退治や採集、近隣調査の依頼ではあるが、魔法薬の実験体とはなかなか聞かない依頼だ。
デニーロ、というのが依頼主だろうか。
ひとまず、私は依頼書を手に取り、受付にへと足をすすめる。
「この依頼を受けたいのだが」
「……よろしいのですか?」
「ああ、これで間違いない」
受付の人物は眉をひそめると何とも言い難い表情を浮かべた。
困惑。
あるいは、正気を疑うような視線だ。
確かに実験体の協力を好んで引き受ける人物は少ないかもしれないが、少し不安になる対応だ。
「……畏まりました。では、依頼者の指定場所ですが――」
私は魔法学校のとある一室の前にへと来ていた。
魔法学校とは国の認可を受けた教育機関と同時に、研究機関でもあると聞く。
色々な魔法学に関する研究を進め、更なる優秀な人材の確保を目指している。
各地に点在し、各地毎に研究する特色も違ってきて、重視される研究にも差が出てくるとのこと。
学生は二週類居る。
一つは通年を通う単位制。
学習過程数年をみっちり魔法学で学び、単位を取っていき、卒業後は魔法学に関する仕事に就く。
本学生と呼ばれる。
胸に各魔法学校のシンボルをつけている。
もう一つは途中参加で単位制の生徒に混じり、授業を受ける中途参加制。
外様生と呼ばれる。
胸には魔法学のシンボルである八芒星をつけていて、本学生からはあまりいい目では見られないとか。
外様生と呼ばれている時点で外部の人間の様に扱われているようでならない。
後は研究生やら何やら居るが、それはトレイシーには知らない事である。
中にへと足を踏み入れると、その部屋は様々な臭いがした。
何かをすり潰した木の根の臭い。
薬品と薬品を混じり合わせたような薬品の臭い。
獣の血のような臭いまで混じり合っている。
異臭の正体は何かしらの実験が為された机の上にあった。
板の上には草や根をすり潰したもの、フラスコには怪しげな液体が注がれていたりしている。
その向かい側に白衣を着た男が立っていた。
でっかい瓶底のような丸メガネをかけた男は私の顔を見るなり、すぐさま顔色を喜々として変えていく。
「君がトレイシー君だね? いやあー、ようこそ!! 我がデニーロの研究室へ!」
密やかに応援しています
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